JP2005085671A - 導光板及び面光源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エッジライト方式の面光源装置において点状光源を使用した場合にも、プリズムシートを用いずに、入射光を効率良く正面に出射できるとともに輝度ムラを抑制することができる導光板を提供する。
【解決手段】導光板14は点状光源15から出射された光を入射する端面14aと、端面14aから入射された光を出射する出射面18とを備え、出射面18と反対側の裏面には、点状光源15から導光板14に入射した光を出射面18に向けて反射させる反射部19が形成されている。出射面18には、3種の異なる頂角のプリズム21a,21b,21cが、採光面20aの延びる方向と直交する方向に延びるように、複数設けられている。プリズム21a〜21cは、異なる頂角のプリズム21a〜21cが一つずつ順に並んだ組が繰り返されるように配列されている。
【選択図】 図1
【解決手段】導光板14は点状光源15から出射された光を入射する端面14aと、端面14aから入射された光を出射する出射面18とを備え、出射面18と反対側の裏面には、点状光源15から導光板14に入射した光を出射面18に向けて反射させる反射部19が形成されている。出射面18には、3種の異なる頂角のプリズム21a,21b,21cが、採光面20aの延びる方向と直交する方向に延びるように、複数設けられている。プリズム21a〜21cは、異なる頂角のプリズム21a〜21cが一つずつ順に並んだ組が繰り返されるように配列されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、導光板及び面光源装置に係り、詳しくは光源からの出射光を入射して面状に出射するのに好適な導光板及び面光源装置に関する。
液晶表示装置として液晶表示パネル(液晶パネル)の背面(表示面と反対側の面)に面光源装置をバックライトとして配置したものがある。この種の面光源装置として、透光性の高い材料で形成された導光板の端面と対向して光源を配置し、導光板の表面(液晶パネルと対向する側の面)から光が面状に出射されるエッジライト方式(サイドライト型)の装置が提案されている。光源としては、蛍光管(冷陰極管)を配置したもの及びLEDを配置したものがあるが、LEDは指向性が強いため、輝線、明部、暗部などが生じ易い。
導光板から光を均一な面状に出射させる方法として、プリズムシートを使用して必要な輝度を得る方法があり、このような場合には一般にプリズムシートを2枚使用することが多い。
1個又は少ない数のLEDを使用して導光板から光を均一な面状で出射させる方法としては、導光板の採光手段としての拡散ドットと拡散シートで拡散させることによって指向性を緩和し、プリズムシートで集光して必要な輝度を得る方法がある。この方法を用いる場合にも、一般にプリズムシートを2枚使用することが多い。しかし、プリズムシートを使用する構成では、部品点数が増えるため組み付け工数が増加するとともにコストも高くなる。
1個又は少ない数のLEDを使用して導光板から光を均一な面状で出射させる方法としては、導光板の採光手段としての拡散ドットと拡散シートで拡散させることによって指向性を緩和し、プリズムシートで集光して必要な輝度を得る方法がある。この方法を用いる場合にも、一般にプリズムシートを2枚使用することが多い。しかし、プリズムシートを使用する構成では、部品点数が増えるため組み付け工数が増加するとともにコストも高くなる。
従来2枚使用されていたプリズムシートを1枚にすることを目的として、図8に示すように、導光板51の両端面に光源として線状光源(蛍光灯)52を配置し、導光板51の出射面側に線状光源52と対向する面と平行に延びるプリズム53を設けたものがある(特許文献1参照。)。導光板51は光散乱性に形成され、導光板51の出射面と反対側(裏面)には、反射フィルム54が配置されている。
また、エッジライト方式の面光源装置においては、光源が点状光源、線状光源に限らず、導光板の側面(端面)から入射された光のうち、出射面に対して垂直方向に出射する光量が少なく、入射光の利用効率が低い。この問題を解決する面光源装置として、出射面に微細プリズムの配列構造を有し、出射面に対向する底面に前記微細プリズムの延びる方向と交差する方向に延びる斜面からなる凸部又は凹部を周期的に有する導光板を備えたものが提案されている(特許文献2参照。)。前記各凸部又は凹部を構成する二つの斜面は、その大きさが異なり、両斜面の出射面に対する投影面積を比較すると、大きな斜面の投影面積が小さな斜面の投影面積の3倍以上となるように形成されている。
特開平6−186560号公報(明細書の段落[0073]〜[0076]、図2,4)
特開平10−282342号公報(明細書の段落[0010]〜[0020]、図1,5)
特許文献1の構成では、プリズム53が線状光源52と平行に延びるように形成されているため、図9に示すように、線状光源52から出射されて導光板51内を導波する光のうち、プリズム53の斜面53aから出射する方向が斜面53aへの入射方向より導光板51に近づく側に屈折する光L1が多くなる。この光はプリズムシート無しでは有効出射光として利用できず、プリズムシート無しでは輝度が低下する。
一方、特許文献2に記載の導光板では、端面から入射された光を効率良く出射面から出射させることができ、プリズムシートを削減することも可能であるが、輝線対策は施されておらず、光源として点状光源を用いた場合は、輝線の発生を抑制できない。
導光板の屈折率は空気の屈折率より大きいため、導光板から出射する光の導光板と空気との界面における屈折角は入射角より大きくなる。特許文献2に記載の導光板のように、導光板の出射面に、入射面(導光板の端面)と直交する方向に延びる三角プリズムが形成された場合は、出射面側に向かった光は、三角プリズムの斜面に垂直な面との成す角度が大きくなるように屈折して進む。その結果、光が導光板の正面に集光される。導光板の正面とは出射面に対し垂直方向を意味する。しかし、三角プリズムの集光作用は、斜面に特定の角度で入射する光のみを図10に示すように導光板61の正面に向かって集光するが、それ以外の角度で入射する光は正面以外の方向へ出射させる。また、三角プリズム64の頂角の値によっては、鎖線で示すように、三角プリズム64の内部へ反射する場合もある。
点状光源62から出射されて導光板61に入射された光は、拡がりを持っている。従って、採光面63で全反射する際の角度が場所によって異なる状態となる。その結果、特定の角度で採光面63に入射する光が三角プリズム64から出射する際に導光板61の正面に出射されるようになる。例えば、三角プリズム64の頂角が90°で、採光面63の成す角度が45°では、図11に示すように、点状光源62からの拡がり角度αが約34°の位置に輝線65が発生する。また、隣接する点状光源62から出射された輝線65が重なった部分に局所的な明部66が発生する。なお、図10において破線の円Aで囲まれた部分が図11における破線の円Aで囲まれた部分に対応し、図10において破線の円Bで囲まれた部分が図11における破線の円Bで囲まれた部分に対応する。
本発明は前記の問題に鑑みてなされたものであって、第1の目的はエッジライト方式の面光源装置において、点状光源を使用した場合にも、プリズムシートを用いずに、入射光を効率良く正面に出射できるとともに輝度ムラを抑制することができる導光板を提供することにある。また、第2の目的は前記導光板を備えた面光源装置を提供することにある。
前記第1の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、光源から出射された光を端面から入射するとともに、面状に変換して出射する導光板である。導光板には、前記端面から入射された光を出射する出射面に、前記端面と直交する方向に延びるように異なる頂角のプリズムが複数設けられ、前記出射面と反対側の裏面には前記端面から入射されて導光板内を導波する光を前記出射面から出射する方向に反射させる反射部が形成されている。
この発明では、端面から入射された光は、導光板内を前記端面と反対側の端面に向かって導波される間に反射部で反射して、出射面に向かってその進行方向が変更される。そして、出射面に設けられたプリズムを経て出射される。従来の導光板のように出射面に設けられた全てのプリズムの頂角が同じ場合は、反射部で反射した光のうち、各プリズムの頂点と接する仮想平面に対して所定の角度を成すように反射した光のみが導光板の正面に出射されるため、正面から導光板を見た時に輝線や明部が発生し、輝度ムラが大きくなる。しかし、この発明では、異なる頂角のプリズムが設けられているため、入射面に対する角度が異なる輝線が多数発生することにより全体としては輝度が均一化され、結果として輝度ムラが抑制されるとともに、導光板の輝度が向上する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記プリズムは、異なる頂角のプリズムが一つずつ順に並んだ組が繰り返されるように配列されている。この発明では、入射面に対して角度が異なる輝線を導光板全体に満遍なく分布させ、全体として均一化することが容易になる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記光源は、複数の点状光源である。この発明では、輝線が発生し易い複数の点状光源を備えた場合において、輝度ムラの抑制及び導光板の輝度の向上を図ることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記各点状光源の正面と対応する部分に設けられたプリズムの頂角の平均値が、他の部分に設けられたプリズムの頂角の平均値より大きく形成されている。この発明では、各点状光源の正面において出射される光量が多くなり、点状光源の間と対応する部分おいて出射面から出射される光量が少なくなることにより、局所的な明部の発生がより抑制される。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は請求項4に記載の発明において、前記導光板は入射された光を拡散させる導入部が突設され、前記導入部は、前記光の入射側から導光板本体側に向かって拡がる形状に形成されている。また、前記導入部の幅方向に延びる面と平行な平面と、点状光源からの光を拡散させる拡散部とが交互に繰り返して構成され、かつ前記点状光源と対向する入射部と、前記拡散部で拡散された光を前記導光板本体に向けて反射する反射部とを備えている。この発明では、点状光源からの光が、導入部によって拡散され、点状光源の正面や点状光源間に導波される光の指向性や光量が均一化される。従って、複数の点状光源を設けた際に、点状光源の正面や点状光源間の明部や暗部の発生や、導光板の輝度ムラをより低減することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記導光板の裏面には、前記端面に沿って延びるとともに前記入射された光を前記出射面から出射する方向に反射させる採光面を構成する溝が複数形成されている。この発明では、端面から入射された光は、導光板内を前記端面と反対側の端面に向かって導波される間に採光面で反射して、出射面とほぼ垂直な方向に向かってその進行方向が変更される。そして、出射面に設けられたプリズムを経て出射される。従って、裏面にドットを設け、このドットによって散乱させる場合に比較して、端面から入射された光を導光板の出射面から観察者に向かう方向に出射させるのが容易になる。
第2の目的を達成するため、請求項7に記載の発明の面光源装置は、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の導光板と、光源とを備えている。この発明では、サイドライト型の面光源装置において、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の導光板を使用した場合と同様な効果が得られる。
本発明によれば、エッジライト方式の面光源装置において、点状光源を使用した場合にも、プリズムシートを用いずに、入射光を効率良く正面に出射できるとともに輝度ムラを抑制することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を液晶表示装置のサイドライト型のバックライトに使用される面光源装置の導光板に具体化した第1の実施形態を図1〜図4に従って説明する。図1(a)は導光板と点状光源の関係を示す模式斜視図、図1(b)は導光板の裏面を出射面側から見た模式斜視図、図2は液晶表示装置の模式図である。図3(a)は採光面の作用を示す模式図、(b)はプリズムの作用を示す模式斜視図である。図4は作用を示す模式平面図である。
以下、本発明を液晶表示装置のサイドライト型のバックライトに使用される面光源装置の導光板に具体化した第1の実施形態を図1〜図4に従って説明する。図1(a)は導光板と点状光源の関係を示す模式斜視図、図1(b)は導光板の裏面を出射面側から見た模式斜視図、図2は液晶表示装置の模式図である。図3(a)は採光面の作用を示す模式図、(b)はプリズムの作用を示す模式斜視図である。図4は作用を示す模式平面図である。
図2に示すように、液晶表示装置11は、液晶パネル12と、その背面(表示面と反対側の面)側に配置されたバックライトとしての面光源装置13とを備えている。面光源装置13は、導光板14と、導光板14の一方の端面14aと対向する位置に配置された複数の点状光源15とを備えている。点状光源15としてはLED(発光ダイオード)が使用されている。
面光源装置13には、導光板14を挟んで液晶パネル12と反対側に位置し、導光板14から漏れた光を導光板14に戻して出射光として利用するための反射部材(反射シート)16が設けられている。また、導光板14と液晶パネル12との間には、拡散シート17が配置されている。
次に導光板14について詳細に説明する。導光板14は透明性の高い材料、例えばアクリル樹脂で形成されている。図1(a)に示すように、導光板14は、ほぼ四角形状に形成され、点状光源15から出射された光を入射する端面14a(入射面)と、端面14aから入射された光を出射する出射面18とを備え、出射面18と反対側の裏面には、点状光源15から導光板14に入射した光を出射面18に向けて反射させる反射部19が形成されている。
反射部19は、端面14aに沿って延びるように形成された複数の平行な溝20により構成されている。溝20は、端面14a側から対向面14b側に向かって上昇傾斜する採光面20aと、端面14a側から対向面14b側に向かって下降傾斜する導波面(傾斜面)20bとが交互に連なるように設けられている。即ち、各溝20は点状光源15と対向する端面14aと直交する平面による断面形状が鋸歯状となるように隣接して形成されている。
採光面20aは、端面14aから導光板14に入射され、採光面20aに到達した光を、端面14aの下端を含み端面14aと直交する方向に延びる仮想平面(図示せず)に対してほぼ直角に近い角度で出射面18の方向に全反射させる角度に形成されている。図3(a)に示すように、溝20は、採光面20aが前記仮想平面と平行な平面P1と成す角度θ1が例えば35°〜50°、好ましくは40°〜45°の範囲の所定の角度に、導波面20bが平面P1と成す角度θ2が例えば0.3°〜2.5°の範囲の所定の角度に形成されている。
出射面18には、異なる頂角のプリズム21a,21b,21cが採光面20aの延びる方向と直交する方向に延びるように、即ち端面14aと直交する方向に延びるように複数設けられている。この実施形態では3種の異なる頂角のプリズム21a,21b,21cが設けられ、異なる頂角のプリズム21a〜21cが一つずつ順に並んだ組が繰り返されるように配列されている。この実施形態では頂角が大のプリズム21a、頂角が中のプリズム21b、頂角が小のプリズム21cの順に配列されている。この実施形態では各プリズム21a〜21cの配置は、各点状光源15の位置を配慮せずに設定されている。
各プリズム21a〜21cは、長手方向と直交する切断面での断面形状が二等辺三角形状に形成され、端面が前記仮想平面とほぼ垂直になるように形成されている。また、各プリズム21a〜21cは互いに隣接するように形成され、出射面18は端面14aと直交する方向に延びる一対の斜面を有するプリズム21a〜21cが繰り返し形成された構成となっている。
プリズム21a〜21cの幅は10〜500μm、好ましくは50〜300μmの範囲の所定の大きさに形成され、点状光源15の幅は例えば3mmに形成されている。この明細書において、点状光源15及びプリズム21a〜21cの大きさの比は、図示の都合上実際とは異なっており、点状光源15の数も実際とは異なっており2個のみ図示している。
各プリズム21a〜21cからの出射光の状態は、プリズム21a〜21cの頂角、採光面20aが平面P1と成す角度θ1、導波面20bが平面P1と成す角度θ2の値や点状光源15の指向性によって異なる。従って、シミュレーションあるいは試験により導光板14に点状光源15から光を入射させた状態で、導光板14に生じる輝線が全体に満遍なく生じるように、導光板14の設計が行われる。
採光面20aが平面P1と成す角度θ1を45°とした場合について、プリズムの頂角と、正面(天頂角5度以内)に出射するための入射光の方位角との関係をシミュレーションで求めた結果を表1に示す。導光板の正面から観測した場合に、各欄に記載された括弧内の角度で輝線が発生する。この角度は図11においてはα/2に相当する。なお、出射光の天頂角とはプリズムがない状態の出射面に垂直な線と出射光との成す角度を意味し、入射光の方位角とは、導光板14の上方(出射面と対向する側)から見た状態で、入射光がプリズムの軸方向と成す角度を意味する。
次に前記のように構成された導光板14の作用について説明する。導光板14は、例えば、図2に示すように、透過型の液晶表示装置11のバックライトユニットとしての面光源装置13に組み込まれて使用される。点状光源15は複数設けられている。
点状光源15が点灯されると、点状光源15から出射した光が導光板14に入射し、入射した光は導光板14の出射面18から液晶パネル12に向かって出射され、拡散シート17を経て液晶パネル12に入射される。そして、液晶表示装置11の使用者は液晶パネル12の表示をその出射光により視認する。
導光板14における作用を詳しく説明すると、点状光源15から出射した光の大部分は端面14aから導光板14に入射される。導光板14に入射された光は導光板14内を導波する。そのうち、採光面20aに到達した光は、図3(a)に示すように、出射面18に向かうように反射されて出射面18から出射する。
端面14aから導光板14内に入射した光が全て採光面20aに向かって直進するとは限らず、採光面20aに到達する光には、導波面20bや出射面18で全反射しながら導光板14内を導波した後、採光面20aに到達する光もある。導波面20bが端面14a側から対向面14b側に向かって下降傾斜するように形成されている。そのため、直接採光面20aに向かって導波する以外の光は、導波を繰り返すうちに、平面P1と平行な方向に近づき、採光面20aで効率よく出射面18の方向に反射される。
点状光源15から正面に向かって出射された光と、点状光源15から採光面20aに対して斜めに出射された光とを比較すると、後者の方が採光面20aで全反射してプリズム21a〜21c内に進んだ後、プリズム21a〜21cの表面から液晶パネル12に向かって出射される割合が大きい。これは、次のような理由による。
すなわち、点状光源15から正面に出射された光は、採光面20aで平面P1に略垂直に反射され、点状光源15から斜めに出射された光は採光面20aで平面P1に対して斜めに反射される。前者の光は、プリズム21a〜21cの斜面の法線とのなす角が大きいため、プリズム21a〜21cで反射し内部に導波するものの割合が大きい。後者の光はプリズム21の斜面の法線とのなす角が小さいため、プリズム21a〜21cから外部に出射されるものの割合が大きくなるからである。
また、プリズム21a〜21cから外部に出射される光の天頂角は、プリズム21a〜21cの頂角と、プリズム21a〜21cの斜面への入射光の方位角とによって異なり、輝線が発生する位置もそれによって異なる。そして、従来の導光板は、出射面に一定の頂角のプリズムが設けられていたので、図11に示すように、導光板に発生する輝線は導光板の端面と垂直な直線との成す所定の角度α/2の位置に現れる。
しかし、この実施の形態では異なる頂角のプリズム21a〜21cが複数設けられており、各プリズム21a〜21cの頂角と、入射光の方位角に適した光が入射されるとプリズム21a〜21cから正面へ向かって出射されるようになる。即ち、図3(b)に示すように、点状光源15から出射された光の角度によって、プリズム21a〜21cからの出射光は導光板14の正面に出射する状態となる。従って、輝線の位置を決定する角度α/2がプリズム21a〜21cの種類に応じて存在する状態となる。図4に頂角の異なる2種類のプリズムが存在する導光板14における、輝線22の発生状態を示す。図4に示すように、異なる角度αの位置に輝線22が発生するため、導光板全体として輝線22が目立たなくなり、輝度ムラが抑制される。3種のプリズム21a〜21cが存在するこの実施形態では、輝線22がより目立たなくなり、輝度ムラもより抑制される。
この実施形態では以下の効果を有する。
(1) 導光板14には、その端面14aから入射された光を出射する出射面18に、端面14aと直交する方向に延びるように異なる頂角のプリズム21a〜21cが複数設けられている。従って、複数の点状光源15から導光板14に入射する光によって輝線22の発生する位置が、端面14aと直交する方向に対する角度α/2が異なる複数箇所となり、輝線22が満遍なく導光板14全体に発生する状態となって、結果として輝度ムラが抑制されるとともに、導光板14の輝度が向上する。
(1) 導光板14には、その端面14aから入射された光を出射する出射面18に、端面14aと直交する方向に延びるように異なる頂角のプリズム21a〜21cが複数設けられている。従って、複数の点状光源15から導光板14に入射する光によって輝線22の発生する位置が、端面14aと直交する方向に対する角度α/2が異なる複数箇所となり、輝線22が満遍なく導光板14全体に発生する状態となって、結果として輝度ムラが抑制されるとともに、導光板14の輝度が向上する。
(2) 導光板14の裏面には、端面14aに沿って延びるとともに前記入射された光を出射面18から出射する方向に反射させる採光面20aを構成する溝20が複数形成されている。従って、裏面にドットを設ける場合に比較して、端面14aから入射された光を導光板14の出射面18から観察者に向かう方向に出射させることが容易となる。
(3) プリズムは、異なる頂角のプリズム21a〜21cが一つずつ順に並んだ組が繰り返されるように配列されている。従って、端面に対して角度が異なる輝線22を導光板14全体に満遍なく分布させるのが容易になる。
(4) 各プリズム21a〜21cはそのピッチが同じに形成されている。従って、プリズム21a〜21cのピッチが異なるように形成する場合に比較して、導光板14を射出成形する際の金型の製造が容易になる。
(5) プリズムシートを用いなくても、入射光を効率よく正面に出射できかつ輝度ムラを抑制できる。このため、面光源装置13を構成する部品点数が少なくなって、組立工数を低減でき、製造コストを低減できる。導光板14にプリズム21a〜21cを形成する必要がある。しかし、導光板14は金型を使用して射出成形などで製造されるため、金型のコストが多少高くなるが、多数の導光板14を製造することにより、一枚当たりの導光板14の製造コストは、プリズムを設けない導光板の製造コストと、プリズムシートの単価との合計より低くできる。
(6) 面光源装置13は拡散シート17を備えている。従って、導光板14において導光板14から出射された光が拡散シート17を通過して液晶パネル12に入射する際には、輝線22を肉眼で判別できない状態にすることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した導光板14の第2の実施形態を図5(a),(b)に従って説明する。この実施形態では、導光板14に点状光源15から出射された光を入射するための導入部が突設されている点が前記第1の実施形態と大きく異なっている。第1の実施形態と同様な部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。なお、図5(a)は導光板14と点状光源15の関係を示す模式斜視図、(b)は導入部の模式平面図である。なお、(b)ではプリズム21a〜21cの図示を省略している。
次に、本発明を具体化した導光板14の第2の実施形態を図5(a),(b)に従って説明する。この実施形態では、導光板14に点状光源15から出射された光を入射するための導入部が突設されている点が前記第1の実施形態と大きく異なっている。第1の実施形態と同様な部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。なお、図5(a)は導光板14と点状光源15の関係を示す模式斜視図、(b)は導入部の模式平面図である。なお、(b)ではプリズム21a〜21cの図示を省略している。
図5(a)に示すように、導光板14の対向面14bと反対側、即ち光の入射側の端面14aに導入部23が複数、隣接して設けられている。導入部23は、入射部24及び反射部25を備えている。導入部23は、図5(b)に示すように、光の入射側から導光板14の本体側に向かって拡がる形状に形成されるとともに、基端(点状光源15と対向する側の端部)の幅K(図における左右方向の長さ)が点状光源15の幅よりも大きく形成されている。なお、この実施の形態では、導入部23は対称な形状になっている。入射部24は、点状光源15と対向するとともに、導入部23の幅方向に延びる面26と平行な平面24aと、点状光源15からの光を拡散させる拡散部としてのV型溝24bとが交互に等間隔で繰り返して構成されている。V型溝24bを構成する面と、入射部24における平面24aとのなす角度θの値は120度〜155度の間の値となっている。
反射部25は、V型溝24bで拡散された光を導光板本体に向けて反射するように形成されている。反射部25は平面状である。そして、反射部25と導入部23の幅方向に延びる面26とがなす角度βの値は40度〜65度の間の値となっている。ここで、導光板本体とは、導光板14の導入部23を除いた部分を意味する。
この実施形態では、点状光源15から出射した光の大部分は入射部24に到達する。入射部24に到達した光のうち一部は、導入部23の幅方向に延びる面26と平行な平面24aから導入部23に入射される。導入部23の幅方向に延びる面26と平行な平面24aから導入部23に入射された光の多くは、平面24aにおいて、その進行方向が平面24aと垂直な方向に近づくように屈折し、導入部23及び導光板14の内部を導波する。
一方、入射部24に到達した光のうち残りの一部は、V型溝24bによって、反射部25に向けて屈折されて導入部23に入射される。そして、反射部25において、その多くは導光板14の幅方向と垂直な方向に近づくように反射される。反射部25で反射された光は、導光板14のうち、点状光源15と点状光源15との間に位置する部分を導波する。
従って、この第2の実施形態によれば、第1の実施形態の(1)〜(6)と同様な効果を有する他に次の効果を有する。
(7) 導光板14には入射された光を拡散させる導入部23が突設され、点状光源15からの光が、導入部23によって拡散されるため、導入部23がない場合に比較して、点状光源15間や点状光源15の正面に対応する部分に導波される光の指向性や光量が均一化される。従って、複数の点状光源15間に暗部や明部が発生したり、点状光源15の正面に明部や暗部が発生したりするのを抑制し易くなり、導光板14から出射される光の点状光源15の近傍に発生する輝度ムラをより低減することができる。
(7) 導光板14には入射された光を拡散させる導入部23が突設され、点状光源15からの光が、導入部23によって拡散されるため、導入部23がない場合に比較して、点状光源15間や点状光源15の正面に対応する部分に導波される光の指向性や光量が均一化される。従って、複数の点状光源15間に暗部や明部が発生したり、点状光源15の正面に明部や暗部が発生したりするのを抑制し易くなり、導光板14から出射される光の点状光源15の近傍に発生する輝度ムラをより低減することができる。
実施の形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
〇 各点状光源15の正面と対応する部分に設けられたプリズムの頂角の平均値が、他の部分に設けられたプリズムの頂角の平均値より大きく形成されている。例えば図6に示すように、頂角の大きなプリズム21cが各点状光源15の正面と対応するように形成する。頂角の大きなプリズム21cの方が、頂角の小さなプリズム21aに比較して、点状光源15から正面に出射された光をプリズム21cから外部に出射する割合が多くなる。従って、この場合、各点状光源15の間と対応する部分おいて出射面から出射される光量が少なくなることにより、局所的な明部の発生がより抑制される。
〇 各点状光源15の正面と対応する部分に設けられたプリズムの頂角の平均値が、他の部分に設けられたプリズムの頂角の平均値より大きく形成されている。例えば図6に示すように、頂角の大きなプリズム21cが各点状光源15の正面と対応するように形成する。頂角の大きなプリズム21cの方が、頂角の小さなプリズム21aに比較して、点状光源15から正面に出射された光をプリズム21cから外部に出射する割合が多くなる。従って、この場合、各点状光源15の間と対応する部分おいて出射面から出射される光量が少なくなることにより、局所的な明部の発生がより抑制される。
○ 点状光源15に対してプリズム21a〜21cを略対称に配置してもよい。
○ プリズム21a〜21cの配列パターンは前記実施形態のパターンに限らず、各プリズム21a〜21cが任意の順序で配列されてもよい。しかし、各プリズム21a〜21cが一定の配列パターンで配列された構成の方が、導光板14の設計が容易になる。
○ プリズム21a〜21cの配列パターンは前記実施形態のパターンに限らず、各プリズム21a〜21cが任意の順序で配列されてもよい。しかし、各プリズム21a〜21cが一定の配列パターンで配列された構成の方が、導光板14の設計が容易になる。
○ 導光板14を設計する際、プリズム21a〜21cの頂角を変更する代わりにピッチを変更したり、頂角及びピッチの両方を変更してもよい。
〇 プリズムの種類は3種類に限らず、2種類以上であればよい。しかし、頂角の差を小さくして(例えば、5°の差)他種類のプリズムを設けても、製造コストが高くなる割に効果の向上が少ない。従って、プリズムとしては、頂角の差が大きな物を5種設ければ十分である。
〇 プリズムの種類は3種類に限らず、2種類以上であればよい。しかし、頂角の差を小さくして(例えば、5°の差)他種類のプリズムを設けても、製造コストが高くなる割に効果の向上が少ない。従って、プリズムとしては、頂角の差が大きな物を5種設ければ十分である。
〇 プリズム21a〜21cは必ずしも隣接するプリズム21a〜21cが連続する必要はなく、例えば、図7に示すように、各プリズム21a〜21cを一定間隔Sをおいて配置してもよい。即ち、隣接するプリズム間に平坦部21dが存在してもよい。間隔Sは、プリズムの幅Wの1/10以下が好ましい。
〇 プリズム21a〜21cのピッチPあるいは幅Wは一定に限らず、幅Wが異なるように形成してもよい。しかし、ピッチPあるいは幅Wが一定の方が金型の製造が容易となる。
〇 導入部23に設けられる入射部24は、導入部23の幅方向に延びる面26と平行な平面24aと、点状光源15からの光を拡散させる拡散部としてのV型溝24bとが交互に等間隔で繰り返す構成に限らず、例えば、V型溝24bが連続して繰り返す構成としてもよい。
○ 導光板14は、その厚さがマクロ的に見て一定ではなく、マクロ的に見て端面14a側から対向面14b側に向かって次第に薄くなるほぼ楔状や、中央部が板厚な形状に形成されていてもよい。
○ 端面14aから入射された光を導光板14の出射面18から出射させる構成として、採光面20aと導波面20bとが鋸歯状に連続する構成の反射部19を裏面に設ける構成に限らず、例えば、体積散乱を利用した採光手段を設けてもよい。体積散乱を利用した採光手段とは、導光板14を構成する透明性の高い材料中に気泡又は導光板14の材料と屈折率の異なる材料製のビーズを分散させることにより、光(可視光)を反射あるいは屈折させる機能を有するものを意味する。導光板14の裏面側には反射シートを配設する。この構成を採用する場合は、導光板14は、その厚さがマクロ的に見て端面14a側から対向面14b側に向かって次第に薄くなるほぼ楔状に形成するのが好ましい。
〇 面光源装置13において拡散シート17を省略してもよい。拡散シート17を設ける方が、面光源装置13の出射面全体の輝度ムラを低くすることができる。しかし、面光源装置13が使用される表示装置に要求される表示部の精細度によっては、拡散シート17を省略しても、輝度ムラを実用上問題のない状態にまで抑制できる。
○ 液晶表示装置11は、透過型の液晶パネル12を使用するとともに、面光源装置13をバックライトとして使用する構成に限らず、面光源装置13をフロントライトとして使用するとともに、反射型の液晶パネルを使用する構成としてもよい。この構成においても、出射面18が液晶パネルと対向する側に設けられる。しかし、バックライトとして使用する構成と異なり、反射部19の外側に反射部材16は設けられない。この液晶表示装置11は外部が明るい場合は、外光が導光板14の反射部19側から入射され、導光板14を透過して出射面18から出射され、液晶パネルを照射する。液晶パネルを照射した光は液晶パネルで反射し、再び導光板14に入射して導光板14を透過し、出射面18と対向する面(反射部19)から出射し、目で視認される。出射面18に多数のプリズム21a〜21cが形成されているが、プリズム21a〜21cの幅を狭くすることにより、液晶パネルの画像は正常に目で視認できる。外部環境が暗い状態では、点状光源15が点灯され、端面14aから入射した光が前記実施形態と同様にして出射面18から出射され、液晶パネルを照射する。
○ 第2の実施形態では、導入部23を対称な形状としたが、導入部23は非対称な形状であってもよい。
〇 光源として点状光源15に代えて線状光源を使用する面光源装置に適用してもよい。
〇 光源として点状光源15に代えて線状光源を使用する面光源装置に適用してもよい。
以下の技術的思想(発明)は前記実施の形態から把握できる。
(1) 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の導光板において、前記異なる頂角のプリズムは、その頂角の差が10°以上である。
(1) 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の導光板において、前記異なる頂角のプリズムは、その頂角の差が10°以上である。
P1,24a…平面、14…導光板、14a…端面、15…点状光源、18…出射面、19,25…反射部、20…溝、20a…採光面、21a,21b,21c…プリズム、23…導入部、24…入射部、26…面。
Claims (7)
- 光源から出射された光を端面から入射するとともに、面状に変換して出射する導光板であって、
前記端面から入射された光を出射する出射面に、前記端面と直交する方向に延びるように異なる頂角のプリズムが複数設けられ、前記出射面と反対側の裏面には前記端面から入射されて導光板内を導波する光を前記出射面から出射する方向に反射させる反射部が形成されている導光板。 - 前記プリズムは、異なる頂角のプリズムが一つずつ順に並んだ組が繰り返されるように配列されている請求項1に記載の導光板。
- 前記光源は、複数の点状光源である請求項1又は請求項2に記載の導光板。
- 前記各点状光源の正面と対応する部分に設けられたプリズムの頂角の平均値が、他の部分に設けられたプリズムの頂角の平均値より大きく形成されている請求項3に記載の導光板。
- 前記導光板は入射された光を拡散させる導入部が突設され、前記導入部は、前記光の入射側から導光板本体側に向かって拡がる形状に形成されるとともに、前記導入部の幅方向に延びる面と平行な平面と点状光源からの光を拡散させる拡散部とが交互に繰り返して構成され、かつ前記点状光源と対向する入射部と、前記拡散部で拡散された光を前記導光板本体に向けて反射する反射部とを備えている請求項3又は請求項4に記載の導光板。
- 前記導光板の裏面には、前記端面に沿って延びるとともに前記入射された光を前記出射面から出射する方向に反射させる採光面を構成する溝が複数形成されている請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の導光板。
- 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の導光板と、光源とを備えた面光源装置。
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