以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1〜図17は本発明による一実施の形態を説明するための図である。このうち、図1は、液晶表示装置および面光源装置の概略構成を示す断面図であり、図2は、面光源装置の作用を説明するための断面図である。図3は、面光源装置に含まれた導光板を示す斜視図であり、図4は、導光板を出光面の側から示す平面図であり、図5〜7は、導光板の主切断面を示す断面図である。図8〜図12は、導光板の作用を説明するための図であり、図13は、入光面近傍における光源からの光の光路を説明するための図である。さらに、図14〜図17は、導光板を製造する方法を説明するための図である。なお、図1および図2の導光板は、図3におけるX−X線に沿った断面で示されている。
図1に示すように、表示装置10は、液晶表示パネル15と、液晶表示パネル15の背面側に配置され液晶表示パネル15を背面側から面状に照らす面光源装置20と、液晶表示パネル15および面光源装置20を制御する制御装置18と、を備えている。表示装置10は、表示面11を有している。
図示された液晶表示パネル15は、出光側に配置された上偏光板13と、入光側に配置された下偏光板14と、上偏光板13と下偏光板14との間に配置された液晶セル12と、を有している。このうち、液晶セル12は、ガラス等からなる一対の支持板と、支持板間に配置された液晶と、液晶分子の配向を一つの画素を形成する領域毎に電場によって制御する電極と、を有する部材である。制御装置18は、画素毎の液晶分子の配向を制御するように構成されている。この結果、液晶表示パネル15は、面光源装置20からの光の透過および遮断を画素毎に制御するシャッターとして機能し、面光源装置20からの面状光を選択して透過させることにより、画像を形成するようになる。液晶表示パネル15の詳細については、種々の公知文献(例えば、「フラットパネルディスプレイ大辞典(内田龍男、内池平樹監修)」2001年工業調査会発行)に記載されており、ここではこれ以上の詳細な説明を省略する。
次に、面光源装置20について説明する。面光源装置20は、面状に光を発光する発光面21を有し、液晶表示パネル15を背面側から照明する装置である。図1に示すように、面光源装置20は、エッジライト型の面光源装置として構成され、導光板30と、導光板30の側方に配置された光源24a,24bと、を有している。導光板30は、液晶表示パネル15側の主面によって構成された出光面31と、出光面31に対向するもう一方の主面からなる裏面32と、出光面31および裏面32の間を延びる側面と、を有している。そして、導光板30の側面の一部分によって少なくとも一つの入光面が形成され、この入光面に対向して光源24a,24bが配置されている。また、側面の一部分によって一つの入光面33に対向する反対面34も形成され、当該一つの入光面33から導光板30に入射した光は、概ね、当該一つの入光面33と、当該一つの入光面33に対向する反対面34と、を結ぶ第1方向(導光方向)に導光板30内を導光されるようになる。加えて、面光源装置20は、導光板30の裏面32に対向して配置された反射シート22と、導光板30の出光面31に対向して配置された光学シート26と、をさらに有している。
なお、図示する例において、液晶表示装置10の表示面11および面光源装置20の発光面21とともに、導光板30の出光面31は、四角形形状に形成されている。すなわち、導光板30は、全体的に、一対の主面(出光面31および裏面32)を有する四角形板状の部材として構成されている。したがって、一対の主面間に画成される側面は四つの面を含んでいる。そして、図1に示すように、側面のうちの第1方向に対向する二つの面が、入光面33,34をなしている。言い換えると、上述した一つの入光面が第1入光面33として機能し、この一つの入光面に対向する反対面が第2入光面34として機能するようになっている。そして、図1に示すように、第1入光面33に対向して第1光源24aが設けられ、第2入光面34に対向して第2光源24bが設けられている。この導光板30は、二つの入光面33,34を結ぶ第1方向に直交する第2方向に延び且つ第1方向における二つの入光面33,34の中央位置Pcを通過する面を中心として、対称的な構成を有している。
第1光源24aおよび第2光源24bは、例えば、線状の冷陰極管等の蛍光灯や、点状のLED(発光ダイオード)や白熱電球等の種々の態様で構成され得る。本実施の形態において、第1光源24aおよび第2光源24bの各々は、対応する入光面33,34の長手方向に沿って、並べて配置された多数の点状発光体、具体的には、多数の発光ダイオード(LED)によって、構成されている。なお、図3には、第1光源24aをなす多数の点状発光体25の配置位置が示されている。制御装置18は、各点状発光体25の出力、すなわち、各点状発光体25の点灯および消灯、及び/又は、各点状発光体25の点灯時の明るさを、他の点状発光体の出力から独立して調節し得るように構成されている。
反射シート22は、導光板30の裏面32から出射した光を反射して、再び導光板30内に入射させるための部材である。反射シート22は、白色の散乱反射シート、金属等の高い反射率を有する材料からなるシート、高い反射率を有する材料からなる薄膜(例えば金属薄膜)を表面層として含んだシート等から、構成され得る。
光学シート26は、入光側から入射した光の進行方向を変化させて出光側から出射させ、正面方向の輝度を集中的に向上させるためのシート状部材である。図1および図2に示す例において、光学シート26は、そのシート面上の一方向(配列方向)、具体的には、上述した導光板30の入光面33(34)とこの入光面33(34)に対向する反対面34(33)とを結ぶ第1方向に沿って並べて配列された複数の単位プリズム27を有している。単位プリズム27は、光学シート30のシート面上において、その配列方向に直交する方向に直線状に延びている。単位プリズム27は、その長手方向に直交する断面において、三角形形状の断面形状を有している。単位プリズム27の断面三角形形状の頂角によってなされる頂部28は、入光側、すなわち、導光板30の側に向けて突出している。
なお、本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「シート」はフィルムや板とも呼ばれ得るような部材も含む概念である。
また、本明細書において「シート面(板面、フィルム面)」とは、対象となるシート状の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材の平面方向と一致する面のことを指す。そして、本実施の形態においては、導光板30の板面、光学シート26のシート面、反射シート22のシート面、液晶表示パネルのパネル面、表示装置10の表示面11、および、面光源装置20の発光面21は、互いに平行となっている。さらに、本明細書において「正面方向」とは、面光源装置20の発光面21に対する法線の方向nd(例えば、図2および図5〜図7参照)であり、本実施の形態においては、表示装置10の表示面11への法線方向、導光板30の板面への法線方向、全体的かつ大局的に見た場合における導光板30の出光面31への法線方向等にも一致する。
さらに、本明細書における「単位光学要素」は、光に対して種々の光学的作用(例えば、反射や屈折)を及ぼし得る形状を有した要素(光学要素)を意味している。したがって、本明細書における「単位光学要素」は、例えば、「プリズム」や「レンズ」と呼ばれるような突出した要素(単位形状要素)を含み、さらに、「溝」や「凹部」と呼ばれるような凹んだ要素も含む。
次に、図2〜図4を主に参照して、導光板30についてさらに詳述する。図2および図3によく示されているように、導光板30は、板状に形成された本体部40と、本体部40の一側面(出光側面)41上に形成された複数の第1単位光学要素(単位形状要素、単位プリズム)50および複数の第2単位光学要素(単位形状要素、単位プリズム)55と、を有している。本体部40は、一対の平行な主面を有する平板状の部材として構成されている。そして、光学シート26に対面しない側に位置する本体部40の他側面42によって、導光板30の裏面32が構成されている。
図2に示すように、本体部40は、樹脂からなる主部44と、主部44中に分散された拡散成分45と、を有している。ここでいう拡散成分45とは、本体部40内を進む光に対し、反射や屈折等によって、当該光の進路方向を変化させる作用を及ぼし得る成分のことである。このような拡散成分45の光拡散機能(光散乱機能)は、例えば、主部44をなす材料とは異なる屈折率を有した材料から拡散成分45を構成することにより、あるいは、光に対して反射作用を及ぼし得る材料から拡散成分45を構成することにより、付与され得る。主部44をなす材料とは異なる屈折率を有する拡散成分45として、金属化合物、気体を含有した多孔質物、さらには、単なる気泡が例示される。なお、図2以外の図においては、拡散成分45を省略している。
次に、本体部40の一側面41上に設けられた第1単位光学要素50および第2単位形要素について説明する。第2単位光学要素55は、本体部40の一側面41上において第1単位光学要素の間に設けられている。とりわけ本実施の形態において、第2単位光学要素55は、本体部40の一側面41のうちの第1単位光学要素50が配置されていない全領域上に設けられている。したがって、導光板30の出光面31は、第1単位光学要素50の出光側面51並びに第2単位光学要素55の出光側面56のみによって構成されている。以下において、まず第1単位光学要素50について説明し、その後、第2単位光学要素55について説明する。
図3および図4によく示されているように、複数の第1単位光学要素50は、第1方向に交差し且つ本体部40の一側面41と平行な配列方向に沿って、本体部40の一側面41上に、配列されている。各第1単位光学要素50は、本体部40の一側面41上を、その配列方向と交差するようにして線状に延びている。
とりわけ本実施の形態において、複数の第1単位光学要素50は、本体部40の一側面41上に、第1方向と直交する第2方向(配列方向)に並べて配列されている。また、図5〜図7に示すように、各第1単位光学要素50は、本体部の一側面への法線方向(本実施の形態では、「正面方向」に相当)ndとその配列方向(本実施の形態では、「第2方向」に相当)との両方向に平行な断面(以下においては、単に「主切断面」と呼ぶ)において、本体部40の一側面41から最も離間した部分をなす先端部51aを有し、この先端部51aが連なってなる稜線RLを含んでいる。図4によく示されているように、各第1単位光学要素50は、正面方向から観察した場合に、その稜線RLが互いに平行となるように、一側面上に配置されている。より詳細には、図4に示すように、各第1単位光学要素50の稜線RLは、第1方向に沿って直線状に延びている。本実施の形態において、複数の第1単位光学要素50は、互いに同一に構成されている。各第1単位光学要素50は、一側面41上を入光面33の側の端部位置Peから反対面34の側の端部位置Peまで延びている。
第1単位光学要素50のその配列方向に沿った幅Waは、一側面41上の入光面側の端部位置Peから一側面41上の入光面33と反対面34との間の中央位置Pcまでの間の少なくとも一区間において、入光面側の端部位置Peの側から中央位置Pcの側に向けて太くなるように変化している。本実施の形態では、第1単位光学要素の50のその配列方向に沿った幅Waの変化は、入光面側の端部位置Peの側から中央位置Pcの側に向けて太くなる変化のみである。
さらに、図4に示す例では、第1単位光学要素50のその配列方向に沿った幅Waは、一側面41上において、各入光面側の端部位置Peから中央位置Pcに向かうにつれてしだいに太くなるように常に変化し続けている。第1単位光学要素50のその配列方向に沿った幅Waは、各入光面側の端部位置Peから中央位置Pcに向けて一定の割合で変化するようにしてもよいが、図3および図4に示す例では、一側面41上の各入光面側の端部位置Pe近傍に近付くにつれて変化率が大きくなっている。すなわち、正面視において、第1単位光学要素50の輪郭は、曲線状となっている。
このようにして、本体部40の一側面41上の中央位置Pcでの第1単位光学要素50の配列方向に沿った幅Wa(図5参照)は、一側面41上の入光面側の端部位置Peでの第1単位光学要素50の前記配列方向に沿った幅Wa(図7参照)よりも太くなる。とりわけ本実施の形態においては、図4および図5に示すように、本体部40の一側面41の中央位置Pcにおいて、隣り合う第1単位光学要素50が互いに接触するようになっている。すなわち、本体部40の一側面41の中央位置Pcにおいて、第1単位光学要素50は配列方向に隙間無く並べられている。したがって、本体部40の一側面41の中央位置Pcには、第2単位光学要素55は存在していない。
以上のような第1単位光学要素50の幅Waの変動により、本体部40の一側面41への法線方向ndから導光板30を出光面31の側から観察した場合、出光面31のうちの第1単位光学要素50が占めている領域の割合は、一側面41上の中央位置Pcを含む中央領域Acであって、第1方向に直交する第2方向に沿って一側面の両端部間を延びる中央領域Acにおいて、一側面41上の入光面側の端部位置Peを含み第2方向に沿って一側面上の両端部間を延びる端部領域Aeよりも、大きくなっている。なおこのため、第2単位光学要素55は、一側面41上の入光面側の端部位置Peを含む端部領域Aeであって、第1方向に直交する第2方向に沿って一側面41の両端部間を延びる端部領域Aeに、少なくとも設けられるようになる。
次に、図5〜図7に示された断面、すなわち、第1単位光学要素50の配列方向(第2方向)および本体部40の一側面41(導光板30の板面)への法線方向ndの両方向に平行な主切断面における、第1単位光学要素50の断面形状についてさらに説明する。図3に示された第1単位光学要素50において、第1方向に沿って、配列方向(第2方向)に沿った幅Waが変動するだけでなく、本体部40の一側面41への法線方向ndに沿った当該一側面41からの高さHaも変動する。とりわけ、本実施の形態においては、第1単位光学要素40の高さHaは、その幅Waが増加するのにともなって高くなり、その幅Waが減少するのにともなって低くなる。
すなわち、第1単位光学要素50の正面方向ndに沿った高さHaは、一側面41上の入光面側の端部位置Peから一側面41上の入光面33と反対面34との間の中央位置Pcまでの間の少なくとも一区間において、入光面側の端部位置Peの側から中央位置Pcの側に向けて高くなるように変化している。本実施の形態では、第1単位光学要素の50の正面方向ndに沿った高さHaの変化は、入光面側の端部位置Peの側から中央位置Pcの側に向けて高くなる変化のみである。
さらに、本実施の形態では、図5〜図7に示すように、第1単位光学要素50の正面方向ndに沿った高さHaは、一側面41上において、各入光面側の端部位置Peから中央位置Pcに向かうにつれてしだいに高くなるように常に変化し続けている。また、図3および図4に示す例では、第1単位光学要素の正面方向ndに沿った高さHaの変化率は、一側面41上の各入光面側の端部位置Pe近傍に近付くにつれて大きくなっている。すなわち、側面視において(第2方向から観察した場合)、図2に示すように、第1単位光学要素50の稜線RL輪郭は、曲線状となっている。つまり、本実施の形態では、本体部40の一側面41上の中央位置Pcでの第1単位光学要素50の正面方向ndに沿った高さHa(図5参照)が、一側面41上の入光面側の端部位置Peでの第1単位光学要素50の正面方向ndに沿った高さHa(図7参照)よりも高くなっている。
このように、一側面41上における第1方向に沿った各入光面側の端部位置Peから中央位置Pcまで、第1単位光学要素50の主切断面における断面形状は、図7〜図5に示すように、幅Waおよび高さHaにおいて変化する。ところで、図5〜図7に示すように、本実施の形態では、第1単位光学要素50の主切断面における断面形状のうちの、本体部40の一側面41から最も離間した先端部51aを含む領域の形状は、当該断面の第1方向における位置によらず、同一形状となっている。より詳細には、本体部40の一側面41上における一つの端部位置Peから中央位置Pcまでの範囲において、第1方向におけるある位置を横切る主切断面での第1単位光学要素50の断面形状は、当該ある位置よりも第1方向における端部位置Peに近接した位置を横切る主切断面での第1単位光学要素50の断面形状を含んでいる。言い換えると、第1単位光学要素50の主切断面における断面形状は、主切断面の位置が第1方向に沿って端部位置Peから中央位置Pcに向かうにつれて、しだいに本体部40の一側面41に近接する基端部側に新たな部分が継ぎ足されていくように変化する。
このように第1方向に沿って変形する主切断面での第1単位光学要素50の断面形状は、一側面41上の中央位置Pcを含んで第2方向に延びる中央領域Acにおいて、配列方向(第2方向)に沿った幅Waに対する正面方向に沿った高さHaの比(Ha/Wa)が比較的に大きくなっていることが好ましい。具体的には、中央位置Pcを横切る主切断面での第1単位光学要素50の配列方向(第2方向)に沿った幅Waに対する正面方向に沿った高さHaの比(Ha/Wa)が0.25以上0.6以下となっていることが好ましい。本件発明者らが検討を重ねたところ、このような第1単位光学要素50によれば、観察者によって最も明るさを感知されやすい表示面11の中央領域に対応する中央領域Acにおいて、後に詳述するように、第1単位光学要素50が優れた集光機能および光取り出し機能を発揮して、明るさを効果的に上昇させることができる。
その一方で、一側面41上の端部位置Peを含んで第2方向に延びる端部領域Aeにおいて、第1単位光学要素50についての配列方向(第2方向)に沿った幅Waに対する正面方向に沿った高さHaの比(Ha/Wa)は比較的に小さくなっていることが好ましい。具体的には、端部領域Ae内を横切る主切断面での、例えば端部位置Peを横切る主切断面(または端面)での第1単位光学要素50の幅Waに対する高さHaの比(Ha/Wa)が、中央領域Ac内を横切る主切断面での、例えば中央位置Pcを横切る主切断面(または端面)での第1単位光学要素50の幅Waに対する高さHaの比よりも小さくなっていることが好ましい。このような第1単位光学要素50によれば、後に詳述するように、観察者によって明るさを感知されにくい表示面11の端部領域に対応する導光板30の端部領域Aeで明るくなり過ぎることを防止することができる。
さらに、本件発明者らは、端部領域Ae内を横切る主切断面での、例えば端部位置Peを横切る主切断面(または端面)での第1単位光学要素50の配列方向(第2方向)に沿った幅Waに対する正面方向に沿った高さHaの比(Ha/Wa)が、0より大きい比較的小さな値となっていること、具体的には0.05以上0.3以下となっていることが好ましいことを知見した。このような第1単位光学要素50によれば、後に詳述するように、導光板30の出光面31のうちの光源24a,24bに対面する入光面33,34近傍の領域に、明るさのムラが生じてしまうことを効果的に防止することができる。
また、主切断面において第1単位光学要素50の出光側面51が本体部の一側面に対してなす角度である出光面角度θaは、本体部40の一側面41上の中央位置Pcを含んで第2方向に延びる中央領域Acにて、比較的大きな角度となっていることが好ましい。具体的には、出光面角度θaが30°より大きく60°以下となっている領域Waa(図5参照)が、第1単位光学要素50の配列方向(本実施の形態では、第2方向)に沿った第1単位光学要素50の全幅Waのうちの70%以上100%以下の幅に対応する外輪郭51上の領域を占めていることが好ましい。つまり、出光面角度θaが30°より大きく60°以下となっている領域が、正面方向ndに投影された場合に、第1単位光学要素50の全幅Waのうちの70%以上100%以下を占めるようになっていることが好ましい。本件発明者らが検討を重ねたところ、正面視において(正面方向から導光板30の出光面31を観察した場合において)、第1単位光学要素50の出光側面(外輪郭)51が占めている領域のうちの70%以上100%以下の領域において、第1単位光学要素50の出光面角度が30°より大きく60°以下となっている場合には、後に詳述するように、第1単位光学要素50の配列方向(第2方向)に沿った光の成分に対して優れた集光機能を発揮することができる。
その一方で、一側面41上の端部位置Peを含んで第2方向に延びる端部領域Aeにて、出光面角度θaは、比較的に小さい角度になっていることが好ましい。具体的には、端部領域Ae内を横切る主切断面での、例えば端部位置Peを横切る主切断面(または端面)での第1単位光学要素50の出光面角度θa(とりわけ基端部51bでの出光面角度θa)が、中央領域Ac内を横切る主切断面での、例えば中央位置Pcを横切る主切断面(または端面)での第1単位光学要素50の出光面角度θa(とりわけ基端部51bでの出光面角度θa)よりも小さくなっていることが好ましい。このような第1単位光学要素50によれば、後に詳述するように、観察者によって明るさを感知されにくい表示面11の端部領域に対応する導光板30の端部領域Aeで明るくなり過ぎることを防止することができる。
さらに、本件発明者らは、端部領域Ae内を横切る主切断面での、例えば端部位置Peを横切る主切断面(または端面)での第1単位光学要素50の出光面角度θaが0より大きい比較的小さな値となっていること、具体的には10°より大きく30°以下となっていることが好ましいことを知見した。このような第1単位光学要素50によれば、後に詳述するように、導光板30の出光面31のうちの光源24a,24bに対面する入光面33,34近傍の領域に、明るさのムラが生じてしまうことを効果的に防止することができる。
なお、ここでいう出光面角度θaとは、上述したように、導光板30の主切断面において、第1単位光学要素50の出光側面(外輪郭)51が本体部40の一側面41に対してなす角度である。図5〜図7に示す例のように、第1単位光学要素50の主切断面における外輪郭(出光側面)51が折れ線状に形成されている場合には、折れ線を構成する各直線部と本体部40の一側面41との間に形成される角度(厳密には、形成される二つの角のうちの小さい方の角度(劣角の角度))が出光面角度θaとなる。一方、後述する変形例にように、第1単位光学要素50の主切断面における外輪郭(出光側面)51が曲線を含んで構成されている場合、当該曲線によって構成された外輪郭51への接線TLと本体部40の一側面41との間で形成される角度(厳密には、形成される二つの角のうちの小さい方の角度(劣角の角度))を、出光面角度θaとして特定することとする。なお、後述する第2単位光学要素55に関する出光面角度θaも、第1単位光学要素50に関する出光面角度θaと同様に特定される。
また、本実施の形態では、第1単位光学要素50の出光面角度θaは、第1単位光学要素50の出光側面51上における本体部40の一側面41から最も離間した先端部51aから本体部40の一側面41へ最も近接した基端部51bまでの間の少なくとも一箇所または少なくとも一領域において変化している。とりわけ、本実施の形態においては、出光面角度θaは、先端部51aの側から基端部51bの側へ向けて出光面角度θaが大きく変化するだけであって、小さくなるようには変化しない。
上述したように、本実施の形態では、本体部40の一側面41上における一つの端部位置Peから中央位置Pcまでの範囲において、第1方向におけるある位置を横切る主切断面での第1単位光学要素50の断面形状は、当該ある位置よりも第1方向における端部位置Peに近接した位置を横切る主切断面での第1単位光学要素50の断面形状を含んでいる。言い換えると、第1単位光学要素50の主切断面における断面形状は、主切断面の位置が第1方向に沿って端部位置Peから中央位置Pcに向かうにつれて、しだいに本体部40の一側面41に近接する基端部側に新たな部分が継ぎ足されていくように変化している。このような構成においては、第1単位光学要素50の出光側面51のうちの基端部51bにおける出光面角度θaは、第1方向に沿って端部位置Peから中央位置Pcに向かうにつれて、しだいに大きくなっていくようにすることができる。同様に、第1単位光学要素50の上述した幅Waに対する高さHaの比(Ha/Wa)も、第1方向に沿って端部位置Peから中央位置Pcに向かうにつれて、しだいに大きくなっていくようにすることができる。
この場合、第1単位光学要素50は、観察者によって明るさを感知されにくい端部領域Aeで明るくなり過ぎることを防止しながら、中央領域Acにおいて優れた集光機能および光取り出し機能を発揮して、中央領域Acでの明るさを効果的に上昇させることができる。加えて、導光板30の出光面31のうちの光源24a,24bに対面する入光面33,34近傍の領域に、明るさのムラが生じてしまうことを効果的に防止することができる。
ところで、図3〜図7に示された一具体例としての第1単位光学要素50は、第1方向に沿って端部位置Peを横切る主切断面(図7参照)以外の導光板30の主切断面において、本体部40の一側面41上に一辺が位置するとともに外輪郭41上における先端部51aと各端部51bとの間に二辺が位置する五角形形状、或いは、この五角形形状の一以上の角を面取りしてなる形状となっている。また、図示する例においては、正面方向輝度を効果的に上昇させること、および、第2方向に沿った面内での輝度の角度分布に対称性を付与することを目的として、第1単位光学要素50の主切断面における断面形状は、正面方向ndを中心として、対称性を有している。
すなわち、図5および図6に示すように、各第1単位光学要素50の出光側面51は、正面方向を中心として対称的に構成された一対の折れ面37,38によって構成されている。一対の折れ面37,38は、互いに接続されて先端部51a(稜線RL)を画成している。各折れ面37,38は、先端部51a側に配置された緩斜面(第1傾斜面)37a,38aと、緩斜面37a,38aへ本体部40の側から接続する急斜面(第2傾斜面)37b,38bと、を有している。一対の緩斜面37a,38aは、互いに接続して稜線RL(先端部51a)を画成する。また、一対の緩斜面37a,38aは正面方向ndを中心として対称的な構成を有するとともに、一対の急斜面37b,38bも正面方向ndを中心として対称的な構成を有している。
一方、図7に示すように、第1単位光学要素50は、本体部40の一側面41上における入光面側の端部において、緩斜面(第1傾斜面)37a,38aのみによって画成され、急斜面(第2傾斜面)37b,38bを含んでいない。すなわち、第1単位光学要素50の端面形状は、緩斜面(第1傾斜面)37a,38aと本体部40の一側面41上とによって画成される三角形形状、あるいは、この三角形形状の角を面取りしてなる形状となっている。
そして、図5および図6に示された第1単位光学要素50において、緩斜面37a,38aでの出光面角度θa1は10°より大きく30°以下となっており、急斜面37b,38bでの出光面角度θa2は、優れた集光機能および光取り出し機能を発揮し得る30°より大きく60°以下となっている。第1単位光学要素50の幅Waに対する高さHaの比(Ha/Wa)は、中央位置Pcを横切る主切断面(または端面)において0.25以上0.6以下となっており、端部位置Peを横切る主切断面(または端面)において0.05以上0.3以下となっている。
なお、本件明細書における「五角形形状」または「三角形形状」とは、厳密な意味での五角形形状や三角形形状のみでなく、製造技術における限界や成型時の誤差等を含む略五角形形状や略三角形形状を含む。また同様に、本明細書において用いる、その他の形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、「平行」、「直交」、「対称」および「整数倍」等の用語も、厳密な意味に縛られることなく、同様の光学的機能を期待し得る程度の誤差を含めて解釈することとする。
次に、第2単位光学要素55について説明する。上述したように、第2単位光学要素55は、隣り合う二つの第1単位光学要素の間において、本体部40の一側面上に配置されている。とりわけ本実施の形態では、第2単位光学要素55は、本体部40の一側面45上のうちの第1単位光学要素50が設けられていない領域の全域に配置されている。そして、第1単位光学要素50の幅Waの上述した変動態様から、第2単位光学要素55は、本体部40の一側面41上の入光面33,34側の端部位置Pcを含む領域に設けられている。
本実施の形態において、図3および図4に示すように、複数の第2単位光学要素55は、第1方向に交差し且つ本体部40の一側面41と平行な方向に沿って、本体部40の一側面41上に、配列されている。各第2単位光学要素55は、本体部40の一側面41上を、その配列方向と交差するようにして線状に延びている。とりわけ、複数の第2単位光学要素55は、第1単位光学要素50と同一の配列方向に沿って配置されている。したがって、本実施の形態において、複数の第2単位光学要素55は、第1方向に直交する第2方向に沿って配置されている。また本実施の形態において、各第2単位光学要素55は、その配列方向に直交する第1方向に沿って直線状に延びている。すなわち、複数の第1単位光学要素50の各々および複数の第2単位光学要素55の各々は、互いに平行に直線状に延びている。
次に、図6および図7を主に参照して、第1単位光学要素50の配列方向(第2方向)および本体部40の一側面41(導光板30の板面)への法線方向ndの両方向に平行な導光板の主切断面における、第2単位光学要素55の断面形状についてさらに説明する。上述したように、第1単位光学要素50は、第1方向に沿って端部位置Peから中央位置Pcへ向かうにつれて、しだいにその幅Waを広くし、高さHaを高くしていく。最終的には、配列方向に隣り合う二つの第1単位光学要素50が中央位置Pcで接触するようになる。このため、第1方向に沿って直線状に延びる第2単位光学要素55は、第1方向に沿って端部位置Peから中央位置Pcへ向かうにつれて、第1単位光学要素50に覆い被されるようになる。言い換えると、第2単位光学要素55は、第1単位光学要素に衝突する位置まで、第1方向に直線状に延びている。
この際、図6および図7から理解されるように、第2単位光学要素55は、主切断面における断面形状を変化させることなく第1方向に延びている。厳密に表現すると、導光板の主切断面における第2単位光学要素55の断面形状は、当該第2単位光学要素55が本体部40の一側面41上で第1単位光学要素50と接触しない範囲において、当該第2単位光学要素の長手方向に沿って同一となっている。
そこで、本体部40の一側面41上において第1単位光学要素50と接触していない第2単位光学要素55の主切断面における断面形状について説明する。上述したように、第1単位光学要素50の幅Waは、第1方向に沿って端部位置Peから中央位置Pcに向かうにつれて、しだいに太くなっていく。このような第1単位光学要素50の幅Waの変動により、本体部40の一側面41への法線方向ndから導光板30を出光面31の側から観察した場合、出光面31のうちの第2単位光学要素55が占めている領域の割合は、一側面41上の入光面側の端部位置Peを含み第2方向に沿って一側面41上の両端部間を延びる端部領域Aeにおいて、一側面41上の中央位置Pcを含み第2方向に沿って一側面41上の両端部間を延びる中央領域Acよりも、大きくなっている。
すなわち、第2単位光学要素55は、観察者が最も明るさを感知しやすい中央領域Acよりも、光源24a,24bの近傍に位置する端部領域Aeにおいて、高い比率で配置されている。このような点から、第2単位光学要素55の主切断面での断面形状は、上述した端部領域Aeを横切る主切断面(または端面)での第1単位光学要素50の主切断面での断面形状と同様となっていることが好ましい。
具体的には、主切断面における第2単位光学要素55の配列方向に沿った幅Wbに対する正面方向に沿った高さHbの比(Hb/Wb)が比較的に小さくなっていることが好ましい。具体的には、任意の主切断面での、とりわけ端部位置Peを横切る主切断面(または端面)での第2単位光学要素55の幅Wbに対する高さHbの比(Hb/Wb)が、中央領域Acでの、とりわけ中央位置Pcを横切る主切断面での第1単位光学要素50の幅Waに対する高さHaの比よりも小さくなっていることが好ましい。このような第2単位光学要素55によれば、観察者によって明るさを感知されにくい表示面11の端部領域に対応する導光板30の端部領域Aeで明るくなり過ぎることを防止することができる。
また、任意の主切断面での、とりわけ端部位置Peを横切る主切断面(または端面)での第2単位光学要素55の配列方向(第2方向)に沿った幅Wbに対する正面方向に沿った高さHbの比(Hb/Wb)が、0以上の比較的小さな値となっていること、具体的には0.05以上0.3以下となっていることが好ましい。このような第1単位光学要素50によれば、後に詳述するように、導光板30の出光面31のうちの光源24a,24bに対面する入光面33,34近傍の領域に、明るさのムラが生じてしまうことを効果的に防止することができる。
さらに、第2単位光学要素55の出光面角度θaが、比較的に小さい角度になっていることが好ましい。具体的には、任意の主切断面での、とりわけ端部位置Peを横切る主切断面(または端面)での第2単位光学要素55の出光面角度θa(とりわけ基端部51bでの出光面角度θa)が、中央領域Acでの、とりわけ中央位置Pcを横切る主切断面での第1単位光学要素50の出光面角度θa(とりわけ基端部51bでの出光面角度θa)より、小さくなっていることが好ましい。このような第2単位光学要素55によれば、後に詳述するように、観察者によって明るさを感知されにくい表示面11の端部領域に対応する導光板30の端部領域Aeで明るくなり過ぎることを防止することができる。
また、任意の主切断面での、とりわけ端部位置Peを横切る主切断面(または端面)での第2単位光学要素55の出光面角度θaが、0以上の比較的小さな値となっていること、具体的には10°より大きく30°以下となっていることが好ましいことを知見した。このような第2単位光学要素55によれば、後に詳述するように、導光板30の出光面31のうちの光源24a,24bに対面する入光面33,34近傍の領域に、明るさのムラが生じてしまうことを効果的に防止することができる。
図6および図7に示すように、導光板の主切断面において第2単位光学要素55の出光側面56が本体部40の一側面41に対してなす出光面角度θaが、第2単位光学要素55の出光側面(外輪郭)51上における本体部40の一側面41から最も離間した先端部(頂部)56aから本体部40の一側面41へ最も近接した基端部(端部)56bまでの間において一定であってもよい。すなわち、第2単位光学要素55の出光側面が、先端部(頂部)56aから各基端部56bまでそれぞれ延びる一対の平坦な傾斜面によって構成されていてもよい。あるいは、導光板の主切断面において第2単位光学要素55の出光側面56が本体部40の一側面41に対してなす出光面角度θaが、第2単位光学要素56の出光側面56上の先端部56aから56b基端部までの間の少なくとも一箇所または少なくとも一領域において変化し且つ当該変化は先端部56aの側から基端部56bの側へ向けて出光面角度θaが大きくなる変化のみであって、先端部56aの側から基端部56bに向けて出光面角度θaが小さくなるように変化することがないようにしてもよい。
図示された一具体例としての第2単位光学要素55の主切断面における断面形状は、主切断面における第1単位光学要素50のうちの、本体部40の一側面41から最も離間した先端部51aを含む領域の形状と同一となっている。とりわけ本実施の形態においては、第2単位光学要素55の主切断面における断面形状は、本体部40の一側面41上における入光面側の端部位置を横切る主切断面または端面での第1単位光学要素50の形状と、同一となっている。すなわち、図7に示された、一画面上の端部位置Peを通過する導光板の主切断面(または端面)において、第1単位光学要素50および第2単位光学要素55は同一の断面形状を有している。
したがって、図6および図7に示すように、主切断面における第2単位光学要素55は、急斜面(第2傾斜面)37b,38bを含んでおらず、緩斜面(第1傾斜面)37a,38aと本体部40の一側面41上とによって画成される三角形形状あるいはこの三角形形状の角を面取りしてなる断面形状となっている。また、主切断面における第2単位光学要素55の断面形状は、正面方向ndを中心として対称性を有している。そして、図6に示された第2単位光学要素55において、緩斜面37a,38aでの出光面角度θa1は10°より大きく30°以下となっている。第2単位光学要素55の幅Wbに対する高さHbの比(Hb/Wb)は0.05以上0.3以下となっている。
ところで、配列方向(第2方向)に沿った第1単位光学要素50の配列ピッチPaは、隣り合う二つの第1単位光学要素50の間に配置された二以上の第2単位光学要素55の配列ピッチPbの整数倍、具体例として5倍となっている。このような態様によれば、第1単位光学要素50の配列ピッチPaと第2単位光学要素55の配列ピッチPbとに起因した干渉縞が生じたとしても、当該干渉縞の空間周波数は低くなるため、つまり、干渉縞をなす明暗縞のピッチが小さくなるため、当該干渉縞を目視で確認しにくくすることができる。
また、導光板30のその他の具体的な寸法は、一例として、以下のように設定され得る。まず、第1単位光学要素50の配列ピッチPaを25μm以上200μm以下とすることができ、第2単位光学要素55の配列ピッチPbを5μm以上20μm以下とすることができる。また、第1単位光学要素50および第2単位光学要素55の主切断面における外輪郭51,56が折れ線の折れ曲がり部を面取りしてなる形状となっている場合、主切断面において、面取りされた箇所の曲率半径の値が当該単位光学要素の幅の値以下となっていることが好ましい。面取りされた部分の曲率半径が単位光学要素の幅の値よりも大きくなっている場合、単位光学要素が期待された機能を発揮することができなくなるためである。一方、本体部40の厚みは、0.5mm〜6mmとすることができる。
次に、以上のような構成からなる導光板の製造方法の一例について説明する。以下の例においては、図14に示すような成型装置60を用いた賦型によって、第1単位光学要素50および第2単位光学要素55を基材86上に形成し、導光板30が作製される。第1単位光学要素50および第2単位光学要素55の形成に用いられる材料としては、成型性が良好であるとともに入手が容易であり且つ優れた光透過性を有する樹脂、例えば、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)が用いられ得る。基材86としては、優れた機械的特性、光学特性、安定性および加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料、例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等の一以上を主成分とする透明樹脂(主部44をなす材料)を、拡散成分45をなす材料とともに、押し出してなるシート状の材料を用いることができる。また、拡散成分45としては、一例として、平均粒径(体積相当法で算出された粒径、すなわち体積相当径の算術平均)が0.5〜100μm程度であるシリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂等の透明物質を用いることができる。
まず、成型装置60について説明する。図14に示すように、成型装置60は、略円柱状の外輪郭を有した成型用型70を有している。成型用型70の円柱の外周面(側面)に該当する部分に円筒状の型面(凹凸面)72が形成されている。円柱状からなる成型用型70は、円柱の外周面の中心を通過する中心軸線CA、言い換えると、円柱の横断面の中心を通過する中心軸線CAを有している。成型用型70は、中心軸線CAを回転軸線として回転しながら(図5参照)、成型品としての導光板30を成型するロール型として構成されている。
また、図14に示すように、成型装置60は、帯状に延びる基材86を供給する成型用基材供給装置62と、供給される基材86と成型用型70の型面72との間に流動性を有した材料87を供給する材料供給装置64と、基材86と成型用型70の凹凸面72との間の材料87を硬化させる硬化装置66と、をさらに有している。硬化装置66は、硬化対象となる材料87の硬化特性に応じて適宜構成され得る。
ところで、図15には、成型用型70の型面72が、中心軸線CAと平行な方向に沿って切り開いて平面化して示されている。型面72は、第1単位光学要素50に対応する第1溝部73と、第2単位光学要素55に対応する第2溝部74と、を形成されている。このような第1溝部73および第2溝部74は、次のようにして、作製することができる。
まず、図16に示すように、円柱状からなる型用基材81をその中心軸線CAを中心として回転させながら、中心軸線CAに直交する方向にバイト75を移動させて、バイト75を型用基材81内に切り込ませる。そして、バイト75が型用基材81内に切り込んだ状態で、中心軸線CAを中心として型用基材81を回転させ続けるとともに、バイト75を中心軸線CAと平行な方向に移動させる。この結果、型用基材81の外周面に、断面形状が一定の溝を螺旋状に形成することができる。図16に示された状態では、第2溝74を形成するようになる一条の溝が、型用基材81の外周面上に隙間をあけることなく形成されていっている。
このようにして螺旋状の溝を形成していく際、所定巻き数分の溝を形成した後、すなわち、バイト75を中心軸線CAに沿って移動させながら所定回数だけ型用基材81が回転した後、バイト75を中心軸線CAに沿って引き続き移動させながら、さらに、バイト75を中心軸線CAに直交する方向に沿っても型用基材81に対して移動させる。この移動は、型用基材81が半回転する間にわたって、型用基材81に切り込んで行く方向にバイト75を移動させ、その後の型用基材81が半回転する間にわたって、型用基材81から離れていく方向にバイト75を移動させる。このようにバイト75を、中心軸線CAと平行な方向だけでなく、中心軸線CAと直交する方向に沿って回転中の型用基材81に接近また離間させることによって、所定巻き数に一本の割合で、溝深さが変動する第1溝73を形成することができる。上述した導光板30の第1単位光学要素50および第2単位光学要素55を賦型するための型70を作製する場合、5本に一本の割合で、バイト75を中心軸線CAと平行な直交する方向にも移動させることになる。
また、図16および図17に示すように、バイト75の刃76の外輪郭(刃先形状)は、中央位置Pcを通過する主切断面における第1単位光学要素50の外輪郭51と同一の部分を含んでいる。すなわち、バイト75の刃76は、一対の緩斜面37a,38aに対応する一対の第1刃部77a,78aを刃先端76a側に含むとともに、一対の急斜面37b,38bに対応する一対の第2刃部77b,78bを第1刃部77a,78aに接続する位置に含んでいる。そして、図16に示すように、第2単位光学要素55を賦型するための第2溝部74を作製している間、バイト75は、第1刃部77a,78aのみが基材81に切り込んだ状態で、型用基材81への切り込み量を維持される。一方、第1単位光学要素50を賦型するための第1溝部73を作製している間、バイト75は、第1刃部77a,78aだけでなく、第2刃部77b,78bも型用基材81に切り込んだ状態で、型用基材81への切り込み量を変動させられる。
以上のようにして、第1溝部73および第2溝部74を型用基材81に形成することができる。この方法では、互いに異なる溝形状を有した第1溝部73および第2溝部74が、一つのバイト75のみを用いることによって、形成され得る。加えて、この方法では、第1溝部73および第2溝部74を型用基材81に形成する際、バイトを途中で変更する必要がないので、バイト75の型用基材81に対する位置決めを複数回行う必要もなくなる。これにより、第1溝部73および第2溝部74を型用基材81に高精度に形成することができる。また、このようにして得られた型70によれば、第1単位光学要素50および第2単位光学要素55を高精度に作製することができ、導光板30に期待された光学的特性を安定して付与することができる。
次に、このような成型装置60を用いて光学シート40を作製する方法について説明する。まず、帯状に延びる基材86が、成型用基材供給装置62から供給される。供給された基材86は、図14に示すように、成型用型70へと送り込まれ、成型用型70と一対のローラ68とによって、型70の凹凸面72と対向するようにして保持されるようになる。
また、図14に示すように、基材86の供給にともない、基材86と成型用型70の型面72との間に、材料供給装置64から流動性を有する材料87が供給される。この材料87は、第1単位光学要素50および第2単位光学要素55を形成するようになる。ここで、「流動性を有する」とは、成型用型70の型面72へ供給された材料87が、型面72の凹部(図示せず)内に入り込み得る程度の流動性を有することを意味する。また、以下の説明では、一例として、材料供給装置64から電離放射線硬化型樹脂が供給される例について説明する。電離放射線硬化型樹脂としては、例えば、紫外線(UV)を照射されることにより硬化するUV硬化型樹脂や、電子線(EB)を照射されることによって硬化するEB硬化型樹脂を選択することができる。
その後、基材86は、型70の型面72との間を電離放射線硬化型樹脂87によって満たされた状態で、硬化装置66に対向する位置を通過する。このとき、硬化装置66からは、電離放射線硬化型樹脂87の硬化特性に応じた電離放射線が放射されており、電離放射線は基材86を透過して電離放射線硬化型樹脂87に照射される。電離放射線硬化型樹脂87が紫外線硬化型樹脂の場合には、硬化装置66は、例えば、高圧水銀燈等の紫外線照射装置から構成される。この結果、型面72と基材86との間に充填されている電離放射線硬化型樹脂87が硬化して、硬化した電離放射線硬化型樹脂からなる第1単位光学要素50および第2単位光学要素55が基材86上に形成されるようになる。
その後、図14に示すように、基材86が型70から離間し、これにともなって、型面72の凹部内に成型された第1単位光学要素50および第2単位光学要素55が基材86とともに図中右方のローラ68部にて型60から引き離される。このようにして、上述した導光板30が得られる。
なお、上述した製造方法において、基材86は型70の表面72に接触していなくてもよい。この場合、第1単位光学要素50および第2単位光学要素55と同一の材料87からなるシート状部(ランド部)が基材86上に形成され、基材86とこのシート状部(ランド部)とによって本体部40が構成されるようになる。このような方法によれば、成型された第1単位光学要素50および第2単位光学要素55が、離型時に、型70の凹部内に部分的に残留してしまうことを効果的に防止することができる。
以上のようにして、ロール型として構成された成型用型70がその中心軸線CAを中心として一回転している間に、流動性を有した材料87を型70内に供給する工程と、型70内に供給された材料87を型70内で硬化させる工程と、硬化した材料87を型70から抜く工程と、が型70の型面72上において順次実施されていき、光学シート40が得られる。
次に、以上のような構成からなる表示装置10の作用について説明する。
まず、図2に示すように、光源24b,24bをなす発光体25で発光された光は、入光面33,34を介し、導光板30に入射する。図2には、一例として、第1光源24aから第1入光面33を介して導光板30に光が入射する例が示されている。以下、この図2に示された例に基づいて面光源装置20および表示装置10の作用について説明する。ただし、導光板30は、第1方向における中央位置Pcを中心として対称的な構成を有している。また、第1光源24aおよび第2光源24bは、第1方向に導光板30を挟んで、対称的に構成されている。さらに、光学シート26等の面光源装置20の他の構成要素、および、液晶表示パネル15も、同様に対称性を有している。このような構成の対称性にともない、第2光源24bから第2入光面34を介して導光板30に入射する光に対しても、以下の説明が同様に当てはまる。
図2に示すように、導光板30へ入射した光L21,L22は、導光板30の出光面31および裏面32において、反射、とりわけ導光板30をなす材料と空気との屈折率差に起因して全反射を繰り返し、導光板30の入光面33と反対面(他方の入光面)34とを結ぶ第1方向(導光方向)へ進んでいく。
ただし、導光板30の本体部40内には拡散成分45が分散されている。このため、図2に示すように、導光板30内を進む光L21,L22は、拡散成分45によって進行方向を不規則に変更され、全反射臨界角未満の入射角度で出光面31および裏面32に入射することもある。この場合、当該光は、導光板30の出光面31および裏面32から、出射し得るようになる。出光面31から出射した光L21,L22は、導光板30の出光側に配置された光学シート26へと向かう。一方、裏面32から出射した光は、導光板30の背面に配置された反射シート22で反射され再び導光板30内に入射して導光板30内を進むことになる。
導光板30内を進行する光と、導光板30内に分散された拡散成分45と、の衝突は、導光板30内の導光方向に沿った各区域において、生じる。このため、導光板30内を進んでいる光は、少しずつ、出光面31から出射するようになる。これにより、導光板30の出光面31から出射する光の導光方向(第1方向)に沿った光量分布を、或る程度、均一化させることができる。
ところで、図5〜図7に示すように、導光板30の出光面31は、本体部40の一側面41に対して傾斜した単位光学要素50,55の出光側面51,56によって構成されている。このうち、第1単位光学要素50は、主切断面における幅Waに対する高さの比(Ha/Wa)が比較的に大きくなっている。そして、この比の値(Ha/Wa)が0.25以上0.6以下となっている場合には、この出光面31で全反射して導光板30内を進む光、および、この出光面31を介して導光板30から出る光に対して極めて効果的に光学的作用を及ぼすようになる。また、第1単位光学要素50は、幅Waに対する高さの比が比較的に大きいことから、出光面角度θaが比較的に大きな出光側面51を有するようになる。そして、出光面角度θaが30°より大きく60°以下となっている急斜面37b,38bによれば、この急斜面37b,38bで全反射して導光板30内を進む光、および、この急斜面37b,38bを介して導光板30から出る光に対して極めて効果的に光学的作用を及ぼすようになる。まず、出光面31で全反射して導光板30内を進む光に対して及ぼされる作用について説明する。
図5および図6には、出光面31および裏面32において全反射を繰り返しながら導光板30内を進む光L51,L52の光路が、導光板30の主切断面内に示されている。上述したように、導光板30の出光面31は、第1単位光学要素50の出光側面51および第2単位光学要素55の出光側面56によって構成されている。このうち、第1単位光学要素50の出光側面51は、本体部40の一側の面41への法線方向ndを挟んで互いに逆側に傾斜した一対の緩斜面37a,38aと、本体部40の一側の面41への法線方向ndを挟んで互いに逆側に傾斜した一対の急斜面37b,38bと、を含んでいる。また、第2単位光学要素55の出光側面56は、本体部40の一側の面41への法線方向ndを挟んで互いに逆側に傾斜した一対の緩斜面37a,38aを含んでいる。そして、図5および図6に示すように、導光板30内を出光面31に向けて進み出光面31に入射する光L51,L61,L62は、多くの場合、主切断面において一側面41への法線方向ndを基準として当該光の進行方向とは逆側に傾斜した傾斜面へ入射する。
この結果、図5及び図6に示すように、導光板30内を進む光L51,L61,L62は、出光面31で全反射する多くの場合、第2方向に沿った成分を低減されるようになる。すなわち、導光板30の出光面31は、導光板30内を導光されている光が第2方向における一定の側のみへ進み続けることを規制するようになる。とりわけ、この作用は、主切断面における断面形状での幅に対する高さの比が比較的に大きな0.25以上0.6以下となっている第1単位光学要素50によって顕著に及ぼされ、言い換えて出光面角度θaで特定すると、比較的に大きな30°より大きく60°以下である出光面角度θaを有した急斜面37b,38bによって顕著に及ぼされる。出光面角度θaが比較的に大きな30°より大きく60°以下である第1単位光学要素50の急斜面37b,38bに光L51,L61が入射すると、当該光の第2方向に沿った成分は、急斜面37b,38bでの全反射により、逆側に向かされやすくなる。つまり、急斜面37b,38bに入射した光L51,L61は当該急斜面37b,38bで全反射して、全反射した光の第2方向における進路を反転させるような傾向が生じる。
このようにして、導光板30の出光面31、とりわけ出光面31の一部をなす急斜面37b,38bによって、ある発光点で放射状に発光された光が、そのまま第2方向に拡がり続けることが規制される。すなわち、光源24a,24bの発光体25から第1方向に対して大きく傾斜した方向に発光され導光板30内に入射した光も、第2方向への移動を規制されながら、主として第1方向へ進むようになる。これにより、導光板30の出光面31から出射する光の第2方向に沿った光量分布を、光源24a,24bの構成(例えば、発光体25の配列)や、発光体25の出力によって、調節することが可能となる。
本実施の形態では、第1単位光学要素50は、その間に第2単位光学要素が配列されているものの、第2方向に沿って並べて配置されている。このため、導光板30内を導光されている光が第2方向において一側のみへ進み続けることを効果的に規制することができる。
また、第1単位光学要素50の幅Wa、とりわけ、第1単位光学要素50の急斜面37b,38bによって構成されている部分の幅(急斜面37b,38bを本体部40の一側面41上に正射影した部分の配列方向(第2方向)にそった長さ)は、光源24a,24bから第1方向に沿って離間するにつれて太くなっていく。またこれにともなって、正面視において第1単位光学要素50が本体部40の一側面41上で占めている領域の割合、とりわけ、正面視において第1単位光学要素50の急斜面37b,38bが本体部40の一側面41上で占めている領域の割合は、光源24a,24bから第1方向に沿って離間するにつれて大きくなっていく。このため、光源24a,24bから離間した領域においては、導光板30内を案内される光の第2方向への移動を効果的に規制する一方で、光源24a,24bの近傍において、発光体25で発光された光の第2方向に沿った移動を可能にする。このような態様によれば、光源24a,24bをなす発光体25の配列に応じた明るさのムラが生じてしまうことを効果的に抑制することもできる。
次に、出光面31を通過して導光板30から出射する光に対して及ぼされる作用について説明する。図5および図6に示すように、出光面31を介し導光板30から出射する光L51,L61,L63は、導光板30の出光面31をなす第1単位光学要素50の出光側面51および第2単位光学要素55の出光側面56において屈折する。この屈折により、主切断面において正面方向ndから傾斜した方向に進む光L51,L61,L63の進行方向(出射方向)は、主として、導光板30内を通過している際における光の進行方向と比較して、正面方向ndに対してなす角度が小さくなるように、曲げられる。このような作用により、単位光学要素50は、導光方向と直交する第2方向に沿った光の成分について、透過光の進行方向を正面方向nd側に絞り込むことができる。すなわち、単位光学要素50は、導光方向と直交する第2方向に沿った光の成分に対して、集光作用を及ぼすようになる。このようにして、導光板30から出射する光の出射角度は、導光板30の単位光学要素50の配列方向と平行な面内において、正面方向を中心とした狭い角度範囲内に絞り込まれる。
なお、このような第2方向に沿った成分に対する集光作用は、主切断面における断面形状での幅に対する高さの比が比較的に大きな0.25以上0.6以下となっている第1単位光学要素50によって顕著に及ぼされ、言い換えて出光面角度θaで特定すると、比較的に大きな30°より大きく60°以下である出光面角度θaを有した急斜面37b,38bによって顕著に及ぼされる。出光面角度θaが30°より大きく60°以下である急斜面37b,38bは、第2方向に沿って進む成分を多く含んで正面方向ndから大きく傾斜した方向に進んでいる光の進行方向を、効果的に、正面方向ndへ絞り込む。その一方で、急斜面37b,38bは、進行方向を正面方向へ絞り込むことのできない光、例えば、もともと第2方向に進む成分を僅かしか含まない光を反射して、導光板30の出光面31から出射させない。典型的には、図5に示すように、導光板の主切断面において正面方向ndまたは正面方向ndに対して僅かしか傾斜していない方向に進む光L52を、再帰反射させる。以上のような作用によって、出光面角度θaが比較的に大きな30°より大きく60°以下である急斜面37b,38bは優れた集光機能を、光の第2方向に沿った成分に対して、発揮するようになる。
本実施の形態では、第1単位光学要素50の幅Wa、とりわけ、第1単位光学要素50の急斜面37b,38bによって構成されている部分の幅(急斜面37b,38bを本体部40の一側面41上に正射影した部分の配列方向(第2方向)にそった長さ)は、光源24a,24bから第1方向に沿って離間するにつれて太くなっていく。またこれにともなって、正面視において第1単位光学要素50が本体部40の一側面41上で占めている領域の割合、とりわけ、正面視において第1単位光学要素50の急斜面37b,38bが本体部40の一側面41上で占めている領域の割合は、光源24a,24bから第1方向に沿って離間するにつれて大きくなっていく。とりわけ、本体部40の一側面41上における中央位置Pcでは、第2単位光学要素55は設けられておらず、第1単位光学要素50のみが設けられている。このため、観察者によって明るさの変動を最も感知されやすくなる表示面11の中央の明るさを効果的に上昇させることができる。
またさらに、主切断面における断面形状での幅に対する高さの比(Ha/Wa)が比較的に大きな0.25以上0.6以下となっている第1単位光学要素50によれば、第2単位光学要素55や一側面41と平行な平坦面と比較して、第2方向成分を持った光の導光板30からの取り出しを促進させることができる。光源24a,24bをなす発光体25は、第1方向と平行な方向に向けてのみ発光するのではなく、概ね第1方向を中心として放射的に発光する。結果として、導光板30内には、第2方向の成分を持った光が多く存在するようになる。とりわけ、光源24a,24bが線状の冷陰極管ではなく点状発光体25の集合として構成されている場合には、この傾向が顕著となる。そして、幅に対する高さの比(Ha/Wa)が比較的に大きな0.25以上0.6以下となっている第1単位光学要素50によれば、言い換えて出光面角度θaで特定すると、比較的に大きな30°より大きく60°以下である出光面角度θaを有した急斜面37b,38bによれば、第2方向成分を持った光が導光板30の出光面31から出射することを促進させることができる。以下、図8〜図12を参照して、第1単位光学要素50による光取り出し機能について説明する。
図8〜図12には、導光板30の出光面31に入射する二つの光を示している。このうち、図8には、出光面31のうち第1単位光学要素50の急斜面38bに入射する光L81と、第2単位光学要素55の緩斜面37bに入射する光L82と、が図示されている。また、図9および図10には、図8の斜視図に示された導光板30が、二つの光L81,L82とともに、第1方向および正面方向から、それぞれ示されている。図8〜図10に示された二つの光L81,82は、導光板30内を互いに平行な方向に進んでいる。
図8〜図10に示された光のうち、出光面31のうち第1単位光学要素50の急斜面38bに入射する光L81が当該急斜面38bで屈折するか又は全反射するかについては、急斜面38bへ直交し且つ急斜面38bまでの光L81の光路を含む面で界面への入射角度θeを特定し、スネルの法則に基づいて、検討を行わなければならない。具体的には、光L81が入射する急斜面38b上の入射点B1と、入射点B1までの光L81のある通過点A1と、この通過点A1から急斜面38bを含む平面上に下ろした垂線と当該平面との交差点(垂線の足の位置)C1と、を含む面、すなわち、図11に示す面において急斜面38bへの入射角度θeを特定し、この角度が、全反射臨界角度を以上となるか否かを検討することになる。
同様に、図8〜図10に示された光のうち、出光面31のうち第2単位光学要素55の緩斜面38aに入射する光L82が当該緩斜面38aで屈折するか又は全反射するかについては、緩斜面38aへ直交し且つ緩斜面38aまでの光L82の光路を含む面で界面への入射角度θeを特定し、スネルの法則に基づいて、検討を行わなければならない。具体的には、光L82が入射する緩斜面38a上の入射点B2と、入射点B2までの光L82のある通過点A2と、この通過点A2から緩斜面38aを含む平面上に下ろした垂線と当該平面との交差点(垂線の足の位置)C2と、を含む面、すなわち、図12に示す面において緩斜面38aへの入射角度θeを特定し、この角度が、全反射臨界角度を以上となるか否かを検討することになる。
図9から理解されるように、また、図11および図12に示すように、第2方向成分を持つ光L82が緩斜面37a,38aへ進む場合における通過点A2と交差点C2との間の長さla2よりも、本体部40内を進む光L81が急斜面37b,38bへ進む場合における通過点A1と交差点C1との間の長さla1の方が、長くなる、傾向がある。加えて、図10から理解されるように、また、図11および図12に示すように、本体部40内を進む光L82が緩斜面37a,38aへ進む場合における交差点C2と入射点B2の間の長さlb2よりも、本体部40内を進む光L81が急斜面37b,38bへ進む場合の方が、交差点C1と入射点B1の間の長さlb1の方が、短くなる、傾向がある。この結果、対象とする光の第2方向成分の大きさによるが、一般的な導光板内を進む光に対しては、図11および図12に示すように、本体部40内を進む光L82が緩斜面37a,38aへ進む場合よりも、本体部40内を進む光L81が急斜面37b,38bへ進む場合の方が、出光面31への入射角度θeが大きくなりやすくなる。
このことから、図11に示すように、比較的大きな第2方向の成分を持つ光L81は、出光面31のうちの急斜面37b,38bに入射すると、全反射することなく、導光板30から出射しやすくなる。この際、単位光学要素50の急斜面37b,38bを介して出射する光L81の第2方向に沿った成分は、図5および図6を参照して既に説明したように、また、図9に示されているように、急斜面37b,38bから集光作用を及ぼされるようになる。すなわち、急斜面37b,38bでの屈折により、主切断面において光の進行方向が正面方向ndに対してなす角度が小さくなりやすくなる。その一方で、図12に示すように、出光面31の緩斜面37a,38aに入射する光L82は、当該光L82が大きな第2方向成分を有していたとしても(つまり、正面視において、当該光の進行方向が第1方向に対して大きく傾斜していたとしても)、そのことによって、緩斜面37a,38aで全反射されにくくなることはなく、むしろ、全反射されやすくなる。
そして、本実施の形態では、第1単位光学要素50の幅Wa、とりわけ、第1単位光学要素50の急斜面37b,38bによって構成されている部分の幅(急斜面37b,38bを本体部40の一側面41上に正射影した部分の配列方向(第2方向)にそった長さ)は、光源24a,24bから第1方向に沿って離間するにつれて太くなっていく。またこれにともなって、正面視において第1単位光学要素50が本体部40の一側面41上で占めている領域の割合、とりわけ、正面視において第1単位光学要素50の急斜面37b,38bが本体部40の一側面41上で占めている領域の割合は、光源24a,24bから第1方向に沿って離間するにつれて大きくなっていく。とりわけ、本体部40の一側面41上における中央位置Pcでは、第2単位光学要素55は設けられておらず、第1単位光学要素50のみが設けられている。このため、出光面31のうちの光源近傍の端部領域(第1方向における入光面33,34側の端部位置Peを含み第2方向に沿って出光面31の両端部間を延びる領域)Aeから出射する光の光量が多くなり過ぎてしまうことを防止し、これにともなって、出光面31の中央位置Pcを含む中央領域(第1方向における中央位置Pcを含み第2方向に沿って出光面31の両端部間を延びる領域)Acから出射する光の光量を多く確保することができる。この結果、表示装置10の表示面11の中央に像を明るく表示することができる。すなわち、単に、導光板30の出光面31から出射する光の第1方向に沿った光量分布を均一化させることだけでなく、光源24a,24bで発光される光を有効利用し、観察者に感知される像の明るさを効果的に上昇させることができる。
なお、第1方向における端部位置Peを含む端部領域Aeを特定するためには、端部領域Aeの第1方向に沿った長さを決定する必要がある。基本的には、端部領域Aeの第1方向に沿った長さは、当該端部領域Aeが、第1方向における中央位置Pcを含む中央領域Acと重ならないように決定すればよい。ただし、上述してきた作用効果に鑑み、端部領域Aeが、表示装置10の表示面11のうちの、像の明るさの変化が観察者によって感知されにくい部分に対面する領域となるように、端部領域Aeの第1方向に沿った長さが設定されることが好ましい。具体例として、端部領域Aeの第1方向に沿った長さは、導光板30の出光面31の第1方向に沿った全長の30%となるように設定され得る。
一方、中央領域Acの第1方向に沿った長さは、中央領域Acが出光面31のうちの端部領域Ae以外の全領域を占めるように、設定され得り、あるいは、中央領域Acが、表示装置10の表示面11のうちの、像の明るさの変化が観察者によって感知されやすい部分に対面する領域となるように、設定され得る。具体例として、第1方向において中央位置Pcを中心として広がる中央領域Acの第1方向における長さは、導光板30の出光面31の第1方向に沿った全長の40%となるように設定され得る。
以上のように、導光板30の出光面、とりわけ、第1単位光学要素50の出光側面51から光学的作用を及ぼされて、導光板30内を導光されている光が出光面31を介して導光板30から出射するようになる。最終的に導光板30の出光面31から出射した光L21,L22は、図2に示すように、光学シート26へ入射する。上述したように、光学シート26は、導光板30側へ向けて頂角が突出する断面三角形形状の単位プリズム27を有している。図2によく示されているように、単位プリズム27の長手方向は、導光板30による導光方向(第1方向)と交差する方向、とりわけ本実施の形態では導光方向と直交する第2方向と、平行になっている。また、導光板30をなす材料と空気との屈折率差に起因し、導光板30の出光面31から出射する光の第1方向成分の出射角度(出射光の第1方向成分と導光板30の板面への法線方向ndとがなす角度)θcは、特定の角度範囲(例えば、65°〜85°)内に偏る、傾向がある。
これらのことから、図2に示すように、導光板30の出光面31から出射した光の多くが、光学シート26の単位プリズム27の一方のプリズム面27aを透過して当該単位プリズム27へ入射し、その後、当該単位プリズム27の他方のプリズム面27bで全反射するように、光学シート26を設計することができる。単位プリズム27のプリズム面27bでの全反射により、図2の断面(第1方向と正面方向ndとの両方向に平行な断面)において正面方向ndから傾斜した方向に進む光L21,L22は、その進行方向が正面方向ndに対してなす角度が小さくなるように、曲げられる。このような作用により、単位プリズム27は、第1方向(導光方向)に沿った光の成分について、透過光の進行方向を正面方向nd側に絞り込むことができる。すなわち、光学シート26は、第1方向に沿った光の成分に対して、集光作用を及ぼすようになる。
なお、このように光学シート26の単位プリズム27によってその進行方向を大きく変化させられる光は、主として、単位プリズム27の配列方向である第1方向に進む成分であり、導光板30の出光面31によって集光させられる第2方向に進む成分とは異なる。したがって、光学シート26の単位プリズム27での光学的作用によって、導光板30の単位光学要素50,55によって上昇させられた正面方向輝度を害すことなく、さらに、正面方向輝度を向上させることができる。
以上のように、面光源装置20では、第1方向(導光方向)に沿った出射光量の分布を均一化させ、さらに、正面方向輝度を向上させ、発光面21から光を面状に発光する。面光源装置20を出光した光は、その後、液晶表示パネル15に入射する。液晶表示パネル15は、面光源装置20からの光を画素毎に選択的に透過させる。これにより、液晶表示装置10の観察者が、映像を観察することができるようになる。
また、上述したように、導光板30内に入射した光は、出光面31、主として第1単位光学要素50の出光側面51によってなされている導光板30の出光面31によって、第2方向への移動を規制されながら、第1方向へ進むようになる。すなわち、光源24a,24bをなす多数の発光体25の各々で発光された光は、導光板30の出光面31のうちの、第2方向における所定の範囲内に位置し且つ第1方向に延びる特定の領域内から、主として出射することになる。したがって、表示装置10の表示面11に表示される映像に対応して、制御装置18が、各発光体25の出力を調節するようにしてもよい。
例えば、表示装置10の表示面11内のある領域に何も表示しない場合、言い換えると、表示装置10の表示面11内のある領域に黒を表示する場合、表示面10の当該領域に対応する導光板30の出光面31の領域に光を供給する点状発光体25を消灯させるようにしてもよい。この場合、面光源装置20からの照明光を表示パネル15で完全に遮断できないことに起因するコントラストの低下といった従来の不具合を解消することができる。また、電気使用量を節約することができ、省エネルギーの観点からも好ましい。
さらに、黒を表示する例に限られず、表示面11に表示される映像に対応して各点状発光体25の出力の程度を調節することにより、表示パネル15のみに依存することなく、表示される映像の各領域における明るさを調節するようにしてもよい。このような例においても、表示される像のコントラストを向上させることができるとともに、省エネルギーを実現することができる。
ところで、昨今における環境問題への関心の高まりから、発光ダイオードが、光源をなす発光体として注目を浴びている。発光ダイオードは、エネルギー効率の観点において、これまで光源をなす発光体として広く普及していた冷陰極管よりも、非常に優れている。しかしながら、本件発明者らは、発光ダイオード等からなる点状発光体を線状に配列して光源を形成し、従来の面光源装置の冷陰極管からなる光源と置き換えて使用した場合、導光板の出光面のうちの入光面近傍の領域、あるいは、導光板の出光面の当該領域に対応する面光源装置の発光面または表示装置の表示面の領域に、明るさのムラが生じること、すなわち輝度面内ばらつきが生じることを、面光源装置の開発を通して知見した。
本件発明者らの調査によれば、発光ダイオード等からなる点状発光体を線状に並べてなる光源を用いた場合、光源に対面する入光面近傍となる導光板出光面上の領域において明暗のムラが発生すること、より具体的には、入光面近傍となる導光板出光面上の領域において、点状発光体の配列方向(第2方向)に沿って点状発光体の配列ピッチと同一ピッチで明部および暗部が繰り返し形成されていた。
また、昨今においては、導光方向(第1方向)に沿って直線状に延びるプリズムが、導光方向と直交する方向(第2方向)に並べられている導光板が、普及しつつある。このプリズムは、長手方向に直交する断面において直角三角形形状を有しており、その配列方向と平行な光の成分に対して集光作用を及ぼすことが期待されている。そして、このような集光作用を期待された単位プリズムを導光板に設けた場合、導光板の出光面のうちの入光面近傍領域に発生する明るさの第2方向に沿ったムラがより顕著となるとなること、さらに詳細には、明るさの第2方向に沿ったムラの発生領域が広範囲になることが、本件発明者らの研究によって知見された。
一方、上述してきた本実施の形態によれば、このような不具合の発生を効果的に抑制し得ることが確認された。このような現象が生じる理由の詳細は不明であるが、本件発明者らの研究を通して推定される理由を、以下に説明する。以下では、光源に対面する入光面近傍領域において輝度の面内ばらつきが発生する推定理由とともに、本実施の形態によって、このような輝度の面ばらつきを目立たなくさせる推定理由も説明する。ただし、本発明は以下の推定に限定されるものではない。
導光板30の入光面33,34に対面して配置された光源24a,24bをなす点状発光体(例えば、発光ダイオード)は、図13(a)〜(c)に示すように、光を放射状に放つ。なお、図13(a)〜(c)には、光が、点状発光体25の一発光点25aから、導光方向を中心として放射状に放たれている例を示している。したがって、ある発光点25aで発光されて導光板30へ光は、図13(a)〜(c)において点線で示された円錐状に広がる光束LFとなる。また、図13(a)〜(c)では、それぞれ、正面方向、第2方向(単位光学要素50,55の配列方向)および第1方向(単位光学要素50,55の長手方向)から同一の光路を観察した状態を示している。ただし、図13(a)〜(c)では、理解のしやすさの便宜から、第1単位光学要素50および第2単位光学要素55を省略している。
図13(a)〜(c)に示すように光が導光板内で放射状に放たれるため、導光板30の入光面33,34直近において導光板30の出光面31(図示においては、本体部40の出光側面41)に直接入射(光源25a,25bから導光板30へ入射した後、裏面32で反射されることなく、直接出光面31へ入射)し得る光は、点状発光体25の配列方向、すなわち第2方向に沿った成分を多く含まない光(言い換えると、第2方向へあまり進まない光)L131である。その一方で、点状発光体25から放射状に発光された光のうち、第2方向に沿った成分を多く含む光(言い換えると、第2方向へよく進む光)L133は、第1方向成分を僅かにしか含まないため、入光面33,34から遠く離れた位置P3において、導光板30の出光面31(図示においては、本体部40の出光側面41)に直接入射し得るようになる。
このようなことから、一つの点状発光体25から放射状に発光された光が直接入射し得る領域A1は、正面方向から観察した場合に、図13(a)に示すように、対象とする一つの点状発光体25に第1方向から対面する位置P1において当該一つの点状発光体25に最も接近する曲線CLによって取り囲まれる領域(以下において、明領域とも呼ぶ)となる。とりわけ、市販されているエッジライト型面光源装置において通常の使用態様であるように、一つの点状発光体から発光される光が、導光方向(第1方向)を中心として放射状の領域に進む場合、当該放射状光LFが直接入射し得る明領域A1は、対象とする一つの点状発光体25に第1方向から対面する位置P1に極値を取る放物線CLによって取り囲まれた領域となる。
したがって、導光板30の入光面33,34近傍における出光面31のうち、第2方向に隣り合う二つの点状発光体25の中間位置に対面して導光方向(第1方向)に沿って延びる領域(以下において、暗領域とも呼ぶ)A2には、放射状に光を放つ点状発光体25から導光板30内に入射した光が裏面等で反射することなく直接に到達することはない。この結果、この暗領域A2からの出光量は、隣接する領域A1であって、放射状に光を放つ点状発光体25から導光板30内に入射した光が直接に到達し得る領域A1からの出光量よりも、著しく低下する。
以上のことが、点状発光体25からなる光源に対面する入光面近傍において、点状発光体の配列方向に沿って点状発光体の配列ピッチと同一ピッチで明暗の縞が生じていた理由であると考えられる。
また、第2方向成分を多く含まない光(例えば、図13(a)〜(c)における光L131)が、比較的に大きい出光面角度、具体的には、屈折による優れた集光特性を発揮し得る45°程度の出光面角度を有した出光面に入射した場合、いわゆる再帰反射のような全反射を繰り返して進行方向を転換して、裏面へと向かうようになる(図5における光L52参照)。すなわち、当該光L131の第2方向成分は、図5に示された光L52の光路と同様に大きく変化することなく、第1方向へ進むことになる。この結果、明瞭域A1に入射した当該光L131が、第2方向へ拡散されることはない。すなわち、明瞭域A1に入射した当該光L131が、暗領域A2に向かうことが規制される。
それどころか、僅かに傾斜した光(例えば、図13(a)〜(c)における光L132)までもが、上述した本実施の形態において急斜面37b,38bから受ける作用と同様に、45°程度の出光面角度を有した出光面での反射によって、第2方向への移動を拘束されることになる。したがって、集光を目的として出光面角度が比較的に大きいプリズムを設けられた導光板を用いた場合、点状発光体の配列方向(第2方向)に沿った輝度の面内ばらつきが生じる領域が、より大きな領域で確認されていたものと推定される。
さらに、今後、発光ダイオードの発光強度の改善にともない、発光ダイオードの配置間隔を広げることによって使用される発光ダイオードの数量を減じ、これにより、表示装置の低コスト化を図る傾向が生じることが予測される。このような発光ダイオードの配置間隔が広がる傾向にともない、上述した光源近傍での輝度の面内ばらつきは、より明瞭且つより広い領域で確認されるようになると予想される。
一方、本実施の形態によれば、第1単位光学要素50の幅Waは、本体部40の一側面41上の中央位置Pcから入光面側の端部位置Peに向かうにつれてしだいに細くなっていき、入光面側の端部位置Peで最も狭くなる。このような第1単位光学要素50の幅Waの変動にともない、本体部40の一側面41上で第2単位光学要素55が設けられている領域は、入光面側の端部位置Peで最も大きく、光源24a,24bから第1方向に沿って離間するにつれて小さくなっていく。本件発明者らが、鋭意研究を重ねたところ、幅に対する高さの比(Hb/Wb)が0ではない比較的に小さい特定の範囲(0.05以上0.3以下)にある第2単位光学要素55によれば、言い換えて出光面角度θaで特定すると、比較的に小さな10°より大きく30°以下である出光面角度θaを有した緩斜面37a,38aによれば、図7に示すように、点状発光体25から入光面33を介して導光板30に入射した光のうち、第2方向成分を殆ど持たず且つ正面方向ndと平行な方向に沿った成分を強く持つ光L71,L72であって、入光面33の極近傍において出光面31に直接入射する光L71,L72を、第2方向へ効果的に拡散させ得ることが確認された。この結果、本実施の形態によれば、入光面33,34近傍となる出光面31上の領域における明暗ムラを目立たなくさせることができる。
また、本実施の形態では、第1単位光学要素50についての主切断面における幅Waに対する高さHaの比(Ha/Wa)は、第1方向における中央位置Pcから光源24a,24bに接近するにしたがって小さくなっていく。そして、入光面側の端部位置Peでの第1単位光学要素50の主切断面における断面形状は、第2単位光学要素55の主切断面の断面形状と同一となっている。したがって、入光面33,34に隣接する位置での導光板30の出光面31は、比較的に小さな10°より大きく30°以下である出光面角度θaを有した緩斜面37a,38aのみによって構成されている。この結果、本実施の形態によれば、第2方向成分を殆ど持たず局所的な明領域A1を形成していた光を第2方向に極めて効果的に拡散させ、これにより、入光面33,34近傍となる出光面31上の領域における明暗ムラを極めて効果的に目立たなくさせることができる。
以上のように本実施の形態によれば、導光板30は、優れた光取り出し機能および優れた集光機能を発揮し得る第1単位光学要素50と、光源近傍における光に対して優れた光拡散機能を発揮し得る第2単位光学要素55と、を本体部40の一側面41上に、有している。そして、本体部40の一側面41への法線方向ndから出光面31を観察した場合での出光面31のうちの第1単位光学要素50が占めている領域の割合は、一側面41上の中央Pcを含む中央領域Acであって、第1方向に直交する第2方向に沿って一側面41の両端部間を延びる中央領域Acにおいて、一側面41上の入光面側の端部Peを含み第2方向に沿って一側面上の両端部間を延びる端部領域Aeよりも、大きくなっている。また、本体部40の一側面への法線方向ndから出光面31を観察した場合での出光面31のうちの第2単位光学要素55が占めている領域の割合は、端部領域Aeにおいて中央領域Acよりも、大きくなっている。
したがって、本実施の形態によれば、出光面31のうちの光源24a,24b近傍の領域Aeから出射する光の光量が多くなってしまうことを防止し、これにともなって、出光面31の中央Pcを含む領域Acにから出射する光の光量を多く確保することができる。この結果、表示装置10の表示面11の中央Pcに像を明るく表示することができる。すなわち、出光面31から出射する光の第1方向に沿った光量分布を均一化させることだけでなく、光源24a,24bで発光される光を有効利用し、観察者に感知される像の明るさを効果的に上昇させることができる。
また、出光面31のうちの光源24a,24b近傍の領域Aeにおいて、光を第2方向へ或る程度拡散させるとともに、その後、光の第2方向への移動を規制することにより、出光面31から出光する光の第2方向に沿った光量分布を、第1方向の各位置において、均一化させることできる。このような作用効果は、並べて配列される多数の点状発光体(発光ダイオード)25を光源24a,24bとして用いる場合、とりわけ、多数の点状発光体25が省エネルギー対策としてある程度の間隔を開けて配置される場合においても、点状発光体25の配置間隔に対応して生じる第2方向に沿った輝度むらを効果的に目立たなくさせることができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いており、重複する説明を省略する。
上述した実施の形態において、第1単位光学要素50が、第1方向における中央位置Pcから入光面33,34の側の端部位置Peまでの全域にわたって、その断面形状をしだいに変化させていく例を示したが、これに限られない。一例として、図18に示すように、第1方向における中央位置Pcを含む領域内で、第1単位光学要素50が一定の断面形状を有するようにしてもよい。なお、図18は、図4に対応する図であって、導光板の変形例を正面方向ndから示す図である。
また、上述した実施の形態においては、第1単位光学要素50の断面形状の変化率が変動し、結果として、正面視における第1単位光学要素50の輪郭が曲線状に変化している例を示したが、これに限られない。例えば、図18に示すように、第1単位光学要素50の断面形状の変化率が一定であって、正面視における第1単位光学要素50の輪郭が直線状に変化するようにしてもよい。さらに、第1単位光学要素50の断面形状の変化率が、一区間において一定であり、その他の一区間において変動するようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態における第1単位光学要素50および第2単位光学要素55の構成は例示に過ぎない。一例として、導光板の主切断面において、第1単位光学要素50および第2単位光学要素55の少なくとも一方の外輪郭51,56が、少なくとも一部分において曲線を含むようにしてもよい。なお、既に述べているが、導光板の主切断面での単位光学要素50,60の断面形状が曲線を含む場合、図19および図20に示すように、出光面角度θaは、単位光学要素50,60の主切断面における外輪郭51,56への接線TLと、本体部40の一側面41と、によってなされる角度、より厳密には、形成される二つの角のうちの小さい方の角度(劣角の角度))の値として特定される。なお、図19および図20は、図5に対応する図であって、中央位置Pcを通過する主切断面において導光板の変形例を示す図である。
さらに、上述した実施の形態において、本体部41の一側面41上に単位光学要素50,60が隙間無く隣接して配置されている例を示したが、これに限られない。例えば、図19に示すように、隣り合う二つの単位光学要素間に平坦部58が形成されていてもよいし、図20に示すように、隣り合う二つの単位光学要素間に凹部59が形成されていてもよい。
さらに、上述した実施の形態において、配列方向に並べて配列された第1単位光学要素50の導光方向における位置が互いに同一であるようにしたが、これに限られない。例えば、正面視において第1単位光学要素50の幅が最も太くなる部分(最も太くなる位置または範囲)の第1方向に沿った位置が、複数の第1単位光学要素50のうちの少なくとも二つ以上の間で、異なるようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態において、本体部40の一側の面41上に第1単位形状要素50および第2単位形状要素55を設けることによって、導光板30の出光面31が、導光板30の板面に対して傾斜した傾斜面37a,37b,38a,38bを含むようにした例を示したが、これに限られない。図21および図22に示すように、上述してきた導光板30の第1単位形状要素50および第2単位形状要素55をそれぞれ反転してなる構成を有した第1溝および第2溝を本体部40の一側面41に形成することにより、導光板30に傾斜面37a,37b,38a,38bを付与するようにしてもよい。すなわち、この例では、溝が、光に光学作用を及ぼす単位光学要素として機能する。
具体的には、上述してきた導光板30の出光面31と同一構成の凹凸を有した型を準備し、この型を用いた賦型によって、本体部40と、第1方向と交差する配列方向に並べて前記本体部40の一側面41上に形成された複数の溝からなる第1単位光学要素(第1溝)50であって、各々がその配列方向と交差する方向に延びている、複数の第1単位光学要素(第1溝)50と、本体部40の一側面41上の複数の第1単位光学要素(第1溝)50の間に形成された複数の溝状の第2単位光学要素(第2溝)55と、を備えた導光板30を形成することができる。この際、上述した実施の形態での突出部としての第1単位光学要素に関する構成を反転して、溝としての第1単位光学要素50に適用することができ、同様に、上述した実施の形態での突出部としての第2単位光学要素に関する構成を反転して、溝としての第2単位光学要素55に適用することができる。このような導光板30においても、第1単位光学要素(第1溝)50および第2単位光学要素(第2溝)55によって構成される傾斜面37a,37b,38a,38bが、上記実施の形態で説明した光学的機能と同様の光学的機能を発揮することができる。
図21および図22に示す例において、溝状の第1単位光学要素50は、上述した略柱状の第1単位光学要素と相補的に構成され、溝状の第2単位光学要素55は、上述した略柱状の第2単位光学要素と相補的に構成されている。図21および図22においては、上述した実施の形態と対応する部分について、同一の符号を付している。
図21および図22に示すように、本体部40の一側面41への法線方向ndから出光面31を観察した場合での出光面31のうちの第1単位光学要素(第1溝)50が占めている割合は、一側面41上の入光面33と反対面34との間の中央Pcを含む中央領域Acであって、第1方向に直交する第2方向に沿って一側面41の両端部間を延びる中央領域Acにおいて、一側面41上の入光面側の端部Peを含み第2方向に沿って一側面上の両端部間を延びる端部領域Aeよりも、大きくなっている。また、本体部40の一側面41への法線方向ndから出光面31を観察した場合での出光面31のうちの第2単位光学要素(第2溝)55が占めている割合は、中央領域Acにおいて端部領域Aeよりも、小さくなっている。また、第1単位光学要素(第1溝)50のその配列方向に沿った幅Wbは、一側面41上の入光面側の端部Peから一側面41上の入光面33と反対面34との間の中央Pcまでの間の少なくとも一区間において、入光面側の端部Peの側から中央Pcの側に向けて太くなるように変化する。一方、第2単位光学要素(第2溝)55のその配列方向に沿った幅Wbは、第1単位光学要素50と接触しない領域において、一定となっている。
加えて、一側面41上の中央Pcでの第1単位光学要素(第1溝)50の配列方向に沿った幅Waに対する当該第1単位光学要素(第1溝)50の高さ(深さ)Haの比が、一側面41上の入光面側の端部Peでの第2単位光学要素(第2溝)55の配列方向に沿った幅Wbに対する当該第2単位光学要素(第2溝)55の高さ(深さ)Hbの比よりも大きくなっている。さらに、本体部41の一側面41への法線方向ndと第1単位光学要素(第1溝)50の配列方向の両方向に平行であり且つ一側面上の中央Pcを通る断面において、第1単位光学要素(第1溝)50の出光側面51のうちの本体部40の一側面41へ最も近接した基端部51bにおける出光側面51が本体部40の一側面41に対してなす角度は、本体部40の一側面41への法線方向ndと第1単位光学要素(第1溝)50の配列方向の両方向に平行であり且つ一側面41上の入光面側の端部Peを通る断面または端面において、第2単位光学要素(第2溝)55の出光側面56のうちの前記本体部の前記一側面へ最も近接した基端部56bにおける出光側面56が本体部40の一側面41に対してなす角度よりも、大きくなっている。また、本体部40の一側面41への法線方向ndと第1単位光学要素(第1溝)50の配列方向の両方向に平行であり且つ一側面41上の中央Pcを通る主切断面における第1単位光学要素(第1溝)50の断面形状のうちの、本体部40の一側面41から最も離間した先端部(最深部)51aを含む領域の形状は、本体部40の一側面41への法線方向ndと第1単位光学要素(第1溝)50の配列方向の両方向に平行な主切断面における第2単位光学要素(第2溝)55の断面形状と同一となっている。
なお、図21および図22に示す例において、本体部40の一側面41上には、溝としての第1単位光学要素50および溝としての第2単位光学要素55が隙間なく形成されている。したがって、図示する例において、本体部40の一側面41は、第1単位光学要素50および第2単位光学要素55の基端部51b,56bによって画成される面(仮想面)となっている。
さらに、上述した実施の形態において、導光板30の側面のうちの対向する二つの面33,34が入光面を構成する例を示したが、これに限られない。例えば、図23に示す変形例のように、導光板30の側面のうちの一つの面33のみが入光面として機能するようにしてもよい。このような変形例では、面光源装置20の発光面21への法線方向ndおよび第1方向の両方向に平行な断面での、導光板30から出射する出射光の出射方向は、正面方向ndに対して、一方の側のみに傾斜するようになる。このため、光学シート26の単位プリズム27は、面光源装置20の発光面21への法線方向ndおよび第1方向の両方向に平行な断面において対称的な形状を有する必要はない。図23に示す変形例では、単位プリズム27は、導光板30からの光を透過させる透過面27aと、透過面27aを介して導光板30内に入射した光を全反射させる反射面27bと、を含んでおり、反射面27bは正面方向ndに対して傾斜しているのに対し、透過面27aは概ね正面方向ndと平行に延びている。
さらに、上述した実施の形態においては、第1方向に離間して配置された二つの入光面33,34に対応するようにして、導光板30の出光面31が第1方向における中央位置Pcを中心として対称的な構成を有する例を示した。しかしながら、導光板30が入光面33を一つだけ含む場合には、導光板30の出光面31は非対称的な構成を有するようにしてもよい。
一例として、図24に、図23の面光源装置20(表示装置10)に好適に組み込まれる導光板30の一例が示されている。図24に示された導光板30は、唯一の入光面33に対向する反対面34の近傍で単位光学要素50の断面形状が変化していない点において、図18を参照して説明した導光板と異なっている。
さらに、上述した実施の形態において、本体部40内に拡散成分45を分散させることによって、導光板30に入射した光が導光板30から出射し得るようにした例を示したが、この例に限られない。
一例として、図23に示すように、導光板30の出光面31および裏面32を互いに対して傾斜させるようにしてもよい。図23に示す例では、導光板30の裏面32は、入光面33から反対面34に向かうにつれて、出光面32に対して接近するように傾斜した複数の傾斜面32aと、隣り合う二つの傾斜面32aを連結する段差面32bと、を有している。ただし、段差面32bは導光板30の板面の法線方向ndに延びている。したがって、導光板30内を入光面33の側から反対面34の側へと進む光の多くは、裏面32のうち、段差面32bに入射することなく、傾斜面32aにて反射するようになる。このため、図23に示すように、出光面31および裏面32にて反射して導光板30内を光L231が進む場合、当該光L231の出光面31および裏面32への入射角度は、反射によって小さくなり、全反射臨界角未満となる。この結果、導光板30内を進む光L211は、本体部40内で拡散成分45に衝突しなくとも、入光面33から離間した領域において、導光板30内から出射するようになる。これにより、第1方向に沿った出射光量の均一化を図ることができる。
さらに、上述した実施の形態での例に限られず、導光板30に入射した光を導光板30から出射させるための別の構成(別の光取り出し構成)を、既述の構成と代えて又は既述の構成に加えて、採用することができる。拡散成分45を分散させる構成および出光面31および裏面32を互いに対して傾斜させる構成以外の、光取り出し構成としては、例えば、出光面31および裏面32の少なくとも一方を粗面とする構成や、裏面32上に白色散乱層のパターンを設ける構成等が、挙げられる。また、上述した実施の形態において、導光板30の裏面32が傾斜面32aと段差面32bとを有するようにした例を示したが、これに限られず、段差面32bを省き、導光板30の裏面32が一つの連続した平坦な傾斜面や一つの連続した曲面として構成されていてもよい。
さらに、上述した実施の形態において、光源24a,24bが、導光板30の入光面33,34の長手方向(第1方向)に沿って並べて配置された複数の点状発光体(LED)25から構成される例を示したが、これに限られず、エッジライト型の面光源装置に用いられ得る種々の光源、例えば、導光板30の入光面33,34の長手方向と平行に延びるように配置された冷陰極管から、光源24a,24bが構成されてもよい。
さらに、上述した実施の形態において、導光板30の出光側に配置される光学シート26の一例を説明したが、上述した光学シート26は単なる例示に過ぎない。上述した光学シート26に代えて、種々の形態の光学シートを用いることができる。例えば、出光側に単位プリズム27が突出した光学シートを用いることができる。また、単位プリズム27の断面形状が三角形形状以外の形状、例えば、三角形以外の多角形や楕円の一部分に相当する形状等となっている光学シートを用いることもできる。
さらに、上述した面光源装置20および表示装置10の構成は、単なる例示に過ぎず、種々の変更が可能である。例えば、透過光を拡散させる機能を有した光拡散シートや、特定の偏光成分のみを透過し、それ以外の偏光成分を反射する偏光分離機能を有した偏光分離シート等を、光学シート26の出光側に設けるようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態で、導光板30の裏面32に対向して反射シート22が設けられ、導光板30の裏面32から出射した光が導光板30へ戻される例を示したが、これに限られない。例えば、導光板30の出光面31が第1の出光面として機能し、導光板30の裏面32が第2の出光面として機能するようにしてもよい。すなわち、両面発光の面光源装置を構成するようにしてもよい。例えば、導光板30の出光面31に対向して配置された構成、具体的には光学シート26や液晶表示パネル15等を導光板30の裏面32にも対向して配置することによって、両面表示可能な表示装置を構成することができる。このような例において、導光板30の裏面31を、上述した出光面31と同一に構成してもよい。また、この表示装置においては、同一または異なる映像を同時に表示することができる。
なお、以上において、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
以下、具体例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
<面光源装置>
まず、サンプルA〜Cに係る面光源装置を準備した。各面光源装置は、導光板と、光源と、反射シートと、光学シートとが、上述した態様と同様の位置関係で配置されてなる構成とした。以下に説明するように、準備されたサンプルA〜Cに係る面光源装置の間において、導光板の単位光学要素の構成が互いに異なるだけで、光源、反射シートおよび光学シートは互いに同一のものを使用した。
(導光板)
導光板は、本体部と、本体部の一側面上に配列された単位光学要素と、を有するようにした。導光板は、上述した実施の形態と同様に、対向する一対の側面がそれぞれ入光面をなすようにした。すなわち、一対の側面に対向して、それぞれ、後述する光源が配置されるようにした。
単位光学要素は、アクリル系紫外線硬化型樹脂を本体部の一側面上に硬化させて作製した。この際、単位光学要素と本体部をなす基材との間にランド部を、一定の厚さで、単位光学要素と同一のアクリル系紫外線硬化型樹脂を硬化させて形成した。したがって、本体部は、単位光学要素を賦型する際に基材として機能する板材と、ランド部と、によって構成されるようになった。本体部は、裏面と出光面とが平行で厚さが一定の平板状とした。基材は、拡散成分としての光散乱剤を含有するポリメタクリル酸メチル(PMMA)からなる板材とした。上述したように、サンプルA〜Cに係る面光源装置の間で、単位光学要素の構成を異なるようにした。
サンプルAに係る面光源装置では、上述した実施の形態と同様に、本体部の一側面上に第1単位光学要素および第2単位光学要素を作製した。第1単位光学要素および第2単位光学要素の配置や構成も、上述した実施の形態と同様にした。すなわち、第1単位光学要素は、中央位置Pcにおいて配列方向(第2方向)に隙間無く配列されるようにした。そして、この第1単位光学要素は、図3および図4に示すように、中央位置Pcから導光方向(第1方向)に沿って端部位置Peに向けて、高さがしだいに低くなり、且つ、幅がしだいに狭くなるようにした。また、第1単位光学要素の主切断面での断面形状も、上述した実施の形態と同様にした(図5〜図7参照)。第2単位光学要素は、図3および図4に示すように、第1単位光学要素と接触しない範囲において、第1方向に沿って一定の断面形状を有するようにした。また、端部位置Peにおいて、第1単位光学要素および第2単位光学要素の断面形状は同一となるようにした。図25には、第1単位光学要素の中央位置Pcを通過する主切断面での形状および各寸法を示している。図26には、第1単位光学要素の端部位置Peを通過する主切断面(端面)での形状および各寸法を示している。なお、図26に示された形状および寸法は、第2単位光学要素の主切断面での断面形状および各寸法にも相当する。
サンプルBに係る面光源装置の導光板は、第2単位光学要素を省いた点においてサンプルAに係る面光源装置の導光板と異なり、その他において、サンプルAに係る面光源装置の導光板と同一に構成した。すなわち、サンプルBに係る面光源装置において、導光板は、本体部と、本体部の一側面上に設けられた第1単位光学要素と、を有し、且つ、この第1単位光学要素は、サンプルAに係る面光源装置の導光板に含まれた第1単位光学要素と同一構成(図25および図26)を有するようにした。
サンプルCに係る面光源装置の導光板は、本体部と、本体部の一側面上に設けられたプリズムと、を有するようにした。プリズムは、本体部の一側面上において、第2方向に隙間無く並べた。各プリズムは、第1方向に沿って直線状に延びるようにした。図27には、このプリズムの主切断面での断面形状および各寸法が示されている。図25〜図27では、上述した図1〜図24と同様の符号を用いている。
(光源)
発光部のサイズが1.6mm×0.8mmである多数のLEDチップを、各LEDチップの0.8mmの辺が導光板の厚み方向と平行となるようにして、2.0mmのピッチで入光面の長手方向(上述した第2方向)に並べることによって、光源を構成した。上述したように導光板には二つの入光面が設けられており、LEDチップを多数配列してなる上記光源を、各入光面に対向するようにしてそれぞれ設けた。二つの光源は、導光板の対応する入光面との間に0.8mmの隙間が形成されるようにして配置した。
(反射シート)
導光板の裏面に対向するようにして、厚さ250μmの白色ポリエステルフィルムからなる反射シートを、配置した。
(光学シート)
導光板の出光面に対向するようにして、いわゆるプリズムシートとしての光学シートを配置した。光学シート(プリズムシート)は、厚さ125μmのポリエステルフィルム上に、アクリル系紫外線硬化型樹脂から複数の単位プリズムを形成してなるものとした。単位プリズムは、その長手方向に直交する断面において、頂角が65°の二等辺三角形形状を有するようにした。この光学シートは、上述した実施の形態の光学シートと同様に、単位プリズムが導光板へ向けて突出し、且つ、単位プリズムの配列方向が導光板の導光方向(第1方向)と平行になるようにして、配置した。
<評価方法>
光源が発光している状態の面光源装置を、当該面光源装置の発光面から当該発光面への法線方向に沿って1m離間した位置において、目視で観察した。各面光源装置の発光面のうちの入光面近傍の領域に、明部および暗部の繰り返しからなる明るさのムラが観察されるか否かを確認した。明るさのムラが明確に観察されたサンプルについて、表1の「評価」の「目視判断」の欄に「B」を付した。また、明るさのムラがうっすらと観察されたサンプルについて、表1の「評価」の「目視判断」の欄に「G」を付した。さらに、明るさのムラが観察されなかったサンプルについて、表1の「評価」の「目視判断」の欄に「VG」を付した。
また、面光源装置の発光面の第1方向における中央位置で正面方向輝度を測定した。測定には、輝度計BM−7(TOPCON社製)を用いた。測定結果をサンプル間での輝度比として表1の「評価」の「輝度」の欄に示す。