JP2005063912A - 導光板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 点状光源を使用した場合に、プリズムシートを用いずに、入射光を効率良く正面に出射するとともに輝度ムラを抑制する。
【解決手段】 導光板14は点状光源15から出射された光を入射する端面14aと、端面14aから入射された光を出射する出射面18とを備え、出射面18と反対側の裏面には、点状光源15から導光板14に入射した光を出射面18に向けて反射させる反射部19が形成されている。
出射面18には、プリズム状の凸条21が採光面20aの延びる方向と直交する方向に延びるように複数設けられている。各点状光源15の間と対応する部分に設けられた凸条21のうちの一部の凸条21が他の部分に設けられた凸条21より短く形成されている。短く形成された凸条21は全て同じ長さではなく、中央の凸条21を中心に対称となるように形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 導光板14は点状光源15から出射された光を入射する端面14aと、端面14aから入射された光を出射する出射面18とを備え、出射面18と反対側の裏面には、点状光源15から導光板14に入射した光を出射面18に向けて反射させる反射部19が形成されている。
出射面18には、プリズム状の凸条21が採光面20aの延びる方向と直交する方向に延びるように複数設けられている。各点状光源15の間と対応する部分に設けられた凸条21のうちの一部の凸条21が他の部分に設けられた凸条21より短く形成されている。短く形成された凸条21は全て同じ長さではなく、中央の凸条21を中心に対称となるように形成されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、導光板及びその製造方法に係り、詳しくはLED(発光ダイオード)等の点状光源からの出射光を端面から入射して面状に出射する導光板及びその製造方法に関する。
液晶表示装置として液晶表示パネル(液晶パネル)の背面(表示面と反対側の面)に面光源装置をバックライトとして配置したものがある。この種の面光源装置として、透光性の高い材料で形成された導光板の端面に沿って蛍光管(冷陰極管)を配置したものが使用されている。そして、導光板としてその出射面に、端面と直交する方向に延びるプリズムが形成されたものが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
図14に示すように、特許文献1に記載された平面照明装置40は、光源41、リフレクタ42、導光板43及び反射体44を備えている。導光板43は、光源41からの光を導く入射端面部45と、光を出射する表面部(出射面)46と、表面部46と反対側に位置する裏面部47とを備え、表面部46には円弧状凸部48が、裏面部47にはプリズム49がそれぞれ形成されている。そして、プリズム49は、その両端において陵部を斜めに切り取って略三角平面状の底面部50が形成されている。この底面部50の作用により、入射端面部45近くに輝線が出現するのを防止するようにしている。
一方、特許文献2に記載された面光源装置では、図15に示すように、導光板51の出射面52又は出射面と反対側の裏面に凸部(プリズム)53を形成する場合、凸部53を全長にわたって一定に形成する代わりに、凸部53の位置に応じて凸部53を滑らかに形成する。具体的には、入射面54に近づくに従って凸部53を滑らかに形成し、側面55に近づくに従って凸部53を滑らかに形成する。
また、液晶表示装置の薄型化に伴い蛍光管の径を非常に小さくする必要があり、これに伴って小さな衝撃によっても蛍光管が破損し易くなる。また、光源として蛍光管を発光させるには高電圧が必要であるため、複雑な点灯回路が必要になるという問題がある。そこで、蛍光管を使用する構成に代えて、面光源装置として、LEDが導光板の端面と対向して配置され、導光板の表面(液晶パネルと対向する側の面)から光が面状に出射されるエッジライト方式(サイドライト型)の装置が提案されている。しかし、LEDは指向性が強いため、輝線、明部、暗部などが生じやすい。1個又は少ない数のLEDを使用して導光板から光を均一な面状で出射させる方法としては、導光板の採光手段としての拡散ドットと拡散シートで拡散させることによって指向性を緩和し、プリズムシートで集光して特定の方向(例えば観察者の方向)の輝度を上げる方法がある。この方法を用いる場合には、一般にプリズムシートを2枚使用することが多い。しかし、プリズムシートを使用する構成では、部品点数が増えるため組み付け工数が増加するとともにコストも高くなる。そこで、プリズムシートを導光板と一体化したものも提案されている。導光板の出射面上に、プリズム形状を形成しても、別途プリズムシートを設けた場合と同様に、特定の方向の輝度を向上させることができる。
特開2002−1339300号公報(明細書の段落[0028],[0039〜[0044]、図1)
特開平11−52380号公報(明細書の段落[0028]〜[0032]、図1,2)
しかし、複数の点状光源を使用する構成で、出射面に入射端面と直交する方向に延びるプリズム(図示せず)が形成された導光板の場合、図16(a),(b)に示すように、導光板61の端面62近傍における点状光源63間と対応する領域に明部64が発生する。即ち、導光板61の出射面65に輝度ムラが発生する。この理由は、点状光源63は指向性が強く、点状光源63から出射される光は点状光源の正面に向かう量が多く、点状光源63から斜めに向かう光の量が少ない。そこで、プリズムは、導光板61の出射面65全体から均一に光が出射するように、点状光源63から斜めに向かう光を出射し易い構造に形成されている。その結果、隣接する点状光源63から出射された光が重なり合う状態となり、その領域に明部64が発生するからである。
また、プリズム形状によっては、入射端面近傍の点状光源63の正面と対応する部分が点状光源63の他の領域より暗くなる場合、即ち、点状光源63の正面近傍に暗部が発生する場合もある。
点状光源用の導光板の入射端面近傍における輝度ムラの抑制(特に明部の対策)に、線状光源用の特許文献1の構成を適用しても、輝度ムラの抑制はできない。一方、特許文献2の構成は製作が難しく、また、輝度の低い部分の輝度を高めることを目的としているため、明部の対策には効果が低い。
また、導光板の入射端面近傍の暗部と対応する出射面又は裏面にドットを設ける構成では、当該部分において余分に光が取り出されてしまい、全体の輝度が低下するという問題がある。
本発明は前記の問題に鑑みてなされたものであって、第1の目的は点状光源を使用した場合に、プリズムシートを用いずに、入射光を効率良く正面に出射するとともに輝度ムラを抑制することができる導光板を提供することにある。また、第2の目的は前記導光板の製造方法を提供することにある。
前記第1の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、複数の点状光源から出射された光を端面から入射するとともに、面状に変換して出射する導光板である。前記端面から入射された光を出射する出射面に前記端面と直交する方向に延びるようにプリズム状又はレンズ状の凸条が複数設けられ、前記出射面と反対側の裏面には前記端面から入射されて導光板内を導波する光を前記出射面から出射する方向に反射させる反射部が形成されている。そして、前記複数の凸条のうちの一部の凸条の長さが前記端面側において短くなるように形成されている。
この発明では、凸条のない部分(領域)の面積及び位置を設定することにより、導光板の出射面全体から光がほぼ均一に出射され、プリズムシートを用いずに、入射光を効率良く正面に出射するとともに輝度ムラを抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記各点状光源の正面と対応する部分に設けられた凸条のうちの少なくとも一部の凸条が他の部分に設けられた凸条より短く形成されている。この発明では、点状光源の正面と対応する部分の端面近傍の出射面に凸条がないため、当該部分に向かって進んだ光が出射面から出射される。その結果、点状光源の正面と対応する部分に暗部が発生するのが抑制され、導光板の輝度ムラが抑制される。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記各点状光源の間と対応する部分に設けられた凸条のうちの少なくとも一部の凸条が他の部分に設けられた凸条より短く形成されている。この発明では、隣接する点状光源から出射された光が重なり合う領域から出射される光量が少なくなり、当該領域が明部となるのが抑制され、導光板の輝度ムラが抑制される。
請求項4に記載の発明は、複数の点状光源から出射された光を端面から入射するとともに、面状に変換して出射する導光板である。前記端面から入射された光を出射する出射面に前記端面と直交する方向に延びるようにプリズム状又はレンズ状の凸条が複数設けられ、前記出射面と反対側の裏面には前記端面から入射されて導光板内を導波する光を前記出射面から出射する方向に反射させる反射部が形成されている。そして、前記複数の凸条のうちの一部の凸条が前記端面側においてその一部が切り欠かれている。
この発明では、凸条の一部が切り欠かれている部分(領域)の面積を設定することにより、導光板の出射面全体から出射される光をほぼ均一化することができ、プリズムシートを用いずに、入射光を効率良く正面に出射するとともに輝度ムラを抑制することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記各点状光源の正面と対応する部分に設けられた凸条のうちの少なくとも一部の凸条が切り欠かれている。従って、この発明では、点状光源の正面と対応する部分に設けられた凸条の端部から出射される光量が多くなり、点状光源の正面と対応する部分に暗部が発生するのが抑制され、導光板の輝度ムラが抑制される。
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記各点状光源の間と対応する部分に設けられた凸条のうちの少なくとも一部の凸条が切り欠かれている。この発明では、隣接する点状光源から出射された光が重なり合う領域から出射される光量が少なくなり、当該領域が明部となるのが抑制され、導光板の輝度ムラが抑制される。
請求項7に記載の発明は、請求項4〜請求項6のいずれか一項に記載の発明において、前記一部が切り欠かれた凸条は、長さが前記端面側において短くなるように形成されている。この発明では、輝度ムラの抑制がより容易になる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の発明において、前記裏面には、前記端面に沿って延びるとともに前記入射された光を前記出射面から出射する方向に反射させる採光面を構成する溝が複数形成されている。この発明では、端面から入射された光は、導光板内を前記端面と反対側の端面に向かって導波される間に採光面で反射して、出射面とほぼ垂直な方向に向かってその進行方向が変更される。そして、出射面に設けられた凸条を経て出射される。従って、裏面にドットを設け、このドットによって散乱させる場合に比較して、端面から入射された光を導光板の出射面から観察者に向かう方向に出射させるのが容易になる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の発明において、前記導光板は入射された光を拡散させる導入部が突設されている。前記導入部は、前記光の入射側から導光板本体側に向かって拡がる形状に形成されるとともに、前記導入部の幅方向に延びる面と平行な平面と点状光源からの光を拡散させる拡散部とが交互に繰り返して構成され、かつ前記点状光源と対向する入射部と、前記拡散部で拡散された光を前記導光板本体に向けて反射する反射部とを備えている。この発明では、点状光源からの光が、導入部によって拡散され、点状光源の正面や点状光源間に導波される光の指向性や光量が均一化される。従って、複数の点状光源を設けた際に、点状光源の正面や点状光源間の明部や暗部の発生や、導光板の輝度ムラをより低減することができる。
第2の目的を達成するため、請求項10に記載の発明は、端面から入射された光を出射する出射面側に前記端面と直交する方向に延びるようにプリズム状又はレンズ状の凸条が複数設けられ、前記出射面と反対側の裏面には前記端面から入射されて導光板内を導波する光を前記出射面から出射する方向に反射させる反射部が形成され、複数の点状光源から出射された光を端面から入射するとともに、面状に変換して出射する導光板の製造方法である。そして、導光板の出射面側に前記凸条を形成し、裏面に前記反射部を形成した後、試験的に点状光源から導光板に光を入射させて出射面からの光の出射状況を観察する。点状光源の正面と対応する端面近傍が暗い場合は、正面と対応する部分に設けられた凸条のうちの少なくとも一部の凸条を切り欠いて導光板の輝度ムラを抑制するように調整し、点状光源の間と対応する端面近傍が明るい場合は、間と対応する部分に設けられた凸条のうちの少なくとも一部の凸条を切り欠いて導光板の輝度ムラを抑制するように調整して仕上げを行う。
この発明では、出射面に凸条が、裏面に反射部がそれぞれ形成された状態で、点状光源から導光板に光を入射して輝度ムラの状態を観察し、輝度ムラを抑制するように、凸条の一部を切り欠くことで導光板の仕上げが行われるため、輝度ムラの抑制された導光板を確実に製造することができる。
請求項1〜請求項9記載の発明によれば、点状光源を使用した場合でも、プリズムシートを用いずに、入射光を効率良く導光板の正面に出射するとともに輝度ムラを抑制することができる。また、請求項10に記載の発明によれば、前記輝度ムラの抑制された導光板を確実に製造することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を液晶表示装置のサイドライト型のバックライトに使用される面光源装置の導光板に具体化した第1の実施形態を図1〜図3に従って説明する。図1(a)は導光板と点状光源の関係を示す模式斜視図、(b)は模式平面図、(c)は裏面を出射面側から見た模式斜視図、図2は液晶表示装置の模式図である。また、図3(a),(b)は採光面及び凸条の作用を示す模式図である。
以下、本発明を液晶表示装置のサイドライト型のバックライトに使用される面光源装置の導光板に具体化した第1の実施形態を図1〜図3に従って説明する。図1(a)は導光板と点状光源の関係を示す模式斜視図、(b)は模式平面図、(c)は裏面を出射面側から見た模式斜視図、図2は液晶表示装置の模式図である。また、図3(a),(b)は採光面及び凸条の作用を示す模式図である。
図2に示すように、液晶表示装置11は、液晶パネル12と、その背面(表示面と反対側の面)側に配置されたバックライトとしての面光源装置13とを備えている。面光源装置13は、導光板14と、導光板14の一方の端面14aと対向する位置に配置された複数の点状光源15とを備えている。点状光源15としてはLED(発光ダイオード)が使用されている。
面光源装置13には、導光板14を挟んで液晶パネル12と反対側に位置し、導光板14から漏れた光を導光板14に戻して出射光として利用するための反射部材(反射シート)16が設けられている。また、導光板14と液晶パネル12との間には、拡散シート17が配置されている。
次に導光板14について詳細に説明する。導光板14は透明性の高い材料、例えばアクリル樹脂で形成されている。図1(a)に示すように、導光板14は、ほぼ四角形状に形成され、点状光源15から出射された光を入射する端面14aと、端面14aから入射された光を出射する出射面18とを備え、出射面18と反対側の裏面には、点状光源15から導光板14に入射した光を出射面18に向けて反射させる反射部19が形成されている。反射部19は、端面14aに沿って延びるように形成された複数の平行な溝20により構成されている。
溝20は、端面14a側から対向面14b側に向かって上昇傾斜する採光面20aと、端面14a側から対向面14b側に向かって下降傾斜する導波面(傾斜面)20bとが交互に連なるように設けられている。即ち、各溝20は点状光源15と対向する端面14aと直交する平面による断面形状が鋸歯状となるように隣接して形成されている。
採光面20aは、端面14aから導光板14に入射され、採光面20aに到達した光を、出射面18に形成された後記する各凸条21の頂点と接する仮想平面P1(図3(b)に鎖線で図示)に対してほぼ直角に近い角度で出射面18の方向に全反射させる角度に形成されている。図3(a)に示すように、溝20は、採光面20aが仮想平面P1と平行な平面と成す角度θ1が例えば35°〜50°、好ましくは40°〜45°の範囲の所定の角度に、導波面20bが仮想平面P1と平行な平面と成す角度θ2が例えば0.3°〜2.5°の範囲の所定の角度に形成されている。
出射面18には、プリズム状の凸条21が採光面20aの延びる方向と直交する方向に延びるように、即ち端面14aと直交する方向に延びるように複数設けられている。各凸条21は長手方向と直交する切断面での断面形状が二等辺三角形状に形成され、かつ高さが同じに形成されている。各凸条21は端面が仮想平面P1とほぼ垂直になるように形成されている。また、各凸条21は互いに隣接するように形成され、出射面18は端面14aと直交する方向に延びる一対の斜面を有する凸条21が繰り返し形成された構成となっている。
凸条21の幅は10〜500μm、好ましくは50〜300μmの範囲の所定の大きさに形成され、点状光源15の幅は例えば3mmに形成されている。この明細書において、点状光源15及び凸条21の大きさの比は、図示の都合上実際とは異なっており、点状光源15の数も実際とは異なっており2個のみ図示している。また、この実施形態では図1(a),(b)で図示の都合上、凸条21の数が異なるように図示している。また、図1(b)では凸条21の稜線の図示を省略している。
複数の凸条21のうちの一部の凸条21の長さが端面14a側において短くなるように形成されている。この実施形態では、各点状光源15の間と対応する部分に設けられた凸条21のうちの少なくとも一部の凸条21が他の部分に設けられた凸条21より短く形成されている。短く形成された凸条21は全て同じ長さではなく、図1(b)に示すように、隣接する点状光源15間の中央と対応する位置に配置された凸条21(図では2本)が最も短く形成されている。そして、その凸条21の両側に配置された凸条21の長さが、点状光源15に近い凸条21ほど長くなり、かつ中央の凸条21を中心に対称(図1(b)において左右対称)となるように形成されている。各凸条21の長さは、凸条21の頂角、採光面20aが仮想平面P1と平行な平面と成す角度θ1、導波面20bが仮想平面P1と平行な平面と成す角度θ2の値や点状光源15の指向性によって適正な長さが異なる。従って、シミュレーションあるいは試験により導光板14に点状光源15から光を入射させた状態で、導光板14に生じる明部や暗部を無くすようにして輝度ムラが抑制される長さに凸条21が形成される。
この実施の形態では、導光板14は次のような方法で製造される。導光板14の製造は金型を使用した射出形成により、導光板14の出射面18に全ての凸条21が同じ長さに形成され、裏面に反射部19が形成された中間製品が先ず形成される。次に試験的に点状光源15から導光板14に光を入射させて出射面18からの光の出射状況を観察する。そして、点状光源15の間と対応する端面14aの近傍の明部の状態を把握する。次に、点状光源15の間と対応する部分に設けられた凸条21のうちの少なくとも一部の凸条21を刃物で切削して長さを短くすることにより、導光板14の輝度ムラを抑制するように調整して仕上げを行う。
凸条21の頂角、採光面20aが仮想平面P1と平行な平面と成す角度θ1、導波面20bが仮想平面P1と平行な平面と成す角度θ2の値や点状光源15の指向性に対応した、凸条21の適正な長さが予めシミュレーションあるいは試験により求められている。先ずその値より若干長い長さに切削すべき各凸条21を切削し、その状態で輝度ムラを観察し、輝度ムラの抑制状態が不十分な場合は、さらに凸条21を切削することで凸条21の長さが調整される。
次に前記のように構成された導光板14の作用について説明する。導光板14は、例えば、図2に示すように、透過型の液晶表示装置11のバックライトユニットとしての面光源装置13に組み込まれて使用される。点状光源15は複数設けられている。
点状光源15が点灯されると、点状光源15から出射した光が導光板14に入射し、入射した光は導光板14の出射面18から液晶パネル12に向かって出射され、拡散シート17を経て液晶パネル12に入射される。そして、液晶表示装置11の使用者は液晶パネル12の表示をその出射光により視認する。
導光板14における作用を詳しく説明すると、点状光源15から出射した光の大部分は端面14aから導光板14に入射される。導光板14に入射された光は導光板14内を導波する。そのうち、採光面20aに到達した光は、図3(a)に示すように、出射面18から出射する。
端面14aから導光板14内に入射した光が全て採光面20aに向かって直進するとは限らず、採光面20aに到達する光には、導波面20bや出射面18で全反射しながら導光板14内を導波した後、採光面20aに到達する光もある。導波面20bが端面14a側から対向面14b側に向かって下降傾斜するように形成されている。そのため、直接採光面20aに向かって導波する以外の光は、導波を繰り返すうちに、仮想平面P1と平行な方向に近づき、採光面20aで効率よく出射面18の方向に反射される。
図3(b)に示すように、点状光源15から正面に向かって出射された光と、点状光源15から採光面20aに対して斜めに出射された光とを比較すると、後者の方が採光面20aで全反射して凸条21内に進んだ後、凸条21の表面から液晶パネル12に向かって出射される割合が大きい。これは、次のような理由による。
すなわち、点状光源15から正面に出射された光は、採光面20aで仮想平面P1に略垂直に反射され、点状光源15から斜めに出射された光は採光面20aで仮想平面P1に対して斜めに反射される。前者の光は、凸条21の斜面の法線とのなす角が大きいため、凸条21で反射し内部に導波するものの割合が大きい。後者の光は凸条21の斜面の法線とのなす角が小さいため、凸条21から外部に出射されるものの割合が大きい。
このため、点状光源15から斜めの方向では、凸条21が存在する場合には、正面に出射する光の割合が大きくなり、凸条21が存在しない場合には、正面に出射する光の割合が小さくなる。反対に、点状光源15の正面方向では、凸条21が存在する場合には、正面に出射する光の割合が小さくなり、凸条21が存在しない場合には、正面に出射する光の割合が大きくなる。
導光板14において、隣接する点状光源15の間と対応する領域では、上記の理由により導光板から出射する光の量が多いため、他の領域に比べて明るくなる。特に、隣接する点状光源15からの光が重なり合う部分は、明部となって現れる。
しかし、この実施形態では、各点状光源15の間と対応する部分に設けられた凸条21が、前記のように短く形成されている。その結果、凸条21がない領域においては出射面18からの光の出射量が少なくなる。その結果、導光板14全体としての輝度ムラが抑制される。
この実施形態では以下の効果を有する。
(1) 導光板14は、複数の点状光源15から出射された光を端面14aから入射し、出射面18から面状に出射する。出射面18には端面14aと直交する方向に延びるようにプリズム状の凸条21が複数設けられ、出射面18と反対側の裏面には端面14aから入射されて導光板14内を導波する光を出射面18から出射する方向に反射させる反射部19が形成されている。そして、複数の凸条21のうちの一部の凸条21の長さが端面14a側において短くなるように形成されている。従って、凸条21のない部分(領域)の面積及び位置を設定することにより、導光板14の出射面18全体から光がほぼ均一に出射され、プリズムシートを用いずに、入射光を効率良く正面(液晶パネル12と対向する面)に出射するとともに輝度ムラを抑制することができる。
(1) 導光板14は、複数の点状光源15から出射された光を端面14aから入射し、出射面18から面状に出射する。出射面18には端面14aと直交する方向に延びるようにプリズム状の凸条21が複数設けられ、出射面18と反対側の裏面には端面14aから入射されて導光板14内を導波する光を出射面18から出射する方向に反射させる反射部19が形成されている。そして、複数の凸条21のうちの一部の凸条21の長さが端面14a側において短くなるように形成されている。従って、凸条21のない部分(領域)の面積及び位置を設定することにより、導光板14の出射面18全体から光がほぼ均一に出射され、プリズムシートを用いずに、入射光を効率良く正面(液晶パネル12と対向する面)に出射するとともに輝度ムラを抑制することができる。
(2) プリズムシートを用いる必要がないため、面光源装置13を構成する部品点数が少なくなって、組立工数を低減でき、製造コストを低減できる。導光板14に凸条21を形成する必要がある。しかし、導光板14は金型を使用して射出成形などで製造されるため、金型のコストが多少高くなるが、多数の導光板14を製造することにより、一枚当たりの導光板14の製造コストは、凸条21を設けない導光板の製造コストと、プリズムシートの単価との合計より低くできる。
(3) 各点状光源15の間と対応する部分に設けられた凸条21のうちの少なくとも一部の凸条21が他の部分に設けられた凸条21より短く形成されている。従って、隣接する点状光源15から出射された光が重なり合う領域から出射される光量が少なくなり、当該領域が明部となるのが抑制され、導光板14の輝度ムラが抑制される。
(4) 導光板14の裏面には、端面14aに沿って延びるとともに前記入射された光を出射面18から出射する方向に反射させる採光面20aを構成する溝20が複数形成されている。従って、裏面にドットを設ける場合に比較して、端面14aから入射された光を導光板14の出射面18から観察者に向かう方向に出射させることが容易となる。
(5) 導光板14を製造する際、金型を使用した射出成形だけでなく、射出成形された中間製品の凸条21を切削することで輝度ムラ抑制の調整を行うため、輝度ムラの抑制された導光板14を確実に製造することができる。
(6) 面光源装置13は拡散シート17を備えている。従って、導光板14において明部が完全には防止できない場合でも、導光板14から出射された光が拡散シート17を通過して液晶パネル12に入射する際には、明部が肉眼で判別できない状態にすることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を図4に従って説明する。この実施形態では、凸条21の長さを短くすることにより、輝度ムラを抑制する構成に代えて、凸条21の長さは一定で、端面14a側の端部の一部を切り欠いて輝度ムラを抑制する点が前記第1の実施の形態と異なっている。第1の実施形態と同様な部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。なお、図4は第2の実施形態の導光板14と点状光源15の関係を示す模式斜視図である。
次に、第2の実施形態を図4に従って説明する。この実施形態では、凸条21の長さを短くすることにより、輝度ムラを抑制する構成に代えて、凸条21の長さは一定で、端面14a側の端部の一部を切り欠いて輝度ムラを抑制する点が前記第1の実施の形態と異なっている。第1の実施形態と同様な部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。なお、図4は第2の実施形態の導光板14と点状光源15の関係を示す模式斜視図である。
図4に示すように、点状光源15の間と対応する部分に設けられた凸条21のうちの少なくとも一部の凸条21が切り欠かれている。この実施形態では、凸条21は、端面14a側において、導光板14の端面14aの上端において凸条21と交差する平面によって切断された形状に形成されている。即ち、凸条21は端面14a側の端面が端面14aと平行あるいは同一面上ではなく、二等辺三角形の頂部が対向面14b側に近付くように傾斜した斜面21aとなっている。
各斜面21aの面積は同じではなく、隣接する点状光源15間の中央と対応する位置に配置された凸条21の斜面21aの面積が最も大きく形成されている。そして、その凸条21の両側に配置された凸条21の斜面21aの面積が、点状光源15に近い凸条21ほど小さくなり、かつ中央の凸条21を中心に対称となるように形成されている。各凸条21の斜面21aの面積は、凸条21の頂角、採光面20aの角度θ1、導波面20bの角度θ2の値や点状光源15の指向性によって適正な面積が異なる。従って、シミュレーションあるいは試験により導光板14に点状光源15から光を入射させ、導光板14に生じる明部や暗部を無くすようにして輝度ムラが抑制される面積に設定される。
この実施形態では、第1の実施形態の(2),(4)〜(6)と同様な効果を有する他に、次の効果を有する。
(7) 導光板14は、複数の点状光源15から出射された光を端面14aから入射し、出射面18から面状に出射する。そして、複数の凸条21のうちの一部の凸条21が端面14a側においてその一部が切り欠かれている。従って、凸条21の一部が切り欠かれている部分の面積を設定することにより、導光板14の出射面18全体から光がほぼ均一に出射され、プリズムシートを用いずに、入射光を効率良く正面に出射するとともに輝度ムラを抑制することができる。
(7) 導光板14は、複数の点状光源15から出射された光を端面14aから入射し、出射面18から面状に出射する。そして、複数の凸条21のうちの一部の凸条21が端面14a側においてその一部が切り欠かれている。従って、凸条21の一部が切り欠かれている部分の面積を設定することにより、導光板14の出射面18全体から光がほぼ均一に出射され、プリズムシートを用いずに、入射光を効率良く正面に出射するとともに輝度ムラを抑制することができる。
(8) 各点状光源15の間と対応する部分に設けられた凸条21のうちの少なくとも一部の凸条21が切り欠かれている。従って、隣接する点状光源15から出射された光が重なり合う領域から出射される光量が少なくなり、当該領域が明部となるのが抑制され、導光板14の輝度ムラが抑制される。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態を図5に従って説明する。この実施形態では、各点状光源15の正面と対応する部分に設けられた凸条21のうちの少なくとも一部の凸条21が他の部分に設けられた凸条21より短く形成されている点が第1の実施形態と大きく異なっている。第1の実施形態と同様な部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。なお、図5は第3の実施形態の導光板14と点状光源15の関係を示す模式斜視図である。
次に、第3の実施形態を図5に従って説明する。この実施形態では、各点状光源15の正面と対応する部分に設けられた凸条21のうちの少なくとも一部の凸条21が他の部分に設けられた凸条21より短く形成されている点が第1の実施形態と大きく異なっている。第1の実施形態と同様な部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。なお、図5は第3の実施形態の導光板14と点状光源15の関係を示す模式斜視図である。
点状光源15の指向性、凸条21の頂角や前記角度θ1,θ2の値によっては、導光板14において、同一形状、同一長さの凸条21を形成した場合、隣接する点状光源15の間と対応する領域が明部とならずに、点状光源15の正面に対応する端面14aの近くが暗部となる場合がある。この実施形態はそのような場合に対処するための構成である。
点状光源15の正面と対応する箇所に形成された凸条21は、点状光源15の中央と対応する位置に配置された凸条21が最も短く形成されている。そして、その凸条21の両側に配置された凸条21の長さが、中央から遠い凸条21ほど長くなり、かつ中央の凸条21を中心に対称となるように形成されている。各凸条21の長さは、凸条21の頂角、角度θ1,θ2の値や点状光源15の指向性によって適正な長さが異なる。従って、シミュレーションあるいは試験により導光板14に点状光源15から光を入射させ、導光板14に生じる明部や暗部を無くすようにして輝度ムラが抑制される長さに凸条21が形成される。
従って、この実施形態の導光板14は、第1の実施形態の(1),(2),(4)〜(6)と同様な効果を有する他に次の効果を有する。
(9) 点状光源15の正面と対応する部分の端面近傍の出射面18に凸条21がないため、凸条21がある場合に比べて、当該部分に向かって進んだ光のうち出射面18から出射される光の割合が大きくなる。その結果、点状光源15の正面と対応する部分の端面近傍に暗部が発生するのが抑制され、導光板14の輝度ムラが抑制される。
(9) 点状光源15の正面と対応する部分の端面近傍の出射面18に凸条21がないため、凸条21がある場合に比べて、当該部分に向かって進んだ光のうち出射面18から出射される光の割合が大きくなる。その結果、点状光源15の正面と対応する部分の端面近傍に暗部が発生するのが抑制され、導光板14の輝度ムラが抑制される。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態を図6(a),(b)に従って説明する。この実施形態では、導光板14に点状光源15から出射された光を入射するための導入部が突設されている点が前記第1の実施形態と大きく異なっている。第1の実施形態と同様な部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。なお、図6(a)は第4の実施形態の導光板14と点状光源15の関係を示す模式斜視図、(b)は導入部の模式平面図である。なお、(b)では凸条21の図示を省略している。
次に、第4の実施形態を図6(a),(b)に従って説明する。この実施形態では、導光板14に点状光源15から出射された光を入射するための導入部が突設されている点が前記第1の実施形態と大きく異なっている。第1の実施形態と同様な部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。なお、図6(a)は第4の実施形態の導光板14と点状光源15の関係を示す模式斜視図、(b)は導入部の模式平面図である。なお、(b)では凸条21の図示を省略している。
図6(a)に示すように、導光板14の対向面14bと反対側、即ち光の入射側の端面14aに導入部22が複数、隣接して設けられている。導入部22は、入射部23及び反射部24を備えている。導入部22は、図6(b)に示すように、光の入射側から導光板14の本体側に向かって拡がる形状に形成されるとともに、基端(点状光源15と対向する側の端部)の幅K(図における左右方向の長さ)が点状光源15の幅よりも大きく形成されている。なお、この実施の形態では、導入部22は対称な形状になっている。入射部23は、点状光源15と対向するとともに、導入部22の幅方向に延びる面25と平行な平面23aと、点状光源15からの光を拡散させる拡散部としてのV型溝23bとが交互に等間隔で繰り返して構成されている。V型溝23bを構成する面と、入射部23における平面23aとのなす角度θの値は130度〜150度の間の値となっている。
反射部24は、V型溝23bで拡散された光を導光板本体に向けて反射するように形成されている。反射部24は平面状である。そして、反射部24と導入部22の幅方向に延びる面25とがなす角度βの値は40度〜65度の間の値となっている。ここで、導光板本体とは、導光板14の導入部22を除いた部分を意味する。
この実施形態では、点状光源15から出射した光の大部分は入射部23に到達する。入射部23に到達した光のうち一部は、導入部22の幅方向に延びる面25と平行な平面23aから導入部22に入射される。導入部22の幅方向に延びる面25と平行な平面23aから導入部22に入射された光の多くは、平面23aにおいて、その進行方向が平面23aと垂直な方向に近づくように屈折し、導入部22及び導光板14の内部を導波する。
一方、入射部23に到達した光のうち残りの一部は、V型溝23bによって、反射部24に向けて屈折されて導入部22に入射される。そして、反射部24において、その多くは導光板14の幅方向と垂直な方向に近づくように反射される。反射部24で反射された光は、導光板14のうち、点状光源15と点状光源15との間に位置する部分を導波する。
従って、この第4の実施形態によれば、第1の実施形態の(1)〜(6)と同様な効果を有する他に次の効果を有する。
(10) 導光板14には入射された光を拡散させる導入部22が突設され、点状光源15からの光が、導入部22によって拡散されるため、導入部22がない場合に比較して、点状光源15間や点状光源15の正面に対応する部分に導波される光の指向性や光量が均一化される。従って、複数の点状光源15間に暗部や明部が発生したり、点状光源15の正面に明部や暗部が発生したりするのを抑制し易くなり、導光板14から出射される光の点状光源15の近傍に発生する輝度ムラをより低減することができる。
(10) 導光板14には入射された光を拡散させる導入部22が突設され、点状光源15からの光が、導入部22によって拡散されるため、導入部22がない場合に比較して、点状光源15間や点状光源15の正面に対応する部分に導波される光の指向性や光量が均一化される。従って、複数の点状光源15間に暗部や明部が発生したり、点状光源15の正面に明部や暗部が発生したりするのを抑制し易くなり、導光板14から出射される光の点状光源15の近傍に発生する輝度ムラをより低減することができる。
実施の形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 隣接する点状光源15の間と対応する凸条21の長さを変更するパターンは、第1の実施の形態のように中央に位置する凸条21が最も短くその両側に配置された凸条21が次第に長くなるパターンに限らない。例えば、図7(a)に示すように、短く形成された凸条21が全て同じ長さで配置されるパターンや、図7(b)に示すように、長い凸条21と短い凸条21とが交互に配置されるパターンとしてもよい。また、図8(a)に示すように、長さを二種類として中央寄りの複数本が短くその両側の複数本が中央寄りの凸条21より長いパターンとしたり、図8(b)に示すように、中央に位置する凸条21が最も長く、その両側に配置された凸条21が次第に短くなるパターンとしてもよい。即ち、凸条21の長さを変更するパターンは、全ての凸条21が導光板14の全長にわたって配置された状態において、輝度ムラがどのように発生するかによって適正なパターンが異なり、凸条21の頂角、幅、角度θ1,θ2の値等によって異なる。
○ 隣接する点状光源15の間と対応する凸条21の長さを変更するパターンは、第1の実施の形態のように中央に位置する凸条21が最も短くその両側に配置された凸条21が次第に長くなるパターンに限らない。例えば、図7(a)に示すように、短く形成された凸条21が全て同じ長さで配置されるパターンや、図7(b)に示すように、長い凸条21と短い凸条21とが交互に配置されるパターンとしてもよい。また、図8(a)に示すように、長さを二種類として中央寄りの複数本が短くその両側の複数本が中央寄りの凸条21より長いパターンとしたり、図8(b)に示すように、中央に位置する凸条21が最も長く、その両側に配置された凸条21が次第に短くなるパターンとしてもよい。即ち、凸条21の長さを変更するパターンは、全ての凸条21が導光板14の全長にわたって配置された状態において、輝度ムラがどのように発生するかによって適正なパターンが異なり、凸条21の頂角、幅、角度θ1,θ2の値等によって異なる。
○ 第3の実施形態のように、各点状光源15の正面と対応する部分に設けられた凸条21を短くすることにより、点状光源15の正面の端面14a近傍における暗部の発生を抑制する場合、図9(a)に示すように、点状光源15の正面と対応する全ての凸条21を同じ長さで短く形成してもよい。
○ 点状光源15の正面の端面14a近傍における暗部の発生を抑制する場合、点状光源15の正面と対応する部分に設けられた凸条21を短くする代わりに、第2の実施形態のように、それらの凸条21の端面14a側の端部の一部を切り欠いて斜面21aとしてもよい。例えば、図9(b)に示すように、点状光源15の正面と対応する部分に設けられた全ての凸条21の斜面21aを同じ面積に形成したり、中央の凸条21の斜面21aの面積が最大となり、その両側の凸条21の斜面21aの面積が次第に小さくなるように形成したりしてもよい。また、中央の凸条21の斜面21aの面積が最小となり、その両側の凸条21の斜面21aの面積が次第に大きくなるように形成してもよい。
○ 導光板14の輝度ムラを抑制する構成として、複数の凸条21のうちの一部の凸条21の長さを端面14a側において短くなるように形成するか、複数の凸条21のうちの一部の凸条21を、端面14a側においてその一部が切り欠かれているように形成するかではなく、両方の構成を併用してもよい。例えば、図10に示すように、各点状光源15の間と対応する部分に設けられた凸条21の長さを他の部分に設けられた凸条21より短く形成するとともに、短く形成した凸条21の端部に斜面21aを形成してもよい。この場合、一方の構成だけで輝度ムラを抑制する場合に比較して、導光板14の全面における輝度の均一化が容易になる。
○ 凸条21は断面が二等辺三角形状のプリズムに限らず、その他のレンズ形状であってもよい。例えば、図11(a)に示すように、各凸条21は、その頂点が仮想平面P1上に位置し、各凸条21の表面は、導光板14の裏面側に凸の曲面が連続する形状に形成してもよい。従って、凸条21は、隣り合う凸条21間に存在する溝部26の形状が、溝部26の面に対して接する面と、各凸条21の頂点と接する仮想平面P1との成す角度が、裏面に近い側ほど小さくなるように形成されている。点状光源15から出射されて導光板14に入射された光は、拡がりを持っているため、採光面20aで全反射する際の角度が場所によって異なる状態となる。その結果、凸条21がプリズム、即ち出射面が平面の場合は、特定の角度で採光面20aに入射する光が凸条21から出射する際に導光板14の正面に出射されるようになり、輝線が発生し易くなる。
しかし、凸条21をその表面が導光板14の裏面側に凸の曲面が連続する形状に形成されたレンズとした場合は、各凸条21の二つの斜面21bは、それぞれ一つの曲面で構成され、斜面21bを構成する面に接する面と、仮想平面P1との成す角度が、裏面に近い側ほど小さくなるように形成されている。その結果、プリズムの場合に導光板14の正面に向かうように屈折して進む特定の角度で斜面21bに入射する光だけでなく、特定角度以外の光でも、正面に出射する領域が凸条21内に存在する。
また、採光面20aで反射されずに、仮想平面P1との成す角度が小さな状態で斜面21bに対して入射する光は凸条21の表面が裏面側に凸であるために、斜面21bの仮想平面P1との成す角度が小さな領域のみにあたり仮想平面P1との成す角度が大きな領域にはあたらない。そのため、仮想平面P1との成す角度が小さな状態で斜面21bに対して入射する光は、結果として斜面21bを透過せずに裏面側へ全反射される。裏面側へ反射された後、導波面20bで反射されて斜面21bに対して大きな角度で入射する状態となり、導光板14の正面に向かって進むように出射される。そのため、導光板14の正面に向かずに出射する光が減り、効率がよくなる。
○ 凸条21をレンズ形状に形成する場合、図11(a)に示すような、その表面が、導光板14の裏面側に凸の曲面が連続する形状に限らず、凸条21の先端寄りにおいては、斜面21bを構成する面に対して接する面と、仮想平面P1との成す角度が裏面に近い側ほど小さくならなくてもよい。例えば、図11(b)に示すように、凸条21の形状は、その表面が導光板14の裏面側に凸の曲面が連続する形状に限らず、先端側では裏面側に凹の曲面で構成される形状としてもよい。また、図11(c)に示すように、仮想平面P1の一部が凸条21の先端により構成されていてもよい。これらの場合、斜面21b全体が導光板14の裏面側に凸の曲面が連続する形状の場合に比較して導光板14の正面に出射する光量は少なくなるが、三角プリズムを設けた場合に比較して、導光板14の正面に出射する光量は多くなる。
〇 凸条21は必ずしも隣接する凸条21が連続する必要はなく、例えば、図11(d)に示すように、一定間隔Sをおいて配置してもよい。この場合、導光板14を製造するための金型を製造する際、凸条21の形状に相当する刃部で金型の基材を所定間隔で切削することにより、凸条21が連続する導光板14を製造するための金型を製造する場合より金型を容易に製造することができる。
〇 凸条21は、図11(e)に示すように、斜面21bが仮想平面P1との成す角が異なる複数の平面のみで構成された形状としたり、斜面21bが平面と曲面とで構成された形状としてもよい。これらの構成でも、斜面21b全体が導光板14の裏面側に凸の曲面が連続する形状の場合とほぼ同様な効果を得ることができる。
○ 凸条21をレンズ状に形成する場合、導光板14の裏面側に凸の曲面で構成された斜面21bを有する形状に限らず、例えば、断面半円状等、裏面側に凹の曲面で形成された形状としてもよい。
○ 凸条21の端部を切り欠く際の切り欠き形状は、導光板14の端面14aの上端において凸条21と交差する平面によって切断された形状に限らない。例えば、図12(a)に示すように、端部を底面と平行な面及び端面14aと平行な面とで切断された形状や、図12(b)に示すように、凸条21の端面と交差する平面で切断された形状としてもよい。また、図12(c)に示すように、導光板14の端面14aの上端において凸条21と交差する下に凸の曲面で切断された形状や、図12(d)に示すように、凸条21の端面14aの中間において凸条21と交差する下に凸の曲面で切断された形状としてもよい。また、図12(e)示すように、導光板14の端面14aの上端において凸条21と交差する上に凸の曲面で切断された形状としてもよい。
〇 導入部22に設けられる入射部23は、導入部22の幅方向に延びる面25と平行な平面23aと、点状光源15からの光を拡散させる拡散部としてのV型溝23bとが交互に等間隔で繰り返す構成に限らず、例えば、V型溝23bが連続して繰り返す構成としてもよい。
〇 導入部22を導光板14に突設せず、点状光源15と対向する端面としての端面14aに入射部23を形成してもよい。この場合、端面14aが平坦な場合に比較して、入射する光を導光板14の厚さ方向と直交する面内に拡げることができる。
○ 導光板14は、その厚さがマクロ的に見て一定ではなく、マクロ的に見て端面14a側から対向面14b側に向かって次第に薄くなるほぼ楔状や、中央部が板厚な形状に形成されていてもよい。
○ 端面14aから入射された光を導光板14の出射面18から出射させる構成として、採光面20aと導波面20bとが鋸歯状に連続する構成の反射部19を裏面に設ける構成に限らず、例えば、体積散乱を利用した採光手段を設けてもよい。体積散乱を利用した採光手段とは、導光板14を構成する透明性の高い材料中に気泡又は導光板14の材料と屈折率の異なる材料製のビーズを分散させることにより、光(可視光)を反射あるいは屈折させる機能を有するものを意味する。導光板14の裏面側には反射シートを配設する。この構成を採用する場合は、導光板14は、その厚さがマクロ的に見て端面14a側から対向面14b側に向かって次第に薄くなるほぼ楔状に形成するのが好ましい。
〇 面光源装置13において拡散シート17を省略してもよい。拡散シート17を設ける方が、面光源装置13の出射面全体の輝度ムラを低くすることができる。しかし、面光源装置13が使用される表示装置に要求される表示部の精細度によっては、拡散シート17を省略しても、輝度ムラが気にならない状態に抑制できる。
○ 液晶表示装置11は、透過型の液晶パネル12を使用するとともに、面光源装置13をバックライトとして使用する構成に限らず、図13に示すように、面光源装置13をフロントライトとして使用するとともに、反射型の液晶パネル27を使用する構成としてもよい。この構成においても、出射面18が液晶パネル27と対向する側に設けられる。しかし、バックライトとして使用する構成と異なり、反射部19の外側に反射部材16は設けられない。この液晶表示装置11は外部が明るい場合は、外光が導光板14の反射部19側から入射され、導光板14を透過して出射面18から出射され、液晶パネル27を照射する。液晶パネル27を照射した光は液晶パネル27で反射し、再び導光板14に入射して導光板14を透過し、出射面18と対向する面(反射部19)から出射し、目で視認される。出射面18に多数の凸条21が形成されているが、凸条21の幅を狭くすることにより、液晶パネル27の画像は正常に目で視認できる。外部環境が暗い状態では、点状光源15が点灯され、端面14aから入射した光が前記実施形態と同様にして出射面18から出射され、液晶パネル27を照射する。
○ 第4の実施の形態では、導入部22を対称な形状としたが、導入部22は非対称な形状であってもよい。
○ 第1の実施の形態では、予め凸条21を全て同じ長さに形成しておき、試験的に点状光源15から導光板14に光を入射させて出射面18からの光の出射状況を観察し、その状況に応じて凸条21の一部を切削して、輝度ムラを抑制するように調節した。しかし、このような製造方法に限られるものではなく、設計段階で凸条21の長さを決めておき、金型による成形後の凸条21の長さの調整工程をなくしてもよい。
○ 第1の実施の形態では、予め凸条21を全て同じ長さに形成しておき、試験的に点状光源15から導光板14に光を入射させて出射面18からの光の出射状況を観察し、その状況に応じて凸条21の一部を切削して、輝度ムラを抑制するように調節した。しかし、このような製造方法に限られるものではなく、設計段階で凸条21の長さを決めておき、金型による成形後の凸条21の長さの調整工程をなくしてもよい。
以下の技術的思想(発明)は前記実施の形態から把握できる。
(1) 請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の導光板と、点状光源とを備えた面光源装置。
(1) 請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の導光板と、点状光源とを備えた面光源装置。
(2) 請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の発明において、前記凸条は、その表面が裏面側に向かって凸の一対の曲面で構成されている。
14…導光板、14a…端面、15…点状光源、18…出射面、19,24…反射部、20…溝、20a…採光面、21…凸条、22…導入部、23…入射部、23a…平面、23b…拡散部としてのV型溝、25…面。
Claims (10)
- 複数の点状光源から出射された光を端面から入射するとともに、面状に変換して出射する導光板であって、
前記端面から入射された光を出射する出射面に前記端面と直交する方向に延びるようにプリズム状又はレンズ状の凸条が複数設けられ、前記出射面と反対側の裏面には前記端面から入射されて導光板内を導波する光を前記出射面から出射する方向に反射させる反射部が形成され、前記複数の凸条のうちの一部の凸条の長さが前記端面側において短くなるように形成されている導光板。 - 前記各点状光源の正面と対応する部分に設けられた凸条のうちの少なくとも一部の凸条が他の部分に設けられた凸条より短く形成されている請求項1に記載の導光板。
- 前記各点状光源の間と対応する部分に設けられた凸条のうちの少なくとも一部の凸条が他の部分に設けられた凸条より短く形成されている請求項1に記載の導光板。
- 複数の点状光源から出射された光を端面から入射するとともに、面状に変換して出射する導光板であって、
前記端面から入射された光を出射する出射面に前記端面と直交する方向に延びるようにプリズム状又はレンズ状の凸条が複数設けられ、前記出射面と反対側の裏面には前記端面から入射されて導光板内を導波する光を前記出射面から出射する方向に反射させる反射部が形成され、前記複数の凸条のうちの一部の凸条が前記端面側においてその一部が切り欠かれている導光板。 - 前記各点状光源の正面と対応する部分に設けられた凸条のうちの少なくとも一部の凸条が切り欠かれている請求項4に記載の導光板。
- 前記各点状光源の間と対応する部分に設けられた凸条のうちの少なくとも一部の凸条が切り欠かれている請求項4に記載の導光板。
- 前記一部が切り欠かれた凸条は、長さが前記端面側において短くなるように形成されている請求項4〜請求項6のいずれか一項に記載の導光板。
- 前記裏面には、前記端面に沿って延びるとともに前記入射された光を前記出射面から出射する方向に反射させる採光面を構成する溝が複数形成されている請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の導光板。
- 前記導光板は入射された光を拡散させる導入部が突設され、前記導入部は、前記光の入射側から導光板本体側に向かって拡がる形状に形成されるとともに、前記導入部の幅方向に延びる面と平行な平面と点状光源からの光を拡散させる拡散部とが交互に繰り返して構成され、かつ前記点状光源と対向する入射部と、前記拡散部で拡散された光を前記導光板本体に向けて反射する反射部とを備えている請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の導光板。
- 端面から入射された光を出射する出射面側に前記端面と直交する方向に延びるようにプリズム状又はレンズ状の凸条が複数設けられ、前記出射面と反対側の裏面には前記端面から入射されて導光板内を導波する光を前記出射面から出射する方向に反射させる反射部が形成され、複数の点状光源から出射された光を端面から入射するとともに、面状に変換して出射する導光板の製造方法であって、
導光板の出射面側に前記凸条を形成し、裏面に前記反射部を形成した後、試験的に点状光源から導光板に光を入射させて出射面からの光の出射状況を観察し、点状光源の正面と対応する端面近傍が暗い場合は、正面と対応する部分に設けられた凸条のうちの少なくとも一部の凸条を切り欠いて導光板の輝度ムラを抑制するように調整し、点状光源の間と対応する端面近傍が明るい場合は、間と対応する部分に設けられた凸条のうちの少なくとも一部の凸条を切り欠いて導光板の輝度ムラを抑制するように調整して仕上げを行う導光板の製造方法。
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