以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。図1〜図4は本発明による一実施の形態を説明するための図である。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1に示すように、表示装置10は、透過型表示部15と、透過型表示部15の背面側に配置され透過型表示部15を背面側から面状に照らす面光源装置20と、透過型表示部15および面光源装置20を制御する制御装置18と、を備えている。表示装置10は、表示面11を有し、表示面11に像を表示するように構成されている。以下の例において、透過型表示部15は液晶表示パネルとして構成されており、表示装置10は液晶表示装置として機能する。
図示する例において、液晶表示パネル(透過型表示部)15は、出光側に配置された上偏光板13と、入光側に配置された下偏光板14と、上偏光板13と下偏光板14との間に配置された液晶セル12と、を有している。このうち、液晶セル12は、ガラス等からなる一対の支持板と、支持板間に配置された液晶と、液晶分子の配向を一つの画素を形成する領域毎に電場によって制御する電極と、を有する部材である。制御装置18は、画素毎の液晶分子の配向を制御するように構成されている。この結果、液晶表示パネル15は、面光源装置20からの光の透過および遮断を画素毎に制御するシャッターとして機能し、面光源装置20からの面状光を選択して透過させることにより、画像を形成するようになる。液晶表示パネル15の詳細については、種々の公知文献(例えば、「フラットパネルディスプレイ大辞典(内田龍男、内池平樹監修)」2001年工業調査会発行)に記載されており、ここではこれ以上の詳細な説明を省略する。
次に、面光源装置20について説明する。面光源装置20は、面状に光を発光する発光面21を有し、液晶表示パネル15を背面側から照明する装置である。図1に示すように、面光源装置20は、エッジライト型の面光源装置として構成され、導光板30と、導光板30の側方に配置された光源24a,24bと、を有している。導光板30は、液晶表示パネル15側の主面によって構成された出光面31と、出光面31に対向するもう一方の主面からなる裏面32と、出光面31および裏面32の間を延びる側面と、を有している。そして、導光板30の側面の一部分によって少なくとも一つの入光面が形成され、この入光面に対向して光源が配置されている。また、側面の一部分によって一つの入光面33に対向する反対面34も形成され、当該一つの入光面33から導光板30に入射した光は、概ね、当該一つの入光面33と、当該一つの入光面33に対向する反対面34と、を結ぶ第1方向(導光方向)に沿って導光板30内を導光されるようになる。加えて、面光源装置20は、導光板30の裏面32に対向して配置された反射シート22と、導光板30の出光面31に対向して配置された光学シート26と、をさらに有している。
なお、図示する例において、液晶表示装置10の表示面11および面光源装置20の発光面21とともに、導光板30の出光面31は、四角形形状に形成されている。すなわち、導光板30は、全体的に、一対の主面(出光面31および裏面32)を有する四角形板状の部材として構成されている。したがって、一対の主面間に画成される側面は四つの面を含んでいる。そして、図1に示すように、側面のうちの第1方向に対向する二つの面が、入光面33,34をなしている。言い換えると、上述した一つの入光面が第1入光面33として機能し、この一つの入光面に対向する反対面が第2入光面34として機能するようになっている。そして、図1に示すように、第1入光面33に対向して第1光源24aが設けられ、第2入光面34に対向して第2光源24bが設けられている。また、本実施の形態における導光板30は、第1方向に沿った各位置において、一定の断面形状を有するようになっている。
第1光源24aおよび第2光源24bは、例えば、線状の冷陰極管等の蛍光灯や、点状のLED(発光ダイオード)や白熱電球等の種々の態様で構成され得る。本実施の形態において、第1光源24aおよび第2光源24bの各々は、対応する入光面33,34の長手方向に沿って、並べて配置された多数の点状発光体、具体的には、多数の発光ダイオード(LED)によって、構成されている。なお、図3には、第1光源24aをなす多数の点状発光体25の配置位置が示されている。制御装置18は、各点状発光体25の出力、すなわち、各点状発光体25の点灯および消灯、及び/又は、各点状発光体25の点灯時の明るさを、他の点状発光体の出力から独立して調節し得るように構成されている。
反射シート22は、導光板30の裏面32から出射した光を反射して、再び導光板30内に入射させるための部材である。反射シート22は、白色の散乱反射シート、金属等の高い反射率を有する材料からなるシート、高い反射率を有する材料からなる薄膜(例えば金属薄膜)を表面層として含んだシート等から、構成され得る。
光学シート26は、入光側から入射した光の進行方向を変化させて出光側から出射させ、正面方向の輝度を集中的に向上させるためのシート状部材である。図1および図2に示す例において、光学シート26は、そのシート面上の一方向(配列方向)、具体的には、上述した導光板30の入光面33(34)とこの入光面33(34)に対向する反対面34(33)とを結ぶ第1方向に沿って並べて配列された複数の単位プリズム27を有している。単位プリズム27は、光学シート26のシート面上において、その配列方向に直交する方向に直線状に延びている。単位プリズム27は、その長手方向に直交する断面において、三角形形状の断面形状を有している。単位プリズム27の断面三角形形状の頂角によってなされる頂部28は、入光側、すなわち、導光板30の側に向けて突出している。
なお、本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「シート」はフィルムや板とも呼ばれ得るような部材も含む概念である。
また、本明細書において「シート面(板面、フィルム面)」とは、対象となるシート状の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材の平面方向と一致する面のことを指す。そして、本実施の形態においては、導光板30の板面、光学シート26のシート面、反射シート22のシート面、液晶表示パネルのパネル面、表示装置10の表示面11、および、面光源装置20の発光面21は、互いに平行となっている。さらに、本明細書において「正面方向」とは、面光源装置20の発光面21に対する法線の方向nd(例えば、図2および図4参照)であり、本実施の形態においては、表示装置10の表示面11への法線方向、面光源装置20の発光面21への法線方向、導光板30の板面への法線方向等にも一致する。
さらに、本明細書において、「プリズム」や「レンズ」という用語は、入射光に対して種々の光学的作用(例えば、反射や屈折)を及ぼし得る形状要素(光学要素)を意味するものである。また、「プリズム」および「レンズ」等の用語は、形状要素(光学要素)として、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。
次に、図2〜図4を主に参照して、導光板30についてさらに詳述する。図2〜図4によく示されているように、導光板30は、シート状の本体部40と、本体部40上に設けられた多数の単位形状要素50と、を有している。本体部40は、一対の平行な主面41,42を有する平板状の部材として構成されている。複数の単位形状要素(単位光学要素、単位プリズム)50は、本体部40の一対の主面のうちの一側の面(出光側面)41上に形成されている。そして、光学シート26に対面しない側に位置する本体部40の他側の面42によって、導光板30の裏面32が構成されている。
図2および図4によく示されているように、本実施の形態において、本体部40の他側の面42は、平坦(平ら)で平滑な面として形成されている。ここでいう「平滑」とは、光学的な意味合いでの平滑を意味するものである。すなわち、ここでは、或る程度の割合の可視光が、本体部40の他側の側面42(導光板30の裏面32)においてスネルの法則を満たしながら屈折するようになる程度を意味している。したがって、例えば、本体部40の他側の面42(導光板30の裏面32)の十点平均粗さRz(JISB0601)が最短の可視光波長(0.38μm)以下となっていれば、十分、平滑に該当する。
本体部40は、入光面33,34を介し導光板30内に入射して導光板30内を第1方向に進む光を拡散させる光拡散能(光拡散性)を有している。なお、ここでいう光拡散能は、対象とする部材の内部光拡散能(内部拡散性)であって、対象とする部材の凹凸表面等に起因した光拡散能とは区別される。そして、本体部40の光拡散能の程度は、第1方向に沿った導光板30の各区域(各位置)において変化する。第1方向に沿って対向する二つの面が入光面33,34となっている本実施の形態においては、本体部40は、第1入光面33および第2入光面34の第1方向における中央位置Pc(図2参照)を中心とする領域において、最も強い光拡散能を有するようになっている。そして、本体部40の光拡散能は、第1方向に沿って中央位置Pcから両入光面33,34に向けて、低下していくようになっている。
なおここでいう、光拡散能が「低下する(弱くなる)」とは、第1方向に沿って各入光面33,34に向かい本体部40の光拡散能が低下していく(弱くなっていく)ように常に変化していることだけでなく、一部の領域において光拡散能が一定となる(変化しない)場合も含む概念である。すなわち、ここでいう、光拡散能が「低下する(弱くなる)」とは、第1方向に沿って各入光面33,34に向かい本体部40の光拡散能が強くなることがない、ことを意味している。
本実施の形態において、本体部40は具体的には以下のように構成されている。図2によく示されているように、シート状の本体部40は、互いに隣接して設けられた第1層46および第2層47を含んでいる。第1層46および第2層47の合計の厚みは、本体部40の第1方向に沿った各領域(各位置)において、同一である。すなわち、第1層46および第2層47によってなされる本体部40の厚みは、第1方向にそって一定であり変化しない。したがって、本体部40の一側の面41と他側の面42とは平行となっている。
第1層46は、第2層47よりも高い光拡散能を有している。本実施の形態においては、図2に示すように、第1層46は、ベース樹脂部46aと、ベース樹脂部46a内に分散された光散乱材(光拡散性粒子)46bと、を有している。光散乱材46bは、ベース樹脂部46a内を進む光に対し、反射や屈折等によって、当該光の進路方向を変化させる作用を及ぼすようになっている。このような光散乱材46bに起因した光拡散能(光散乱能)は、例えば、ベース樹脂部46aをなす材料とは異なる屈折率を有した材料から光散乱材46bを構成することにより、あるいは、光に対して反射作用を及ぼし得る材料から光散乱材46bを構成することにより、付与され得る。なお、図2以外の図面においては、光散乱材46bを省略している。
一方、本実施の形態において、図2に示すように、第2層47は、ベース樹脂部47aのみから構成されている。これにより、第2層47は実質的に光拡散能を有さず、第1層46が第2層47よりも高い光拡散能を有するようになっている。ただし、このような例に限られず、第2層47が、ベース樹脂部47a内に分散された光散乱材(光拡散性粒子)を有するようにしてもよい。この場合、第2層47における光散乱材の含有率を低くすることにより、第2層47における光散乱材の平均粒径を大きくすることにより、すなわち、第2層47における光散乱材の比表面積を小さくすることにより、あるいは、第2層47における光散乱材とベース樹脂部47aとの屈折率差を小さくすることにより、第1層46の光拡散能を第2層47の光拡散能よりも高くすることができる。
図2に示すように、光拡散能を有した第1層46の厚みは、第1方向に沿って変化している。これにより、本体部40の光拡散能が第1方向に沿って変化するようになっている。本実施の形態において、第1層46は、第1入光面33および第2入光面34の第1方向における中央位置Pcを中心とする領域において、最も強い光拡散能を有するようになっている。そして、第1層46の厚みは、第1方向に沿って中央位置Pcから両入光面33,34に向けて、薄くなっていく。
なおここでいう、第1層46の厚みが「薄くなる」とは、第1方向に沿って各入光面33,34に向かい第1層46の厚みが薄くなるように常に変化していることだけでなく、一部の領域において第1層46の厚みが一定となる(変化しない)場合も含む概念である。すなわち、ここでいう、第1層46の厚みが「薄くなる」とは、第1方向に沿って各入光面33,34に向かい第1層46の厚みが増すことがない、ことを意味している。また、本体部40の厚みd、第1層46の厚みd1、第2層47の厚みd2は、それぞれ、図2に一例を示すように、本体部40のシート面への法線方向ndと平行な方向で測定される厚みを意味している。
なお、第1層46はその厚みが第1方向に沿って変化するが、第1層46内における光散乱材46bの密度は第1方向に沿って一定となっている。すなわち、第1層46は、第1方向に沿って、均質に構成されている。また、第1層46以外の導光板30の構成も、第1方向に沿って、均質に構成されている。
次に、本体部40の一側の面41上に設けられた単位形状要素50について説明する。図3によく示されているように、複数の単位形状要素50は、第1方向に交差し且つ本体部40の一側の面41と平行な第2方向に並べて、本体部40の一側の面41上に、配列されている。各単位形状要素50は、本体部40の一側の面41上を、第2方向と交差する方向に線状に延びている。
とりわけ本実施の形態において、複数の単位形状要素50は、本体部40の一側の面41上に、第2方向に隙間無く並べて配列されている。したがって、導光板30の出光面31は、単位形状要素50の表面によってなされる傾斜面37,38として、構成されている。また、各単位形状要素50は、第2方向と直交する第1方向に沿って、直線状に延びている。さらに、各単位形状要素50は、柱状に形成され、その長手方向に沿って同一の断面形状を有するようになっている。また、本実施の形態において、複数の単位形状要素50は、互いに同一に構成されている。
図4に示す断面、つまり、単位形状要素の配列方向(第2方向)および本体部40の一側の面41(導光板30の板面)への法線方向ndの両方向に平行な断面(以下においては、単に「導光板の主切断面」とも呼ぶ)において、各単位形状要素50は、本体部40の一側の面41上に一辺が位置する三角形形状、又は、この三角形形状の本体部40から突出した頂角が面取りされてなる形状を有している。図示する例において、各単位形状要素50の主切断面における断面形状は、本体部40から突出する三角形の頂角56を面取りした形状となっている(図4参照)。
また、図4に示す例においては、正面方向輝度を効果的に上昇させること、および、第2方向に沿った面内での輝度の角度分布に対称性を付与することを目的として、導光板の主切断面における単位形状要素50の断面形状は、正面方向ndを中心として、対称性を有している。したがって、主切断面における断面三角形形状の二つの底角θ1,θ2は互いに等しい角度となっている。
なお、本件明細書における「三角形形状」とは、厳密な意味での三角形形状のみでなく、製造技術における限界や成型時の誤差等を含む略三角形形状を含む。また同様に、本明細書において用いる、その他の形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、「平行」、「直交」、「楕円」、「円」等の用語も、厳密な意味に縛られることなく、同様の光学的機能を期待し得る程度の誤差を含めて解釈することとする。
以上のような構成を有した導光板30の寸法は、一例として、以下のように設定され得る。まず、単位形状要素50の具体例として、導光板30の板面に沿った幅W(図4参照)を0.01mm以上0.3mm以下とすることができ、導光板30の板面への法線方向ndに沿った単位形状要素50の本体部40の一側の面41からの高さHを0.002mm以上0.15mm以下とすることができる。また、単位形状要素50の断面形状が三角形形状からなる場合には、頂角56の角度を85°以上150°以下とすることができる。単位形状要素50の断面形状が三角形形状の頂角56を面取りしてなる形状となっている場合、主切断面において、単位形状要素50の頂部52は、曲率半径の値が単位形状要素50の幅Wの値以下となっている曲線として、形成されていることが好ましい。
一方、本体部40の厚みは、0.5mm〜6mmとすることができる。また、光拡散材46bを含有する本体部40の第1層46は、例えば、第1方向における中央位置Pcにおいて、第1方向における端部位置での厚みの1.2倍〜5.0倍の厚み、より具体的には2倍の厚みを有するようにしてもよい。
以上のような構成からなる導光板30は、押し出し成形により、あるいは、基材上に単位形状要素50を賦型することにより、作製することができる。導光板30の本体部40の主部44および単位形状要素50をなす材料としては、種々の材料を使用することができる。ただし、表示装置に組み込まれる光学シート用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性および加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料、例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等の一以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)が好適に使用され得る。一方、光散乱材46bは、一例として、平均粒径が0.5〜100μm程度であるシリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂等の透明物質からなる粒子を、用いることができる。
なお、第1層46のベース樹脂部46aをなす材料および第2層47のベース樹脂部47aをなす材料として同一の材料を用いた場合、得られた本体部40において、第1層46と第2層47との間に視認され得る界面は存在しなくなる。この場合、その他の構成、例えば本実施の形態であれば光拡散材46bの有無によって、本体部45内における第1層46の領域と第2層47の領域とを区別することになる。
なお、押し出し成形を用いれば、いわゆる共押し出しにより、第1層46および第2層47を有する本体部40が一体的に作製され得る。押し出し成形時における樹脂吐出口の開口幅を、機械方向に直交する方向(つまり、成形されるシート状物の幅方向に対応する方向)に沿って変化させておくことにより、当該方向に沿って第1層46および第2層47の厚みを変化させることができる。したがって、押し出し成形によって、第1層46および第2層47を有する基材を作成し、この基材上に単位形状要素50を賦型することにより、導光板30を作製するようにしてもよい。
さらに、押し出し成形によれば、第1層46および第2層47を有する本体部40と、本体部40の一側の面41上の複数の単位形状要素50と、を含む導光板30を一体的に形成することもできる。この場合、単位形状要素50が、本体部40内の隣接する層と同一の材料で構成されるようにしてもよい。すなわち、本実施の形態においては、単位形状要素50が、第1層46のベース樹脂部46aをなす材料と同一の樹脂材料と、第1層46の光散乱材46bをなす粒子と、から構成されてもよい。あるいは、単位形状要素50が、単位形状要素50が、本体部40内の隣接する層とは異なる材料で構成されてもよい。例えば本実施の形態では、単位形状要素50が、第1層46のベース樹脂46aをなす材料と同一の樹脂材料と、第1層46の光散乱材46bとは別途の機能を有した粒子と、から構成されてもよいし、あるいは、第1層46のベース樹脂46aをなす材料と同一の樹脂材料のみから構成されてもよい。
次に、以上のような構成からなる表示装置10の作用について説明する。
まず、図2に示すように、光源24b,24bをなす発光体25で発光された光は、入光面33,34を介し、導光板30に入射する。図2には、一例として、第1光源24aから第1入光面33を介して導光板30に光が入射する例が示されている。以下、この図2に示された例に基づいて面光源装置20および表示装置10の作用について説明する。ただし、導光板30は、第1方向における中央位置Pcを中心として対称的な構成を有している。また、第1光源24aおよび第2光源24bは、第1方向に導光板30を挟んで、対称的に構成されている。さらに、光学シート60等の面光源装置20の他の構成要素、および、液晶表示パネル15も、同様に対称性を有している。このような構成の対称性にともない、第2光源24bから第2入光面34を介して導光板30に入射する光に対しても、以下の説明が同様に当てはまる。
図2に示すように、導光板30へ入射した光L21,L22は、導光板30の出光面31および裏面32において、反射、とりわけ導光板30をなす材料と空気との屈折率差に起因して全反射を繰り返し、導光板30の入光面33と反対面(他方の入光面)34とを結ぶ第1方向(導光方向)へ進んでいく。
ただし、導光板30の本体部40をなす第1層46には光散乱材46bが分散されている。このため、図2に示すように、導光板30内を進む光L21,L22は、光散乱材46bによって進行方向を不規則に変更され、全反射臨界角未満の入射角度で出光面31および裏面32に入射することもある。この場合、当該光は、導光板30の出光面31および裏面32から、出射し得るようになる。出光面31から出射した光L21,L22は、導光板30の出光側に配置された光学シート60へと向かう。一方、裏面32から出射した光は、導光板30の背面に配置された反射シート28で反射され再び導光板30内に入射して導光板30内を進むことになる。このようにして、導光板30の出光面31の第1方向に沿った各位置から少しずつ光が出射されていくようになる。
また、図示する導光板30の出光面31は複数の単位形状要素50によって構成され、各単位形状要素50の主切断面における断面形状は、三角形形状または三角形形状の頂角56を面取りしてなる形状となっている。すなわち、出光面31、導光板30の裏面32に対して傾斜した傾斜面37,38として、構成されている(図4参照)。そして、この傾斜面37,38で全反射して導光板30内を進む光およびこの傾斜面37,38を通過して導光板30から出射する光は、この傾斜面37,38から、以下に説明する作用を及ぼされるようになる。まず、傾斜面37,38で全反射して導光板30内を進む光に対して及ぼされる作用について説明する。
図4には、出光面31および裏面32において全反射を繰り返しながら導光板30内を進む光L41,L42の光路が、導光板の主切断面内に示されている。上述したように、導光板30の出光面31をなす傾斜面37,38は、三角形形状の頂角を面取りしてなる形状を断面形状として有している単位形状要素50の外表面によって形成され、基部40の一側の面41への法線方向ndを挟んで互いに逆側に傾斜した二種類の面を含んでいる。また、互いに逆側に傾斜した二種類の傾斜面37,38は、第2方向に沿って、交互に並べられている。そして、図4に示すように、導光板30内を出光面31に向けて進み出光面31に入射する光L41,L42は、多くの場合、二種類の傾斜面37,38のうちの、導光板の主切断面において基部40の一側の面41への法線方向ndを基準として当該光の進行方向とは逆側に傾斜した傾斜面へ入射する。
この結果、図4に示すように、導光板30内を進む光L41,L42は、出光面31の傾斜面37,38で全反射する多くの場合、主切断面においてその進行方向は正面方向ndを中心として逆側に向くようになる、あるいは、本体部40の一側の面41への法線方向ndに対して当該光の進行方向が導光板の主切断面においてなす角度が小さくなる。このようにして、導光板30内を第1方向(導光方向)に誘導される光は、出光面31で全反射する度に、その第2方向における進行方向を逆転されるようになる、あるいは、正面方向からの観察において当該光の進行方向が第1方向に対してなす角度が小さくなる。この結果、光源24a,24bの発光体25から第1方向に対して大きく傾斜した方向に発光され導光板30内に入射した光も、第2方向への移動を規制されながら、主として第1方向へ進むようになる。これにより、導光板30の出光面31から出射する光の第2方向に沿った光量分布を、光源24a,24bをなす発光体25の構成や、発光体25の出力によって、調節することが可能となる。
次に、傾斜面37,38を通過して導光板30から出射する光に対して、傾斜面37,38から及ぼされる作用について説明する。図4に示すように、単位形状要素50を介して導光板30から出射する光L41,L42は、導光板30の出光面31をなす単位形状要素50の出光側面(傾斜面)37,38において屈折する。この屈折により、主切断面において正面方向ndから傾斜した方向に進む光L41,L42の進行方向(出射方向)は、主として、導光板30内を通過している際における光の進行方向と比較して、正面方向ndに対してなす角度が小さくなるように、曲げられる。このような作用により、単位形状要素50は、導光方向と直交する第2方向に沿った光の成分について、透過光の進行方向を正面方向nd側に絞り込むことができる。すなわち、単位形状要素50は、導光方向と直交する第2方向に沿った光の成分に対して、集光作用を及ぼすようになる。
また、光源24a,24bから導光板30に入射する光には、法線方向ndからの観察において第1方向に対して傾斜して進む光も多く含まれている。とりわけ、光源24a,24bが線状の冷陰極管ではなく点状発光体25の集合として構成されている場合、光が発光体25から放射状に発光され、導光板30の出光面側からの平面視において(正面方向からの観察において)第1方向に対して大きく傾斜した方向に進む光が、多く存在するようになる。
そして、本実施の形態では、導光板30の出光面31が裏面32に対して傾斜した傾斜面37,38として形成されている。このような導光板30においては、正面方向からの観察において第1方向から傾斜した光の入射角度は、当該光が平坦な裏面32に入射する場合よりも傾斜した出光面31に入射した場合に、小さくなりやすくなる。すなわち、出光面31が裏面32に対して傾斜した傾斜面37,38として形成されている場合、導光板30内を進む光が、例えば全反射臨界角度未満の角度で裏面32へ入射する前に、全反射臨界角度未満の角度で出光面31へ入射しやすくなる。この結果、出光面31が裏面32に対して傾斜した傾斜面37,38として形成されている場合、導光板30内を進む光の出光面31からの取り出しが促進されるようになる。
以上のようにして最終的に導光板30から出射した光L21,L22は、図2に示すように、光学シート26へ入射する。上述したように、光学シート26は、導光板30側へ向けて頂角が突出する断面三角形状の単位プリズム27を有している。図2によく示されているように、単位プリズム27の長手方向は、導光板30による導光方向(第1方向)と交差する方向、とりわけ本実施の形態では導光方向と直交する第2方向と、平行になっている。また、導光板30をなす材料と空気との屈折率差に起因し、導光板30の出光面31から出射する光の第1方向成分の出射角度(出射光の第1方向成分と導光板30の板面への法線方向ndとがなす角度θc(図2参照))は、特定の角度範囲(例えば、65°〜85°)内に偏る、傾向がある。
これらのことから、図2に示すように、導光板30の出光面31から出射した光の多くが、光学シート26の単位プリズム27の一方のプリズム面27aを透過して当該単位プリズム27へ入射し、その後、当該単位プリズム27の他方のプリズム面27bで全反射するように、光学シート26を設計することができる。単位プリズム27のプリズム面27bでの全反射により、図2の断面(第1方向と正面方向ndとの両方向に平行な断面)において正面方向ndから傾斜した方向に進む光L21,L22は、その進行方向が正面方向ndに対してなす角度が小さくなるように、曲げられる。このような作用により、単位プリズム27は、第1方向(導光方向)に沿った光の成分について、透過光の進行方向を正面方向nd側に絞り込むことができる。すなわち、光学シート26は、第1方向に沿った光の成分に対して、集光作用を及ぼすようになる。
なお、このように光学シート26の単位プリズム27によってその進行方向を大きく変化させられる光は、主として、単位プリズム27の配列方向である第1方向に進む成分であり、導光板30の単位形状要素50の傾斜面37,38によって集光させられる第2方向に進む成分とは異なる。したがって、光学シート26の単位プリズム27での光学的作用によって、導光板30の単位形状要素50によって上昇させられた正面方向輝度を害すことなく、さらに、正面方向輝度を向上させることができる。
以上のように、面光源装置20では、第1方向(導光方向)に沿った出射光量の分布を均一化させ、さらに、正面方向輝度を向上させ、発光面21から光を面状に発光する。面光源装置20を出光した光は、その後、液晶表示パネル15に入射する。液晶表示パネル15は、面光源装置20からの光を画素毎に選択的に透過させる。これにより、液晶表示装置10の観察者が、映像を観察することができるようになる。
また、上述したように、導光板30内に入射した光は、傾斜面37,38によって第2方向への移動を規制されながら、第1方向へ進むようになる。すなわち、光源24a,24bをなす多数の発光体25の各々で発光された光は、導光板30の出光面31のうちの、第2方向における所定の位置に位置し且つ第1方向に延びる特定の領域から、主として出射することになる。したがって、表示装置10の表示面11に表示される映像に対応して、制御装置18が、各発光体に出力を調節するようにしてもよい。
例えば、表示装置10の表示面11内のある領域に何も表示しない場合、言い換えると、表示装置10の表示面11内のある領域に黒を表示する場合、表示面10の当該領域に対応する導光板30の出光面31の領域に光を供給する点状発光体25を消灯させるようにしてもよい。この場合、面光源装置20からの照明光を表示パネル15で完全に遮断できないことに起因するコントラストの低下といった従来の不具合を解消することができる。また、電気使用量を節約することができ、省エネルギーの観点からも好ましい。
さらに、黒を表示する例に限られず、表示面11に表示される映像に対応して各点状発光体25の出力の程度を調節することにより、表示パネル15のみに依存することなく、表示される映像の各領域における明るさを調節するようにしてもよい。このような例においても、表示される像のコントラストを向上させることができるとともに、省エネルギーを実現することができる。
ところで、従来の面光源装置では、上述したように、導光方向(第1方向)に沿って出射光量が十分に均一化されておらず、出光面のうちの光源に近い領域から出射する光の光量が局所的に多くなる傾向が生じる。そしてこのような傾向の一方で、面光源装置が組み込まれた表示装置の表示面を観察する観察者は、面光源装置の出光面の中央に対応する表示面上の中央領域に表示される像の明るさの上昇を敏感に感知し得るが、面光源装置の出光面の縁部に対応する表示面上の縁部領域に表示される像の明るさの上昇を感知しにくい。すなわち、出光面のうちの光源に近い領域から出射する光の光量が局所的に多くなることは、出射光量の導光方向に沿った均一性を確保する観点からだけでなく、光源で発光される限られた光量の光を有効利用する観点からも、好ましくない。
一方、本実施の形態によれば、本体部40の光拡散能が第1方向に沿って一定ではない。上述したように、本体部40の光拡散能は、導光板30からの光の取り出しを促進する主要因となる。本実施の形態では、本体部40が、光散乱材46bを含有し光拡散能を有した第1層46と、光散乱材を含有せず光拡散能を実質的に有していない第2層47と、から構成されている。そして、光拡散能を有した第1層46の厚みは、第1方向(導光方向)に沿って変動している。より具体的には、本体部40へ光拡散能を付与する第1層46の厚みは、入光面33,34から最も離間する第1方向における中央位置Pcで最も厚くなっており、第1方向に沿って入光面33,34に向かい薄くなっていく。
すなわち、導光板30内を導光されている光が導光板30内の光散乱材46bに衝突する確率は、第1方向に沿った各領域において、異なる。導光板30内を導光されている光が導光板30内の光散乱材46bに衝突する確率は、第1方向における中央位置Pcを含む領域において最も高くなり、第1層46の厚みが薄い入光面33,34の近傍では低くなる。この結果、これまで不必要に出射光量が大きくなる傾向があった出光面のうちの光源に近い領域から出射する光の光量を効果的に抑制することができ、これにともなって、出光面のうちの光源から離れた中央の領域から出射する光の光量を相乗的に増大させることができる。
以上のことから、導光板30の出光面31のうちの第1方向における中央位置Pcを含む領域から出射する光の光量を多く確保することができる。その一方で、導光板30の出光面31のうちの第1方向における光源近傍に位置する領域から出射する光の光量が多くなってしまうことを防止することができ、これにともなって、第1方向における中央位置Pcを含む領域からの出射する光を確保することができる。光量を相乗的に増大させることができる。この結果、導光板30の出光面31のうちの第1方向における中央位置Pcを含む領域から出射する光の光量を相乗的に増大させることができ、これにより、表示装置10の表示面11の中央に像を明るく表示することができる。すなわち、本実施の形態によれば、単に、導光板30の出光面31から出射する光の第1方向に沿った光量分布を均一化させることだけでなく、光源24a,24bで発光される光を有効利用し、観察者に感知される像の明るさを効果的に上昇させることができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、適宜図面を参照して、変形の一例について説明する。
上述した実施の形態において、本体部40の第1層46の厚みが、曲線状に変化している例を示したが、これに限られず、本体部40の第1層46の厚みが、直線状に変化するようにしてもよいし、階段状に変化するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態において、本体部40の第1層46が、第1方向に沿った本体部40の全長に亘って存在している例を示したが、これに限られず、例えば、第1層46は、第1方向における中央位置Pcから、第1方向に沿って入光面33,34まで延びていなくてもよい。また、上述した実施の形態において、同様に、第2層47が、第1方向に沿った本体部40の全長に亘って存在しているが、これに限られず、例えば、第1方向における中央位置Pcにおいて存在しないようにしてもよい。すなわち、本体部40は、第1方向における中央位置Pcにおいて、第1層46のみからなるようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態において、第2層47よりも強い光拡散能を有した第1層46が、第2層47の出光側に配置される例を示したが、これに限られず、第2層47が、当該第2層47よりも強い光拡散能を有した第1層46の出光側に配置されるようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態において、第1層46および第2層47の合計厚みが第1方向に沿って一定である例を示したが、これに限られない。さらに、上述した実施の形態において、本体部40が、第1層46および第2層47の二つの層からなる例を示したが、これに限られず、例えば、三以上の層から本体部40が構成されるようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態において、第1層46がベース樹脂部46aに分散された光散乱材46bを含み、第2層47がベース樹脂部46a内に光散乱材46bを含まない例を示したが、これに限られない。第2層47がベース樹脂部47aに分散された光散乱材を含むようにしてもよい。このような例においても、例えば、第1層46と第2層47との間で光拡散材の含有濃度が異なる場合、第1層46と第2層47との間で光拡散材の粒径が異なる場合、第1層46と第2層47との間で光拡散材と対応するベース樹脂部との屈折率差が異なっている場合等には、第2層47が第1層46の光拡散能とは異なる程度の光拡散能を有するようになる。具体的には、光拡散材の濃度を高めることにより、光拡散材の粒径を小さくすることにより、光拡散材と対応するベース樹脂部との屈折率差を大きくすることにより、当該層の光拡散能(内部光拡散能)を強くすることができる。そして、各層の厚みを第1方向に沿って変化させることにより、とりわけ、強い光拡散能を有した層の厚みを変化させることにより、導光板30内を第1方向に進む光を拡散させる本体部40の光拡散能を第1方向に沿って変化させることができる。
さらに、上述した実施の形態においては、光散乱材46bを含んだ第1層46の厚みを変化させることにより、本体部40の光拡散能の程度が第1方向に沿って変化するようになっている。しかしながら、第1層46の厚みを変化させることによらず、本体部40の光拡散能の程度を第1方向に沿って変化させるようにしてもよい。このような例によっても、不必要に出射光量が大きくなる傾向がある出光面31のうちの光源24a,24bに近い領域から出射する光の光量を効果的に抑制することができ、これにともなって、出光面31のうちの光源24a,24bから離れた中央Pcの領域から出射する光の光量を効果的に増大させることができる。
具体的な例としては、本体部40内における光拡散材の濃度を本体部40の第1方向に沿った各位置において変化させることにより、本体部40内に含まれる光拡散材の粒径を本体部40の第1方向に沿った各位置において変化させることにより、光拡散材と対応するベース樹脂部との屈折率差を本体部40の第1方向に沿った各位置において変化させることにより、本体部40の光拡散能の程度を第1方向に沿って変化させることができる。
また、他の具体例としては、本体部40の内部にマット層を設け、このマット層の凹凸の程度が、第1方向に沿って変化するようにしてもよい。この例においては、例えば、凹凸の度合いが大きいところ(比較的に粗いところ)で強い光拡散能を呈するようになり、凹凸の度合いが小さいところ(比較的に滑らかなところ)で弱い光拡散能を呈するようになる。このような導光板は、基材の一方の面に中間マット面をなすようになる粗面を形成しておき、基材のこの粗面上に、複数の単位形状要素50と、単位形状要素と基材との間に位置するようになる層状のランド部と、を賦型成形(例えば、いわゆるUV賦型)することによって、作製され得る。このような方法で作製される変形例においては、基材をなす材料と賦型に用いられる材料との間での屈折率差が大きい程、本体部40の光拡散能の第1方向に沿った変化を付与しやすくなる。
さらに、上述した実施の形態において、導光板30の側面のうちの対向する二つの面33,34が入光面を構成する例を示したが、これに限られない。例えば、図5に示す変形例のように、導光板30の側面のうちの一つの面33のみが入光面として機能するようにしてもよい。なお、図5を参照しながら説明する以下の変形例においては、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分に、図1〜図4で用いた対応する部分の符号と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図5に示す変形例では、導光板30の本体部40は、第1方向に沿って反対面34に最も近い位置において最も強い光拡散能を有している。具体的には、光散乱材46bを含んだ本体部40の第1層46は、第1方向に沿って反対面34に最も近い位置において最も厚い厚みを有している。これによって、光源24aから第1方向に沿って最も離間した反対面34近傍の領域においても、導光板30の出光面31からの出射光を或る程度確保することが可能となる。
そして、本体部40の光拡散能は、第1方向に沿って反対面34に最も近い位置から第1方向に沿って入光面33に向かい、弱くなっていく。具体的には、光散乱材46bを含んだ本体部40の厚みが、第1方向に沿って反対面34に最も近い位置から第1方向に沿って入光面33に向かい、薄くなっていく。これにより、出光面31のうちの第1方向における光源近傍の領域から出射する光の光量が多くなってしまうことを防止することができ、これにともなって、第1方向における光源近傍の領域以外の領域からの出射光量を有効に確保することが可能となる。
なお、図5に示す例においては、光散乱材46bを含んだ第1層46の厚みは、直線的に薄くなっていっている。さらに、図5に示す例においては、第1方向における中央位置Pcを含む領域からの出射光量が十分に確保され、同時に、観察者によって明るさを視認され辛い反対面33近傍の領域からの出射光量が多くなり過ぎることを抑制するようになっている。すなわち、導光板30内を第1方向に進む光の多くが、表示面11の中央に対応する領域から出射し、その領域よりも第1方向(導光方向)に沿って反対面34よりの領域においては、導光板30内を進む残りの光がすべて出射し得るように、構成されている。具体的な構成としては、第1方向に沿って中央位置Pcを含む領域において、第1層46が十分に出射光量を確保し得る厚みを有し、当該領域よりも反対面34よりも領域においては十分に厚い一定の厚み(本体部40の総厚に相当する厚み)を有するようになっている。
ところで、図5に示す変形例では、面光源装置20の発光面21への法線方向ndおよび第1方向の両方向に平行な断面において、導光板30から出射する出射光の出射方向は、正面方向ndに対して、一方の側のみに傾斜するようになる。このため、光学シート126の単位プリズム127は、面光源装置20の発光面21への法線方向ndおよび第1方向の両方向に平行な断面において対称的な形状を有する必要はない。図5に示す変形例では、単位プリズム127は、導光板30からの光を透過させる透過面127aと、透過面127aを介して導光板30内に入射した光を全反射させる反射面127bと、を含んでおり、反射面127bは正面方向ndに対して傾斜しているのに対し、透過面127aは概ね正面方向ndと平行に延びている。
さらに、上述した実施の形態において、本体部40の他側の面42(導光板30の裏面32)が本体部40の一側の面(出光側面)41と平行な平坦な面として構成されている例を示したが、これに限られない。
さらに、上述した実施の形態において、本体部40内に光散乱剤46bを分散させ且つ本体部40の出光側面41に単位形状要素50を設けることによって、導光板30に入射した光が導光板30から出射し得るようにした例を示したが、この例に限られない。例えば、光散乱剤46bおよび単位形状要素50に加えて、導光板30の裏面32を傾斜面として構成してもよいし、あるいは、導光板30の裏面32に光散乱機能を有する光散乱部(例えば白色インクからなる白色ドット)を形成してもよい。
さらに、上述した実施の形態において、光源24a,24bが、導光板30の入光面33,34の長手方向(第1方向)に沿って並べて配置された複数の点状発光体(LED)25から構成される例を示したが、これに限られず、エッジライト型の面光源装置に用いられ得る種々の光源、例えば、導光板30の入光面33,34の長手方向と平行に延びるように配置された冷陰極管から、光源24a,24bが構成されてもよい。
さらに、上述した実施の形態において、導光板30の出光側に配置される光学シート26の一例を説明したが、上述した光学シート26は単なる例示に過ぎない。上述した光学シート26に代えて、種々の形態の光学シートを用いることができる。例えば、出光側に単位プリズム27が突出した光学シートを用いることができる。また、単位プリズム27の断面形状が三角形形状以外の形状、例えば、三角形以外の多角形や楕円の一部分に相当する形状等となっている光学シートを用いることもできる。
さらに、上述した面光源装置20および表示装置10の構成は、単なる例示に過ぎず、種々の変更が可能である。例えば、透過光を拡散させる機能を有した光拡散シートや、特定の偏光成分のみを透過し、それ以外の偏光成分を反射する偏光分離機能を有した反射型の偏光分離シート等を、光学シート26の出光側に設けるようにしてもよい。
なお、以上において、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。