JP2019210380A - ポリ塩化ビニル樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
(1) 下記成分(A)100質量部に対して、下記成分(B)を0.5〜10質量部含有することを特徴とする、ポリ塩化ビニル樹脂組成物。
(A) ポリ塩化ビニル樹脂
(B) オルガノポリシロキサン基含有ブロック共重合体であって、
(I)オルガノポリシロキサン基を含むセグメントと、(II)オルガノポリシロキサン基を含まないセグメントとを質量比((I)/(II))として60/40〜80/20で含み、
(I)前記オルガノポリシロキサン基を含むセグメントは、(b−1)下記式(1)で表されるオルガノポリシロキサン基含有単量体と(b−2)(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体とを質量比((b−1)/(b−2))として40/60〜60/40で重合させてなり、
(II)オルガノポリシロキサン基を含まないセグメントは、(b−3)(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を重合させてなることを特徴とする、オルガノポリシロキサン基含有ブロック共重合体。
(式(1)において、nは5〜500の整数を表す。)
<(A)ポリ塩化ビニル樹脂>
ポリ塩化ビニル樹脂としては、塩化ビニル単量体の単独重合体あるいは他の単量体との共重合体が挙げられる。ポリ塩化ビニル樹脂の平均重合度は500〜5,000の範囲にあることが好ましい。
ポリ塩化ビニル樹脂の平均重合度を500以上とすることによって、強度が向上する傾向がある。ポリ塩化ビニル樹脂の平均重合度を5,000以下とすることによって加工性が向上する傾向がある。
オルガノポリシロキサン基含有ブロック共重合体は、(I)オルガノポリシロキサン基を含むセグメントと、(II)オルガノポリシロキサン基を含まないセグメントを有している。各セグメント(I)(II)は、ポリマーペルオキシド由来の炭素数1〜18の直鎖アルキレン基または分岐アルキレン基で結合されている。
オルガノポリシロキサン基を含むセグメントは、(b−1)式(1)で表されるオルガノポリシロキサン基含有単量体および、(b−2)(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を重合させてなる。
オルガノポリシロキサン基を含まないセグメントは、(b−3)(メタ)アクリル酸エステル単量体を重合させてなる。
第1工程は、ポリマーペルオキシドを重合開始剤として、オルガノポリシロキサン基を含むセグメントを形成する単量体を重合し、ペルオキシ結合含有重合体を得る工程である。
第2工程は、得られたペルオキシ結合含有重合体を重合開始剤として、オルガノポリシロキサン基を含まないセグメントを形成する単量体を重合する工程である。
本発明において使用される可塑剤としては特に制限はなく、従来ポリ塩化ビニル樹脂に使用されるものの中から任意に選択して使用することができる。このような可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジウンデシルフタレート、トリオクチルトリメリテート、トリイソオクチルトリメリテート、ピロメリテート等の芳香族多塩基酸のアルキルエステル;ジブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジブチルアゼレート、ジオクチルアゼレート、ジイソノニルアゼレート等の脂肪族多塩基酸のアルキルエステル;トリクレジルホスフェート等のリン酸エステル;アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸等の多価カルボン酸とエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール等の多価アルコールとの重縮合体の末端を、一価アルコール又は一価カルボン酸で封鎖したもの等のポリエステル系可塑剤;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化トール油脂肪酸2−エチルヘキシル等のエポキシ系可塑剤;塩素化パラフィンなどが挙げられる。
100質量部に対し5〜150質量部が好ましく、10〜100質量部がより好ましく、10〜80質量部がさらに好ましい。
本発明において使用される充填剤としては、炭酸カルシウム、タルク、カオリンクレー、マイカ、合成珪酸、珪石粉、硫酸バリウムなどが挙げられる。これらの中でも炭酸カルシウムがより好ましい。炭酸カルシウムは、粒子径、粉体性状、製造方法などは特に限定されないが、ポリ塩化ビニル樹脂に対する分散性を考慮すると、粒子径は0.5μm〜10μmが好ましい。これらの充填剤はポリ塩化ビニル樹脂100質量部に対して50〜150質量部が好ましく、難燃性を考慮すると、100〜140質量部がより好ましい。
本発明のポリ塩化ビニル樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、発泡剤、安定剤、酸化防止剤、加工助剤、難燃剤、紫外線吸収剤、着色剤等のその他の添加剤を添加することができる。
<オルガノポリシロキサン基含有ブロック共重合体>
(製造例1〜5、7〜9)
撹拌機、温度計、コンデンサーを備えた500ml四つ口フラスコに、表1、表2に示す溶剤、開始剤、オルガノポリシロキサン基を含むセグメントを形成する単量体を仕込み、70℃で3時間重合反応を行った。続いて、表1に示す、オルガノポリシロキサン基を含まないセグメントを形成する単量体を仕込み、80℃で3時間重合反応を行い、オルガノポリシロキサン基含有ブロック共重合体を得た。
(製造例6)
撹拌機、温度計、コンデンサーを備えた500ml四つ口フラスコに、表2に示す溶剤、開始剤、単量体を仕込み、70℃で6時間重合反応を行い、オルガノポリシロキサン基含有ランダム共重合体を得た。
(実施例1〜5、比較例1〜6)
各成分を表3、表4に示す各組成で、撹拌機により25℃で3分間混合した。続いてこの混合物を壁紙原紙に塗布し、ギアオーブンにより220℃で5分間加熱を行い、試験片を得た。
<外観>
試験片表面を目視により観察し、ブリードアウト等の外観不良の有無を評価した。
水性サインペン(ぺんてる製水性サインペン)で、試験片上に2mm間隔で5本の線を引き24時間静置した後、水を含ませた綿布で汚れをふき取り、目視により汚れの残り具合を観察し、下記基準で点数化した。
5:汚れが残らない
4:ほとんど汚れが残らない
3:やや汚れが残る
2:かなり汚れが残る
1:汚れが強く残る
油性サインペン(ゼブラ製マッキーケア極細)で、試験片上に2mm間隔で5本の線を引き24時間静置した後、エタノールを含ませた綿布で汚れをふき取り、目視により汚れの残り具合を観察し、下記基準で点数化した。
なお、水性汚れ、油性汚れ共に4点以上を合格とした。
5:汚れが残らない
4:ほとんど汚れが残らない
3:やや汚れが残る
2:かなり汚れが残る
1:汚れが強く残る
ポリ塩化ビニル樹脂の塩化水素の脱離に起因してポリエンが生成することで変色するため、変色の度合いを熱安定性の指標とした。白色の試験片を180℃に設定したギアオーブン中に1時間放置し(加工機の不具合による長時間の滞留を想定した)、目視により、変色(白色、褐色、暗褐色、黒色)の具合を観察した。なお、褐色までを合格とした。
MEK: メチルエチルケトン
PPO:
PV: 日油製tert−ブチルペルオキシピバレート
FM0721:JNC製サイラプレーンFM0721
(式(1)の構造:n=64)
FM0725:JNC製サイラプレーンFM0725
(式(1)の構造:n=131)
FM0711:JNC製サイラプレーンFM0711
(式(1)の構造:n=10)
MMA: メタクリル酸メチル
BMA: メタクリル酸−n−ブチル
ポリ塩化ビニル樹脂: カネカ製PSL−675
可塑剤: 大八化学工業製ジイソノニルフタレート
炭酸カルシウム: 白石カルシウム製ホワイトンSB青
発泡剤: 永和化成工業製ビニホールAC#3C−K2
安定剤: アデカ製FL−103N
比較例2は、オルガノポリシロキサン基含有ブロック共重合体が過剰なため、外観および熱安定性に劣っていた。
比較例4は、オルガノポリシロキサン基を含むセグメントとオルガノポリシロキサン基を含まないセグメントの比率が適していないため、防汚性に劣っていた。
比較例6は、オルガノポリシロキサン基含有単量体が過少なため、防汚性に劣っていた。
ただし、配合例1〜6において、ポリ塩化ビニル樹脂としてはカネカ製PSL−675を使用し、オルガノポリシロキサン基含有ブロック共重合体としては製造例1を使用し、可塑剤としては大八化学工業製ジイソノニルフタレートを使用し、炭酸カルシウムとしては白石カルシウム製ホワイトンSB青を使用し、発泡剤としては永和化成工業製ビニホールAC#3C−K2を使用し、安定剤としてはアデカ製FL−103Nを使用した。
ポリ塩化ビニル樹脂: 100質量部
オルガノポリシロキサン基含有ブロック共重合体: 2質量部
可塑剤: 50質量部
炭酸カルシウム: 100質量部
発泡剤: 3質量部
安定剤: 5質量部
ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]:
0.1質量部
ポリ塩化ビニル樹脂: 100質量部
オルガノポリシロキサン基含有ブロック共重合体: 2質量部
可塑剤: 50質量部
炭酸カルシウム: 100質量部
発泡剤: 3質量部
ジブチル錫ジステアレート: 3質量部
ポリ塩化ビニル樹脂: 100質量部
オルガノポリシロキサン基含有ブロック共重合体: 2質量部
エポキシ化大豆油: 50質量部
炭酸カルシウム: 100質量部
発泡剤: 3質量部
安定剤: 5質量部
ポリ塩化ビニル樹脂: 100質量部
オルガノポリシロキサン基含有ブロック共重合体: 2質量部
可塑剤: 50質量部
炭酸カルシウム: 100質量部
発泡剤: 3質量部
ジンクステアレート: 1質量部
トリフェニルホスフィン: 1質量部
ポリ塩化ビニル樹脂: 100質量部
オルガノポリシロキサン基含有ブロック共重合体: 2質量部
可塑剤: 50質量部
炭酸カルシウム: 100質量部
発泡剤: 3質量部
ジンクステアレート: 1質量部
ジペンタエリスリトールのアジピン酸エステル: 1質量部
ポリ塩化ビニル樹脂: 100質量部
オルガノポリシロキサン基含有ブロック共重合体: 2質量部
可塑剤: 50質量部
炭酸カルシウム: 100質量部
発泡剤: 3質量部
ジンクステアレート: 1質量部
ジベンゾイルメタン: 1質量部
Claims (3)
- 下記成分(A)100質量部に対して、下記成分(B)を0.5〜10質量部含有することを特徴とする、ポリ塩化ビニル樹脂組成物。
(A) ポリ塩化ビニル樹脂
(B) オルガノポリシロキサン基含有ブロック共重合体であって、
(I)オルガノポリシロキサン基を含むセグメントと、(II)オルガノポリシロキサン基を含まないセグメントとを質量比((I)/(II))として60/40〜80/20で含み、
(I)前記オルガノポリシロキサン基を含むセグメントは、(b−1)下記式(1)で表されるオルガノポリシロキサン基含有単量体と(b−2)(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体とを質量比((b−1)/(b−2))として40/60〜60/40で重合させてなり、
(II)オルガノポリシロキサン基を含まないセグメントは、(b−3)(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を重合させてなることを特徴とする、オルガノポリシロキサン基含有ブロック共重合体。
(式(1)において、nは5〜500の整数を表す。)
- 前記成分(A)100質量部に対して、(C)可塑剤を5〜150質量部含有することを特徴とする、請求項1記載のポリ塩化ビニル樹脂組成物。
- 前記成分(A)100質量部に対して、(D)充填剤を50〜150質量部含有することを特徴とする、請求項1または2記載のポリ塩化ビニル樹脂組成物。
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JPH11231566A (ja) * | 1998-02-13 | 1999-08-27 | Nof Corp | 画像形成用トナーに用いる重合体及び画像形成用トナー |
JP2009098675A (ja) * | 2007-09-27 | 2009-05-07 | Nof Corp | 電子写真感光体用樹脂組成物及びそれを用いた電子写真感光体 |
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