JP2019209365A - 溶接方法及び溶接装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】横向き姿勢での倣い溶接を行うに際して、溶接金属の垂れによる溶接欠陥の発生を抑え得る溶接方法及び溶接装置を提供する。【解決手段】電極尖端11bを有する電極11と、被溶接物Wu,Wl間の横向き開先Waを横切る方向への電極11の往復移動及び開先Waに接近離間する方向の電極11の往復移動をさせる電極駆動機構と、電極11を回転させる回転機構と、溶接箇所に溶接ワイヤ12を供給するフィーダ15と、電極11の開先横断動作の進行側に電極尖端11bを配置する回転機構の制御及び電極11のAVCによる制御を行う制御部10を備え、制御部10は、AVCにより横向き開先Waの一方の溝壁Wubが検出されるまでのオシレート上進動作時のオシレート速度をオシレート下進動作時のオシレート速度よりも遅くするべく制御し、オシレート上進動作時のワイヤ送給速度をオシレート下進動作時のワイヤ送給速度よりも速くするべく制御する。【選択図】図2

Description

本開示は、非消耗電極を用いた溶接方法及び溶接装置に関するものであり、一方の被溶接物及び他方の被溶接物間の溝状溶接部(溶接線)を自動的に検出して倣う機能(ロボット溶接に定義される「溶接線自動倣い」に類する機能)を有する溶接方法及び溶接装置に関するものである。
上記した非消耗電極を用いるTIG溶接やプラズマ溶接は、アークが安定しているため、アークセンサを用いた倣い溶接の場合には、形状の整った品質良好な溶接ビードを得ることができる。
従来、上記した非消耗電極を用いた溶接装置(TIG溶接装置)としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1に記載された開先倣い溶接装置は、被溶接物間の開先に沿って配置されたレール上を移動する走行部と、先端が斜め切りされてアークを偏向可能とした電極を有する溶接トーチと、走行部に配置されて溶接トーチにオシレート動作を行わせるオシレート機構と、走行部に配置されて溶接トーチの電極を軸心回りに回転させる回転機構と、制御部を備えている。この制御部では、AVC(Arc Voltage Control;アーク長自己制御作用)を用いることで、溶接トーチの電極の斜め切りされた電極尖端と開先との距離(アーク長)を、一定に保つように制御している。
この開先倣い溶接装置では、オシレート動作する溶接トーチが進む側に常に電極尖端を配置している。そして、開先における開先壁の近傍において溶接トーチの電極尖端から開先の開先壁までの距離が短くなった時点で、AVCによって溶接トーチを開先から離間する方向に移動させて、溶接トーチにそれまでとは逆方向へのオシレート動作を行わせるようになっている。
この開先倣い溶接装置においては、先端が斜め切りされてアークを偏向可能とした電極を用いたうえで、この電極の電極尖端がオシレート動作する溶接トーチの進行側に常に位置するようにしている。このようにすると、開先角度の小さい狭開先の倣い溶接中であったとしても、電極が開先壁に干渉するような事態の発生を回避することができる。
特開2015−024425号公報
ところが、上記した開先倣い溶接装置において、横向き姿勢での倣い溶接に用いた場合には、溶接により互いに接合される被溶接物間の横向き開先が狭開先であれば、溶接金属の垂れが生じ難いので、下向き姿勢での溶接と同様に良好な開先倣い溶接を行うことができるものの、横向き開先の開先幅が広くなると、重力の影響による溶接金属の垂れを抑えることができずに溶接欠陥を招いてしまうという問題があり、これを解決することが従来の課題となっていた。
本開示は、上記したような従来の課題を解決するためになされたもので、横向き姿勢での倣い溶接を行うに際して、横向き開先の開先幅が広い場合であったとしても、溶接金属の垂れによる溶接欠陥の発生を抑えることが可能な溶接方法及び溶接装置を提供することを目的としている。
本開示の第1の態様は、斜め切りされて成る電極尖端を有し且つ一方の被溶接物及び他方の被溶接物間の溝状溶接部に接近離間する非消耗電極に前記溝状溶接部を横切るオシレート動作を行わせつつ、溶接箇所に溶接ワイヤを送給しながら該非消耗電極を前記溝状溶接部に沿って移動させて横向きアーク溶接を行うに際して、前記非消耗電極のオシレート動作の進行側に前記電極尖端を配置して、前記非消耗電極のアーク長自己制御作用を用い、前記非消耗電極を前記溝状溶接部に沿って1回移動させる1パス毎に1層ずつ積層する場合において、アーク長自己制御作用により前記溝状溶接部の一方の溝壁が検出されるまでのオシレート上進動作時のオシレート速度をアーク長自己制御作用により前記溝状溶接部の他方の溝壁が検出されるまでのオシレート下進動作時のオシレート速度よりも遅く設定すると共に、オシレート上進動作時の前記溶接ワイヤの送給速度をオシレート下進動作時の前記溶接ワイヤの送給速度よりも速く設定する構成としている。
本開示の第2の態様は、斜め切りされて成る電極尖端を有し且つ一方の被溶接物及び他方の被溶接物間の溝状溶接部に接近離間する非消耗電極に前記溝状溶接部を横切るオシレート動作を行わせつつ、溶接箇所に溶接ワイヤを送給しながら該非消耗電極を前記溝状溶接部に沿って移動させて横向きアーク溶接を行うに際して、前記非消耗電極のオシレート動作の進行側に前記電極尖端を配置して、前記非消耗電極のアーク長自己制御作用を用い、前記非消耗電極を前記溝状溶接部に沿って複数回移動させる複数パス毎に1層ずつ積層する場合において、前記非消耗電極をオシレート動作させつつ前記溝状溶接部に沿って移動させて前記溝状溶接部にビードを盛る肉盛りパスの段階は、オシレート上進動作の上端停止位置をあらかじめ設定したオシレート動作の幅に基づいて決定すると共に、前記非消耗電極がアーク長自己制御作用によって前記溝状溶接部から離間してあらかじめ設定した移動量に達したことでオシレート下進動作の下端停止位置を検出し、前記非消耗電極をオシレート動作させつつ前記溝状溶接部に沿って移動させて前記肉盛りパスによる最上部の前記ビードと前記溝状溶接部との間に最終ビードを盛る最終パスの段階は、前記非消耗電極がアーク長自己制御作用によって前記溝状溶接部から離間してあらかじめ設定した移動量に達したことで、オシレート上進動作の上端停止位置及びオシレート下進動作の下端停止位置を検出する構成としている。
本開示の第3の態様は、横向きアーク溶接を行う溶接装置であって、溶接により互いに接合される一方の被溶接物及び他方の被溶接物間の溝状溶接部に沿って移動する走行部と、斜め切りされた電極尖端を有する非消耗電極と、前記走行部に配置されて前記溝状溶接部を横切る方向に前記非消耗電極をオシレート動作させると共に、該非消耗電極を長手方向に沿って往復移動させて前記溝状溶接部に接近離間させる電極駆動機構と、前記非消耗電極を軸心回りに回転させる回転機構と、溶接箇所に溶接ワイヤを供給するフィーダと、前記電極駆動機構による前記非消耗電極のオシレート動作における進行側に前記電極尖端を配置するべく前記回転機構を制御すると共に、前記非消耗電極のアーク長自己制御作用による制御を行う制御部を備え、前記走行部によって前記非消耗電極を前記溝状溶接部に沿って1回移動させる1パス毎に1層ずつ積層する場合において、前記制御部は、アーク長自己制御作用により前記溝状溶接部の一方の溝壁が検出されるまでの前記電極駆動機構によるオシレート上進動作時のオシレート速度をアーク長自己制御作用により前記溝状溶接部の他方の溝壁が検出されるまでのオシレート下進動作時のオシレート速度よりも遅くするべく制御すると共に、オシレート上進動作時の前記フィーダによる前記溶接ワイヤの送給速度をオシレート下進動作時の前記フィーダによる前記溶接ワイヤの送給速度よりも速くするべく制御する構成としている。
本開示の第4の態様は、横向きアーク溶接を行う溶接装置であって、溶接により互いに接合される一方の被溶接物及び他方の被溶接物間の溝状溶接部に沿って移動する走行部と、斜め切りされた電極尖端を有する非消耗電極と、前記走行部に配置されて前記溝状溶接部を横切る方向に前記非消耗電極をオシレート動作させると共に、該非消耗電極を長手方向に沿って往復移動させて前記溝状溶接部に接近離間させる電極駆動機構と、前記非消耗電極を軸心回りに回転させる回転機構と、前記電極駆動機構による前記非消耗電極のオシレート動作における進行側に前記電極尖端を配置するべく前記回転機構を制御すると共に、前記非消耗電極のアーク長自己制御作用による制御を行う制御部を備え、前記走行部によって前記非消耗電極を前記溝状溶接部に沿って複数回移動させる複数パス毎に1層ずつ積層する場合において、前記制御部は、前記電極駆動機構によって前記非消耗電極をオシレート動作させつつ前記走行部により前記溝状溶接部に沿って移動させて前記溝状溶接部にビードを盛る肉盛りパスの段階は、あらかじめ設定したオシレート動作の幅に基づく上端停止位置でオシレート上進動作を停止させると共に、前記非消耗電極がアーク長自己制御作用によって前記溝状溶接部から離間してあらかじめ設定した移動量に達したことで検出される下端停止位置でオシレート下進動作を停止させ、前記電極駆動機構によって前記非消耗電極をオシレート動作させつつ前記走行部により前記溝状溶接部に沿って移動させて前記肉盛りパスによる最上部の前記ビードと前記溝状溶接部との間に最終ビードを盛る最終パスの段階は、前記非消耗電極がアーク長自己制御作用によって前記溝状溶接部から離間してあらかじめ設定した移動量に達したことで検出される上端停止位置及び下端停止位置でオシレート上進動作及びオシレート下進動作をそれぞれ停止させる構成としている。
本開示に係る溶接方法によれば、横向き姿勢での倣い溶接を行うに際して、横向き開先の開先幅が広い場合であったとしても、溶接金属の垂れによる溶接欠陥の発生を抑えることが可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。
本開示の一実施形態に係る溶接方法で用いる倣い溶接装置の概略構成説明図(a)及び溶接装置で使用する電極の他の形態例を示す拡大側面説明図(b),拡大正面説明図(c)である。 図1の倣い溶接装置により被溶接物間の横向き開先に対して溶接を行う際の電極のオシレート動作を示す横向き開先の拡大断面説明図(a),(b)である。 図2(a),(b)の各横向き開先をそれぞれ各黒太矢印方向から見た部分拡大平面説明図(a),(b)である。 図1の倣い溶接装置を用いた溶接のタイムチャートである。 図1の倣い溶接装置を用いた溶接方法によって一方の被溶接物及び他方の被溶接物を脚長が大きいすみ肉溶接により接合する際の電極の動作を示す拡大断面説明図(a),(b)である。 本開示の他の実施形態による溶接方法によって初層が盛られた横向き開先の拡大断面説明図である。 本開示の他の実施形態による溶接方法によって肉盛りビードを形成する際の電極のオシレート動作を示す横向き開先の部分拡大平面説明図(a),(b)である。 本開示の他の実施形態による溶接方法によって横向き開先にビードを形成する際の溶接のタイムチャートである。 本開示の他の実施形態による溶接方法によって一方の被溶接物及び他方の被溶接物を脚長が大きいすみ肉溶接により接合する際の電極の動作を示す拡大断面説明図(a),(b)である。
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図4は、本開示の一実施形態に係る溶接方法で用いる倣い溶接装置を示している。
図1(a)に示すように、自動TIG溶接装置である倣い溶接装置1は、鉛直方向(図示白抜き矢印方向)に並ぶ上側被溶接物(一方の被溶接物)Wu及び下側被溶接物(他方の被溶接物)Wl間のU開先である横向き開先(溝状溶接部)Waに横向きアーク溶接を行う倣い溶接装置である。この倣い溶接装置1は、横向き開先Waに沿って配置されたレール2上を図示黒太矢印方向に移動する走行部3と、この走行部3に横向き開先Waに接近離間する方向(図示細線矢印方向)に配置されたガイド4に沿って往復移動するスタンド5と、このスタンド5に配置された鉛直方向に沿う図示しない縦ガイドに沿って上下動する昇降部6と、この昇降部6に支持される溶接トーチ8を備えている。
また、この倣い溶接装置1は、溶接ワイヤ12を巻き付け状態で保持するリール13と、このリール13から溶接ワイヤ12を送り出してコンジットライナ14を介して溶接箇所に送るフィーダ15を備えており、リール13及びフィーダ15はいずれも走行部3に搭載されている。
さらに、この倣い溶接装置1は、溶接トーチ8及びフィーダ15に電力を供給すると共に被溶接物Wu,Wlにアース接続する溶接電源16と、制御部10を備えているほか、後述する制御部10が用いるAVC(Arc Voltage Control;アーク長自己制御作用)に必要な溶接トーチ8の軸心方向の変位量を計測するための図示しないポテンショメータを備えている。なお、倣い溶接装置1は、自動TIG溶接装置であることに限定されることはなく、プラズマ溶接装置であってもよい。
溶接トーチ8の先端部に位置する円柱状のタングステン製の電極11は、図1(a)の拡大円内に示すように、その先端が軸心に対してθの角度をもって斜め切りされており、カット面11aの下端を電極尖端11bとしていて、アークArが真横ではなくカット面11aに沿うようにして偏向するようになっている。
なお、溶接トーチ8の先端部に配置する電極として、図1(b),(c)に示すように、先端を斜め切りしたうえでV字状にカットして成る2つのカット面11c,11cを有する電極11Aを採用してもよい。
ここで、先端が斜め切りされた電極11のカット面11aの軸心に対する角度θは、このカット面11aの下端に位置する電極尖端11bから発生するアークArの指向性及び集中性を考慮して設定され、30°〜60°とすることが望ましく、45°とすることがより望ましい。
この実施形態において、横向き開先Waに接近離間する方向のガイド4に沿って往復移動するスタンド5及びこのスタンド5の図示しない上下方向の縦ガイドに沿って上下動する昇降部6で電極駆動機構が構成され、昇降部6には、溶接トーチ8とともに円柱状のタングステン製の電極11を軸心回りに回転させる回転機構が内蔵されている。
この際、図3に示すように、先端が斜め切りされた電極11は、アークArの開先壁Wub,Wlbへの指向性及び溶接ワイヤ12の溶融性を確保するために、横向き開先Waに沿う方向に対して角度αで回転させておく必要があり、この回転角度αは、15°〜45°とすることが望ましく、30°とすることがより望ましい。但し、アークArの位置に溶接ワイヤ12を調整して供給し得る場合には、回転角度αを開先壁Wub,Wlbの検出性が上がる45°〜90°にしてもよい。
制御部10は、走行部3に速度指令を与えて、被溶接物Wu,Wl間の横向き開先Waに対する溶接トーチ8の溶接速度を制御すると共に、電極駆動機構を構成するスタンド5及び昇降部6のそれぞれに指令を与えて、横向き開先Waに沿って移動する溶接トーチ8に横向き開先Waを横切る方向のオシレート動作を行わせるようになっている。
また、制御部10は、図2に示すように、電極駆動機構の作動によってオシレート動作する溶接トーチ8が進む側(図示白抜き矢印方向側)に常に電極11の電極尖端11bを位置させるべく回転機構を制御するようになっている。
さらに、制御部10において、開先倣いの制御には、アークArの長さ(溶接トーチ8の高さ)を一定にするAVC(Arc Voltage Control;アーク長自己制御作用)を用いている。
このAVCは、アークArの長さによってTIG溶接やプラズマ溶接におけるアーク電圧が変化することを利用したものである。つまり、電極11の電極尖端11bと被溶接物Wu,Wlとの距離(アークArの長さ)が短くなって測定アーク電圧が基準電圧よりも低くなった時は、溶接トーチ8を被溶接物Wu,Wlから離間する方向に移動させてアーク電圧を大きくし、一方、電極11の電極尖端11bと被溶接物Wu,Wlとの距離が長くなって測定アーク電圧が基準電圧よりも高くなった時は、溶接トーチ8を被溶接物Wu,Wlに接近する方向に移動させてアーク電圧を小さくすることで、溶接トーチ8と被溶接物Wu,Wlとの距離を一定に保つようにしている。
具体的には、図2(a)に示すように、オシレート上進動作する溶接トーチ8が横向き開先Waにおける上側の開先壁Wubに接近して、アークArの長さが電極尖端11bと開先底Wcとの距離hから、電極尖端11bと上側の開先壁Wubとの距離h1に転じた段階で、溶接トーチ8を電極11の長手方向に沿って横向き開先Waから離間する図2(a)右方向(矢印方向)へ移動させるべく電極駆動機構を制御するようになっている。
そして、この制御部10では、AVCによる溶接トーチ8の移動量が予め上側の開先壁Wubに対して設定した閾値に達したところで回転機構を動作させて電極11を軸心回りに反転させて、図2(b)に示すように、溶接トーチ8にそれまでとは逆方向へのオシレート下進動作を行わせるべく制御するようになっている。
ここで、この倣い溶接装置1により倣い溶接を行う際の溶接条件としては、電極尖端11bを有する電極11の回転角度α、溶接電流の大きさ、溶接ワイヤ12の送給速度、オシレート動作の速度、アーク電圧、電極11の停止時間等を挙げることができる。
この実施形態では、電極11を横向き開先Waに沿って1回移動させる1パス毎に1層ずつ積層するようにしており、1パスの間に行われる電極11のオシレート動作をオシレート上端停止時、オシレート上進動作時、オシレート下進動作時及びオシレート下端停止時の4つの状況に分離して、状況毎に溶接条件としてのオシレート速度、ワイヤ送給速度及び溶接電流を以下のように個別に設定している。
すなわち、オシレート上進動作時のオシレート速度をオシレート下進動作時のオシレート速度よりも遅く設定(オシレート上進動作時間をオシレート下進動作時間よりも長く設定)しており、この実施形態では、オシレート上端停止時間とオシレート下端停止時間とを同じに設定している。
また、オシレート上進動作時のワイヤ送給速度をオシレート下進動作時のワイヤ送給速度よりも速く設定すると共に、オシレート停止時のワイヤ送給速度をオシレート動作時のワイヤ送給速度よりも速く設定しており、この実施形態では、オシレート上端停止時及びオシレート下端停止時の各ワイヤ送給速度を同じに設定している。
さらに、オシレート上進動作時の溶接電流値をオシレート下進動作時の溶接電流値よりも高く設定すると共に、オシレート停止時の溶接電流値をオシレート動作時の溶接電流値よりも高く設定しており、この実施形態では、オシレート上端停止時及びオシレート下端停止時の各溶接電流値を同じに設定している。
そこで、このような構成を成す倣い溶接装置1により上側被溶接物Wu及び下側被溶接物Wl間の横向き開先Waに対して倣い溶接を行う際の電極11の挙動(1パスさせる間の挙動)を図4のタイムチャートに基づいて説明する。
まず、先端が軸心に対して角度θをもって斜め切りされた電極11を有する溶接トーチ8を横向き開先Waに沿って所定速度で移動させつつオシレート上進動作を行わせると(T1)、図2(a)及び図3(a)に示すように、オシレート上進動作する溶接トーチ8が進む上側に制御部10により電極11の電極尖端11bが配置され、アークArに向けて溶接方向前方側(図3(a)左側)から溶接ワイヤ12が供給される。
このオシレート上進動作時において、オシレート速度をオシレート下進動作時よりも遅く、そして、ワイヤ送給速度をオシレート下進動作時よりも速く(ワイヤ供給量をオシレート下進動作時よりも多く)してあるので、より多く供給されて溶けた溶接ワイヤ12の溶融金属が、電極11とともによりゆっくり進むアークArに持ち上げられるようにして盛られることとなり、重力の影響による溶融金属の垂れを防ぎ得ることとなる。
この状態で横向き開先Waの上側の開先壁Wubに溶接トーチ8が接近すると、図2(a)及び図3(a)に一点鎖線で示すように、アークArの長さが電極尖端11bと開先底Wcとの距離hから電極尖端11bと開先壁Wubとの距離h1に転じて、すなわち、電極尖端11bから横向き開先Waまでの距離が短くなって、AVCにより溶接トーチ8が開先Waから離間する図2右方向(図2矢印方向)に移動する。
そして、このAVCにより溶接トーチ8が移動して、移動量が予め上側の開先壁Wubに対して設定した閾値h2に達した時点(T2)において、AVCにより溶接トーチ8が移動し続けるのを防ぐためにAVCに係る電極駆動機構の動作をオフにし、溶接品質を確保するために上側の開先壁Wub近傍において溶接トーチ8を所定時間Tiだけ停止させる。
上側の開先壁Wub側における停止時において、時刻(T3)から電極11が軸心回りに反転し始め、この電極11が軸心回りに反転し始めた時点(T4)から、溶接トーチ8が、図2(b)及び図3(b)に二点鎖線で示すように、それまでとは逆方向へのオシレート下進動作を開始する。
また、電極11が軸心回りに反転している間(T5)にAVCに係る電極駆動機構の動作が再びオン状態になり(T5’)、この時点(T6)で既にオシレート下進動作を開始している溶接トーチ8が、横向き開先Waの下側の開先壁Wlbに接近してアークArが下側の開先壁Wlbに到達すると、AVCにより溶接トーチ8が開先Waから離間する方向に移動する。
このオシレート下進動作時において、オシレート速度をオシレート上進動作時よりも速く、そして、ワイヤ送給速度をオシレート上進動作時よりも遅く(ワイヤ供給量をオシレート上進動作時よりも少なく)してあるので、ワイヤ供給量が少なく制限された溶接ワイヤ12が溶けて成る少量の溶融金属がより素早く盛られることとなり、オシレート下進動作時もオシレート上進動作時と同様に重力の影響による溶融金属の垂れを防ぎ得ることとなる。
そして、このAVCにより溶接トーチ8が図2右方向に移動して、移動量が予め下側の開先壁Wlbに対して設定した閾値に達した時点(T7)においAVCに係る電極駆動機構の動作をオフにし、この下側の開先壁Wlb側近傍で溶接トーチ8を所定時間Tiだけ停止させる。
下側の開先壁Wlb側での停止時間において、時刻(T8)から電極11が軸心回りに反転し始め、この電極11が軸心回りに反転し始めた時点(T9)から、溶接トーチ8がそれまでとは逆方向へのオシレート上進動作を開始する。
また、電極11が軸心回りに反転している間(T10)にAVCに係る電極駆動機構の動作が再びオン状態になり(T10’)、この時点(T11)で既にオシレート上進動作を開始している溶接トーチ8が、横向き開先Waの上側の開先壁Wubに再び接近すると、AVCにより溶接トーチ8が横向き開先Waから離間する方向に移動し、以降、上記と同様の各タイミング(T12,T13,T14,T15,…)で、倣い動作が行われ、このような倣い動作を複数パス行うことで、横向き開先Waに複数層の肉が盛られることとなる。
上記したように、この実施形態に係る倣い溶接方法では、上側被溶接物Wu及び下側被溶接物Wl間における横向き開先Waに沿って電極11をパスさせて1層ずつ積層するに際して、オシレート上進動作時のオシレート速度をオシレート下進動作時のオシレート速度よりも遅く設定すると共に、オシレート上進動作時のワイヤ送給速度をオシレート下進動作時のワイヤ送給速度よりも速く設定しているので、横向き開先Waの開先幅が広い場合であったとしても、重力の影響による溶融金属の垂れを防いで溶接欠陥の発生を抑えることが可能である。
図5は、上記倣い溶接装置1により一方の被溶接物Wz及び他方の被溶接物Wxを脚長が大きいすみ肉溶接により接合する際の電極11の動作を示している。この実施形態において、溝状溶接部とは入隅部Wdである。また、溝壁とは一方の被溶接物Wz及び他方の被溶接物Wxの各入隅部Wd側に位置する面である。
この実施形態では、先端が軸心に対して角度θをもって斜め切りされた電極11にオシレート動作を行わせると、図5(a)に実線で示すように、電極11の電極尖端11bがオシレート上進動作する電極11が進む側(図示左上側)に配置され、この状態で入隅部Wdの開先壁に相当する一方の被溶接物Wzに電極11が接近すると、図5(a)に二点鎖線で示すように、電極尖端11bから一方の被溶接物Wzまでの距離が短くなって、AVCにより電極11が入隅部Wdから離間する方向(図示矢印方向)に移動する。
そして、電極11の移動量が予め一方の被溶接物Wzに対して設定した閾値に達した時点で一方の被溶接物Wzを検出(認識)し、電極11を軸心回りに反転させる。この後、図5(b)に実線で示すように、電極11がそれまでとは逆方向(図示右下方向)へのオシレート下進動作を開始し、この状態で入隅部Wdの開先壁に相当する他方の被溶接物Wxに電極11が接近すると、図5(b)に二点鎖線で示すように、AVCにより電極11が入隅部Wdから離間する方向(図示矢印方向)に移動し、電極11の移動量が予め他方の被溶接物Wxに対して設定した閾値に達した時点で他方の被溶接物Wxを検出(認識)し、電極11を軸心回りに反転させる。
この実施形態においても、オシレート上進動作時のオシレート速度をオシレート下進動作時よりも遅く、そして、オシレート上進動作時のワイヤ送給速度をオシレート下進動作時よりも速く(ワイヤ供給量をオシレート下進動作時よりも多く)することで、オシレート上進動作時には、より多く供給されて溶けた溶接ワイヤ12の溶融金属を電極11とともによりゆっくり進むアークArによって持ち上げ得ることとなり、一方、オシレート下進動作時には、ワイヤ供給量が少なく制限された溶接ワイヤ12が溶けて成る少量の溶融金属をより素早く盛ることができ、その結果、オシレート上進動作時及びオシレート下進動作時のいずれの場合も重力の影響による溶融金属の垂れを防ぎ得ることとなる。
したがって、この実施形態に係る溶接方法では、一方の被溶接物Wz及び他方の被溶接物Wxを脚長が大きいすみ肉溶接により接合する場合であったとしても、いずれの被溶接物Wz,Wxも適正な位置ですみ肉溶接を行ってビードBを盛ることが可能である。
次に、本開示の他の実施形態に係る溶接方法について説明する。
この実施形態では、上記した倣い溶接装置1を用いて、電極11を横向き開先Waに沿って複数回移動させる複数パス毎に1層ずつ積層するようにしており、図6は、初層(B1,B2,BL)が盛られた横向き開先Waの拡大断面を示し、図7は、ビードB1,B2,BLを形成する際の電極11のオシレート動作を示している。
この実施形態の倣い溶接装置1の制御部10では、電極駆動機構によって電極11をオシレート動作させつつ走行部3により横向き開先Waに沿って移動させて横向き開先WaにビードB1,B2を盛る肉盛りパスの段階は、あらかじめ設定したオシレート動作の幅に基づく上端停止位置でオシレート上進動作を停止させると共に、電極11がAVCによって横向き開先Waから離間してあらかじめ設定した移動量に達したことで検出される下端停止位置でオシレート下進動作を停止させるように制御している。
また、この制御部10では、電極駆動機構によって電極11をオシレート動作させつつ走行部3により横向き開先Waに沿って移動させて肉盛りパスによる最上部のビードB2と横向き開先Waの上側の開先壁Wubとの間に最終のビードBLを盛る最終パスの段階は、電極11がAVCによって横向き開先Waから離間してあらかじめ設定した移動量に達したことで検出される上端停止位置及び下端停止位置でオシレート上進動作及びオシレート下進動作をそれぞれ停止させるように制御している。
そして、この実施形態の倣い溶接装置1の制御部10においても、1パスの間に行われる電極11のオシレート動作をオシレート上端停止時、オシレート上進動作時、オシレート下進動作時及びオシレート下端停止時の4つの状況に分離して、状況毎に溶接条件としてのオシレート速度、ワイヤ送給速度及び溶接電流を以下のように個別に設定している。
すなわち、オシレート上進動作時のオシレート速度をオシレート下進動作時のオシレート速度よりも速く設定(オシレート上進動作時間をオシレート下進動作時間よりも短く設定)しており、この実施形態では、オシレート上端停止時間とオシレート下端停止時間とを同じに設定している。
また、オシレート上進動作時のワイヤ送給速度をオシレート下進動作時のワイヤ送給速度よりもやや遅く設定すると共に、オシレート上端停止時のワイヤ送給速度をオシレート下端停止時のワイヤ送給速度よりも遅く設定しおり、この実施形態では、オシレート停止時のワイヤ送給速度及びオシレート動作時のワイヤ送給速度を同じに設定している。
さらに、オシレート上進動作時の溶接電流値をオシレート下進動作時の溶接電流値よりもやや低く設定すると共に、オシレート上端停止時の溶接電流値をオシレート下端停止時の溶接電流値よりも低く設定しおり、この実施形態では、オシレート停止時の溶接電流値及びオシレート動作時の溶接電流値を同じに設定している。
そこで、このような溶接条件により上側被溶接物Wu及び下側被溶接物Wl間の横向き開先Waに対して溶接を行う際の電極11の挙動(電極11を1パスさせてビードB1を盛る肉盛りパスの段階の挙動)を図8のタイムチャートに基づいて説明する。
まず、先端が軸心に対して角度θをもって斜め切りされた電極11を横向き開先Waに沿って所定速度で移動させつつオシレート上進動作を行わせ(TT1)、あらかじめ設定したオシレート動作の幅に基づく上端停止位置に電極11が到達すると、電極11はオシレート上進動作を止めて停止する(TT2)。
このオシレート上進動作時において、電極11の電極尖端11bは、下向きで且つ鉛直方向に対して僅かに角度をもった方向を向くようにしている。また、このオシレート上進動作には、溶接ワイヤ12が溶けて成る溶融金属と電極11との接触を回避するために、AVCに係る電極駆動機構の動作をオン状態にしている。
そして、電極11がオシレート上進動作を止めた時点(TT2)から所定時間TTiだけ停止させる。
この停止時において、時刻(TT3)から電極11が軸心回りに回転し始め、この電極11の電極尖端11bが鉛直方向を向く間(TT4)もAVCに係る電極駆動機構の動作はオン状態になっている。
電極11は、回転しながらそれまでとは逆方向へのオシレート下進動作を開始し(TT5)、図7(a)に示すように、この状態で横向き開先Waの下側の開先壁Wlbに電極11が接近してアークArが下側の開先壁Wlbに到達すると、AVCにより電極11が横向き開先Waから離間する方向に移動する。
そして、このAVCにより電極11が横向き開先Waから離間する方向に移動して、移動量が予め下側の開先壁Wlbに対して設定した閾値に達した時点(TT6)においてAVCに係る電極駆動機構の動作をオフにし、この下側の開先壁Wlb側近傍で電極11を所定時間TTiだけ停止させる。
下側の開先壁Wlb側での停止時間において、時刻(TT7)から電極11が軸心回りに回転し始め、この電極11の電極尖端11bが下向きで且つ鉛直方向に対して僅かに角度をもった方向を向く間(TT8)に、AVCに係る電極駆動機構の動作が再びオン状態になる(TT8’)。
電極11は、回転しながらそれまでとは逆方向へのオシレート上進動作を開始し(TT9)、この状態で、あらかじめ設定したオシレート動作の幅に基づく上端停止位置に再び電極11が到達すると、電極11はオシレート上進動作を止めて停止し(TT10)、以降、上記と同様の各タイミング(TT11,TT12,…)で倣い動作が行われて、下側の開先壁Wlb上にビードB1が形成される。
そして、このような倣い動作で形成されたビードB1に沿って、上記と同様にして電極11をパスさせることで、ビードB1上にビードB2が形成され、続いて、図7(b)に示すように、ビードB2と横向き開先Waの上側の開先壁Wubとの間に最終のビードBLを盛ることで、図6に示すように、横向き開先Waに3パス分のビードB1,B2,BLが盛られることとなる。
この最終ビードBLを盛る最終パスの段階のオシレート動作において、電極11がAVCによって横向き開先Waから離間してあらかじめ設定した移動量に達したことで検出される上端停止位置及び下端停止位置でオシレート上進動作及びオシレート下進動作をそれぞれ停止させるように制御している。
なお、ビードB1に対してビードB2を形成する際の溶接開始位置は、目視により任意に設定したり、ビードB1形成時の電極11の軌跡データに基づいて設定したり、カメラによる画像を処理して設定したりすることができる。
上記したように、この実施形態に係る倣い溶接方法において、電極11を横向き開先Waに沿って複数回移動させる複数パス毎に1層ずつ積層するようにしたうえで、電極11をオシレート動作させつつ横向き開先Waに沿って移動させて横向き開先WaにビードB1,B2を盛る肉盛りパスの段階では、あらかじめ設定したオシレート動作の幅に基づく上端停止位置でオシレート上進動作を停止させると共に、電極11がAVCによって横向き開先Waから離間してあらかじめ設定した移動量に達したことで検出される下端停止位置でオシレート下進動作を停止させるように制御している。
加えて、この実施形態に係る倣い溶接方法において、電極11をオシレート動作させつつ横向き開先Waに沿って移動させて肉盛りパスによる最上部のビードB2と横向き開先Waの上側の開先壁Wubとの間に最終のビードBLを盛る最終パスの段階では、電極11がAVCによって横向き開先Waから離間してあらかじめ設定した移動量に達したことで検出される上端停止位置及び下端停止位置でオシレート上進動作及びオシレート下進動作をそれぞれ停止させるように制御している。
つまり、電極11を複数パスさせる毎に1層ずつ積層する分だけ、電極11を1回パスさせる際のオシレート動作の幅を小さく設定し得ることとなり、したがって、横向き開先Waの開先幅が広い場合であったとしても、重力の影響による溶融金属の垂れを防いで溶接欠陥の発生を抑えることが可能である。
図9は、上記した他の実施形態に係る溶接方法により一方の被溶接物Wz及び他方の被溶接物Wxを脚長が大きいすみ肉溶接により接合する際の電極11の動作を示している。
この実施形態では、先端が軸心に対して角度θをもって斜め切りされた電極11にオシレート動作を行わせると、図9(a)に二点鎖線で示すように、電極11の電極尖端11bがオシレート下進動作する電極11が進む側(図示右下側)に配置され、この状態で入隅部Wdの開先壁に相当する他方の被溶接物Wxに電極11が接近すると、図9(a)に実線で示すように、電極尖端11bから他方の被溶接物Wxまでの距離が短くなって、AVCにより電極11が入隅部Wdから離間する方向(図示矢印方向)に移動する。
そして、電極11の移動量が予め他方の被溶接物Wxに対して設定した閾値に達した時点で他方の被溶接物Wxを検出(認識)し、電極11を軸心回りに反転させる。この後、図9(b)に示すように、電極11がそれまでとは逆方向(図示左上方向)へのオシレート上進動作を開始し、この状態で一方の被溶接物Wzに電極11が接近すると、電極尖端11bから一方の被溶接物Wzまでの距離が短くなって、AVCにより電極11が入隅部Wdから離間する方向に移動し、電極11の移動量が予め一方の被溶接物Wzに対して設定した閾値に達した時点で一方の被溶接物Wzを検出(認識)して停止する。
この倣い溶接では、電極11の最初のパスでビードB1(初層)が形成され、次で、ビードB1に沿って電極11をパスさせることで、ビードB1上にビードB2が形成され、続いて、このビードB2と入隅部Wdの一方の被溶接物Wzとの間に最終ビードBLを盛ることで、入隅部Wdに2層の肉が盛られることとなる。
したがって、この実施形態においても、電極11を2回パスさせて最終の層を盛るようにしている分だけ、電極11を1回パスさせる際のオシレート動作の幅を小さく設定し得ることとなり、したがって、入隅部Wdの脚長が大きい場合であったとしても、重力の影響による溶融金属の垂れを防いで溶接欠陥の発生を抑えることが可能である。
本開示に係る溶接方法及び溶接装置の構成は、上記した実施形態に限られるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
1 倣い溶接装置(溶接装置)
3 走行部
5 スタンド(電極駆動機構)
6 昇降部(電極駆動機構)
10 制御部
11,11A 電極(非消耗電極)
11b 電極尖端
12 溶接ワイヤ
15 フィーダ
Ar アーク
B,B1,B2,BL ビード
Wa 横向き開先(溝状溶接部)
Wd 入隅部(溝状溶接部)
Wu 上側被溶接物(一方の被溶接物)
Wub 一方の開先壁
Wl 下側被溶接物(他方の被溶接物)
Wlb 他方の開先壁
Wx 一方の被溶接物
Wz 他方の被溶接物

Claims (4)

  1. 斜め切りされて成る電極尖端を有し且つ一方の被溶接物及び他方の被溶接物間の溝状溶接部に接近離間する非消耗電極に前記溝状溶接部を横切るオシレート動作を行わせつつ、溶接箇所に溶接ワイヤを送給しながら該非消耗電極を前記溝状溶接部に沿って移動させて横向きアーク溶接を行うに際して、
    前記非消耗電極のオシレート動作の進行側に前記電極尖端を配置して、前記非消耗電極のアーク長自己制御作用を用い、
    前記非消耗電極を前記溝状溶接部に沿って1回移動させる1パス毎に1層ずつ積層する場合において、
    アーク長自己制御作用により前記溝状溶接部の一方の溝壁が検出されるまでのオシレート上進動作時のオシレート速度をアーク長自己制御作用により前記溝状溶接部の他方の溝壁が検出されるまでのオシレート下進動作時のオシレート速度よりも遅く設定すると共に、オシレート上進動作時の前記溶接ワイヤの送給速度をオシレート下進動作時の前記溶接ワイヤの送給速度よりも速く設定する溶接方法。
  2. 斜め切りされて成る電極尖端を有し且つ一方の被溶接物及び他方の被溶接物間の溝状溶接部に接近離間する非消耗電極に前記溝状溶接部を横切るオシレート動作を行わせつつ、溶接箇所に溶接ワイヤを送給しながら該非消耗電極を前記溝状溶接部に沿って移動させて横向きアーク溶接を行うに際して、
    前記非消耗電極のオシレート動作の進行側に前記電極尖端を配置して、前記非消耗電極のアーク長自己制御作用を用い、
    前記非消耗電極を前記溝状溶接部に沿って複数回移動させる複数パス毎に1層ずつ積層する場合において、
    前記非消耗電極をオシレート動作させつつ前記溝状溶接部に沿って移動させて前記溝状溶接部にビードを盛る肉盛りパスの段階は、オシレート上進動作の上端停止位置をあらかじめ設定したオシレート動作の幅に基づいて決定すると共に、前記非消耗電極がアーク長自己制御作用によって前記溝状溶接部から離間してあらかじめ設定した移動量に達したことでオシレート下進動作の下端停止位置を検出し、
    前記非消耗電極をオシレート動作させつつ前記溝状溶接部に沿って移動させて前記肉盛りパスによる最上部の前記ビードと前記溝状溶接部との間に最終ビードを盛る最終パスの段階は、前記非消耗電極がアーク長自己制御作用によって前記溝状溶接部から離間してあらかじめ設定した移動量に達したことで、オシレート上進動作の上端停止位置及びオシレート下進動作の下端停止位置を検出する溶接方法。
  3. 横向きアーク溶接を行う溶接装置であって、
    溶接により互いに接合される一方の被溶接物及び他方の被溶接物間の溝状溶接部に沿って移動する走行部と、
    斜め切りされた電極尖端を有する非消耗電極と、
    前記走行部に配置されて前記溝状溶接部を横切る方向に前記非消耗電極をオシレート動作させると共に、該非消耗電極を長手方向に沿って往復移動させて前記溝状溶接部に接近離間させる電極駆動機構と、
    前記非消耗電極を軸心回りに回転させる回転機構と、
    溶接箇所に溶接ワイヤを供給するフィーダと、
    前記電極駆動機構による前記非消耗電極のオシレート動作における進行側に前記電極尖端を配置するべく前記回転機構を制御すると共に、前記非消耗電極のアーク長自己制御作用による制御を行う制御部を備え、
    前記走行部によって前記非消耗電極を前記溝状溶接部に沿って1回移動させる1パス毎に1層ずつ積層する場合において、
    前記制御部は、アーク長自己制御作用により前記溝状溶接部の一方の溝壁が検出されるまでの前記電極駆動機構によるオシレート上進動作時のオシレート速度をアーク長自己制御作用により前記溝状溶接部の他方の溝壁が検出されるまでのオシレート下進動作時のオシレート速度よりも遅くするべく制御すると共に、オシレート上進動作時の前記フィーダによる前記溶接ワイヤの送給速度をオシレート下進動作時の前記フィーダによる前記溶接ワイヤの送給速度よりも速くするべく制御する溶接装置。
  4. 横向きアーク溶接を行う溶接装置であって、
    溶接により互いに接合される一方の被溶接物及び他方の被溶接物間の溝状溶接部に沿って移動する走行部と、
    斜め切りされた電極尖端を有する非消耗電極と、
    前記走行部に配置されて前記溝状溶接部を横切る方向に前記非消耗電極をオシレート動作させると共に、該非消耗電極を長手方向に沿って往復移動させて前記溝状溶接部に接近離間させる電極駆動機構と、
    前記非消耗電極を軸心回りに回転させる回転機構と、
    前記電極駆動機構による前記非消耗電極のオシレート動作における進行側に前記電極尖端を配置するべく前記回転機構を制御すると共に、前記非消耗電極のアーク長自己制御作用による制御を行う制御部を備え、
    前記走行部によって前記非消耗電極を前記溝状溶接部に沿って複数回移動させる複数パス毎に1層ずつ積層する場合において、
    前記制御部は、前記電極駆動機構によって前記非消耗電極をオシレート動作させつつ前記走行部により前記溝状溶接部に沿って移動させて前記溝状溶接部にビードを盛る肉盛りパスの段階は、あらかじめ設定したオシレート動作の幅に基づく上端停止位置でオシレート上進動作を停止させると共に、前記非消耗電極がアーク長自己制御作用によって前記溝状溶接部から離間してあらかじめ設定した移動量に達したことで検出される下端停止位置でオシレート下進動作を停止させ、
    前記電極駆動機構によって前記非消耗電極をオシレート動作させつつ前記走行部により前記溝状溶接部に沿って移動させて前記肉盛りパスによる最上部の前記ビードと前記溝状溶接部との間に最終ビードを盛る最終パスの段階は、前記非消耗電極がアーク長自己制御作用によって前記溝状溶接部から離間してあらかじめ設定した移動量に達したことで検出される上端停止位置及び下端停止位置でオシレート上進動作及びオシレート下進動作をそれぞれ停止させる溶接装置。
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