JP2018075583A - 溶接装置及び溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】一対の開先壁の各溶融状況が異なる場合であったとしても、溶接線に沿って倣い溶接を行い得る溶接装置及び溶接方法を提供する。
【解決手段】電極尖端11bを有する電極11と、被溶接物Wn,Ws間の開先Waを横切る方向への電極11の往復移動及び開先Waに接近離間する方向の電極11の往復移動をさせる電極駆動機構と、電極11を回転させる回転機構と、電極11の開先横断動作の進行側に電極尖端11bを配置する回転機構の制御及び電極11のAVCを行う制御部10を備え、制御部10には、開先Waの開先壁Wnb,Wsb側の各々でAVCにより電極11を開先Waから離間する方向へ移動させる開先壁Wnb,Wsbの各溶接条件と、電極11の移動量が達することで電極11に逆方向へ向かわせる開先壁Wnb,Wsbの各閾値が設定されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、非消耗電極を用いた溶接装置及び溶接方法に関するものであり、一方の被溶接物及び他方の被溶接物間の溝状溶接部(溶接線)を自動的に検出して倣う機能(ロボット溶接に定義される「溶接線自動倣い」に類する機能)を有する溶接装置及び溶接方法に関するものである。
上記した非消耗電極を用いるTIG溶接やプラズマ溶接は、アークが安定しているため、アークセンサを用いた倣い溶接の場合には、形状の整った品質良好な溶接ビードを得ることができる。
従来、上記した非消耗電極を用いた溶接装置(TIG溶接装置)としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1に記載された開先倣い溶接装置は、先端が斜め切りされてアークを偏向可能とした電極を有する溶接トーチと、電極を軸心回りに回転させる回転機構と、溶接トーチにオシレート動作を行わせるオシレート機構と、制御部を備えている。この制御部では、AVC(Arc Voltage Control)を採用することで、溶接トーチの電極の斜め切りされた電極尖端と開先との距離(アーク長)を、一定に保つように制御している。
この開先倣い溶接装置では、オシレート動作する溶接トーチが進む側に常に電極尖端を配置している。そして、開先における開先壁の近傍において溶接トーチの電極尖端から開先までの距離が短くなった時点で、AVCによって溶接トーチを開先から離間する方向に移動させ、溶接トーチの移動量が設定した閾値に達した時点で開先壁と認識して、溶接トーチにそれまでとは逆方向へのオシレート動作を行わせるようになっている。
この開先倣い溶接装置においては、先端が斜め切りされてアークを偏向可能とした電極を用いたうえで、この電極の電極尖端がオシレート動作する溶接トーチの進行側に常に位置するようにしている。このようにすると、開先角度の小さい狭開先の倣い溶接中であったとしても、電極が開先壁に干渉するような事態の発生を回避することができる。
特開2015−024425号公報
ところが、上記した開先倣い溶接装置では、溶接により互いに接合される一方の被溶接物及び他方の被溶接物が同一の材料で且つ両者間の開先の開先角度が同じ場合を想定している。つまり、開先のいずれの開先壁も確実に認識することができるものの、一方の被溶接物及び他方の被溶接物の各融点や開先角度の違いによる濡れ性等の溶融状況が異なる場合には、開先壁として認識する位置も異なる。このように、開先壁として認識する位置が異なる場合には、電極が開先壁に近付き過ぎて接触したり、開先壁から離れすぎて溶接不良になったりしてしまう。
本発明は、上記したような従来の課題を解決するためになされたもので、例えば、開先倣い溶接において、一対の開先壁における各溶融状況が異なる場合であったとしても、いずれの開先壁でも適正な位置で倣い溶接を行うことが可能な溶接装置及び溶接方法を提供することを目的としている。
本発明の第1の態様は、斜め切りされた電極尖端を有する棒状の非消耗電極と、溶接により互いに接合される一方の被溶接物及び他方の被溶接物間の溝状溶接部を横切る方向に前記非消耗電極を往復移動させると共に、該非消耗電極を長手方向に沿って往復移動させて前記溝状溶接部に接近離間させる電極駆動機構と、前記非消耗電極を軸心回りに回転させる回転機構と、前記電極駆動機構による前記非消耗電極の前記溝状溶接部を横切る方向の往復移動における進行側に前記電極尖端を配置するべく前記回転機構を制御すると共に、前記非消耗電極のAVCを行う制御部を備え、前記制御部には、前記溝状溶接部を横切る方向に移動する前記非消耗電極が前記溝状溶接部の一方の溝壁側及び他方の溝壁側のそれぞれに接近した状態で前記AVCにより前記非消耗電極を該非消耗電極の長手方向に沿って前記溝状溶接部から離間する方向へ移動させる前記一方の溝壁及び他方の溝壁の各々の溶接条件と、前記非消耗電極の移動量が達することで前記非消耗電極にそれまでとは逆方向の溝壁に向かう動作を行わせる前記一方の溝壁及び他方の溝壁の各々の閾値とが設定されている構成としている。
本発明の第2の態様は、前記一方の被溶接物及び他方の被溶接物が互いに異なる種類の金属である構成としている。
本発明の第3の態様は、前記溝状溶接部内において、前記電極駆動機構による前記非消耗電極の該溝状溶接部を横切る方向の往復移動を行い得ない場合には、前記非消耗電極の前記回転機構による回転及び前記電極駆動機構による該非消耗電極の長手方向に沿う方向の前記溝状溶接部に接近離間する往復移動のみが行われる構成としている。
本発明の第4の態様において、前記溝状溶接部の一方の溝壁及び他方の溝壁は、互いに上下の位置関係を成している、又は、上下の位置関係を成す溝壁部分をそれぞれ含んでいる構成としている。
本発明の第5の態様は、前記溝状溶接部の一方の溝壁及び他方の溝壁の溝底に対する各角度が互いに異なっている構成としている。
本発明の第6の態様において、前記一方の被溶接物及び他方の被溶接物はすみ肉溶接により互いに接合され、前記溝状溶接部は前記一方の被溶接物及び他方の被溶接物間に形成される入隅部である構成としている。
一方、本発明の第7の態様は、斜め切りされた棒状の電極尖端を有する非消耗電極を、溶接により互いに接合される一方の被溶接物及び他方の被溶接物間の溝状溶接部を横切る方向に往復移動させると共に該非消耗電極を長手方向に沿って往復移動させて前記溝状溶接部に接近離間させるに際して、前記非消耗電極の前記溝状溶接部を横切る方向の往復移動における進行側に前記電極尖端を配置すると共に、前記非消耗電極のAVCを行い、前記溝状溶接部を横切る方向に移動する前記非消耗電極が前記溝状溶接部の一方の溝壁に接近した段階で、該一方の溝壁に対して設定した溶接条件に基づいて前記AVCにより前記非消耗電極を該非消耗電極の長手方向に沿って前記溝状溶接部から離間する方向へ移動させて、前記非消耗電極の移動量が前記一方の溝壁に設定した閾値に達したところで前記非消耗電極に前記他方の溝壁に向かう動作を行わせ、前記溝状溶接部を横切る方向に移動する前記非消耗電極が前記溝状溶接部の他方の溝壁に接近した段階で、該他方の溝壁に対して前記一方の溝壁とは別に設定した溶接条件に基づいて前記AVCにより前記非消耗電極を該非消耗電極の長手方向に沿って前記溝状溶接部から離間する方向へ移動させて、前記非消耗電極の移動量が前記他方の溝壁に前記一方の溝壁とは別に設定した閾値に達したところで前記非消耗電極に前記一方の溝壁に向かう動作を行わせる構成としている。
本発明に係る溶接装置によれば、例えば、開先倣い溶接において、一対の開先壁における各溶融状況が異なる場合であったとしても、いずれの開先壁でも適正な位置で倣い溶接を行うことが可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。
本発明の一実施形態に係る溶接装置の概略構成説明図(a)及び溶接装置で使用する電極の他の形態例を示す拡大側面説明図(b),拡大正面説明図(c)である。 図1の溶接装置により互いに異なる種類の金属である被溶接物間の開先に対して倣い溶接を行う際の電極のオシレート動作を示す開先の拡大断面説明図(a),(b)である。 図2(a),(b)にそれぞれ対応する開先の部分拡大平面説明図(a),(b)である。 図1の溶接装置による開先倣い溶接のタイムチャートである。 本発明の他の実施形態に係る溶接装置により一方の被溶接物及び他方の被溶接物間の狭開先に対して倣い溶接を行う際の電極の動作を示す開先の拡大断面説明図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る溶接装置により一方の被溶接物及び他方の被溶接物間の横向の開先に対して倣い溶接を行う際の電極の動作を示す開先の拡大断面説明図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る溶接装置により一方の被溶接物及び他方の被溶接物間の開先壁の各角度が互いに異なっている開先に対して倣い溶接を行う際の電極の動作を示す開先の拡大断面説明図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る溶接装置により一方の被溶接物及び他方の被溶接物を脚長が大きいすみ肉溶接により接合する際の電極の動作を示す拡大断面説明図(a),(b)である。 本発明のさらに他の実施形態に係る溶接装置により一方の被溶接物及び他方の被溶接物を脚長が小さいすみ肉溶接により接合する際の電極の動作を示す拡大断面説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図4は、本発明の一実施形態に係る溶接装置を示している。この実施形態では、互いに種類(融点)の異なるNi基合金鋼及びSUSの倣い溶接に本発明に係る溶接装置及び溶接方法を採用した場合を示しており、この実施形態では、下向姿勢で且つ一対の開先壁(溝壁)の各開先角度が等しい開先に対して倣い溶接を行う場合を示している。
図1(a)に示すように、自動TIG溶接装置である倣い溶接装置1は、一方の被溶接物(Ni基合金鋼)Wn及び他方の被溶接物(SUS)Ws間の開先(溝状溶接部)Waに沿って配置されたレール2上を移動する走行部3と、この走行部3に配置された上下方向の縦ガイド4に沿って上下動する昇降部5と、この昇降部5に開先Waを横切る方向に配置された横ガイド6に沿って移動するスライダ7と、このスライダ7に支持される溶接トーチ8と、この溶接トーチ8及び被溶接物Wn,Wsに接続する溶接電源9と、制御部10を備えているほか、後述する制御部10のAVCに必要な溶接トーチ8の軸心方向の変化量を計測するための図示しないポテンショメータが備えられている。なお、倣い溶接装置1は、自動TIG溶接装置であることに限定されることはなく、プラズマ溶接装置であってもよい。
溶接トーチ8の先端部に位置する円柱状のタングステン製の電極11は、図1の拡大円内に示すように、その先端が軸心に対してθの角度をもって斜め切りされており、カット面11aの下端を電極尖端11bとしていて、アークArが真下ではなくカット面11aに沿うようにして偏向するようになっている。
なお、溶接トーチ8の先端部に配置する電極として、図1(b),(c)に示すように、先端を斜め切りしたうえでV字状にカットして成る2つのカット面11c,11cを有する電極11Aを採用してもよい。
ここで、先端が斜め切りされた電極11のカット面11aの軸心に対する角度θは、このカット面11aの下端に位置する電極尖端11bから発生するアークArの指向性及び集中性を考慮して設定され、30°〜60°とすることが望ましく、45°とすることがより望ましい。
なお、図1における符号12は溶接ワイヤであり、符号13はワイヤホルダである。
この実施形態において、上下方向の縦ガイド4に沿って上下動する昇降部5及び横ガイド6に沿って移動するスライダ7で電極駆動機構が構成され、スライダ7には、溶接トーチ8とともに円柱状のタングステン製の電極11を軸心回りに回転させる回転機構が内蔵されている。
この際、図3に示すように、先端が斜め切りされた電極11は、アークArの開先壁Wnb,Wsbへの指向性及び溶接ワイヤ12の溶融性を確保するために、開先Waに沿う方向に対して角度αで回転させておく必要があり、この回転角度αは、15°〜45°とすることが望ましく、30°とすることがより望ましい。但し、溶接ワイヤ12をアークArの位置に調整して供給し得る機構を装備することができる場合には、回転角度αを開先壁Wnb,Wsbの検出性が上がる45°〜90°にしてもよい。
制御部10は、走行部3に速度指令を与えて、被溶接物Wn,Ws間の開先Waに対する溶接トーチ8の溶接速度を制御すると共に、電極駆動機構を構成する昇降部5及びスライダ7のそれぞれに指令を与えて、開先Waに沿って移動する溶接トーチ8に開先Waを横切る方向のオシレート動作を行わせるようになっている。
また、制御部10は、図2に示すように、電極駆動機構の作動によってオシレート動作する溶接トーチ8が進む側(矢印方向側)に常に電極11の電極尖端11bを位置させるべく回転機構を制御するようになっている。
さらに、制御部10において、開先倣いの制御には、アークArの長さ(溶接トーチ8の高さ)を一定にするAVC(Arc Voltage Control)を採用している。
このAVCは、アークArの長さによってTIG溶接やプラズマ溶接におけるアーク電圧が変化することを利用したものである。つまり、電極11の電極尖端11bと被溶接物Wn,Wsとの距離(アークArの長さ)が短くなって測定アーク電圧が基準電圧よりも低くなった時は、溶接トーチ8を上昇させてアーク電圧を大きくし、一方、電極11の電極尖端11bと被溶接物Wn,Wsとの距離が長くなって測定アーク電圧が基準電圧よりも高くなった時は、溶接トーチ8を下降させてアーク電圧を小さくすることで、溶接トーチ8の高さを一定に保つようにしている。
具体的には、図2(a)に示すように、オシレート動作する溶接トーチ8が開先Waにおける一方の開先壁Wnb(或いは他方の開先壁Wsb)に接近して、アークArの発生位置が電極尖端11bと開先底Wcとの距離hから、電極尖端11bと開先壁Wnb(或いは他方の開先壁Wsb)との距離h1に転じた段階で、一方の開先壁Wnb(或いは他方の開先壁Wsb)に対して設定した溶接条件に基づいて溶接トーチ8を電極11の長手方向に沿って開先Waから離間する方向(図2(a)上方向)へ移動させるべく電極駆動機構を制御するようになっている。
そして、この制御部10では、AVCによる溶接トーチ8の移動量が予め一方の開先壁Wnb(或いは他方の開先壁Wsb)に設定した閾値に達したところで回転機構を動作させて電極11を軸心回りに反転させて、図2(b)に示すように、溶接トーチ8にそれまでとは逆方向へのオシレート動作を行わせるべく制御するようになっている。
上記一方の開先壁Wnb及び他方の開先壁Wsbに対する溶接条件及び閾値は、溶接性が保たれる範囲で開先壁検出性を最大限高め得るように各開先壁Wnb,Wsb毎に個別に設定される。ここで、溶接条件とは、溶接結果、すなわち、溶接性としての溶接品質及び施工裕度を左右する条件パラメータのことであり、一方、開先壁検出性とは開先壁Wnb,Wsbを素早くそして確実に検出する能力のことである。
つまり、一方の開先壁Wnb及び他方の開先壁Wsbに対する溶接条件及び閾値は、優れた溶接品質を維持しつつ効率の向上も図るべく各開先壁Wnb,Wsb毎に個別に設定され、この溶接条件及び閾値が好適に設定される場合には倣い溶接が可能になり、初心者による溶接や自動化された溶接においても溶接品質が確保される。
一方の開先壁Wnb及び他方の開先壁Wsbに対する溶接条件としては、電極尖端11bを有する電極11の回転角度αや、溶接電流の大きさや、アーク電圧や、溶接ワイヤ12の送給速度や、電極11の停止時間等をパラメータとして含んでいる。
なお、一方の開先壁Wnb及び他方の開先壁Wsbにおいて互いに異なる溶接条件にするには、ここに列挙したパラメータのうちのいずれか1つをパラメータとしてもよいし、すべてをパラメータとしてもよい。また、ここに列挙したパラメータ以外のパラメータを用いてもよい。
電極11の回転角度αは、上述したように、溶接ワイヤ12をアークArの位置に調整して供給し得るのであれば90°に設定してもよい。
溶接電流は、この実施形態のように、一方の被溶接物Wn及び他方の被溶接物Wsが互いに異種金属であり、開先壁Wnb,Wsbの開先角度が同じ場合において、一方の開先壁Wnb及び他方の開先壁Wsbのうちの溶けにくい側(この場合は他方の開先壁Wsb側)において電流値を高めて入熱を多くする。
この際、一方の開先壁Wnb及び他方の開先壁Wsbのうちの溶け易い側(この場合は一方の開先壁Wnb側)においてアーク電圧を高めたり、溶接電流値を下げたりしてもよい。但し、溶接電流値を下げる場合には、一方の開先壁Wnb及び他方の開先壁Wsbへの入熱が減らないように、ワイヤ送給速度を下げる必要がある。また、アークArの長さの調整には、これと比例するアーク電圧を用いる。
ワイヤ送給速度は、この実施形態のように、一方の被溶接物Wn及び他方の被溶接物Wsが互いに異種金属であり、開先壁Wnb,Wsbの開先角度が同じ場合において、いずれの開先壁Wnb,Wsbで等しく設定し、開先壁Wnb,Wsbの開先角度が異なる場合において、溶接ビードの側縁の形状が一方の開先壁Wnb側及び他方の開先壁Wsb側で同じになるように違えて設定するのに加えて、溶接電流及びアーク電圧も調整する。
なお、一方の被溶接物及び他方の被溶接物が同じ種類の金属であり、各開先壁の開先角度が異なる場合は、ワイヤ送給速度のみ調整する。
また、一方の開先壁Wnb及び他方の開先壁Wsbに対する閾値は、この実施形態のように、一方の被溶接物Wn及び他方の被溶接物Wsが異種金属であり、開先壁Wnb,Wsbの開先角度が同じ場合において、いずれの開先壁Wnb,Wsbで同等に設定する。
なお、開先壁Wnb,Wsbで閾値をそれぞれ変える場合、開先壁Wnbに溶接トーチ8が進む際には、開先壁Wnbに設定された閾値が選択され、開先壁Wsbに溶接トーチ8が進む際には、開先壁Wsbに設定された閾値が選択される。
そこで、このような構成を成す倣い溶接装置1により互いに異種金属である一方の被溶接物Wn及び他方の被溶接物Ws間の開先Waに対して倣い溶接を行う際の電極11の挙動を図4のタイムチャートに基づいて説明する。
まず、先端が軸心に対して角度θをもって斜め切りされた電極11を有する溶接トーチ8を開先Waに沿って所定速度で移動させつつオシレート動作を行わせると(T1)、図2(a)及び図3(a)に示すように、電極11の電極尖端11bが制御部10によりオシレート動作する溶接トーチ8が進む側(図示左側)に配置される。
この状態で開先Waの開先壁Wnbに溶接トーチ8が接近すると、図2(a)及び図3(a)に一点鎖線で示すように、アークArの発生位置が電極尖端11bと開先底Wcとの距離hから電極尖端11bと開先壁Wnbとの距離h1に転じて、すなわち、電極尖端11bから開先Waまでの距離が短くなって、一方の開先壁Wnbに対して設定した溶接条件に基づいて、溶接トーチ8を開先Waから離間する方向(この実施形態では上方向)に移動させるAVCが行われる。
そして、このAVCにより溶接トーチ8が上昇して、移動量が予め一方の開先壁Wnbに対して設定した閾値h2に達した時点(T2)において、AVCにより溶接トーチ8が上昇し続けるのを防ぐためにAVCをオフにし、溶接品質を確保すると共にビード形状を盛り上がりのない良好な形状にするために、上記溶接条件に基づいて溶接電流値を抑えた状態で一方の開先壁Wnb近傍において溶接トーチ8を所定時間停止させる(T3)。
なお、この実施形態では、溶接条件のパラメータとして溶接電流値を採用しているが、これは一例であり、溶接条件のパラメータとして溶接電流値とは異なる項目を採用してもよい。
一方の開先壁Wnb側での停止時間が終了すると、電極11が軸心回りに反転し(T4)、この電極11が軸心回りに反転している間にAVCが再びオン状態になる(T4’)。
溶接トーチ8は、電極11が反転し終わった時点(T5)から、図2(b)及び図3(b)に二点鎖線で示すように、それまでとは逆方向へのオシレート動作を開始し(T6)、この状態で開先Waの開先壁Wsbに溶接トーチ8が接近してアークArが開先壁Wsbに到達すると、他方の開先壁Wsbに対して設定した溶接条件に基づいて、溶接トーチ8を開先Waから離間する方向に移動させるAVCが行われる。
そして、このAVCにより溶接トーチ8が上昇して、移動量が予め他方の開先壁Wsbに対して設定した閾値に達した時点(T7)においAVCをオフにし、この他方の開先壁Wsb側では、一方の開先壁Wnb側とは異なり、溶接条件に基づいて溶接電流値を高めた状態で溶接トーチ8を所定時間停止させる(T8)。
他方の開先壁Wsb側での停止時間が終了すると、電極11が軸心回りに反転し(T9)、この電極11が軸心回りに反転している間にAVCが再びオン状態になる(T9’)。
溶接トーチ8は、電極11が反転し終わった時点(T10)から、それまでとは逆方向へのオシレート動作を開始し(T11)、この状態で開先Waの一方の開先壁Wnbに溶接トーチ8が再び接近すると、一方の開先壁Wnbに対して設定した溶接条件に基づいて、溶接トーチ8を開先Waから離間する方向に移動させるAVCが行われ、以降、上記と同様の各タイミング(T12,T13,T14,…)で、倣い動作が行われる。
上記したように、この実施形態に係る倣い溶接装置1では、一方の被溶接物Wn及び他方の被溶接物Ws間における開先Waの一方の開先壁Wnb及び他方の開先壁Wsbのそれぞれにおいて、溶接条件及び電極11のAVCによる移動量の閾値を個別に設定するようにしているので(この実施形態において開先壁Wnb,Wsbで閾値は同等)、互いに異種金属である一方の被溶接物Wn及び他方の被溶接物Wsのように、一方の開先壁Wnb及び他方の開先壁Wsbでの各溶融状況が異なる場合であったとしても、いずれの開先壁Wnb,Wsbも適正な位置で倣い溶接を行うことが可能である。
また、この実施形態に係る倣い溶接装置1によれば、Ni基合金鋼と低合金鋼とを接合することができるため、例えば、従来はNi基合金鋼同士の接合としていた構造を、Ni基合金鋼と低合金鋼とを接合する構造にすることができる。したがって、Ni基合金鋼等の高価な材料の使用量を減じて、コストダウンを図ることができる。
図5は、上記倣い溶接装置1により一方の被溶接物Wn及び他方の被溶接物Ws間の開先Waに対して倣い溶接を行う際の電極11の動作を示している。
一方の被溶接物Wn及び他方の被溶接物Ws間の開先Waは、その内部において電極駆動機構による電極11の開先幅方向の往復移動(オシレート動作)を行い得ない、いわゆる狭開先Waである。このような狭開先Waに対する倣い溶接装置1による倣い溶接は、電極11の回転機構による回転及び電極駆動機構による狭開先Waに接近離間する方向(図示上下方向)の往復移動のみが行われる。
すなわち、回転機構により電極11を二点鎖線で示す状態から実線(或いは一点鎖線)で示す状態に回転させて、その電極尖端11bを一方の開先壁Wnb側(或いは他方の開先壁Wsb側)に配置すると、アークArの発生位置が電極尖端11bと開先底Wcとの距離hから電極尖端11bと開先壁Wnbとの距離h1に転じて、すなわち、電極尖端11bから開先Waまでの距離(アーク長)が短くなって、一方の開先壁Wnb(或いは他方の開先壁Wsb)に対して設定した溶接条件に基づいて、溶接トーチ8を開先Waから離間する方向に移動させるAVCが行われる。
そして、このAVCにより溶接トーチ8が上昇して、移動量が予め一方の開先壁Wnb(或いは他方の開先壁Wsb)に対して設定した閾値h2に達した時点で一方の開先壁Wnb(或いは他方の開先壁Wsb)を検出(認識)し、電極11を軸心回りに反転させる。
したがって、この実施形態においても、互いに異種金属である一方の被溶接物Wn及び他方の被溶接物Ws間における、いわゆる狭開先Waの一方の開先壁Wnb及び他方の開先壁Wsbでの各溶融状況が異なる場合であったとしても、いずれの開先壁Wnb,Wsbも適正な位置で倣い溶接を行うことが可能である。
図6は、上記倣い溶接装置1により一方の被溶接物W及び他方の被溶接物W間における横向の開先Waの開先壁Wb,Wb、すなわち、互いに上下の位置関係を成す開先壁Wb,Wbに対して倣い溶接を行う際の電極11の動作を示している。
この実施形態では、先端が軸心に対して角度θをもって斜め切りされた電極11を有する溶接トーチ8にオシレート動作を行わせると、電極11の電極尖端11bが制御部10によりオシレート動作する溶接トーチ8が進む側(図示上側)に配置され、この状態で開先Waの上側の開先壁Wbに溶接トーチ8が接近すると、図6に一点鎖線で示すように、アークArの発生位置が電極尖端11bと開先底Wcとの距離hから電極尖端11bと開先壁Wbとの距離h1に転じて、すなわち、電極尖端11bから開先Waまでの距離(アーク長)が短くなって、上側の開先壁Wbに対して設定した溶接条件に基づいて、溶接トーチ8を開先Waから離間する方向(この実施形態では右方向)に移動させるAVCが行われる。
そして、溶接トーチ8の移動量が予め上側の開先壁Wbに対して設定した閾値h2に達した時点で上側の開先壁Wbを検出(認識)し、電極11を軸心回りに反転させる。この後、溶接トーチ8がそれまでとは逆方向へのオシレート動作を開始し、この状態で開先Waの下側の開先壁Wbに溶接トーチ8が接近すると、下側の開先壁Wbに対して設定した溶接条件に基づいて、溶接トーチ8を開先Waから離間する方向に移動させるAVCが行われ、溶接トーチ8の移動量が予め下側の開先壁Wbに対して設定した閾値に達した時点で下側の開先壁Wbを検出(認識)し、電極11を軸心回りに反転させる。
したがって、この実施形態では、被溶接物W,W間の横向の開先Waにおける上側の開先壁Wb及び下側の開先壁Wbのように、重力の影響で溶融金属の垂れ方(溶融状況)が異なる場合であったとしても、いずれの開先壁Wb,Wbも適正な位置で倣い溶接を行うことが可能である。
図7は、上記倣い溶接装置1により一方の被溶接物Wn及び他方の被溶接物Ws間の開先壁Wnb,Wsbの各角度が互いに異なっている開先Waに対して倣い溶接を行う際の電極11の動作を示している。
この実施形態では、先端が軸心に対して角度θをもって斜め切りされた電極11を有する溶接トーチ8にオシレート動作を行わせると、図7に実線で示すように、電極11の電極尖端11bが制御部10によりオシレート動作する溶接トーチ8が進む側(図示左側)に配置され、この状態で開先Waの一方の開先壁Wnbに溶接トーチ8が接近すると、図7に一点鎖線で示すように、アークArの発生位置が電極尖端11bと開先底Wcとの距離hから電極尖端11bと開先壁Wnbとの距離h1に転じて、すなわち、電極尖端11bから開先Waまでの距離(アーク長)が短くなって、一方の開先壁Wnbに対して設定した溶接条件に基づいて、溶接トーチ8を開先Waから離間する方向(この実施形態では上方向)に移動させるAVCが行われる。
そして、溶接トーチ8の移動量が予め一方の開先壁Wnbに対して設定した閾値h2に達した時点で一方の開先壁Wnbを検出(認識)し、電極11を軸心回りに反転させる。この後、溶接トーチ8がそれまでとは逆方向へのオシレート動作を開始し、この状態で開先Waの一方の開先壁Wnbとは開先角度が異なる他方の開先壁Wsbに溶接トーチ8が接近すると、図7に二点鎖線で示すように、アークArの発生位置が電極尖端11bと開先底Wcとの距離hから電極尖端11bと開先壁Wsbとの距離h1に転じて、他方の開先壁Wsbに対して設定した溶接条件に基づいて、溶接トーチ8を開先Waから離間する方向に移動させるAVCが行われ、溶接トーチ8の移動量が予め他方の開先壁Wsbに対して設定した閾値h2に達した時点で他方の開先壁Wsbを検出(認識)し、電極11を軸心回りに反転させる。
したがって、この実施形態では、一方の被溶接物Wn及び他方の被溶接物Ws間における開先壁Wnb,Wsbの各角度が互いに異なっている(溶融状況が異なっている)場合であったとしても、いずれの開先壁Wnb,Wsbも適正な位置で倣い溶接を行うことが可能である。
上記した実施形態では、本発明に係る溶接装置及び溶接方法を突き合わせ溶接に用いた場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、図8に示すように、すみ肉溶接にも用いることができる。
図8は、上記倣い溶接装置1により一方の被溶接物Wz及び他方の被溶接物Wxを脚長が大きいすみ肉溶接により接合する際の電極11の動作を示している。この実施形態において、溝状溶接部とは入隅部Wdである。また、溝壁とは一方の被溶接物Wz及び他方の被溶接物Wxの各入隅部Wd側に位置する面である。
この実施形態では、先端が軸心に対して角度θをもって斜め切りされた電極11にオシレート動作を行わせると、図8(a)に実線で示すように、電極11の電極尖端11bがオシレート動作する電極11が進む側(図示左上側)に配置され、この状態で入隅部Wdの開先壁に相当する一方の被溶接物Wzに電極11が接近してアークArの発生位置が電極尖端11bと他方の被溶接物Wxとの距離hから、電極尖端11bと一方の被溶接物Wzとの距離h1に転じると、図8(a)に二点鎖線で示すように、電極尖端11bから一方の被溶接物Wzまでの距離が短くなって、一方の被溶接物Wzに対して設定した溶接条件に基づいて、電極11を入隅部Wdから離間する方向(図示矢印方向)に移動させるAVCが行われる。
そして、電極11の移動量が予め一方の被溶接物Wzに対して設定した閾値に達した時点で一方の被溶接物Wzを検出(認識)し、電極11を軸心回りに反転させる。この後、図8(b)に実線で示すように、電極11がそれまでとは逆方向(図示右下方向)へのオシレート動作を開始し、この状態で入隅部Wdの開先壁に相当する他方の被溶接物Wxに電極11が接近すると、図8(b)に二点鎖線で示すように、他方の被溶接物Wxに対して設定した溶接条件に基づいて、電極11を入隅部Wdから離間する方向(図示矢印方向)に移動させるAVCが行われ、電極11の移動量が予め他方の被溶接物Wxに対して設定した閾値に達した時点で他方の被溶接物Wxを検出(認識)し、電極11を軸心回りに反転させる。
したがって、この実施形態では、一方の被溶接物Wz及び他方の被溶接物Wxを脚長が大きいすみ肉溶接により接合する場合であったとしても、いずれの被溶接物Wz,Wxも適正な位置ですみ肉溶接を行うことが可能である。
ここで、上記倣い溶接装置1により一方の被溶接物Wz及び他方の被溶接物Wxを脚長が小さいすみ肉溶接により接合する場合は、図9に示すように、電極11を二点鎖線で示す状態から実線(或いは一点鎖線)で示す状態に回転させて、その電極尖端11bを一方の被溶接物Wz側(或いは他方の被溶接物Wx側)に配置すると、アークArの発生位置が電極尖端11bと他方の被溶接物Wxとの距離hから電極尖端11bと一方の被溶接物Wzとの距離h1に転じて、すなわち、電極尖端11bから一方の被溶接物Wzまでの距離(アーク長)が短くなって、一方の被溶接物Wz(或いは他方の被溶接物Wx)に対して設定した溶接条件に基づいて、電極11を入隅部Wdから離間する方向に移動させるAVCが行われる。
そして、このAVCにより電極11が上昇して、移動量が予め一方の被溶接物Wz(或いは他方の被溶接物Wx)に対して設定した閾値に達した時点で一方の被溶接物Wzを検出(認識)し、電極11を軸心回りに反転させる。
したがって、この実施形態では、一方の被溶接物Wz及び他方の被溶接物Wxを脚長が小さいすみ肉溶接により接合する場合であったとしても、いずれの被溶接物Wz,Wxも適正な位置ですみ肉溶接を行うことが可能である。
上記した図8,9の実施形態に係る倣い溶接装置1によれば、すみ肉溶接において、一方の被溶接物の溝壁における溶融状況と、他方の被溶接物の溝壁における溶融状況とが互いに異なる場合であっても、いずれも適正な位置ですみ肉溶接を行うことが可能である。
本発明に係る溶接装置及び溶接方法の構成は、上記した実施形態に限られるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
また、本発明に係る溶接装置及び溶接方法が適用される溶接姿勢は、上述した下向姿勢や横向姿勢の開先倣い溶接だけでなく、立向姿勢及び上向姿勢の各開先倣い溶接にも適用可能であり、例えば、管の全周にわたって開先倣い溶接を行う全姿勢の開先倣い溶接や、溝状溶接部の一方の溝壁及び他方の溝壁が上下の位置関係を成す溝壁部分をそれぞれ含んでいるような傾斜した管の全周にわたって開先倣い溶接を行う全姿勢(AWS:6G姿勢)の開先倣い溶接にも適用可能である。
なお、上記した各実施形態では、一方の被溶接物Wn及び他方の被溶接物Wsがそれぞれ互いに種類の異なるNi基合金鋼及びSUSである場合を示したが、被溶接物に用いる金属の種類はこれらに限定されないのは言うまでもない。
1 倣い溶接装置(溶接装置)
5 昇降部(電極駆動機構)
7 スライダ(電極駆動機構)
10 制御部
11,11A 電極(非消耗電極)
11b 電極尖端
h2 閾値
W 被溶接物
Wa 開先(溝状溶接部)
Wb 開先壁(溝壁)
Wc 開先底(溝底)
Wd 入隅部(溝状溶接部)
Wn 一方の被溶接物(Ni基合金鋼)
Wnb 一方の開先壁(溝壁)
Ws 他方の被溶接物(SUS)
Wsb 他方の開先壁(溝壁)
Wx 一方の被溶接物
Wz 他方の被溶接物

Claims (7)

  1. 斜め切りされた電極尖端を有する棒状の非消耗電極と、
    溶接により互いに接合される一方の被溶接物及び他方の被溶接物間の溝状溶接部を横切る方向に前記非消耗電極を往復移動させると共に、該非消耗電極を長手方向に沿って往復移動させて前記溝状溶接部に接近離間させる電極駆動機構と、
    前記非消耗電極を軸心回りに回転させる回転機構と、
    前記電極駆動機構による前記非消耗電極の前記溝状溶接部を横切る方向の往復移動における進行側に前記電極尖端を配置するべく前記回転機構を制御すると共に、前記非消耗電極のAVCを行う制御部を備え、
    前記制御部には、前記溝状溶接部を横切る方向に移動する前記非消耗電極が前記溝状溶接部の一方の溝壁側及び他方の溝壁側のそれぞれに接近した状態で前記AVCにより前記非消耗電極を該非消耗電極の長手方向に沿って前記溝状溶接部から離間する方向へ移動させる前記一方の溝壁及び他方の溝壁の各々の溶接条件と、前記非消耗電極の移動量が達することで前記非消耗電極にそれまでとは逆方向の溝壁に向かう動作を行わせる前記一方の溝壁及び他方の溝壁の各々の閾値とが設定されている溶接装置。
  2. 前記一方の被溶接物及び他方の被溶接物が互いに異なる種類の金属である請求項1に記載の溶接装置。
  3. 前記溝状溶接部内において、前記電極駆動機構による前記非消耗電極の該溝状溶接部を横切る方向の往復移動を行い得ない場合には、前記非消耗電極の前記回転機構による回転及び前記電極駆動機構による該非消耗電極の長手方向に沿う方向の前記溝状溶接部に接近離間する往復移動のみが行われる請求項1又は2に記載の溶接装置。
  4. 前記溝状溶接部の一方の溝壁及び他方の溝壁は、互いに上下の位置関係を成している、又は、上下の位置関係を成す溝壁部分をそれぞれ含んでいる請求項1〜3のいずれか一つの項に記載の溶接装置。
  5. 前記溝状溶接部の一方の溝壁及び他方の溝壁の溝底に対する各角度が互いに異なっている請求項1又は2に記載の溶接装置。
  6. 前記一方の被溶接物及び他方の被溶接物はすみ肉溶接により互いに接合され、前記溝状溶接部は前記一方の被溶接物及び他方の被溶接物間に形成される入隅部である請求項1〜3のいずれか一つの項に記載の溶接装置。
  7. 斜め切りされた棒状の電極尖端を有する非消耗電極を、溶接により互いに接合される一方の被溶接物及び他方の被溶接物間の溝状溶接部を横切る方向に往復移動させると共に該非消耗電極を長手方向に沿って往復移動させて前記溝状溶接部に接近離間させるに際して、
    前記非消耗電極の前記溝状溶接部を横切る方向の往復移動における進行側に前記電極尖端を配置すると共に、前記非消耗電極のAVCを行い、前記溝状溶接部を横切る方向に移動する前記非消耗電極が前記溝状溶接部の一方の溝壁に接近した段階で、該一方の溝壁に対して設定した溶接条件に基づいて前記AVCにより前記非消耗電極を該非消耗電極の長手方向に沿って前記溝状溶接部から離間する方向へ移動させて、前記非消耗電極の移動量が前記一方の溝壁に設定した閾値に達したところで前記非消耗電極に前記他方の溝壁に向かう動作を行わせ、前記溝状溶接部を横切る方向に移動する前記非消耗電極が前記溝状溶接部の他方の溝壁に接近した段階で、該他方の溝壁に対して前記一方の溝壁とは別に設定した溶接条件に基づいて前記AVCにより前記非消耗電極を該非消耗電極の長手方向に沿って前記溝状溶接部から離間する方向へ移動させて、前記非消耗電極の移動量が前記他方の溝壁に前記一方の溝壁とは別に設定した閾値に達したところで前記非消耗電極に前記一方の溝壁に向かう動作を行わせる溶接方法。
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