JP2005021977A - 非消耗電極式アーク溶接方法および溶接装置 - Google Patents

非消耗電極式アーク溶接方法および溶接装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 耐外乱性が高く、メリハリのあるうろこビードが得られる非消耗電極式溶接法を提供すること。
【解決手段】 非消耗電極を溶接進行方向の左右方向にウィービングさせつつ溶加材を送給して行う非消耗電極式アーク溶接方法であって、非消耗電極の上記左右方向への往復移動と左右に往復移動せずにウィービングの中心線上を溶接進行方向に進行する移動とを繰り返し行い、非消耗電極の上記左右方向への往復移動中に、溶接電流値および溶加材送給速度のうちの少なくとも一方を増大することを特徴としている。
【選択図】 図3

Description

本発明は非消耗電極式アーク溶接方法および溶接装置に関する。さらに詳しくは、電極をウィービングさせつつ、これに併せて溶接の諸条件を変化させて行う非消耗電極式アーク溶接方法およびこの溶接方法を好適に実施しうる溶接装置に関する。
従来、ティグ溶接を行う際に、トーチのウィービング動作に合わせて溶接電流または溶加材送給速度を変更して良好な溶込みを確保せんとする方法が提案されている。
たとえば、トーチの位置がウィービングの左右両端近傍にあるときの溶接電流値を、ウィービングの中央部にあるときの溶接電流値の1.05倍〜1.31倍にする方法が提案されている(特許文献1)。また、トーチの位置がウィービングの左右両端近傍にあるときの溶加材送給速度を、ウィービングの中央部にあるときの溶加材送給速度の0.2倍〜0.9倍にする方法が提案されている(特許文献1)。これは、ティグ溶接ではウィービングの左右両端において母材に対する溶込みが不足しがちになるため、これを防止しようとするものである。
また、上下に配置された母材間を溶接姿勢を横向きとしてティグ溶接する際に、溶加材送給速度や溶接電流値を変化させる溶接法が提案されている(特許文献2)。すなわち、水平の溶接線に沿ってトーチを上下にウィービングさせるときに、下側領域での溶加材送給速度を減少させる制御、または、下側領域での溶接電流値を増大させる制御を行うものである。これは、重力の作用によって溶融金属が下側母材の開先側へ垂れ気味になり、下側母材の開先面が垂れた溶融金属によって覆われて溶込みが不足しがちになるため、これを防止しようとするものである。
一方、とくにアルミニウム(合金を含む)の溶接においては、溶接対象の母材同士のギャップ、重ねすみ肉溶接等では母材同士の重ね代、電極の狙い位置の変動等の外乱に対して良好な溶接継手を得ることが難しい。しかし、高度な耐外乱性(ロバスト性)を期待するうえで以上述べた従来技術は十分ではない。また、モーターサイクルのアルミ製フレームの溶接部は意匠性(メリハリのあるうろこビード)が要求されるが、上記従来技術ではこのような曲線状の溶接線の重ねすみ肉溶接に対してビードの意匠性と耐外乱性を両立させることは困難である。
特許第2698539号公報 特開平10−296438号公報
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、母材の重ね代の変動、母材同士のギャップの変動、狙い位置ずれの変動等の外乱があっても、良好な溶接品質を得ることができ、しかもメリハリのあるうろこ状の美麗なビードが得られる非消耗電極式アーク溶接方法および溶接装置を提供することを目的としている。
本発明の非消耗電極式アーク溶接方法は、
非消耗電極を溶接進行方向の左右方向にウィービングさせつつ溶加材を送給して行う非消耗電極式アーク溶接方法において、
非消耗電極の上記左右方向への往復移動と、左右に往復移動せずにウィービングの中心線上を溶接進行方向に進行する移動とを繰り返し行い、
非消耗電極の上記左右方向への往復移動中に、溶接電流値および溶加材送給速度のうちの少なくとも一方を増大することを特徴としている。
かかる溶接方法によれば、溶接電流値および/または溶加材送給量の多い領域と少ない領域とが生じる。その結果、溶着量および入熱の多い領域と少ない領域とが生じ、溶接中の溶融池の分断が無くなるとともに効果的に入熱低減がなされる。しかも、メリハリのあるうろこビードを得ることが可能となる。メリハリのあるうろこビードとは、溶接進行方向を横切るように形成されるほぼ円弧状のビードの山とそれらの間の谷とが明瞭に形成されるという意味である。換言すれば、この山と谷との高低差が大きくなっているとも言える。
非消耗電極を上記左右方向へ往復移動させるときの溶接進行方向の速度を、左右に往復移動せずにウィービングの中心線上を溶接進行方向に進行させるときの溶接進行方向の速度よりも小さくするのが好ましい。
この方法により、溶接進行方向の速度について低速領域(左右に往復移動する領域)と高速領域(左右に往復移動しない領域)とが生じる。これが、上記した溶接電流値および/または溶加材送給量の変化とほぼ一致することになる。その結果、溶接進行方向における単位長さ当たりの溶着量および入熱量の変化が大きくなり、上記溶融池の分断の解消および効果的な入熱低減がさらに促進される。
本発明の他の溶接方法は、
非消耗電極を溶接進行方向の左右方向にウィービングさせつつ溶加材を送給して行う非消耗電極式アーク溶接方法において、
非消耗電極をウィービングの中心線から左右非対称に移動させ、
非消耗電極がウィービングの中心線から左右方向に変位したときに、溶接電流値および溶加材送給速度のうちの少なくとも一方を増大することを特徴としている。
かかる溶接方法によれば、ウィービング中心線の左右に位置する母材同士の相違点、たとえば熱容量の相違や電極からの離間距離の相違などに応じ、溶接電流値および溶加材送給速度のうちの少なくとも一方を変化させることができるので、好適な溶接を行うことが可能となる。
上記非対称ウィービングの一つとして、非消耗電極が円を描きつつ溶接進行方向に進行するように移動させるのが好ましい。
本発明のさらに他の溶接方法は、
非消耗電極を溶接進行方向の左右方向にウィービングさせつつ溶加材を送給して行う非消耗電極式アーク溶接方法において、
非消耗電極を、円を描きつつ溶接進行方向に進行させることにより、ウィービング中にループを描くように移動させ、
非消耗電極が少なくとも上記ループ状に移動する領域において、その他の領域よりも溶接電流値および溶加材送給速度のうちの少なくとも一方を増大することを特徴としている。
かかる溶接法によっても、前述したと同様に、溶接電流値および/または溶加材送給量の多い領域と少ない領域とが生じる。その結果、溶着量および入熱の多い領域と少ない領域とが生じ、溶接中の溶融池の分断が無くなるとともに効果的に入熱低減がなされる。しかも、メリハリのあるうろこビードを得ることが可能となる。
本発明のさらに他の溶接方法は、
熱容量が相互に異なる母材同士を溶接するに際し、非消耗電極を溶接進行方向の左右方向にウィービングさせつつ溶加材を送給して行う非消耗電極式アーク溶接方法において、
非消耗電極が熱容量の大きい方の母材側にあるときには、熱容量の小さい方の母材側にあるときより溶接電流値が大きくなるようにすることを特徴としている。
このように母材の熱容量が異なれば溶けやすさが異なるが、母材の溶けやすさ(溶けにくさ)に応じて溶接電流値を変化させることにより、両母材の溶融量の不均一性を防止することが可能となり、良好な溶接結果が得られる。
上記「溶接電流値が大きくなるようにする」とは、一方の母材(溶けにくい母材)に対応して電流値を上げるように制御するのはもちろんのこと、他方の母材(溶けやすい母材)に対応して電流値を下げるように制御することをも意味している。要するに、電流値に相対的大小が生じるようにすることをいう。
本発明のさらに他の溶接方法は、
熱伝導率が相互に異なる母材同士を溶接するに際し、非消耗電極を溶接進行方向の左右方向にウィービングさせつつ溶加材を送給して行う非消耗電極式アーク溶接方法において、
非消耗電極が熱伝導率の高い方の母材側にあるときには、熱伝導率の低い方の母材側にあるときより溶接電流値が大きくなるようにすることを特徴としている。
この場合も母材の溶けやすさが異なるので、母材の熱伝導率の相違に応じて溶接電流値を変化させることにより、両母材の溶融量の不均一性を防止することが可能となり、良好な溶接結果が得られる。
本発明のさらに他の溶接方法は、
一方の母材の端部と他方の母材の中間部とを溶接するに際し、非消耗電極を溶接進行方向の左右方向にウィービングさせつつ溶加材を送給して行う非消耗電極式アーク溶接方法において、
非消耗電極が上記一方の母材側にあるときには、上記他方の母材側にあるときより溶接電流値が小さくなるようにすることを特徴としている。
この場合、一方の母材(端部が溶接される方の母材)は熱の逃げ道が比較的少ないため、溶接部から両側へ熱の逃げ道がある他方の母材(中間部が溶接される方の母材)よりも溶けやすくなる。したがって、この場合も母材の溶けやすさ(溶けにくさ)に応じて溶接電流値を変化させることになり、両母材の溶融量の不均一性を防止することが可能となる。
以上の非消耗電極式アーク溶接方法は、上板と下板とからなる板材の重ねすみ肉継手またはせぎり継手の溶接に対して好適である。
通常、重ねすみ肉継手やせぎり継手の溶接では、上板はその形状に起因して熱が集中しやすく溶けやすい傾向がある。したがって、上記のように電流値等を変化させることにより、両母材の溶融量の不均一性を防止することが可能となり、良好な溶接結果が得られる。
上記溶加材の送給のために、送給駆動源としてサーボモータを備えたワイヤサーボ送給装置を用いるのが好ましい。溶加材の送給速度を急激に変化させる等の制御が容易になしうるからである。
本発明の非消耗電極式アーク溶接装置は、
非消耗電極を有するトーチと、
溶加材を供給するための溶加材送給装置と、
上記トーチを保持して移動させるマニピュレータを有する溶接ロボットと、
該溶接ロボットおよび溶加材送給装置の動作、並びに、供給する溶接電流値を制御するための制御装置とを備えており、
該制御装置が、トーチのウィービングにおいて、トーチの左右方向への往復移動と左右に往復移動せずに往復移動の中心線上を溶接進行方向に進行する移動とを繰り返し行うべく溶接ロボットに指令し、且つ、トーチの上記左右方向への往復移動中に、溶接電流値および溶加材送給速度のうちの少なくとも一方を増大させるべく制御するように構成されている。この溶接装置により、前述した溶接方法を容易に実施することができる。
本発明の他の溶接装置は、
非消耗電極を有するトーチと、
溶加材を供給するための溶加材送給装置と、
上記トーチを保持して移動させるマニピュレータを有する溶接ロボットと、
該溶接ロボットおよび溶加材送給装置の動作、並びに、供給する溶接電流値を制御するための制御装置とを備えており、
該制御装置が、トーチのウィービングにおいて、その中心線から左右非対称にトーチを移動させるべく溶接ロボットに指令し、且つ、トーチがウィービングの中心線から左右方向に変位したときに、溶接電流値および溶加材送給速度のうちの少なくとも一方を増大させるべく制御するように構成されている。
本発明のさらに他の溶接装置は、
非消耗電極を有するトーチと、
溶加材を供給するための溶加材送給装置と、
上記トーチを保持して移動させるマニピュレータを有する溶接ロボットと、
該溶接ロボットおよび溶加材送給装置の動作、並びに、供給する溶接電流値を制御するための制御装置とを備えており、
該制御装置が、トーチを、円を描きつつ溶接進行方向に進行させることによってウィービング中にループを描くように移動させるべく溶接ロボットに指令し、且つ、トーチが少なくとも上記ループ状に移動する領域において、その他の領域よりも溶接電流値および溶加材送給速度のうちの少なくとも一方を増大させるべく制御するように構成されている。
以上の溶接装置において、溶加材送給装置を送給駆動源としてのサーボモータを備えたワイヤサーボ送給装置として構成するのが好ましい。溶加材送給速度を任意且つ容易に急増急減させることができるからである。
本発明によれば、母材の重ね代の変動、母材同士のギャップの変動、狙い位置ずれの変動等の外乱があっても、良好な溶接品質を得ることができ、しかもメリハリのあるうろこ状の美麗なビードが得られる。
添付の図面を参照しながら本発明の非消耗電極式アーク溶接方法の実施形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態である非消耗電極式アーク溶接方法を実施するための溶接ロボット1を示す側面図である。採用された溶接法はTIG(ティグ)溶接であり、タングステンを非消耗電極として不活性ガス中でアークを発生させ、これによって溶加材(フィラーワイヤ)を溶かして溶接するものである。このロボット1は6軸多関節ロボットであり、そのマニピュレータ2の先端に非消耗電極を内蔵した溶接トーチ3を把持している。また、このロボット1には、トーチ3の先端から若干前方にフィラーワイヤ4を供給するためのワイヤサーボ送給装置5が設置されている。ワイヤサーボ送給装置5はフィラーワイヤの送り出し駆動源としてサーボモータを用いたものである。フィラーワイヤ4の送給ガイド4aはトーチ3と一体で動かされる。ロボット1にはロボットの動作等を制御するロボットコントローラ6、ワイヤ送給装置5の動作を制御するサーボ送給コントローラ7、および、交流溶接電源8が付設されている。交流溶接電源8はその溶接電流値がロボットコントローラ6からの指令によって制御される。この構成は一例であってこれに限定されない。
以下に説明する溶接法は、上記溶接ロボット1を用い、その溶接対象をアルミニウム製薄板の重ねすみ肉溶接としているが、これは一例であって限定されるものではない。本実施形態ではとくに、モーターサイクルのアルミニウム製フレームの溶接を対象としている。モーターサイクルのフレームは強度部材であり、その溶接部は外観の一部を構成している。したがって、機能上の溶接品質はもちろんのこと、その意匠性をも要求される。具体的には、溶接部に溶落ちや未溶着部分が無く、良好な溶込みが要求され、その結果、十分な溶接強度が得られていることが要求され、さらに、表面にはメリハリのあるうろこ状ビードが形成されていることが要求される。
このため、トーチ3(およびフィラーワイヤ4)を溶接線に対して左右方向にウィービング(往復移動ともいう)させ、溶接電流を変化させ、フィラーワイヤの送給速度を変化させることによって好適な溶接が行われるように、上記ロボットコントローラ6およびサーボ供給コントローラ7によるロボットの溶接動作の制御がなされる。
図2には、上記重ねすみ肉溶接における溶接対象母材10(上板10aおよび下板10b)とタングステン電極9との位置関係が例示されている。溶接姿勢は下向きであり、母材10は上板10aと下板10bとのコーナー部Cを中心に水平面から上板側に約5゜(図中のθ)下方に傾斜して配置され、電極9は母材面法線に対して約15゜(図中のα)傾斜させられている。これらの角度は一例を示すものであり、かかる角度に限定されず、溶接対象に応じて変更できることはもちろんである。図2中、符号Dは上板10aと下板10bとの隙間(ギャップと呼ぶ)を示し、符号Rは上板10aと下板10bとの重なり寸法(ラップと呼ぶ)を示している。電極9の基準狙い位置は上板10aと下板10bとのコーナー部Cであり、電極9の軸線がコーナー部(線)Cに交差する状態である。狙い位置が上板10a側に水平方向にずれるときの狙い位置ずれ量を+(プラス)で表し、下板10b側に水平方向にずれるときの狙い位置ずれを−(マイナス)で表す。
本実施形態におけるトーチ3のウィービングは、溶接進行方向に垂直にその左右方向への往復移動、または、ウィービングの中心線上の点を中心とする円運動からなる。そして、このウィービングとロボットによるトーチ3の溶接進行方向前進との組み合わせにより、ワークに対するトーチ3の相対移動軌跡として図3に例示するように様々な形態が選択される得る。円運動とはたとえば、トーチ3を、その軸線がほぼその法線となるような面上に円を描くように移動させることである。もちろんこの際に、トーチ3の軸線が円の描かれる面に対して垂直に限定されずに傾斜していてもよい。また、ウィービング速度、つまりトーチ3の左右方向の移動速度と、トーチ3の溶接進行方向速度との比率を変えることによっても様々な軌跡が選択される得る。たとえば、ウィービングの中心線Lに対して左右対称な軌跡、および、ウィービングの中心線Lに対して左右非対称な軌跡を選ぶこともできる。なお、本実施形態ではトーチ3を溶接進行方向へ移動させているが、この方法には限定されない。トーチ3の前進に代えてワーク(母材)を溶接進行方向に逆進(後退)させるようにして溶接を進めてもよい。
図3(a)では、トーチ3を左右両端に至ったときに往復移動を短時間停止させることにより、台形のウィービング軌跡が形成されている。また、図3(b)に示すように、ウィービングサイクル中に、左右の往復移動がなされずにウィービングの中心線L上を進行する部分Sを含めた軌跡を形成することも可能である。図中の符号Pは一ウィービングサイクルである。一ウィービングサイクルP中の上記S部分の長さの割合は必要に応じて変更すればよい。さらに、トーチ3にウィービングの中心線L上の点を中心とする円運動をさせつつ、溶接進行方向に前進させ、この円運動の速度と溶接進行方向速度との比率を変えることにより、図3(c)に示すようなサイクロイドに似た軌跡や図3(d)に示すようなループ状軌跡を含んだ実質的にスパイラルな軌跡を形成することが可能である。また、円運動と前進運動との組み合わせにおいて、たとえば図3(e)に示すように、中心線Lから一方側に振れたときだけ二重ループが生じるように組み合わせることも可能である。図3(f)および図3(g)に示すように、中心線Lから左右への往復移動と溶接進行方向における前進および後退とを組み合わせることにより、ウィービングサイクル中に三角形や菱形の軌跡を生じさせることも可能である。溶接対象や溶接目的などに応じて、良好な溶接ビードを得るために左右対称または左右非対称のウィービングを選択し、また、対称、非対称のいずれであってもその軌跡の形状を任意に選択することができる。
さらに、以上のようなトーチ3のウィービングに同期させて溶接電流値およびフィラーワイヤの送給速度のうちの少なくとも一方を好適に変化させることが、良好な溶接ビードを得るために効果的である。たとえば、トーチ3がウィービングの中心線Lに対して左右の一方に変位したときの電流値を他方に変位したときの電流値よりも高く(低く)したり、一方に変位したときのフィラーワイヤの送給速度を他方に変位したときのフィラーワイヤの送給速度よりも速く(遅く)するのである。電流値を高くすれば母材の溶融量が増大し、これとともにフィラーワイヤの送給速度を増大すれば溶着金属量も増加する。
または、トーチ3がウィービングの中心線Lより左右に変位するほど溶接電流値を高く、および、フィラーワイヤの送給速度を速くし、トーチ3のウィービングを左右非対称とすること(たとえば図3(d)に示すスパイラル軌跡)により、上記と同等の効果を得ることも可能である。
重ねすみ肉溶接では、図2に示す断面図から判るように、アークは上板の端部と下板の面との交線近傍に飛ぶため、下板では熱がその点から図中の左右両側に逃げることができるが、上板ではその端部とは反対側の片方(右側)にしか熱の逃げ道がない。したがって、ウィービング時における左右での溶接電流値が同一であれば、上板10aの方が下板10bよりも温度が上がりやすく溶ける量が多くなる。かかる場合は、ウィービングに同期して、トーチ3が上板側に変位したときの電流値を下板側に変位したときのそれより低くするように制御するのがよい。こうすることにより、ギャップがある場合や狙い位置が+側にずれた場合でも上板の溶けすぎを抑制することができる。
また、トーチ3の溶接進行方向の速度に緩急をつけることにより、ウィービングの中心線L上に溶着量の多い部分と少ない部分とを生じさせることができる。こうすることにより、重ねすみ肉溶接の際にギャップDや重ね代Rに変動があったとしても、溶接進行方向の速度が遅い部分(溶着量が多い母材部分)において二母材間に架橋が確保される。そして、入熱量の多い母材部分(上板)から入熱量の少ない部分(下板)に余分な熱が逃げるので、上板の溶融量が減って上板が溶けすぎることが防止される。その結果、ビードの分断が起こらず、また、熱影響部が広がるという不具合の発生が抑制される。
トーチ3の溶接進行方向の速度に緩急をつけることは、前述したように、ウィービングサイクル中に左右の往復移動部分とウィービング中心線L上の進行部分Sとを含めた運棒とすること(図3(b)参照)、または、サイクロイドに似た軌跡や実質的にスパイラルな軌跡を形成するように運棒すること(図3(c)および図3(d)参照)、ウィービングサイクル中に三角形や菱形の軌跡が生じるように運棒すること(図3(f)および図3(g)参照)等によって可能となる。図3(d)に示すスパイラルな軌跡おいて、トーチ3が後退して小さいループを描く部分M、図3(f)および図3(g)における三角形や菱形の部分が溶接進行方向の速度の遅い部分となる。
このスパイラル軌跡(図3(d))による効果をさらに発展させるのが図3(e)に示す軌跡である。中心線Lから一方側に振れたときだけ二重ループが生じる軌跡により、溶接進行方向速度の緩急程度が大きくなり、しかも、二重ループ部分とその他の部分との溶着量の差が大きくなる。
また、このようにトーチ3の溶接進行方向の速度に緩急をつけることは、溶接進行方向の単位長さ当たりのフィラーワイヤの送給量にも緩急が付くことになるので、うろこビードのメリハリが生じ、意匠性が向上することにもなる。
以下、実施例を参照しつつ上記溶接方法を詳述する。
[実施例1]
前述した溶接ロボット1(図1参照)を用いて、ティグ溶接法によってアルミニウム製薄板の重ねすみ肉溶接を行った。母材の材質は、JIS A5083P−Oであり、板厚は上板および下板ともに2.5mmである。溶接長さは160mmとした。図2に示すとおり、トーチ3の母材面法線に対する角度αは15゜とし、母材の水平面に対する傾斜角度θは、上板10aと下板10bとのコーナー部Cを中心として上板側が下方に約5゜である。電極径は3.2mmである。
上板と下板とのギャップ量を、0mm、0.5mm、1.0mmにそれぞれ設定し、各設定ギャップの母材に対して上板と下板とのラップ量を3mm、5mm、7mmに設定し、各ラップ量の母材に対して狙い位置ずれを−1mm、0mm、+1mmに設定し、それぞれに対して溶接を行った。狙い位置のずれ量は前述したとおり、上板と下板とのコーナー部Cを中心として水平方向上板側にずれるときを+(プラス)で表し、水平方向下板側にずれるときを−(マイナス)で表している。
図4(a)に示すとおり、トーチ3のウィービング軌跡は中心線Lから左右両側に対称であり、左端および右端それぞれにおいて溶接進行方向に直進するので台形となっている。図中の符号Pは1ウィービングサイクルを示している。
図4(b)に示すとおり、溶接電流値はウィービングの中心線上での電流値を基準(100%)として左右に往復移動したときには図示のパーセントだけ増加(ブースト)させている。つまり、トーチを上板側に移動させたときは40%増加させ、下板側に移動させたときは99%増加させている。つまり、上板側と下板側との電流値の比を140:199としている。
図4(c)に示すとおり、フィラーワイヤの送給速度はウィービングの中心線上での送給速度を基準(100%)として左右に移動したときには図示のパーセントだけ増加させている。つまり、トーチを往復移動させたときはこれが上板側であっても下板側であっても20%増加させている。
なお、図中の曲線(直線)上のプロットを黒と白とに色分けしているのはウィービングサイクルを明瞭に示すためであり、それ以外の意味はない。これは図5〜図7においても同様である。
[実施例2]
下記の条件以外は上記実施例1と同一条件化で溶接を行った。つまり、図5(a)に示すとおり、実施例2における1ウィービングサイクルPに要する時間は実施例1におけるのとほぼ同一である。しかし、1ウィービングサイクルに占める左右への往復移動の時間は実施例1の約1/2である。そして、残りの約1/2の時間は往復移動せずにウィービング中心線上を溶接進行方向に進行している。図示のごとく、この往復移動領域と直進領域との溶接進行方向における距離の比はおおよそ3:7である。
図5(b)に示すとおり、溶接電流値はウィービングの中心線上での電流値を基準(100%)として、トーチを上板側に移動させたときは65%増加させ、下板側に移動させたときは85%増加させている。つまり、上板側と下板側との電流値の比を165:185としている。
図5(c)に示すとおり、フィラーワイヤの送給速度はウィービングの中心線上での送給速度を基準(100%)として、トーチを左右に往復移動させたときは上板側および下板側ともに99%も増加させている。このように送給速度を急激に変化させるためにはサーボモータを用いたワイヤ送給装置(前述のワイヤサーボ送給装置5)を使用すればよい。このように多く増加させているのは、耐ギャップ性の向上およびビードの山と谷とのメリハリをつけるためである。
[実施例3]
下記の条件以外は上記実施例1と同一条件化で溶接を行った。つまり、図6(a)に示すとおり、実施例3におけるウィービング軌跡はスパイラル状としている。すなわち、トーチにウィービングの中心線L上の点を中心とする円運動をさせつつ溶接進行方向に前進させている。したがって、ウィービングの中心線Lから左右両端までの距離は同一であるが、左右(上板側と下板側と)の軌跡は非対称である。また、トーチの運動は上板側に移動するときには後退している。したがって、この範囲では運棒の溶接進行方向の速度成分にマイナス部分を含むこととなり、下板側における溶接進行方向の速度成分よりもはるかに遅い。その結果、この上板側領域では溶着量が増大する。
図6(b)に示すとおり、溶接電流値はウィービングの中心線L上での電流値を基準(100%)として、トーチを上板側および下板側に往復移動させたときはともに50%増加させている。また、軌跡が交差する点では30%増加させている。この電流値の変化率はトーチのウィービング中心線Lからの離間とほぼ同期して離間距離と同等の変化率にされている。
図6(c)に示すとおり、フィラーワイヤの送給速度はウィービングの中心線上での送給速度を基準(100%)として、トーチを左右に往復移動させたときはともに20%増加させている。また、軌跡が交差する点では7%増加させている。このフィラーワイヤの送給速度の変化率はトーチのウィービング中心線Lからの離間とほぼ同期して離間距離と同等の変化率にされている。
[比較例]
図7(a)に示すとおり、トーチ3のウィービング軌跡は実施例1と同様の中心線Lから左右両側に対称の台形となっている。また、図7(c)に示すとおり、フィラーワイヤの送給速度はウィービングの中心線上での送給速度を基準(100%)としてトーチを往復移動させたときはこれが上板側であっても下板側であっても20%増加させている。以上の条件は実施例と同じである。さらに、下記の条件以外も上記実施例1と同一条件化で溶接を行った。
図7(b)に示すとおり、溶接電流値はウィービングの中心線上での電流値を基準(100%)としてトーチを上板側に移動させたときは65%増加させ、下板側に移動させたときは85%増加させている。つまり、上板側と下板側との電流値の比を165:185としており、ほとんど差がない。このように、溶接電流の変化程度が実施例1と異なるだけである。
以上の実施例1〜3および比較例の溶接方法による溶接結果を表1(比較例)、表2(実施例1)、表3(実施例2)および表4(実施例3)に示す。結果は目視検査により、外観と溶込みとについて四段階に分けて評価した。表中の記号◎は「良好」と評価されたことを示し、記号○は同じく「やや良好」であることを示し、記号△は「やや不良」であることを示し、記号×は「不良」であることを示している。
Figure 2005021977
Figure 2005021977
Figure 2005021977
Figure 2005021977
表1〜4に示された試験結果を見ると、ギャップが無い場合(ギャップ量:0mm)にはほぼ全ての試験例について良好な結果が得られている。強いていえば比較例は実施例1〜3に比較して良好という評価「◎」が少ない。ギャップ量が多くなる(各表の(b)および(c))と比較例と実施例1〜3との評価の差が明らかになる。比較例では極端に評価「◎」が減少するが、実施例1〜3では評価「◎」が大きくは減少しない。これは、溶接速度の低減やフィラーワイヤの送給速度の増加によって溶着量が増大すること、および、上板への入熱低減に伴う上板溶融量の減少により、二母材間の架橋が確保されることに起因すると考えられる。
また、母材同士のラップ量について見ると、実施例1〜3ではラップ量の大小に拘わらずまんべんなく評価「◎」が多く存在するが、比較例ではラップ量が大きくなると評価「◎」が減少する。これは、母材の熱容量が増加するため、母材およびフィラーワイヤを溶融する十分な入熱を与えられないことに起因すると考えられる。
狙い位置ずれについて見ると、明瞭な傾向は見られない。強いていえば、ギャップ量が多い範囲では、実施例1、2で狙い位置ずれの無い方が良好な結果出ている。また、実施例1〜3は比較例に比べて狙い位置ずれに大きく影響されないと言える。
以上から、実施例1〜3では、比較例に比べて外乱に対する溶接条件裕度がはるかに大きいことが判る。
また、表には示していないが、実施例2ではとくにうろこビードのメリハリが目立ち、その意匠性の高さが評価された。つまり、うろこビードの山および谷が明瞭であった。これは、実施例2の条件(図5参照)から明らかなように、ウィービング時において一気にフィラーワイヤを送給し、直進時にはフィラーワイヤの送給量を低減するためであると考えられる。
また、実施例1と比較例とは、上板側と下板側とにおける溶接電流値の変化率が異なる。その結果として表1および表4に示すような溶接品質の差が生じている。これから言えることは、上記溶接電流値の変化率の差を25ポイント以上、または、電流値の比を上板:下板 = 0.8以下:1とすることが好ましい。
図8には上記実施例3に類似した実施の形態を示す。図示のウィービングは実施例3の運棒軌跡と同一である。すなわち、トーチの円運動の速度と溶接進行方向速度との比率の調整によってループ部分を含んだスパイラル軌跡を描いている。しかし、その電流増加率とフィラーワイヤの送給速度の増加率とが実施例3とは異なっている。すなわち、本実施形態ではウィービング中のトーチが下板側を円弧状に移動するときの電流値を基準(100%)として、上板側に移動するときは65〜85%増加させている。電流値の増加を詳細に説明すると、トーチが下板側を円弧状に移動しているときに上板側へ移動し始めると一気に85%増加し、トーチが上板側に入ると増加率は65%まで低下し、そこからトーチがループを描きつつ下板に向かうと再度85%増加し、トーチが再び下板側の円弧状軌道に入ると基準の値に戻る。また、フィラーワイヤの送給速度はウィービング中の下板側を円弧状に移動するときの送給速度を基準(100%)として、上板側に移動するときは99%増加させている。言い換えると、トーチが下板側を溶接進行方向に移動中に上板側へループを描く移動に変化し始めると、その電流値およびフィラーワイヤの送給速度を増加させている。このように、ループ部分とその他の部分とで電流値およびフィラーワイヤの送給速度に大きな差をつけいている。こうすることにより、上記実施例2と同様の効果、とくに、メリハリのあるうろこビードが得られ、意匠性が向上する。
以上説明した実施形態では、アルミ製板材の重ねすみ肉溶接を例にとっているが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、円筒形状材と板材とを溶接する場合や板厚の異なる板材同士を溶接する場合のように、母材間で熱容量の差が大きい溶接、すなわち溶けにくい母材と溶けやすい母材との溶接に適用可能である。また、せぎり継手やフレア継手の溶接等にも適用可能である。また、溶けにくい母材と溶けやすい母材との溶接として、軟鋼とステンレス鋼との溶接のように熱伝導率の異なる母材間の溶接にも好適に用いることができる。また、融点の異なる母材同士の溶接も溶けにくい母材と溶けやすい母材との溶接に該当し、以上説明した溶接法が好適である。さらに、溶接対象としては前述したようなアルミ材に限らず、鋼の溶接にも適用可能である。
図9(a)、(b)に示すようなせぎり継手の溶接、および、図9(c)に示すようなフレア継手の溶接にも本溶接方法が好適である。せぎり継手は、一方の母材(下板)10bに段を形成し、他方の母材(上板)10aを重ね合わせたときに両母材面がほぼ同一平面となる状態(図9(a))で溶接を行うものである。また、下板10bを曲げることによって段を設け、この段に上板)10aを重ね合わせたものもある(図9(b))。符号Rは重ね代を示す。このせぎり継手の溶接の場合、重ねすみ肉継手におけると同様に上板は下板に比べて熱が逃げにくい。また、図9(a)に示すごとく、一般的に上板に比べて下板の方がその構造上体積が大きくなりやすく、熱容量が大きくなる。これらを原因として上板の方が下板に比べて溶けやすい。したがって、上記各溶接法がこのせぎり継手にも好適である。
また、図9(c)に示すフレア継手の一例は、一方の板材11aが平板であり、他方の板材11bがほぼL字断面に曲げられたものである。このフレア継手の溶接の際にはL字状の板材11bの方が溶けにくい。したがって、上記各溶接法がこのフレア継手にも好適である。
以上のごとく、ここで述べた溶接方法は相対的に溶けにくい母材と溶けやすい母材との溶接にも好適である。
本発明の溶接方法を実施するために用いることができる本発明の溶接装置の一実施例を示す側面図である。 本発明の溶接方法の実施状態の一適用例(重ねすみ肉溶接)を示す側面断面図である。 図3(a)〜図3(g)はそれぞれ本発明の溶接方法におけるトーチのウィービング軌跡の例を示す平面図である。 本発明にかかる溶接方法の実施例1の条件を示すグラフであり、図4(a)はウィービング軌跡、図4(b)は溶接電流の増加割合、図4(c)はフィラーワイヤの送給速度の増加割合を示している。 本発明にかかる溶接方法の実施例2の条件を示すグラフであり、図5(a)はウィービング軌跡、図5(b)は溶接電流の増加割合、図5(c)はフィラーワイヤの送給速度の増加割合を示している。 本発明にかかる溶接方法の実施例3の条件を示すグラフであり、図6(a)はウィービング軌跡、図6(b)は溶接電流の増加割合、図6(c)はフィラーワイヤの送給速度の増加割合を示している。 本発明にかかる溶接方法の比較例の条件を示すグラフであり、図7(a)はウィービング軌跡、図7(b)は溶接電流の増加割合、図7(c)はフィラーワイヤの送給速度の増加割合を示している。 本発明にかかる溶接方法の他の実施例の条件を示すグラフであり、図4(a)はウィービング軌跡、図4(b)は溶接電流の増加割合、図4(c)はフィラーワイヤの送給速度の増加割合を示している。 本発明の溶接方法の実施状態の他の適用例を示す側面図であり、図9(a)および図9(b)はそれぞれせぎり継手の溶接を例示しており、図9(c)はフレア継手の溶接を例示している。
符号の説明
1・・・・ロボット
2・・・・マニピュレータ
3・・・・トーチ
4・・・・フィラーワイヤ
4a・・・(フィラーワイヤの)送給ガイド
5・・・・ワイヤサーボ送給装置
6・・・・ロボットコントローラ
7・・・・サーボ送給コントローラ
8・・・・交流溶接電源
9・・・・(非消耗)電極
10・・・・母材
10a・・・上板
10b・・・下板
11a・・・一方の板材
11b・・・他方の板材
C・・・・コーナー部
D・・・・ギャップ
R・・・・ラップ

Claims (14)

  1. 非消耗電極を溶接進行方向の左右方向にウィービングさせつつ溶加材を送給して行う非消耗電極式アーク溶接方法において、
    非消耗電極の上記左右方向への往復移動と左右に往復移動せずにウィービングの中心線上を溶接進行方向に進行する移動とを繰り返し行い、
    非消耗電極の上記左右方向への往復移動中に、溶接電流値および溶加材送給速度のうちの少なくとも一方を増大することを特徴とする非消耗電極式アーク溶接方法。
  2. 非消耗電極を上記左右方向へ往復移動させるときの溶接進行方向の速度を、左右に往復移動せずにウィービングの中心線上を溶接進行方向に進行させるときの溶接進行方向の速度よりも小さくする請求項1記載の非消耗電極式アーク溶接方法。
  3. 非消耗電極を溶接進行方向の左右方向にウィービングさせつつ溶加材を送給して行う非消耗電極式アーク溶接方法において、
    非消耗電極をウィービングの中心線から左右非対称に移動させ、
    非消耗電極がウィービングの中心線から左右方向に変位したときに、溶接電流値および溶加材送給速度のうちの少なくとも一方を増大することを特徴とする非消耗電極式アーク溶接方法。
  4. 上記非消耗電極を、円を描きつつ溶接進行方向に進行するように移動させる請求項3記載の非消耗電極式アーク溶接方法。
  5. 非消耗電極を溶接進行方向の左右方向にウィービングさせつつ溶加材を送給して行う非消耗電極式アーク溶接方法において、
    非消耗電極を、円を描きつつ溶接進行方向に進行させることにより、ウィービング中にループを描くように移動させ、
    非消耗電極が少なくとも上記ループ状に移動する領域において、その他の領域よりも溶接電流値および溶加材送給速度のうちの少なくとも一方を増大することを特徴とする非消耗電極式アーク溶接方法。
  6. 熱容量が相互に異なる母材同士を溶接するに際し、非消耗電極を溶接進行方向の左右方向にウィービングさせつつ溶加材を送給して行う非消耗電極式アーク溶接方法において、
    非消耗電極が熱容量の大きい方の母材側にあるときには、熱容量の小さい方の母材側にあるときより溶接電流値が大きくなるようにすることを特徴とする非消耗電極式アーク溶接方法。
  7. 熱伝導率が相互に異なる母材同士を溶接するに際し、非消耗電極を溶接進行方向の左右方向にウィービングさせつつ溶加材を送給して行う非消耗電極式アーク溶接方法において、
    非消耗電極が熱伝導率の高い方の母材側にあるときには、熱伝導率の低い方の母材側にあるときより溶接電流値が大きくなるようにすることを特徴とする非消耗電極式アーク溶接方法。
  8. 一方の母材の端部と他方の母材の中間部とを溶接するに際し、非消耗電極を溶接進行方向の左右方向にウィービングさせつつ溶加材を送給して行う非消耗電極式アーク溶接方法において、
    非消耗電極が上記一方の母材側にあるときには、上記他方の母材側にあるときより溶接電流値が小さくなるようにすることを特徴とする非消耗電極式アーク溶接方法。
  9. 非消耗電極を溶接進行方向の左右方向にウィービングさせつつ溶加材を送給して行う非消耗電極式アーク溶接方法において、
    溶接対象が上板と下板とからなる板材の重ねすみ肉継手またはせぎり継手の溶接である請求項1〜8のうちのいずれか一の項に記載の非消耗電極式アーク溶接方法。
  10. 上記溶加材の送給のために、送給駆動源としてのサーボモータを備えたワイヤサーボ送給装置を用いる請求項1〜9のうちのいずれか一の項に記載の非消耗電極式アーク溶接方法。
  11. 非消耗電極を有するトーチと、
    溶加材を供給するための溶加材送給装置と、
    上記トーチを保持して移動させるマニピュレータを有する溶接ロボットと、
    該溶接ロボットおよび溶加材送給装置の動作、並びに、供給する溶接電流値を制御するための制御装置とを備えており、
    該制御装置が、トーチのウィービングにおいて、トーチの左右方向への往復移動と左右に往復移動せずに往復移動の中心線上を溶接進行方向に進行する移動とを繰り返し行うべく溶接ロボットに指令し、且つ、トーチの上記左右方向への往復移動中に、溶接電流値および溶加材送給速度のうちの少なくとも一方を増大させるべく制御するように構成されてなる非消耗電極式アーク溶接装置。
  12. 非消耗電極を有するトーチと、
    溶加材を供給するための溶加材送給装置と、
    上記トーチを保持して移動させるマニピュレータを有する溶接ロボットと、
    該溶接ロボットおよび溶加材送給装置の動作、並びに、供給する溶接電流値を制御するための制御装置とを備えており、
    該制御装置が、トーチのウィービングにおいて、その中心線から左右非対称にトーチを移動させるべく溶接ロボットに指令し、且つ、トーチがウィービングの中心線から左右方向に変位したときに、溶接電流値および溶加材送給速度のうちの少なくとも一方を増大させるべく制御するように構成されてなる非消耗電極式アーク溶接装置。
  13. 非消耗電極を有するトーチと、
    溶加材を供給するための溶加材送給装置と、
    上記トーチを保持して移動させるマニピュレータを有する溶接ロボットと、
    該溶接ロボットおよび溶加材送給装置の動作、並びに、供給する溶接電流値を制御するための制御装置とを備えており、
    該制御装置が、トーチを、円を描きつつ溶接進行方向に進行させることによってウィービング中にループを描くように移動させるべく溶接ロボットに指令し、且つ、トーチが少なくとも上記ループ状に移動する領域において、その他の領域よりも溶接電流値および溶加材送給速度のうちの少なくとも一方を増大させるべく制御するように構成されてなる非消耗電極式アーク溶接装置。
  14. 上記溶加材送給装置が、送給駆動源としてのサーボモータを備えたワイヤサーボ送給装置である請求項11〜13のうちのいずれか一の項に記載の非消耗電極式アーク溶接装置。
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