JP6643813B2 - 水平すみ肉溶接方法、水平すみ肉溶接システム及びプログラム - Google Patents

水平すみ肉溶接方法、水平すみ肉溶接システム及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、水平すみ肉溶接方法、水平すみ肉溶接システム及びプログラムに関する。
消耗電極式のアーク溶接方法を用いて、中または厚板(以下、中厚板)の水平すみ肉溶接を行う際には、脚長が大きく(以下、大脚長と称する)、広い幅のビードを確保することが求められる。大脚長や広い幅のビードを確保するためには、溶接電流の増加、もしくは溶接速度を低下するなどして、単位溶接長当たりの溶着量を増加させる必要がある。しかし、溶接電流を一定とし、溶接速度を低下させることで溶着量を増加させる場合は、生産効率が悪く、かつ適正な溶込みが得られない場合がある。一方、溶接速度を一定とし、溶接電流を上げて溶着量を増加させる場合は、溶融池の温度が高くなり粘性が低下する場合がある。この場合には、増加した溶着量と溶融池の粘性低下によって、立板側の溶融池が重力の影響で下板側に垂れるため、立板側と下板側の脚長が狙い通りと異なるといったようなビード外観不良や、母材にビードの端部が溶着せずに単に重なっただけの状態になるオーバーラップなどの溶接欠陥が発生することがあった。尚、一般的にすみ肉溶接とは、重ね継手、T字継手、角継手等においてほぼ直交する二つの面を溶接する三角形状溶接を指し、水平すみ肉溶接は、下向き水平姿勢にて行ったすみ溶接となる。
また、生産効率を上げるため、一般的には高溶接速度による溶接が行われるが、溶接速度を高めるに従って、単位溶接長当たりの溶着量を維持するために、溶接電流を増加させる必要がある。しかし、溶接電流を増加させる程、溶融池にかかるアーク力が大きくなり、アーク直下の溶融池が後方へ押し出された状態となり、立板側でアークによって掘られた溝に溶融金属が供給されず溝となって残るアンダーカットが発生したり、凝固後のビード形状が凸状の外観不良になったりする場合があった。
このように、すみ肉溶接における大脚長及び高速溶接では、ビード外観不良が発生したり、アンダーカットやオーバーラップといった溶接欠陥が発生したりする問題があった。
このような問題を解決するために、一般的には、アーク電圧を高く設定し、アーク長を広げることでアーク力を低減させ、ビード外観の改善を図る方法が用いられる。また、例えば、特許文献1には、ウィービングの両端で、アンダーカットが発生しない電流値まで溶接電流を落とし、ウィービング中央部を高電流にすることにより溶接速度を高速にする、あるいは、ウィービングの両端で溶接電流を上げることにより開先壁の溶込みを改善する技術が開示されている。
ここで、ウィービングとは、溶接トーチの先端を母材の溶接線を中心に揺動させる動作を指す。図12は、水平すみ肉溶接における従来のウィービング動作の一例を説明するための図である。図12に示す例では、下板を水平に配置すると共に、その上表面に立板の端面を当てて配置し、立板と下板とを突き合わせた突合せ部(図12の例では、突合せ部の接合角度a=90度)に対してすみ肉溶接が行われる。図示のように、従来のウィービング動作では、溶接トーチ101の先端に設けられた電極が溶接進行方向に対してほぼ直角に交互に移動するように前進させて、溶接が行われることとなる。このように、従来のウィービング動作において、溶接トーチ101は、立板側のウィービング端及び下板側のウィービング端へ移動する動作を繰り返し、常に溶接進行方向の前方に向かって揺動する。
特開2002−321055号公報
ビード外観の改善を図るためにアーク電圧を高く設定した場合、溶込不良やシールド性劣化による溶接欠陥が発生する。また、ウィービングの両端で溶接電流を調整しても、中厚板の水平すみ肉溶接を想定した大脚長かつ高速な溶接を行う場合においては、溶着量を増加させる必要があり、立板側の溶融金属が重力の影響で下板側に垂れることによって引き起こされる下板側のオーバーラップや立板側のアンダーカット等の溶接欠陥が抑制されるわけではない。
本発明は、水平すみ肉溶接において、ビード外観不良及び溶接欠陥の発生を抑制することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明は、立板と下板とを突き合わせた突合せ部を溶接線として、電極を、溶接線を中心にウィービングさせて、溶接線に沿って溶接を行う水平すみ肉溶接方法であって、電極が立板側及び下板側を移動する際のアーク電圧が、立板側のウィービング端での電圧値、溶接線中心位置での電圧値、下板側のウィービング端での電圧値の3つの電圧値によってステップ的に変化するとともに、立板側のウィービング端での電圧値が、下板側のウィービング端での電圧値よりも低くなるように制御し、ウィービングにおいて、電極の位置と立板側のウィービング端との距離が、立板側のウィービング端と溶接線中心位置との距離の1/4の範囲内である場合に、立板側のウィービング端での電圧値として、溶接線中心位置の電圧値より低い一の電圧値になるようにアーク電圧を制御し、電極の位置と下板側のウィービング端との距離が、下板側のウィービング端と溶接線中心位置との距離の1/4の範囲内である場合に、下板側のウィービング端での電圧値として、溶接線中心位置の電圧値より高い他の電圧値になるようにアーク電圧を制御することを特徴とする水平すみ肉溶接方法を提供する。
ここで、立板側のウィービング端での電圧値は、溶接線中心位置の電圧値に対して85%以上100%より低い範囲内の値とし、下板側のウィービング端での電圧値は、溶接線中心位置の電圧値に対して100%より高く125%以下の範囲内の値とする、ものであってよい
また、本発明は、立板と下板とを突き合わせた突合せ部を溶接線として、電極を、溶接線を中心にウィービングさせて、溶接線に沿って溶接を行う水平すみ肉溶接装置と、電極が立板側及び下板側を移動する際のアーク電圧が、立板側のウィービング端での電圧値、溶接線中心位置での電圧値、下板側のウィービング端での電圧値の3つの電圧値によってステップ的に変化するとともに、立板側のウィービング端での電圧値が、下板側のウィービング端での電圧値よりも低くなるように制御し、ウィービングにおいて、電極の位置と立板側のウィービング端との距離が、立板側のウィービング端と溶接線中心位置との距離の1/4の範囲内である場合に、立板側のウィービング端での電圧値として、溶接線中心位置の電圧値より低い一の電圧値になるようにアーク電圧を制御し、電極の位置と下板側のウィービング端との距離が、下板側のウィービング端と溶接線中心位置との距離の1/4の範囲内である場合に、下板側のウィービング端での電圧値として、溶接線中心位置の電圧値より高い他の電圧値になるようにアーク電圧を制御する、水平すみ肉溶接装置を制御する制御装置とを備える水平すみ肉溶接システムも提供する。
そして、本発明は、立板と下板とを突き合わせた突合せ部を溶接線として、電極を、溶接線を中心にウィービングさせて、溶接線に沿って溶接を行う水平すみ肉溶接システムであって、溶接条件を定めたティーチングデータに基づいて、電極をウィービングさせる位置を指令するウィービング位置指令手段と、ウィービング位置指令手段の指令により移動した電極の位置情報を生成する位置情報生成手段と、位置情報生成手段により生成された位置情報をもとに電極のウィービング動作に同期した電圧制御を行い、電極が立板側及び下板側を移動する際のアーク電圧が、立板側のウィービング端での電圧値、溶接線中心位置での電圧値、下板側のウィービング端での電圧値の3つの電圧値によってステップ的に変化するとともに、立板側のウィービング端での電圧値が、下板側のウィービング端での電圧値よりも低くなるように制御し、ウィービングにおいて、電極の位置と立板側のウィービング端との距離が、立板側のウィービング端と溶接線中心位置との距離の1/4の範囲内である場合に、立板側のウィービング端での電圧値として、溶接線中心位置の電圧値より低い一の電圧値になるようにアーク電圧を制御し、電極の位置と下板側のウィービング端との距離が、下板側のウィービング端と溶接線中心位置との距離の1/4の範囲内である場合に、下板側のウィービング端での電圧値として、溶接線中心位置の電圧値より高い他の電圧値になるようにアーク電圧を制御するアーク電圧制御手段とを備える水平すみ肉溶接システムも提供する。
ここで、位置情報生成手段は、電極の位置情報として、ウィービング位置指令手段の指令と、指令を行ってから実際に電極が指令位置へ到着するまでの時間とをもとに、電極が実際に存在する位置を示す情報を生成する、ものであってよい。
また、本発明は、立板と下板とを突き合わせた突合せ部を溶接線として、電極を、溶接線を中心にウィービングさせて、溶接線に沿って溶接を行う水平すみ肉溶接システムに用いられるプログラムであって、電極が立板側及び下板側を移動する際のアーク電圧が、立板側のウィービング端での電圧値、溶接線中心位置での電圧値、下板側のウィービング端での電圧値の3つの電圧値によってステップ的に変化するとともに、立板側のウィービング端での電圧値が、下板側のウィービング端での電圧値よりも低くなるように制御し、ウィービングにおいて、電極の位置と立板側のウィービング端との距離が、立板側のウィービング端と溶接線中心位置との距離の1/4の範囲内である場合に、立板側のウィービング端での電圧値として、溶接線中心位置の電圧値より低い一の電圧値になるようにアーク電圧を制御し、電極の位置と下板側のウィービング端との距離が、下板側のウィービング端と溶接線中心位置との距離の1/4の範囲内である場合に、下板側のウィービング端での電圧値として、溶接線中心位置の電圧値より高い他の電圧値になるようにアーク電圧を制御する機能を、水平すみ肉溶接システムに実現させるためのプログラムも提供する。
本発明によれば、水平すみ肉溶接において、ビード外観不良及び溶接欠陥の発生を抑制することができる。
本実施の形態に係る溶接システムの概略構成の一例を示す図である。 本実施の形態に係る水平すみ肉溶接について溶接進行方向から見た概略図である。 本実施の形態に係るロボットコントローラの機能構成例を示すブロック図である。 ウィービングにおける電極の振幅の一例を説明するための図である。 ウィービングの軌跡に合わせて制御されるアーク電圧の一例を説明するための図である。 ウィービングの軌跡に合わせて制御されるアーク電圧の一例を説明するための図である。 ウィービングの軌跡に合わせて制御されるアーク電圧の一例を説明するための図である。 ウィービングの軌跡に合わせてアーク電圧が直線的かつステップ的に変化するように制御する場合の一例を説明するための図である。 ウィービング端付近のアーク電圧に応じて分類される波形パターンの一例を説明するための図である。 ウィービング端付近のアーク電圧に応じて分類される波形パターンの一例を説明するための図である。 ウィービング端付近のアーク電圧に応じて分類される波形パターンの一例を説明するための図である。 ロボットコントローラがアーク電圧を制御する手順の一例を示すフローチャートである。 実施例及び比較例における試験結果を示す図である。 フランク角度を説明するための図である。 ロボットコントローラのハードウェア構成例を示す図である。 水平すみ肉溶接における従来のウィービング動作の一例を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<システム構成>
まず、本実施の形態に係る溶接システム1について説明する。図1は、本実施の形態に係る溶接システム1の概略構成の一例を示す図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る溶接システム1は、溶接ロボット10と、ロボットコントローラ20と、溶接電源30と、送給装置40とを備えている。溶接電源30はプラスのパワーケーブル(1)を介して電極側に接続され、マイナスのパワーケーブル(2)を介して、ワークWと接続されている。また、図中のパワーケーブル(3)は溶接電源30と溶接ワイヤの送給装置40とを接続し、溶接ワイヤの送り速度を制御する。そして、溶接システム1は、立板と下板とをT字に突き合わせた突合せ部周辺の任意の位置を溶接線として、溶接線に沿って水平すみ肉溶接を行う。なお、突合せ部周辺とは、例えば、突合せ部から下板側に30mm、立板側に30mmの範囲とする。本実施の形態では、水平すみ肉溶接装置の一例として、溶接ロボット10が用いられる。また、制御装置の一例として、ロボットコントローラ20が用いられる。
溶接ロボット10は、電極からアークを出し、その熱で溶接の対象であるワークW(母材、即ち、立板及び下板)を溶接する。ここで、溶接ロボット10は、電極を保持する溶接トーチとして、溶接トーチ11を有している。そして、溶接ロボット10は、溶接線を中心として溶接トーチ11の先端に設けられた電極をウィービングさせて、溶接線に沿って(溶接進行方向に沿って)溶接を行う。
溶接トーチ11の先端では、電極である溶接材料(以降溶接ワイヤと称する)を、コンタクトチップと呼ばれる円筒形の導体の先端から一定の突出し長さを保持する。なお、本実施の形態で適用した溶接方法は、コンタクトチップと溶接ワイヤとが接触し、アーク電圧を印加して通電することで、ワークWと溶接ワイヤ先端との間にアークが発生し、溶接ワイヤを溶融させて行う消耗電極式となる。また、溶接時における電極の突出し長さは、上限を40mm、下限を15mmとすることが好ましい。突出し長さが40mmを上回ると、溶接線上の溶込みが十分に得られなくなったり、シールド性劣化により溶接欠陥が発生する可能性が高まる。また、突出し長さが15mmを下回ると、溶接電流が大きくなり、ウィービング端で溶接欠陥が発生し易くなる。
さらに、溶接トーチ11は、シールドガスノズル(シールドガスを噴出する機構)を備える。シールドガスとしては、例えば、100%CO、100%Ar、ArにCOを混合させたもの等を用いればよい。特に、100%COを用いた場合には溶込み効果が大きく好ましい。また、シールドガス不良を防止する観点から、ガス流量の上限は40リットル/min、下限は15リットル/minであることが好ましい。
ロボットコントローラ20は、溶接ロボット10の動作を制御する。ここで、ロボットコントローラ20は、予め溶接ロボット10の動作パターン、溶接開始位置、溶接終了位置、溶接条件等を定めたティーチングデータを保持し、溶接ロボット10に対してこれらを指示して溶接ロボット10の動作を制御する。また、ロボットコントローラ20は、溶接作業中、ティーチングデータに従って、溶接電源30に電源を制御する指令を行う。
溶接電源30は、ロボットコントローラ20からの指令により、電極及びワークWに電力を供給することで、電極とワークWとの間にアークを発生させる。また、溶接電源30は、ロボットコントローラ20からの指令により、送給装置40に電力を供給する。なお、溶接作業時の電流は、直流または交流であっても良く、その波形は特に問わないが、矩形波や三角波などのパルスであっても良い。
送給装置40は、溶接作業の進行に合わせて溶接トーチ11に溶接ワイヤを送る。送給装置40により送られる溶接ワイヤは、特に限定されず、ワークWの性質や溶接形態等によって選択され、例えば、ソリッドワイヤやフラックス入りワイヤが使用される。また、溶接ワイヤの材質も問わず、例えば、軟鋼でも良いし、ステンレスやアルミニウム、チタンといった材質でも良い。さらに、溶接ワイヤの径も特に問わないが、本実施の形態において好ましくは、上限は1.6mm、下限は1.0mmである。
図2は、本実施の形態に係る水平すみ肉溶接について溶接進行方向から見た概略図である。図示のように、下板を水平に配置すると共に、その上表面に立板の端面を当てて配置し、立板と下板とを突き合わせた突合せ部(図2の例では、突合せ部の接合角度a=90度)に対してすみ肉溶接が行われる。ここで、溶接は、紙面に垂直な方向に進行するものとする。また、溶接トーチ11は、例えば、図12に示すような従来のウィービングのように、矢印に示す方向、即ち、下板へ向かう方向と立板へ向かう方向との交互にウィービングする。さらに、下板と電極とのなす角度(以下、トーチ傾斜角度θと称する)が例えば45度となるように、溶接トーチ11を傾けて溶接が行われる。また、溶接線中心位置は、下板側のウィービング端と立板側のウィービング端との間の溶接線上の位置を示している。
なお、本実施の形態では、電極が、図12に示すような従来のウィービングのように動作するものとして説明するが、電極のウィービング動作としてはこのような構成に限られるものではない。電極の動作としては、水平すみ肉溶接にて立板側と下板側に交互に移動するウィービングが行われれば良い。例えば、電極が溶接進行方向の前方へ向かって下板側のウィービング端まで移動し、下板側のウィービング端に到着すると、溶接進行方向に対して後方へ向かって立板側のウィービング端まで移動するようなウィービング動作であっても良い。
<ロボットコントローラの機能構成>
次に、ロボットコントローラ20の機能構成について説明する。図3は、本実施の形態に係るロボットコントローラ20の機能構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、ロボットコントローラ20は、予め作成されたティーチングデータを格納するティーチングデータ格納部21と、ティーチングデータを解釈するティーチングデータ解釈処理部22と、溶接ロボット10の各軸を制御するサーボドライバへ指令を行うためのサーボ指令情報を生成するロボット軌跡計画処理部23と、電極の位置に合わせてアーク電圧を設定するための指令情報を生成して溶接電源30に出力する溶接電源インタフェース処理部(以下、溶接電源I/F処理部と表記する)24とを備える。
また、溶接電源I/F処理部24は、ウィービング位置情報遅延補正部24aと、電圧指令生成処理部24bとを有する。
ティーチングデータ格納部21は、溶接ロボット10の動作パターン等を定めたティーチングデータを格納する。ティーチングデータは、作業者により予め作成される。
ティーチングデータ解釈処理部22は、例えば溶接開始の操作が行われたことを契機として、ティーチングデータ格納部21からティーチングデータを呼び込み、ティーチングデータを解釈する。このティーチングデータの解釈により、ティーチング軌跡情報及び電圧指令情報が生成される。ティーチング軌跡情報は、溶接作業における溶接ロボット10の軌跡を定めた情報である。また、電圧指令情報は、溶接作業におけるアーク電圧に関する指令を行うための情報であり、アークON/OFFの指令や、アーク電圧の制御指令などが含まれる。そして、ティーチングデータ解釈処理部22は、生成したティーチング軌跡情報をロボット軌跡計画処理部23に出力する。また、ティーチングデータ解釈処理部22は、生成した電圧指令情報を、溶接電源I/F処理部24の電圧指令生成処理部24bに出力する。
ロボット軌跡計画処理部23は、ティーチングデータ解釈処理部22から入力されたティーチング軌跡情報をもとに、溶接ロボット10の目標位置を計算し、溶接ロボット10の各軸を制御するためのサーボ指令情報を生成する。そして、ロボット軌跡計画処理部23は、生成したサーボ指令情報を溶接ロボット10へ出力する。サーボ指令情報により、溶接ロボット10がティーチングデータに基づく動作を行う。
また、サーボ指令情報には、電極をウィービングさせる位置を指令するためのウィービング位置指令情報が含まれており、ロボット軌跡計画処理部23は、ウィービング位置指令情報を溶接電源I/F処理部24のウィービング位置情報遅延補正部24aに出力する。本実施の形態では、ウィービング位置指令手段の一例として、ロボット軌跡計画処理部23が用いられる。
さらに、ロボット軌跡計画処理部23は、サーボ指令情報を溶接ロボット10へ出力してから実際に溶接ロボット10が指令された位置へ到着するまでの時間(以下、ウィービング遅延時間と称する)を計算する。このウィービング遅延時間の計算方法は問わないが、例えば、サーボドライバの制御ゲインから計算される。そして、ロボット軌跡計画処理部23は、計算したウィービング遅延時間を、溶接電源I/F処理部24のウィービング位置情報遅延補正部24aに出力する。
溶接電源I/F処理部24は、電極の位置に合わせてアーク電圧を設定するための指令情報を生成し、生成した指令情報を溶接電源30に出力する。
ここで、溶接電源I/F処理部24のウィービング位置情報遅延補正部24aは、ロボット軌跡計画処理部23からウィービング位置指令情報、及びウィービング遅延時間の情報を取得する。そして、ウィービング位置情報遅延補正部24aは、ウィービング遅延時間を考慮してウィービングによる電極の位置を補正し、電極が実際に存在している位置を示す情報(以下、実ウィービング位置情報と称する)を生成する。ウィービング位置情報遅延補正部24aは、生成した実ウィービング位置情報を、電圧指令生成処理部24bに出力する。本実施の形態では、位置情報生成手段の一例として、ウィービング位置情報遅延補正部24aが用いられる。
電圧指令生成処理部24bは、ティーチングデータ解釈処理部22から電圧指令情報を取得し、また、ウィービング位置情報遅延補正部24aから実ウィービング位置情報を取得する。そして、電圧指令生成処理部24bは、取得した電圧指令情報及び実ウィービング位置情報をもとに、電極のウィービング動作に同期させてアーク電圧を設定するための指令情報を生成し、生成した指令情報を溶接電源30に出力する。アーク電圧の指令情報により、溶接電源30は、ウィービングでの電極の位置に合わせてアーク電圧を供給する。本実施の形態では、アーク電圧制御手段の一例として、電圧指令生成処理部24bが用いられる。
<アーク電圧>
次に、本実施の形態におけるアーク電圧について、詳細に説明する。上述したように、本実施の形態において、アーク電圧は、ウィービングでの電極の位置に合わせて制御されるが、アーク電圧の増減はアーク力に影響するため、溶込み深さやビード形状に影響する。すみ肉溶接の場合、溶接線上では溶込みを確保できるアーク電圧とし、ウィービングの両端ではアンダーカットやオーバーラップを防止できるアーク電圧とすることが好ましい。立板側のウィービング端では、アーク力により溶融池が後方へ押し出され、また溶融池が重力の影響で下板側に垂れるため、アンダーカットが発生し易い。一方、下板側のウィービング端では、立板側の溶融池が垂れて母材に融合せずに重なることで、オーバーラップが発生し易い。
ここで、アーク形状は一般的に釣鐘状となり、電極先端から母材側に広がるように発生する。そのため、アーク電圧を高くする、つまりアーク長を長くするほど、母材側におけるアークはより広がる。
したがって、立板側ではアーク電圧を高くすると、広がったアークにより母材を削ってしまい、アンダーカットが発生しやすくなる。よって、立板側のアーク電圧は低く設定する必要がある。また、下板側ではアーク電圧を高く設定することで、下板側の溶融金属をより押し広げられ、オーバーラップが抑制される。
そこで、本実施の形態では、電極が立板側のウィービング端を移動する際のアーク電圧(以下、立板側電圧と称する)が、電極が溶接線中心位置を移動する際のアーク電圧(以下、溶接線中心電圧と称する)以下の値を示し、電極が下板側のウィービング端を移動する際のアーク電圧(以下、下板側電圧と称する)が、溶接線中心電圧以上の値を示すように制御し、かつ、立板側電圧が下板側電圧よりも低くなるように(即ち、下板側電圧が立板側電圧よりも高くなるように)制御する。付言すると、立板側電圧は、アンダーカットを抑制する電圧に設定され、下板側電圧は、オーバーラップを抑制する電圧に設定される。
このように、本実施の形態では、立板側と下板側とのアーク電圧に高低差を設けることにより、アンダーカットやオーバーラップといった溶接欠陥がより抑制されて、ビード外観が良好になる。
また、アーク電圧については、電極のウィービング動作に同期して、直線的、ステップ的、または曲線的に変化するように制御することが好ましい。図4は、ウィービングにおける電極の振幅の一例を説明するための図である。また、図5−1〜図5−3は、ウィービングの軌跡に合わせて制御されるアーク電圧の一例を説明するための図である。図4に示す例では、1周期分のウィービング動作について示されており、電極は、立板側のウィービング端、及び下板側のウィービング端へ移動する。
そして、図5−1に示す例では、図4に示すウィービングの軌跡に合わせて、アーク電圧が直線的に変化している。ここで、VHは高い方の電圧、VLは低い方の電圧であり、VLowerは下板側電圧を示し、VUpperは立板側電圧を示す。そして、電極が溶接線に対して立板側にいる場合には、アーク電圧は、溶接線中心電圧(VO)よりも低く設定されている。一方、電極が溶接線に対して下板側にいる場合には、アーク電圧は、溶接線中心電圧VOよりも高く設定されている。
また、図5−2に示す例では、図4に示すウィービングの軌跡に合わせて、アーク電圧がステップ的に変化している。そして、電極が溶接線に対して立板側にいる場合には、アーク電圧は、VOよりも低く設定され、電極が溶接線に対して下板側にいる場合には、アーク電圧は、VOよりも高く設定されている。さらに、図5−3に示す例では、図4に示すウィービングの軌跡に合わせて、アーク電圧が曲線的に変化している。そして、電極が溶接線に対して立板側にいる場合には、アーク電圧は、VOよりも低く設定され、電極が溶接線に対して下板側にいる場合には、アーク電圧は、VOよりも高く設定されている。
このように、ウィービングの軌跡に合わせて、直線的、ステップ的、または曲線的にアーク電圧を制御することにより、溶接線上の溶込みを確保しつつ、良好なビード外観が確保される。
さらに、アーク電圧について、直線的、ステップ的、及び曲線的の3つのうちの2以上(例えば、直線的及びステップ的、直線的及び曲線的など)を組み合わせて変化するように制御しても良い。図6は、ウィービングの軌跡に合わせてアーク電圧が直線的かつステップ的に変化するように制御する場合の一例を説明するための図である。図6に示す例では、まず電極が溶接線中心位置から立板側のウィービング端に移動する際、アーク電圧は直線的に変化するが、途中からステップ的に変化する。また、電極が立板側のウィービング端に到着した後、溶接線中心位置から下板側のウィービング端に移動する際、アーク電圧は直線的に変化するが、途中からはステップ的に変化する。
また、上述したように、立板側電圧が下板側電圧よりも低くなることが好ましいが、立板側電圧は、溶接線中心位置のアーク電圧値(溶接線上のアーク電圧値)に対して、85%(パーセント)以上100%以下の範囲とし、下板側電圧は、溶接線中心位置のアーク電圧値に対して、100%以上125%以下の範囲に設定することがより好ましい。
立板側電圧が溶接線中心電圧の値に対して85%を下回ると、立板側のウィービング端でスパッタが発生する恐れがある。また、立板側電圧が溶接線中心電圧の値に対して100%を上回ると、アンダーカットの防止効果が現れにくい。
一方、下板側電圧が溶接線中心電圧の値に対して100%を下回ると、オーバーラップの防止効果が現れにくい。また、下板側電圧が溶接線中心電圧の値に対して125%を上回ると、アーク長が過大になり、溶込み不足やアーク切れが発生する可能性がある。
さらに、ロボットコントローラ20がウィービング端位置及びウィービング端の近傍でアーク電圧の増減制御を行うと、アーク電圧の増減変化に起因するアーク長変動が発生し、ウィービング端位置においてアーク不安定によるスパッタ発生や溶接欠陥の発生、または溶融金属の馴染みが悪くなる(例えば、後述するフランク角度が悪くなる)可能性がある。
そのため、ウィービング端位置及びウィービング端の近傍でのアーク電圧の増減が大きくならないように制御することがより好ましい。付言すると、ウィービング中の電極の位置と立板側のウィービング端との距離が、立板側のウィービング端と溶接線中心位置との間の距離の1/4の範囲内である場合には、立板側のウィービング端での電圧として予め定められた範囲内の値になるように、アーク電圧を制御することがより好ましい。また、ウィービング中の電極の位置と下板側のウィービング端との距離が、下板側のウィービング端と溶接線中心位置との間の距離の1/4の範囲内である場合には、下板側のウィービング端での電圧として予め定められた範囲内の値になるように、アーク電圧を制御することがより好ましい。
具体的には、立板側のウィービング端での電圧として予め定められた範囲内の値とは、溶接線中心電圧の値に対して85%以上100%以下の範囲内であって、例えば、溶接線中心電圧の値に対して90%以上95%以下の範囲内の値、のように定められる。また、例えば、溶接線中心電圧の値に対して92%の値、のように固定値として定めても良い。
同様に、下板側のウィービング端での電圧として予め定められた範囲内の値とは、溶接線中心電圧の値に対して100%以上125%以下の範囲内であって、例えば、溶接線中心電圧の値に対して115%以上120%以下の範囲内の値、のように定められる。また、例えば、溶接線中心電圧の値に対して118%の値、のように固定値として定めても良い。
図7−1〜図7−3は、ウィービング端付近のアーク電圧に応じて分類される波形パターンの一例を説明するための図である。図7−1〜図7−3に示す例では、アーク電圧がステップ的に変化する場合について説明するが、アーク電圧が、例えば、直線的、曲線的に変化する場合も同様に分類されるものとする。
図7−1〜図7−3に示す例では、アーク電圧は、ウィービングの軌跡に合わせてステップ的に変化するが、ウィービング端付近では予め定められた範囲内の値になるように制御されている。立板側のウィービング端付近では、アーク電圧が固定のVUpperになるように制御され(即ち、立板側のウィービング端での電圧として予め定められた範囲内の値をVUpperとして制御する)、下板側のウィービング端付近では、アーク電圧が固定のVLowerになるように制御される(即ち、立板側のウィービング端での電圧として予め定められた範囲内の値をVUpperとして制御する)ものとする。
ここで、立板側のウィービング端と溶接線中心位置との間の距離をd(下板側のウィービング端と溶接線中心位置との間の距離もd)とすると、図7−1に示す例では、電極の位置と下板側のウィービング端との間の距離がd/2の範囲内である場合に、アーク電圧がVLowerになるように制御される。また、電極の位置と立板側のウィービング端との間の距離がd/2の範囲内である場合に、アーク電圧がVUpperになるように制御される。また、図7−2に示す例では、電極の位置と下板側のウィービング端との間の距離がd/4の範囲内である場合に、アーク電圧がVLowerになるように制御される。また、電極の位置と立板側のウィービング端との間の距離がd/4の範囲内である場合に、アーク電圧がVUpperになるように制御される。
即ち、電極の位置が各ウィービング端からd/4の範囲にある場合に、アーク電圧が予め定められた範囲内の値に制御されており、ウィービング端位置及びウィービング端の近傍でのアーク電圧の制御として、スパッタ発生や溶接欠陥の発生、溶融金属の馴染みの悪化等を抑制するためのより好ましい制御が行われているといえる。
一方、図7−3に示す例では、電極の位置と下板側のウィービング端との間の距離がd/8の範囲内である場合には、アーク電圧がVLowerになるように制御されるが、電極の位置と下板側のウィービング端との間の距離がd/8を超えると、アーク電圧がVLowerより小さくなるように制御される。また、電極の位置と立板側のウィービング端との間の距離がd/8の範囲内である場合には、アーク電圧がVUpperになるように制御されるが、電極の位置と下板側のウィービング端との距離がd/8を超えるとアーク電圧がVUpperより大きくなるように制御される。
そのため、図7−3に示す場合は、図7−1及び図7−2に示す場合とは異なり、ウィービング端位置及びウィービング端の近傍でのアーク電圧の制御として、より好ましい制御が行われているとはいえない。
<アーク電圧の制御手順>
次に、ロボットコントローラ20がアーク電圧を制御する手順について説明する。図8は、ロボットコントローラ20がアーク電圧を制御する手順の一例を示すフローチャートである。
まず、作業者により溶接開始の操作が行われると、ティーチングデータ解釈処理部22は、ティーチングデータ格納部21からティーチングデータを呼び込み、ティーチングデータを解釈してティーチング軌跡情報及び電圧指令情報を生成する(ステップ101)。生成されたティーチング軌跡情報はロボット軌跡計画処理部23へ出力され、電圧指令情報は電圧電源I/F処理部24の電圧指令生成処理部24bへ出力される。
次に、ロボット軌跡計画処理部23は、ティーチングデータ解釈処理部22から入力されたティーチング軌跡情報をもとに、溶接ロボット10の目標位置を計算し、サーボ指令情報を生成する(ステップ102)。そして、ロボット軌跡計画処理部23、生成したサーボ指令情報を溶接ロボット10へ出力し、また、ウィービング位置指令情報を電圧電源I/F処理部24のウィービング位置情報遅延補正部24aへ出力する。
さらに、ロボット軌跡計画処理部23は、ウィービング遅延時間を計算し(ステップ103)、計算したウィービング遅延時間の情報を電圧電源I/F処理部24のウィービング位置情報遅延補正部24aへ出力する。
次に、ウィービング位置情報遅延補正部24aは、ロボット軌跡計画処理部23からウィービング位置指令情報、及びウィービング遅延時間の情報を取得し、ウィービング遅延時間を考慮してウィービングによる電極の位置を補正し、実ウィービング位置情報を生成する(ステップ104)。生成された実ウィービング位置情報は、電圧電源I/F処理部24の電圧指令生成処理部24bに出力される。
次に、電圧指令生成処理部24bは、ティーチングデータ解釈処理部22から電圧指令情報を取得し、また、ウィービング位置情報遅延補正部24aから実ウィービング位置情報を取得し、電極のウィービング動作に同期させてアーク電圧を設定するための指令情報を生成する(ステップ105)。生成された指令情報は、溶接電源30に出力される。この指令情報をもとに、溶接電源30は、ウィービングでの電極の位置に合わせてアーク電圧を供給する。そして、本処理フローは終了する。
<実施例>
次に、本発明の実施例について、本発明の範囲から外れる比較例と対比して説明する。尚、この実施例及び比較例は、上述した数値限定などの根拠を与えるものでもある。
まず、実施例及び比較例において溶接を行う際の溶接条件について説明する。ただし、ここで説明する溶接条件は一例であり、本実施の形態では、以下の溶接条件に限定されるものではない。
狙い脚長は6mmとし、溶接電流は400アンペア(電流の単位:A)、電極の溶接電流に対応する平均のアーク電圧は約30ボルト(電圧の単位:V)以上35V以下の範囲で設定された。ここで、アーク電圧は、電極のウィービングの軌跡に合わせてステップ状に変化させた。また、溶接トーチ11が動作する際の速度である溶接速度は50cm/min、ウィービングの周波数は2.5Hzに設定された。さらに、ウィービング幅(下板側のウィービング端から立板側のウィービング端までの距離)は3mmに設定された。
また、溶接ワイヤとしては、軟鋼のソリッドワイヤで、径が1.2mmのものが用いられた。立板及び下板としては、板厚が12mmの一般構造用圧延鋼材(SS400)が用いられた。シールドガスとしてはAr−20%COが用いられた。
次に、実施例及び比較例における試験結果について説明する。図9は、実施例及び比較例における試験結果を示す図である。図9に示す例では、実施例としてNo.1〜12が示されており、比較例としてNo.13〜15が示されている。
また、図9では、溶接条件のうち、ウィービング動作時のアーク電圧について示しており、アーク電圧として、「アーク電圧の波形パターン」、「平均電圧」、「アーク電圧VO」、「アーク電圧VLower」、「アーク電圧VUpper」のそれぞれの項目について設定されたものを示している。
「アーク電圧の波形パターン」は、ウィービング動作時のアーク電圧の波形パターンを示す。ここで、図7−1に示す波形をパターンA、図7−2に示す波形をパターンB、図7−3に示す波形をパターンCとする。「平均電圧」は、溶接中のアーク電圧の平均値を示す。
「アーク電圧VO」は、溶接線中心位置におけるアーク電圧値(即ち、溶接線中心電圧の値)を示す。「アーク電圧VLower」は、下板側のウィービング端におけるアーク電圧値(即ち、下板側電圧の値)を示す。また、アーク電圧VOに対する割合(アーク電圧VLower/アーク電圧VO)をパーセントで示している。「アーク電圧VUpper」は、立板側のウィービング端におけるアーク電圧値(即ち、立板側電圧の値)を示す。また、アーク電圧VOに対する割合(アーク電圧VUpper/アーク電圧VO)をパーセントで示している。
そして、実施例、比較例では、これらのアーク電圧について、上述したように約30V以上35V以下の範囲で変化させて試験を行った。
また、評価結果としては、溶接後の状態について、「フランク角度」、「スパッタ付着による外観不良」、「溶接欠陥」の3項目で評価された結果について示している。
「フランク角度」は、溶接止端部(母材の面と溶接ビードの表面とが交わる部分)の形状を評価する指標の一つであるフランク角度をもとに評価した結果を示す。図10は、フランク角度を説明するための図である。図示のように、フランク角度とは、溶接止端部からのビードの立ち上がり角度をいう。本実施例では下板側のフランク角度を測定し、評価した。一般的にフランク角度が大きい程なめらかで良好なビード形状となる。そのため、フランク角度が90度を下回る場合はオーバーラップ、フランク角度が150度を超える場合にはのど厚(溶融金属の断面の厚さ)の不足となるため、「×」と評価し、フランク角度が90度以上150度以下の場合は「○」と評価した。さらに、フランク角度が110度以上135度以下の場合は、より良好な止端形状であるとして「◎」と評価した。
「スパッタ付着による外観不良」は、溶接長50mm、溶接線から下板側25mm、立板側25mmの範囲に対し、付着しているスパッタが1.0mm以下の場合は「◎」、1.0mmを上回るスパッタが1個以上5個以下の付着の場合は「○」、さらに、1.0mmを上回るスパッタが5個を超える場合はスパッタ付着による外観不良が著しいものとして「×」とした。
「溶接欠陥」は、試験実施者が溶接終了後のビードを目視で確認するとともに、マクロ断面を観察した結果を示す。ビード外観の確認やマクロ断面観察により、アンダーカット、オーバーラップなどの溶接欠陥が発生している場合は「×」と評価し、溶接欠陥が発生しておらず正常な場合は「○」と評価した。
そして、実施例であるNo.1〜12では、アーク電圧の溶接条件として、波形はパターンA〜Cのいずれかであり、アーク電圧VUpperはアーク電圧VO以下、アーク電圧VLowerはアーク電圧VO以上、アーク電圧VUpper<アーク電圧VLowerである。その結果、良好なフランク角度であり、スパッタの付着も少量で外観が良く、また溶接欠陥の無い良好なビード形状となった。即ち、No.1〜12の評価結果では、「フランク角度」、「スパッタ付着による外観不良」、「溶接欠陥」の項目について、全て「○」または「◎」となり、良好な結果を示している。
特に、No.1〜4では、アーク電圧VLower/アーク電圧VOが100%以上125%以下の範囲にあり、アーク電圧VUpper/アーク電圧VOが85%以上100%以下の範囲にある。さらに、アーク電圧の波形がパターンAである。その結果、フランク角度がより適正な範囲になり「◎」と評価され、スパッタの付着量も少なく「◎」と評価されており、より良好な結果を示した。
また、No.5でも、アーク電圧VLower/アーク電圧VOが100%以上125%以下の範囲にあり、アーク電圧VUpper/アーク電圧VOが85%以上100%以下の範囲にある。また、アーク電圧の波形はパターンBである。この場合も、フランク角度がより適正な範囲になり「◎」と評価され、スパッタの付着量も少なく「◎」と評価されており、より良好な結果を示した。
No.6〜9では、アーク電圧VLower/アーク電圧VOが100%以上125%以下の範囲にあり、アーク電圧VUpper/アーク電圧VOが85%以上100%以下の範囲にある。付言すると、No.6では、アーク電圧VLower/アーク電圧VOの値が、より好ましい範囲の上限値(125%)であり、No.7では、アーク電圧VLower/アーク電圧VOの値が、より好ましい範囲の下限値(100%)である。また、No.8では、アーク電圧VUpper/アーク電圧VOの値が、より好ましい範囲の下限値(85%)であり、No.9では、アーク電圧VUpper/アーク電圧VOの値が、より好ましい範囲の上限値(100%)である。一方で、No.6〜9におけるアーク電圧の波形は、パターンA及びパターンBのどちらでもなく、パターンCである。その結果、フランク角度はより適正な範囲になり「◎」と評価されたが、外観不良の評価結果は「○」となった。
No.10では、アーク電圧VLower/アーク電圧VOの値は128%であり、100%以上125%以下のより好ましい範囲から外れている。また、No.11では、アーク電圧VUpper/アーク電圧VOの値は80%であり、85%以上100%以下のより好ましい範囲から外れている。さらに、No.12では、アーク電圧VLower/アーク電圧Vの値は127%であり、100%以上125%以下のより好ましい範囲から外れており、またアーク電圧VUpper/アーク電圧VOの値は82%であり、85%以上100%以下のより好ましい範囲から外れている。さらに、No.10〜12におけるアーク電圧の波形は、パターンA及びパターンBのどちらでもなく、パターンCである。その結果、フランク角度の評価結果が「○」となり、外観不良の評価結果も「○」となった。
また、比較例について、No.13では、アーク電圧を変化させる制御が行われておらずほぼ一定の値を示し、アーク電圧VLower、アーク電圧VUpper、アーク電圧VOが同じ値である。即ち、アーク電圧VUpperはアーク電圧VO以下、アーク電圧VLowerはアーク電圧V以上といえるが、アーク電圧VUpper<アーク電圧VLowerという条件が満たされていない。その結果、「フランク角度」、「スパッタ付着による外観不良」が「×」となり、さらに下板側でオーバーラップが発生した。
No.14では、アーク電圧VUpper/アーク電圧VOの値は100%であり、アーク電圧VUpperはアーク電圧VO以下といえる。一方、アーク電圧VLower/アーク電圧VOの値は88%であり、アーク電圧VLowerがアーク電圧VO以上、及びアーク電圧VUpper<アーク電圧VLowerという条件が満たされていない。その結果、「フランク角度」、「スパッタ付着による外観不良」が「×」となり、さらに下板側でオーバーラップが発生した。
No.15では、アーク電圧VLower/アーク電圧VOの値は94%、アーク電圧VUpper/アーク電圧VOの値は112%である。即ち、アーク電圧VLowerがアーク電圧VO以上、アーク電圧VUpperがアーク電圧VO以下、及びアーク電圧VUpper<アーク電圧VLowerという条件が満たされていない。その結果、「スパッタ付着による外観不良」が「×」となり、さらに上板側でアンダーカットが発生した。
このように、溶接条件としてアーク電圧VLowerをアーク電圧VO以上、アーク電圧VUpperをアーク電圧VO以下、及びアーク電圧VUpper<アーク電圧VLowerとすることにより、フランク角度が良好になり、またスパッタ付着による外観不良が抑制され、さらにオーバーラップやアンダーカットといった溶接欠陥が抑制されることが確認された。さらに、アーク電圧VLower及びアーク電圧VUpperの値を調整したり、波形パターンをパターンAまたはパターンBに設定したりすることにより、フランク角度がより良好な結果になること、スパッタ付着が抑制されてビード外観がより良好な結果になることが確認された。
<ロボットコントローラのハードウェア構成>
最後に、ロボットコントローラ20のハードウェア構成について説明する。図11は、ロボットコントローラ20のハードウェア構成例を示す図である。
図11に示すように、ロボットコントローラ20は、演算手段であるCPU201と、記憶領域である揮発性メモリ202、不揮発性メモリ203とを備える。ここで、CPU201は、OS(Operating System)やアプリケーションソフトウェア等の各種プログラムを実行し、ロボットコントローラ20の各機能を実現する。また、揮発性メモリ202は、各種プログラムやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、不揮発性メモリ203は、各種プログラムに対する入力データや各種プログラムからの出力データ等を記憶する記憶領域である。
また、ロボットコントローラ20は、外部との通信を行うための通信インタフェース(以下、通信I/Fと表記する)204と、記憶媒体に対してデータの読み書きを行うためのドライバ205とを備える。
そして、例えば、CPU201がOSやアプリケーションソフトウェア等の各種プログラムを実行することにより、ロボットコントローラ20の機能が実現され、上述したアーク電圧の制御などが行われる。
ただし、図11はハードウェアの構成例に過ぎず、ロボットコントローラ20は図示の構成に限定されない。なお、本発明の実施の形態を実現するプログラムは、磁気ディスクや光ディスク、半導体メモリ、その他の記録媒体に格納して配布したり、ネットワークを介して配信したりすることにより、提供することができる。
以上説明したように、本実施の形態に係る溶接システム1は、立板側のウィービング端でのアーク電圧VUpperが溶接線中心位置のアーク電圧VO以下で、下板側のウィービング端でのアーク電圧VLowerが溶接線中心位置のアーク電圧VO以上になり、さらに、アーク電圧VUpperがアーク電圧VLowerよりも低くなるようにアーク電圧を制御する。このような構成により、例えば、立板側と下板側とのアーク電圧に高低差を設けないような構成と比較して、ビード外観不良が抑制されるとともに、立板側でのアンダーカットや下板側でのオーバーラップといった溶接欠陥の発生が抑制される。
なお、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態には限定されない。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々に変更したり代替態様を採用したりすることが可能なことは、当業者に明らかである。
1…溶接システム、10…溶接ロボット、11…溶接トーチ、20…ロボットコントローラ、21…ティーチングデータ格納部、22…ティーチングデータ解釈処理部、23…ロボット軌跡計画処理部、24…溶接電源I/F処理部、24a…ウィービング位置情報遅延補正部、24b…電圧指令生成処理部、30…溶接電源、40…送給装置

Claims (6)

  1. 立板と下板とを突き合わせた突合せ部を溶接線として、電極を、当該溶接線を中心にウィービングさせて、当該溶接線に沿って溶接を行う水平すみ肉溶接方法であって、
    前記電極が前記立板側及び前記下板側を移動する際のアーク電圧が、当該立板側のウィービング端での電圧値、溶接線中心位置での電圧値、当該下板側のウィービング端での電圧値の3つの電圧値によってステップ的に変化するとともに、当該立板側のウィービング端での電圧値が、当該下板側のウィービング端での電圧値よりも低くなるように制御し、
    前記ウィービングにおいて、前記電極の位置と前記立板側のウィービング端との距離が、当該立板側のウィービング端と前記溶接線中心位置との距離の1/4の範囲内である場合に、当該立板側のウィービング端での電圧値として、当該溶接線中心位置の電圧値より低い一の電圧値になるようにアーク電圧を制御し、当該電極の位置と前記下板側のウィービング端との距離が、当該下板側のウィービング端と当該溶接線中心位置との距離の1/4の範囲内である場合に、当該下板側のウィービング端での電圧値として、当該溶接線中心位置の電圧値より高い他の電圧値になるようにアーク電圧を制御すること
    を特徴とする水平すみ肉溶接方法。
  2. 前記立板側のウィービング端での電圧値は、前記溶接線中心位置の電圧値に対して85%以上100%より低い範囲内の値とし、前記下板側のウィービング端での電圧値は、当該溶接線中心位置の電圧値に対して100%より高く125%以下の範囲内の値とすること
    を特徴とする請求項1に記載の水平すみ肉溶接方法。
  3. 立板と下板とを突き合わせた突合せ部を溶接線として、電極を、当該溶接線を中心にウィービングさせて、当該溶接線に沿って溶接を行う水平すみ肉溶接装置と、
    前記電極が前記立板側及び前記下板側を移動する際のアーク電圧が、当該立板側のウィービング端での電圧値、溶接線中心位置での電圧値、当該下板側のウィービング端での電圧値の3つの電圧値によってステップ的に変化するとともに、当該立板側のウィービング端での電圧値が、当該下板側のウィービング端での電圧値よりも低くなるように制御し、前記ウィービングにおいて、当該電極の位置と当該立板側のウィービング端との距離が、当該立板側のウィービング端と当該溶接線中心位置との距離の1/4の範囲内である場合に、当該立板側のウィービング端での電圧値として、当該溶接線中心位置の電圧値より低い一の電圧値になるようにアーク電圧を制御し、当該電極の位置と当該下板側のウィービング端との距離が、当該下板側のウィービング端と当該溶接線中心位置との距離の1/4の範囲内である場合に、当該下板側のウィービング端での電圧値として、当該溶接線中心位置の電圧値より高い他の電圧値になるようにアーク電圧を制御する、前記水平すみ肉溶接装置を制御する制御装置と
    を備える水平すみ肉溶接システム。
  4. 立板と下板とを突き合わせた突合せ部を溶接線として、電極を、当該溶接線を中心にウィービングさせて、当該溶接線に沿って溶接を行う水平すみ肉溶接システムであって、
    溶接条件を定めたティーチングデータに基づいて、前記電極をウィービングさせる位置を指令するウィービング位置指令手段と、
    前記ウィービング位置指令手段の指令により移動した電極の位置情報を生成する位置情報生成手段と、
    前記位置情報生成手段により生成された前記位置情報をもとに前記電極のウィービング動作に同期した電圧制御を行い、当該電極が前記立板側及び前記下板側を移動する際のアーク電圧が、当該立板側のウィービング端での電圧値、溶接線中心位置での電圧値、当該下板側のウィービング端での電圧値の3つの電圧値によってステップ的に変化するとともに、当該立板側のウィービング端での電圧値が、当該下板側のウィービング端での電圧値よりも低くなるように制御し、前記ウィービングにおいて、当該電極の位置と当該立板側のウィービング端との距離が、当該立板側のウィービング端と当該溶接線中心位置との距離の1/4の範囲内である場合に、当該立板側のウィービング端での電圧値として、当該溶接線中心位置の電圧値より低い一の電圧値になるようにアーク電圧を制御し、当該電極の位置と当該下板側のウィービング端との距離が、当該下板側のウィービング端と当該溶接線中心位置との距離の1/4の範囲内である場合に、当該下板側のウィービング端での電圧値として、当該溶接線中心位置の電圧値より高い他の電圧値になるようにアーク電圧を制御するアーク電圧制御手段と
    を備える水平すみ肉溶接システム。
  5. 前記位置情報生成手段は、前記電極の位置情報として、前記ウィービング位置指令手段の指令と、当該指令を行ってから実際に当該電極が指令位置へ到着するまでの時間とをもとに、当該電極が実際に存在する位置を示す情報を生成すること
    を特徴とする請求項に記載の水平すみ肉溶接システム。
  6. 立板と下板とを突き合わせた突合せ部を溶接線として、電極を、当該溶接線を中心にウィービングさせて、当該溶接線に沿って溶接を行う水平すみ肉溶接システムに用いられるプログラムであって、
    前記電極が前記立板側及び前記下板側を移動する際のアーク電圧が、当該立板側のウィービング端での電圧値、溶接線中心位置での電圧値、当該下板側のウィービング端での電圧値の3つの電圧値によってステップ的に変化するとともに、当該立板側のウィービング端での電圧値が、当該下板側のウィービング端での電圧値よりも低くなるように制御し、前記ウィービングにおいて、当該電極の位置と当該立板側のウィービング端との距離が、当該立板側のウィービング端と前記溶接線中心位置との距離の1/4の範囲内である場合に、当該立板側のウィービング端での電圧値として、当該溶接線中心位置の電圧値より低い一の電圧値になるようにアーク電圧を制御し、当該電極の位置と当該下板側のウィービング端との距離が、当該下板側のウィービング端と当該溶接線中心位置との距離の1/4の範囲内である場合に、当該下板側のウィービング端での電圧値として、当該溶接線中心位置の電圧値より高い他の電圧値になるようにアーク電圧を制御する機能を、前記水平すみ肉溶接システムに実現させるためのプログラム。
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