JP2005095915A - 円周多層盛溶接方法及び自動溶接装置 - Google Patents
円周多層盛溶接方法及び自動溶接装置 Download PDFInfo
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Abstract
多層盛溶接及び溶接パス毎のビード継ぎが必要な厚板管材の開先継手に対して、非消耗性電極のパルスアーク溶接又は直流アーク溶接により欠陥のない平滑で良好な円周溶接ビードを得る。
【解決手段】
初層1パス目の溶接開始位置Xs1を予め教示したトーチ基準位置Xoと同じ位置に設定し、2パス目から最終層のNパス目までの各溶接開始位置を前記トーチ基準位置Xoより溶接線方向に特定角度α1ずつ又は特定距離L1ずつ前進又は後退させた位置に各々設定する。円周溶接のビード継ぎ部の終了側では、初層1パス目から最終層のNパス目までの各溶接終了位置を各溶接開始位置から溶接線方向に一周させた位置より始終端重ね長さCeだけ又は特定角度α2だけ前進させた位置に各々設定する。
【選択図】図6
Description
11により上下方向及び左右方向に任意位置に可動できるようにしている。TIG溶接電源12には、トーチケーブル17を経由して溶接トーチ3にシールドガスを供給するためのガスボンベ14と、冷却水を循環するための冷却水循環装置13とが接続されている。シールドガスはアーク溶接部及び非消耗性の電極を大気から保護するための不活性ガスであり、例えばArガスを使用している。Arがスの代わりにAr+H2混合ガスやHeガスを使用することも可能である。また、TIG溶接電源12には、溶接トーチ3と開先継手1の間にアークを発生させ、所望の大きさの電流を出力給電できるように給電ケーブル15a,15bが接続されている。画像処理装置8は、センサ制御器7bを経由して視覚センサ7aによって撮像する開先断面画像を処理して、開先肩幅,開先深さ,ギャップ,ビード幅,左右方向開先中心ずれ,上下方向の位置ずれなどを検出できるようにしている。
(例えば1〜3mm程度)を示している。また、●印はパス毎の溶接トーチ位置であり、例えば、初層1パス目の左右上下方向のトーチ位置はQ1(Y1,Z1)で示し、最終層Nパス目の左右上下方向のトーチ位置はQp(Yp,Zp)で示している。左右方向の各トーチ位置Y1〜Ypはほぼ開先中心位置であり、上下方向の各トーチ位置は、前層溶接までの各ビード高さを累計した累計高さ位置である。
6a,6bを可動させて、溶接トーチ3の電極4先端を開先継手1内の所望の開先中心位置かこの位置近傍に合せて位置教示する。教示した○印の位置が円周多層盛溶接におけるトーチ基準位置(Xo,Yo,Zo)となる。このトーチ基準位置は、図3及び図4に示した各開先の多層盛溶接における初層1パス目のトーチ位置Q1(Y1,Z1)に該当する。
Xe1〜Xe4との距離を示す始終端重ね長さであり、例えば10〜20mm程度にするとよい。初層1パス目の開始位置Xs1は、トーチ基準位置Xoと同じ位置に設定している。また、初層後の2パス目からNパス目(N=4)までの各溶接開始位置Xs2〜Xs4は、特定角度α1ずつ前進させた位置にしている。この前進角度α1の値は、例えば10〜20度程度にするとよい。図3(1)及び(2)に示した多層盛溶接での最終パスは、N=4とN=8である。また、図4に示した多層盛溶接での最終パスは、N=5であり、パス毎(P=1 to N)の溶接開始位置及び溶接終了位置はXs1〜Xs(p),Xe1〜Xe(p)となる。
Lp)の位置に振分けて各々設定することも可能である。
Xs(p)より円周の溶接線を一周させた位置より始終端重ね長さCeだけ前進させた位置であり、数2で求められる。なお、Dw(p)はパス毎(P=1 to N)の前層溶接の表面外径であり、溶接すべき開先継手の管内径をD、開先底部のルートフェイスをf、パス毎に積層すべき前層までの累計ビード高さHb(p−1)とすると、下記の数3で算出することができる。また、上述した2パス目から最終層Nパス目までの各溶接開始位置
Xs(p)を前記トーチ基準位置Xoより前進又は後退させる方向に複数定めた特定角度(α1,α2…αp)か特定距離(L1,L2…Lp)の位置に振分けた場合でも、各溶接開始位置Xs(p)より円周の溶接線を一周させた位置より始終端重ね長さCeだけ前進させた位置として算出できる。さらに、前記始終端重ね長さCeの代わりに特定角度
(第2の角度)θ2を代入してθ2だけ前進させる溶接終了位置Xe(p)を算出[Xe(p)=Xs(p)+360+θ2]して設定することも可能である。
溶接終了位置:Xe(p)=Xs(p)+360*[1+Ce/(π*Dw(p))]
…(数2)
前層溶接の表面外径:Dw(p)=D+2*(f+Hb(p−1)) …(数3)
このように算出決定することによりパス毎の溶接開始位置Xs(p)と溶接終了位置
Xe(p)とを正確に設定でき、溶接パス毎の開始位置及び終了位置とを一箇所に集中させないで各々分散することができる。また、各々分散した位置で溶接の開始部と終端部とのビード継ぎ溶接が行え、所望の溶接始端ビードが形成可能になる。なお、上述したパス毎の溶接開始位置Xs(p)及び溶接終了位置Xe(p)の算出は、始終端位置算出手段によって算出が可能であり、溶接制御装置10の内部の配備をすればよい。また、この算出結果を例えば溶接データファイル(又はこの溶接データファイルに該当する溶接情報手段)に記載保存し、溶接を実行する時に、この溶接データファイル又はこの溶接データファイルに該当する溶接情報手段を引出して使用するとよい。また、溶接開始位置から溶接終了位置に至るまでの回転走行位置及びトーチ左右上下位置の検出や表示は、位置検出表示手段によって容易にでき、前記溶接制御装置10に配備し、前記検出に必要な部品類の一部は使用する回転装置9又は溶接台車20に設ければよい。
α1だけ前進させた位置(●印)に設定している。これに対して、偶数番号の溶接パス
(P=2,4)に該当する第2の溶接開始位置(Xs2,Xs4)は、前記奇数番号の溶接開始位置と異なる正反対の方向に特定角度α1だけ後退させた位置(●印)に設定している。したがって、パス毎(P=1 to N)の溶接開始位置Xs(p)は、下記の(4)式及び(5)式で求められる。奇数番号の溶接開始位置をトーチ基準位置Xoより角度
α1だけ後退させた位置(X(p)=Xo−α1)にし、反対に偶数番号の溶接開始位置をトーチ基準位置Xoより角度α1だけ前進させた位置(X(p)=Xo+α1)に設定することもできる。また、角度α1の代わりに特定距離L2を代入し、この距離L2だけ前進又は後退させるように奇数番号に該当する第1の溶接開始位置と偶数番号に該当する第2の溶接開始位置とを区別して算出することも可能である。また、偶数番号に該当する第2の溶接開始位置を前記第1の溶接開始位置と異なる正反対の方向にトーチ基準位置
Xoより第2の角度α2だけ変化させる位置に設定することも可能である。一方、パス毎の溶接終了位置(Xe1〜Xe4)は、数4及び数5で算出した溶接開始位置Xs(p)より円周の溶接線を一周させた位置より始終端重ね長さCeだけ前進させた位置(◆印)であり、上述した数2及び数3式より算出できる。始終端重ね長さCeの代わりに第2の角度α2を代入し、この角度α2だけ前進させる溶接終了位置[Xe(p)=Xs(p)+360+α2]を算出して変更設定することも容易である。
偶数番号の溶接開始位置:Xs(p)=Xo−α1 …(数5)
このように算出決定することによりパス毎の溶接開始位置Xs(p)と溶接終了位置
Xe(p)とを正確に設定でき、溶接パス毎の開始位置及び終了位置とを一箇所に集中させないで2箇所以上に分散することができる。また、分散した2箇所以上の各位置で溶接の開始部と終端部とのビード継ぎ溶接が行え、所望の溶接始端ビードを形成することができる。
(省略)の雰囲気内で溶接開始点Xs(●印)の位置かこの位置近傍より溶接トーチ3先端の非消耗性電極4と母材(開先継手1)との間に小電流Isのアーク18を発生させてパルスアーク溶接を開始する。この小電流Isのアップスロープ時間T2(例えば1〜2秒程度)経過後に定常溶接のパルスアークのピーク電流Ip/ベース電流Ibに到達させると同時かその後に、溶接トーチ3を溶接線左右方向に揺動(ウィーブ幅Uw)させる。この溶接トーチ3の揺動は、ピーク電流Ipの時間Tpとベース電流Ibの時間Tbとに同期させるとよい。この場合、揺動時間に該当するベース時間Tb中にトーチを左右揺動させ、停止時間に該当するピーク時間Tp中に開先壁面近傍で一時停止させる動作を繰り返すことになる。溶接開始位置Xsの直下の開先低部又は前層溶接のビード表面部を徐々に溶融して所望の大きさの溶融プールが形成できる。ワイヤ待ち時間T3(例えば2〜4秒程度)経過後に、アーク18中及び溶融プール内にワイヤ5を送給Wp,Wbし、走行待ち時間T5(例えば2〜5秒程度)の経過後に所定速度Vで母材(開先継手1)を回転走行させながら定常状態の円周溶接を行う(アーク溶接動作は図13を参照)。この走行待ち時間T5によって開先壁面まで溶融させることができる。ワイヤ送りは少なくとも安定な溶融プールが形成した後に開始すればよい。例えばワイヤ送りを回転走行の直前(T3<T5)か直後(T3>T5)に開始すると、余盛り高さ調整が可能な溶接始端ビード
2sを得ることができる。回転走行とワイヤ送りをほぼ同時にして溶接することも可能である。また、図示していないが、ワイヤ5を低速送りから短時間のアップスロープ後に定速送りに到達するようにしてもよい。
Uwを広くする。最終仕上層のウィービング幅Uwは数9で求められる。ただし、C3はウィービングの幅定数である。また、最終層の溶接が左右又は上下に振分ける2パス溶接の場合には、数9のウィービング幅をパス数で割った値(例えばUw=(Ws−C3)/2)にすればよい。さらに、溶接パス毎の揺動速度Vuは、図8で述べたベース時間Tb(又は左右停止時間)に関係しており、数10で求められる。
初層のウィービング幅(Gs>C1の時):Uw=Gs−C1 …(数7)
充填層のウィービング幅:Uw=Bs−C2 …(数8)
仕上層のウィービング幅:Uw=Ws−C3 …(数9)
パス毎の揺動速度:Vu=Uw/Tb …(数10)
このように計算して制御することにより、ギャップGs又はビード幅Bs,開先肩幅
Wsが変化する開先継手であっても、溶接トーチを左右に揺動させるウィービング幅Uwを適正に制御でき、開先両壁部で生じ易いアンダーカットや溶融不良を防止して良好な溶接ビードを得ることができる。
Hs2…+Hsa)/a]した検出値であり、また、Hb(p−1)は前層溶接までに積層予定の累計ビード高さ、S(p)はPパス目の溶接で予定している基準溶着面積、Δhはビード高さずれである。このビード高さずれΔhは、残存部分の開先深さHsと板厚Tとルートフエイスfと前層溶接までの累計ビードHb(p−1)に関係しており、下記の数11より求められる。また、溶接すべき溶着面積Sは、該当溶接パス(Pパス目)の基準溶着面積S(p)とビード高さずれΔhに相当する部分の面積とを加算した値になり、数12より求められる。したがって、適応制御に必要な溶接速度Vは、数11及び数12で算出したビード高さずれΔh及び溶着面積Sと、該当溶接パス(Pパス目)でアーク
18中の溶接部分に送給すべき平均ワイヤ送り速度Wf(p)[平均値:Wf(p)=
(Wp*Tp+Wb*Tb)/(Tp+Tb)]とに関係しており、数13より求められる。ただし、C4は面積補正定数、C5はワイヤ溶着率係数、dはワイヤ径、θは開先角度である。また、溶接速度Vの代わりに平均ワイヤ送り速度Wf(p)の値を可変するように制御することも可能である。この場合には、溶接速度Vが一定でワイヤ送り速度Wf(p)の値が変化するように数13を変形して算出[例えばWf(p)=(4*S*V)/(10*d*d*π*C5)]できるようにすればよい。これらの算出式や定数を用いて計算及び制御する算出制御手段(省略)は溶接制御装置10の内部に配備すればよい。
溶着面積:S=S(p)+C4*Δh*(Bs+Δh*tan(θ/2))…(数12)
溶接速度:V=(10*d*d*π*C5*Wf(p))/(4*S)…(数13)
上述したように最終層の仕上溶接(P=N)や仕上前の前層溶接(P=N−1)の時には、視覚センサ7a及び画像処理装置による検出動作を停止して、最後に検出及び制御した前層溶接で記録(例えばPk=N−2のパス)又は指定パスの溶接で記録(例えばPk=N−3のパス)した検出データ(平均化処理後の検出値)を再使用する。また、ビード高さずれΔhを算出する時には、上記累計ビード高さHb(p−1)の代わりに、再使用する検出データの前層溶接までの累計ビード高さHb(pk−1)を数11に代入すればよい。さらに、最終仕上層(1パス仕上の時P=N)で溶接すべき溶着面積Sは、下記の数14で概算することができる。最終仕上層の溶接速度Vは数14で算出した溶着面積Sを上記数13に代入して算出すればよい。ただし、hsは仕上ビード高さ、b1は仕上ビードの幅定数である。また、最終層を2パスに振分け溶接(P=N−1とN)する場合には、振分け時の仕上ビード高さhs2を用いて溶接すべき溶着面積Sを概算[例えばS=hs2*(Ws+b1)/3]すればよい。
このように計算して制御することにより、残存部分の開先深さHsやビード幅Bsや開先肩幅Wsが変化する開先継手であっても、ビード高さずれΔhをなくすように溶着面積S及び溶接速度Vを又は溶着面積S及び平均ワイヤ送り速度Wf(p)を適正に算出して制御でき、積層ビード高さが均一で平滑な溶接ビードを得ることができる。また、センサによる検出が困難になり易い最終仕上層の溶接や仕上前の前層溶接であっても、最後に検出及び制御した前層溶接又は指定パスの溶接で記録した検出データを再使用することにより、制御不可に陥ることなく最終パスの溶接まで適正に制御でき、積層ビード高さが均一で平滑な溶接ビードを得ることが可能になる。
(ワイヤ位置も含む)の制御については、図11に示した上下方向の位置ずれΔZsをなくす方向に位置修正するとよい。このように前記開先中心ずれをなくす方向に左右トーチ位置を修正制御又は前記開先中心ずれと前記上下位置ずれの両方をなくす方向に左右トーチ位置及び上下トーチ位置を修正制御することにより、溶接線の曲がりやずれがある開先継手であっても、トーチ位置を適正な位置に修正制御でき、良好な溶接結果を得ることができる。
Claims (12)
- 少なくとも2パス以上の多層盛溶接及び溶接パス毎のビード継ぎが必要な容器,配管或いは案内管など円形又は楕円形の厚板管材の開先継手を非消耗性電極による溶接トーチでパルスアーク溶接又は直流アーク溶接を行う円周多層盛溶接方法において、
溶接前に前記円周多層盛溶接の基準となるトーチ基準位置を前記開先継手の所望の開先中心位置かこの位置近傍に設定し、初層1パス目の溶接開始位置を前記トーチ基準位置と同じ位置に設定し、初層後の2パス目から最終層Nパス目までの各溶接開始位置を前記トーチ基準位置より溶接線方向に第1の特定角度ずつ又は第1の特定距離ずつ前進又は後退させた溶接線位置に各々設定し、あるいは前記初層後の2パス目から最終層Nパス目までの各溶接開始位置を前記トーチ基準位置より前進又は後退させる方向に複数定めた特定角度か特定距離の位置に振分けて各々設定し、あるいは奇数番号の溶接パスに該当する第1の溶接開始位置を前記トーチ基準位置より溶接線方向に第1の特定角度だけ又は第1の特定距離だけ前進又は後退させた溶接線位置に設定し、偶数番号の溶接パスに該当する第2の溶接開始位置を前記第1の溶接開始位置と異なる正反対の溶接線位置に設定し、溶接パス毎に各々設定された前記各溶接開始位置かこの位置近傍、あるいは前記第1の溶接開始位置,前記第2の溶接開始位置かこの位置近傍よりアークを発生させて前記パルスアーク溶接又は直流アーク溶接を開始することを特徴とする円周多層盛溶接方法。 - 請求項1において、前記アーク溶接の開始側では、該当する溶接パスの前記溶接開始位置かこの位置近傍に前記溶接トーチを相対移動及び停止させた後に、溶接トーチ先端より小電流のアークを発生させ、前記小電流のアップスロープ時間経過後に定常溶接のパルスアークのピーク電流・ベース電流又は直流アークの平均電流に到達させ、その後に、溶接線方向に所定速度で前記溶接トーチを走行させ又は母材の開先継手側を回転させ、あるいは前記溶接トーチを走行させ又は母材の開先継手側を回転させる前後に、前記アーク中及び溶融プール内にワイヤを送給しながら定常状態の円周溶接に移行させるようにしたことを特徴とする円周多層盛溶接方法。
- 請求項1において、前記アーク溶接の開始側では、該当する溶接パスの前記溶接開始位置かこの位置近傍に前記溶接トーチを相対移動及び停止させた後に、溶接トーチ先端より小電流のアークを発生させ、前記小電流のアップスロープ時間経過後に定常溶接のパルスアークのピーク電流・ベース電流又は直流アークの平均電流に到達させると同時かその後に、前記溶接トーチを溶接線左右方向に揺動させ、溶接線方向に所定速度で前記溶接トーチを走行させ又は母材の開先継手側を回転させる前後に、前記アーク中及び溶融プール内にワイヤを送給しながら定常状態の円周溶接に移行させるようにしたことを特徴とする円周多層盛溶接方法。
- 少なくとも2パス以上の多層盛溶接及び溶接パス毎のビード継ぎが必要な容器や配管や案内管など円形又は楕円形の厚板管材の開先継手を非消耗性電極による溶接トーチでパルスアーク溶接又は直流アーク溶接を行う円周多層盛溶接方法において、
初層1パス目から最終層Nパス目までの各溶接終了位置は、円周多層盛溶接の基準となるトーチ基準位置を含み、このトーチ基準位置から溶接線方向に第1の特定角度ずつ又は第1の特定距離ずつ前進又は後退させた溶接線位置に各々設定された各溶接開始位置か、あるいは奇数パス目と偶数パス目とで前後異なる正反対の方向であって前記トーチ基準位置から第1の特定角度だけ又は第1の特定距離だけ前進又は後退させた溶接線位置に振分けて設定された第1の溶接開始位置,第2の溶接開始位置から溶接線方向に一周させた位置より第2の特定角度又は第2の特定距離だけ前進させた溶接線位置に設定し、あるいは初層1パス目から最終層Nパス目までの各溶接終了位置は、前記トーチ基準位置を含み、このトーチ基準位置より前進又は後退させる方向に複数定めた特定角度か特定距離の位置に振分けて各々設定した各溶接開始位置から溶接線方向に一周させた位置より第2の特定角度又は第2の特定距離だけ前進させた溶接線位置に設定し、定常状態の円周溶接中に前記溶接トーチが該当する溶接パスの前記溶接終了位置に到達した地点又はこの位置近傍で、あるいは前記溶接終了位置までの到達時間の経過後に、出力すべき溶接終了条件に移行し又は切り換えてビード継ぎ溶接することを特徴とする円周多層盛溶接方法。 - 請求項4において、溶接パス毎のビード継ぎ部では、定常状態の円周溶接中に前記溶接トーチが該当する溶接パスの前記溶接終了位置に到達した地点かこの位置近傍で、あるいは前記溶接終了位置までの到達時間の経過後に、定常溶接のピーク電流・ベース電流又は平均電流をダウンスロープさせ、ワイヤの送給を停止し又は停止直後に引き戻し、溶接トーチの走行又は母材の回転を停止又は走行停止遅れ時間後に停止させ、ダウンスロープ時間経過後に小電流のアークを停止させることを特徴とする円周多層盛溶接方法。
- 請求項4において、溶接パス毎のビード継ぎ部では、定常状態の円周溶接中に前記溶接トーチが該当する溶接パスの前記溶接終了位置到達した地点かこの位置近傍で、あるいは前記溶接終了位置までの到達時間の経過後に、定常溶接のピーク電流・ベース電流又は平均電流をダウンスロープさせると同時か直後に、前記溶接トーチの左右揺動を停止又は前記左右揺動の幅を減少して停止させ、ワイヤの送給を停止し又は停止直後に引き戻し、溶接トーチの走行又は母材の回転を停止又は走行停止遅れ時間後に停止させ、ダウンスロープ時間経過後に小電流のアークを停止させることを特徴とする円周多層盛溶接方法。
- 少なくとも2パス以上の多層盛溶接及び溶接パス毎のビード継ぎが必要な容器や配管や案内管など円形又は楕円形の厚板管材の開先継手を非消耗性電極による溶接トーチでパルスアーク溶接又は直流アーク溶接を行う円周多層盛溶接方法において、
定常溶接区間で出力すべき溶接パス毎のピーク電流/ベース電流又は平均電流,ピーク電圧又は平均電圧,ピーク時間/ベース時間又は停止時間/移動時間,ピークワイヤ/ベースワイヤの送り速度又は平均ワイヤの送り速度,ウィビング幅,溶接速度や回転速度などの溶接条件パラメータと、溶接開始部とビード継ぎの溶接終了部とで出力すべき溶接開始条件及び溶接終了条件と、溶接パス毎の左右/上下方向の各トーチ位置,溶接開始位置及び溶接終了位置と、溶接の制御や計算に用いる各定数及び基準データとを書き込み設定,引出し可能な溶接データファイル又はこの溶接データファイルに該当する溶接情報手段を設け、溶接前に初層1パス目の溶接開始位置に該当又は円周多層盛溶接の基準位置に該当するトーチ基準位置を前記開先継手の所望の開先中心位置かこの位置近傍に設定し、円周多層盛溶接を実行する時には、前記トーチ基準位置及び前記溶接データに基づいて溶接パス毎に溶接トーチを所定の溶接開始位置に移動させて溶接開始条件によるアーク溶接を開始させ、定常状態の該当パスの溶接条件及び円周溶接動作に移行させ、その後に溶接終了位置で溶接終了条件によるビード継ぎ溶接、このビード継ぎ終了後に終了処理する一連の制御動作を実行するようにしたことを特徴とする円周多層盛溶接方法。 - 請求項7において、初層1パス目から最終層Nパス目までの各溶接開始位置は、前記トーチ基準位置を含む開先中心位置から溶接線方向に第1の特定角度ずつ又は第1の特定距離ずつ前進又は後退させた溶接線位置に各々設定し、あるいは奇数パス目と偶数パス目とで前後異なる正反対の方向であって前記トーチ基準位置から第1の特定角度だけ又は第1の特定距離だけ前進又は後退させた溶接線位置に振分けて設定し、あるいは前記トーチ基準位置を含むこのトーチ基準位置より前進又は後退させる方向に複数定めた特定角度か特定距離の位置に振分けて各々設定し、あるいは溶接パス毎に不特定な角度だけ前進又は後退させた溶接線位置に各々設定し、初層1パス目から最終層Nパス目までの各溶接終了位置は、各々設定された前記各溶接開始位置から溶接線方向に一周させた位置より第2の特定角度又は第2の特定距離だけ前進させた溶接線位置に設定するようにしたことを特徴とする円周多層盛溶接方法。
- 請求項7,8において、前記開先継手の開先肩幅,深さ,ギャップ,溶接部のビード幅,左右方向の開先中心ずれ,上下方向の位置ずれをリアルタイムで検出する視覚センサ及び画像処理装置をさらに設け、溶接前にセンサ基準位置合せを前記トーチ基準位置かこのトーチ基準位置近傍で設定し、円周多層盛溶接を実行する時には、溶接動作中に前記画像処理装置から取得する各検出値をデータ処理及び各々平均化処理して使用し、溶接部のビード幅,深さ,開先肩幅の大きさに応じて溶接すべきビード高さが一定高さになるように溶着面積及び溶接速度を算出又は溶着面積及びワイヤ送り速度を算出して適応制御し、前記ギャップ又はビード幅又は開先肩幅の大きさに応じて前記溶接トーチを溶接線左右方向に揺動させるウィービング幅を適応制御し、前記開先中心ずれをなくす方向に左右トーチ位置を修正制御又は前記開先中心ずれと前記上下位置ずれの両方をなくす方向に左右トーチ位置及び上下トーチ位置を修正制御することを特徴とする円周多層盛溶接方法。
- 請求項9において、少なくとも最終層の溶接又は最終層の溶接及び最終層の前層の溶接を実行する時には、前記視覚センサ及び画像処理装置による検出動作を停止して、最後に検出及び制御した前層溶接又は指定パスの溶接で記録した各検出値をデータ処理及び各々平均化処理して再使用し、溶接部のビード幅,深さ,開先肩幅の大きさに応じて溶接すべきビード高さが一定高さになるように溶着面積及び溶接速度を算出又は溶着面積及びワイヤ送り速度を算出して適応制御し、前記ギャップ又はビード幅又は開先肩幅の大きさに応じて前記溶接トーチを溶接線左右方向に揺動させるウィービング幅を適応制御し、前記開先中心ずれをなくす方向に左右トーチ位置を修正制御又は前記開先中心ずれと前記上下位置ずれの両方をなくす方向に左右トーチ位置及び上下トーチ位置を修正制御することを特徴とする円周多層盛溶接方法。
- 少なくとも2パス以上の多層盛溶接及び溶接パス毎のビード継ぎが必要な容器や配管や案内管など円形又は楕円形の厚板管材の開先継手に対して、非消耗性電極による溶接トーチと、パルスアーク又は直流アークの出力可能なTIG溶接電源と、前記開先継手の回転走行が制御可能な母材回転装置又は溶接トーチの回転走行が制御可能な溶接台車と、ワイヤ及び溶接トーチの上下左右位置の駆動制御可能な駆動装置と、パス毎の溶接開始から終了に至る一連の動作及び構成機器を統括管理する溶接制御装置とを用いて、円周多層盛溶接及びビード継ぎ溶接を行う自動溶接装置において、
溶接前に前記円周多層盛溶接の基準となるトーチ基準位置を前記開先継手の所望の開先中心位置に教示する位置教示手段と、教示した前記トーチ基準位置を溶接座標原点と見なして処理し又は前記トーチ基準位置を加算処理して溶接パス毎の溶接開始位置及び溶接線一周後の溶接終了位置を算出決定する始終端位置算出手段と、事前に入力設定又は算出設定する溶接パス毎の定常溶接区間の溶接条件パラメータ、溶接開始部での溶接開始条件及びビード継ぎを含む溶接終了部での溶接終了条件を出力制御する条件出力制御手段と、溶接開始位置から溶接終了位置に至るまでの回転走行位置及びトーチ左右上下位置を検出及び表示する位置検出表示手段とを設けたことを特徴とする自動溶接装置。 - 請求項11において、前記開先継手の開先肩幅,深さ,ギャップ,溶接部のビード幅,左右方向の開先中心ずれ,上下方向の位置ずれをリアルタイムで検出する視覚センサ及び画像処理装置と、溶接前にセンサ基準位置合せを前記トーチ基準位置又は該トーチ基準位置近傍に設定するセンサ基準位置設定手段と、溶接中に前記ビード幅,深さ,開先肩幅の大きさに応じて溶接すべきビード高さが一定高さになるように溶着面積及び溶接速度を算出又は溶着面積及びワイヤ送り速度を算出して適応制御し、前記ギャップ又はビード幅又は開先肩幅の大きさに応じて前記溶接トーチを溶接線左右方向に揺動させるウィービング幅を算出して適応制御する条件制御手段と、前記左右方向の開先中心ずれをなくす方向に左右トーチ位置を修正制御する又は前記左右方向の開先中心ずれと上下方向の位置ずれの両方をなくす方向に左右トーチ位置及び上下トーチ位置を修正制御するトーチ位置制御処理手段とをさらに設けたことを特徴とする自動溶接装置。
Priority Applications (1)
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