JP2505965B2 - 固定配管の溶接方法及び装置 - Google Patents

固定配管の溶接方法及び装置

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JP2505965B2
JP2505965B2 JP8208093A JP8208093A JP2505965B2 JP 2505965 B2 JP2505965 B2 JP 2505965B2 JP 8208093 A JP8208093 A JP 8208093A JP 8208093 A JP8208093 A JP 8208093A JP 2505965 B2 JP2505965 B2 JP 2505965B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固定配管の、タングス
テンイナートガスアーク溶接(以下TIG溶接と略す)
もしくはプラズマアーク溶接による突合せ継手の全姿勢
溶接において全周にわたり均一で良好な裏波ビードを形
成する溶接方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】配管の溶接は管側を回転させて一定の姿
勢で溶接を行うことが望ましい。しかしプラントの現地
配管工事において据付が完了した配管に他の管を溶接す
る際、管側を回転させて溶接を行うことは出来ない。固
定配管の全姿勢溶接では、管円周位置に応じて溶接姿勢
が変化し、溶融金属の重力と表面張力の均衡が変化する
ため、管円周位置により、形成されるビード形状が変動
する現象が生じる。固定配管の突合せ溶接においては、
配管の強度や耐食性を保持するため、凹みやアンダーカ
ットやオーバーラップ等の溶接欠陥がなくかつ余盛が過
大でない裏波ビードを管全周にわたって出来るだけ均一
に形成することが要求される。
【0003】そのため、固定配管の全姿勢円周自動溶接
においては、円周位置を適宜区分に分割し、該区分毎に
溶接姿勢に応じた溶接条件を、実験等により求め、予め
区分毎の溶接条件を設定し、記憶装置に記憶させ、円周
溶接の進行に伴い、溶接トーチが該区分位置に移動した
時点で、該区分に対応する溶接条件を順次呼出し、切り
替えて溶接する。溶接の進行につれて既に溶接した部分
からの熱伝導によるこれから溶接する部分の温度上昇
や、取付け物などの周囲状況の変動による溶接部位置で
の冷却条件の変動などの外乱により、予め設定した溶接
条件で溶接した場合の溶け込みの不均一やビード形状の
不均一の発生を防止するため、溶融池の後端付近の温度
を検出し、管の周方向に沿って、適宜分割区分し、区分
毎に異なった温度を設定し、該設定温度と一致するよう
に入熱を制御する溶接方法が特開昭58−128285
号公報に開示されている。
【0004】その一例を以下に説明する。
【0005】図7は従来の固定配管の溶接装置の構成を
示す説明図である。
【0006】図8は図7に示した装置の動作を説明する
溶接制御シーケンスである。
【0007】図7に示すように、被溶接部である管1
は、円周方向に沿って鉛直軸に対し、A,B,C,Dに
4等分され、区分AB,BC,CD,DAは溶接姿勢が
それぞれ下向き、立て向き下進、上向き、立て向き上進
に相当し、各区分に対応する設定温度が定められてい
る。電極2と管1の間に溶接電源14により、低周波パ
ルス電流を印加し溶接する場合、管1の溶融池5の後端
付近の温度検出点Pより放射される赤外線は、溶接ヘッ
ドに取り付けた赤外線集光部6により検出し、光ファイ
バー8を介して赤外線温度検出装置9に伝送され、赤外
線量に応じた電気信号に変換され、温度検出信号として
増幅器12で増幅され、溶接制御装置13に送られる。
制御装置13は管1の上記区間AB,BC,CD,DA
の溶接姿勢に応じて予め定められた温度と、各区分での
溶接による溶融池の後端付近の温度検出点Pの検出温度
を比較し、両者が一致するようにパルス電源14が供給
する溶接電流の制御を行う。
【0008】図7の矢印の方向に溶接した場合、図8に
示すように区分AB,BC,CD,DA毎に設定温度T
1,T2,T3,T4をそれぞれ実験等より求め、制御装置
11に入力し、溶接ヘッド3を管1のA点よりやや下の
溶接開始点Sにセットし、ベース電流Ibを有する溶接
電流を電極2と管1の間に供給し、溶接を開始する。T
s秒後に溶接ヘッド3が速度Vをもって管1の周囲を回
転し始め、Tw秒後には溶接ヘッド3が管1のA点に達
し、パルスピーク値がアークスタート時Isであった溶
接電流が、区間ABに対して設定したピーク電流I
0(予め実験などにより求めた値)に上昇する。このよ
うにして溶接ヘッド3がA点に達すると、制御装置11
は温度検出点Pの検出された温度T01と区分ABに対し
て設定した温度T1とを比較し、両者が一致するように
パルス溶接電源14を制御してピーク電流値がI1であ
る溶接電流を供給するよう入熱を制御する。
【0009】以下同様に、管1と溶接電極2の間に、区
間BCにおいてはT2とT02を比較し、ピーク電流がI2
の電流が供給され、区間CDにおいてはT3とT03 とを
比較し、ピーク電流I3の電流が供給され、区間DAに
おいてはT4とT04を比較し、ピーク電流がI4の電流が
供給される。
【0010】上記のごとく区間AB,BC,CD,DA
を順次溶接し、溶接ヘッド3が管1を一周してA点に戻
るとピーク電流を漸次減少させ、溶接ヘッドがA点に達
したときからTd秒後にクレータ電流Icになるように
し、溶接ヘッドの移動を停止し、Tc秒間クレータ電流
Icを保持した後、アークを停止して溶接を終了する。
上記の溶接制御シーケンスにおいては、図8に示すよ
うに、溶接速度を一定とし、管位置による溶接姿勢に対
応して溶接電流のピーク値を変化させて、溶け込み深さ
や母材溶融量を変化させているため溶接姿勢による溶融
金属の垂れ下がりを防止し、ビード形状を管全周に亘っ
て均一にすることはできるが、溶着金属厚さが管位置に
よって変動する現象が生ずる。このため、厚肉管の多層
溶接の初層溶接の裏波溶接において上記の現象が生じた
場合、溶接姿勢が上向き溶接となる区間CDでは小入熱
となるため、溶着金属厚さが他の区間に比べて薄くな
り、第2層目の溶接における溶接熱で初層溶接金属が再
溶融し、裏波ビードが破壊される危険性があるため、第
2層目の溶接条件に対して、精細な制御を行う必要があ
る。また、厚肉管の多層溶接において、同一パス回数ま
たは層数の溶接では、管位置によって余盛過大や溶接金
属不足が生ずることとなるため、第2層以下最終パスま
での各パスの溶接条件を細かく検討し、精細な制御を行
う必要がある。
【0011】一方、上記の特開昭58−128285号
公報において、溶接条件制御の情報因子である溶融池温
度の計測方法はアーク光の影響による誤差を防止するた
めパルス電流のベース電流時間帯に温度計測を行うこと
としている。パルス電流を用いてTIG溶接する方法に
おいては、ピーク電流時に母材を溶融し、ベース電流時
に凝固するサイクルを繰り返しながら溶接する方法であ
り、溶け込み深さ、溶融金属量を決定する主要な溶接条
件因子はピーク電流値である。そのため、冷却条件が異
なる溶接に対しては、溶け込み深さ、溶融金属量を正確
に制御しにくい問題がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】一般に溶接姿勢が上向
きの場合に溶融金属の垂れ下がりを生じるが、管全周に
亘って均一な溶込み深さ、溶着金属厚さ、ビード形状を
得るために入熱制御、例えば溶接電流の制御を行う固定
配管の突合せ溶接の全姿勢溶接において、この垂れ下が
りを防止するため入熱を少なくするように制御すると、
溶け込み量が減少し溶着金属厚さが薄くなる。
【0013】本発明の目的は、固定配管の溶着金属厚さ
を厚くかつ均一な初層裏波を得る溶接方法及び装置を提
供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的は、固定配管の
突合せ開先の全姿勢溶接を溶接トーチに設けられた非消
耗電極と被溶接材との間にパルス電流を印加してアーク
を発生させ、溶接部に溶加材を送給してアーク溶接を行
う固定配管の溶接方法において、前記パルス電流のピー
ク電流及びベース電流時に溶融池の表面温度を検出し、
前記ピーク電流時には前記全姿勢溶接のそれぞれの溶接
姿勢に対し同一設定温度が得られるように溶接電流を変
化させず、前記ベース電流時に前記全姿勢溶接のそれぞ
れの溶接姿勢に対し設定した温度が得られるように前記
溶加材の給速度を変化させることにより達成される。
【0015】前記溶加材の送給速度が前記パルス電流の
周期に同期して変化し、前記パルス電流のベース電流時
間帯における送給速度が、ピーク電流時間帯における送
給速度よりも大なるように制御することが望ましい。
【0016】前記溶加材の添加時期が前記パルス電流の
位相よりずれて、前記パルス電流のピーク電流時間帯に
添加を開始するように制御することが望ましい。
【0017】上記目的は、非消耗電極を設けた溶接トー
チと、該溶接トーチにパルス電流を供給する電流供給手
段と、前記溶接トーチを固定管の溶接線上を移動させる
移動手段と、前記溶接トーチへ溶加材を送給する溶加材
給手段と、溶融の温度を検出する温度検出手段と、
該温度検出手段によって検出された表面温度に応じて、
被溶接材の溶接姿勢の変化に対して予め設定された温度
と比較する比較演算手段と、該比較演算手段の比較結果
に基づき溶加材送給量を制御する制御手段とを備えたこ
とにより達成される。
【0018】
【作用】本発明者らは固定配管の突合せ溶接の全姿勢溶
接の品質向上の研究を進め、その過程で以下のような知
見を得た。
【0019】上記溶接で最も困難なのは初層裏波溶接で
あり、裏波ビード形状に着目して観察した結果は次のと
おりである。
【0020】図5は本発明と従来の固定配管の初層溶接
の状況を示す説明図である。
【0021】(a)は開先部の管長手方向の断面図であ
る。
【0022】初層裏波溶接ビード26の余盛高さをh、
ビード幅をw、溶着金属厚さをdで表している。
【0023】(b)は初層裏波溶接部における管長手直
角方向の断面図である。
【0024】管1の円周方向の位置を鉛直方向下部から
水平方向、鉛直方向上部、水平方向の順にI、II、III、
IVで表しており、各々の部分の溶接姿勢は、同図矢印方
向に2方向振分け溶接を行った場合、順に、上向、立向
上進、下向、立向下進である。(c)は管全周に亘っ
て、管サイズ及び開先ルート形状を考慮し、適宜設定し
た入熱、溶加材送給速度を一定として溶接した場合の余
盛高さ、ビード幅及び溶着金属厚さの平均的状況を定性
的に示した図であり、余盛高さ(+)は凸状であること
を、また、(−)は凹状であることを示している。
(c)に示すように、溶接位置による影響は余盛高さに
最も顕著に現れ、ビード幅、溶着金属厚さには余り顕著
には現れず、余盛高さは溶接位置IIIで著しく大とな
り、溶接位置Iでは凹みビードが生じ、また、溶着金属
厚さはほぼ2〜3mmであった。
【0025】(d)は前記従来技術による溶接を行った
場合を示し、管円周溶接において、溶融池の後端部付近
の温度を検出し、管円周を適宜区分に分割し、該区分毎
に適宜温度を設定し、溶接中の溶融池の温度を設定値に
合致するように入熱を制御し、溶加材送給速度を一定と
して溶接を行った場合の余盛高さ、ビード幅及び溶着金
属厚さの平均的状況を定性的に示した図である。(d)
においては、前記入熱及び溶加材送給速度を一定として
溶接した場合に比較して、余盛高さ、ビード幅は平均化
しているが、溶接位置Iにおける余盛高さはほぼ0mm
で、若干凹みビードとなる確率はかなり高かった。ま
た、溶着金属厚さはほぼ2〜3mmで前記(c)の場合と
同程度であった。
【0026】(e)は本発明による溶接を行った場合を
示し、余盛高さは高い値があることは認められるものの
(c)や(d)の場合よりも著しく改善されている。ビ
ード幅は(c)と同等であるが、溶着金属厚さは均一で
溶加材の制御を行う本発明の効果が明確に示されてい
る。
【0027】図6は入熱と裏波ビードの形成状況の因果
関係を説明する説明図である。
【0028】前記配管溶接の初層溶接における初層裏波
ビードの形成現象の観察において、入熱の大小により裏
波ビードの形成状況は本図に示すような因果関係にある
ことを見出した。
【0029】入熱が大きくなれば母材の溶融量が多くな
ると共に、溶融池の温度が上昇し、溶湯の流動性が増加
し、ビードの垂れ下がり現象が生じやすくなり、裏波ビ
ード形状は、下向き溶接では余盛形状の凸形状が大とな
り、上向き溶接では凹みが生ずる。
【0030】一方入熱が小さくなれば溶融池の温度上昇
は少なく、溶融金属の垂れ下がりは生じないため、溶接
部の収縮により裏波ビードは全周凸形となり、ビードの
凹みは生じないが母材の溶融量は少ないから溶着金属厚
さは不足する。
【0031】前記観察状況より、溶接条件のうち溶融池
の温度について、これを過大にしないように制御するこ
とにより、凸形の裏波ビードを得ることが可能であり、
特に上向き溶接において溶加材の添加速度を適宜大きく
することにより、溶融池の温度を低下させてビードの垂
れ下がりを防止すると同時に溶着金属厚さを確保し良好
な裏波ビードを得ることが出来る。
【0032】
【実施例】本発明の一実施例を図により説明する。
【0033】図1は本発明の実施例の溶接装置構成を示
す説明図である。
【0034】本図において、溶接装置は被溶接物である
管1の周囲に取付けられ、溶接ヘッド3、溶融池5の温
度を検出するための温度検出器6及び溶接ワイヤ20を
供給するワイヤ送給装置21を搭載した台車17の走行
をガイドするレール16、溶接電源14及び各種制御装
置より構成されている。管1と溶接ヘッド3の電極2と
の間にパルス溶接電流を印加し、アーク4を発生させ、
溶融池5を形成させる。溶融池5の表面温度を温度検出
器6により検出する。温度検出器6は溶融池5より放射
される赤外線を集光レンズ7により検出素子11に集光
させるが、溶接アーク4から発せられる光と溶融池5か
ら発せられる光とを分離し、溶融池5から発せられる光
のみを検出するように適当な波長のみを透過する干渉フ
ィルター10を集光系に設置している。温度検出器6の
検出素子11により電気信号に変換された温度情報は増
幅器12により適宜増幅され、溶接制御装置13内の温
度比較演算回路に伝送され、管1の円周方向の位置区分
に対して制御するピーク電流時の目標温度を予め設定す
る位置、温度設定回路15からの信号と比較し、溶接電
源14の電流値制御部へ指令信号を発して電極2に供給
する溶接電流を調整し、入熱を制御する。
【0035】台車17は管1の円周方向の溶接位置を検
出する溶接位置検出回路18と台車位置制御装置25を
保有しており、管1の溶接位置や溶接姿勢を検知し、管
1の円周方向を適宜区分した区間毎にベース電流時の設
定温度を変化させて設定する位置、温度設定回路15の
設定値を変更する指令信号を発するとともに、上記区間
ごとにワイヤ送給速度を変化させて設定するワイヤ送給
速度設定回路19の設定値を変更する指令信号を送信す
る。ワイヤ送給速度設定回路19からの信号は、電流位
相検出回路23により、検出した溶接電流パルス位相に
対して、ワイヤ送給位相制御回路24により同期又は位
相変換を行い、ワイヤ送給制御回路22を介してワイヤ
送給装置21の送給速度及び送給時期の溶接電流パルス
に対する位相の制御を行う。
【0036】図2は本発明の実施例の溶接条件を制御す
る溶接制御シーケンス図である。
【0037】本図は固定配管の初層裏波溶接について、
パルスのピーク電流及びベース電流時に溶融池5の表面
温度を検出し、ピーク電流時には管1の円周方向の各位
置で同一設定温度となるように制御すると共に、ベース
電流時には管1の円周方向の各位置で溶加材の送給量又
は添加時期を制御する場合の管1の円周位置と設定温度
に対する溶接電流、溶接速度、ワイヤ送給速度の制御シ
ーケンスを示している。本図に示す管1の円周方向の位
置Iを起点として、時計廻りのI、II、III方向と反時計
廻りのI、IV、III方向の2方向の振り分け溶接を行った
場合について示し、2方向振り分け溶接に対し、管1の
区間I−II、II−III及び区間I−IV、IV−IIIについて左
右同一として、制御の基準設定温度をピーク電流時には
TP1,TP2及びベース電流時にはそれぞれTB1,TB2
して溶接するものとしている。本図は管1の円周位置に
おけるパルスのピーク電流供給時の設定温度を同一、溶
接速度を同一、ワイヤ送給パルスを溶接電流パルスと同
期し、ワイヤ送給速度を変化させる場合を示している。
本図において、管1の区間ごとに制御するパルスのピー
ク電流供給時の設定温度をそれぞれTP1,TP2、パルス
のベース電流供給時の設定温度をそれぞれTB1,TB2
それぞれ実験等により求め、制御装置13に入力してお
くが、TP1とTP2は同一温度としているがTB1,TB2
管1の区間I−IIで区間II−IIIより低く設定している。
パルスのベース電流は溶融池5が凝固する溶接金属の
度を保持する目的で供給されるものであるが、本実施例
では区間I−IIで溶融池5の温度を低く保持している。
次に、溶接ヘッド3を位置Iよりも溶接方向に対して所
定の距離後退させた溶接開始点Sにセットし、溶接電流
(パルス電流)を管1と溶接ヘッド3との間に供給し、
アーク4を発生させる。アーク発生後、Ts秒後に溶接
ヘッド3が速度Vで管1の周囲を回転し始め、Tw秒後
に溶接ヘッド3が管1の位置Iに達し、電流値は最初ア
ークスタート電流Isが予め実験等により設定した溶接
電流I0に上昇する。溶接ヘッド3が位置Iに達すると、
パルスのピーク電流供給時に溶融池5の温度検出を行
い、制御装置13は検出した温度T01pと設定温度TP1
を比較し、両者が一致するよう溶接電源を制御して溶接
電流をI1に増減して入熱を制御する。一方、溶接電流
パルスの位相に同期して、溶接電流ベース電流時間帯に
溶接ワイヤ送給装置21を駆動し、溶接ワイヤ20をワ
イヤ給速度F1で溶融池5に添加する。溶接ワイヤ2
0の添加により、溶融池5の温度は低下し、検出温度は
01bとなる。以下、溶接の進行につれて、溶接電流、
溶接ワイヤ20の供給サイクルが繰り返される。
【0038】上記に引続き、区間I−IIの溶接を終え、
溶接ヘッド3が位置IIに達したとき、溶接ワイヤ20の
ワイヤ給速度がF2に変化し、上記と同一の要領で溶
接が行われ、溶融池5の温度は、溶接電流パルスのピー
ク電流時はT02p、ベース電流時はT02bとなる。
【0039】上記の如く、区間I−II、II−IIIを順に溶
接し、溶接ヘッド3が管1の周囲を半周し、位置IIIに
達すると温度比較による溶接電流制御や溶加材添加の溶
接を終了し、溶接電流を漸減させて、溶接ヘッド3が位
置IIIに達したときからTd秒後にクレータ電流Icに
なるようにする。その後、溶接ヘッド3の回転を止め、
Tc秒間クレータ電流を保持した後アーク4を切って管
1の半周の溶接を終了する。以下同様に、反時計廻り方
向の区間I、IV、IIIの半周の溶接も時計廻り方向と同様
に溶接を行う。
【0040】上記の溶接条件により溶接した結果につい
て、裏波ビードの余盛高さ、ビード幅、溶着金属厚さの
状況は図4(e)のごとくであった。また、溶着金属厚
さはほぼ5〜6mmであった。
【0041】図3は本発明の他の実施例の溶接条件を制
御する溶接制御シーケンス図である。本図は管1の円周
位置におけるパルスのピーク電流及びベース電流供給時
の設定温度を変化、溶接速度同一、ワイヤ送給パルスを
溶接電流パルスと同期し、ワイヤ送給速度を変化の場合
を示し、管1の区間ごとに制御する各設定温度を、区間
I−IIは区間II−IIIの温度よりも低くなるように設定
し、また、管1の区間ごとに制御するワイヤ送給速度
を、区間I−IIの給速度F1は区間II−IIIの給速度
2よりも大と成るように制御したものであり、その結
果、検出温度は区間I−II及びI−IVでは溶融時の温度T
01p、凝固時の温度T01bとも、区間II−III及びIV−I
IIでの溶融時の温度T02p、凝固時の温度T02bに比べ
て低くなっている。このように制御することにより図2
の場合以上の効果が得られる。
【0042】図4は本発明の他の実施例の溶接条件を制
御する溶接制御シーケンス図である。本図は管1の円周
位置による各設定温度、溶接速度を図2の場合と同様に
し、図2の場合においてワイヤ送給パルスと溶接電流パ
ルスの位相が一致しているのに対して、本図は管1の円
周位置によるワイヤ送給パルスと溶接電流パルスの位相
をずらし、ワイヤ送給速度を変化させる場合を示す。ワ
イヤ送給パルスの位相を溶接電流の位相に対してTf秒
だけ早めるようにずらし、溶接電流がピーク電流の時間
内に送給を開始するようにワイヤ送給のタイミングを変
更する例である。その結果、検出温度は図2の場合と同
様に区間I−IIの凝固時の温度T01bは区間II−IIIのT
02bより低くなりこのように制御することにより図2の
場合と同等の効果が得られる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、固定配管のTIG溶接
もしくはプラズマ溶接による突合せ溶接の全姿勢溶接に
おいて、パルスのピーク電流時の温度を検出して溶加材
給速度を変化させ、溶融池温度を制御することによ
り管全周に亘って均一な溶込み深さ、溶着金属厚さ、ビ
ード形状を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の溶接装置構成を示す説明図で
ある。
【図2】本発明の実施例の溶接条件を制御する溶接制御
シーケンス図である。
【図3】本発明の他の実施例の溶接条件を制御する溶接
制御シーケンス図である。
【図4】本発明の他の実施例の溶接条件を制御する溶接
制御シーケンス図である。
【図5】本発明と従来の固定配管の初層溶接の状況を示
す説明図である。
【図6】入熱と裏波ビードの形成状況の因果関係を説明
する説明図である。
【図7】従来の固定配管の溶接装置の構成を示す説明図
である。
【図8】図7に示した溶接装置の溶接制御シーケンス図
である。
【符号の説明】
1 管 2 電極 3 溶接ヘッド 4 アーク 5 溶融池 6 温度検出器 7 集光レンズ 8 光ファイバ 10 干渉フィルタ 11 検出素子 12 増幅器 13 溶接制御装置 14 溶接電源 15 位置、温度設定回路 16 レール 17 台車 18 溶接位置検出回路 19 ワイヤ送給速度設定回路 20 溶接ワイヤ 21 ワイヤ送給装置 22 ワイヤ送給制御回路 23 電流位相検出回路 24 ワイヤ送給位相制御回路 25 台車位置制御装置26 初層裏波溶接ビード

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定配管の突合せ開先の全姿勢溶接を溶
    接トーチに設けられた非消耗電極と被溶接材との間にパ
    ルス電流を印加してアークを発生させ、溶接部に溶加材
    を送給してアーク溶接を行う固定配管の溶接方法におい
    て、前記パルス電流のピーク電流及びベース電流時に溶
    融池の表面温度を検出し、前記ピーク電流時には前記全
    姿勢溶接のそれぞれの溶接姿勢に対し同一設定温度が得
    られるように溶接電流を変化させず、前記ベース電流時
    に前記全姿勢溶接のそれぞれの溶接姿勢に対し設定した
    温度が得られるように前記溶加材の給速度を変化させ
    ることを特徴とする固定配管の溶接方法。
  2. 【請求項2】 前記溶加材の送給速度が前記パルス電流
    の周期に同期して変化し、前記パルス電流のベース電流
    時間帯における送給速度が、ピーク電流時間帯における
    送給速度よりも大なることを特徴とする請求項1に記載
    の固定配管の溶接方法。
  3. 【請求項3】 前記溶加材の添加時期が前記パルス電流
    の位相よりずれて、前記パルス電流のピーク電流時間帯
    に添加を開始することを特徴とする請求項1に記載の固
    定配管の溶接方法。
  4. 【請求項4】 非消耗電極を設けた溶接トーチと、該溶
    接トーチにパルス電流を供給する電流供給手段と、前記
    溶接トーチを固定管の溶接線上を移動させる移動手段
    と、前記溶接トーチへ溶加材を送給する溶加材給手段
    と、溶融の温度を検出する温度検出手段と、該温度検
    出手段によって検出された表面温度に応じて、被溶接材
    の溶接姿勢の変化に対して予め設定された温度と比較す
    る比較演算手段と、該比較演算手段の比較結果に基づき
    溶加材送給量を制御する制御手段とを備えたことを特徴
    とする固定配管の溶接装置。
  5. 【請求項5】 前記溶加材送給量制御手段は前記パルス
    電流のベース電流時間帯における送給速度が、ピーク電
    流時間帯における送給速度よりも大なるように制御する
    ことを特徴とする請求項4に記載の固定配管の溶接装
    置。
  6. 【請求項6】 前記溶加材の添加時期が前記パルス電流
    の位相よりずれて、前記パルス電流のピーク電流時間帯
    に添加を開始するように制御することを特徴とする請求
    項4に記載の固定配管の溶接装置。
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