JP2019208688A - 貼付剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】水性ゲルのはみ出しを防止することができる貼付剤を提供する。【解決手段】貼付剤1は、支持基材2と、支持基材2の一方面に積層された水性ゲル3と、水性ゲル3を覆う剥離フィルム4と、を備え、支持基材2及び剥離フィルム4の外周縁同士が全周にわたって接合されている。【選択図】図2

Description

本発明は、人の皮膚に貼り付けて使用される貼付剤に関する。
この種の貼付剤として、例えば、発熱・頭痛や歯痛、炎症時の患部の冷却や、顔等の火照りの冷却、またスポーツ後の筋肉のクールダウン等のために、パップ剤や冷却剤等が従来から使用されており、図3に示すように、支持基材101上に水性ゲル102が積層されるとともに水性ゲル102を剥離フィルム103で覆った構造のものが一般に知られている(例えば特許文献1を参照)。
特開2012−144562公報
従来の貼付剤100は、水性ゲル102が有する粘着性により剥離フィルム103が水性ゲル102の表面に剥離可能に貼り付けられており、水性ゲル102の端面は露出している。そのため、輸送時等に貼付剤100の表面及び/又は裏面が押圧される等して水性ゲル102が圧迫されると、水性ゲル102が押し出されて貼付剤100の外周縁からはみ出すおそれがあり、これは水性ゲル102の厚みが大きい場合や水性ゲル102の水分含有量が多くて流動性が高い場合に顕著な問題となる。これを解消するために水性ゲル102の固化を促進する工程が必要になり、製造コストの増加の原因となっている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、水性ゲルのはみ出しを防止することができる貼付剤を提供することを目的とする。
本発明の貼付剤は、支持基材と、前記支持基材の一方面に積層された水性ゲルと、前記水性ゲルを覆う剥離フィルムと、を備え、前記支持基材及び前記剥離フィルムの一方の外周縁が全周にわたって前記支持基材及び前記剥離フィルムの他方に接合されていることを特徴とする。
本発明の貼付剤においては、前記支持基材及び前記剥離フィルムの外周縁同士が全周にわたって接合されていることが好ましい。
また、本発明の貼付剤においては、前記水性ゲルの水分含有量が65重量%以上90重量%以下であることが好ましい。
また、本発明の貼付剤においては、前記支持基材は、不織布であることが好ましい。
また、本発明の貼付剤においては、前記不織布がポリエチレンテレフタレート樹脂繊維からなり、前記剥離フィルムがポリオレフィン系樹脂からなることが好ましい。
本発明の貼付剤によれば、支持基材及び剥離フィルムの一方の外周縁が全周にわたって他方に接合されており、水性ゲルが支持基材及び剥離フィルム内に封入されている。そのため、貼付剤の輸送時や保管時等に貼付剤の表面及び/又は裏面が押圧される等して水性ゲルが圧迫されても、水性ゲルが押し出されて貼付剤の外周縁からはみ出すことを防止することができる。また、貼付剤の製造時に水性ゲルの固化を促進するための工程を短縮あるいは省略することができる。
本発明の一実施形態に係る貼付剤の平面図である。 図1のA−A線に沿う縦断面の概略構成を示す断面図である。 従来例の貼付剤の縦断面の概略構成を示す断面図である。
以下、本発明の貼付剤の実施形態について添付図面を参照して説明する。本発明の貼付剤は、人の皮膚に貼り付けて使用されるものであり、例えば発熱・頭痛や歯痛、炎症時の患部の冷却や、顔等の火照りの冷却、またスポーツ後の筋肉のクールダウン等のために用いられるシート状の冷却剤を例示することができる。
図1及び図2は、本実施形態の貼付剤1を示す。貼付剤1は、支持基材2と、水性ゲル3と、剥離フィルム4とを少なくとも備え、これらが積層された層構造を有している。貼付剤1は、使用前は、複数重ねられた状態で包装袋(図示せず)内に収納されている。また、使用時には、貼付剤1は、包装袋から取り出され、剥離フィルム4を支持基材2から剥がした後、露出した水性ゲル3を皮膚の冷却対象部位に直接あてることで、水性ゲル3が有する粘着性により使用者の皮膚に貼り付けられる。これにより、水性ゲル3に含まれた水分が時間の経過に伴い蒸発し、その際に奪われる気化熱で水性ゲル3の温度が低下するため、水性ゲル3に接する皮膚が冷却される。
貼付剤1の厚み及び大きさは、特に限定されるものではなく、目的や冷却対象部位に応じて厚み及び大きさを適宜設定することができる。また、貼付剤1の形状も、特に限定されるものではなく、本実施形態では平面視長方形状であるが、正方形状、円形状、楕円形状など、他の種々の形状とすることができる。
支持基材2は、水性ゲル3をその一方面上で支持する。支持基材2は、透湿性や通気性を有していて、水性ゲル3を担持できるものであれば、その素材は特に限定されるものではなく、種々の織布、不織布及びフィルム等で形成することができる。支持基材2の素材として織布や不織布を使用する場合には、綿、麻、羊毛等の天然繊維;レーヨン、アセテート等のセルロース系繊維;ナイロン、ビニロン、スチロール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、アクリル等の合成樹脂繊維等を例示することができる。また、支持基材2の素材としてフィルムを使用する場合には、ポリスチレン(スチロール)、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン等を例示することができる。
支持基材2の厚みは、特に限定されるものではないが、使用感、貼付部位への馴染み易さ等の観点から、0.1mm以上3.0mm以下であることが好ましく、0.5mm以上2.0mm以下であることがより好ましい。
支持基材2は、貼り付けられる身体の様々な貼付部位にフィットして馴染むように適度な伸縮性を有することが好ましい。伸縮性の程度は、特に限定されるものではなく、また、伸縮方向も、支持基材2の一方向(長手方向)のみを伸縮可能、前記一方向に直交する他方甲(幅方向)のみを伸縮可能、又は、前記一方向(長手方向)及び前記他方向(幅方向)ともに伸縮可能としてもよいが、両方向に伸縮可能であることが好ましい。
水性ゲル3は、支持基材2の一方面に積層して形成される。水性ゲル3としては、皮膚への適合性のある種々のものを用いることができる。
水性ゲル3の厚みは、特に限定されるものではないが、冷却力、皮膚に貼り付けた時の感触、皮膚に対する貼り付け状態の維持等の観点から、適度に大きいことが好ましい。例えば、支持基材2の中心位置における水性ゲル3の厚みDが0.1mm以上20mm以下であることが好ましく、1.0mm以上10mm以下であることがより好ましい。また、水性ゲル3の厚みは、支持基材2の全域において均一あるいはほぼ均一であることが好ましく、中央部分における水性ゲル3の厚みと外周縁部分における水性ゲル3の厚みとで大きな差がないことが好ましい。例えば、支持基材2の中心位置における水性ゲル3の厚みDに対する支持基材2の接合部5より1.0mm内側位置の水性ゲル3の厚みDの比D/Dが0.1以上2.0以下であることが好ましく、0.3以上1.2以下であることがより好ましく、0.5以上1.0以下であることがさらに好ましい。なお、水性ゲル3の厚みは、JIS L1913:2010の「6.1 厚さ(ISO法)」に記載されている方法を用いて計測することができる。
なお、水性ゲル3の厚みは、必ずしも支持基材2の全域において均一あるいはほぼ均一である必要はなく、支持基材2の外周縁に向かうに連れて徐々に小さくなる又は徐々に大きくなる、あるいは、支持基材2の外周縁に近い部分だけが外周縁に向かうに連れて徐々に小さくなる又は徐々に大きくなっていてもよい。
水性ゲル3は、抱水性、放湿性、自己保形性、粘着性等を有する。「抱水性」とは、内部に水を安定的に含む性質を意味するが、より好ましくはさらに圧縮しても含有水分を滲出しない性質を意味する。また「自己保形性」とは、流動性や崩壊性を顕著には生じず形状を保持している性質を意味する。
水を含んでかかる性質を奏し得る成分としては、一般にゲル化剤として用いられる天然高分子多糖類を例示することができる。具体的には、カラギーナン、アルギン酸、アルギン酸プロピレングリコールエステル、タラガム、ローカストビーンガム、グルコマンナン、キサンタンガム、ジェランガム、ペクチン、プルラン、グァーガム、サイリウムシードガム、アルギン酸ナトリウム、マンナン、ゼラチン、寒天等の天然ガム類を例示することができる。これらは単独若しくは2種以上の組み合わせて用いることができる。好ましくはグルコマンナン、ローカストビーンガムを例示することができる。
ゲル化剤としては、上述した天然高分子多糖類以外に、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリアクリル酸の塩、ポリメタアクリル酸の塩等を例示することができる。これらは単独若しくは2種以上の組み合わせて用いることができる。
水性ゲル3は、その他の成分として、多価アルコール、界面活性剤、防腐剤、保存剤、安定剤、香料、着色料、pH調整剤、リモネン、カンフル、ハッカ油又はl−メントール等の清涼化剤、保湿剤、刺激剤、除菌剤、抗菌剤、粘着付与剤、保型剤、増粘剤等、公知の添加剤を含有していてもよい。
水性ゲル3は、所望の冷却力を持続的に発揮するために、十分な量の水分を含んでいることが好ましく、水性ゲル3の水分含有量としては、水性ゲル3を構成する組成物中、60重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましい。また、水性ゲル3の水分含有量の上限は、自己保形性の観点から、95重量%以下であることが好ましく、90重量%以下であることがより好ましい。
剥離フィルム4は、貼付剤1の使用前に水性ゲル3を覆っており、剥離フィルム4により、貼付剤1の取り扱い性や衛生面の向上を図ることができる。剥離フィルム4は、水性ゲル3を被覆できるものであれば、その素材は特に限定されるものではなく、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン、塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂を例示することができる。
上述した構成の貼付剤1において、支持基材2及び剥離フィルム4は、その一方の外周縁が全周にわたって他方に接合されている。本実施形態では、支持基材2及び剥離フィルム4は、同じ形状及び大きさであるため、外周縁同士が全周にわたって接合されている。これにより、水性ゲル3は、支持基材2及び剥離フィルム4の内部に封入され、水性ゲル3の端面は露出していない。なお、剥離フィルム4の方が支持基材2よりも形が大きい場合は、支持基材2の外周縁が全周にわたって剥離フィルム4に接合され、支持基材2の方が剥離フィルム4よりも形が大きい場合は、剥離フィルム4の外周縁が全周にわたって支持基材2に接合されることになる。
なお、本発明において、「外周縁が全周にわたって接合される」とは、支持基材(又は剥離フィルム)の外周縁が実質的に全周にわたって剥離フィルム(又は支持基材)に接合されていることを指し、支持基材(又は剥離フィルム)の外周縁の全てが剥離フィルム(又は支持基材)に接合されている状態に加えて、支持基材(又は剥離フィルム)の外周縁の大部分は剥離フィルム(又は支持基材)に接合されているものの一部分が剥離フィルム(又は支持基材)に接合されていない状態も含む。つまりは、貼付剤の製造時には支持基材(又は剥離フィルム)の外周縁が全周にわたって剥離フィルム(又は支持基材)に接合されていたものの、製造後の貼付剤1の輸送時や保管時等の使用前において、支持基材(又は剥離フィルム)の外周縁の一部分の接合が外れてしまった場合も含む。
支持基材2及び剥離フィルム4の接合の方法は、水性ゲル3の粘着性を介した接着でなければ特に限定されるものではなく、例えば、(1)支持基材2及び剥離フィルム4を公知の接着剤を用いて接合する方法、(2)支持基材2及び剥離フィルム4を熱圧着(ヒートシール)により接合する方法、又は、(3)支持基材2及び剥離フィルム4を重ね合わせた状態で剥離フィルム4側から外周縁に超音波振動を作用させることで剥離フィルム4を支持基材2に溶着させて接合する方法等、公知の種々の方法を用いることができる。
上述した構成の貼付剤1は、図示は省略するが、少なくとも一方向に貼付剤1が複数連続する貼付剤シートを、個々の貼付剤1に分断する切断ラインに沿って切断することで、効率よく製造することができる。ここで、貼付剤シートの切断時に、例えば超音波振動装置及び切断装置の間で貼付剤シートを挟持し、貼付剤シートの前記切断ラインにおいて超音波振動装置のホーンを剥離フィルム4に当接させて超音波振動を作用させながら切断装置のカット刃により貼付剤シートを切断することで、支持基材2及び剥離フィルム4の接合を切断とともに行うことができる。これにより、貼付剤の製造効率をさらに向上させることができる。さらに、水性ゲル3が支持基材2の外周縁の直近まで広範囲に積層されていても、水性ゲル3がカット刃に付着等することなく貼付剤シートを高精度に切断して切断面の綺麗な貼付剤1を製造することができるうえ、切断後の貼付剤1のライン搬送時に水性ゲルが貼付剤1の外周縁から漏れ出すことを防止することができる。そのため、支持基材2及び剥離フィルム4を接合する方法としては上記(3)の方法を用いることが好ましく、支持基材2及び剥離フィルム4の切断及び接合を良好に行うためには、支持基材2がポリエチレンテレフタレート樹脂繊維を素材とする不織布からなり、剥離フィルム4がポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂からなることが好ましい。
貼付剤1における支持基材2及び剥離フィルム4の接合部5は、幅Wの小さい筋状であってもよいし、幅Wの多少大きな帯状であってもよいが、接合部5の幅Wは小さければ小さいほど、水性ゲル3を支持基材2の外周縁のより近くまで広範囲に積層することができるので好ましい。水性ゲル3が支持基材2のほぼ全域に十分な厚みで積層されていることで、貼付剤1により所望の冷却力を及ぼすことができる皮膚の範囲を増大させることができる。そのうえ、支持基材2の外周縁が水性ゲル3の粘着性により皮膚に良好にくっついて、支持基材2の外周縁が捲れ上がり難くなることから、貼付剤1が皮膚から容易に剥がれるのを抑制することができる。
接合部5の幅Wは、上述した観点から、2.0mm以下であることが好ましく、1.0mm以下であることがより好ましく、0.5mm以下であることがさらに好ましい。また、接合部5の幅Wの下限は、支持基材2及び剥離フィルム4の接合強度の観点から、0.05mm以上であることが好ましく、0.1mm以上であることがより好ましく、0.2mm以上であることがさらに好ましい。
上述した本実施形態の貼付剤1によると、支持基材2及び剥離フィルム4の外周縁同士が全周にわたって接合されているため、貼付剤1の輸送時や保管時等に貼付剤1の表面及び/又は裏面が押圧される等して水性ゲル3が圧迫されても、水性ゲル3が押し出されて貼付剤1の外周縁からはみ出すことを防止することができる。これにより、使用者が貼付剤1を使用する際に、使用者の手に水性ゲル3が付着すること等を防止することができる。
また、貼付剤1は、輸送時や保管時等においては包装箱(図示せず)内に複数重ねられた状態で収納されるため、貼付剤1は、他の複数の貼付剤1の重みを受けることで、水性ゲル3が圧迫される。従来では、水性ゲル3が圧迫されることで貼付剤1の外周縁からはみ出すおそれがあるため、包装箱内に中仕切りをセットし、中仕切りにて貼付剤1の重みを受けて水性ゲル3が圧迫されるのを防止していた。ただし、本実施形態の貼付剤1は、包装箱内で他の複数の貼付剤1の重みにより水性ゲル3が圧迫されても、水性ゲル3が貼付剤1の外周縁からはみ出ないため、中仕切りが不要となり、その分、コスト低減を図ることができる。
また、本実施形態の貼付剤1は、水性ゲル3の水分含有量が多くて流動性が高くても、水性ゲル3が貼付剤1の外周縁から漏れ出さない。そのため、従来であれば、貼付剤の製造時において、貼付剤シートを個々の貼付剤1へ切断した後に水性ゲル3を固めるための処理が必要であったが、本実施形態の貼付剤1によれば、この処理工程を不要とする又は処理時間を短縮することができるので、工程時間の短縮によって貼付剤の製造効率を向上させることができる。
また、本実施形態の貼付剤1は、剥離フィルム4の外周縁が支持基材2に接合されているので、剥離フィルム4の外周縁が捲れ上がって支持基材2から容易に剥がれるのを抑制することができる。これにより、水性ゲル3は支持基材2及び剥離フィルム4の内部に持続的に封入されるため、水性ゲル3の乾燥等を防止することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態において、支持基材2及び剥離フィルム4は同じ形状であるが、支持基材2及び剥離フィルム4の一方の外周縁が全周にわたって他方に接合されていれば、支持基材2と剥離フィルム4とで形状が異なっていてもよい。
また、上記実施形態において、貼付剤1は、支持基材2、水性ゲル3及び剥離フィルム4の三層構造であるが、その他の層を有していてもよい。
1 貼付剤
2 支持基材
3 水性ゲル
4 剥離フィルム

Claims (5)

  1. 支持基材と、前記支持基材の一方面に積層された水性ゲルと、前記水性ゲルを覆う剥離フィルムと、を備え、
    前記支持基材及び前記剥離フィルムの一方の外周縁が全周にわたって前記支持基材及び前記剥離フィルムの他方に接合されている、貼付剤。
  2. 前記支持基材及び前記剥離フィルムの外周縁同士が全周にわたって接合されている、請求項1に記載の貼付剤。
  3. 前記水性ゲルの水分含有量が60重量%以上95重量%以下である、請求項1又は2に記載の貼付剤。
  4. 前記支持基材は、不織布である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の貼付剤。
  5. 前記不織布がポリエチレンテレフタレート樹脂繊維からなり、前記剥離フィルムがポリオレフィン系樹脂からなる、請求項4に記載の貼付剤。
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