JP2019207377A - 感光性屈折率調整フィルム - Google Patents

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匠 渡邊
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Abstract

【課題】高い屈折率を有する樹脂層を備えつつ、現像時の現像残渣の発生を充分に抑制することができる感光性屈折率調整フィルムを提供すること。【解決手段】支持フィルムと、支持フィルム上に設けられた感光性樹脂層と、感光性樹脂層上に設けられた金属酸化物粒子を含有する第二の樹脂層と、を備え、金属酸化物粒子が、X線回折法により測定される散乱角28°付近のピークの半値幅が1.000°未満であり、且つ、平均粒径が40nmより大きい酸化ジルコニウム粒子を含む、感光性屈折率調整フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、感光性屈折率調整フィルムに関する。
パソコン及びテレビ等の大型電子機器、カーナビゲーション、携帯電話、スマートフォン、電子辞書等の小型電子機器、OA(Office Automation、オフィスオートメーション)・FA(Factory Automation、ファクトリーオートメーション)機器等の表示機器などには液晶表示素子及びタッチパネル(タッチセンサー)が用いられている。
タッチパネルは各種の方式が実用化されているが、近年、投影型静電容量方式のタッチパネルの利用が進んでいる。一般に、投影型静電容量方式のタッチパネルでは、X軸とY軸による2次元座標を表現するために、複数のX電極と、該X電極に直交する複数のY電極が形成される。これらの電極の材料として、ITO(Indium−Tin−Oxide、酸化インジウムスズ)が主流である。
ところで、タッチパネルの額縁領域はタッチ位置を検出できない領域であるから、その額縁領域の面積を狭くすることが製品価値を向上させるための重要な要素である。一般的に額縁領域には、タッチ位置の検出信号を伝えるために銅等の金属配線が形成されている。
しかし、タッチパネルは、指先等に接触される際に水分、塩分等の腐食成分がセンシング領域から内部に侵入することがある。タッチパネルの内部に腐食成分が侵入すると、上記金属配線が腐食し、電極と駆動用回路との間の電気抵抗の増加又は断線の恐れがある。
金属配線の腐食を防ぐために、タッチパネル用基材上に感光性樹脂組成物を用いて保護膜を形成する方法が知られている。例えば、必要な箇所に保護膜(例えばレジスト膜)を設ける方法として、感光性樹脂組成物を含む感光性樹脂層を所定の基板上に設けて、この感光性樹脂層を露光及び現像する方法が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
他方で、投影型静電容量方式のタッチパネルでは、センシング領域において電極パターンが画面上に映りこむ、いわゆる「骨見え現象」の問題がある。
骨見え現象を抑制する手法として、特定の屈折率の範囲に調整された低屈折率の第一の硬化性透明樹脂層及び高屈折率の第二の硬化性透明樹脂層とを隣接して有する転写フィルムが提案されている(下記特許文献2を参照)。
国際公開第2013/084873号 国際公開第2014/084112号
しかしながら、特許文献2に記載されている二層構成の転写フィルムを検討したところ、第一の硬化性透明樹脂層及び第二の硬化透明樹脂層の現像時に、主に高屈折率の第二の硬化透明樹脂層に起因した現像残渣が発生し易いことが分かった。特に、銅等の金属配線上において現像残渣が発生し易いことが分かった。現像残渣が発生し易いと、現像残渣が充分に除去されるまでに長い現像時間を要したり、現像残渣を除去するための工程を別途設ける必要が生じたりするため、製造時間及び製造コストの増加を招くという問題がある。また、現像残渣の除去が不充分であると、外観不良、金属配線の接続不良及び接続端子部の腐食等を招くという問題がある。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、高い屈折率を有する樹脂層を備えつつ、現像時の現像残渣の発生を充分に抑制することができる感光性屈折率調整フィルムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、支持フィルムと、上記支持フィルム上に設けられた感光性樹脂層と、上記感光性樹脂層上に設けられた金属酸化物粒子を含有する第二の樹脂層と、を備え、上記金属酸化物粒子が、X線回折法により測定される散乱角28°付近のピークの半値幅が1.000°未満であり、且つ、平均粒径が40nmより大きい酸化ジルコニウム粒子を含む、感光性屈折率調整フィルムを提供する。
上記感光性屈折率調整フィルムによれば、第二の樹脂層が上記特定の条件を満たす酸化ジルコニウム粒子を含むことにより、第二の樹脂層は高い屈折率を得ることができ、骨見え現象を充分に抑制することができると共に、銅等の金属配線上においても、感光性樹脂層及び第二の樹脂層の現像時の現像残渣の発生を充分に抑制することができる。
上記感光性屈折率調整フィルムにおいて、上記酸化ジルコニウム粒子は焼成酸化ジルコニウム粒子であってもよい。焼成酸化ジルコニウム(ZrO)粒子は、焼成法により製造された酸化ジルコニウム粒子であり、ゾル−ゲル法等の他の方法で製造された酸化ジルコニウム粒子よりも結晶の配向性が高く結晶粒サイズが大きいといった特徴を有している。そして、このような焼成酸化ジルコニウム粒子の中でも更に、X線回折法により測定される散乱角28°付近のピークの半値幅が1.000°未満であり、且つ、平均粒径が40nmより大きいという条件を満たすものを用いることにより、焼成酸化ジルコニウム粒子と基材(例えば、銅等の金属配線を有する基材)との接触表面積を小さくすることができ、また、現像時に基材表面から焼成酸化ジルコニウム粒子を含む第二の樹脂層を剥離し易くすることができ、現像残渣の発生を抑制することができる。更に、上記特定の条件を満たす焼成酸化ジルコニウム粒子を用いることにより、第二の樹脂層の屈折率を効果的に向上させることができる。
上記感光性屈折率調整フィルムにおいて、上記第二の樹脂層における上記酸化ジルコニウム粒子の含有量は、上記第二の樹脂層全量を基準として70〜85質量%であってもよい。酸化ジルコニウム粒子の含有量が上記範囲内であると、第二の樹脂層の屈折率をより向上させることができ、骨見え現象をより抑制することができると共に、感光性樹脂層及び第二の樹脂層の現像時の現像残渣の発生をより抑制することができる。
上記第二の樹脂層は、バインダーポリマーと、光重合性化合物と、エチレン性不飽和基を有するリン酸エステルと、を含有していてもよい。また、上記感光性樹脂層は、バインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、エチレン性不飽和基を有するリン酸エステルと、を含有していてもよい。第二の樹脂層及び感光性樹脂層が上記成分を含むことにより、本発明の効果がより有効に奏される。
本発明によれば、高い屈折率を有する樹脂層を備えつつ、現像時の現像残渣の発生を充分に抑制することができる感光性屈折率調整フィルムを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る感光性屈折率調整フィルムを示す模式断面図である。 本発明の一実施形態に係る感光性屈折率調整フィルムを用いて形成した硬化膜を透明電極パターン付き基材上に備える積層体を示す模式断面図である。 本発明の一実施形態に係るタッチパネルを示す模式上面図である。 実施例及び比較例で用いた酸化ジルコニウム粒子の粉末X線回折測定結果である。 実施例で用いた酸化ジルコニウム粒子の粉末X線回折測定結果である。 比較例で用いた酸化ジルコニウム粒子の粉末X線回折測定結果である。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はそれに対応するメタクリレートを意味する。「A又はB」とは、AとBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。
また、本明細書において「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。また、本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。また、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
更に、本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。また、例示材料は特に断らない限り単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
<感光性屈折率調整フィルム>
本実施形態の感光性屈折率調整フィルムは、支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた感光性樹脂層と、該感光性樹脂層上に設けられた金属酸化物粒子を含有する第二の樹脂層と、を備えるものである。感光性屈折率調整フィルムは、第二の樹脂層上に設けられた保護フィルムを更に備えていてもよい。本実施形態の感光性屈折率調整フィルムは、転写型感光性屈折率調整フィルムとして用いることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る感光性屈折率調整フィルムを示す模式断面図である。図1に示される感光性屈折率調整フィルム1は、支持フィルム10と、上記支持フィルム10上に設けられた感光性樹脂層20と、上記感光性樹脂層20上に設けられた第二の樹脂層30と、上記第二の樹脂層30上に設けられた保護フィルム40とを備える。
上記感光性屈折率調整フィルムを用いることで、例えばタッチパネルの額縁にある金属配線又はタッチパネルの透明電極の保護機能と、透明電極パターンの不可視化又はタッチ画面の視認性向上の両機能を満たす硬化膜を一括で形成することができる。
(支持フィルム)
支持フィルム10としては、重合体フィルムを用いることができる。重合体フィルムの材質としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。
支持フィルム10の厚さは、被覆性の確保と、支持フィルム10を介して活性光線を照射する際の解像度の低下を抑制する観点から、5〜100μmであることが好ましく、10〜70μmであることがより好ましく、15〜40μmであることが更に好ましく、15〜35μmであることが特に好ましい。
(感光性樹脂層)
感光性樹脂層(第一の樹脂層)20は、(A)バインダーポリマー(以下、(A)成分ともいう)と、(B)光重合性化合物(以下、(B)成分ともいう)と、(C)光重合開始剤(以下、(C)成分ともいう)と、(E)エチレン性不飽和基を有するリン酸エステル(以下、(E)成分ともいう)とを含有する感光性樹脂組成物から形成されることが好ましい。
(A)成分としては、アルカリ現像によりパターニングを可能とする観点から、カルボキシル基を有するバインダーポリマーを用いることが好ましい。
(A)成分は、(メタ)アクリル酸、及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位を有する共重合体が好適である。上記共重合体は、上記(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合し得るその他のモノマーを構造単位に含有していてもよい。具体的には、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、スチレン等が挙げられる。
また、(A)成分は、エチレン性不飽和基を有してもよい。なお、エチレン性不飽和基を有する(A)成分は、本明細書においては(B)成分に含ませないものとする。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルエチルエステル等が挙げられる。
(A)成分としては、アルカリ現像性(特に無機アルカリ水溶液に対する)、パターニング性、透明性の観点から、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、スチレン、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステルからなる群より選択される少なくとも一種の化合物由来の構造単位を有するバインダーポリマーが好ましい。
(A)成分は、基材に対するより良好な密着性を有し、且つ、透湿度がより低い硬化膜(保護膜)を形成する観点から、側鎖にエチレン性不飽和基を有するバインダーポリマーを含んでいてもよい。なお、側鎖にエチレン性不飽和基を有するバインダーポリマーは、本明細書においては(B)成分に含ませないものとする。側鎖にエチレン性不飽和基を有するバインダーポリマーは、例えば、上述した(メタ)アクリル酸、及び(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ベンジル、スチレン、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等のモノマーを共重合させた共重合体に、(メタ)アクリル酸グリシジルを付加反応させることにより得ることができる。(メタ)アクリル酸グリシジルは、例えば、共重合体の(メタ)アクリル酸に由来する構造単位が有するカルボキシル基と、(メタ)アクリル酸グリシジルのグリシジル基とを反応させることで、共重合体に付加することができる。
(A)成分の重量平均分子量は、解像度の観点から、10,000〜200,000であることが好ましく、15,000〜150,000であることがより好ましく、30,000〜150,000であることが更に好ましく、30,000〜100,000であることが特に好ましく、40,000〜100,000であることが極めて好ましい。なお、重量平均分子量は、本明細書の実施例に記載したゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定することができる。
(A)成分の酸価は、所望の形状を有する硬化膜(保護膜)をアルカリ現像で容易に形成する観点から、75mgKOH/g以上とすることが好ましい。また、硬化膜形状の制御容易性と硬化膜の防錆性との両立を図る観点から、(A)成分の酸価は、75〜200mgKOH/gであることが好ましく、75〜150mgKOH/gであることがより好ましく、75〜120mgKOH/gであることが更に好ましい。
なお、酸価は、JIS K0070に基づいた中和滴定法により測定することができる。具体的な測定方法の例を以下に示す。まず、バインダーポリマーの溶液を130℃で1時間加熱し、揮発分を除去して、固形分を得る。そして、上記固形分のバインダーポリマー1gを精秤した後、このバインダーポリマーにアセトンを30g添加し、これを均一に溶解し、樹脂溶液を得る。次いで、指示薬であるフェノールフタレインをその樹脂溶液に適量添加して、0.1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を用いて中和滴定を行う。そして、次式により酸価を算出する。
酸価=0.1×V×f1×56.1/(Wp×I/100)
式中、Vは滴定に用いた0.1mol/L水酸化カリウム水溶液の滴定量(mL)、f1は0.1mol/L水酸化カリウム水溶液のファクター(濃度換算係数)、Wpは測定した樹脂溶液の質量(g)、Iは測定した上記樹脂溶液中の不揮発分の割合(質量%)を示す。
(B)成分としては、エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物を用いることができる。エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物としては、例えば分子内に一つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する一官能ビニルモノマー、分子内に二つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する二官能ビニルモノマー、又は分子内に少なくとも三つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する多官能ビニルモノマーが挙げられる。
上記分子内に一つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する一官能ビニルモノマーとしては、例えば、上記(A)成分の好適な例である共重合体の合成に用いられるモノマーとして例示したものが挙げられる。
上記分子内に二つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する二官能ビニルモノマーとしては、硬化膜の透湿度を低減する観点から、トリシクロデカン骨格又はトリシクロデセン骨格を有する化合物を含むことが好ましい。金属配線及び透明電極パターンの腐食抑制の観点から、トリシクロデカン骨格又はトリシクロデセン骨格を有する化合物として、下記一般式(1)で表されるジ(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。

[一般式(1)中、R31及びR32は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、Xは、トリシクロデカン骨格又はトリシクロデセン骨格を有する2価の基を示し、R33及びR34は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキレン基を示し、n及びmは、それぞれ独立に0〜2の整数を示し、p及びqは、それぞれ独立に0以上の整数を示し、p+q=0〜10となるように選択される。]
上記一般式(1)において、R33及びR34は、エチレン基又はプロピレン基であることが好ましく、エチレン基であることがより好ましい。また、プロピレン基はn−イソプロピレン基及びイソプロピレン基のいずれであってもよい。
上記一般式(1)で表される化合物によれば、Xに含まれるトリシクロデカン骨格又はトリシクロデセン骨格を有する2価の基が、嵩高い構造を有することで、硬化膜の低透湿性を実現し、金属配線及び透明電極の腐食抑制性を向上されることができる。ここで、本明細書中における「トリシクロデカン骨格」及び「トリシクロデセン骨格」とは、それぞれ以下の構造(それぞれ、結合手は任意の箇所である)をいう。
トリシクロデカン骨格又はトリシクロデセン骨格を有する化合物としては、得られる硬化膜パターンの低透湿性の観点から、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等のトリシクロデカン骨格を有する化合物が好ましい。これらは、DCP及びA−DCP(いずれも新中村化学工業株式会社製)として入手可能である。
(B)成分における、トリシクロデカン骨格又はトリシクロデセン骨格を有する化合物の割合は、透湿度を低減する観点から、感光性樹脂組成物に含まれる光重合性化合物の合計量100質量部のうち、50質量部以上であることが好ましく、70質量部以上であることがより好ましく、80質量部以上であることが更に好ましい。
トリシクロデカン骨格又はトリシクロデセン骨格を有する化合物とは別の、分子内に二つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する二官能ビニルモノマーとしては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシフェニル)プロパン、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記分子内に少なくとも三つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する多官能ビニルモノマーとしては、従来公知のものを特に制限無く用いることができる。金属配線又は透明電極の腐食防止及び現像性の観点から、上記多官能ビニルモノマーとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のトリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物;テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等のテトラメチロールメタン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のジペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物;ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等のジトリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物;又はジグリセリン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物;シアヌル酸由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を用いることが好ましい。
分子内に少なくとも三つの重合可能なエチレン性不飽和基を有するモノマーと、分子内に一つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する二官能ビニルモノマー又は分子内に二つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する二官能ビニルモノマーを組み合わせて用いる場合、使用する割合に特に制限は無いが、光硬化性及び電極腐食を防止する観点から、分子内に少なくとも三つの重合可能なエチレン性不飽和基を有するモノマーの割合が、感光性樹脂組成物に含まれる光重合性化合物の合計量100質量部のうち、30質量部以上であることが好ましく、50質量部以上であることがより好ましく、75質量部以上であることが更に好ましい。
(A)成分及び(B)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、(A)成分が35〜85質量部であることが好ましく、40〜80質量部であることがより好ましく、50〜70質量部であることが更に好ましく、55〜65質量部であることが特に好ましい。特に、パターン形成性及び硬化膜の透明性を維持する点では、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、(A)成分が、35質量部以上であることが好ましく、40質量部以上であることがより好ましく、50質量部以上であることが更に好ましく、55質量部以上であることが特に好ましい。
(C)成分としては、従来公知の光重合開始剤を特に制限無く用いることができるが、透明性の高い光重合開始剤を用いることが好ましい。基材上に、厚さが10μm以下の薄膜であっても充分な解像度で樹脂硬化膜パターンを形成する点では、(C)成分はオキシムエステル化合物及び/又はホスフィンオキサイド化合物を含むことが好ましい。ホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド等が挙げられる。
オキシムエステル化合物は、下記一般式(2)で表される化合物、下記一般式(3)で表される化合物、又は下記一般式(4)で表される化合物であることが好ましい。
式(2)中、R11及びR12は、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキル基、フェニル基又はトリル基を示し、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜6のシクロアルキル基、フェニル基又はトリル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数4〜6のシクロアルキル基、フェニル基又はトリル基であることがより好ましく、メチル基、シクロペンチル基、フェニル基又はトリル基であることが更に好ましい。R13は、−H、−OH、−COOH、−O(CH)OH、−O(CHOH、−COO(CH)OH又は−COO(CHOHを示し、−H、−O(CH)OH、−O(CHOH、−COO(CH)OH、又は−COO(CHOHであることが好ましく、−H、−O(CHOH、又は−COO(CHOHであることがより好ましい。
式(3)中、2つのR14は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基を示し、プロピル基であることが好ましい。R15は、NO又はArCO(ここで、Arはアリール基を示す。)を示し、Arとしては、トリル基が好ましい。R16及びR17は、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、又はトリル基を示し、メチル基、フェニル基又はトリル基であることが好ましい。
式(4)中、R18は、炭素数1〜6のアルキル基を示し、エチル基であることが好ましい。R19はアセタール結合を有する有機基である。R20及びR21は、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基又はトリル基を示し、メチル基、フェニル基又はトリル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。R22は、水素原子又はアルキル基を示す。
上記一般式(2)で表される化合物は、IRGACURE OXE 01(BASF株式会社製、製品名)として入手可能である。
上記一般式(3)で表される化合物は、DFI−091(ダイトーケミックス株式会社製、製品名)として入手可能である。
上記一般式(4)で表される化合物は、例えば、アデカオプトマーN−1919(株式会社ADEKA製、製品名)として入手可能である。
(C)成分の含有量は、光感度及び解像度に優れる点では、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、0.1〜10質量部であることが好ましく、1〜5質量部であることがより好ましく、1〜3質量部であることが更に好ましく、1〜2質量部であることが特に好ましい。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、硬化膜の防錆性をより向上させる観点から、メルカプト基を有するトリアゾール化合物、メルカプト基を有するテトラゾール化合物、メルカプト基を有するチアジアゾール化合物、アミノ基を有するトリアゾール化合物及びアミノ基を有するテトラゾール化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物(以下、(D)成分ともいう)を更に含有することが好ましい。メルカプト基を有するトリアゾール化合物としては、例えば、3−メルカプト−トリアゾール(和光純薬工業株式会社製、製品名:3MT)が挙げられる。また、メルカプト基を有するチアジアゾール化合物としては、例えば、2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール(和光純薬工業株式会社製、製品名:ATT)が挙げられる。
上記アミノ基を有するトリアゾール化合物としては、例えばベンゾトリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール−1−アセトニトリル、ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸、1H−ベンゾトリアゾール−1−メタノール、カルボキシベンゾトリアゾール等にアミノ基が置換した化合物、3−メルカプトトリアゾール、5−メルカプトトリアゾール等のメルカプト基を含むトリアゾール化合物にアミノ基が置換した化合物などが挙げられる。
上記アミノ基を有するテトラゾール化合物としては、例えば5−アミノ−1H−テトラゾール、1−メチル−5−アミノ−テトラゾール、1−メチル−5−メルカプト−1H−テトラゾール、1−カルボキシメチル−5−アミノ−テトラゾール等が挙げられる。これらのテトラゾール化合物は、その水溶性塩であってもよい。具体例としては、1−メチル−5−アミノ−テトラゾールのナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩などが挙げられる。
感光性樹脂組成物が(D)成分を含有する場合、その含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、0.05〜5.0質量部が好ましく、0.1〜2.0質量部がより好ましく、0.2〜1.0質量部が更に好ましく、0.3〜0.8質量部が特に好ましい。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、基材に対する密着性向上の観点から、(E)エチレン性不飽和基を含むリン酸エステルを含有することが好ましい。なお、本明細書において、エチレン性不飽和基を含むリン酸エステルは、(B)成分ではなく(E)成分として扱うこととする。
(E)成分であるエチレン性不飽和基を含むリン酸エステルとしては、形成する硬化膜の防錆性を充分確保しつつ、基材及びITO電極に対する密着性と金属配線上での現像性とを高水準で両立する観点から、ユニケミカル株式会社製のPhosmerシリーズ(Phosmer−M、Phosmer−CL、Phosmer−PE、Phosmer−MH、Phosmer−PP等)、又は日本化薬株式会社製のKAYAMERシリーズ(PM−21、PM−2等)が好ましい。
(E)成分の含有量は、基材に対する密着性向上と、現像残渣の発生抑制の観点から、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、0.1〜5.0質量部であることが好ましく、0.2〜3.0質量部であることがより好ましい。
本実施形態に係る感光性樹脂層20を形成する樹脂組成物には、その他の添加剤として、必要に応じて、シランカップリング剤等の密着性付与剤、防錆剤、レベリング剤、可塑剤、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、酸化防止剤、香料、熱架橋剤、重合禁止剤などを(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、各々0.01〜20質量部程度含有させることができる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。なお、上記の「感光性樹脂層を形成する樹脂組成物」とは、後述する溶剤を含まない状態の組成物をいい、各成分の含有量は、後述する溶剤以外の成分全量に対する含有量である。
感光性樹脂層20の波長633nmにおける屈折率は、通常1.40〜1.49である。
感光性樹脂層20の厚さは、保護膜として充分に効果を奏し、且つ透明電極パターン付き基材表面の段差を充分に埋め込む上では、乾燥後の厚さで15μm以下であることが好ましく、2〜10μmであることがより好ましく、3〜8μmであることが更に好ましい。また、硬化後における感光性樹脂層20の厚さも上記範囲内であることが好ましい。
(第二の樹脂層)
第二の樹脂層(屈折率調整層)30は、金属酸化物粒子を含有する層である。第二の樹脂層30は、金属酸化物粒子を含有することにより、感光性樹脂層20よりも相対的に高い屈折率を有することができる。第二の樹脂層30は、波長633nmにおける屈折率が1.40〜1.90の範囲内であることが好ましく、1.50〜1.90であることがより好ましく、1.53〜1.85であることが更に好ましく、1.55〜1.75であることが特に好ましく、1.60〜1.70であることが極めて好ましい。また、第二の樹脂層が硬化性成分を含む場合、硬化後における第二の樹脂層の波長633nmにおける屈折率も上記範囲内であることが好ましい。
第二の樹脂層30の波長633nmにおける屈折率が上記範囲内であると、硬化膜パターンをITO等の透明電極パターン上に設けた場合に、硬化膜パターン上に使用される各種部材(例えば、モジュール化する際に使用するカバーガラスと透明電極パターンとを接着するOCA)との屈折率の中間値となり、ITO等の透明電極パターンが形成されている部分と形成されていない部分での光学的な反射による色差を小さくすることが可能となり、骨見え現象を防止できる。また、画面全体の反射光強度を低減することが可能となり、画面上の透過率低下を抑制することが可能となる。
ITO等の透明電極の屈折率は、1.80〜2.10であることが好ましく、1.85〜2.05であることがより好ましく、1.90〜2.00であることが更に好ましい。また、OCA等の部材の屈折率は1.45〜1.55であることが好ましく、1.47〜1.53であることがより好ましく、1.48〜1.51であることが更に好ましい。
第二の樹脂層30は、450〜650nmの波長域における最小光透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましい。また、第二の樹脂層が硬化性成分を含む場合、硬化後における第二の樹脂層の450〜650nmの波長域における最小光透過率も上記範囲内であることが好ましい。
第二の樹脂層30は、上記の(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有することができ、必要に応じて、上記(D)成分及び/又は上記(E)成分を更に含有することができる。第二の樹脂層30は(B)成分、(C)成分等の光重合成分を必ずしも含有する必要はなく、層形成により隣接する樹脂層から移行する光重合成分を利用して第二の樹脂層を光硬化させることもできる。第二の樹脂層30は、感光性樹脂層20と同様の添加剤を含有してもよい。
第二の樹脂層30は、金属酸化物粒子(以下、(F)成分ともいう)を含有する。金属酸化物粒子は、X線回折法(XRD)により測定される散乱角28°付近のピークの半値幅が1.000°未満であり、且つ、平均粒径が40nmより大きい酸化ジルコニウム粒子を含む。第二の樹脂層30が上記条件を満たす酸化ジルコニウム粒子を含むことにより、第二の樹脂層30の波長633nmにおける屈折率を向上させることができ、骨見え現象を抑制することができると共に、感光性樹脂層20及び第二の樹脂層30の現像時の現像残渣の発生を充分に抑制することができる。上記効果をより十分に奏する観点から、酸化ジルコニウム粒子は焼成酸化ジルコニウム粒子であってもよい。
酸化ジルコニウム粒子は、X線回折法により測定される散乱角28°付近のピークの半値幅が0.900°以下であることが好ましく、0.800°以下であることがより好ましく、0.750°以下であることが更に好ましい。散乱角28°付近(例えば28°±1°)に現れるピークは、ZrOに帰属するピークである。このピークの半値幅が小さいほど、結晶の配向性が高い及び/又は結晶粒サイズが大きいと考えられる。そして、半値幅が小さいほど、感光性樹脂層20及び第二の樹脂層30の現像時の現像残渣の発生をより抑制することができる。半値幅の下限値は特に限定されないが、通常0.500°以上であり、0.600°以上であってもよく、0.700°以上であってもよい。
酸化ジルコニウム粒子の平均粒径は、45nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましく、55nm以上であることが更に好ましく、60nm以上であることが特に好ましい。この平均粒径が大きいほど、酸化ジルコニウム粒子と基材との接触表面積を小さくすることができ、感光性樹脂層20及び第二の樹脂層30の現像時の現像残渣の発生をより抑制することができる。平均粒径の上限値は特に限定されないが、通常500nm以下であり、200nm以下であってもよく、100nm以下であってもよい。上記平均粒径は、DelsaMax CORE(Beckman Coulter社製)により測定される。
酸化ジルコニウム粒子は、第二の樹脂層30の波長633nmにおける屈折率をより向上させる観点から、波長633nmにおける屈折率が1.50以上であることが好ましい。
第二の樹脂層30における酸化ジルコニウム粒子の含有量は、第二の樹脂層30全量を基準として、60〜90質量%であることが好ましく、65〜85質量%であることがより好ましく、70〜80質量%であることが更に好ましい。この含有量が60質量%以上であると、第二の樹脂層30の波長633nmにおける屈折率をより向上させることができ、骨見え現象をより抑制することができる。一方、含有量が90質量%以下であると、感光性樹脂層20及び第二の樹脂層30の現像時の現像残渣の発生をより抑制することができる。また、本実施形態によれば、特定の条件を満たす酸化ジルコニウム粒子を用いることにより、当該酸化ジルコニウム粒子の含有量が比較的少ない場合であっても、充分に高い屈折率を第二の樹脂層30に付与することができるという利点がある。
酸化ジルコニウム粒子は、基材に対する第二の樹脂層30の密着性向上の観点から、表面処理が施されていてもよいが、現像残渣をより低減する観点からは、表面処理が施されていなくてもよい。
第二の樹脂層30に含まれる(F)金属酸化物粒子は、上記酸化ジルコニウム粒子のみであってもよい。この場合、第二の樹脂層30における(F)金属酸化物粒子の含有量は、上記酸化ジルコニウム粒子の含有量と同一である。
第二の樹脂層30は、本発明の効果を著しく損なわない範囲において、上記条件を満たす酸化ジルコニウム以外の金属酸化物粒子を含有してもよい。金属酸化物粒子としては、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウムスズ、酸化インジウム、酸化アルミウム、酸化イットリウム等の金属酸化物からなる粒子が挙げられる。また、第二の樹脂層30は、上記条件を満たさない酸化ジルコニウム粒子を含有してもよい。また、第二の樹脂層30は、焼成酸化ジルコニウム粒子と未焼成酸化ジルコニウム粒子(例えば、ゾル−ゲル法で製造された酸化ジルコニウム粒子等)の両方を含んでいてもよく、その両方が上記条件を満たすものであってもよく、一方のみが上記条件を満たすものであってもよい。更に、金属酸化物粒子としては、例えばMg、Al、Si、Ca、Cr、Cu、Zn、Ba等の原子を含む酸化物粒子又は硫化物粒子を用いることもできる。
また上記金属酸化物粒子の他に、例えばトリアジン環を有する化合物、イソシアヌル酸骨格を有する化合物、フルオレン骨格を有する化合物等の有機化合物を用いることも可能である。これにより波長633nmにおける屈折率を向上させることができる。
上記第二の樹脂層30の厚さは、0.01〜1μmであってもよく、0.03〜0.5μmであることが好ましく、0.04〜0.3μmであることがより好ましく、0.05〜0.25μmであることが更に好ましく、0.05〜0.2μmであることが特に好ましい。厚さが0.01〜1μmであることにより、上述の画面全体の反射光強度をより低減することが可能となる。また、硬化後における第二の樹脂層の厚さも上記範囲内であることが好ましい。
第二の樹脂層30の屈折率は、第二の樹脂層が単層で、厚さが厚さ方向で均一な場合、ETA−TCM(AudioDevGmbH株式会社製、製品名)を用いて以下のように求めることができる。また、以下の測定は、25℃の条件下で行う。
(1)第二の樹脂層を形成するための塗布液を、厚さ0.7mm、縦10cm×横10cmのガラス基材上にスピンコーターで均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で3分間乾燥して溶剤を除去し、第二の樹脂層を形成する。
(2)次いで、140℃に加熱した箱型乾燥機(三菱電機株式会社製、型番:NV50−CA)内に30分間静置し、第二の樹脂層を有する屈折率測定用試料を得る。
(3)次いで、得られた屈折率測定用試料について、ETA−TCM(AudioDevGmbH株式会社製、製品名)にて波長633nmにおける屈折率を測定する。
単層の感光性樹脂層における屈折率も同様の方法で測定することができる。なお、感光性屈折率調整フィルムの形態では、感光性樹脂層単層及び第二の樹脂層単層の屈折率を測定することは難しいが、感光性樹脂層の支持フィルム側の最表面層、又は第二の樹脂層の保護フィルム側の最表面層の値から推測することができる。
(他の層)
本実施形態の感光性屈折率調整フィルムには、本発明の効果が得られる範囲で、適宜選択した他の層を設けてもよい。上記他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クッション層、酸素遮蔽層、剥離層、接着層等が挙げられる。上記感光性屈折率調整フィルムは、これらの層を1種単独で有していてもよく、2種以上を有してもよい。また、同種の層を2以上有していてもよい。
(保護フィルム)
保護フィルム40としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体のフィルム、及び、これらのフィルムとポリエチレンの積層フィルム等が挙げられる。
保護フィルム40の厚さは、5〜100μmが好ましいが、感光性屈折率調整フィルム1をロール状に巻いて保管する観点から、70μm以下であることが好ましく、60μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることが更に好ましく、40μm以下であることが特に好ましい。
感光性屈折率調整フィルム1における感光性樹脂層20及び第二の樹脂層30を硬化させた硬化膜部分(支持フィルム10及び保護フィルム40を除く)の、波長400〜700nmの可視光領域における全光線透過率(Tt)の最小値は、90.00%以上であることが好ましく、90.50%以上であることがより好ましく、90.70%以上であることが更に好ましい。一般的な可視光波長域である400〜700nmにおける全光線透過率が90.00%以上であれば、タッチパネル(タッチセンサー)のセンシング領域の透明電極を保護する場合において、センシング領域での画像表示品質、色合い、輝度が低下することを充分抑制することができる。
<感光性屈折率調整フィルムの製造方法>
感光性屈折率調整フィルム1の感光性樹脂層20、第二の樹脂層30は、例えば、感光性樹脂組成物を含有する塗布液、及び第二の樹脂組成物を含有する塗布液を調製し、これを各々支持フィルム10、保護フィルム40上に塗布、乾燥することで形成できる。そして、感光性屈折率調整フィルム1は、感光性樹脂層20が形成された支持フィルム10と、第二の樹脂層30が形成された保護フィルム40とを、感光性樹脂層20と第二の樹脂層30とが対向した状態で貼り合わせることにより形成できる。また、感光性屈折率調整フィルム1は、支持フィルム10上に感光性樹脂組成物を含有する塗布液を塗布、乾燥し、その後、感光性樹脂層20上に、第二の樹脂組成物を含有する塗布液を塗布、乾燥し、保護フィルム40を貼り付けることにより形成することもできる。
塗布液は、感光性樹脂組成物、第二の樹脂組成物を構成する各成分を溶剤に均一に溶解又は分散することにより得ることができる。
塗布液として用いる溶剤は、特に制限は無く、公知のものが使用できる。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、クロロホルム、塩化メチレン等が挙げられる。
塗布方法としては、ドクターブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ロールコーティング法、スクリーンコーティング法、スピナーコーティング法、インクジェットコーティング法、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、グラビアコーティング法、カーテンコーティング法、ダイコーティング法等が挙げられる。
乾燥条件に特に制限は無いが、乾燥温度は、60〜130℃とすることが好ましく、乾燥時間は、0.5〜30分とすることが好ましい。
<硬化膜パターンの形成方法>
図2は、本発明の一実施形態に係る感光性屈折率調整フィルムを用いて形成した硬化膜を透明電極パターン付き基材上に備える積層体を示す模式断面図である。図2に示される積層体100は、透明電極パターン50aを有する透明電極パターン付き基材50と、透明電極パターン付き基材50の透明電極パターン50a上に設けられた硬化膜60とを備える。硬化膜60は、硬化した感光性樹脂層22及び硬化した第二の樹脂層32からなる硬化膜であり、本実施形態の感光性屈折率調整フィルム1を用いて形成されている。硬化膜60は、透明電極パターン50aの保護機能と、透明電極パターン50aの不可視化又はタッチ画面の視認性向上の両機能を満たす。以下、透明電極パターン付き基材上に硬化した感光性樹脂層及び硬化した第二の樹脂層からなる硬化膜が形成された積層体の製造方法の一実施形態について説明する。硬化膜が硬化した感光性樹脂層のみからなる積層体を製造する場合は、以下の説明における感光性樹脂層及び第二の樹脂層を感光性樹脂層単層に置き換えればよい。
−ラミネート工程−
まず、感光性屈折率調整フィルム1の保護フィルム40を除去した後、第二の樹脂層30、感光性樹脂層20及び支持フィルム10を、透明電極パターン付き基材50表面に第二の樹脂層30側が密着するようにラミネート(転写)する。圧着手段としては、圧着ロールが挙げられる。圧着ロールは、加熱圧着できるように加熱手段を備えたものであってもよい。
加熱圧着する場合の加熱温度は、第二の樹脂層30と透明電極パターン付き基材50との密着性の観点、及び、感光性樹脂層20又は第二の樹脂層30の構成成分が熱硬化又は熱分解されにくいようにする観点から、10〜160℃とすることが好ましく、20〜150℃とすることがより好ましく、30〜150℃とすることが更に好ましい。
また、加熱圧着時の圧着圧力は、第二の樹脂層30と透明電極パターン付き基材50との密着性を充分確保しながら、透明電極パターン付き基材50の変形を抑制する観点から、線圧で50〜1×10N/mとすることが好ましく、2.5×10〜5×10N/mとすることがより好ましく、5×10〜4×10N/mとすることが更に好ましい。
感光性屈折率調整フィルム1を上記のように加熱圧着すれば、透明電極パターン付き基材50の予熱処理は必ずしも必要ではないが、第二の樹脂層30と透明電極パターン付き基材50との密着性を更に向上させる点から、透明電極パターン付き基材50を予熱処理してもよい。このときの処理温度は、30〜150℃とすることが好ましい。
(基材)
透明電極パターン付き基材50を構成する基材としては、例えばタッチパネル(タッチセンサー)に用いられる、ガラス板、プラスチック板、セラミック板等の基材が挙げられる。
(透明電極及び金属配線)
透明電極は、例えばITO及びIZO(Indium Zinc Oxide、酸化インジウム−酸化亜鉛)等の導電性金属酸化膜を用いて、形成することができる。また透明電極は、銀繊維及びカーボンナノチューブ等の導電性繊維を用いた光硬化性樹脂層を有する感光性フィルムを用いて、形成することもできる。金属配線は、例えば、Au、Ag、Cu、Al、Mo、C等の導電性材料を用いて、スクリーン印刷、蒸着等の方法により形成することができる。また、基材上には、基材と電極との間に絶縁層又はインデックスマッチング層が設けられていてもよい。インデックスマッチング層は、上述した第二の樹脂層30と同様の組成を有していてもよい。
−露光工程−
次に、転写後の感光性樹脂層及び第二の樹脂層の所定部分に、フォトマスクを介して、活性光線をパターン状に照射する。活性光線を照射する際、感光性樹脂層及び第二の樹脂層上の支持フィルム10が透明の場合には、そのまま活性光線を照射することができ、不透明の場合には除去してから活性光線を照射する。活性光線の光源としては、公知の活性光源を用いることができる。なお、本明細書においてパターンとは、回路を形成する微細配線の形状にとどまらず、他基材との接続部のみを矩形に除去した形状、及び、基材の額縁部のみを除去した形状等も含まれる。
活性光線の照射量は、1×10〜1×10J/mであり、照射の際に、加熱を伴うこともできる。この活性光線の照射量が、1×10J/m以上であれば、感光性樹脂層及び第二の樹脂層の光硬化を充分に進行させることが可能となり、1×10J/m以下であれば感光性樹脂層及び第二の樹脂層が変色することを抑制できる傾向がある。
−現像工程−
続いて、活性光線照射後の感光性樹脂層及び第二の樹脂層の未露光部を現像液で除去して、透明電極の一部又は全部を被覆する硬化膜(硬化膜パターン)60を形成する。なお、活性光線の照射後、感光性樹脂層及び第二の樹脂層に支持フィルム10が積層されている場合にはそれを除去した後、現像工程が行われる。
現像工程は、アルカリ水溶液、水系現像液、有機溶剤等の公知の現像液を用いて、スプレー、シャワー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッビング等の公知の方法により行うことができる。中でも、環境、安全性の観点からアルカリ水溶液を用いて、スプレー現像することが好ましい。なお、現像温度及び時間は従来公知の範囲で調整することができる。
(硬化膜)
本実施形態の硬化膜は、本実施形態の感光性屈折率調整フィルムの、上記感光性樹脂層のみ、又は、上記感光性樹脂層及び上記第二の樹脂層の両方を硬化して得られた硬化膜である。
なお、例えば第二の樹脂層の大部分が感光性樹脂層に被覆され、露出されない場合、第二の樹脂層は必ずしも硬化される必要はない。本実施形態の硬化膜は、このような感光性樹脂層が硬化し、第二の樹脂層が硬化していない場合も含む。本実施形態の硬化膜はパターン状に形成されていることが好ましい。
本実施形態に係る感光性屈折率調整フィルムは、各種電子部品における保護膜の形成に適用することができる。本実施形態に係る電子部品は、感光性屈折率調整フィルムを用いて形成した硬化膜パターンを備えている。電子部品としては、タッチパネル、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッサンス、太陽電池モジュール、プリント配線板、電子ペーパ等が挙げられる。
<タッチパネル>
図3は、本発明の一実施形態に係るタッチパネルを示す模式上面図である。図3には、静電容量式のタッチパネルの一例を示す。図3に示されるタッチパネルは、透明基材101の片面にタッチ位置座標を検出するためのタッチ画面102があり、この領域の静電容量変化を検出するための透明電極103及び透明電極104が透明基材101上に設けられている。
透明電極103及び透明電極104はそれぞれタッチ位置のX位置座標及びY位置座標を検出する。
透明基材101上には、透明電極103及び透明電極104からタッチ位置の検出信号を外部回路に伝えるための引き出し配線105が設けられている。また、引き出し配線105と、透明電極103及び透明電極104とは、透明電極103及び透明電極104上に設けられた接続電極106により接続されている。また、引き出し配線105の透明電極103及び透明電極104との接続部と反対側の端部には、外部回路との接続端子107が設けられている。
図3に示すように、本実施形態に係るタッチパネルにおいては、本実施形態の感光性屈折率調整フィルムを用いて、透明電極パターンが形成された部分と、形成されていない部分にまたがって硬化膜パターン123が形成されている。硬化膜パターン123は、硬化した感光性樹脂層及び硬化した第二の樹脂層からなる硬化膜である。この硬化膜パターン123によれば、透明電極103、透明電極104、引き出し配線105、接続電極106及び接続端子107を保護する機能と、透明電極パターンから形成されるセンシング領域(タッチ画面)102の骨見え現象防止機能とを同時に奏することができる。
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜8及び比較例1〜8)
<感光性樹脂組成物の作製>
表1に示す成分を、同表に示す配合量(単位:質量部)で配合し、攪拌機を用いて15分間混合して感光性樹脂組成物を作製した。なお、感光性樹脂組成物は、メチルエチルケトンを適宜加えて、固形分が35質量%となるように調製した。また、表1中、(A)成分の配合量は固形分の配合量を示す。
<第二の樹脂層形成用塗布液の作製>
表2及び表3に示す成分を、同表に示す配合量(単位:質量部)で配合し、攪拌機を用いて15分間混合して第二の樹脂層形成用塗布液を作製した。なお、第二の樹脂層形成用塗布液は、メチルエチルケトンを適宜加えて、固形分が35質量%となるように調製した。また、表2及び表3中、(A)成分の配合量は固形分の配合量を示す。
表1、表2及び表3中の各成分の詳細は以下の通りである。
〔(A)成分〕
ポリマーA1:モノマー配合比(メタクリル酸/メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル=12/58/30(質量比))である共重合体のプロピレングリコールモノメチルエーテル/トルエン溶液、重量平均分子量60,000、酸価78.3mgKOH/g
〔(B)成分〕
A−TMMT:ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学工業株式会社製、製品名:A−TMMT)
BPE−1300NH:エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(新中村化学工業株式会社製、製品名:BPE−1300NH)
〔(C)成分〕
光重合開始剤:1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASF株式会社製、製品名:IRGACURE OXE 01)
〔(D)成分〕
防錆剤:5−アミノ−1H−テトラゾール(千代田ケミカル株式会社製、製品名:B−6030)
〔(E)成分〕
密着助剤:エチレン性不飽和基を含むリン酸エステル(日本化薬株式会社製、製品名:PM−21)
〔(F)成分〕
F04:焼成酸化ジルコニウム粒子(CIKナノテック株式会社製、製品名:ZRPGM15WT%−F04)
F74:焼成酸化ジルコニウム粒子(CIKナノテック株式会社製、製品名:ZRPGM15WT%−F74)
F75:焼成酸化ジルコニウム粒子(CIKナノテック株式会社製、製品名:ZRPGM15WT%−F75)
F76:焼成酸化ジルコニウム粒子(CIKナノテック株式会社製、製品名:ZRPGM15WT%−F76)
OZ−S30K:酸化ジルコニウム粒子(日産化学工業株式会社製、製品名:OZ−S30K、ゾル−ゲル法により製造された粒子)
ZR−010:焼成酸化ジルコニウム粒子(株式会社ソーラー製、製品名:ZR−010)
S01:焼成酸化ジルコニウム粒子(CIKナノテック株式会社製、製品名:ZRPGA15WT%−S01)
M01:焼成酸化ジルコニウム粒子(CIKナノテック株式会社製、製品名:ZRMEK25WT%−M01)
〔その他の成分〕
AW500:2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)(川口化学工業株式会社製、製品名:AW500、重合禁止剤)
ADDITIVE8032:オクタメチルシクロテトラシロキサン(東レ・ダウコーニング株式会社製、製品名:ADDITIVE8032、レベリング剤)
L−7001:シリコーン系化合物(東レ・ダウコーニング株式会社製、製品名:L−7001、レベリング剤)
〔酸化ジルコニウム粒子の平均粒径〕
酸化ジルコニウム粒子の平均粒径を、DelsaMax CORE(Beckman Coulter社製)により測定した。結果を表2及び表3に示す。
<感光性屈折率調整フィルムの作製>
保護フィルムとして厚さ30μmのポリプロピレンフィルム(王子エフテックス株式会社製、製品名:E−201F)を使用し、上記で作製した第二の樹脂層形成用塗布液を保護フィルム上にダイコーターを用いて均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で3分間乾燥して溶剤を除去し、乾燥後の厚さが0.06μmになるよう、塗布液の量を調整して第二の樹脂層を形成した。
支持フィルムとして厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、製品名:FB40)を使用し、上記で作製した感光性樹脂層形成用塗布液を支持フィルム上にコンマコーターを用いて均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で3分間乾燥して溶剤を除去し、厚さ8.0μmの感光性樹脂層を形成した。
次いで、得られた第二の樹脂層を有する保護フィルムと、感光性樹脂層を有する支持フィルムとを、ラミネータ(日立化成株式会社製、製品名:HLM−3000型)を用いて、23℃で貼り合わせて、保護フィルム、第二の樹脂層、感光性樹脂層及び支持フィルムがこの順で積層された感光性屈折率調整フィルムを作製した。
<酸化ジルコニウム粒子の粉末X線回折測定>
X線回折装置(Panalytical社製、製品名:Empyrean)を用いて、実施例及び比較例で用いた酸化ジルコニウム粒子の粉末X線回折(XRD)測定を行った。測定において、X線源には単色化CuKα線を用い、測定角度は22〜34°とし、測定時間は約15分とした。図4に、実施例3及び4で用いた焼成酸化ジルコニウム粒子(F74)、及び、比較例1及び2で用いた酸化ジルコニウム(OZ−S30K)のXRD測定結果を示す。得られた測定結果から、図5及び図6に示すように、散乱角28°付近のピーク(散乱角28°±1°の範囲内に現れるピーク)の半値幅を求めた。他の酸化ジルコニウム粒子についても同様に、散乱角28°付近のピークの半値幅を求めた。結果を表2及び表3に示す。
<屈折率の測定>
第二の樹脂層の屈折率を、ETA−TCM(AudioDevGmbH株式会社製、製品名)を用いて、上述した方法で測定した。結果を表2及び表3に示す。
<現像性の評価>
実施例及び比較例で得られた感光性屈折率調整フィルムの保護フィルムを剥離し、銅基材(縦12cm×横5cm)上に、真空加圧ラミネータ(株式会社名機製作所製、製品名「MLLP−5000」)を用いて、ラミネート温度80℃、ラミネート圧力1.0MPa、真空引き時間20秒、ラミネート時間20秒の条件でラミネートし、銅基材、第二の樹脂層、感光性樹脂層及び支持フィルムが積層された、現像性評価試験用試料を作製した。
上記で得られた現像性評価試験用試料の最上部の支持フィルムを剥離した。その後、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、30℃で40秒間スプレー現像した。得られた基材表面状態を肉眼で観察し、現像残渣の発生状況から下記の基準に基づき、現像性を評価した。結果を表2及び表3に示す。
A:現像残渣が発生していない
B:基材表面の全面積を基準として現像残渣が発生している面積の割合が0%超5%以下
C:基材表面の全面積を基準として現像残渣が発生している面積の割合が5%超20%以下
D:基材表面の全面積を基準として現像残渣が発生している面積の割合が20%超
1…感光性屈折率調整フィルム、10…支持フィルム、20…感光性樹脂層、22…硬化した感光性樹脂層、30…第二の樹脂層、32…硬化した第二の樹脂層、40…保護フィルム、50…透明電極パターン付き基材、50a…透明電極パターン、60…硬化膜、100…積層体、101…透明基材、102…センシング領域、103,104…透明電極、105…引き出し配線、106…接続電極、107…接続端子、123…硬化膜パターン(硬化膜)。

Claims (5)

  1. 支持フィルムと、前記支持フィルム上に設けられた感光性樹脂層と、前記感光性樹脂層上に設けられた金属酸化物粒子を含有する第二の樹脂層と、を備え、
    前記金属酸化物粒子が、X線回折法により測定される散乱角28°付近のピークの半値幅が1.000°未満であり、且つ、平均粒径が40nmより大きい酸化ジルコニウム粒子を含む、感光性屈折率調整フィルム。
  2. 前記酸化ジルコニウム粒子が、焼成酸化ジルコニウム粒子である、請求項1に記載の感光性屈折率調整フィルム。
  3. 前記第二の樹脂層における前記酸化ジルコニウム粒子の含有量が、前記第二の樹脂層全量を基準として70〜85質量%である、請求項1又は2に記載の感光性屈折率調整フィルム。
  4. 前記第二の樹脂層が、バインダーポリマーと、光重合性化合物と、エチレン性不飽和基を有するリン酸エステルと、を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性屈折率調整フィルム。
  5. 前記感光性樹脂層が、バインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、エチレン性不飽和基を有するリン酸エステルと、を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性屈折率調整フィルム。
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