JP2019203946A - ファイバ結合装置及びレーザ加工装置 - Google Patents
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Abstract
Description
プロセスファイバのファイバコア径が小さいと、焦点シフトによるファイバ損傷抑制が困難となる。
(式)1>θ/θm>d/dm
以下、第1の実施形態に係るファイバ結合装置、及び、これを備えるレーザ加工装置について、図1〜図4を参照しながら説明する。
図1は、第1の実施形態に係るレーザ加工装置の一部構成を示す図である。
図1に示すレーザ加工装置1は、ファイバレーザを使用したハイパワーレーザ加工装置であって、高出力レーザの長距離伝送を可能とする。具体的には、レーザ加工装置1は、レーザ発振器10と、フィーディングファイバ11と、プロセスファイバ12と、ファイバ結合装置13とを備えている。
レーザビームの品質を評価する手法として、M2値(エムスクエア値)が一般に用いられる。M2値は、レーザビームの集光角θと集光径d(ビームウエスト径、又は、最小スポット径ともいう)との積で与えられ、常に1以上の値を取る。このM2値が1に近いほど高品質であること(即ち、集光性が高いこと)を意味する。レーザビームのビーム径(集光径d)を大きくしながらも高品質性(低いM2値)を維持するためには、集光角θを小さくする必要がある。
本実施形態に係るプロセスファイバ12は、例えば、許容集光角θmを任意に設定可能なフォトニック結晶ファイバ(PCF)であってよい。この場合、プロセスファイバ12は、一般的な伝送ファイバ(フィーディングファイバ11)よりも許容集光角θm(開口数(NA))が小さく設定されてよい。このようにすることで、プロセスファイバ12は、ビーム品質を低下させることなくコア径(ビーム伝送断面積)を大きくすることができる。光ファイバによるレーザビームの伝送においては、非線形効果により伝送出力と伝送距離との積がビーム伝送断面積によって制約されるので、プロセスファイバ12として許容集光角θmが小さくコア径が大きいPCFを用いることで高品質のレーザビームの長距離伝送を実現できる。一例として、フィーディングファイバ11の開口数は0.2程度とされる一方、プロセスファイバ12の開口数はその1/3以下となる0.06程度とされる。
この場合、ファイバ結合装置13は、フィーディングファイバ11の出射端面から出射されたレーザビームを、プロセスファイバ12の許容集光角θm及び許容集光径dmを満たすように変換する必要がある。
図2は、第1の実施形態に係るファイバ結合装置の内部構成を示す図である。
図2に示すように、ファイバ結合装置13は、筐体130と、入力側接続部131と、出力側接続部132と、を備えている。
図3は、第1の実施形態に係る変換部の光学倍率を説明するための図である。
図3は、変換部1301の光学倍率と、ファイバ入射光B2の集光径d、集光角θとの関係を示す図である。
図3に示すように、ファイバ入射光B2の集光径dは、変換部1301の光学倍率Xが大きいほど大きくなり、小さいほど小さくなる。また、ファイバ入射光B2の集光角θは、変換部1301の光学倍率Xが大きいほど小さくなり、小さいほど大きくなる。
ファイバ入射光B2は、プロセスファイバ12のコア径、開口数に応じた諸条件を満たす必要がある。即ち、ファイバ入射光B2の集光角θは、プロセスファイバ12の許容集光角θm以下にする必要があり、かつ、ファイバ入射光B2の集光径dは、プロセスファイバ12の許容集光径dm以下にする必要がある。そうすると、変換部1301の光学倍率は、図3に示す領域R1に制約される。領域R1は、1>θ/θmかつ1>d/dmを満たす領域である。
以下、変換部1301が式(1)を満たすことについての作用及び効果について詳しく説明する。
図4は、第1の実施形態に係るファイバ結合装置による作用及び効果を説明するための図である。
ハイパワーのレーザビームが変換部1301の各レンズLを通過する場合、その一部がレンズLにて吸収され、発熱する現象が起こる。そうすると、レンズLがレーザビームを吸収して生じる熱の影響を受け、その焦点距離がレーザ入光時から時間とともに軸線O方向にずれる“焦点シフト”が発生する。例えば、レンズLが一般的な石英レンズである場合、焦点位置は−X方向にずれることが知られている。
他方、ファイバ入射光B2の集光角θは焦点シフトによってはほとんど変化しない。これは、最終段のレンズLからファイバ入射光B2のビームウエストまでの距離(焦点距離)に比べて、焦点のシフト量が十分に小さいことに起因する。
即ち、焦点シフトが生じた場合、プロセスファイバ12の入射端面12Sの位置(位置X0)においては、ファイバ入射光B2の集光角θはほとんど変化しないが、ファイバ入射光B2のビーム径は大きく変化する。
他方、焦点シフトによっては、ファイバ入射光B2の集光角θはほとんど変化しないので、許容集光角θmに対する裕度をある程度小さく設定したとしても、焦点シフトによって集光角θが許容集光角θmを上回る可能性は低い。
そこで、他の実施形態に係るプロセスファイバ12は、当該プロセスファイバ12によって伝送されるレーザビームのM2値が、フィーディングファイバ11及びファイバ結合装置13によって伝送されるレーザビームのM2値の2倍以下となるように、許容集光角θm及び許容集光径dmが設定されてもよい。このようにすることで、ビーム品質の低下の度合いを最小限に留めながらも、各構成要素の製造誤差をも含めて許容することができる。
次に、第2の実施形態に係るファイバ結合装置、及び、これを備えるレーザ加工装置について、図5を参照しながら説明する。
図5は、第2の実施形態に係るファイバ結合装置の内部構成を示す図である。
図5に示すように、第2の実施形態に係るファイバ結合装置13の変換部1301は、4個のレンズL(L1〜L4)を有してなる。
特に、本実施形態において、レンズL1は、石英レンズとされ、レンズL2、L3、L4は、フッ化カルシウムレンズ(以下、「CaF2レンズ」とも記載する。)とされることを特徴とする。
次に、第3の実施形態に係るファイバ結合装置、及び、これを備えるレーザ加工装置について、図6を参照しながら説明する。
図6は、第3の実施形態に係るファイバ結合装置の内部構成を示す図である。
図6に示すように、第3の実施形態に係るファイバ結合装置13の変換部1301は、非球面銅ミラー150を有する。
次に、第4の実施形態に係るファイバ結合装置、及び、これを備えるレーザ加工装置について、図7を参照しながら説明する。
図7は、第4の実施形態に係るファイバ結合装置の内部構成を示す図である。
図7に示すように、ファイバ結合装置13は、CPU160と、温度センサ161と、変換部駆動アクチュエータ162とを備えている。
変換部駆動アクチュエータ162は、レンズLのうちの一部を軸線O方向に移動させることができる。
CPU160は、予め規定されたプログラムに基づいて動作する。具体的には、CPU160は、温度センサ161によって取得された温度計測値に基づいて変換部駆動アクチュエータ162を駆動させる変換部駆動指令部1600として機能する。
これにより、ハイパワーレーザの吸収によりレンズLの温度が上昇したとしても、ファイバ入射光B2のビームウエストを、プロセスファイバ12の入射端面12S(図4参照)に一致させることができる。
したがって、焦点シフトに起因する伝送損失や機器の損傷を一層抑制することができる。
次に、第5の実施形態に係るファイバ結合装置、及び、これを備えるレーザ加工装置について、図8を参照しながら説明する。
図8は、第5の実施形態に係るファイバ結合装置の内部構成を示す図である。
図8に示すように、第5の実施形態に係るファイバ結合装置13は、CPU170と、接続位置検出センサ171と、接続部駆動アクチュエータ172とを備える。
接続部駆動アクチュエータ172は、筐体130に対し、出力側接続部132を軸線O方向に移動させることができる。
CPU170は、予め規定されたプログラムに基づいて動作する。具体的には、CPU170は、接続位置検出センサ171によって取得された相対位置のずれ量に基づいて接続部駆動アクチュエータ172を駆動させる接続部駆動指令部1700として機能する。
これにより、何らかの機械的負荷に起因して、筐体130に対する出力側接続部132の位置が本来の位置からずれてしまったとしても、当該ずれが直ちに相殺されるように出力側接続部132が移動するので、ファイバ入射光B2のビームウエストを、プロセスファイバ12の入射端面12Sに一致させることができる。
したがって、接続部のずれに伴う伝送損失や機器の損傷を抑制することができる。
10 レーザ発振器
11 フィーディングファイバ
11S 出射端面
12 プロセスファイバ
12S 入射端面
12C ファイバコア
13 ファイバ結合装置
130 筐体
1301 変換部
131 入力側接続部
1310 入力側コネクタ
1311 入力側コネクタマウント
132 出力側接続部
1320 出力側コネクタ
1321 出力側コネクタマウント
150 非球面銅ミラー
1501 冷却水流路
160 CPU
1600 変換部駆動指令部
161 温度センサ
162 変換部駆動アクチュエータ
170 CPU
1700 接続部駆動指令部
171 接続位置検出センサ
172 接続部駆動アクチュエータ
Claims (8)
- フィーディングファイバとプロセスファイバとを光結合するファイバ結合装置であって、
前記フィーディングファイバの出射端面から出射されるファイバ出射光を、前記プロセスファイバの入射端面へ入射するファイバ入射光に変換する変換部を備え、
前記変換部は、前記ファイバ入射光の集光角(θ)と、前記入射端面に規定される許容集光角(θm)と、前記ファイバ入射光の集光径(d)と、前記入射端面に規定される許容集光径(dm)との関係が以下の式を満たす
ファイバ結合装置。
(式)1>θ/θm>d/dm - 前記変換部は、熱に対する性質が相反するレンズを組み合わせてなる
請求項1に記載のファイバ結合装置。 - 前記変換部は、石英レンズと、フッ化カルシウムレンズとを有し、前記石英レンズの個数よりも前記フッ化カルシウムレンズの個数の方が多い
請求項2に記載のファイバ結合装置。 - 前記変換部は、金コート層及び誘電体多層膜が積層されてなる非球面銅ミラーを備える
請求項1から請求項3の何れか一項に記載のファイバ結合装置。 - 前記変換部の温度を計測可能な温度センサと、
前記変換部を前記プロセスファイバの光軸方向に移動可能とする変換部駆動アクチュエータと、
前記温度センサを通じて取得した温度計測値に応じた距離だけ、焦点シフトのシフト量を相殺する方向に前記変換部駆動アクチュエータを駆動させる変換部駆動指令部と、
を備える請求項1から請求項4の何れか一項に記載のファイバ結合装置。 - 前記プロセスファイバの端部を接続する出力側接続部の、筐体に対する相対位置を計測可能な接続位置検出センサと、
前記出力側接続部の前記筐体に対する相対位置を、前記プロセスファイバの光軸方向に移動可能とする接続部駆動アクチュエータと、
前記接続位置検出センサを通じて取得した前記相対位置のずれ量に応じた距離だけ、当該相対位置のずれを相殺する方向に前記接続部駆動アクチュエータを駆動させる接続部駆動指令部と、
を備える請求項1から請求項5の何れか一項に記載のファイバ結合装置。 - 請求項1から請求項6の何れか一項に記載のファイバ結合装置と、
前記フィーディングファイバと、
前記プロセスファイバと、
を備えるレーザ加工装置。 - 前記プロセスファイバは、当該プロセスファイバによって伝送されるレーザビームのM2値が前記フィーディングファイバによって伝送されるレーザビームのM2値の2倍以下となるように、前記許容集光角及び前記許容集光径が設定されている
請求項7に記載のレーザ加工装置。
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