以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、工程及び工程の順序などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。なお、各図において、実質的に同一の機能を有する構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
以下の実施の形態では、照明装置の一例として、電球形蛍光灯又は白熱電球の代替品となるLED電球について説明する。
(実施の形態)
[LED電球]
実施の形態に係るLED電球1の全体構成について、図1〜図4を用いて説明する。図1は、実施の形態に係るLED電球1の外観斜視図である。図2は、同LED電球1の分解斜視図である。図3は、同LED電球1の断面図である。図4は、同LED電球1のグローブ20を外した状態を示す斜視図である。
図1〜図4に示すように、LED電球1は、LEDモジュール10と、LEDモジュール10を覆うグローブ20と、LEDモジュール10を発光させるための電力を生成する回路ユニット30と、回路ユニット30を収納する外郭筐体40と、口金50とを備える。図1に示すように、LED電球1は、グローブ20と外郭筐体40と口金50とによって外囲器が構成されている。
以下、LED電球1を構成する各部品について、図1〜図4を参照しながら説明する。
[LEDモジュール]
LEDモジュール10は、所定の色の光を放出する発光モジュールの一例であり、例えば白色光を放出する。LEDモジュール10は、回路ユニット30から供給される電力によって発光する。
本実施の形態において、LEDモジュール10は、外郭筐体40に固定されている。具体的には、LEDモジュール10は、外郭筐体40の第1開口部40aを覆うように外郭筐体40に固定されている。
図2〜図4に示すように、LEDモジュール10は、基板11と、基板11に配置された発光素子12とを有する。
基板11は、発光素子12を実装するための実装基板であり、図3に示すように、発光素子12が実装される第1の面(オモテ面)11aと第1の面11aとは反対側の第2の面(ウラ面)11bとを有する。つまり、第2の面11bは、第1の面11aに背向する面である。基板11は、例えば平面視において全体として略円形の板状の基板であるが、基板11の形状は、これに限るものではなく、矩形状等の多角形等であってもよい。また、基板11の厚さは、一例として0.5mm〜5mmであるが、特に限定されるものではない。
図2及び図4に示すように、基板11の端部には、突起部11cが設けられている。突起部11cは、基板11の平面視において、基板11の端部から外方に突出するように形成されている。突起部11cは、基板11の一部であって、第1の面11a及び第2の面11bを有する。詳細は後述するが、突起部11cは、グローブ20の内面に設けられた突出部21に対向している。具体的には、突起部11cの第2の面11bがグローブ20の突出部21に対面している。突起部11cの平面視形状は、例えば矩形状であるが、これに限らない。突起部11cの形状は、少なくとも一部がグローブ20の突出部21に対向していれば、任意の形状を採用することができる。
本実施の形態において、突起部11cは、複数設けられている。具体的には、基板11には、2つの突起部11cが設けられている。2つの突起部11cは、対向する位置に設けられている。つまり、2つの突起部11cは、約180°間隔で設けられている。なお、突起部11cであることを容易に視認できるように、突起部11cの周辺には三角印のマークが付されている。
図3に示すように、基板11は、第2の面11bが外郭筐体40に接する状態で外郭筐体40に固定されている。具体的には、図2及び図3に示すように、外郭筐体40の第1開口部40aの近傍には載置部41が設けられており、基板11は、外郭筐体40の第1開口部40aを覆うように載置部41に載置されている。つまり、基板11は、外郭筐体40の載置部41に支持されている。
また、基板11には、貫通孔11dが設けられている。貫通孔11dには、基板11と外郭筐体40とを固定するためのねじ60が挿通される。本実施の形態では、3本のねじ60によって基板11と外郭筐体40とが固定されるので、基板11には3つの貫通孔11dが設けられている。
基板11としては、例えば、アルミニウム又は銅等の金属材料からなる基材に絶縁被膜を施すことで得られるメタルベース基板、アルミナ等のセラミック材料の焼結体であるセラミックス基板、又は、樹脂材料からなる樹脂基板等が用いられる。発光素子12で発生する熱を放熱するとの観点では、これらの中で熱伝導率が最も高いメタルベース基板を用いるよい。なお、基板11は、リジッド基板であるが、フレキシブル基板であってもよい。
また、図2及び図3に示すように、基板11の第1の面11aの中央部には、給電部としてコネクタ13が設けられている。コネクタ13は、一対の導電部材13aと一対の導電部材13aを保持する絶縁部材13bとを有している。コネクタ13の絶縁部材13bの一部は基板11を貫通しており、この絶縁部材13bに、回路ユニット30から導出されたコネクタピン33aが挿入されることで、コネクタピン33aと導電部材13aとが接続される。なお、図示しないが、基板11の第1の面11aには、コネクタ13の導電部材13aと発光素子12とを電気的に接続するための金属配線(不図示)が形成されている。
発光素子12は、基板11の第1の面11aに配置されている。本実施の形態では、複数の発光素子12が、円環状の配列となるように基板11に実装されている。なお、本実施の形態では、6つの発光素子12が実装されているが、発光素子12の実装数は、これに限るものではなく、1つであってもよい。
本実施の形態における発光素子12は、個々にパッケージ化された表面実装(SMD:Surface Mount Device)型のLED素子であり、図4に示すように、容器(パッケージ)12aと、容器12a内に一次実装されたLEDチップ12bと、LEDチップ12bを封止する封止部材12cとを有する。SMD型のLED素子である発光素子12は、基板11に二次実装されている。
容器12aは、白色樹脂からなる樹脂成形品又は白色のセラミック成形品であり、逆円錐台形状の凹部(キャビティ)を有する。凹部の内側面は傾斜しており、LEDチップ12bからの光を上方に反射させるように構成されている。
LEDチップ12bは、容器12aの凹部の底面に実装されている。LEDチップ12bは、所定の直流電力により発光する半導体発光素子の一例であって、単色の可視光を発するベアチップである。LEDチップ12bは、例えば、通電されると青色光を発する青色LEDチップである。
封止部材12cは、シリコーン樹脂等の透光性の絶縁性樹脂材料である。本実施の形態における封止部材12cは、LEDチップ12bからの光の波長を変換する波長変換材として蛍光体を含む。つまり、封止部材12cは、透光性樹脂に蛍光体が含有された蛍光体含有樹脂であり、LEDチップ12bからの光を所定の波長に波長変換(色変換)する。封止部材12cは、容器12aの凹部に充填されている。
封止部材12cとしては、例えばLEDチップ12bが青色LEDチップである場合、白色光を得るために、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系の黄色蛍光体粒子をシリコーン樹脂に分散させた蛍光体含有樹脂を用いることができる。これにより、黄色蛍光体粒子は青色LEDチップの青色光によって励起されて黄色光を放出するので、封止部材12cからは、黄色蛍光体粒子からの黄色光と青色LEDチップからの青色光との合成光として白色光が放出される。なお、封止部材12cには、シリカ等の光拡散材及びフィラー等が分散されていても構わない。
このように構成される複数の発光素子12は、例えば直列接続されており、コネクタ13を介して回路ユニット30から供給される直流電力によって発光する。なお、複数の発光素子12の接続の態様(直列接続、並列接続、及び、直列接続と並列接続との組み合わせの接続等)は特に限定されるものではない。
[グローブ]
図2〜図4に示すように、グローブ20は、LEDモジュール10を覆う透光カバーの一例である。グローブ20は、開口部20aを有する中空部材であり、開口部20aとは反対側の頂部が閉塞された略半球状である。なお、グローブ20の形状は、略半球状に限るものではなく、半楕円状等であってもよいし、一般的な電球形蛍光灯や白熱電球と同様の形状(JISのC7710に規定された、A形、G形又はE形等)であってもよい。
グローブ20は、LEDモジュール10(発光素子12)から放出される光をランプ外部に取り出すように構成されている。つまり、グローブ20の内面に入射したLEDモジュール10の光は、グローブ20を透過してグローブ20の外部へと取り出される。
グローブ20の材料としては、ポリカーボネートやアクリル等の樹脂材料又はシリカガラス等のガラス材料等からなる透光性材料を用いることができる。
また、グローブ20は、光拡散性(光散乱性)を有する拡散カバーであってもよい。例えば、透光性樹脂材料に光反射微粒子等の光拡散材を分散させてグローブ20を作製することで、グローブ20に光拡散性を持たせることができる。グローブ20に光拡散性を持たせることにより、LEDモジュール10からグローブ20に入射する光を拡散させることができるので配光角を広くすることができる。また、LEDの光は指向性が強いことから、発光素子12の光源としてLEDを用いると、複数の発光素子12によってつぶつぶ感(輝度むら)が発生するが、グローブ20に光拡散性を持たせることで、複数の発光素子12によるつぶつぶ感を抑制できる。
なお、グローブ20に光拡散性を持たせる場合、光拡散材を透光部材の内部に分散させた構成に限らない。例えば、グローブ20の表面(内面又は外面)に光拡散材等を含む乳白色の光拡散膜を形成したり、光拡散材を用いるのではなくシボ加工処理等によってグローブ20の表面に微小凹凸を形成したり、グローブ20の表面にドットパターンを印刷したりすることで、グローブ20に光拡散性を持たせてもよい。
本実施の形態において、グローブ20は、光拡散材が分散された透光性樹脂材料を用いて射出成型によって形成された乳白色の拡散カバーである。なお、グローブ20に光拡散機能を持たせずに、内部のLEDモジュール10が視認できるようにグローブ20を透明にしてもよい。
図3に示すように、本実施の形態において、グローブ20は、LEDモジュール10全体を覆うように構成されている。つまり、グローブ20は、基板11及び発光素子12を覆っている。具体的には、グローブ20は、基板11の側面全周を囲むように構成されており、グローブ20の開口端部20bは、基板11を超えた位置に存在している。
ここで、グローブ20の具体的な形状について、図4を参照しつつ、図5A、図5B及び図6を用いて説明する。図5A及び図5Bは、実施の形態に係るLED電球1に用いられるグローブ20の半断面を示す斜視図である。図5Aは、グローブ20を斜め上方から見たときの状態を示しており、図5Bは、グローブ20を斜め下方から見たときの状態を示している。図6は、同LED電球1をグローブ20の突出部21を通る平面で切断したときの部分断面図である。なお、図5Aでは、基板11の突起部11c周辺の構成を破線で示している。また、図6では、回路ユニット30は省略している。
図5A及び図5Bに示すように、グローブ20の内面には、LEDモジュール10の基板11の第2の面11bに対向する位置まで突出する突出部21が設けられている。図5A及び図6に示すように、突出部21は、基板11に設けられた突起部11cと対向している。具体的には、突出部21は、突起部11cの第2の面11bと対面する平面を有する。
突出部21は、複数設けられている。具体的には、突出部21は、基板11の突起部11cと同数設けられており、本実施の形態では、図4に示すように、グローブ20の内面に2つの突出部21が設けられている。2つの突出部21は、対向する位置に設けられている。つまり、2つの突出部21は、約180°間隔で設けられている。
図5A及び図5Bに示すように、各突出部21は、グローブ20の周方向に沿って延在しており、グローブ20の内面に突条に形成されている。具体的には、突出部21は、グローブ20の開口部20aの開口端部20bに沿って開口部20aの周方向に沿って延在している。また、突出部21の基板11側の端面とグローブ20の開口端部20bの端面とは面一である。なお、突出部21の延在方向の長さは、例えば5mm〜10mmであるが、これに限らない。また、突出部21の延在方向の長さは、基板11の突起部11cの幅よりも長い方がよい。一例として、突出部21の延在方向を法線とする突出部21の断面形状は、矩形状であるが、これに限らない。
図5A及び図5Bに示すように、グローブ20の内面には、さらに、第1壁部22及び第2壁部23が設けられている。第1壁部22及び第2壁部23は、グローブ20の内面に沿ってグローブ20の開口端部20bから離れる方向に延在している。具体的には、グローブ20の開口端部20bの端面からグローブ20の頂部に向かう方向に直線状に延在している。
第1壁部22及び第2壁部23は、突出部21と同様に、グローブ20の内面に突条に形成されている。第1壁部22及び第2壁部23のグローブ20の内面からの突出量(高さ)は、突出部21のグローブ20の内面からの突出量(高さ)は、同じであるが、これに限らない。突出部21、第1壁部22及び第2壁部23の突出量(高さ)は、一例として、1mm〜5mmであるが、これに限らない。
図5Aに示すように、第1壁部22は、LEDモジュール10の基板11の突起部11cの側方に位置しており、かつ、グローブ20の突出部21の延在方向の一方の端部近傍に設けられている。本実施の形態において、突出部21と第1壁部22とは、グローブ20の内面に沿って連続して形成されている。具体的には、突出部21及び第1壁部22は、突出部21と第1壁部22とで側面視形状がL字状となるように一体に形成されている。したがって、突出部21及び第1壁部22の断面形状は同じである。
第2壁部23は、グローブ20の突出部21との間にグローブ20の周方向に沿った隙間Gを有するように形成されている。具体的には、第2壁部23は、突出部21の延在方向の他方の端部との間に隙間Gを有するように形成されている。隙間Gは、基板11の突起部11cが通過できるように、突起部11cの幅以上となっている。このように、第2壁部23と突出部21との間には、グローブ20の周方向に沿って突起部11cの幅以上の隙間Gが存在している。
詳細は後述するが、このように構成されるグローブ20は、LEDモジュール10と組み合わされて外郭筐体40に固定される。本実施の形態では、グローブ20を水平回転させることでグローブ20を基板11に組み合わせる。このとき、グローブ20が正しく回転していることを外観で確認できるように、図1、図2及び図4に示すように、グローブ20の外面には凸部24が設けられている。つまり、グローブ20の外面に設けられた凸部24を利用して、グローブ20が正しくLEDモジュール10に組み合わされているかを確認することができる。具体的には、図1に示すように、グローブ20をLEDモジュール10に組み合わされた状態において、グローブ20の凸部24は、外郭筐体40に設けられた目印部43と対応する位置に設けられている。一例として、凸部24は、グローブ20の外面に沿ってグローブ20の開口端部20bから離れる方向に延在するように突条に形成されている。
[回路ユニット]
図2及び図3に示される回路ユニット30は、LEDモジュール10(発光素子12)を発光させるための駆動回路である。つまり、回路ユニット30は、LEDモジュール10を発光させるための電力をLEDモジュール10に供給する。本実施の形態において、回路ユニット30は、LEDモジュール10の点灯及び消灯を行うための点灯回路であり、電源ユニット(電源回路)を構成している。回路ユニット30は、例えば、口金50から供給される交流電力を直流電力に変換し、当該直流電力をLEDモジュール10に供給する。回路ユニット30(点灯回路)から供給される直流電力によってLEDモジュール10(発光素子12)が点灯又は消灯する。
回路ユニット30は、回路基板31と、回路基板31に実装された複数の電子部品32とを有する。回路ユニット30は、LEDモジュール10と口金50との間に配置される。具体的に、回路ユニット30は、外郭筐体40に収納されている。回路ユニット30は、外郭筐体40の内面に設けられた係止部に回路基板31を係止させることで外郭筐体40に保持されている。なお、回路基板31の固定手段は、これに限るものではなく、ねじ等で回路基板31を外郭筐体40に固定してもよい。
回路基板31は、一方の面(半田面)に銅箔等の金属配線が形成されたプリント回路基板(PCB)である。回路基板31に実装された複数の電子部品32は、回路基板31に形成された金属配線によって互いに電気的に接続されている。
回路基板31には、出力端子33と入力端子(不図示)が設けられている。出力端子33にはコネクタピン33aが設けられている。コネクタピン33aは、LEDモジュール10の基板11に設けられたコネクタ13の導電部材13aと機械的及び電気的に連結されている。一方、入力端子には一対のリード線(不図示)が接続されている。入力端子に接続された一対のリード線の他方端は口金50に接続されている。
回路基板31は、例えば、外郭筐体40の筒軸と略平行する姿勢(縦置き)で配置されている。なお、回路基板31は、縦置きの配置に限るものではなく、回路基板31の主面が外郭筐体40の筒軸と略直交する姿勢(横置き)で配置してもよい。また、回路基板31に形成された金属配線は、回路基板31の一方の面(片面)のみに形成されているのではなく、回路基板31の両面に形成されていてもよい。つまり、回路基板31は両面配線基板であってもよい。
回路基板31に実装される電子部品32は、LEDモジュール10を点灯させるための複数の回路素子であり、例えば、電解コンデンサやセラミックコンデンサ等の容量素子、抵抗器等の抵抗素子、整流回路素子、コイル素子、チョークコイル(チョークトランス)、ノイズフィルタ、ダイオード又は集積回路素子等の半導体素子等である。
このように構成される回路ユニット30は、絶縁樹脂材料によって構成された外郭筐体40に収納されることで絶縁性が確保されている。なお、LEDモジュール10の発光状態を制御するために、回路ユニット30には、調光回路や調色回路などの光制御回路、又は、無線通信回路などが組み合わされていてもよい。
[外郭筐体]
図2及び図3に示すように、外郭筐体40は、グローブ20側に設けられた第1開口部40aと口金50側に設けられた第2開口部40bとを有する筒状の筒体である。第1開口部40aの外径は、第2開口部40bの外径よりも大きくなっており、外郭筐体40を構成する筒体は、外径が漸次変化する略円筒形状である。外郭筐体40は、LED電球1の外郭部材を構成しており、外郭筐体40の外面は外部(大気中)に露出している。なお、外郭筐体40は、グローブ20と口金50との間に配置されている。
本実施の形態において、外郭筐体40は、LEDモジュール10を支持するための支持部材としても機能する。LEDモジュール10は、外郭筐体40に固定されて外郭筐体40に支持されている。
具体的には、図2〜図4に示すように、外郭筐体40の第1開口部40aには、LEDモジュール10の基板11を載置するための載置面41aを有する載置部41が設けられている。載置面41aには、基板11の第2の面11bが面接触している。
外郭筐体40の載置部41には、外郭筐体40の筒軸方向に延伸するねじ穴41bが設けられている。基板11と外郭筐体40とは、基板11の貫通孔11dに挿通されたねじ60をねじ穴41bにねじ込むことで固定されている。ねじ60は、例えば金属製の小ねじである。
また、外郭筐体40の第1開口部40aには、載置部41よりも外側に環状の溝部42が形成されている。この溝部42には、グローブ20の開口端部20bが挿入される。図3に示すように、グローブ20と外郭筐体40とは、溝部42に充填された接着剤70によって固着されている。溝部42に充填する接着剤70としては、例えばシリコーン樹脂からなる接着剤が用いられる。
外郭筐体40には、目印部43が設けられている。目印部43は、グローブ20の外面に設けられた凸部24に対応する位置に設けられており、グローブ20とLEDモジュール10(基板11)とを組み合わせる際の位置合わせ部として機能する。本実施の形態において、目印部43は、外郭筐体40の第1開口部40a側の開口端部に設けられた切り欠き部であり、外観から視認できる位置に形成されている。目印部43は、例えば外郭筐体43を成形した後にレーザ印字を施すことによって形成してもよいし、外郭筐体43を射出成型する際に形成してもよい。目印部43は横長のスリット状であり、本実施の形態において、目印部43の横幅は、グローブ20の凸部24の横幅よりも広くなっている。
なお、第2開口部40bの外面には、口金50を装着するための螺合部が形成されている。第2開口部40bには口金50がねじ込まれている。
外郭筐体40は、第1開口部40aにおいてLEDモジュール10と熱的に結合されている。つまり、外郭筐体40は、LEDモジュール10で発生する熱を放熱する放熱部材(ヒートシンク)としても機能する。したがって、外郭筐体40は、LEDモジュール10(発光素子12)で発生する熱を効率良く放熱させるために、金属材料又は高熱伝導樹脂材料等の熱伝導率の高い材料によって構成されているとよい。例えば、外郭筐体40は、基板11よりも熱伝導率の高い材料で構成されているとよい。本実施の形態において、外郭筐体40は、樹脂製であり、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)等の絶縁性樹脂材料によって構成されている。また、外郭筐体40は、一体成形品である。
図3に示すように、外郭筐体40の内部には、回路ユニット30が配置されている。したがって、外郭筐体40は、回路ユニット30で発生する熱も放熱することができる。本実施の形態において、外郭筐体40は、回路ユニット30を直接囲んでいる。つまり、外郭筐体40は、回路ユニット30を絶縁保護する回路ケース(絶縁ケース)としても機能している。
[口金]
図2及び図3に示される口金50は、LEDモジュール10(発光素子12)を発光させるための電力をランプ外部から受電する受電部である。口金50は、外郭筐体40に取り付けられている。
口金50の内周面には、外郭筐体40の第2開口部40bに形成された螺合部に螺合させるための螺合部が形成されている。口金50は、第2開口部40bの螺合部にねじ込まれることで外郭筐体40に外嵌される。
LED電球1は、口金50を例えば照明器具の器具本体のソケットに装着することで、器具本体に取り付けられる。具体的には、口金50の外周面には、器具本体のソケットに螺合させるための螺合部が形成されている。口金50が器具本体のソケットに装着されることで、口金50は器具本体から電力を受けることができる状態となる。口金50には、例えば商用電源から交流電力が供給される。本実施の形態における口金50は二接点によって交流電力を受電し、口金50で受電した電力は、一対のリード線を介して回路ユニット30の入力端子に入力される。
口金50は、例えば、金属製の有底筒形状であって、図3に示すように、外周面が螺合部となっているシェル部51と、シェル部51に絶縁部52を介して装着されたアイレット部53とを有する。絶縁部52は、例えばガラスカレットによって構成される。回路ユニット30に接続される一対のリード線は、一方が口金50のシェル部51に接続され、一方が口金50のアイレット部53に接続される。
口金50の種類は、特に限定されるものではないが、本実施の形態では、ねじ込み式のエジソンタイプ(E型)の口金を用いている。例えば、口金50として、E26形、E17形又はE16形等が挙げられる。また、口金50は、エジソンタイプではなく、スワンタイプ(差し込み式)であってもよい。
[グローブの取り付け方法]
次に、グローブ20の取り付け方法について、図3及び図4を参照しながら、図7を用いて説明する。図7は、実施の形態に係るLED電球1におけるグローブ20の取り付け方法を説明するための図である。なお、図7では、LEDモジュール10及びグローブ20のみを図示している。
まず、図3及び図4に示すように、外郭筐体40内に回路ユニット30を収納した後、LEDモジュール10を外郭筐体40に固定する。具体的には、LEDモジュール10の基板11の貫通孔11dと外郭筐体40のねじ穴41bとを合わせて基板11を外郭筐体40の載置部41の載置面41aに載置し、基板11の貫通孔11dにねじ60を挿通して外郭筐体40のねじ穴41bにねじ60をねじ込む。これにより、基板11を外郭筐体40にねじ止めされ、LEDモジュール10を外郭筐体40に固定することができる。
次に、図7の(a)及び(b)に示すように、グローブ20の突出部21と第2壁部23との間の隙間Gに基板11の突起部11cを通すようにして、基板11にグローブ20を嵌め込む。このとき、図3に示すように、グローブ20の開口端部20bは、外郭筐体40の溝部42に挿入される。
次に、図7の(c)に示すように、グローブ20を所定の方向に水平回転させる。具体的には、グローブ20の突出部21が基板11の突起部11cに対向する位置に移動するまでグローブ20を回転させる。本実施の形態では、右回りの方向にグローブ20を水平回転させている。
このとき、グローブ20には、第1壁部22が設けられているので、グローブ20を回転させると、基板11の突起部11cが第1壁部22に当接する。つまり、第1壁部22は、グローブ20が一定以上回転することができないようにグローブ20の回転を止めるストッパとして機能する。このように、グローブ20は、第1壁部22が基板11の突起部11cに当接する位置までしか回転できないように構成されている。また、グローブ20を回転させて第1壁部22が基板11の突起部11cに当接することで、グローブ20の突出部21が基板11の突起部11cに対向する位置に移動したことが分かる。なお、本実施の形態において、突出部21の延在方向の長さは5mm〜10mmであるので、グローブ20の最大回転量(最大回転角)は小さく設定されており、グローブ20の回転量を抑えている。
また、本実施の形態では、グローブ20には第2壁部23が設けられているので、グローブ20を所定の方向とは逆方向に回転させようとすると、第2壁部23が基板11の突起部11cに当接する。つまり、第2壁部23は、グローブ20を逆方向に回転することを防止するストッパとして機能し、グローブ20は、逆方向には回転できないように構成されている。本実施の形態では、グローブ20は、左回りの方向に回転できないようになっている。
また、本実施の形態では、グローブ20の外面には凸部24が設けられているので、凸部24によってグローブ20が正しく回転しているか否かを確認することができる。具体的には、グローブ20の凸部24が外郭筐体40の目印部43の横幅Wの範囲内に位置してれば、グローブ20が正しい位置まで回転していると判断することができる。
このように、本実施の形態におけるLED電球1では、LEDモジュール10を利用してグローブ20が固定されている。具体的には、グローブ20は、LEDモジュール10に組み合わされることで、LEDモジュール10との相対的な位置関係が決定される。
なお、図示しないが、グローブ20をLEDモジュール10に取り付ける際に、外郭筐体40の溝部42に接着剤70を塗布する。これにより、接着剤70によってグローブ20を外郭筐体40に固着することができる。
[効果等]
次に、本実施の形態におけるLED電球1の特徴となる構成と作用効果について、本発明に至った経緯も含めて説明する。
近年、LED電球の外形サイズが白熱電球と同等のサイズにまで小さくなってきている。このため、新商品を開発する際又はワット数の異なる複数種のラインナップを揃える際に外郭筐体の共通化・共用化が検討されており、LEDモジュールとグローブのみの設計変更により、LED電球の商品設計を行いたいという要望が高まっている。
一方、照明器具等にLED電球を装着した後にグローブが外れてしまうと、グローブが落下するおそれがある。この場合、接着剤によってグローブを外郭筐体に固着していたとしても、接着剤の劣化等によって固着力が弱まりグローブが外れてしまうおそれがある。このため、グローブの落下を防止するために、LED電球内にグローブの落下防止構造を設けることが検討されている。この場合、外郭筐体にグローブの落下防止構造を設けることが考えられる。しかしながら、外郭筐体にグローブの落下防止構造を設けると、部品の共通化・共用化を図ることが難しくなる。
そこで、本発明者らが鋭意検討した結果、LEDモジュール10を覆うLEDモジュール10を利用することによって、部品の共通化及び共用化を図りつつも、グローブ20の落下を防止できる構造を見出した。
具体的には、本実施の形態におけるLED電球1では、図4及び図6に示すように、グローブ20の内面には、LEDモジュール10の基板11の第2の面11bに対向する位置まで突出する突出部21が設けられている。
この構成により、照明器具等にLED電球1を装着した後にグローブ20が仮に外れたとしても、グローブ20の突出部21が基板11に引っ掛かるので、グローブ20が落下することを防止できる。つまり、グローブ20の突出部21は、基板11に引っ掛かる引っ掛け部であり、グローブ20の落下防止構造として機能する。
また、LEDモジュール10とグローブ20とによってグローブ20の落下防止構造を実現することで、LED電球1を構成する部品の共通化・共用化を容易に図ることができる。
具体的には、LED電球では、LEDモジュール10とグローブ20とによって配光特性等の光学特性が決まる。したがって、LED電球の商品設計を行う際に、LEDモジュール10とグローブ20のみの設計変更を行うだけで済むので、LEDモジュール10及びグローブ20以外の部品(外郭筐体40等)の形状及びサイズ等を変更する必要がなくなり、外郭筐体40等の部品の共通化・共用化を図ることができる。
逆に、LED電球の光学特性の主要因となるLEDモジュール10とグローブ20とを1つのモジュールとして部品の共通化・共用化を図ることもできる。つまり、LEDモジュール10とグローブ20とを1つのモジュールとして、形状又はサイズの異なる外郭筐体40等に適用することによって、複数種類のLED電球を容易に得ることができる。
例えば、上記のようにLEDモジュール10を外郭筐体40に直接固定するのではなく、図8に示されるLED電球1Aのように、外郭筐体40A内に配置されたカップ状のヒートシンク80の上にLEDモジュール10を載置して固定してもよい。図8に示されるLED電球1Aでは、上記実施の形態におけるLED電球1と同様のLEDモジュール10及びグローブ20が用いられている。つまり、LEDモジュール10及びグローブ20を1つのモジュールとして共通化・共用化している。なお、図8では、回路ユニット30は省略している。
このように、本実施の形態に係るLED電球1によれば、部品の共通化及び共用化を図ることができるので設計変更を容易に行うことができるとともに、グローブ20の落下を防止することができる。具体的には、LEDモジュール10とグローブ20のみで落下防止構造を実現することができる。また、部品の共通化及び共用化を図ることで、新たな金型の投資を最小限に抑えることができる。
また、本実施の形態におけるLED電球1において、グローブ20は、基板11の側面全周を囲むように構成されており、基板11は、グローブ20の突出部21に対向する突起部11cを有している。さらに、グローブ20の突出部21は、グローブ20の周方向に沿って延在している。
この構成により、グローブ20が基板11の側面全周を囲む構成でありながらも、グローブ20を水平回転させることで基板11の突起部11cとグローブ20の突出部21とを容易に対向させることができる。つまり、基板11の全体がグローブ20で覆われる構造でありながらも、グローブ20とLEDモジュール10とによってグローブ20の落下防止構造を容易に実現することができる。
また、本実施の形態において、グローブ20の突出部21は、複数設けられている。
この構成により、LED電球1にグローブ20の落下防止構造を複数設けることができるので、グローブ20が落下することをより確実に防止することができる。
また、本実施の形態では、図6に示すように、基板11の突起部11cとグローブ20の突出部21との間には隙間があり、基板11の突起部11cとグローブ20の突出部21とは接触していないが、基板11の突起部11cとグローブ20の突出部21とを接触させてもよい。
この場合、グローブ20は、基板11に保持されているとよい。つまり、グローブ20は、基板11に固定されているとよい。例えば、グローブ20の突出部21を爪構造にして、突出部21と基板11の突起部11cとを係止させることでグローブ20を基板11に固定してもよい。
この構成により、LEDモジュール10とグローブ20とによって決まる光学特性がLED電球ごとにばらつくことを抑制することができる。したがって、外郭筐体等の形状又はサイズが異なり外形等が異なっていながらも同一の光学特性を有するLED電球を容易に実現することができる。
(変形例)
以上、本発明に係る照明装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、グローブ20の突出部21は、グローブ20の開口端部20bの内面に設けられていたが、これに限らない。具体的には、図9に示されるLED電球1Bのように、グローブ20Bの突出部21は、グローブ20Bの開口端部20bから基板11の厚み方向に延在する腕部25の内面に設けられていてもよい。この場合、グローブ20Bは、上記実施の形態と同様にグローブ20を水平回転させることで、基板11に組み合わせてもよいが、図9に示すように、腕部25の弾性を利用してグローブ20Bを基板11に向けて押し込むようにして基板11に組み合わせることで、基板11の端部11eとグローブ20Bの突出部21とを対向させてもよい。なお、本変形例でも、グローブ20Bの突出部21を爪構造にして、突出部21と基板11の端部とを係止させることでグローブ20Bを基板11に固定してもよい。これにより、スナップインによってグローブ20Bを基板11に係止させることができる。この場合、基板11の端部11dは、上記実施の形態における突起部11のように突起状に形成されていてもよいが、突起状に形成されていなくてもよい。つまり、端部に凹凸のない円板状の基板11を用いてもよい。
また、上記実施の形態では、グローブ20の突出部21は、2つであったが、これに限らない。例えば、突出部21は、1つのみであってもよいし、3つ以上であってもよい。なお、突出部21を複数設ける場合、複数の突出部21は、グローブ20の周方向に沿って等間隔に設けられているとよい。
また、上記実施の形態では、グローブ20が正しい位置まで回転していると判断するために、グローブ20の凸部24に対応する目印部43として外郭筐体40に切り欠き部を設けたが、これに限らない。つまり、グローブ20の位置決め用の目印部43を切り欠き部としたが、これに限らない。例えば、グローブ20の位置決め用の目印部は、外郭筐体40に設けられた凸部であってもよいし、外郭筐体40以外のLED電球1の部品に設けられた凸部又は凹部等であってもよい。また、グローブ20の位置決め用の目印部は、LED電球1の部品に形成された凸部等の構造や形状に限るものではなく、グローブ20を取り付ける際に外観で視認することができれば、LED電球1を構成する部品(外郭筐体40等)に付された模様や色、又はシール等であってもよい。すなわち、グローブ20の凸部24がLED電球1の一部に設けられた目印部の範囲内に位置しているか否かによって、グローブ20が正しく回転しているか否かを確認することができる。
また、上記実施の形態では、照明装置としてLED電球を例にとって説明したが、本発明は、直管形蛍光灯に代替する直管LEDランプ、又は、GX53口金又はGH76p口金等を有するフラット型のLEDランプ等、その他の口金付きのLEDランプにも適用することできる。
また、上記実施の形態では、照明装置として、照明器具に装着して使用する口金付きの照明装置を例にとって説明したが、LEDモジュールとグローブ(透光カバー)とを有する照明装置であれば、本発明に係る照明装置は、照明器具そのものとして実現することもできる。このような照明装置としては、天井等に設置されるダウンライト、スポットライト、シーリングライト、又は、スタンドライト等の照明器具が挙げられる。
また、上記実施の形態において、発光素子12は、SMD型LED素子であるとしたが、これに限らない。例えば、ベアチップが基板上に直接実装(1次実装)されたCOB(Chip On Board)型のLEDモジュールを用いてもよい。つまり、発光素子12として、LEDチップそのものが採用されてもよい。この場合、封止部材によって、複数のLEDチップを一括又は個別に封止してもよい。封止部材には、上述のように黄色蛍光体等の波長変換材が含有されていてもよい。
また、上記実施の形態において、発光素子12は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって白色光を放出するB−Yタイプの白色LED素子としたが、これに限らない。例えば、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する蛍光体含有樹脂を用いて、これと青色LEDチップと組み合わせることによりに白色光を放出するように構成してもよい。また、演色性を高める目的で、黄色蛍光体に加えて、さらに赤色蛍光体や緑色蛍光体を混ぜても構わない。また、青色以外の色を発するLEDチップを用いてもよく、例えば、青色LEDチップが放出する青色光よりも波長が短い紫外光を放出する紫外LEDチップを用いて、主に紫外光により励起されて青色光、赤色光及び緑色光を放出する青色蛍光体、緑色蛍光体及び赤色蛍光体によって白色光を放出するように構成してもよい。
また、上記実施の形態において、LEDモジュール10は、調光制御可能及び/又は調色制御可能に構成されていてもよい。例えば、LEDモジュール10が、赤色光を発する赤色LED光源、緑色光を発する緑色LED光源及び青色光を発する青色LED光源を備えることで、RGB制御を行うことができる。これにより、調色制御可能なLEDモジュールを実現できる。
また、上記実施の形態において、発光素子12の光源としてLEDを例示したが、半導体レーザなどの半導体発光素子、有機EL(Electro Luminescence)又は無機EL等、その他の固体発光素子を用いてもよい。
その他、上記実施の形態及び変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で上記の各実施の形態及び変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。