以下、本発明の実施の形態に係る照明用光源及び照明装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
以下の実施の形態では、照明用光源の一例として、電球形LEDランプ(LED電球)について説明する。
(電球形ランプの全体構成)
まず、本実施の形態に係る電球形ランプ1の全体構成について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る電球形ランプの側面図である。また、図2は、本発明の実施の形態に係る電球形ランプの分解斜視図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る電球形ランプ1は、電球形蛍光灯又は白熱電球の代替品となる電球形LEDランプであって、グローブ10と筐体60と口金70とによって外囲器が構成されている。
図2に示すように、電球形ランプ1は、グローブ10と、LEDモジュール20と、LEDモジュール20を支持する支持台30と、LEDモジュール20(LED22)を駆動する駆動回路40と、駆動回路40を保持する回路ホルダ50と、駆動回路40を囲むように構成された筐体60と、外部から電力を受電する口金70とを備える。
以下、電球形ランプ1の各構成部材について、図2を参照しながら、図3を用いて詳細に説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る電球形ランプの断面図である。
なお、図3において、紙面上下方向に沿って描かれた一点鎖線は電球形ランプのランプ軸J(中心軸)を示しており、本実施の形態において、ランプ軸Jは、グローブ軸と一致している。また、ランプ軸Jとは、電球形ランプ1を照明装置(不図示)のソケットに取り付ける際の回転中心となる軸であり、口金70の回転軸と一致している。
(グローブ)
図3に示すように、グローブ10は、LEDモジュール20を覆う透光性カバーであって、LEDモジュール20から放出される光をランプ外部に取り出すように構成されている。したがって、グローブ10の内面に入射したLEDモジュール20の光は、グローブ10を透過してグローブ10の外部へと取り出される。
グローブ10は、開口部11を有する中空の回転体であり、本実施の形態では、開口部11が絞られた略半球状に構成されている。図3に示すように、グローブ10の開口部11は支持台30に当接している。開口部11と支持台30と筐体60とは、シリコーン樹脂等の接着剤(不図示)によって固着される。
グローブ10は、内部のLEDモジュール20を視認できるように透明であってもよく、また、グローブ10に光拡散機能を持たせて透明でなくてもよい。グローブ10に光拡散機能を持たせる場合、例えば、シリカや炭酸カルシウム等の光拡散材を含有する樹脂や白色顔料等をグローブ10の内面又は外面の全面に塗布することによって乳白色の光拡散膜を形成すればよい。
グローブ10の材質としては、シリカガラス等のガラス材、又は、アクリル(PMMA)やポリカーボネート(PC)等の樹脂材等を用いることができる。なお、グローブ10の形状としては、白熱電球と同様のものを用いてもよい。
(LEDモジュール)
LEDモジュール20は、発光素子を有する発光モジュールであって、白色等の所定の色(波長)の光を放出する。図3に示すように、LEDモジュール20は、支持台30に載置されており、駆動回路40から供給される電力によって発光する。
図2及び図3に示すように、LEDモジュール20は、基板21と、基板21に実装されたLED22とを備える。本実施の形態におけるLEDモジュール20は、SMD(Surface Mount Device)型のLED22を用いて構成されている。
基板21は、LED22を実装するための実装基板である。基板21は、例えば、アルミナ等のセラミックスからなるセラミックス基板、樹脂基板又はメタルベース基板であり、平面視形状が略矩形又は円形の板状基板を用いることができる。
基板21は、裏面が支持台30の表面と面接触するようにして支持台30に取り付けられる。図2に示すように、基板21の表面の2箇所には、給電部として電極端子23が形成されている。
なお、図示されていないが、電極端子23の各々には、駆動回路40から導出されるリード線が半田接続される。また、基板21の表面には、電極端子23と複数のLED22とを電気的に接続するための金属配線がパターン形成されている。
基板21の表面上には、複数個のLED22が実装されている。図2に示すように、本実施の形態では、8個のLED22と、1個のゼロ抵抗素子とが実装されている。なお、ゼロ抵抗素子の代りに、LED22を実装してもよい。
各LED22は、発光素子の一例であって、所定の電力により発光する。本実施の形態におけるLED22は、SMD型の発光素子であり、例えば、凹部を有する樹脂製の容器と、凹部の中に実装されたLEDチップと、凹部内に封入された封止部材(蛍光体含有樹脂)とを備える。
LEDチップとしては、例えば、通電されれば青色光を発する青色LEDチップを用いることができる。この場合、封止部材としては、YAG系の黄色蛍光体粒子が含有されたシリコーン樹脂を用いることができる。これにより、LEDチップが発した青色光の一部は封止部材に含まれる黄色蛍光体粒子によって黄色光に波長変換され、黄色蛍光体粒子に吸収されなかった青色光と黄色蛍光体粒子によって波長変換された黄色光とが混ざって白色光となって出射される。
(支持台)
支持台30(モジュールプレート)は、LEDモジュール20を支持する支持部材であり、LEDモジュール20が載置される平板部31と、当該平板部31に立設された側壁部32とを有する。本実施の形態における支持台30は、平板部31を底部とし側壁部32を周部とするキャップ状部材であり、図3に示すように、回路ホルダ50を覆うように構成されている。また、支持台30は、グローブ10の開口部11を塞ぐように構成されている。
平板部31(平面部)は、円板状であり、ランプ軸Jと直交する平面を主面としている。平板部31のグローブ10側の主面は、LEDモジュール20が載置される載置面31aである。本実施の形態において、載置面31aは、凹部のない平面のみで構成されている。これにより、支持台30を容易に加工することができるので、低コストで支持台30を作製することができる。
また、平板部31には、第1貫通孔33a及び第2貫通孔33bが2つずつ設けられている。第1貫通孔33aには、平板部31の駆動回路側の主面からグローブ側の主面に向かって回路ホルダ50のモジュール基板保持部56が挿通される。また、第2貫通孔33bには、平板部31の駆動回路側の主面からグローブ側の主面に向かって、回路ホルダ50のモジュール基板規制部57と駆動回路40から導出されるリード線とが挿通される。
側壁部32は、平板部31から駆動回路側に向けて突出するようにして平板部31の周囲に設けられる。本実施の形態における側壁部32は、全周に段差を有するように構成されており、直径の小さい径小部32aと直径の大きい径大部32bとを有する。つまり、径小部32aと径大部32bとの直径差によって側壁部32の段差が構成されている。側壁部32の段部(径大部32bの上面)には、グローブ10の開口部11が当接している。これにより、グローブ10の開口部11が塞がれている。
径大部32bは、筐体60の開口部に接続される部分である。径大部32bの外周面が筐体60の内周面に接することで支持台30が筐体60に接続される。これにより、支持台30に伝導したLEDモジュール20の熱を筐体60に直接伝導させることができる。
このように、支持台30は、LEDモジュール20(LED22)で発生する熱を放熱させるための放熱部材(ヒートシンク)としても機能する。なお、効率良く熱伝導させるために、支持台30は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)又は鉄(Fe)等を主成分とする金属材料又は熱伝導率の高い樹脂材料によって構成することが好ましい。本実施の形態において、支持台30は、アルミニウムによって構成されている。
このように構成される支持台30は、径大部32bの開口部の端部を筐体60の凸部61の上面に当接させることで位置決めされて、筐体60に固定される。
(駆動回路)
駆動回路(回路ユニット)40は、LEDモジュール20(LED22)を発光(点灯)させるための点灯回路(電源回路)であって、LEDモジュール20に所定の電力を供給する。駆動回路40は、例えば、口金70から供給される交流電力を直流電力に変換し、当該直流電力をLEDモジュール20に供給する。
駆動回路40は、回路基板41と、LEDモジュールを駆動させるための複数の回路素子(不図示)とによって構成されている。
回路基板41は、一方の面(半田面)に銅箔等の金属配線がパターニングされたプリント基板(PCB基板)である。回路基板41に実装された複数の回路素子は、金属配線によって互いに電気的に接続されている。また、回路基板41には、回路素子のリード線(脚)が挿入される貫通孔が複数形成されている。
本実施の形態において、回路基板41は、当該回路基板41の主面の法線がランプ軸Jと略直交する姿勢(縦置き配置)で回路ホルダ50に取り付けられている。つまり、回路基板41は、当該回路基板41の主面が回路ホルダ50の平板部51の主面に対して略垂直となる姿勢で回路ホルダ50に保持されている。また、回路基板41の回路ホルダ側の端部は、回路ホルダ50の平板部51の裏面に当接している。
回路基板41は、縦置き配置であっても大きな実装面積が得られるように、筐体60の第2開口部60bから第1開口部60aに向かって幅広となるように構成されている。また、回路基板41の周縁には、凸部(段差部)41aが形成されている。凸部41aは、回路基板41の主面を平面視したときの輪郭線が段差状となるように横方向に突出する部分であり、回路基板41の横方向の両側に対向するようにして形成されている。回路ホルダ50に回路基板41が保持される際、凸部41aは、回路ホルダ50における回路基板保持部54の係止爪54aに係止される。
回路素子(回路部品)は、例えば、電解コンデンサやセラミックコンデンサ等の容量素子、抵抗器等の抵抗素子、整流回路素子、コイル素子、チョークコイル(チョークトランス)、ノイズフィルタ、ダイオード又は集積回路素子等の半導体素子等である。回路素子の多くは、回路基板41の一方の主面に実装されている。
駆動回路40とLEDモジュール20とは、一対のリード線(出力側リード線)によって電気的に接続されている。また、駆動回路40と口金70とは、一対のリード線(入力側リード線)によって電気的に接続されている。これら4本のリード線は、例えば合金銅リード線であり、合金銅からなる芯線と当該芯線を被覆する絶縁性の樹脂被膜とからなる。
出力側リード線は、LEDモジュール20を点灯させるための電力を、駆動回路40からLEDモジュールに供給するための電線であり、支持台30に設けられた第2貫通孔33bに挿通されてLEDモジュール側(グローブ10内)に引き出される。なお、出力側リード線は、一端(芯線)がLEDモジュール20の基板21の電極端子23と半田接続されており、他端(芯線)が回路基板41の金属配線と半田接続されている。
また、入力側リード線は、LEDモジュール20を点灯させるための電力を、口金70から駆動回路40に供給するための電線である。入力側リード線は、一端(芯線)が口金70(シェル部又はアイレット部)と電気的に接続されており、他端(芯線)が回路基板41の電力入力部(金属配線)と半田等によって電気的に接続されている。
(回路ホルダ)
回路ホルダ50は、駆動回路40を保持するための保持部材であり、少なくとも一部が支持台30と駆動回路40との間に配置されるように構成されている。回路ホルダ50は、筐体60に固定されている。
本実施の形態における回路ホルダ50は、キャップ状の絶縁部材(絶縁キャップ部材)によって構成されており、支持台30と駆動回路40との間に配置される平板部51と、平板部51に立設された側壁部52と、平板部51の側方に設けられた切り欠き部53とを有する。このように構成される回路ホルダ50は、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の絶縁性樹脂材料等を用いて、樹脂成型によって一体成形されている。
平板部51(平面部)は、板状であり、ランプ軸Jと直交する平面を主面としている。図3に示すように、回路ホルダ50の平板部51と支持台30の平板部31とは所定の間隔をあけて対面するよう配置されている。
側壁部52は、平板部51の周縁から駆動回路側に向けて突出するようにして設けられている。本実施の形態では、対向する一対の側壁部52として構成されている。回路ホルダ50は、側壁部52の駆動回路側の端部を筐体60の凸部61の上面に当接させることで位置決めされて筐体60に固定される。側壁部52の外周面には、筐体60の係止部62に係止される爪部52aが設けられている。
また、本実施の形態における側壁部52は、外周面に段差を有するように構成されており、直径の小さい径小部と直径の大きい径大部を有する。図3に示すように、回路ホルダ50における側壁部52と支持台30における側壁部32とは、各々の段差が組み合うように配置されている。これにより、回路ホルダ50と支持台30との位置合わせを行うことができ、回路ホルダ50と支持台30との間に空隙を設けることができる。
切り欠き部53は、回路ホルダ50(平板部51)と支持台30(平板部31)との間の空隙と、筐体60における回路ホルダ50よりも駆動回路側に空間領域と、を空間的に接続するために設けられる。切り欠き部53は、所定形状の一部が切り欠かれた領域であり、本実施の形態では、有底円筒形状のキャップ状部材における周部を含む一部分を、対向するようにして切り欠いた2つの領域である。つまり、本実施の形態において、切り欠き部53は、平板部51の周囲のうち側壁部52が形成されていない部分であって、対向する2箇所に設けられている。
図3に示すように、平板部51には、回路基板41を保持するための一対の回路基板保持部54と、保持された回路基板41が主面垂直方向に移動することを規制するための一対の回路基板規制部55とが設けられている。
一対の回路基板保持部54の各々は、例えば、平板部51の駆動回路側の主面から駆動回路側に突出するように設けられた突出部である。一対の回路基板保持部54は、回路基板41の側面を当該回路基板41の主面水平方向から挟み込むように構成されている。また、一対の回路基板保持部54の各々の先端には係止爪54aが形成されており、係止爪54aは回路基板41の凸部41aと係止するように構成されている。
具体的に、係止爪54aには、回路基板41の凸部41aを挟み込む凹部が形成されている。このような凹部を設けることで、回路基板41を保持するだけではなく、回路基板41の主面垂直方向の動きを規制することができる。
一対の回路基板規制部55の各々は、例えば、平板部51の駆動回路側の主面から駆動回路側に突出するように設けられた凸部である。一対の回路基板規制部55は、回路基板41を当該回路基板41の主面垂直方向から挟み込むように構成されている。これにより、回路基板41の主面垂直方向の動きを規制することができるので、回路ホルダ50に保持された回路基板41の横滑りを抑制することができる。
なお、本実施の形態において、一対の回路基板規制部55は、2箇所に設けられている。つまり、4つの凸部が設けられている。
また、図2に示すように、平板部51には、LEDモジュール20(基板21)を保持するための2つのモジュール基板保持部56と、LEDモジュール(基板21)の水平方向の動きを規制するための2つのモジュール基板規制部57とが設けられている。このように、回路ホルダ50は、回路基板41を保持するだけではなく、基板21を保持するための保持部材としても機能する。
モジュール基板保持部56の各々は、平板部51のグローブ側の主面からグローブ側に突出するように設けられており、モジュール基板保持部56の各々には、基板21の短辺に係止する係止爪56aが形成されている。具体的に、2つのモジュール基板保持部56は、基板21の対向する2つの短辺を挟むように設けられている。また、係止爪56aは、基板21の短辺の端部表面に当接するように構成されている。基板21の表面が係止爪56aで押さえつけられることで、基板21が支持台30に保持される。
また、モジュール基板規制部57の各々は、平板部51のグローブ側の主面からグローブ側に突出するように設けられており、モジュール基板規制部57の各々には、基板21が支持台30に載置されたときに基板21の側面に当接する平面部57aが形成されている。具体的に、2つのモジュール基板規制部57は、基板21の対向する2つの長辺を挟むように設けられている。基板21の側面が2つの平面部57aによって挟まれることにより、基板21の横滑りを防止することができる。
さらに、モジュール基板規制部57の各々には、駆動回路40とLEDモジュール20とを接続するリード線(出力側リード線)を、回路ホルダ50の駆動回路側からグローブ側へと引き出すための挿通孔が設けられている。一方のモジュール基板規制部57の挿通孔には、2本の出力側リード線のうちの一方の出力側リード線が挿通され、他方のモジュール基板規制部57の挿通孔には、他方の出力側リード線が挿通される。
また、モジュール基板規制部57の各々には、挿入孔を挿通させてグローブ側に引き出した出力側リード線の動きを規制するリード線規制部として2つのスリット57bが設けられている。このように、本実施の形態におけるモジュール基板規制部57は、基板21の横滑りを防止するだけではなく、出力側リード線を保持する機能も兼ねている。
スリット57bは、溝状に形成されており、駆動回路40とLEDモジュール20とを接続するリード線を挟み込むように構成されている。スリット57bの溝幅は、リード線の線幅よりも僅かに小さくなるように構成されている。これにより、出力側リード線をスリット57b内に押し込むことによって、出力側リード線をスリット57bに固定することができる。したがって、出力側リード線と電極端子23との半田付けを容易に行うことができる。また、出力側リード線の動きを規制することで、出力側リード線と電極端子23との半田接続部分における応力負荷を大幅に低減できるので、出力リード線と電極端子23との間の断線不良を防止できる。なお、一例として、スリット57bの溝幅は1.1mmであり、出力リード線の線幅は1.23mmである。
LEDモジュール20を支持台30に保持固定させる場合、基板21を支持台30の載置面31aに載置し、係止爪56aが基板21の短辺の表面に引っ掛けるようにしてモジュール基板保持部56を支持台30の第1貫通孔33aに貫通させるとともに、平面部57aが基板21の長辺に当接するようにしてモジュール基板規制部57を支持台30の第2貫通孔33bに貫通させる。これにより、基板21は、係止爪56aによって支持台30に押さえ付けられるようにして支持台30に保持固定される。また、基板21の長辺の側面がモジュール基板規制部57の平面部57aに当接するので、基板21の主面水平方向の動きがモジュール基板規制部57によって規制される。
なお、基板21と支持台30との間にはシリコーン樹脂等を形成するとよい。これにより、係止爪56aと基板21の表面との間に寸法公差による隙間が生じたとしても、係止爪56aと基板21の表面とを接触させることができるので、基板21の主面垂直方向の動きを規制することができる。
(筐体)
図3に示すように、筐体60は、駆動回路40、支持台30及び回路ホルダ50を囲むように構成されており、筐体60の内部に所定の空間領域が存在する。本実施の形態における筐体60は、外郭部材(外郭筐体)であり、筐体60の外面はランプ外部(大気中)に露出している。また、図2に示すように、筐体60には、凸部61及び係止部62が設けられている。
筐体60は、グローブ側の開口部である第1開口部60aと、口金側の開口部である第2開口部60bと、第1開口部60aと第2開口部60bとの間に位置する本体部60cとによって構成されている。筐体60は、漏斗状(ラッパ状)であり、第1開口部60aの開口が第2開口部60bの開口よりも大きくなるように構成されている。
第1開口部60aは、内径及び外径が一定である略円筒部材によって構成されている。図3に示すように、第1開口部60aは、支持台30の側壁部32との接続部分であり、具体的には、第1開口部60aの内周面と側壁部32(径大部32b)の外周面とが面接触している。これにより、LEDモジュール20で発生した熱を、支持台30を介して筐体60に効率良く伝導させることができる。
また、第1開口部60aは、支持台30によって開口が塞がれるように構成されている。すなわち、筐体60の第1開口部60aは、支持台30によって蓋されている。
第2開口部60bは、略円筒部材によって構成されており、図3に示すように、第2開口部60bには口金70が外嵌される。本実施の形態では、第2開口部60bには口金70と螺合するための螺合部が形成されており、口金70は第2開口部60bにねじ込まれることによって筐体60(第2開口部60b)に固定される。このように口金70を筐体60に固定することによって、第2開口部60bが口金70によって塞がれる。すなわち、筐体60の第2開口部60bは、口金70によって蓋されている。
本体部60cは、第1開口部60a側から第2開口部60b側に向かって内径及び外径が漸次変化する略円筒部材によって構成されている。本体部60cの内面には、3つの凸部61と2つの係止部62が設けられている。
図3に示すように、筐体60と支持台30と口金70とで囲まれる空間領域内には、回路ホルダ50と駆動回路40(回路基板41)が配置されている。当該空間領域は、回路ホルダ50の平板部51によって第1空間領域と第2空間領域に仕切られている。すなわち、筐体60は、第1空間領域と第2空間領域とを有する。第1空間領域は、回路ホルダ50の平板部51を基準として支持台側の空間領域であって、回路ホルダ50(平板部51)と支持台30(平板部31)との間の空隙である。また、第2空間領域は、回路ホルダ50の平板部51を基準として駆動回路側(口金側)の空間領域であり、第1空間領域よりも容積が大きい。
凸部61は、本体部60cの内面から内方に向かって突出するようにリブ状に形成されている。また、凸部61は、段差状に形成されており、第1開口部60a側に面する異なる2つの平面を有する。図3に示すように、凸部61の一方の平面には、支持台30の側壁部32(径大部32b)の開口部端縁が当接し、凸部61の他方の平面には、回路ホルダ50の側壁部52の端縁が当接する。これにより、支持台30及び回路ホルダ50と筐体60との位置決めを行うことができる。
係止部62は、回路ホルダ50の爪部52aが係止されるように構成されている。回路ホルダ50を回転させて回路ホルダ50の爪部52aを筐体60の係止部62に引っ掛けて係止させることで回路ホルダ50を筐体60に固定することができる。
このように構成される筐体60は、例えばPBT等の絶縁性樹脂材料等を用いて、樹脂成型によって一体成形されている。
(口金)
口金70は、LEDモジュール20(LED22)を発光させるための電力をランプ外部から受電する受電部である。口金70は、例えば、照明器具のソケットに取り付けられる。これにより、口金70は、電球形ランプ1を点灯させる際に、照明器具のソケットから電力を受けることができる。口金70には、例えば商用の交流電力が供給される。本実施の形態における口金70は二接点によって交流電力を受電し、口金70で受電した電力は、一対の入力側リード線を介して駆動回路40の電力入力部に入力される。
口金70は、金属製の有底筒体形状であって、例えば、外周面が雄ネジとなっているシェル部と、シェル部に絶縁部を介して装着されるアイレット部とによって構成することができる。口金70の外周面には、照明器具のソケットに螺合させるための螺合部が形成されている。また、口金70の内周面には、筐体60の螺合部に螺合させるための螺合部が形成されている。
口金70の種類は、特に限定されるものではないが、本実施の形態では、ねじ込み型のエジソンタイプ(E型)の口金を用いている。例えば、口金70として、E27形等が挙げられる。
次に、本実施の形態に係る電球形ランプ1の特徴的な構成について、図4を用いて説明する。図4(a)は、本発明の実施の形態に係る電球形ランプの上面図(グローブ、LEDモジュール及び支持台30は不図示)であり、図4(b)は、図4(a)のA−A’線における同電球形ランプの一部切り欠き断面図(グローブは不図示)である。
上述のとおり、回路ホルダ50(平板部51)と支持台30(平板部31)とは所定の間隔をあけて対面するよう配置されている。これにより、図4(b)に示すように、回路ホルダ50(平板部51)と支持台30(平板部31)との間には、空隙G(第1空間領域)が存在する。また、筐体60は、回路ホルダ50よりも駆動回路側に空間領域S(第2空間領域)を有する。空隙Gと空間領域Sとは、回路ホルダ50の平板部51を境界として上下に分けられている。そして、電球形ランプ1では、この空隙Gと空間領域Sとが空間的に接続された構成となっている。
本実施の形態では、回路ホルダ50の切り欠き部53によって、空隙Gと空間領域Sとを空間的に接続している。つまり、図4(a)に示すように、有底円筒形状のキャップ状部材の一部分を切り欠いて切り欠き部53を設けることによって、図4(b)に示すように、キャップ状の支持台30の側壁部32の内面と回路ホルダ50の側部(切り欠き部53)との間に、空隙Gと空間領域Sとを空間的に接続する接続領域として気体流路Pを設けている。より具体的には、上記キャップ状部材を切り欠く前(切り欠き部53を設けない場合)は、当該キャップ状部材と支持台30とは側壁部全周において密着しているが、当該キャップ状部材に切り欠き部53を設けることによって気体流路Pを形成することができる。
このように気体流路Pを設けることによって、支持台30に伝導したLEDモジュール20の熱を、空隙G及び気体流路Pを介して筐体60内の空間領域Sへと伝導させることができる。つまり、支持台30に伝導したLEDモジュール20の熱は、支持台30と接触する筐体60に伝導するだけではなく、LEDモジュール20直下の空隙Gの気体(空気)に伝導し、熱伝導経路である気体流路Pを介して対流によって空間領域Sへと移動する。
このように、本実施の形態では、LEDモジュール20の熱は、支持台30から筐体60への物理的構造による熱伝導経路(放熱経路)と、空隙Gから空間領域Sへの空間的な熱伝導経路(放熱経路)とを伝導して放熱される。これにより、LEDモジュール20で発生する熱を効率良く放熱させることができる。
また、切り欠き部53は複数個設けることが好ましく、図4(a)に示すように、本実施の形態では、2つの切り欠き部53が設けられている。つまり、有底円筒形状のキャップ状部材の2箇所を切り欠いている。
これにより、図4(a)及び図4(b)に示すように、2つの気体流路Pを得ることができるので、対流を生じさせやすくすることができる。したがって、LEDモジュール20で発生する熱を一層効率良く放熱させることができる。
また、図4(a)に示すように、本実施の形態において、回路ホルダ50を平面視したときに、駆動回路40は、回路ホルダ50に隠れるように配置されている。具体的に、少なくとも回路基板41は、回路ホルダ50の平板部51に覆われるように配置されていることが好ましく、さらに、回路素子も平板部51に隠れるように配置されることが好ましい。
これにより、回路基板41によって切り欠き部53による気体流路Pが遮蔽されてしまうことを抑制することができるので、対流を生じさせやすくすることができる。したがって、LEDモジュール20で発生する熱を効率良く放熱させることができる。
また、図4(b)に示すように、本実施の形態において、回路基板41は、回路ホルダ50の平板部51に対して略垂直となる姿勢で配置されている。
これにより、平面視したときに、回路ホルダ50によって回路基板41を容易に隠すことができる。したがって、対流をさらに生じさせやすくすることができるので、LEDモジュール20で発生する熱をさらに効率良く放熱させることができる。
なお、本実施の形態では、複数の回路素子を主として回路基板41の一方の面に実装した片面実装であるので、図4(a)に示すように、回路基板41は回路ホルダ50の平板部51の中心からずらして配置している。これにより、片面実装の回路基板41であっても、回路ホルダ50の平板部51に駆動回路40(回路基板41及び回路素子)を容易に隠すことができる。
以上、本実施の形態に係る電球形ランプ1によれば、回路ホルダ50と支持台30との間の空隙Gと筐体60内の空間領域Sとが空間的に接続されているので、LEDモジュール20で発生する熱を効率良く放熱することができる。
実際に、LEDモジュール20のチップ温度Tsを測定したところ、図4に示すように2つの切り欠き部53を設けた構成では、図4において2つの切り欠き部53を設けない構成と比べて、チップ温度Tsを4℃低減することができた。
なお、空隙G内を熱伝導(対流)させて効率良くチップ温度を低減するためには、空隙Gは2mm以上とすることが好ましい。つまり、回路ホルダ50(平板部51)と支持台30(平板部31)との間の距離は、2mm以上とすることが好ましい。
(照明装置)
また、本発明は、このような電球形ランプとして実現することができるだけでなく、電球形ランプを備える照明装置としても実現することができる。以下、本発明の実施の形態に係る照明装置について、図5を用いて説明する。図5は、本発明の実施の形態に係る照明装置の概略断面図である。
図5に示すように、本発明の実施の形態に係る照明装置2は、例えば、室内の天井に装着されて使用され、上記の実施の形態に係る電球形ランプ1と、点灯器具3とを備える。
点灯器具3は、電球形ランプ1を消灯及び点灯させる機能を有し、天井に取り付けられる器具本体4と、電球形ランプ1を覆う透光性のランプカバー5とを備える。
器具本体4は、ソケット4aを有する。ソケット4aには、電球形ランプ1の口金70がねじ込まれる。このソケット4aを介して電球形ランプ1に電力が供給される。
なお、照明器具としては、図5に示す構成のものに限らず、ダウンライトやスポットライトのように天井に埋込配設された天井埋込型の照明器具等を用いることもできる。
(その他)
以上、本発明に係る電球形ランプ及び照明装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記の実施の形態において、筐体60は樹脂によって構成したが、アルミニウム等の金属によって構成してもよい。なお、金属製の筐体60を用いる場合、駆動回路40の絶縁性を確保するために、金属製の筐体60の内側に、さらに、駆動回路40を囲むように構成された樹脂製の筐体(回路ケース)を配置するとよい。金属製の筐体60を用いる場合は、さらに、外郭筐体として、筐体60を囲むように構成された樹脂製の筐体を配置するとよい。
また、上記の実施の形態では、回路ホルダ50に切り欠き部53を設けることによって空隙Gと空間領域Sとを空間的に接続したが、空隙Gと空間領域Sとを空間的に接続する手段としては、これに限らない。例えば、回路ホルダ50の平板部51に貫通孔を設けることによって、空隙Gと空間領域Sとを空間的に接続してもよい。また、このような貫通孔は、切り欠き部53を形成した上で、さらに形成されていてもよい。
また、上記の実施の形態において、出力側リード線を回路ホルダ50の駆動回路側からグローブ側に引き出すための挿通孔は、モジュール基板規制部57に設けたが、モジュール基板保持部56に設けてもよい。
また、上記の実施の形態において、各モジュール基板規制部57の挿通孔には1本の出力側リード線を挿通させたが、いずれか一方のモジュール基板規制部57の挿通孔に、高電圧側及び負電圧側の2本の出力側リード線を挿通させてもよい。但し、上記の実施の形態のように、1つのモジュール基板規制部57の挿通孔に1本の出力側リード線を挿通させる方がよい。このようにすることで、2本の出力側リード線の引き出す位置を分けることができるので、出力側リード線を電極端子23に半田付けする場合、高圧側の出力側リード線と低圧側の出力側リード線とを容易に識別して半田付けすることができる。
また、上記の実施の形態では、LED22としてパッケージ化されたSMD型のLED素子を用いたが、これに限らない。例えば、LED22としてベアチップを用いて、基板21上に複数のLED22(ベアチップ)を直接実装することで構成されたCOB(Chip On Board)構造のLEDモジュール20を用いても構わない。なお、この場合、複数のベアチップは蛍光体含有樹脂によって一括封止される。
また、上記の実施の形態において、LEDモジュール20は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって白色光を放出するように構成したが、これに限らない。例えば、演色性を高めるために、黄色蛍光体に加えて、さらに赤色蛍光体や緑色蛍光体を混ぜても構わない。また、黄色蛍光体を用いずに、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する蛍光体含有樹脂を用いて、これと青色LEDチップとを組み合わせることによりに白色光を放出するように構成することもできる。
また、上記の実施の形態において、LEDチップは、青色以外の色を発光するLEDチップを用いても構わない。例えば、紫外線発光のLEDチップを用いる場合、蛍光体粒子としては、三原色(赤色、緑色、青色)に発光する各色蛍光体粒子を組み合わせたものを用いることができる。さらに、蛍光体粒子以外の波長変換材を用いてもよく、例えば、波長変換材として、半導体、金属錯体、有機染料、顔料など、ある波長の光を吸収し、吸収した光とは異なる波長の光を発する物質を含んでいる材料を用いてもよい。
また、上記の実施の形態において、発光素子としてLEDを例示したが、半導体レーザ等の半導体発光素子、又は、有機EL(Electro Luminescence)や無機EL等のEL素子等その他の固体発光素子を用いてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。