(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、工程及び工程の順序などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。なお、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
[LED電球]
以下の実施の形態では、照明用光源の一例として、電球形蛍光灯又は白熱電球の代替品となる電球形のLEDランプ(LED電球)について説明する。
図1は、実施の形態に係るLED電球1の分解斜視図である。図2は、実施の形態に係るLED電球1の断面図である。図2において、紙面上下方向に沿って描かれた一点鎖線はLED電球1の中心軸Jを示している。本実施の形態において、中心軸Jは、LED電球1の光軸(ランプ軸)であって、グローブ20の軸(グローブ軸)と一致している。また、中心軸Jは、LED電球1を照明器具(図示せず)のソケットに取り付ける際の回転中心となる軸であり、口金60の回転軸と一致している。
図1および図2に示すように、LED電球1は、LEDモジュール10と、LEDモジュール10を覆うグローブ20と、LEDモジュール10上に設けられた保持部材30と、LEDモジュール10が配置された基台13と、ヒートシンク40と、筐体50と、口金60とを有する。LED電球1は、さらに、LEDモジュール10を発光させるための駆動回路80と、LEDモジュール10と駆動回路80とを接続するリード線71および72とを有する。ヒートシンク40は、駆動回路80を囲むように設けられている。筐体50は、ヒートシンク40の少なくとも一部を囲むように設けられている。なお、リード線71および72は、本発明における配線に相当する。
本実施の形態において、LED電球1は、グローブ20と筐体50と口金60とによって外囲器が構成されている。
以下、LED電球1の各構成部材の詳細について、図1〜図4を参照しながら説明する。
[LEDモジュール]
LEDモジュール10は、所定の色(波長)の光を放出する発光装置(発光モジュール)である。LEDモジュール10は、例えば白色光を放出するように構成されている。LEDモジュール10は、本発明における発光モジュールに相当する。
LEDモジュール10は、グローブ20の内方に配置されている。LEDモジュール10は、基台13に固定されており、駆動回路80から供給される電力によって発光する。
図1及び図2に示すように、LEDモジュール10は、基板11と、基板11に配置された発光素子12とを有する。
基板11は、発光素子12を実装するための実装基板である。基板11は、例えば、平面視において略円形の板状基板であって、後述する基台13に固定される。具体的には、基板11は、基台13に、保持部材30およびネジ(図示せず)により固定される。基板11には、図2に示すように、ネジを挿通するための貫通孔11aと保持部材30を挿通するための貫通孔11bとが設けられている。なお、基板11と基台13との固定は、ネジ止めを行わず保持部材30のみで行ってもよいし、ネジ止めに代えて接着剤等の他の固定手段を用いてもよい。
基板11としては、例えば、アルミニウム等の金属の基材に絶縁被膜を施すことで得られるメタルベース基板、アルミナ等のセラミック材料の焼結体であるセラミックス基板、又は、樹脂材料からなる樹脂基板等が用いられる。なお、基板11の形状は、円形に限らず、矩形状の基板を用いてもよい。
基板11の表面には、図1に示すように、給電部として一対の電極端子14aおよび14bが設けられている。一対の電極端子14aおよび14bの各々には、図1に示すように、駆動回路80から導出される一対のリード線71及び72が接続される。また、基板11の表面には、電極端子14aおよび14bと複数の発光素子12とを電気的に接続するための金属配線(図示せず)が、所定の形状のパターンで形成されている。
また、駆動回路80から導出される一対のリード線71及び72は、後述するように貫通孔11bおよび貫通孔11bに挿通された保持部材30の貫通孔32d内を挿通する。なお、貫通孔32dは、本発明における第1の貫通孔に相当する。貫通孔11bは、本発明における第3の貫通孔に相当する。貫通孔11bは、基板11の中央部に設けなくてもよい。
発光素子12は、図1および図2に示すように、基板11の片面に複数個実装されている。本実施の形態において、複数の発光素子12は、円環状の配列となるように、基板11の中心を中心とする円周上に等間隔に配置されている。なお、図2では、一例として、8個の発光素子12を実装しているが、発光素子12の実装数は、これに限るものではなく、1個であってもよいし、8個以外の複数個であってもよい。
本実施の形態における発光素子12は、個々にパッケージ化された表面実装(SMD:Surface Mount Device)型のLED素子である。発光素子12は、容器内に一次実装されたLEDチップと、LEDチップを封止する封止部材とを備える。
LEDチップは、所定の直流電力により発光する半導体発光素子の一例であって、単色の可視光を発するベアチップである。LEDチップは、例えば、通電されると青色光を発する青色LEDチップである。
また、容器は、例えば、白色樹脂からなる樹脂成形品又は白色のセラミック成形品である。また、封止部材は、シリコーン樹脂等の透光性の絶縁性樹脂材料に蛍光体が含有された蛍光体含有樹脂であり、LEDチップからの光を所定の波長に波長変換(色変換)する。
具体的には、例えばLEDチップが青色LEDである場合、白色光を得るために、封止部材としてYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系の黄色蛍光体粒子をシリコーン樹脂に分散させた蛍光体含有樹脂を用いることができる。これにより、黄色蛍光体粒子は青色LEDチップの青色光によって励起されて黄色光を放出するので、封止部材からは、励起された黄色光と青色LEDチップの青色光との合成光として白色光が放出される。なお、封止部材に、シリカ等の光拡散材を含有させても構わない。
このように構成される複数の発光素子12は、例えば直列接続されており、一対のリード線71及び72を介して駆動回路80から供給される直流電力によって発光する。なお、複数の発光素子12の接続の態様(直列接続、並列接続、及び、直列接続と並列接続との組み合わせの接続等)は特に限定されるものではない。
[基台]
基台13は、LEDモジュール10が載置される、いわゆるモジュールプレートであり、例えば、アルミニウム板等の金属板、メタルベース基板、セラミックス基板等が用いられる。基台13は、例えば、平面視において略円形の形状をしている。基台13の形状は、略円形に限らず、矩形状の基板を用いてもよい。なお、基台13は、後述するヒートシンク40の一部として構成されてもよい。
基台13には、ネジを挿通するための貫通孔13aと保持部材30を挿通するための貫通孔13bとが設けられている。なお、貫通孔13bは、本発明における第2の貫通孔に相当する。
貫通孔13bは、基台13の、グローブ20側に配置される面と当該面と反対側の面とを貫通している。なお、基台13の、グローブ20側に配置される面を第1の面、当該面と反対側の面を第2の面と呼ぶ。
基台13の第1の面には、上述したLEDモジュール10が配置される。具体的には、基台13の第1の面に、LEDモジュール10の基板11が保持部材30およびネジ(図示せず)により固定される。保持部材30は、貫通孔13bを挿通し、ネジは貫通孔13aを挿通する。
基台13の第2の面には、筐体50の内郭部52のグローブ20側の端部が当接または対向している。これにより、基台13は、筐体50の内郭部52に収納される。つまり、基台13は、当該基台13にLEDモジュール10が固定された状態でヒートシンク40に支持され、筐体50に配置されている。なお、基台13は、後述するように、ヒートシンク40に接続されてもよい。
[駆動回路]
駆動回路80は、LEDモジュール10を駆動するための電源回路(電源ユニット)であり、LEDモジュール10(発光素子12)を発光させるための電力をLEDモジュール10に供給する。駆動回路80は、例えば、一対のリード線(図示せず)を介して口金60から供給される交流電力を直流電力に変換し、一対のリード線71及び72を介して当該直流電力をLEDモジュール10に供給する。駆動回路80から供給される直流電力によってLEDモジュール10(発光素子12)が点灯及び消灯する。
駆動回路80は、回路基板81と、当該回路基板81に実装された複数の電子部品82とを有する。駆動回路80は、LEDモジュール10と口金60との間に配置される。具体的に、駆動回路80は、筐体50の内郭部52内に収納されており、ねじ止め、接着、又は係合などにより内郭部52に固定されている。
回路基板81は、一方の面(半田面)に銅箔等の金属配線がパターニングされたプリント回路基板(PCB)である。回路基板81に実装された複数の電子部品82は、回路基板81に形成された金属配線によって互いに電気的に接続されている。回路基板81は、例えば、当該回路基板81の主面が中心軸Jと略平行する姿勢(縦置き)で配置されている。なお、回路基板81は、縦置きの配置に限るものではなく、当該回路基板81の主面が中心軸Jと略直交する姿勢(横置き)で配置してもよい。
電子部品82は、LEDモジュール10を点灯させるための複数の回路素子であり、例えば、電解コンデンサやセラミックコンデンサ等の容量素子、抵抗器等の抵抗素子、整流回路素子、コイル素子、チョークコイル(チョークトランス)、ノイズフィルタ、ダイオード又は集積回路素子等の半導体素子等である。なお、電解コンデンサ等の耐熱性が低い電子部品82(回路部品)は、回路基板81の口金60側の端部に実装するとよい。
このように構成される駆動回路80は、絶縁樹脂によって構成された筐体50の内郭部52に収納されることで絶縁性が確保されている。なお、駆動回路80には、調光回路や昇圧回路などが組み合わされていてもよい。
駆動回路80とLEDモジュール10とは、一対のリード線71及び72によって電気的に接続されている。例えば、リード線71は高圧側出力端子線であり、リード線72は低圧側出力端子線である。リード線71及び72は、基台13に設けられた貫通孔11bと保持部材30に設けられた貫通孔30bとに挿通されて、LEDモジュール10の基板11に接続される。
また、駆動回路80と口金60とは、口金60のシェル部61に接続され口金60から駆動回路80に交流電力を供給するためのリード線73と、口金60のアイレット部63に接続されたリード線74によって電気的に接続されている。
リード線71、72、73および74は、例えば合金銅リード線であり、合金銅からなる芯線と当該芯線を被覆する絶縁性の樹脂被膜とからなる。
[保持部材]
保持部材30は、駆動回路80とLEDモジュール10とを接続するリード線71、72を保持する部材である。保持部材30は、例えば、白色樹脂からなる樹脂成形品からなる。
図3は、保持部材30をグローブ20側から見た斜視図である。また、図4は、保持部材30をグローブ20と反対の側から見た斜視図である。
図3および図4に示すように、保持部材30は、本体部32aと、本体部32aに設けられた凹部32bおよび32cと、貫通孔32dと、保持部34と、固定部36とを有している。
本体部32aは、略円盤形の形状を有し、本体部32aの外周の一部には、当該外周から中央部分に向けて凹部32bおよび32cが形成されている。凹部32bおよび32cには、保持部材30が基台13に配置された場合に、LEDモジュール10を基台13に固定するネジが配置される。
また、本体部32aの略円盤形の中央には、本体部32aの両面を貫通する貫通孔32dが設けられている。貫通孔32dは、リード線71および72が挿通される貫通孔である。なお、貫通孔32dは、本発明における第1の貫通孔に相当する。
本体部32aにおいて、基台13と対向する面と反対側の面には、図3に示すように、リード線71および72を保持する保持部34が設けられている。保持部34は、本体部32aの面上に凸状に形成された複数の保持片を有している。例えば、図3に示すように、保持部34は、3つの保持片34a、34bおよび34cを有している。保持片34a、34bおよび34cの間隔は、リード線71および72の直径と略同一の大きさである。これにより、保持片34aと34b、保持片34bと34cとの間に、それぞれ、貫通孔32dに挿通されたリード線71および72を挟んで保持することができる。このとき、リード線71および72は、保持片34aと34b、保持片34bと34cとの間において、弛みのないように本体部32aの面と接触するように保持されるのが好ましい。
また、本体部32aにおいて、基台13と対向する面には、図4に示すように、固定部36が形成されている。固定部36は、例えば4つの固定片36aを有しており、グローブ20側から、LEDモジュール10の基板11に設けられた貫通孔11bおよび基台13の貫通孔13bに連続して挿通されている。そして、各固定片36aの一部は、基台13において、グローブ20と対向する面と反対側の面から突出している。この突出した部分は、保持部材30をグローブ20側から平面視したときに貫通孔13bの周縁から周の外側に向かって突出するように形成された爪部36bを有している。
また、保持部材30の本体部32aにおいて、基台13と対向する面には、図4に示すように、突起部38が形成されている。突起部38は、LEDモジュール10の基板11に形成された凹部(図示せず)に嵌るように形成されている。これにより、保持部材30が貫通孔32dの軸を中心として回転移動するのを抑制することができる。
以上のような構成により、保持部材30は、固定部36がグローブ20側から基台13の貫通孔13bに挿通されて、爪部36bが基台13のグローブ20と対向する面と反対側の面に引っ掛かることにより基台13に固定される。また、貫通孔32dの貫通方向と貫通孔13bおよび11bの貫通方向とが同一方向となる。したがって、リード線71および72は、駆動回路80から、貫通孔13b、11bおよび32dを挿通して保持部34に保持され、LEDモジュール10に接続されることとなる。
なお、固定部の構成は、上述したように固定片および爪部を備える構成に限らず、他の構成であってもよい。例えば、固定部は、爪部を設けない代わりに、本体部から離れた先端部分の外周の大きさが、本体部側の外周の大きさよりも大きくなるように、先端部分が広がった形状をしていてもよい。
また、固定部の形状は、上述した4つの固定片が一体となった円筒状の形状としてもよい。このような構成によれば、保持部材を貫通孔11bおよび13bに固定するときに、圧入により強固に固定することができる。
[グローブ]
グローブ20は、LEDモジュール10を覆う透光性カバーであって、LEDモジュール10から放出される光をランプ外部に取り出すように構成されている。つまり、グローブ20の内面に入射したLEDモジュール10の光は、グローブ20を透過してグローブ20の外部へと取り出される。
グローブ20は、開口部21を有する中空部材であり、開口部21とは反対側の頂部が閉塞された略球状である。図2に示すように、グローブ20は、例えば、中心軸Jを回転軸とする中空の回転体であり、開口部21が絞られた形状となっている。
グローブ20の開口部21の端部は、ヒートシンク40に当接または対向している。この状態で、グローブ20は、筐体50のグローブ側の開口部に固定される。例えば、グローブ20の開口部21と筐体50の外郭部51とがシリコーン樹脂等の接着剤によって固着される。
グローブ20の材料としては、可視光に対して透明なシリカガラス等のガラス材、又は、アクリル(PMMA)やポリカーボネート(PC)等の樹脂材等からなる透光性材料を用いることができる。
グローブ20には、LEDモジュール10から放出される光を拡散させるための拡散処理が施されていることが好ましい。例えば、グローブ20の内面又は外面に光拡散膜(光拡散層)を形成することでグローブ20に光拡散機能を持たせることができる。
具体的には、シリカや炭酸カルシウム等の光拡散材を含有する樹脂や白色顔料等をグローブ20の内面又は外面の全面に塗布することによって乳白色の光拡散膜を形成することができる。あるいは、グローブ20に複数の光拡散ドット又は複数の微小な窪みを形成することによって、グローブ20に光拡散機能を持たせることもできる。このように、グローブ20に光拡散機能を持たせることにより、LEDモジュール10からグローブ20に入射する光を拡散させることができるので配光角を広くすることができる。
なお、グローブ20に光拡散機能を持たせずに、内部のLEDモジュール10が視認できるようにグローブ20を透明にしてもよい。また、グローブ20の形状は、回転楕円体又は偏球体であってもよく、また、一般的な電球形状であるA型のバルブに準拠した形状であってもよい。
[ヒートシンク]
ヒートシンク40は、主としてLEDモジュール10で発生する熱を放熱する放熱部材である。ヒートシンク40は、例えば、板状の金属部材が筒状に形成された構成である。ヒートシンク40は、金属板のプレス加工品であり、例えば、厚みが一定のアルミニウム板等の金属板を所望の形状に加工することで形成されてもよい。なお、上述した基台13をヒートシンク40の一部として含んでもよい。
ヒートシンク40のグローブ20側の端部には、上述のとおり、グローブ20の開口部21の端部が当接または対向している。ヒートシンク40は、筐体50の内郭部52と外郭部51とで、ヒートシンク40の口金側の開口部にある折り曲げ部が挟持されている。
さらに、ヒートシンク40は、筐体50の外郭部51の内面と対面している。ヒートシンク40は、筐体50の外郭部51の内面形状に沿った形状を有する。具体的には、ヒートシンク40の表面は、中心軸Jに対して傾斜するように構成されたテーパ面(傾斜面)となっている。また、ヒートシンク40と筐体50の外郭部51とは接触しておらず、ヒートシンク40と外郭部51との間には隙間(空気層)が存在する。
また、図5に示すように、ヒートシンク40は、LEDモジュール10と口金60との間に配置され、ヒートシンク40の内方には駆動回路80が配置されている。本実施の形態において、ヒートシンク40は、筐体50の内郭部52を囲むように内郭部52の周囲に配置されている。つまり、ヒートシンク40は、筐体50の内郭部52を介して駆動回路80を囲っている。
なお、ヒートシンク40は、筒状の一枚の伝熱板で構成されてもよいし、複数の伝熱片で構成されてもよい。この場合、複数の伝熱片は、隣り合う伝熱片の間に隙間が存在するように配置してもよいし、隣り合う伝熱片の間に隙間が存在しないように配置してもよい。
[筐体]
筐体50は、グローブ20と口金60との間に配置されている。筐体50は、ヒートシンク40の周囲の少なくとも一部を囲む外郭部51を有する。さらに、筐体50は、ヒートシンク40の内側に配置された部分として、内郭部52を有する。外郭部51の口金60側の根元は、内郭部52に連結されている。具体的には、外郭部51の口金60側の端部が内郭部52に接続されている。
外郭部51は、筐体50における外部(大気中)に露出する露出部であり、LED電球1の外郭部材を構成している。したがって、外郭部51の外面は、外部に露出している。また、外郭部51は、ヒートシンク40を囲むように構成されている。
外郭部51は、例えば、肉厚が一定で、内径及び外径が漸次変化する略円筒状である。外郭部51の内周面及び外周面は、中心軸Jに対して傾斜するように構成されたテーパ面(傾斜面)となっている。本実施の形態において、外郭部51は、口金60側に向かって漸次内径及び外径が小さくなるように構成されている。
また、外郭部51とヒートシンク40とは対向して配置されており、外郭部51の内面とヒートシンク40の外面とは対面している。外郭部51の内面形状は、ヒートシンク40の表面形状に沿った形状である。
外郭部51とヒートシンク40との間には、クリアランスが設定されており、隙間(空間)が存在する。つまり、外郭部51とヒートシンク40とは互いに接触しないように構成されている。具体的には、外郭部51とヒートシンク40との間の隙間はほぼ一定である。
一方、内郭部52は、駆動回路80を囲むように構成された筒体である。つまり、内郭部52は、駆動回路80を保護する回路ケースとして機能する。内郭部52は、例えば、肉厚が一定で、かつ、内径及び外径が一定の略円筒状である。
本実施の形態において、内郭部52は、LED電球1の中心軸Jの方向に延設するように形成された円筒形状である。内郭部52は、外郭部51とでヒートシンク40を挟むように構成されている。つまり、筐体50は、ヒートシンク40を挟んで外郭部51と内郭部52との二重構造となっている。
内郭部52とヒートシンク40との間には隙間(空間)が存在する。つまり、内郭部52とヒートシンク40とは接触しないように構成されている。
内郭部52の口金60側に延設された部分には螺合部52aが形成されている。螺合部52aは口金60と螺合する。つまり、螺合部52aには口金60がねじ込まれる。
なお、内郭部52には、駆動回路80の回路基板81を固定するための構造が設けられている。つまり、内郭部52は、駆動回路80を保持する保持部(ホルダ)としても機能する。
このように構成される筐体50は、樹脂によって成形されている。筐体50は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)等の絶縁性樹脂材料によって構成することができる。
[口金]
口金60は、LEDモジュール10(発光素子12)を発光させるための電力をランプ外部から受電する受電部である。口金60は、例えば、照明器具のソケットに取り付けられる。これにより、口金60は、LED電球1を点灯させる際に、照明器具のソケットから電力を受けることができる。
口金60には、例えば商用電源から交流電力が供給される。本実施の形態における口金60は二接点によって交流電力を受電し、口金60で受電した電力は、一対のリード線73及び74を介して駆動回路80に入力される。
口金60は、金属製の有底筒体形状であって、外周面が雄ネジとなっているシェル部61と、シェル部61に絶縁部62を介して装着されたアイレット部63とを備える。絶縁部62は、例えばガラスカレットによって構成される。
口金60の外周面には、照明器具のソケットに螺合させるための螺合部が形成されている。また、口金60の内周面には、筐体50の内郭部52の螺合部52aに螺合させるための螺合部が形成されている。口金60は、この内郭部52の螺合部52aにねじ込んで嵌め込むことで筐体50(内郭部52)に外嵌される。
口金60の種類は、特に限定されるものではないが、本実施の形態では、ねじ込み式のエジソンタイプ(E型)の口金を用いている。例えば、口金60として、E26形、E17形又はE16形等が挙げられる。また、口金60として、差し込み式の口金を用いてもよい。
[LED電球の組み立て方法]
次に、LED電球1の組み立て方法の一例について、図5を用いて説明する。図5は、保持部材30を基台13に取り付けるときの様子を説明するための斜視図である。
ヒートシンク40と基台13とが別々に形成されている場合には、まず、ヒートシンク40の内部に内郭部52を挿入する。続けて、駆動回路80を内郭部52の内部に配置する。その後、基台13に設けられた貫通孔13bに、駆動回路80に接続されたリード線71および72を挿通する。そして、基台13が内郭部52のグローブ20側の開口部を覆うように、基台13をヒートシンク40のグローブ20側の開口部に挿入する。続けて、基台13をヒートシンク40に接続する。基台13とヒートシンク40との接続は、例えばカシメ等の別手段により行う。
なお、ヒートシンク40と基台13が別々の構成であっても、ヒートシンク40と基台13とが予め組み立てられる構成の場合には、ヒートシンク40と基台13とを組み立てた後、ヒートシンク40および基台13を、ヒートシンク40を筐体50の外郭部51と内郭部52との間の隙間に挿入し、かつ、基台13が筐体50の内郭部52に当接するまで挿入してもよい。
次に、基台13にLEDモジュール10を固定する。具体的には、リード線71および72を基板11の貫通孔11bに挿通し、基台13上にLEDモジュール10(基板11)を載置する。このとき、基台13の貫通孔13bと基板11の貫通孔11bの位置を合わせる。そして、保持部材30の貫通孔32dにリード線71および72を挿通する。
その後、図5に示すように、保持部材30の固定部36が貫通孔11bおよび13bをこの順に挿通するように、保持部材30をグローブ20側、すなわち、基板11側から貫通孔11bおよび貫通孔13bに押し込む。貫通孔11bおよび貫通孔13bを挿通した固定部36の爪部36bは、図2に示したように、基台13の、基板11が配置されていない側の面から突出し、当該面に引っ掛かる。これにより、基台13にLEDモジュール10および保持部材30が固定される。
さらに、貫通孔32dから導出しているリード線71および72を、それぞれ、保持部34に保持する。具体的には、例えば、図1に示したように、リード線71を保持片34aと34bとの間に挟み、リード線72を保持片34bと34cとの間に挟む。このとき、リード線71および72が保持部材30の本体部32aに接触するように、リード線71および72を配置する。これにより、リード線71および72は、保持片34a、34bおよび34cにより、弛むことなく、基板11上に形成された電極端子14aおよび14b上にガイドされる。
さらに、電極端子14aとリード線71、電極端子14bとリード線72を、それぞれ半田により接続する。これにより、電極端子14aとリード線71、電極端子14bとリード線72とは電気的に接続され、駆動回路80からLEDモジュール10に電力が供給される構成となる。
なお、LEDモジュール10は、保持部材30により基台13に固定するとともに、基板11の貫通孔11aと基台13の貫通孔13aとをネジ(図示せず)によって固定してもよい。この場合、基台13にLEDモジュール10を載置した後、続けてネジ止めを行ってもよいし、保持部材30を配置した後にネジ止めを行ってもよい。
その後、図5に示すように、グローブ20を筐体50に挿入し固定する。また、駆動回路80から導出されたリード線73及び74を口金60に接続して、口金60を筐体50の内郭部52の螺合部52aにねじ込む。これにより、LED電球1が完成する。
[作用効果]
次に、本実施の形態におけるLED電球1の作用効果について、本実施の形態におけるLED電球1の一態様を得るに至った経緯も含めて説明する。
一般的に、LED電球において、LEDモジュールはコネクタにより駆動回路に接続される。しかし、コネクタは高価なため、コネクタに代えて半田によりLEDモジュールと駆動回路とを接続することがある。この場合、一端が駆動回路に接続されたリード線の他端を、半田によりLEDモジュールに直接接続すると、リード線のテンションにより接続部分の半田層に負担がかかる。そのため、半田層が剥離しやすい、または、LEDモジュールが基台に安定して固定されないことがある。
これに対して、本実施の形態におけるLED電球1では、LEDモジュール10と、LEDモジュール10を載置する基台13と、LEDモジュール10を発光させるための駆動回路80と、駆動回路80からLEDモジュール10に電力を供給するリード線71および72と、リード線71および72が挿通される第1の貫通孔32dを有しリード線71および72を保持する保持部材30とを備える。ここで、基台13は、基台13の第1の面と第2の面とを貫通する第2の貫通孔13bを有し、保持部材30は、第2の貫通孔13bに、第1の貫通孔32dの貫通方向と第2の貫通孔13bの貫通方向とが同一方向になるように挿通して固定される。
これにより、保持部材30が、リード線71および72を保持するので、貫通孔32dを挿通して導出されたリード線71および72が、リード線71および72のテンションにより弛んだり移動したりすることがない。これにより、保持部材30により安定して保持されたリード線71および72をLEDモジュール10の電極端子14aおよび14bに半田により接続するので、リード線71および72のテンションにより半田が剥がれるのを抑制することができる。よって、リード線71および72とLEDモジュール10とを電気的にも安定して接続することができる。また、保持部材30によりLEDモジュール10を基台13に固定することができる。よって、リード線71および72とLEDモジュール10の電極端子14aおよび14bの半田による接続において、半田が剥がれるのをより抑制して安定した接続を行うことができる。また、LEDモジュール10を基台13に固定するためのネジをなくすことができる。
また、本実施の形態におけるLED電球1のように、LEDモジュール10は、基台13と対向する面と当該面と反対側の面とを貫通する第3の貫通孔11bを有し、保持部材30は、第3の貫通孔11bと第2の貫通孔13bとを連続して挿通し、LEDモジュール10を基台13に固定するとよい。
これにより、リード線71および72を弛みなくLEDモジュール10に接続することができるとともに、LEDモジュール10を基台13に固定することができる。したがって、リード線71および72とLEDモジュール10の電極端子14aおよび14bの半田による接続において、半田が剥がれるのをより抑制して安定した接続を行うことができる。
また、本実施の形態におけるLED電球1のように、保持部材30は、基台13の第1の面側から第2の面側へと第2の貫通孔13bに挿通された場合に、第2の面側において第2の貫通孔13bから突出する部分に、平面視したときに第2の貫通孔13bの周縁から周の外側に向かって突出する爪部36bを有するとよい。
これにより、保持部材30を貫通孔11bおよび13bに押し込むことにより、爪部36bは、基台13の、基板11が配置されていない側の面から突出し、引っ掛かる。したがって、貫通孔11bおよび13bに挿通した保持部材30を基台13に容易に固定することができる。
また、本実施の形態におけるLED電球1では、保持部材30は、基台13と対向する面と反対側の面に複数の保持片34a、34bおよび34cを有し、複数の保持片34a、34bおよび34cの間にリード線71および72を保持してもよい。
これにより、例えば、リード線71を保持片34aと34bとの間に挟み、リード線72を保持片34bと34cとの間に挟む。これにより、リード線71および72は、保持片34a、34bおよび34cにより、弛むことなく、基板11上に形成された電極端子14aおよび14b上にガイドされる。したがって、電極端子14aとリード線71、電極端子14bとリード線72を、それぞれ半田により接続した場合に、半田が剥がれるのを抑制することができる。
なお、リード線71および72が保持部材30の本体部32aに接触するようにリード線71および72を配置することが、より好ましい。これにより、電極端子14aとリード線71、電極端子14bとリード線72を、それぞれ半田により接続した場合に、リード線71および72が浮き上がって半田が剥がれるのをさらに抑制することができる。
また、本実施の形態におけるLED電球1のように、保持部材30は、基台13と対向する面に突起部38を有するとよい。
この構成によれば、突起部38は、LEDモジュール10の基板11に形成された凹部(図示せず)に嵌るように形成されているので、保持部材30が貫通孔32dの軸を中心として回転移動するのを抑制することができる。
[照明装置]
図6は、実施の形態に係る照明装置2の概略断面図である。
図6に示すように、本実施の形態に係る照明装置2は、例えば、室内の天井などに取り付けられて使用される。照明装置2は、上記実施の形態に係るLED電球1と、照明器具3とを備える。
照明器具3は、LED電球1を消灯及び点灯させるものであり、天井に取り付けられる器具本体4と、LED電球1を覆うランプカバー5とを備える。
器具本体4は、LED電球1の口金60が装着されるとともにLED電球1に給電を行うソケット4aを有する。ソケット4aには、LED電球1の口金60がねじ込まれ、このソケット4aを介してLED電球1に電力が供給される。なお、ランプカバー5の開口部に透光性プレートを設けてもよい。
(変形例1)
次に、実施の形態の変形例1について説明する。
図7は、本変形例に係るLED電球の保持部材130をグローブ20側から見た斜視図である。
本変形例に係るLED電球の保持部材130が実施の形態に示した保持部材30と異なる点は、保持部材130の本体部132aの形状が保持部材30の本体部32aの形状と異なる点である。
図7に示すように、保持部材130の本体部132aは、略円盤形の形状を有している。そして、本体部132aの外周の一部には凹部を有していない。
LEDモジュール10の基板11を基台13に固定する際にネジを使用しない場合、または、ネジの位置を考慮する必要のない場合には、上述した保持部材130のような構成としてもよい。この構成によれば、保持部材130に凹部を設ける必要がないので、実施の形態に示した保持部材30に比べて容易に加工することができる。
(変形例2)
次に、実施の形態の変形例2について説明する。
図8は、本変形例に係るLED電球の保持部材230をグローブ20側から見た斜視図である。
本変形例に係るLED電球の保持部材230が実施の形態に示した保持部材30と異なる点は、保持部材230に設けられた保持部の構成である。
図8に示すように、保持部材230は、保持部234に加えてさらに保持部236を有している。
保持部234は、実施の形態に示した保持部材30の保持部34と同様、本体部232aの面上に凸状に形成された保持片234a、234bおよび234cとを有している。
同様に、保持部236は、本体部232aの面上に凸状に形成された複数の保持片を有している。図8に示すように、保持部236は、2つの保持片236aおよび236bを有している。保持片236aおよび236bの間隔は、リード線の直径と略同一の大きさである。これにより、保持片236aと236bとの間に、さらにリード線を挟んで保持することができる。保持片236aと236bとの間に保持されるリード線についても、リード線71および72と同様、保持片236aと236bとの間において、弛みのないように本体部232aの面と接触するように保持されるのが好ましい。
この構成によれば、リード線の本数が3本である場合に、全てのリード線を弛みなく保持することができる。例えば、LEDモジュールが点灯モードの切替機能を有する場合、駆動回路80からLEDモジュール10には、電力供給のための高圧側出力端子線と低圧側出力端子線に加えて、点灯モードの制御を行うための配線も導出される。この場合であっても、本変形例に示す保持部材230を使用することにより、リード線と電極パッドとの接続に使用される半田が剥がれることなく、駆動回路80から貫通孔232bを介して導出されたリード線をLEDモジュール10に安定して接続することができる。
なお、保持部の数および保持片の数、保持部および保持片の構成、形状および配置位置は、上述したものに限らず、適宜変更してもよい。また、リード線の本数も上述のものに限らず変更してもよい。
(変形例3)
次に、実施の形態の変形例3について説明する。
図9は、本変形例に係るLED電球の保持部材330をグローブ20側から見た斜視図である。
本変形例に係るLED電球の保持部材330が実施の形態に示した保持部材30と異なる点は、保持部材330が本体部の一部に切欠き部333を有している点である。
図9に示すように、保持部材330は、本体部332aの一部に、平面視したときに本体部332aの外周から貫通孔332bにかけて切欠き部333を有している。切欠き部333の幅は、例えば、リード線71および72の直径よりも大きく形成されている。
この構成によれば、リード線71および72を保持部材330の外周から切欠き部333を介して貫通孔332bに挿入することができる。したがって、貫通孔332bに用意にリード線を挿通することができる。
(その他変形例等)
以上、本発明に係る照明用光源及び照明装置について、実施の形態及び変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態及び変形例に限定されるものではない。
例えば、上記の実施の形態及び変形例において、保持部材30の本体部32aには保持片34a、34bおよび34cを有する保持部34が形成されていたが、保持部および保持片の個数、形状および保持片の形成位置は上述したものに限られない。例えば、変形例3に示したように保持部234および236のように形成されてもよいし、その他の個数、形状および形成位置で形成されてもよい。
また、上記の実施の形態及び変形例において、保持部材30の本体部32aには凹部32bおよび32cが形成されていたが、凹部の個数、形状および形成位置は上述したものに限られず、変更してもよい。また、本体部には凹部が形成されない構成であってもよい。
また、上記の実施の形態において、保持部材30に形成された固定部は、上述したように4つの固定片および爪部を有する構成に限られない。例えば、固定片および爪部の個数および形状を変更してもよい。また、固定部は複数の固定片を有する構成に限らず、1つの構成であってもよい。
また、上記の実施の形態の変形例3に示したように、保持部材30の本体部32aには、切欠き部333が設けられてもよいし設けられなくてもよい。
また、上述した実施の形態および変形例では、基台13の上にLEDモジュール10を載置し、保持部材30によりLEDモジュール10を基台13に固定する例について説明したが、LEDモジュール10を基台13に固定する必要がない場合であれば、保持部材30は、直接基台13に固定されてもよい。
また、上記の実施の形態及び変形例において、発光素子12は、SMD型LED素子であるとしたが、これに限らない。例えば、ベアチップが基板上に直接実装(1次実装)されたCOB(Chip On Board)型のLEDモジュールを用いてもよい。つまり、発光素子12として、LEDチップそのものが採用されてもよい。この場合、封止部材によって、複数のLEDチップを一括又は個別に封止してもよい。封止部材には、上述のように黄色蛍光体等の波長変換材が含有されていてもよい。
また、上記の実施の形態及び変形例において、発光素子12は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって白色光を放出するB−Yタイプの白色LED素子としたが、これに限らない。例えば、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する蛍光体含有樹脂を用いて、これと青色LEDチップと組み合わせることによりに白色光を放出するように構成してもよい。また、演色性を高める目的で、黄色蛍光体に加えて、さらに赤色蛍光体や緑色蛍光体を混ぜても構わない。また、青色以外の色を発光するLEDチップを用いてもよく、例えば、青色LEDチップが放出する青色光よりも短波長である紫外光を放出する紫外LEDチップを用いて、主に紫外光により励起されて青色光、赤色光及び緑色光を放出する青色蛍光体、緑色蛍光体及び赤色蛍光体によって白色光を放出するように構成してもよい。
また、上記の実施の形態及び変形例において、発光素子としてLEDを例示したが、半導体レーザなどの半導体発光素子、有機EL(Electro Luminescence)又は無機EL等の発光素子、その他の固体発光素子を用いてもよい。
その他、上記の実施の形態及び変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で上記の実施の形態及び変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。