(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、工程及び工程の順序などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。なお、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
以下の実施の形態では、照明用光源の一例として、電球形蛍光灯又は白熱電球の代替品となる電球形のLEDランプ(LED電球)について説明する。
(実施の形態1)
[LED電球の全体構成]
まず、実施の形態1に係るLED電球1の全体構成について、図1、図2及び図3を用いて説明する。
図1(a)は、実施の形態1に係るLED電球1におけるヒートシンク40及び筐体50の上面図であり、図1(b)は、図1(a)のIB−IB線における同LED電球1の断面図である。図2は、実施の形態1に係るLED電球1の分解斜視図である。図3(a)は、実施の形態に係るLED電球1の上面図(グローブ20及び発光素子12を除いた状態)であり、図3(b)は、図3(a)において、LEDモジュール10(基板11)を外したときの状態を示す図であり、図3(c)は、図3(b)においてヒートシンク40を外したときの状態(筐体50のみ)を示す図である。なお、図3(b)は図1(a)と同じである。
また、図1(b)において、紙面上下方向に沿って描かれた一点鎖線はLED電球1の中心軸Jを示している。本実施の形態において、中心軸Jは、LED電球1の光軸(ランプ軸)であって、グローブ20の軸(グローブ軸)と一致している。また、中心軸Jは、LED電球1を照明器具(図示せず)のソケットに取り付ける際の回転中心となる軸であり、口金60の回転軸と一致している。なお、図1(b)に示される駆動回路30は、図1(a)のIB−IB線における断面そのものを表したものではない。
図1(b)及び図2に示すように、LED電球1は、LEDモジュール10と、LEDモジュール10を覆うグローブ20と、LEDモジュール10を発光させるための駆動回路30と、駆動回路30を囲むヒートシンク40とを備える。LED電球1は、さらに、駆動回路30を囲む筐体50と、口金60と、リード線71〜74と、ネジ81及び82とを備える。
本実施の形態において、LED電球1は、グローブ20と筐体50と口金60とによって外囲器が構成されている。
以下、LED電球1の各構成部材の詳細について、図1及び図2を参照しながら説明する。
[LEDモジュール]
LEDモジュール10は、所定の色(波長)の光を放出する発光装置(発光モジュール)である。LEDモジュール10は、例えば白色光を放出するように構成されている。
LEDモジュール10は、グローブ20の内方に配置されており、駆動回路30から供給される電力によって発光する。
図1(b)に示すように、LEDモジュール10は、ヒートシンク40に固定されている。具体的には、LEDモジュール10は、ヒートシンク40の板部42に固定されている。LEDモジュール10は、基板11と、基板11に配置された発光素子12とを有する。
基板11は、発光素子12を実装するための実装基板である。基板11は、例えば、平面視において略円形の板状基板である。
図1(b)及び図3(b)に示すように、基板11の中央部には、駆動回路30から導出される一対のリード線71及び72を挿通させるための貫通孔11aが設けられている。なお、貫通孔11aの位置は、基板11の中央部でなくてもよい。また、基板11に貫通孔11aを設けるのではなく、基板11の縁部等に切り欠き部を設けて、この切り欠き部に一対のリード線71及び72を挿通して基板11の一対の電極端子に接続してもよい。
また、基板11には、ヒートシンク40と筐体50とをネジ止めするネジ81のネジ頭を収納するための貫通孔11bが設けられている。本実施の形態において、ヒートシンク40と筐体50とは2本のネジ81で固定されているので、貫通孔11bは2つ設けられている。なお、貫通孔11bは、貫通孔11cよりも大きい。
さらに、基板11には、基板11とヒートシンク40とを固定するためのネジ82を挿通するための貫通孔11cが設けられている。基板11とヒートシンク40の板部42とは、貫通孔11cに挿通されたネジ82(図2参照)をヒートシンク40のネジ穴42cにねじ込むことで固定されている。本実施の形態において、貫通孔11cは2つ設けられており、基板11と板部42とは2本のネジ82で固定されている。なお、基板11とヒートシンク40との固定方法はネジ止めに限るものではなく、接着剤等の他の固定手段を用いてもよい。
基板11としては、例えば、アルミニウム等の金属の基材に絶縁被膜を施すことで得られるメタルベース基板、アルミナ等のセラミック材料の焼結体であるセラミックス基板、又は、樹脂材料からなる樹脂基板等が用いられる。なお、基板11の形状は、円形に限らず、矩形状等の基板を用いてもよい。
基板11の表面には、給電部として一対の電極端子(不図示)が設けられている。一対の電極端子の各々には、駆動回路30から導出される一対のリード線71及び72が接続される。また、基板11の表面には、電極端子と複数の発光素子12とを電気的に接続するための金属配線(不図示)が所定の形状のパターンで形成されている。
発光素子12は、基板11の片面に複数個実装されている。本実施の形態において、複数の発光素子12は、円環状の配列となるように、中心軸Jを中心とする円周上に配置されている。なお、図2では、一例として、複数の発光素子12が実装されているが、発光素子12の実装数は、1個であってもよい。
本実施の形態における発光素子12は、個々にパッケージ化された表面実装(SMD:Surface Mount Device)型のLED素子であり、図1(b)に示すように、容器(パッケージ)12aと、容器12a内に一次実装されたLEDチップ12bと、LEDチップ12bを封止する封止部材12cとを備える。SMD型のLED素子である発光素子12は、基板11に二次実装される。
容器12aは、白色樹脂からなる樹脂成形品又は白色のセラミック成形品であり、逆円錐台形状の凹部(キャビティ)を有する。凹部の内側面は傾斜しており、LEDチップ12bからの光を上方に反射させるように構成されている。
LEDチップ12bは、容器12aの凹部の底面に実装されている。LEDチップ12bは、所定の直流電力により発光する半導体発光素子の一例であって、単色の可視光を発するベアチップである。LEDチップ12bは、例えば、通電されると青色光を発する青色LEDチップである。
封止部材12cは、シリコーン樹脂等の透光性の絶縁性樹脂材料である。本実施の形態における封止部材12cは、LEDチップ12bからの光の波長を変換する波長変換材として蛍光体を含む。つまり、封止部材12cは、透光性樹脂に蛍光体が含有された蛍光体含有樹脂であり、LEDチップ12bからの光を所定の波長に波長変換(色変換)する。封止部材12cは、容器12aの凹部に充填されている。
封止部材12cとしては、例えばLEDチップ12bが青色LEDである場合、白色光を得るために、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系の黄色蛍光体粒子をシリコーン樹脂に分散させた蛍光体含有樹脂を用いることができる。これにより、黄色蛍光体粒子は青色LEDチップの青色光によって励起されて黄色光を放出するので、封止部材12cからは、励起された黄色光と青色LEDチップの青色光との合成光として白色光が放出される。なお、封止部材12cに、シリカ等の光拡散材を含有させても構わない。
このように構成される複数の発光素子12は、例えば直列接続されており、一対のリード線71及び72を介して駆動回路30から供給される直流電力によって発光する。なお、複数の発光素子12の接続の態様(直列接続、並列接続、及び、直列接続と並列接続との組み合わせの接続等)は特に限定されるものではない。
[グローブ]
図1(b)に示すように、グローブ20は、LEDモジュール10を覆う透光性カバーであって、LEDモジュール10から放出される光をランプ外部に取り出すように構成されている。つまり、グローブ20の内面に入射したLEDモジュール10の光は、グローブ20を透過してグローブ20の外部へと取り出される。
グローブ20は、開口部21を有する中空部材であり、開口部21とは反対側の頂部が閉塞された略球状である。図1に示すように、グローブ20は、例えば、中心軸Jを回転軸とする中空の回転体であり、開口部21が絞られた形状となっている。
グローブ20は、筐体50のグローブ側の開口部に固定される。本実施の形態では、グローブ20の開口部21が、筐体50の外郭部52の開口部の端部に設けられた凹部(段差部)に配置されて、シリコーン樹脂等の接着剤によってグローブ20の開口部21と筐体50の外郭部52とが固着される。
グローブ20の材料としては、可視光に対して透明なシリカガラス等のガラス材、又は、アクリル(PMMA)やポリカーボネート(PC)等の樹脂材等からなる透光性材料を用いることができる。
グローブ20には、LEDモジュール10から放出される光を拡散させるための拡散処理が施されていることが好ましい。例えば、グローブ20の内面又は外面に光拡散膜(光拡散層)を形成することでグローブ20に光拡散機能を持たせることができる。
具体的には、シリカや炭酸カルシウム等の光拡散材を含有する樹脂や白色顔料等をグローブ20の内面又は外面の全面に塗布することによって乳白色の光拡散膜を形成することができる。あるいは、グローブ20に複数の光拡散ドット又は複数の微小な窪みを形成することによって、グローブ20に光拡散機能を持たせることもできる。このように、グローブ20に光拡散機能を持たせることにより、LEDモジュール10からグローブ20に入射する光を拡散させることができるので配光角を広くすることができる。
なお、グローブ20に光拡散機能を持たせずに、内部のLEDモジュール10が視認できるようにグローブ20を透明にしてもよい。また、グローブ20の形状は、回転楕円体又は偏球体であってもよく、また、一般的な電球形状であるA型のバルブに準拠した形状であってもよい。
[駆動回路]
駆動回路30は、LEDモジュール10を駆動するための電源回路(電源ユニット)であり、LEDモジュール10(発光素子12)を発光させるための電力をLEDモジュール10に供給する。図1(b)に示すように、駆動回路30は、例えば、一対のリード線73及び74を介して口金60から供給される交流電力を直流電力に変換し、一対のリード線71及び72を介して当該直流電力をLEDモジュール10に供給する。駆動回路30(点灯回路)から供給される直流電力によってLEDモジュール10(発光素子12)が点灯又は消灯する。
駆動回路30は、回路基板31と、当該回路基板31に実装された複数の電子部品(不図示)とを有する。駆動回路30は、LEDモジュール10と口金60との間に配置される。具体的に、駆動回路30は、筐体50の内郭部51内に収納されており、ねじ止め、接着、又は係合などにより内郭部51に固定されている。
回路基板31は、一方の面(半田面)に銅箔等の金属配線がパターニングされたプリント回路基板(PCB)である。回路基板31に実装された複数の電子部品は、回路基板31に形成された金属配線によって互いに電気的に接続されている。回路基板31は、例えば、当該回路基板31の主面が中心軸Jと略平行する姿勢(縦置き)で配置されている。なお、回路基板31は、縦置きの配置に限るものではなく、当該回路基板31の主面が中心軸Jと略直交する姿勢(横置き)で配置してもよい。なお、金属配線は、回路基板31の一方の面(片面)のみに形成するのではなく、回路基板31の両面に形成してもよい。つまり、回路基板31は両面配線基板であってもよい。
回路基板31に実装される電子部品は、LEDモジュール10を点灯させるための複数の回路素子であり、例えば、電解コンデンサやセラミックコンデンサ等の容量素子、抵抗器等の抵抗素子、整流回路素子、コイル素子、チョークコイル(チョークトランス)、ノイズフィルタ、ダイオード又は集積回路素子等の半導体素子等である。
このように構成される駆動回路30は、絶縁樹脂材料によって構成された筐体50の内郭部51に収納されることで絶縁性が確保されている。なお、駆動回路30には、調光回路や昇圧回路などが組み合わされていてもよい。
駆動回路30とLEDモジュール10とは、一対のリード線71及び72によって電気的に接続されている。また、駆動回路30と口金60とは、一対のリード線73及び74によって電気的に接続されている。これらの4本のリード線71〜74は、例えば合金銅リード線であり、合金銅からなる芯線と当該芯線を被覆する絶縁性の樹脂被膜とからなる。
一対のリード線71及び72は、駆動回路30からLEDモジュール10に直流電力を供給する電線である。例えば、リード線71は高圧側出力端子線であり、リード線72は低圧側出力端子線である。リード線71及び72は、ヒートシンク40に設けられた貫通孔とLEDモジュール10に設けられた貫通孔とに挿通されてLEDモジュール10の基板11に接続される。なお、リード線71及び72とLEDモジュール10(基板11)との接続、及び、リード線71及び72と駆動回路(回路基板31)との接続は、例えば、コネクタ接続又は半田接続等である。
また、リード線73及び74は、口金60から駆動回路30に交流電力を供給するための電線である。リード線73は、口金60のシェル部61に接続されている。一方、リード線74は、口金60のアイレット部63に接続されている。
[ヒートシンク]
ヒートシンク40は、主としてLEDモジュール10で発生する熱を放熱する放熱部材であり、LEDモジュール10と熱的に結合されている。したがって、LEDモジュール10で発生する熱を効率良く放熱させるために、ヒートシンク40は、金属又は高熱伝導樹脂等の熱伝導率の高い材料によって構成されているとよい。本実施の形態におけるヒートシンク40は、アルミニウムによって構成されている。なお、ヒートシンク40は、駆動回路30で発生する熱も放熱してもよい。
また、ヒートシンク40は、LEDモジュール10を支持するための支持部材としても機能する。具体的には、図1(b)に示すように、ヒートシンク40にはLEDモジュール10が固定されている。
ヒートシンク40は、駆動回路30を囲むように構成されている。具体的に、ヒートシンク40は、筐体50の内郭部51を介して駆動回路30を囲んでいる。また、ヒートシンク40は、中心軸Jの軸方向においてLEDモジュール10と口金60との間に配置される。
ヒートシンク40は、略有底筒状部材であり、筒状の筒部41と、筒部41に蓋をするように設けられ、かつ、LEDモジュール10を支持する板部(蓋部)42とを有する。
筒部41は、ヒートシンク40の筒体を構成する第1電熱板である。筒部41は、駆動回路30を囲むように構成されている。本実施の形態において、筒部41は、筐体50の内郭部51を囲むように構成されており、筐体50の内郭部51を介して駆動回路30を囲んでいる。つまり、筒部41は、筐体50の内郭部51と外郭部52との間に位置する。筒部41の内面は内郭部51の外面と対面しており、筒部41の外面は外郭部52の内面と対面している。筒部41は、外郭部52の内面に沿った形状を有する。
筒部41は、中心軸Jを筒軸とする円筒状の金属部材であり、一例として、厚みが一定の金属板によって構成されている。具体的には、筒部41は、径が一定で中心軸Jの方向に延設されたストレート状のストレート部(第1円筒部)と、中心軸Jに対して傾斜するように構成されたテーパ状のテーパ部(第2円筒部)とを有する。
板部42は、有底筒形状のヒートシンク40の底部に対応する第2伝熱板である。板部42は、主面が中心軸Jと略直交する板状部材であり、例えば中心軸Jを中心とする外形が円形の円板状である。板部42は、例えば、円形の金属板である。
本実施の形態において、板部42は、LEDモジュール10が載置される載置部であり、モジュールプレートとして機能する。LEDモジュール10は、板部42のグローブ20側の面(第1の主面)に載置されて板部42に固定される。
また、板部42の口金60側の面(第2の主面)には、筐体50の内郭部51のグローブ20側の端部が当接している。つまり、ヒートシンク40は、内郭部51が板部42の第2の主面に当接することで筐体50に支持されている。具体的には、ヒートシンク40は、当該ヒートシンク40にLEDモジュール10が固定された状態で、筐体50の内郭部51に支持されている。
本実施の形態において、ヒートシンク40及び筐体50は、内郭部51のグローブ20側の開口部と板部42の第2主面とのみで接触しており、筒部41の口金60側の開口部と内郭部51及び外郭部52の根元同士の連結部分とは接触していない。つまり、筒部41の口金60側の開口部は、開放端となっている。
図1(a)、図2及び図3(a)に示すように、板部42には、駆動回路30から導出される一対のリード線71及び72を挿通させるための貫通孔42aが設けられている。貫通孔42aは、基板11の貫通孔11aに対応する位置に設けられている。したがって、本実施の形態において、貫通孔42aは、板部42の中央部に設けられている。なお、貫通孔42aの位置は、板部42の中央部でなくてもよい。
また、板部42には、ヒートシンク40と筐体50とを固定するための貫通孔42bが設けられている。貫通孔42bは、筐体50のネジ穴51bに対応する位置に設けられており、貫通孔42bにはネジ81が挿通される。つまり、板部42と筐体50とは貫通孔42bを挿通させたネジ81によって固定される。
さらに、板部42には、ヒートシンク40とLEDモジュール10とを固定するためのネジ穴42cが設けられている。ネジ穴42cは、基板11の貫通孔11cに対応する位置に設けられており、このネジ穴42cにはネジ82(図2参照)がねじ込まれる。つまり、板部42と基板11とは、貫通孔11cに挿通させたネジ82をネジ穴42cにねじ込むことでネジ止めされる。なお、ネジ穴42cは、ネジ82が挿通する貫通孔であってもよい。
ヒートシンク40では、筒部41の筒径に対する筒部41の筒高さの比が、1.1以下となっている。本実施の形態において、筒部41の筒径は、LEDモジュール10を載置する板部42が接続された部分における筒部41(ストレート部)の筒径であり、筒部41の筒高さは、筒部41における板部42から筒部41の開口部(テーパ部の口金60側の端部)までの長さである。
このように構成されるヒートシンク40は、金属製のプレス成形品であり、例えばアルミニウム板等の金属板をプレス加工することによって成形される。つまり、筒部41と板部42とは、一体的に成形されており、金属板に絞り加工等のプレス加工等を施すことで所定形状に形成される。ヒートシンク40は、例えば、図4に示すような方法で作製することができる。図4は、実施の形態1に係るLED電球1におけるヒートシンクを作製する方法を説明するための図である。
まず、図4(a)に示すように、アルミニウム板等の平板状の金属板40Mを容易する。次に、図4(b)に示すように、金属板40Mに深絞り加工を施すことによって、金属板40Mが有底筒形状となるように加工する。次に、図4(c)に示すように、開口径を小さくするために口絞り加工を施す。このとき、絞ったときに生じる余分な部分は必要に応じてカットする。これにより、筒状の筒部41と板状の板部42とを有するヒートシンク40を作製することができる。なお、板部42の貫通孔42a及び42bとネジ穴42cは、図4(a)の金属板の状態のときに予め形成しておいてもよいし、図4(c)の加工後に形成してもよい。
[筐体]
図1(b)に示すように、筐体50は、中心軸Jの方向においてグローブ20と口金60との間に配置されている。筐体50は、二重壁構造になっており、駆動回路30を囲む筒状の内郭部(第1筐体部)51と、内郭部51を囲む筒状の外郭部(第2筐体部)52とを有する。内郭部51と外郭部52とは各々の口金60側の根元で連結されている。
内郭部51は、筐体50の内側部分を構成する筒体(内筒)であり、駆動回路30を直接囲んでいる。したがって、内郭部51は、駆動回路30を保護する回路ケースとして機能する。また、内郭部51は、駆動回路30の回路基板31を固定するための構造が設けられている。つまり、内郭部51は、駆動回路30を保持する保持部(ホルダ)としても機能する。
内郭部51は、例えば中心軸Jの方向に延設するように形成された略円筒形状である。内郭部51は、外郭部52とでヒートシンク40の筒部41を挟むように構成されている。したがって、内郭部51の外面と筒部41の内面とは対面している。なお、内郭部51と筒部41との間には、隙間(空間)が存在する。
内郭部51は、ヒートシンク40の板部42の第2の主面に当接している。内郭部51におけるヒートシンク40の板部42の第2の主面に当接する部分は、開口部である。筐体50は、内郭部51が板部42の第2の主面に当接することでヒートシンク40を支持している。本実施の形態において、板部42は、筐体50における内郭部51の開口部の端部と、ヒートシンク40の板部42とによって挟持されている。
内郭部51は、口金60と螺合する螺合部51aを有する。螺合部51aには口金60がねじ込まれる。螺合部51aは、内郭部51の口金60側に延設された部分に形成され。
図1(b)、図2及び図3(c)に示すように、内郭部51には、この内郭部51とヒートシンク40の板部42とを固定するためのネジ81をねじ込むためのネジ穴51bが設けられている。ネジ穴51bには、板部42の貫通孔42bを挿通させたネジ81がねじ込まれる。
外郭部52は、筐体50の外側部分を構成する筒体(外筒)であり、図1(b)に示すように、駆動回路30を間接的に囲んでいる。具体的に、外郭部52は、駆動回路30を囲むヒートシンク40の筒部41の周囲を囲むように構成されている。したがって、外郭部52の内面と筒部41の外面とは対面している。外郭部52の内面形状は、筒部41の表面形状に沿った形状である。
外郭部52は、外部(大気中)に露出する露出部であり、LED電球1の外郭部材を構成している。したがって、外郭部52の外面は、外部に露出している。
外郭部52は、例えば中心軸Jの方向に延設するように形成された略円筒形状である。なお、外郭部52の内周面及び外周面は、中心軸Jに対して傾斜するように構成されたテーパ面(傾斜面)となっている。
外郭部52と筒部41との間には、クリアランスが設定されており、隙間(空間)が存在する。つまり、外郭部52と筒部41とは互いに面接触しないように構成されている。これにより、ヒートシンク40(筒部41)と筐体50(外郭部52)とが熱膨張又は熱収縮したとしても、ヒートシンク40と筐体50との線膨張係数差による熱膨張差又は熱収縮差に伴う応力を、外郭部52と筒部41との間の隙間によって吸収することができる。一例として、外郭部52と筒部41との間の隙間はほぼ一定である。なお、外郭部52と筒部41とは接していてもよい。
このように構成される筐体50は、樹脂によって一体的に成形されている。つまり、内郭部51と外郭部52とは一体的に形成されている。つまり、筐体50は、樹脂による一体成形品である。これにより、低コストかつ容易に筐体50を作製することができる。筐体50は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)等の絶縁性樹脂材料によって構成することができる。
[口金]
口金60は、LEDモジュール10(発光素子12)を発光させるための電力をランプ外部から受電する受電部である。口金60は、例えば、照明器具のソケットに取り付けられる。これにより、口金60は、LED電球1を点灯させる際に、照明器具のソケットから電力を受けることができる。
口金60には、例えば商用電源から交流電力が供給される。本実施の形態における口金60は二接点によって交流電力を受電し、口金60で受電した電力は、一対のリード線73及び74を介して駆動回路30に入力される。
口金60は、金属製の有底筒形状であって、図1(b)に示すように、外周面が雄ネジとなっているシェル部61と、シェル部61に絶縁部62を介して装着されたアイレット部63とを備える。絶縁部62は、例えばガラスカレットによって構成される。
口金60の外周面には、照明器具のソケットに螺合させるための螺合部が形成されている。また、口金60の内周面には、筐体50の内郭部51の螺合部51aに螺合させるための螺合部が形成されている。口金60は、この内郭部51の螺合部51aにねじ込んで嵌め込むことで筐体50(内郭部51)に外嵌される。
口金60の種類は、特に限定されるものではないが、本実施の形態では、ねじ込み式のエジソンタイプ(E型)の口金を用いている。例えば、口金60として、E26形、E17形又はE16形等が挙げられる。また、口金60として、差し込み式の口金を用いてもよい。
[効果等]
次に、本実施の形態に係るLED電球1の効果について説明する。
まず、本実施の形態に係るLED電球1におけるヒートシンク40の効果について、図5A及び図5Bを用いて説明する。図5Aは、実施の形態1に係るLED電球1におけるヒートシンク40の断面図であり、図5Bは、そのヒートシンク40の形状と熱抵抗との関係を示す図である。なお、図5Bにおいて、熱抵抗(℃/W)は相対値で示している。
一般的に、LED電球の大きさや外形はある程度決まったものになっているので、ヒートシンクの形状や大きさ等には制約がある。このため、ヒートシンクの放熱設計は容易ではなく、所望の放熱特性を有するヒートシンクを作製するのは容易ではない。
そこで、本願発明者は、ヒートシンク40における形状(径と高さ)と熱抵抗との関係について実験を行った。具体的には、図5Aに示すように、ヒートシンク40における筒部41の筒径(ヒートシンク40の径)をφとし、筒部41の筒高さ(ヒートシンクの高さ)をhとして、ヒートシンク40の熱抵抗(℃/W)と、ヒートシンク40の径φに対するヒートシンク40の高さhの比(h/φ)との関係を調べた。その結果を図5Bに示す。なお、図5Bでは、ヒートシンクの径φが45mmの場合と50mmの場合についての実験結果を示してる。
この実験結果により、図5Bに示すように、ヒートシンク40の熱抵抗(℃/W)は、ヒートシンク40の径φに対するヒートシンク40の高さhの比(h/φ)に依存することが分かった。具体的には、ヒートシンク40の径φに対するヒートシンクの高さhの比(h/φ)が大きくなればなるほど熱抵抗が小さくなることが分かった。
例えば、ヒートシンク40の径φが一定である場合、ヒートシンク40の高さhを大きくすることによって、ヒートシンク40の径φに対するヒートシンク40の高さhの比(h/φ)を大きくすることができる。本実施の形態におけるヒートシンク40において、ヒートシンク40の高さhを調整するには、例えば、筒部41のストレート部(第1円筒部)の長さを調整したり、筒部41のテーパ部(第2円筒部)の長さを調整したりすればよい。
さらに、図5Bに示すように、ヒートシンク40の径φが45mmの場合も50mmの場合も、ヒートシンク40の径φに対するヒートシンクの高さhの比(h/φ)が1.1に達すると熱抵抗がほぼ一定になることも分かった。つまり、ヒートシンク40の径φの大きさにかかわらず、ヒートシンク40の径φに対するヒートシンク40の高さhの比(h/φ)が1.1を越えると、ヒートシンク40の放熱性能の向上効果がなくなることが分かった。
したがって、筒部41と板部42とによって構成されたヒートシンク40については、ヒートシンク40の径φに対するヒートシンク40の高さhの比(h/φ)を1.1以下にするとよい。
例えば、ヒートシンク40の高さhを小さくしたり、ヒートシンク40の径φを大きくしたりすることによって、ヒートシンク40の径φに対するヒートシンク40の高さhの比(h/φ)を容易に1.1以下にすることができる。
なお、筒部41の筒径(ヒートシンク40の径)は、筒部41の最大外径となる。例えば、筒部41が円筒の場合は直径であるが、筒部41が角筒の場合は最大外径であって、四角筒の場合は対角線の長さとなる。また、ヒートシンク40の板部42の外周部分に段差が形成されている場合は、筒部41の筒径は最外径となる。また、ヒートシンク40の高さが部分的に異なる場合は、ヒートシンク40の高さhは平均高さとなる。
次に、本実施の形態に係るLED電球1における熱膨張時又は熱収縮時の効果について、図6を用いて説明する。図6は、比較例のLED電球100の断面図である。
図6に示すように、比較例のLED電球100では、有底筒形状のヒートシンク400の底部に相当する板部(蓋部)420を回路ケース510と外郭筐体520とで挟持することでヒートシンク40を固定している。ヒートシンク400は、アルミニウム等の金属によって構成されている。また、回路ケース510及び外郭筐体520は、PBT等の樹脂によって構成されている。
LED電球100の点灯時には、LEDモジュールから発生する熱によって、ヒートシンク400、回路ケース500及び外郭筐体520が熱膨張(体積膨張)する。このとき、樹脂と金属とでは樹脂の方が金属よりも熱膨張係数(線膨張係数)が数倍も高いので、樹脂製の回路ケース500(外郭筐体520)の方が金属製のヒートシンク400よりも熱膨張率が大きくなる。このように、樹脂製の回路ケース500(外郭筐体520)と金属製のヒートシンク400とでは熱膨張率が異なっており、両者の間には熱膨張率差が存在する。
この場合、図6に示すように、ヒートシンク400の板部420が回路ケース510と外郭筐体520とに挟持されていると、この熱膨張率差によって、樹脂製の回路ケース500(外郭筐体520)には、金属製のヒートシンク400の熱膨張時の押圧に起因して応力歪みが生じ、クラック等が発生する場合がある。具体的には、LED電球100の中心軸(ランプ軸)の軸方向の熱膨張による押圧によって、回路ケース500及び外郭筐体520にクラック等が発生する。逆に、LED電球100の冷却時には、ヒートシンク400及び回路ケース510(外郭筐体520)の熱収縮差によって回路ケース510(外郭筐体520)にクラック等が発生する場合もある。回路ケース500及び外郭筐体520にクラック等が発生すると、絶縁性が低下してしまう。
一方、図1(b)に示すように、本実施の形態におけるLED電球1では、ヒートシンク40は、内郭部51が板部42の第2の主面に当接することで筐体50に支持されている。具体的には、ヒートシンク40と筐体50との接触箇所は、板部42と内郭部51のグローブ20側の開口部とが当接する部分のみになっており、ヒートシンク40は内郭部51で持ち上げられた状態で筐体50に支持されている。つまり、ヒートシンク40の筒部41の口金60側の開口部と内郭部51及び外郭部52の根元同士の連結部分とは、接触しておらず、これらの間には隙間が存在する。
これにより、線膨張係数が互いに異なるヒートシンク40と筐体50とが熱膨張したときに、内郭部51は中心軸Jの軸方向に延伸する構造であるので、内郭部51はヒートシンク40を図6の紙面上方に移動させるようにこの軸方向に伸びることになる。この場合、ヒートシンク40と筐体50とは、内郭部51のグローブ20側の開口部と板部42の第2の主面で当接している。つまり、ヒートシンク40と筐体50とは、中心軸Jの軸方向のみで当接している。
したがって、ヒートシンク40と筐体50とが熱膨張しても、筐体50には、金属製のヒートシンク40の熱膨張時の押圧に起因する応力歪みが発生しないので、筐体50にクラック等が発生することを抑制できる。同様に、ヒートシンク40と筐体50とが熱収縮しても、ヒートシンク40及び筐体50の熱収縮差によって筐体50にクラック等が発生することを抑制できる。
また、図6の構造のLED電球100では、線膨張係数差によるクラック等の発生を回避するには、外郭筐体520とヒートシンク40との熱膨張を考慮しなければならなかった。一方、本実施の形態におけるLED電球1では、ヒートシンク40の筒部41の口金60側の開口部と内郭部51及び外郭部52の根元同士の連結部分とが接触していないので、ヒートシンク40と筐体50との線膨張係数差を考慮する必要がなくなる。つまり、熱膨張及び熱収縮に影響しないヒートシンク40及び筐体50の構造を実現することができる。
なお、本実施の形態において、ヒートシンク40の線膨張係数と筐体50の線膨張係数とが異なっている。つまり、筒部41及び板部42の線膨張係数と内郭部51及び外郭部52の線膨張係数とは異なっている。
[まとめ]
以上、本実施の形態に係るLED電球1によれば、筒部41と板部42とによって構成されたヒートシンク40の径φに対するヒートシンク40の高さhの比(h/φ)が1.1以下となっている。
これにより、ヒートシンク40の径φとヒートシンク40の高さhとの比(h/φ)に応じた熱抵抗を得ることができるので、所望の放熱特性を有するヒートシンクを備えるLED電球を実現することができる。
また、本実施の形態において、ヒートシンク40は、金属板のプレス加工品である。
これにより、筒部41と板部42とを一体成形によって作製することができるので、ヒートシンク40を安価かつ容易に形成することができる。したがって、大幅なコストダウンを図ることができる。
また、本実施の形態では、さらに、駆動回路30を囲む筒状の内郭部51と、内郭部51を囲む筒状の外郭部52とを有する筐体50を備えており、ヒートシンク40の筒部41は、筐体50の内郭部51と外郭部52との間に位置している。
これにより、優れた放熱特性と優れた絶縁性との両立を図ることができる。
また、本実施の形態において、ヒートシンク40の筒部41と筐体50の外郭部52との線膨張係数が異なっており、筒部41は外郭部52の内面に沿った形状となっている。さらに、ヒートシンク40は、筐体50の内郭部51がヒートシンク40の板部42の第2の主面に当接することで筐体50に支持されている。
これにより、ヒートシンク40と筐体50との線膨張係数差による熱膨張差及び熱収縮差によってヒートシンク40及び筐体50の一方から他方に応力を与えたり受けたりすることを抑制できる。したがって、ヒートシンク40及び筐体50が劣化することを抑制できる。特に、樹脂製の筐体50にクラック等が発生することを抑制できる。
しかも、この構成により、ヒートシンク40と筐体50との線膨張係数差を考慮することなく、ヒートシンク40の高さ位置は、内郭部51の中心軸Jの軸方向の長さで調整することができる。これにより、ヒートシンク40の高さhを容易に調整することができるので、ヒートシンク40の径φに対するヒートシンク40の高さhの比(h/φ)を容易に1.1以下にすることができる。したがって、所望の放熱特性を有するヒートシンクを容易に作製することができる。
また、本実施の形態において、内郭部51における板部42の第2の主面に当接する部分は、開口部である。
これにより、内郭部51によってヒートシンク40を安定して支持することができる。
また、本実施の形態において、筐体50は、樹脂によって一体的に成形されており、ヒートシンク40は、金属製である。
これにより、低コストかつ容易に、ヒートシンク40及び筐体50を作製することができる。
また、本実施の形態において、LEDモジュール10は、ヒートシンク40の板部42に固定されている。
これにより、LEDモジュール10を載置するための金属プレートを用いる必要が無くなるので、部品点数を削減することができ、低コストのLED電球を実現できる。さらに、LEDモジュール10をヒートシンク40に直接接触させるので、LEDモジュール10で発生した熱をヒートシンク40に効率良く伝導させることができ、さらに放熱特性に優れたLED電球を実現できる。
また、本実施の形態において、ヒートシンク40と筐体50とはネジ81によって固定したが、これに限るものではない。例えば、図7の(a)及び(b)に示すLED電球1Aのように、ネジを用いることなく、ヒートシンク40と筐体50とを固定してもよい。具体的には、図7(b)に示すように、ヒートシンク40の筒部41の側面に係止孔41aを設けるとともに、筐体50の外郭部52に内面から突出する係止爪52aを設けておき、係止孔41aに係止爪52aを引っ掛けることによってヒートシンク40と筐体50とを固定してもよい。例えば、係止孔41a及び係止爪52aは、中心軸Jの軸周りに等間隔で3つ設けられている。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係るLED電球1Bについて、図8及び図9を用いて説明する。図8は、実施の形態2に係るLED電球1Bの断面図である。図9は、実施の形態2に係るLED電球1Bの分解斜視図である。
図8及び図9に示すように、実施の形態2に係るLED電球1Bは、実施の形態1に係るLED電球1と同様に、LEDモジュール10と、グローブ20と、ヒートシンク40と、筐体50と、口金60とを備える。また、LED電球1Bは、さらに、ネジ83を備える。
なお、図8及び図9には駆動回路及びリード線が図示されていないが、本実施の形態におけるLED電球1Bは、実施の形態1と同様に、駆動回路30及びリード線71〜74を備えている。
以下、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
LEDモジュール10は、実施の形態1と同様に、基板11と発光素子12を有するが、本実施の形態では、基板11には、1つの貫通孔11aと2つの貫通孔11mと2つの貫通孔11nとが形成されている。
ヒートシンク40は、実施の形態1と同様に、筒部41と板部42とを有するが、本実施の形態では、筒部41にはストレート部(第1円筒部)が設けられておらず、筒部41はテーパ部(第2円筒部)のみで構成されている。つまり、筒部41は、全体としてテーパ状(円錐台状)の筒体である。また、板部42には、1つの貫通孔42aと2つの貫通孔42mと2つの貫通孔42nとが形成されている。さらに、板部42の外周端部には段差部が設けられている。
筐体50は、実施の形態1と同様に、内郭部51と外郭部52とを有するが、本実施の形態では、内郭部51には、2つのネジ穴51mと2つの突出部51nとが設けられている。各突出部51nは、内郭部51の開口部位の端部から中心軸Jの方向に棒状に突出している。突出部51nは、ヒートシンク40の貫通孔42nとLEDモジュール10の貫通孔11nとに挿入される。つまり、突出部51nは、筐体50とヒートシンク40とLEDモジュール10との相対的な位置関係を決める位置決め部として機能し、2本の突出部51nが貫通孔42n及び貫通孔11nに挿入されることで、筐体50とヒートシンク40とLEDモジュール10とが横方向(中心軸Jに垂直な方向)にずれることを規制するとともに回転することを規制する。
LEDモジュール10(基板11)の貫通孔11mとヒートシンク40(板部42)の貫通孔42mと筐体50(内郭部51)のネジ穴51mとは、上面視において重なる位置に設けられている。また、LEDモジュール10(基板11)の貫通孔11nとヒートシンク40(板部42)の貫通孔42nと筐体50(内郭部51)の突出部51nとは、上面視において重なる位置に設けられている。
LEDモジュール10とヒートシンク40と筐体50とは、3本のネジ83で共締めされて固定されている。具体的には、LEDモジュール10の基板11とヒートシンク40の板部42と筐体50の内郭部51とが、2本にネジ83によって基板11及び板部42が内郭部51に締め付けられる状態で固定されている。ネジ83は、例えば、タッピングネジであるが、これに限るものではない。
LEDモジュール10とヒートシンク40と筐体50とを組み立てる場合、まず、筐体50(内郭部51)の2つの突出部51nの各々を、ヒートシンク40(板部42)の2つの貫通孔42nの各々とLEDモジュール10(基板11)の2つの貫通孔11nの各々とに挿入する。次に、LEDモジュール10(基板11)の2つの貫通孔11mの各々とヒートシンク40(板部42)の2つの貫通孔42mの各々とに2本のネジ83の各々を挿通して、この2本のネジ83の各々を各筐体50(内郭部51)の2つのネジ穴51mにねじ込む。これにより、LEDモジュール10とヒートシンク40と筐体50とを組み合わせて固定することができる。
このように、LEDモジュール10とヒートシンク40と筐体50とを固定する方法は、実施の形態1では、ヒートシンク40と筐体50とを2本のネジ81で固定し、かつ、LEDモジュール10とヒートシンク40とを2本のネジ82で固定するという方法であったが、本実施の形態では、LEDモジュール10とヒートシンク40と筐体50とを2本のネジ83で共締めして固定する方法である。
このように構成されるLED電球1Bでは、実施の形態1と同様に、筒部41と板部42とによって構成されたヒートシンク40の径φに対するヒートシンク40の高さhの比(h/φ)が1.1以下となっている。
これにより、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。つまり、ヒートシンク40の径φとヒートシンク40の高さhとの比(h/φ)に応じた熱抵抗を得ることができるので、所望の放熱特性を有するヒートシンクを備えるLED電球を実現することができる。
また、本実施の形態でも、実施の形態1と同様に、ヒートシンク40は金属板のプレス加工品である。
これにより、筒部41と板部42とを一体成形によって作製することができるので、ヒートシンク40を安価かつ容易に形成することができる。
また、本実施の形態でも、実施の形態1と同様に、ヒートシンク40の筒部41は筐体50の内郭部51と外郭部52との間に位置している。
これにより、優れた放熱特性と優れた絶縁性との両立を図ることができる。
また、本実施の形態でも、実施の形態1と同様に、ヒートシンク40は、筐体50の内郭部51がヒートシンク40の板部42の第2の主面に当接することで筐体50に支持されている。
これにより、ヒートシンク40と筐体50との線膨張係数差による熱膨張差及び熱収縮差によってヒートシンク40及び筐体50の一方から他方に応力を与えたり受けたりすることを抑制できる。したがって、ヒートシンク40及び筐体50が劣化することを抑制できる。特に、樹脂製の筐体50にクラック等が発生することを抑制できる。また、ヒートシンク40と筐体50との線膨張係数差を考慮することなく、ヒートシンク40の高さ位置は、内郭部51の中心軸Jの軸方向の長さで調整することができる。
また、本実施の形態では、実施の形態1と異なり、内郭部51に2つの突出部51nが設けられており、この2つの突出部51nの各々が、基板11の2つの貫通孔11nの各々と、板部42の2つの貫通孔42nの各々とに挿通されている。
これにより、LEDモジュール10とヒートシンク40と筐体50の位置決めを容易に行うことができる。なお、突出部51n、貫通孔11n及び貫通孔42nは、2つずつに限るものではなく、3つずつ以上であってもよい。また、回転する動きを規制することはできなくなるが、突出部51n、貫通孔11n及び貫通孔42nは、1つずつであってもよく、これにより、LEDモジュール10とヒートシンク40と筐体50の横方向の動きを規制することができる。また、貫通孔11m、貫通孔42m及びネジ83は、2つずつに限るものではない。また、LEDモジュールとヒートシンク40と筐体50との位置決めを行うための構造(突出部51n、貫通孔11n、貫通孔42n)の配置、及び、LEDモジュールとヒートシンク40と筐体とを固定するため構造(貫通孔11m、貫通孔42m、ネジ83)の配置は、適宜変更することができる。
(実施の形態3)
[照明装置]
図10は、実施の形態3に係る照明装置2の概略断面図である。
図10に示すように、本実施の形態に係る照明装置2は、例えば、室内の天井などに取り付けられて使用される。照明装置2は、上記実施の形態1に係るLED電球1と、照明器具3とを備える。
照明器具3は、LED電球1を消灯及び点灯させるものであり、天井に取り付けられる器具本体4と、LED電球1を覆うランプカバー5とを備える。
器具本体4は、LED電球1の口金60が装着されるとともにLED電球1に給電を行うソケット4aを有する。ソケット4aには、LED電球1の口金60がねじ込まれ、このソケット4aを介してLED電球1に電力が供給される。なお、ランプカバー5の開口部に透光性プレートを設けてもよい。
以上、本実施の形態に係る照明装置2によれば、所望の放熱特性を有するヒートシンク40を備えるLED電球1が取り付けられているので、発光効率に優れた照明装置を実現することができる。なお、LED電球1に代えて、実施の形態2に係るLED電球1Aを用いてもよい。
(その他変形例等)
以上、本発明に係る照明用光源及び照明装置について、実施の形態及び変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態及び各変形例に限定されるものではない。
例えば、上記の実施の形態では、筐体50を二重壁構造としたが、これに限るものではない。例えば、筐体50は外郭部52を有していなくてもよく、ヒートシンク40の筒部41がLED電球の外郭部となって外部に露出するように構成されていてもよい。
また、上記の実施の形態において、発光素子12は、SMD型LED素子であるとしたが、これに限らない。例えば、ベアチップが基板上に直接実装(1次実装)されたCOB(Chip On Board)型のLEDモジュールを用いてもよい。つまり、発光素子12として、LEDチップそのものが採用されてもよい。この場合、封止部材によって、複数のLEDチップを一括又は個別に封止してもよい。封止部材には、上述のように黄色蛍光体等の波長変換材が含有されていてもよい。
また、上記の実施の形態において、発光素子12は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって白色光を放出するB−Yタイプの白色LED素子としたが、これに限らない。例えば、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する蛍光体含有樹脂を用いて、これと青色LEDチップと組み合わせることによりに白色光を放出するように構成してもよい。また、演色性を高める目的で、黄色蛍光体に加えて、さらに赤色蛍光体や緑色蛍光体を混ぜても構わない。また、青色以外の色を発光するLEDチップを用いてもよく、例えば、青色LEDチップが放出する青色光よりも短波長である紫外光を放出する紫外LEDチップを用いて、主に紫外光により励起されて青色光、赤色光及び緑色光を放出する青色蛍光体、緑色蛍光体及び赤色蛍光体によって白色光を放出するように構成してもよい。
また、上記の実施の形態及び各変形例において、発光素子としてLEDを例示したが、半導体レーザなどの半導体発光素子、有機EL(Electro Luminescence)又は無機EL等の発光素子、その他の固体発光素子を用いてもよい。
その他、上記の実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で上記の実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。