JP2019198558A - 針板着脱機構及びそれを備えたミシン - Google Patents
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Abstract
Description
以下、図1〜図7を用いて、第1の実施の形態に係る針板着脱機構60が適用されたミシン10について説明する。なお、図面において適宜示される矢印UPは、ミシン10の上側を示し、矢印FRはミシン10の前側を示し、矢印RHはミシン10の右側(幅方向一方側)を示している。以下、上下、前後、左右の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、ミシン10の上下、前後、左右を示すものとする。
図2に示されるように、ミシン10は、全体として、前方側から見た正面視で、左側へ開放された略U字形状を成している。具体的には、ミシン10は、ミシン10の右端部を構成し且つ上下方向に延在された脚柱部12と、脚柱部12の上端部から左側へ延出されたアーム部14と、脚柱部12の下端部から左側へ延出されたベッド部16と、を含んで構成されている。また、ミシン10の内部には、ミシン10の骨格を構成する骨格フレーム(図示省略)が設けられている。
図3に示されるように、針駆動機構20は、ミシンモータ22と、上軸26と、連結機構30と、針棒34と、下軸38と、を含んで構成されている。
ミシンモータ22は、左右方向を軸方向として骨格フレームに固定されている。図4(A)に示されるように、ミシンモータ22は、後述する制御部94に電気的に接続されており、制御部94には、操作部24が電気的に接続されている。図2に示されるように、操作部24は、ミシン10(脚柱部12)の前部に操作可能に設けられおり、操作部24は、表示部及びタッチパネルを含んで構成されている。そして、操作部24に表示されたアイコンを操作者がタッチ操作することで、ミシンモータ22や後述する針板モータ78に対する操作信号が、操作部24から制御部94へ出力されるようになっている。
図2に示されるように、ベッド部16は、ベッド部16の外郭を構成するカバー50を有しており、骨格フレームがカバー50によって覆われている。また、カバー50の上壁には、後述する針板62を配置させるための孔部50Aが貫通形成されており、孔部50Aは、平面視で左右方向を長手方向とする略矩形状に形成されている。
次に、本発明の要部である針板着脱機構60について説明する。図1に示されるように、針板着脱機構60は、針板62と、針板62をベッド部16に固定するための一対の磁石66と、磁石66の針板62に対する磁力を変更するための磁力変更機構67と、磁力変更機構67を作動させるための回転体駆動機構74と、「検出部」としての上軸位相センサ92(図3参照)と、制御部94(図4(A)参照)と、を含んで構成されている。
針板62は、鉄、コバルト、ニッケルまたそれらの合金、フェライトなどの磁性体によって構成されている。針板62は、上下方向を板厚方向とした略矩形板状に形成されて、カバー50の孔部50A内に配置されている(図2参照)。この針板62の左端部(長手方向一方側の端部)における下面には、係止部材64が設けられている。この係止部材64は、前後方向に延在された略長尺板状に形成されて、針板62にネジによって固定されている。係止部材64の長手方向両端部には、前後一対の係止片64Aが一体に形成されており、係止片64Aは、係止部材64の左端部から下側且つ左側へ略クランク状に屈曲されている。そして、係止片64Aの先端部が、固定プレート52と、第1押え部材54の押え片54A及び第2押え部材56の押え片56Aと、間に右側から差し込まれて、係止片64Aが押え片54A,54Bに係止されている。これにより、針板62の左端部が係止部材64を介して、固定プレート52に固定されている。
磁力変更機構67は、「回転体」としての回転軸68と、「押上部」としてのカム70と、を含んで構成されている。
回転軸68は、前後方向を軸方向として、針板62の右端部の下側に配置されている。回転軸68は、回転軸68の軸心部を構成する断面円形状の芯部68Aと、芯部68Aの外周部に設けられた略円筒状の外側軸部68Bと、を含んで構成されている。また、本実施の形態では、芯部68Aが金属製とされ、外側軸部68Bが樹脂製(一例として、POM)とされており、芯部68Aと外側軸部68Bとがインサート成形等によって一体に形成されている。具体的には、外側軸部68Bが、芯部68Aの前側部分(軸方向一方側部分)を被覆するように、芯部68Aと一体に形成されている。これにより、芯部68Aの後端側の部分が、外側軸部68Bよりも後側へ突出されている。そして、芯部68Aの後端側の部分が骨格フレームに回転可能に支持されている。これにより、回転軸68が、針板62と平行を成す軸線回りに回転可能に構成されている。また、芯部68Aの後端部は、カバー50から後側へ突出されている(図2参照)。
図1及び図6(A)に示されるように、一対の磁石66は、回転軸68の軸方向を長手方向とした略矩形柱状に形成されている。この磁石66は、カム70に対して前側及び後側にそれぞれ配置されると共に、外側軸部72Bの上部(詳しくは、隆起部68B1)に埋設されている。これにより、磁石66と外側軸部68B(回転軸68)とが、一体回転可能に構成されている。また、磁石66が外側軸部72Bに埋設された状態では、磁石66の上面が、回転軸68の外部に露出されている。さらに、回転軸68の固定位置では、磁石66が針板62の下側に所定の隙間を空けて配置されており、磁石66の上面と針板62の下面とが上下方向において対向配置されている(図6(A)の部分拡大図参照)。すなわち、磁石66は、針板62に当接しておらず、針板62の上下位置が、受け面68B2によって決定される構成になっている。そして、回転軸68の固定位置において、磁石66の磁力によって針板62が下側へ引き込まれて、針板62が、ベッド部16に固定されている。
図1に示されるように、回転体駆動機構74は、ベースプレート76と、「回転体駆動モータ」としての針板モータ78と、伝達機構80と、リンク機構86と、を含んで構成されている。
ベースプレート76は、上下方向を板厚方向とし且つ前後方向に延在された略矩形プレート状に形成されている。このベースプレート76は、回転軸68の右側に離間して配置されており、ベースプレート76の後端部が、骨格フレームに固定されている。ベースプレート76の前部には、左右方向の略中央部において、後述する針板モータ78の出力軸78Aを露出させるための円形の露出孔76Aが貫通形成されている。また、ベースプレート76の後端部には、後述する伝達機構80の揺動アーム84を回転可能に支持するための支持シャフト76Sが設けられている。支持シャフト76Sは、上下方向を軸方向とした略円柱状に形成されて、ベースプレート76から上側へ突出されている。
針板モータ78は、上下方向を軸方向として、ベースプレート76における前部の下側に隣接して配置されて、図示しない位置において、ベースプレート76に固定されている。具体的には、針板モータ78は、ベースプレート76の露出孔76Aと同軸上に配置されており、針板モータ78の出力軸78Aが、露出孔76A内に配置されている。また、出力軸78Aには、後述する伝達機構80を構成するピニオンギヤ82が一体回転可能に設けられており、ピニオンギヤ82は、ベースプレート76の上側に配置されている。また、本実施の形態では、針板モータ78が、ステッピングモータとして構成されて、後述する制御部94に電気的に接続されている。そして、制御部94の制御によって、針板モータ78が作動するようになっている。
伝達機構80は、前述したピニオンギヤ82と、揺動アーム84と、を含んで構成されている。
揺動アーム84は、平面視で上下方向を板厚方向とした略扇形板状に形成されて、ベースプレート76の上側に配置されている。この揺動アーム84の基端部(後端部)には、支持ボス84Aが設けられており、支持ボス84Aは、上下方向を軸方向とした略円筒状に形成されている。そして、支持ボス84A内にベースプレート76の支持シャフト76Sが相対回転可能に挿入されている。これにより、揺動アーム84が支持シャフト76Sに回動可能に支持されている。なお、支持シャフト76Sの先端部(上端部)には、EリングERが係止されており、揺動アーム84の上方側への移動をEリングERによって制限している。
リンク機構86は、回転軸68(外側軸部68B)の前端部に一体に設けられた第1リンク88と、第2リンク90と、を含んで構成されている。
第1リンク88は、前後方向を板厚方向とした板状に形成されて、正面視で、外側軸部68Bの前端部から左斜め下方側へ延出している。
図3に示されるように、上軸位相センサ92は、上軸26の長手方向中間部に設けられている。この上軸位相センサ92は、上軸26の回転位相を検出するセンサとして構成されており、本実施の形態では、上軸位相センサ92が、一例としてロータリーエンコーダとして構成されている。具体的には、上軸位相センサ92は、回転板92Aと、位相検出部92Bと、を含んで構成されている。
図4(A)に示されるように、制御部94には、前述したミシンモータ22、操作部24、針板モータ78、及び上軸位相センサ92が、電気的に接続されている。そして、制御部94は、操作部24からの操作信号に基づいて、ミシンモータ22及び針板モータ78の作動を制御する構成になっている。
また、判断部96は、上軸位相センサ92からの検出信号に基づいて、上軸26の回転位相が解除位相及び非解除位相の何れであるのか(換言すると、針36の針先が針板62の上面よりも下側に位置しているのか否か)を判定するようになっている。そして、ミシン10がモータ駆動状態ではなく(すなわち、ミシンモータ22の非駆動状態であり)、且つ上軸26の位相が非解除位相である場合には、判断部96は、針板モータ78の作動を禁止する旨の判断を行うようになっている。すなわち、針板モータ78が上軸位相センサ92に連動して作用して、ミシン10がモータ駆動状態ではなく且つ上軸26の位相が非解除位相である場合には、針板モータ78の作動が禁止するようになっている。
次に、図5に示されるフローチャートを用いて、針板着脱機構60の作動を説明する。
また、例えば、外側軸部68Bを、比較的摺動性のよい材料(POM)で構成することで、回転軸68の回転時にカム面70Aを針板62に良好に摺動させて、カム70によって針板62を上側へ押上げることができる。
さらに、外側軸部68Bを樹脂製とすることで、針板62をベッド部16に装着するときの、外側軸部68Bの受け面68B2と針板62との間の異音(衝突音)の発生を抑制することができる。
さらに、ミシンモータ22の作動時には、制御部94が、針板モータ78の作動を禁止する。そして、ミシンモータ22の作動時は、縫製対象物を縫製中である。このため、この状況は、操作者において針板62の交換に対する意思のない状況といえる。これにより、この状況も、針板62の交換として適さない状況といえる。よって、このような、針板62の交換として適さない状況においても、針板62のベッド部16からの取外しを禁止して、針板62の交換を阻止することができる。
以上により、針板62の交換として適さない状況において、針板62の交換を阻止することができる。
以下、図8〜図10を用いて第2の実施の形態に係る針板着脱機構200について説明する。針板着脱機構200は、磁力変更機構210を有しており、磁力変更機構210に磁石66が設けられている。また、針板着脱機構200は、第1の実施の形態における磁力変更機構67の回転体駆動機構74を備えていない。つまり、磁力変更機構210が手動操作可能に構成されている。以下、主として、磁石66及び針板着脱機構200について説明する。
レバー212は、上下方向を板厚方向とし且つ左右方向を長手方向とする略矩形板状に形成されている。そして、レバー212が、針板62の右部の下側に離間して配置されている。また、レバー212は、左側の部分において、前後方向を軸方向とする支持軸220によって回転可能に支持されている。これにより、レバー212が、針板62と平行を成す軸線回りに回転可能に支持されている。なお、支持軸220の長手方向両端部は、ミシン10の骨格フレームに固定されている。これにより、レバー212が支持軸220の軸回りに回転方向一方側(図10(A)の矢印C方向側)及び回転方向他方側(図10(B)の矢印D方向側)に回転可能に構成されている。
12 脚柱部
14 アーム部
16 ベッド部
20 針駆動機構
22 ミシンモータ
24 操作部
26 上軸
28 ベルト
29 はずみ車
30 連結機構
32 クランクロッド
34 針棒
36 針
38 下軸
40 ベルト
42 ギヤ機構
44 釜
50 カバー
50A 孔部
50B 操作孔
52 固定プレート
54 第1押え部材
54A 押え片
56 第2押え部材
56A 押え片
60 針板着脱機構
62A 針孔
62 針板
64 係止部材
64A 係止片
66 磁石
67 磁力変更機構
68 回転軸(回転体)
68A 芯部
68B 外側軸部
68B1 隆起部
68B2 受け面
70 カム(押上部)
70A カム面
72 操作ダイヤル
74 回転体駆動機構
76 ベースプレート
76A 露出孔
76S 支持シャフト
78 針板モータ(回転体駆動モータ)
78A 出力軸
80 伝達機構
82 ピニオンギヤ
84 揺動アーム
84A 支持ボス
84B ラック部
84P 連結ピン
86 リンク機構
88 第1リンク
90 第2リンク
90L リンク部
90R リンク部
92 上軸位相センサ
92A 回転板
92B 位相検出部
94 制御部
96 判断部
200 針板着脱機構
210 磁力変更機構
212 レバー(回転体)
212A 操作部
214 解除突起(押上部)
220 支持軸
222 受けプレート
ER Eリング
P 連結ピン
Claims (6)
- ミシンモータの駆動力により針を上下運動させて縫目を形成するミシンにおいて、
前記ミシンのベッド部に設けられ、磁性体によって構成された針板と、
前記針板の下側に設けられ、磁力によって前記針板を固定する磁石と、
前記磁石に連結され、作動することで前記磁石を前記針板に対して相対移動させて前記針板に作用する前記磁力を変更する磁力変更機構と、
を備えた針板着脱機構。 - 前記磁力変更機構は、前記針板の下側において、前記針板と平行を成す軸線回りに回転可能に構成された回転体を有しており、
前記磁石が前記回転体に一体回転可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の針板着脱機構。 - 前記磁力変更機構は、前記回転体に一体回転可能に設けられた押上部を有しており、
前記回転体の回転時に前記押上部が前記針板を上側へ押上げることを特徴とする請求項2に記載の針板着脱機構。 - 前記回転体には、回転体駆動機構が連結されており、
前記回転体駆動機構は、作動することで前記回転体を作動させる回転体駆動モータを有していることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の針板着脱機構。 - 前記針が前記針板の上面よりも下側に位置しているとき、又は、前記ミシンモータの作動しているときには、前記針板の固定状態時における前記回転体駆動モータの作動が禁止されることを特徴とする請求項4に記載の針板着脱機構。
- 請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の針板着脱機構を備えたミシン。
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