JP2019196801A - 離脱防止管継手、及び、管継手の離脱防止方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】受口の鍔部または段部と離脱防止金具のフックとの間隔を確保でき、しかも施工に手間がかからない離脱防止管継手、及び、管継手の離脱防止方法を提供する。【解決手段】鍔部11を有する受口1に挿口2を挿入してなる管継手に離脱防止金具3が取り付けられた離脱防止管継手10において、離脱防止金具3が、鍔部11に被さるように配置されるフック30を有し、鍔部11の背面とフック30との間に、それらの間隔を確保するためのピース5が介在し、ピース5は可縮材により形成されており、鍔部11に引っ掛けることによりピース5が装着されている。【選択図】図2

Description

本発明は、受口から挿口が離脱することを防止する離脱防止管継手、及び、管継手の離脱防止方法に関する。
従来、受口に挿口を挿入してなる管継手に離脱防止金具が取り付けられた離脱防止管継手が知られている。特許文献1〜5には、それぞれ、受口の鍔部または段部に被さるように配置されるフックを有した離脱防止金具が記載されている。これらによれば、受口から挿口が離脱する外力(以下、「離脱力」と呼ぶ)が作用した際に、フックが鍔部または段部に係合して離脱防止機能が発揮される。また、離脱防止機能を高めるうえでは、離脱防止金具を管継手に取り付ける際に、鍔部または段部の背面とフックとの間隔を設けておくことが望まれる。離脱力が作用したときに、この間隔に相当する距離を管継手が伸長して、地盤変動などによる管路の歪みを吸収するためである。
しかしながら、離脱防止金具を管継手に取り付ける作業において、上記の間隔を設けることが難しい場合がある。管径が比較的大きい場合(例えば、呼び径がφ900以上である場合)には、離脱防止金具が重量物となるために手作業が不可能であり、クレーンで吊り上げた離脱防止金具を管継手に取り付ける必要があるため、上記の間隔を適切に確保することが困難であった。
特許文献3に記載された離脱防止管継手では、受口の鍔部の背面とフックとの間に、発泡樹脂により形成された環状部材を介在させている。しかし、この環状部材は、テープの巻き付けや接着によって取り付ける必要があるため、施工に手間がかかる。
特許文献4に記載された離脱防止管継手では、受口の鍔部の背面とフックとの間に、コイルばねやチューブで構成される位置決め部材を介在させている。しかし、この位置決め部材は、鍔部の内側に取り付けられるものであり、具体的な固着手段は明記されていないものの、テープの巻き付けや接着を必要とするものであれば、やはり施工に手間がかかる。
特許文献5に記載された離脱防止管継手では、フックを構成するボルトに螺合されたナットと、離脱防止金具の本体部を構成する係止リングとの間に、管状の可縮部材を介在させている。しかし、離脱防止金具を組み立てる際に、可縮部材を変形させないようにナットの締め付けトルクを管理する必要があるため、施工に手間がかかる。そもそも、これは、鍔部または段部の背面とフックとの間隔を確保するものでもない。
特開平10−122466号公報 特開平11−311379号公報 特開2002−156079号公報 特開平8−338576号公報 実開昭57−165883号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、受口の鍔部または段部と離脱防止金具のフックとの間隔を確保でき、しかも施工に手間がかからない離脱防止管継手、及び、管継手の離脱防止方法を提供することにある。
本発明に係る離脱防止管継手は、鍔部または段部を有する受口に挿口を挿入してなる管継手に離脱防止金具が取り付けられた離脱防止管継手において、前記離脱防止金具が、前記鍔部または前記段部に被さるように配置されるフックを有し、前記鍔部または前記段部の背面と前記フックとの間に、それらの間隔を確保するためのピースが介在し、前記ピースは可縮材により形成されており、前記鍔部もしくは前記段部に引っ掛けることにより、または前記鍔部に挿通されたボルトの頭部に引っ掛けることにより、または前記フックの先端に被せることにより、前記ピースが装着されているものである。
この離脱防止管継手では、上記の如きピースを備えていることにより、受口の鍔部または段部の背面と離脱防止金具のフックとの間隔を確保できる。管径が比較的大きい場合であっても、鍔部または段部の背面にピースを介してフックを宛がうことで、そのピースの厚みに応じた間隔が確保される。また、ピースが可縮材で形成されているため、離脱力が作用したときに管継手の伸長を阻害しない。しかも、ピースは、鍔部もしくは段部に引っ掛けることにより、または鍔部に挿通されたボルトの頭部に引っ掛けることにより、またはフックの先端に被せることにより装着されるため、施工に手間がかからない。
前記ピースが、前記鍔部または前記段部の背面に対向して配置される本体部と、前記鍔部または前記段部に被さるように配置される鉤状部とを有していて、前記鍔部または前記段部に前記鉤状部を引っ掛けることにより装着可能に構成されているものでもよい。この場合、鍔部または段部に引っ掛けることにより装着されるピースを簡易に構成できる。
前記ピースが、前記受口の管周方向に沿って湾曲した板状部材により形成されているとともに、前記ボルトの頭部を嵌入するための嵌入穴を有していて、前記嵌入穴を前記ボルトの頭部に引っ掛けることにより装着可能に構成されているものでもよい。この場合、鍔部に挿通されたボルトの頭部に引っ掛けることにより装着されるピースを簡易に構成できる。
前記ピースが、前記受口の管軸を通って管径方向に延びる平面で切断したときの断面で見てU字状に形成されていて、前記フックの先端に被せることにより装着可能に構成されているものでもよい。この場合、フックの先端に被せることにより装着されるピースを簡易に構成できる。
本発明に係る管継手の離脱防止方法は、鍔部または段部を有する受口に挿口を挿入してなる管継手に離脱防止金具を取り付けて離脱防止機能を発揮できるようにする管継手の離脱防止方法において、可縮材により形成されたピースを、前記鍔部もしくは前記段部に引っ掛けることにより、または前記鍔部に挿通されたボルトの頭部に引っ掛けることにより、または前記離脱防止金具が有するフックの先端に被せることにより装着する第1の工程と、前記鍔部または前記段部に前記フックが被さるようにして前記離脱防止金具を前記管継手に取り付け、前記鍔部または前記段部の背面と前記フックとの間隔を、それらの間に介在する前記ピースによって確保する第2の工程と、を備えるものである。
この管継手の離脱防止方法では、上記の如くピースを用いることにより、受口の鍔部または段部の背面と離脱防止金具のフックとの間隔を確保できる。管径が比較的大きい場合であっても、鍔部または段部の背面にピースを介してフックを宛がうことで、そのピースの厚みに応じた間隔が確保される。また、ピースが可縮材で形成されているため、離脱力が作用したときに管継手の伸長を阻害しない。しかも、ピースは、鍔部もしくは段部に引っ掛けることにより、または鍔部に挿通されたボルトの頭部に引っ掛けることにより、またはフックの先端に被せることにより装着されるため、施工に手間がかからない。
本発明に係る離脱防止管継手の一例を示す図 図1のA−A矢視断面図 図1のB−B矢視断面図 第1実施形態で用いるピースの斜視図 図4のピースを装着した管継手の斜視図 図4のピースを装着した管継手の斜視図 第2実施形態で用いるピースを装着した管継手の斜視図 図7のピースを装着した離脱防止管継手の斜視断面図 第3実施形態で用いるピースを装着した離脱防止管継手の斜視断面図
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態の離脱防止管継手10を管軸方向に沿って受口1側(図2,3の左側)から見た図である。図2,3は、それぞれ図1のA−A,B−B矢視断面を示している。図1〜3に示すように、離脱防止管継手10では、鍔部11を有する受口1に挿口2を挿入してなる管継手に離脱防止金具3が取り付けられている。
受口1は、流体管である管P1の端部に形成されている。挿口2は、流体管である管P2の端部に形成されている。本実施形態では、一対の管P1,P2が水道管である例を示す。管P1,P2は、受口1の内周に装着されたシール材4を介して、互いに水密に接続されている。管P1,P2の内部を流れる流体は、上水に限られず、例えば工業用水や下水、ガス、ガスと液体との気液混合体などであってもよい。また、管P1,P2は、いずれも金属管、具体的には鋳鉄管(ダクタイル鋳鉄管)であるが、これに限られず、例えば鋼管やステンレス管でもよい。
受口1の鍔部11にはT頭ボルト12が挿通されている。ボルト12は、図1のように管周方向の複数箇所(本実施形態では20箇所)に配置されている。ボルト12の頭部は、鍔部11の背面側に配置されている。締結具13は、ボルト12と、それに螺合されたナット14とで構成されている。この締結具13を介して、受口1に押輪15が締結されている。押輪15は、その締結具13の締め付けに応じて鍔部11に引き寄せられ、それによってシール材4を圧縮する。管継手の密封性能は、圧縮されたシール材4によって確保されている。シール材4は、管周方向に沿って環状に形成されている。
離脱防止金具3は、鍔部11に被さるように配置されるフック30を有する。この離脱防止金具3は、更に、挿口2の外周に装着される環状のハウジング31と、挿口2の外周面に係止可能な係止部材32とを有する。ハウジング31には、挿口2に向けて開口した収容溝33が形成されている。ハウジング31は、図1のように管周方向の複数箇所(本実施形態では5箇所)で分割された割り構造を有する。このため、既設の管継手に離脱防止金具3を取り付けることが可能である。ハウジング31の分割箇所には、ボルトとナットとで構成された連結具34が取り付けられている。ハウジング31を構成する複数(本実施形態では5つ)の分割片は、連結具34を介して環状に連接されている。
本実施形態では、管周方向の複数箇所(本実施形態では20箇所)にフック30が等間隔で設けられている。離脱力が作用したときには、鍔部11に対してフック30が管軸方向に係合し、受口1から挿口2が離脱する方向に管P1,P2が相対移動することを防止する。軽量化を図るために本実施形態では採用していないが、管周方向に隣接したフックの先端部を互いに連結してもよい。また、フック30は、ハウジング31と一体的な部材として形成されているが、これに限られない。例えば、ハウジング31とは別個の部材でフック30を形成し、それらをボルトなどで接続した構造でも構わない。
係止部材32は収容溝33に収容されている。係止部材32は、管周方向の複数箇所に配置されている。収容溝33は、管周方向に沿って連続的に延びた環状溝として形成されているが、これに限られず、円弧状をなす複数の収容溝33を断続的に設けて、その各々に係止部材32を収容してもよい。係止部材32は、ダクタイル鋳鉄などの堅牢な材料で形成されている。係止部材32の内面には、挿口2の外周面に係止する爪が形成されている。離脱防止金具3は、挿口2に向けて係止部材32を押圧する押圧部材としての押ボルト35を備えている。押ボルト35は、ハウジング31に形成された貫通孔に螺合されている。
図2のように、受口1の鍔部11の背面とフック30との間には、管軸方向の間隔Dが設けられている。離脱力が作用したときには、この間隔Dに相当する距離を管継手が伸長することで、地盤変動などによる管路の歪みを吸収できる。収容溝33の溝壁と係止部材32の側面との隙間Sも管継手の伸縮代となり得るが、間隔Dに比べて小さいため、離脱防止機能の向上に対する寄与は大きくない。よって、離脱防止機能を高めるうえでは、離脱防止金具3を管継手に取り付ける際に間隔Dを設けておくことが重要となる。本実施形態では、図4に示したピース5を使用することにより間隔Dを容易に確保できるようにしている。
ピース5は、鍔部11の背面とフック30との間に、それらの間隔を確保するために介在している。即ち、ピース5は、鍔部11の背面とフック30との間隔を確保するための部材である。ピース5は、可縮材により形成されている。可縮材は、離脱力が作用した際に鍔部11の背面とフック30との間隔の縮小を許容する材料であり、具体的には、ゴムなどの弾性材や、樹脂などの易破壊材が例示される。本実施形態では、ピース5がゴムで形成されており、離脱力が作用すると、ピース5が弾性変形することで、間隔Dの縮小、即ち管継手の伸長が許容される。ピース5が樹脂で形成されている場合は、離脱力の作用によりピース5が塑性変形(破壊を含む)し、管継手の伸長が許容される。
上記の通り、この離脱防止管継手10では、ピース5を備えていることにより、受口1の鍔部11の背面と離脱防止金具3のフック30との間隔Dを確保できる。管径が比較的大きい場合(例えば、管P1,P2の呼び径がφ900以上である場合)であっても、離脱防止金具3を管継手に取り付ける際に、鍔部11の背面にピース5を介してフック30を宛がうことにより、そのピース5の厚みに応じた間隔を簡単に確保できる。また、ピース5が可縮材で形成されているため、離脱力が作用したときに管継手の伸長を阻害しない。ピース5は、図5,6のように鍔部11に引っ掛けることにより装着されるため、取り付けが簡単であり、施工に手間がかからない。加えて、鍔部11とフック30との間にピース5が介在することで、それらの間に砂などの異物が挟まらないという効果もある。
ピース5は、鍔部11の背面に対向して配置される本体部51と、鍔部11に被さるように配置される鉤状部52とを有していて、鍔部11に鉤状部52を引っ掛けることにより装着可能に構成されている。本体部51は、管周方向に並んだボルト12の頭部の間隙に配置され、鍔部11の背面に宛がわれている。離脱防止金具3を管継手に取り付けた際には、鍔部11の背面とフック30との間に、その本体部51の厚みT51に応じた間隔が設けられる。鉤状部52は、本体部51の外周部から管軸方向に延びており、その先端部が屈曲して鍔部11の正面に係合可能に形成されている。かかる形状のピース5は、種々のサイズ(管径)に対応可能である。
ピース5の厚み(本体部51の厚みT51)がボルト12の頭部の厚みT12(図3参照)よりも大きいと、鍔部11の背面とフック30との間隔が必要以上に大きくなり、管継手が曲がっている場合、即ち受口1の管軸に対して挿口2の管軸が少し傾いている場合には、管周方向の一部において、鍔部11の背面とフック30との間隔を確保しにくい箇所が生じてしまう。そのため、ピース5の厚み(本体部51の厚みT51)は、ボルト12の頭部の厚みT12と同じか、それよりも小さいことが好ましい。
管継手に離脱防止金具3を取り付けて離脱防止機能を発揮できるようにする作業は、ピース5を装着する第1の工程と、間隔Dが確保されるように離脱防止金具3を管継手に取り付ける第2の工程とを備える。第1の工程では、鍔部11に引っ掛けることによりピース5を装着する。より具体的には、図5,6のようにして管周方向の複数箇所(本実施形態では20箇所)にピース5を装着する。ピース5を鍔部11に引っ掛けることにより、管継手の下方部においてもピース5を仮固定できる。ゴムなどの弾性材でピース5が形成されている場合は、その弾性を利用して仮固定できる。必要に応じて接着剤を使用してもよいが、ピース5は非接着状態で装着可能である。
第2の工程では、図2,3のように鍔部11にフック30が被さるようにして離脱防止金具3を管継手に取り付け、鍔部11の背面とフック30との間隔を、それらの間に介在するピース5によって確保する。このとき、離脱防止金具3のハウジング31を挿口2の外周に装着するとともに、その挿口2の外周面に係止部材32が係止できる状態とする。管径が比較的大きい場合は、クレーンで吊り上げた離脱防止金具3を降下させながら第2の工程を行う。その場合でも、鍔部11の背面にピース5を介してフック30を宛がうことで、鍔部11の背面とフック30との間隔Dを容易に確保できるため、施工に手間がかからない。
[第2実施形態]
第2実施形態は、以下に説明する事項の他は第1実施形態と同様であるので、共通点を省略して主に相違点について説明する。第1実施形態で説明したものと同じ部材や部位には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。後述する第3実施形態においても、これと同様である。
本実施形態では、図7,8に示したピース6を使用することにより間隔D(図2参照)を容易に確保できるようにしている。このピース6は、鍔部11に挿通されたボルト12の頭部に引っ掛けることにより装着される。そのため、取り付けが簡単であり、施工に手間がかからない。ピース6は、可縮材で形成されているとともに、鍔部11の背面とフック30との間に、それらの間隔を確保するために介在している。
ピース6は、受口1の管周方向に沿って湾曲した板状部材により形成されているとともに、ボルト12の頭部を嵌入するための嵌入穴61を有していて、その嵌入穴61をボルト12の頭部に引っ掛けることにより装着可能に構成されている。ピース6は、鍔部11の背面に宛がわれている。ピース6は、管軸方向から見て円弧状に延びており、その中央部に嵌入穴61が設けられている。嵌入穴61は、ピース6を厚み方向に貫通しており、T頭ボルト12の頭部を嵌入可能な形状を有している。なお、締結具13を締め付ける際には、T頭ボルト12の頭部の一端部が受口1の外面に当接して回り止めとなるため、ボルト12の頭部の向きは定まっている。
管継手に離脱防止金具3を取り付けて離脱防止機能を発揮できるようにする作業は、ピース6を装着する第1の工程と、間隔Dが確保されるように離脱防止金具3を管継手に取り付ける第2の工程とを備える。第1の工程では、鍔部11に挿通されたボルト12の頭部に引っ掛けることによりピース6を装着する。第2の工程は、第1実施形態と同様であり、鍔部11にフック30が被さるようにして離脱防止金具3を管継手に取り付け、鍔部11の背面とフック30との間隔を、それらの間に介在するピース6によって確保する。鍔部11の背面にピース6を介してフック30を宛がうことで、鍔部11の背面とフック30との間隔を容易に確保できるため、施工に手間がかからない。
[第3実施形態]
本実施形態では、図9に示したピース7を使用することにより間隔D(図2参照)を容易に確保できるようにしている。このピース7は、フック30の先端に被せることにより装着される。そのため、取り付けが簡単であり、施工に手間がかからない。ピース7は、可縮材で形成されているとともに、鍔部11の背面とフック30との間に、それらの間隔を確保するために介在している。
ピース7は、図9のように受口1の管軸を通って管径方向に延びる平面で切断したときの断面で見てU字状に形成されていて、フック30の先端に被せることにより装着可能に構成されている。ピース7は、鍔部11の背面とフック30との間に配置される部分の厚みが、他の部分の厚みよりも大きく形成されている。また、ピース7は、フック30の先端の周囲を被覆可能な袋状に形成されている。但し、フック30の先端に被せるタイプのピース7の形状は、これに限られるものではない。
管継手に離脱防止金具3を取り付けて離脱防止機能を発揮できるようにする作業は、ピース7を装着する第1の工程と、間隔Dが確保されるように離脱防止金具3を管継手に取り付ける第2の工程とを備える。第1の工程では、フック30の先端に被せることによりピース7を装着する。第2の工程は、第1実施形態と同様であり、鍔部11にフック30が被さるようにして離脱防止金具3を管継手に取り付け、鍔部11の背面とフック30との間隔を、それらの間に介在するピース7によって確保する。鍔部11の背面にピース7を介してフック30を宛がうことで、鍔部11の背面とフック30との間隔を容易に確保できるため、施工に手間がかからない。
ピースの態様が異なる第1〜第3実施形態を説明したが、これらは特に制約なく組み合わせて採用することが可能である。
前述の実施形態では、押輪15でシール材4を圧縮して密封するメカニカルタイプの管継手において、離脱防止金具3のフック30が受口1の鍔部11に被さるように配置される例を示したが、これに限られない。例えば、受口がセルフシーリング機能を有するプッシュオンタイプの管継手において、離脱防止金具のフックが受口の段部に被さるように配置される構成でもよい。ダクタイル鋳鉄管に用いられる管継手では、このような段部を有する受口としてT形やNS形、GX形などが規格化されている。
前述の実施形態では、管P1,P2がいずれも直管である例を示したが、これに限られず、例えば挿口2を有する管P2が曲管(ベンド管)であってもよい。かかる構成においては、ピースを用いて鍔部11の背面とフック30との間隔を確保することにより、係止部材32を管軸方向において精度良く位置決めできるため、挿口2の外周面の直線部分に対して複数の係止部材32の各々を適切に係止させるうえで都合が良いものとなる。
本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。
1 受口
2 挿口
3 離脱防止金具
5 ピース
6 ピース
7 ピース
10 離脱防止管継手
11 鍔部
12 ボルト(T頭ボルト)
30 フック
51 本体部
52 鉤状部
61 嵌入穴
P1 管
P2 管

Claims (5)

  1. 鍔部または段部を有する受口に挿口を挿入してなる管継手に離脱防止金具が取り付けられた離脱防止管継手において、
    前記離脱防止金具が、前記鍔部または前記段部に被さるように配置されるフックを有し、
    前記鍔部または前記段部の背面と前記フックとの間に、それらの間隔を確保するためのピースが介在し、前記ピースは可縮材により形成されており、
    前記鍔部もしくは前記段部に引っ掛けることにより、または前記鍔部に挿通されたボルトの頭部に引っ掛けることにより、または前記フックの先端に被せることにより、前記ピースが装着されていることを特徴とする離脱防止管継手。
  2. 前記ピースが、前記鍔部または前記段部の背面に対向して配置される本体部と、前記鍔部または前記段部に被さるように配置される鉤状部とを有していて、前記鍔部または前記段部に前記鉤状部を引っ掛けることにより装着可能に構成されている請求項1に記載の離脱防止管継手。
  3. 前記ピースが、前記受口の管周方向に沿って湾曲した板状部材により形成されているとともに、前記ボルトの頭部を嵌入するための嵌入穴を有していて、前記嵌入穴を前記ボルトの頭部に引っ掛けることにより装着可能に構成されている請求項1に記載の離脱防止管継手。
  4. 前記ピースが、前記受口の管軸を通って管径方向に延びる平面で切断したときの断面で見てU字状に形成されていて、前記フックの先端に被せることにより装着可能に構成されている請求項1に記載の離脱防止管継手。
  5. 鍔部または段部を有する受口に挿口を挿入してなる管継手に離脱防止金具を取り付けて離脱防止機能を発揮できるようにする管継手の離脱防止方法において、
    可縮材により形成されたピースを、前記鍔部もしくは前記段部に引っ掛けることにより、または前記鍔部に挿通されたボルトの頭部に引っ掛けることにより、または前記離脱防止金具が有するフックの先端に被せることにより装着する第1の工程と、
    前記鍔部または前記段部に前記フックが被さるようにして前記離脱防止金具を前記管継手に取り付け、前記鍔部または前記段部の背面と前記フックとの間隔を、それらの間に介在する前記ピースによって確保する第2の工程と、を備えることを特徴とする管継手の離脱防止方法。
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