JP2019196648A - 建物の制振システム及び建物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、小型で風及び地震に対応できる建物1の制振システム10及びこれを備えた建物1を提供する。【解決手段】 建物1の制振システム10は、建物1に固定される固定支持体20と、固定支持体20に第1吊材22を介して支持される可動支持体30と、可動支持体30に第2吊材32を介して支持される錘40と、固定支持体20と可動支持体30とに連結する第1アクチュエータ24と、第1アクチュエータ24を操作する制御装置50と、を含む。制御装置50は、取得した地震情報に基づいて第1アクチュエータ24を操作して第1吊材22の振動を制限して錘40の振動の周期を建物1の2次以上の固有周期の内いずれか1つに合わせる。【選択図】図2

Description

本発明は、建物の制振システム及びこれを備えた建物に関する。
従来、マンションやオフィスビルなどの多層構造の建物では、建物の屋上にチューンド・マス・ダンパー(以下「TMD」という)を設置して地震や風による建物の揺れを低減させることが提案されている。
例えば特許文献1においては、大径筒状の固定フレームの内側に同軸的に内挿されてそれぞれ順次吊材を介して吊持された移動フレームと振動体とを有する多段式のTMDが提案されている。
しかしながら、地震に対応するTMDは大型であるため屋上階の限られた面積に設置できる建物は稀であり、通常のTMDは地震には対応できていない。このようなTMDは、強風時の居住性向上のためにもっぱら用いられ、地震時にはTMDの錘が固定されて制振効果を発揮しないのが一般的である。
特開平7−34720号公報
そこで、本発明の目的は、小型で風及び地震に対応できる建物の制振システム及びこれを備えた建物を提供することを目的とする。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[1] 本発明に係る建物の制振システムの一態様は、
建物に固定される固定支持体と、
前記固定支持体に第1ばね要素を介して支持される可動支持体と、
前記可動支持体に第2ばね要素を介して支持される錘と、
前記固定支持体と前記可動支持体とに連結するアクチュエータと、
前記アクチュエータを操作する制御装置と、
を含み、
前記制御装置は、取得した地震情報に基づいて前記アクチュエータを操作して前記第1ばね要素の振動を制限して前記錘の振動の周期を前記建物の2次以上の固有周期の内いずれか1つに合わせることを特徴とする。
前記建物の制振システムの一態様によれば、地震時には錘の振動の周期を建物の2次以上の固有周期の内いずれか1つに合わせることにより当該システムの大型化を抑制しつつ、地震時にも制振機能を発揮することができる。
[2] 前記建物の制振システムの一態様において、
前記アクチュエータは、前記固定支持体に対する前記可動支持体の振動を減衰する減衰
手段であり、
前記制御装置が前記アクチュエータの減衰力を増減する指令を出力し、前記アクチュエータの減衰力を大きくすることで前記第1ばね要素の振動を制限することができる。
前記建物の制振システムの一態様によれば、アクチュエータを減衰手段とすることで、固定支持体と可動支持体との間の振動の減衰を行うと共にアクチュエータの減衰力を大きくすることで第1ばね要素の振動を制限することができる。
[3] 前記建物の制振システムの一態様において、
前記アクチュエータは、常閉型のリリーフバルブを備えるオイルダンパーであり、
前記制御装置は、強風時には前記リリーフバルブを開き、地震時には前記リリーフバルブを閉じた状態を維持することができる。
前記建物の制振システムの一態様によれば、アクチュエータを常閉型のリリーフバルブを備えるオイルダンパーとすることにより、リリーフバルブの開閉動作だけで強風時と地震時の揺れに対応することができる。
[4] 前記建物の制振システムの一態様において、
前記第1ばね要素は、前記固定支持体から前記可動支持体を吊り下げる複数の第1吊材であり、
前記第2ばね要素は、前記可動支持体から前記錘を吊り下げる複数の第2吊材であることができる。
前記建物の制振システムの一態様によれば、第1ばね要素及び第2ばね要素を第1吊材及び第2吊材とすることにより、構成が簡単となり低価格化も達成することができる。
[5] 前記建物の制振システムの一態様において、
前記アクチュエータは第1アクチュエータであって、
前記可動支持体と前記錘とに連結する第2アクチュエータをさらに含み、
前記第2アクチュエータは、回転慣性質量ダンパーであることができる。
前記建物の制振システムの一態様によれば、第2アクチュエータを回転慣性質量ダンパーとすることにより、錘を大型化することなく地震の揺れにも対応することができる。
[6] 前記建物の制振システムの一態様において、
前記建物に設置される加速度センサをさらに備え、
前記制御装置は、前記加速度センサから取得した加速度データが第1閾値及び第2閾値を超えたか否かを判定し、
前記制御装置は、
前記加速度データが前記第1閾値を超えたと判断すると前記錘の振動の周期を前記建物の1次固有周期に合わせるように前記アクチュエータを操作し、
前記加速度データが前記第2閾値を超えたと判断すると前記錘の振動の周期を前記建物の2次以上の固有周期の内いずれか1つに合わせるように前記アクチュエータを操作することができる。
前記建物の制振システムの一態様によれば、建物に設置された加速度センサの加速度データに基づいて1次固有周期と2次以上の固有周期の内いずれか1つとを切り替えることができる。
[7] 本発明に係る建物の一態様は、前記建物の制振システムの一態様が屋上または中
間階に設けられたことを特徴とする。
前記建物の一態様によれば、小型で風及び地震に対応できる建物の制振システムを備えることができる。
本発明によれば、小型で風及び地震に対応できる建物の制振システム及びこれを備えた建物を提供することができる。
本実施形態に係る建物の模式図である。 本実施形態に係る建物の制振システムの縦断面図である。 本実施形態に係る建物の制振システムのA−A断面図である。 第1アクチュエータの断面図である。 本実施形態に係る建物の制振システムの処理手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
本発明の一実施形態に係る建物の制振システムは、建物に固定される固定支持体と、前記固定支持体に第1ばね要素を介して支持される可動支持体と、前記可動支持体に第2ばね要素を介して支持される錘と、固定支持体と可動支持体とに連結するアクチュエータと、前記アクチュエータを操作する制御装置と、を含み、前記制御装置は、地震情報の入力に基づいて前記アクチュエータを操作して前記第1ばね要素の振動を制限して前記錘の振動の周期を前記建物の2次以上の固有周期の内いずれか1つに合わせることを特徴とする。
1.建物
本実施形態に係る建物1について図1を参照しながら説明する。図1は本実施形態に係る建物1の模式図である。
図1に示すように、建物1は、建物の制振システム10(以下「システム10」という)が建物1のいずれかの層例えば屋上RFまたは中間階に設けられる。屋上RFにシステム10が配置されることが最も制振効果を発揮する。
建物1は、マンションやオフィスビルなどの多層構造の建物であって、いわゆる高層ビルである。建物1は、風や地震によって揺れを低減するため、屋上RFに制振構造のシステム10が設けられる。システム10は屋上RF以外の場所に設けられてもよい。中間階にシステム10を設置する場合には例えば居室ではない領域例えば機械室などに設置することができる。建物1は、地震の揺れに対応するため地下に免震機構2を備えてもよい。
建物1の屋上RFには様々な機器が配置されるため、また中間階にあってはシステム10を設置可能な場所が限られるため、システム10の設置面積はより小さいことが望ましい。後述するようにシステム10は小型で風及び地震に対応できるため、システム10を採用することで建物1におけるシステム設置階の設計の自由度が向上する。
免震機構2は、公知の積層ゴム支承、弾性すべり支承、転がり支承、オイルダンパー等が採用できる。免震機構2は、風による建物1の揺れには大きな応答制御効果は発揮せず、地震による建物1の揺れに対して作用する。建物1が免震機構2を備えることにより、地震レベルに応じて建物1の1次固有周期が変化するため、TMDを1次固有周期に合わせることは特に難しい。
2.建物の制振システム
本実施形態に係るシステム10について図2及び図3を参照しながら説明する。図2は本実施形態に係るシステム10の縦断面図であり、図3は本実施形態に係るシステム10の図2におけるA−A断面図であり、図4は第1アクチュエータ24の断面図である。
図2及び図3に示すように、システム10は、建物1に固定される固定支持体20と、固定支持体20に第1ばね要素としての第1吊材22を介して支持される可動支持体30と、可動支持体30に第2ばね要素としての第2吊材32を介して支持される錘40と、固定支持体20と可動支持体30とに連結する第1アクチュエータ24と、第1アクチュエータを操作する制御装置50と、を含む。
システム10は、いわゆるTMD(Tuned Mass Damper)である。システム10は、振動を制御したい建物1にマス(付加重量)をダンパーとばねを介して取り付けて固有振動数を調整(Tuned)することで、建物1が受ける風や地震の振動をマスの揺れで吸収して建物1の振動を抑える装置である。
固定支持体20は、建物1のいずれかの層におけるシステム10の設置個所、例えば屋上RFに固定される。固定支持体20は、その内側に可動支持体30を支持する。固定支持体20は可動支持体30及び可動支持体30に支持された錘40を支持する強度を有する。固定支持体20は、システム10の筐体の最も外側を構成し、可動支持体30を囲むように配置される。固定支持体20は、例えば平面視四角形の頂点を形成するように屋上RFに立設する4本の柱体と、柱体の下方で柱体同士を連結して平面視四角形を形成する下枠と、柱体の上端で柱体同士を連結して平面視四角形を形成する上枠と、を含む。
第1ばね要素は、固定支持体20から可動支持体30を吊り下げる複数の第1吊材22である。第1吊材22とすることで構成が簡単となり低価格化も達成することができる。第1吊材22は、固定支持体20の上枠から垂下し、その下端に可動支持体30を吊り下げて保持する。第1吊材22は、錘40及び可動支持体30の水平方向への復元力を発揮する第1ばね要素として機能する。第1吊材22は、例えば4本であって、固定支持体20と可動支持体30との間に長さL2のワイヤーで形成される。
可動支持体30は、第1ばね要素としての第1吊材22を介して固定支持体20に支持される。可動支持体30は固定支持体20の内側に配置され、可動支持体30はその内側に錘40を囲むように配置する。可動支持体30は、固定支持体20の上枠から下方に延びる第1吊材22の下端に固定される平面視四角形の下枠と、該下枠から上方へ延びる4本の柱体と、柱体同士を連結する平面視四角形の上枠と、を含む。
第2ばね要素は、可動支持体30から錘40を吊り下げる複数の第2吊材32である。第2吊材32とすることにより、構成が簡単となり低価格化も達成することができる。第2吊材32は、可動支持体30の上枠から垂下し、その下端に錘40を吊り下げて保持する。第2吊材32は、錘40の水平方向への復元力を発揮する第2ばね要素として機能する。第2吊材32は錘40の上面から錘40内を通って錘40の下端で固定される。第2吊材32は可動支持体30の上枠の下面から錘40の上端までの長さL2振子として構成され、錘40を長さL2の振子のように揺らすことができる。長さL1+長さL2の振子
で建物1の1次固有周期と同期し、長さL2の振子で建物1の2次以上の固有周期の内いずれか1つの固有周期例えば2次固有周期と同期する。2次以上の固有周期のうち2次固有周期が最も長いので、2次固有周期に合わせることが制振効果の面から好ましい。第2吊材32は、例えば4本であって、可動支持体30から錘40の下端まで長さを有するワイヤーで形成される。本実施形態では第1ばね要素及び第2ばね要素は吊材を用いたが、これに限られるものではなく、例えば、TMDに用いられる他の公知のばね要素を採用してもよい、例えば端部がピン支持された鋼製柱等でもよい。第1吊材22及び第2吊材32は、ワイヤーを用いたが、TMDに用いられる他の公知の吊材を用いてもよい、例えば鋼製柱等でもよい。
錘40は、第2ばね要素としての第2吊材32を介して可動支持体30に支持される。錘40は可動支持体30の内側に配置される。錘40は、可動支持体30の上枠から下方に向けて延びる第2吊材32の下端に固定される。錘40は、水平方向へ振子のように移動可能である。
固定支持体20、第1吊材22、可動支持体30、第2吊材32及び錘40の形態は、公知のTMDに採用されるものを採用することができ、例えば、特開平7−34720号に開示されるようなものを採用できる。
第1アクチュエータ24は、その両端が固定支持体20と可動支持体30とに連結する。第1アクチュエータ24は、固定支持体20に対する可動支持体30の振動を減衰する減衰手段であってもよい。
図4に示すように第1アクチュエータ24は、常閉型のリリーフバルブ26を備えるオイルダンパーであることができる。第1アクチュエータ24は、シリンダ内部にピストン25とオイルタンク27とリリーフバルブ26と定オリフィス28とを備える。リリーフバルブ26は電磁弁である。オイルタンク27はピストン25の左右の油室を繋ぐ油路であり、定オリフィスによってオイルが移動可能である。リリーフバルブ26を開閉することでピストン25の左右の油室間のオイルの移動量を調整でき、その結果オイルダンパーとしての減衰力を調整することができる。リリーフバルブ26が閉じていれば第1アクチュエータ24のオイルの移動が制限されて減衰力を生じ、本実施形態では減衰力は無限大となって第1アクチュエータ24が伸縮せず固定支持体20と可動支持体30とを固定する。リリーフバルブ26を備えた第1アクチュエータ24としては市販のリリーフ機能付きオイルダンパーを採用することができる。第1アクチュエータ24の減衰力を制御できれば他の減衰手段例えばエアダンパーなどを用いてもよい。
システム10は、可動支持体30と錘40とに連結する第2アクチュエータ34をさらに含んでもよい。第2アクチュエータ34は、回転慣性質量ダンパーであってもよい。回転慣性質量ダンパーは、ボールねじ機構とナットによって回転を与えられる付加錘とを有する。第2アクチュエータ34を付加錘を有する回転慣性質量ダンパーとすることにより、錘40を大型化することなくシステム10を地震の揺れにも対応させることができる。
制御装置50は、第1アクチュエータ24を操作することができる。制御装置50は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算装置、メモリなどの記憶装置、データ等の入出力を行うインターフェースなどを含む。
制御装置50は、例えば外部から取得した地震情報に基づいて第1アクチュエータ24を操作して第1ばね要素である第1吊材22の振動を制限して錘40の振動の周期を建物1の2次以上の固有周期の内いずれか1つ例えば2次固有周期に合わせる。地震時には錘40の振動の周期を建物1の2次以上の固有周期の内いずれか1つに合わせることにより
システム10の大型化を抑制しつつ、地震時にも制振機能を発揮することができる。一般に、地震時には建物1は大きく揺れることになるが、それ以外の外的要因である例えば風や近隣の交通機関による振動は地震ほど大きな揺れにはならない。地震以外の振動を吸収するTMDが地震時の大きな振動も吸収するためには質量の大型化とばね要素の大型化が通常必要になる。システム10は、第2吊材32の振動により建物1の2次以上の固有周期の内いずれか1つの振動を吸収するため、1次固有周期に合わせたTMDのように大型化することなく地震時の振動の一部を吸収することができる。また、システム10は、第1吊材22の振動を制限しない状態においては、第1吊材22及び第2吊材32により建物1の長い周期の振動を吸収できるため、風などの要因による振動にも対応できる。
また、建物1が免震機構2を備えている場合には、例えばある建物1の1次固有周期は地震レベルに応じて3秒〜7秒の異なる周期を有するが、その建物1の2次固有周期は地震レベルに応じて例えば1.2秒〜1.7秒であり、3次以上の固有周期ではさらに短くなる。そのため、システム10の周期を建物1の2次以上の固有周期のいずれか1つに合わせることができれば、地震時に建物1の揺れを効率よく抑制することができる。
制御装置50は第1アクチュエータ24の減衰力を増減する指令を出力し、第1アクチュエータ24の減衰力を大きくすることで第1ばね要素である第1吊材22の振動を制限する。制御装置50の指令により第1アクチュエータ24の減衰力を大きくすることで第1吊材22の振動を制限することができる。第1アクチュエータ24の減衰力を大きくすることで第1吊材22の振動を停止してもよい。第1吊材22が固定されれば、システム10における錘40の周期は第2吊材32による振動だけとなり、1次固有周期よりも短い2次以上の固有周期の内いずれか1つに確実に適合させることができる。
より具体的には、制御システム10は、強風時には第1アクチュエータ24のリリーフバルブ26を開き、地震時にはリリーフバルブ26を閉じた状態を維持する。システム10によれば、リリーフバルブ26の開閉動作だけで強風時と地震時の揺れに対応することができる。リリーフバルブ26は電磁弁であって制御装置50からの信号を受けて開閉することができる。リリーフバルブ26に限らず、他の油圧バルブを採用することもできる。
図2に示すようにシステム10は建物1に設置される加速度センサ60をさらに備えてもよい。加速度センサ60は建物1が振動を受けるときの建物1の加速度を測定するものである。加速度センサ60は、建物1の屋上RFに設置してもよい。加速度センサ60としては、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いたものを採用することができる。
制御装置50は、加速度センサ60から取得した加速度データが第1閾値及び第2閾値を超えたか否かを判定する。第1閾値及び第2閾値は、予め設定されて制御装置50の記憶部に保存される。第1閾値は例えば所定の風速の強風による建物1の加速度に相当することができ、第2閾値は例えば所定の地震レベルによる建物1の加速度に相当することができる。
制御装置50は、加速度データが第1閾値を超えたと判断すると錘40の振動の周期を建物1の1次固有周期に合わせるように第1アクチュエータ24を操作する。制御装置50は、加速度データが第2閾値を超えたと判断すると錘40の振動の周期を建物1の2次以上の固有周期の内いずれか1つに合わせるように第1アクチュエータ24を操作する。システム10は、建物1に設置された加速度センサ60の加速度データ(現実に即したデータ)に基づいて1次固有周期と2次以上の固有周期の内いずれか1つとを切り替えることができる。制御装置50は、システム10が加速度センサ60を備えていない場合でも
、外部からの地震情報や風速情報に基づいて錘40の振動の周期を建物1の1次固有周期と2次以上の固有周期の内いずれか1つの固有周期とに切り替えてもよい。
3.建物の制振方法
本実施形態に係るシステム10による建物1の制振方法について図1〜図5を用いて説明する。図5は本実施形態に係るシステム10の処理手順を示すフローチャートである。
図5に示すように、システム10はS10〜S50の処理を行う。
S10:制御装置50は建物1に設置された加速度センサ60からの加速度データを取得する。
S20:制御装置50は取得した加速度データが第2閾値を超えたか否かを判定する。第2閾値を超えた場合(YES)にはS40を実行する。第2閾値以下の場合(NO)には制御装置50はS30を実行する。
S30:制御装置50は取得した加速度データが第1閾値を超えたか否かを判定する。第1閾値を超えた場合(YES)には制御装置50はS50を実行する。第1閾値以下の場合(NO)にはS40を実行する。
S40:制御装置50はリリーフバルブ26を閉じる信号を出力する。制御装置50からの信号によりリリーフバルブ26が閉じた状態を維持するか、既に弁が開いていた場合には弁を閉じる。リリーフバルブ26が閉じることにより、第1アクチュエータ24のオイルの移動が制限されて第1アクチュエータ24の減衰力が大きくなり、例えばロックされる。第1アクチュエータ24がロックされると固定支持体20に対して可動支持体30が水平方向へ移動できないため、錘40は第2吊材32の長さL2の周期で振動する。この周期が建物1の2次以上の固有周期の内いずれか1つと同期するため、システム10により建物1の2次以上の固有周期の内いずれか1つの振動を減衰することができる。地震のような大きな揺れに相当する加速度に第2閾値を設定することで建物1の2次以上の固有周期の内いずれか1つの振動を減衰することができる。
S50:制御装置50はリリーフバルブ26を開く信号を出力する。リリーフバルブ26が制御装置50からの信号により弁を開くと第1アクチュエータ24の減衰力が小さくなり、第1吊材22及び可動支持体30が振動する。リリーフバルブ26が開いた状態で錘40の振動が建物1の1次固有周期と同期するため、システム10により建物1の揺れを減衰することができる。地震に比べて揺れの小さな風などに相当する加速度に第1閾値を設定することで建物1の1次固有周期に合わせて建物1の揺れを減衰することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法、及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…建物、2…免震機構、10…システム、20…固定支持体、22…第1吊材、24…第1アクチュエータ、25…ピストン、26…リリーフバルブ、27…オイルタンク、
28…定オリフィス、30…可動支持体、32…第2吊材、34…第2アクチュエータ、40…錘、50…制御装置、60…加速度センサ

Claims (7)

  1. 建物に固定される固定支持体と、
    前記固定支持体に第1ばね要素を介して支持される可動支持体と、
    前記可動支持体に第2ばね要素を介して支持される錘と、
    前記固定支持体と前記可動支持体とに連結するアクチュエータと、
    前記アクチュエータを操作する制御装置と、
    を含み、
    前記制御装置は、取得した地震情報に基づいて前記アクチュエータを操作して前記第1ばね要素の振動を制限して前記錘の振動の周期を前記建物の2次以上の固有周期の内いずれか1つに合わせることを特徴とする、建物の制振システム。
  2. 請求項1に記載の建物の制振システムにおいて、
    前記アクチュエータは、前記固定支持体に対する前記可動支持体の振動を減衰する減衰手段であり、
    前記制御装置が前記アクチュエータの減衰力を増減する指令を出力し、前記アクチュエータの減衰力を大きくすることで前記第1ばね要素の振動を制限することを特徴とする、建物の制振システム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の建物の制振システムにおいて、
    前記アクチュエータは、常閉型のリリーフバルブを備えるオイルダンパーであり、
    前記制御装置は、強風時には前記リリーフバルブを開き、地震時には前記リリーフバルブを閉じた状態を維持することを特徴とする、建物の制振システム。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の建物の制振システムにおいて、
    前記第1ばね要素は、前記固定支持体から前記可動支持体を吊り下げる複数の第1吊材であり、
    前記第2ばね要素は、前記可動支持体から前記錘を吊り下げる複数の第2吊材であることを特徴とする、建物の制振システム。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の建物の制振システムにおいて、
    前記アクチュエータは第1アクチュエータであって、
    前記可動支持体と前記錘とに連結する第2アクチュエータをさらに含み、
    前記第2アクチュエータは、回転慣性質量ダンパーであることを特徴とする、建物の制振システム。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の建物の制振システムにおいて、
    前記建物に設置される加速度センサをさらに備え、
    前記制御装置は、前記加速度センサから取得した加速度データが第1閾値及び第2閾値を超えたか否かを判定し、
    前記制御装置は、
    前記加速度データが前記第1閾値を超えたと判断すると前記錘の振動の周期を前記建物の1次固有周期に合わせるように前記アクチュエータを操作し、
    前記加速度データが前記第2閾値を超えたと判断すると前記錘の振動の周期を前記建物の2次以上の固有周期の内いずれか1つに合わせるように前記アクチュエータを操作することを特徴とする、建物の制振システム。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の建物の制振システムが屋上または中間階に設けられたことを特徴とする、建物。
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