JP2000220692A - 拘束・解放型制振装置 - Google Patents

拘束・解放型制振装置

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JP2000220692A
JP2000220692A JP11023771A JP2377199A JP2000220692A JP 2000220692 A JP2000220692 A JP 2000220692A JP 11023771 A JP11023771 A JP 11023771A JP 2377199 A JP2377199 A JP 2377199A JP 2000220692 A JP2000220692 A JP 2000220692A
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立太 片村
Yoshinori Matsunaga
義憲 松永
Tatsuji Nakano
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケーブルのサグの変化に関係なく、また構造
体の拘束時に衝突を発生させることなく、構造体の振動
を受動的に抑制する。 【解決手段】 ピストンロッド4と、内部がピストン41
を挟んで二室51,52に区分され、二室51,52に、二室5
1,52間を移動自在に流体6が充填されたシリンダ5か
ら制振装置3を構成し、シリンダ5の二室51,52間に取
り付けられる拘束・解放弁7によって流体6の移動を拘
束状態と自由状態とに切り替え、その切り替えによって
構造体1の振動の拘束と解放を切り替える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は斜張橋の斜材ケー
ブルの他、構造物の振動制御、もしくは構造物の転倒防
止等のために構造物の二点間に亘って張架されるケーブ
ルの振動、あるいは構造物自身の振動を低減する拘束・
解放型制振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】例えば
斜張橋の斜材ケーブルを始め、構造物の振動制御や構造
物の転倒防止等の目的で、構造物の距離を隔てた二点間
に亘って張架されるケーブルは風や地震等により振動を
起こすため、振動に伴う疲労による損傷を回避する必要
から、ケーブルには振動低減装置が付加される。
【0003】斜張橋の斜材ケーブルの場合には複数本の
斜材ケーブルをロープで互いに連結し、斜材ケーブル同
士の干渉により振動を抑制する方法、斜材ケーブルの主
桁への定着部付近にダンパを接続して振動を抑制する方
法、並列する斜材ケーブル間にスペーサを配置して振動
を拘束する方法等があるが、ロープを用いる方法では振
動の方向とロープの方向が一致しなければ効果がなく、
ダンパを接続する方法でも振幅の小さい定着部付近では
効果が小さくなる。スペーサを配置する方法ではケーブ
ルにスペーサの配置位置を節とする新たな振動が生ずる
問題があり、いずれも有効な振動抑制方法とは言えな
い。
【0004】そこで、出願人はケーブルの拘束と解放を
切り替えることによりケーブルの振動モードを変化さ
せ、振動の抑制を能動的に行う装置(特開平8-326013
号)と受動的に行う装置(特開平9-71903号)を提案し
ている。
【0005】受動的に振動を抑制する制振装置はケーブ
ルを包囲する磁性体と、その回りを距離をおいて包囲す
る磁石から構成され、ケーブルが一定振幅以上の振動を
生じたときに磁性体と磁石間の吸引力によりケーブルの
振動を拘束し、ケーブルが拘束時と逆位相側へ振動し、
磁性体に加わる力が吸引力を超えたときにケーブルの拘
束を解放することで、1次モードの振動を減衰させるも
のであるが、永久磁石の場合、吸引力の大きさは決まっ
ていることから、クリープによってケーブルのサグ(垂
れ下がり量)が変化し、磁性体と磁石間距離が変化した
ときに、一定振幅の振動時にも磁性体が磁石に吸引され
ず、拘束と解放の切り替えが確実に行えないことが起こ
り得る。
【0006】また磁性体が磁石に吸引されるときに両者
が衝突するため、衝突音の発生と、衝突による損傷が問
題になる。この発明はケーブルに使用された場合に、ケ
ーブルのサグの変化に関係なく、また衝突を起こすこと
なく、受動的にケーブルの振動モードを変化させ、振動
を抑制する装置を提案するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明ではピストンロッ
ドと、内部がピストンを挟んで二室に区分され、二室
に、二室間を移動自在に流体が充填されたシリンダから
制振装置を構成し、シリンダの二室間に取り付けられる
拘束・解放弁によって流体の移動を拘束状態と自由状態
とに切り替え、その切り替えによってケーブル等の振動
の拘束と解放を切り替えることにより、ケーブルに使用
された場合に、ケーブルのサグの変化に関係なく、ケー
ブルの振動の拘束と解放の切り替えを確実に生じさせる
と共に、衝突の問題を解消する。
【0008】制振装置は構造物において、振動時に相対
変位を生ずる二構造体間に設置され、ピストンロッドが
いずれか一方の構造体に接続され、シリンダが他方の構
造体に接続される。
【0009】制振装置がケーブルに使用される場合に
は、請求項2に記載のように構造物の距離を隔てた二点
間に張架されるケーブルが一方の構造体となり、ケーブ
ルのいずれか一方の定着部側の構造体が他方の構造体と
なる。
【0010】構造物の内部に設置される場合には、請求
項3に記載のように構造物の柱・梁のフレームの一部に
接続しながら、接続した側に対向する側から絶縁された
耐震要素が一方の構造体となり、前記フレームが他方の
構造体となる。
【0011】耐震要素はフレームの一部に接続しなが
ら、その対向する側から絶縁されることで、構造物の振
動時にフレームの絶縁された側に対して振動しようとす
るが、その側において制振装置を介してフレームに接続
することにより振動時のフレームに対する相対変位量が
制限される。
【0012】耐震要素のフレームに対する相対変位量は
制振装置が耐震要素の振動を拘束するときに制限され、
そのときに耐震要素の剛性がフレームの剛性に付加され
る。制振装置が耐震要素の拘束を解放したときに耐震要
素とフレーム間の相対変位が自由に生じ、このとき耐震
要素の剛性はフレームの剛性に付加されない。
【0013】制振装置による耐震要素の拘束と解放の切
り替えによってフレームの剛性は可変となり、フレーム
の剛性の調整によって構造物の振動が制御され、特に構
造物の1次振動モードでの共振が防止される。
【0014】拘束・解放弁は二構造体間の相対変位に伴
い、ピストンロッドに作用する軸力がある一定値を超え
たときに開いて流体の移動を自由にし、ピストンロッド
の移動の向きが変わったときに閉じて流体の移動を拘束
する。
【0015】ケーブルや耐震要素等の一方の構造体が振
動を生じず、流体が静止した状態では拘束・解放弁は閉
じた状態にあり、流体の移動を拘束することで一方の構
造体を拘束した状態を維持する。
【0016】一方の構造体が振動を生じ、その振動によ
りピストンロッドがシリンダに対して移動しようとし、
二室の流体間の圧力差が一定値を超えたときに拘束・解
放弁が開き、拘束・解放弁を通じて流体が二室間を移動
することで、一方の構造体は拘束を解放された状態にな
り、他方の構造体に対して自由に振動する。
【0017】ピストンロッドに作用する軸力が一定値を
超えたときに拘束・解放弁が流体の移動を自由にし、ピ
ストンロッドの移動の向きが変わったときに流体の移動
を拘束することは、例えば請求項4に記載のように二室
を仕切るピストン、もしくはシリンダ内の各室に連通す
る空間を有するケーシングの隔壁と拘束・解放弁のいず
れか一方に磁性体を使用し、他方に永久磁石を使用する
ことにより行える。
【0018】この他、ピストンや隔壁と拘束・解放弁の
いずれか一方に、永久磁石に代えて電磁石を使用し、ピ
ストンロッドに作用する軸力の有無や大きさに基づいて
電流のON,OFFを切り替える、あるいは電流の強さを調整
することによっても一定値を超える軸力の作用時に拘束
・解放弁を開き、ピストンロッドの移動の向きが変わっ
たときに拘束・解放弁を閉じる制御が行える。
【0019】これらの場合、ピストンや隔壁と拘束・解
放弁間の吸引力を二室の流体間の圧力差が上回ったとき
に拘束・解放弁が開き、流体間の圧力差がなくなり、吸
引力が流体の抵抗を上回ったときに拘束・解放弁が閉じ
る。
【0020】拘束・解放弁は請求項5に記載のように二
室間を流体が移動するよう、中空部を有する筒体を持
ち、筒体の一端には閉じたときにピストンや隔壁に係止
する弁が接合され、他端には開いたときにピストンや隔
壁に係止するストッパが接合される。
【0021】筒体には流路孔が開けられ、中空部を通じ
て流路孔とストッパ側の端部とが連通するが、二室の流
体間の圧力差がなくなったときに拘束・解放弁が閉じる
よう、弁に磁性体、もしくは永久磁石が使用される。ピ
ストンや隔壁と弁のいずれか一方が磁性体で、他方が磁
石であることから、筒体とストッパは非磁性体で形成さ
れる。
【0022】前記一方の構造体が振動を始め、一旦拘束
・解放弁が開いた状態では二室の流体間の圧力差が小さ
くなっても、ピストンロッドの移動の向きが変化するま
では拘束・解放弁は開いた状態を保つ。ピストンロッド
の移動の向きが変化し、ピストンロッドの移動速度が0
になったとき、すなわち圧力差がなくなったときに拘束
・解放弁が閉じてピストンロッドの移動を拘束し、一方
の構造体の振動を拘束する。一方の構造体の振動が継続
している間、ピストンロッドの移動速度は一方の構造体
の変位が最大のときに0になる。
【0023】請求項4、請求項5の場合は、流体間の圧
力差がなくなったとき、ピストンや隔壁と弁との間の吸
引力が流体の抵抗を上回ることによって拘束・解放弁が
閉じ、ピストンロッドの移動を拘束する。
【0024】一方の構造体の振動の拘束と解放が二室の
流体の拘束状態と自由状態の切り替えにより切り替わ
り、振幅の大きさに関係なく行われるため、制振装置が
ケーブルに使用された場合にはケーブルのサグの変化に
関係なく、拘束と解放の切り替えが確実に生じる。また
一方の構造体の拘束が流体の拘束によって行われること
で、磁性体と磁石間の吸引力を直接、拘束と解放に利用
する場合の衝突の問題は発生しない。
【0025】例えば風によって生ずるケーブルの振動は
自励振動の一種であり、主に1次モードで振動する。ケ
ーブルが1次モードで振動を開始したときにはケーブル
の定着部付近の1点が拘束されているため、図4−(a)
に示すように拘束点を節としたモードで振動をする。
【0026】ケーブルの振幅がある程度に達し、ピスト
ンロッドに例えば拘束・解放弁とピストンや隔壁間の吸
引力を超える一定の引張力や圧縮力が働いたとき、(b)
に示すようにケーブルは拘束から解放される。
【0027】ケーブルの拘束が振動中に解放されたとき
には1次モードの振動が乱され、高次モードの振動が発
生する。このことは1次モードの振動エネルギが高次モ
ードへ移行した結果、1次モードの振動振幅が小さくな
り、振動が低減されることを示す。高次モードの振動は
発生後、直ちに減衰して消滅する。
【0028】その後、(c) に示すようにピストンロッド
の移動の向きが変化するとき、すなわちケーブルの振幅
が最大になり、ケーブルの速度が0になったとき、二室
の流体間の圧力差がなくなり、例えば拘束・解放弁とピ
ストンや隔壁間の吸引力によって拘束・解放弁が閉じる
ことで再び拘束点が拘束され、(d) に示すようにケーブ
ルは拘束点を節としたモードで振動をする。
【0029】ケーブルが逆位相側へ変位し、ピストンロ
ッドに例えば拘束・解放弁と隔壁間の吸引力を超える一
定の圧縮力や引張力が働いたとき、(e) に示すように再
びケーブルは拘束から解放され、1次モードの振動が乱
され、振動が低減される。
【0030】ケーブルが逆位相側へ変位した後は、(f)
に示すようにケーブルの振幅が最大になったときに、二
室の流体間の圧力差がなくなることで再び拘束点が拘束
される。その後は(c) 〜(f) の振動を繰り返し、ケーブ
ルは1周期の間に二度、1次モードの振動が乱され、そ
の度に振動が低減されることになる。
【0031】
【発明の実施の形態】この発明の制振装置3は図5,図
6に示すように構造物において、振動時に相対変位を生
ずる二構造体1,2間に設置され、図1に示すようにい
ずれか一方の構造体1に接続されるピストンロッド4
と、他方の構造体2に接続されるシリンダ5から構成さ
れる。
【0032】図5では一方の構造体1が構造物の距離を
隔てた二点間に張架されるケーブルで、他方の構造体2
がケーブルのいずれか一方の定着部側の構造体である場
合を示している。ケーブルは図5に示すように斜張橋の
斜材ケーブルの他、構造物の頂部や中間部と地上との間
等に、構造物の振動制御や転倒防止、あるいは構造物の
支持のために構造物の外部や内部に、二点間に亘って張
架されるケーブル全般を含む。
【0033】図6は一方の構造体1が構造物の柱・梁の
フレームの一部に接続しながら、接続した側に対向する
側のフレームから絶縁された耐震要素であり、他方の構
造体2がフレームである場合を示す。
【0034】耐震要素には図6に示すようなブレースの
他、耐震壁や間柱等が使用され、耐震要素の上端や下
端、もしくは左端や右端のいずれか一方の端部がフレー
ムに接続し、他方の端部がフレームから絶縁される。制
振装置3はこの絶縁された耐震要素の端部とフレームと
の間に設置され、耐震要素の端部とフレームのいずれか
一方にピストンロッド4が接続され、他方にシリンダ5
が接続される。
【0035】耐震要素は構造物の振動時に制振装置3に
よる拘束を受けない状態ではフレームの絶縁された側に
対して自由に振動し、拘束を受けたときにフレームと共
に振動し、耐震要素の剛性がフレームの剛性に付加され
る。
【0036】ピストンロッド4とシリンダ5は一方の構
造体1と他方の構造体2に対し、両構造体1,2間の相
対変位時にピストンロッド4に軸力が作用し、曲げモー
メントや捩じりモーメントが作用しない状態に接続され
る。
【0037】シリンダ5の内部はピストン41を挟んで二
室51,52に区分され、二室51,52に、二室51,52間を移
動自在に流体6が充填される。シリンダ5の二室51,52
間には流体6の移動を拘束状態と自由状態とに切り替
え、一方の構造体1と他方の構造体2との間に相対変位
が生じ、ピストンロッド4に作用する軸力がある一定値
を超えたときに流体6の移動を自由にし、ピストンロッ
ド4の移動の向きが変わったときに流体6の移動を拘束
する拘束・解放弁7が取り付けられる。図1−(b) は拘
束・解放弁7の詳細を示す。
【0038】流体6にはオイルのようにピストン41から
加わる圧力の損失のない非圧縮性流体が使用される。ま
た移動が拘束されている状態から移動が自由になるとき
の流体6の流れが即座に行われるよう、拘束・解放弁7
を通過するときに減衰力が発生しない、粘性の小さい流
体が使用される。
【0039】拘束・解放弁7は一方の室51(52)から他
方の室52(51)へ流体6を二方向に移動させるために向
きを変えて二個取り付けられる。図面ではシリンダ5に
隣接し、シリンダ5内の各室51,52に連通する空間を有
するケーシング8を固定し、ケーシング8の内部を区分
する隔壁81に二個の拘束・解放弁7,7を取り付けてい
るが、ピストン41に付ける場合もある。
【0040】拘束・解放弁7はピストンロッド4の移動
の向きが変わったときに流体6の移動を拘束することか
ら、ピストン41を挟んだ両側の流体6,6の圧力差がな
くなったときに閉じるために、磁力によって隔壁81に吸
引されるよう、隔壁81やピストン41と、拘束・解放弁7
のいずれか一方に磁性体が使用され、他方に永久磁石や
電磁石が使用される。
【0041】拘束・解放弁7は中空部72を有する非磁性
体の筒体71と、筒体71の一端に接合され、閉じたときに
隔壁81やピストン41に係止する磁性体、もしくは永久磁
石等の弁73と、開いたときに隔壁81やピストン41に係止
する非磁性体のストッパ74からなり、図1−(b) に示す
ように筒体71の中空部72には流路孔75が開けられ、中空
部72を通じて流路孔75とストッパ74側の端部とが連通す
る。
【0042】一方の構造体1が振動を生じていないとき
は、シリンダ5内の二室51,52の流体6,6の圧力に差
がないため、図2−(a) ,図3−(a) に示すように拘束
・解放弁7,7は弁73が隔壁81やピストン41に吸引さ
れ、係止することで、閉じた状態を保つ。このとき、ピ
ストン41が拘束され、構造体1の、制振装置3との接続
点が拘束された状態にある。
【0043】構造体1に振動が生じ、図1においてピス
トンロッド4に加わる引きの力が大きくなると、右側の
室51内の流体6の圧力が高くなり、弁73と隔壁81やピス
トン41間の吸引力以上の力が拘束・解放弁7に加わった
ときに、図2−(b) ,図3−(b) に示すように一方の拘
束・解放弁7が開き、右側の流体6が拘束・解放弁7の
中空部72と流路孔75を通じて左側の室52内へ移動する。
一方の拘束・解放弁7が開くと同時に、ケーブルの場合
の振動の様子を示す図4−(b) に示すように構造体1の
拘束が解放される。
【0044】一方の拘束・解放弁7が一旦開き、流体6
が移動している間は移動する流体6の抵抗によって弁73
と隔壁81やピストン41間の吸引力によっては拘束・解放
弁7が閉じることはなく、開いた状態を保ち、構造体1
は解放されたままの状態にある。
【0045】構造体1が最大振幅を迎えた後、最初の振
動時と逆位相側へ振動し始め、図1においてピストンロ
ッド4に押しの力が加わり、左側の室52内の流体6の圧
力が高くなり、左側の流体6が右側の室51内へ移動しよ
うとするとき、図3−(a) に示すように開いている拘束
・解放弁7が吸引力によって閉じ、図2−(c) に示すよ
うに一時的に両拘束・解放弁7,7が閉じた状態にな
り、一旦ピストンロッド4が拘束され、構造体1は図4
−(c) ,(d) に示すように拘束される。
【0046】更に左側の流体6の圧力が弁73と隔壁81や
ピストン41間の吸引力を上回ったとき、図3−(c) に示
すようにピストンロッド4に引きの力が作用していると
きに閉じている他方の拘束・解放弁7が開き、左側の流
体6が右側へ移動しようとし、ピストンロッド4の拘束
が解除され、図4−(e) に示すように構造体1の拘束が
解放される。
【0047】構造体1が逆位相側へ変位し、構造体1の
振幅が最大になった後、図1においてピストンロッド4
に引きの力が加わったとき、再び二室51,52の流体6,
6間の圧力差がなくなることでピストンロッド4が拘束
され、図4−(f) に示すように構造体1が拘束される。
【0048】
【発明の効果】ピストンロッドと、内部がピストンを挟
んで二室に区分され、二室に、二室間を移動自在に流体
が充填されたシリンダから制振装置を構成し、二室間に
取り付けられる拘束・解放弁によって流体の移動を拘束
状態と自由状態とに切り替え、その切り替えによって構
造体の振動の拘束と解放を切り替えるため、ケーブルに
使用される場合にはケーブルのサグの変化に関係なく、
ケーブルの拘束と解放の切り替えを確実に生じさせるこ
とができる。
【0049】また構造体の拘束を流体の拘束によって行
うため、磁性体と磁石間の吸引力を直接、拘束と解放に
利用する場合の衝突に伴う音の発生と損傷の問題は発生
せず、装置の耐久性は低下しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は制振装置の構成例を示した断面図、(b)
は(a) における拘束・解放弁の拡大図である。
【図2】(a) はピストンが拘束されている状態を示した
断面図、(b) はピストンが移動し始めるときの様子を示
した断面図、(c) はピストンが再度拘束された状態を示
した断面図である。
【図3】(a) は両拘束・解放弁が閉じている状態を示し
た断面図、(b) は一方の拘束・解放弁が開いた状態を示
した断面図、(c) は他方の拘束・解放弁が開いた状態を
示した断面図である。
【図4】(a) 〜(f) はケーブルが振動を開始したときか
ら逆位相側へ振動したときまでの拘束状態と解放状態の
変化を示した概要図である。
【図5】制振装置の設置例を示した立面図である。
【図6】制振装置の他の設置例を示した立面図である。
【符号の説明】
1……一方の構造体、2……他方の構造体、3……制振
装置、4……ピストンロッド、41……ピストン、5……
シリンダ、51,52……室、6……流体、7……拘束・解
放弁、71……筒体、72……中空部、73……弁、74……ス
トッパ、75……流路孔、8……ケーシング、81……隔
壁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 龍児 東京都調布市飛田給2丁目19番1号 鹿島 建設株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 2D059 BB08 GG15 3J048 AA06 AC04 AD12 BE03 BG06 CB19 DA01 DA02 EA38 EA39 3J069 AA50 DD49 EE01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物において、振動時に相対変位を生
    ずる二構造体間に設置される制振装置であり、いずれか
    一方の構造体に接続されるピストンロッドと、他方の構
    造体に接続され、内部がピストンを挟んで二室に区分さ
    れ、二室に、二室間を移動自在に流体が充填されたシリ
    ンダから構成され、シリンダの二室間に、流体の移動を
    拘束状態と自由状態とに切り替え、二構造体間の相対変
    位に伴い、ピストンロッドに作用する軸力がある一定値
    を超えたときに流体の移動を自由にし、ピストンロッド
    の移動の向きが変わったときに流体の移動を拘束する拘
    束・解放弁が取り付けられている拘束・解放型制振装
    置。
  2. 【請求項2】 一方の構造体は構造物の距離を隔てた二
    点間に張架されるケーブルであり、他方の構造体はケー
    ブルのいずれか一方の定着部側の構造体である請求項1
    記載の拘束・解放型制振装置。
  3. 【請求項3】 一方の構造体は構造物の柱・梁のフレー
    ムの一部に接続しながら、接続した側に対向する側から
    絶縁された耐震要素であり、他方の構造体は前記フレー
    ムである請求項1記載の拘束・解放型制振装置。
  4. 【請求項4】 二室を仕切るピストン、もしくはシリン
    ダ内の各室に連通する空間を有するケーシングの隔壁と
    拘束・解放弁のいずれか一方に磁性体が使用され、他方
    に永久磁石が使用されている請求項1乃至請求項3のい
    ずれかに記載の拘束・解放型制振装置。
  5. 【請求項5】 拘束・解放弁は非磁性体の筒体と、筒体
    の一端に接合され、閉じたときにピストン、もしくは隔
    壁に係止する磁性体、もしくは永久磁石の弁と、筒体の
    他端に接合され、開いたときにピストン、もしくは隔壁
    に係止する非磁性体のストッパから構成され、筒体には
    その中空部に連通する流路孔が開けられ、中空部を通じ
    て流路孔とストッパ側の端部とが連通している請求項4
    記載の拘束・解放型制振装置。
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