以下に、本開示に係る実施形態の一例について、図面を参照しつつより詳細に説明する。以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
[基板処理システム]
図1に示されるように、基板処理システム1(基板処理装置)は、塗布現像装置2(基板処理装置)と、露光装置3と、コントローラ10(制御部)とを備える。露光装置3は、ウエハW(基板)の表面に形成されたレジスト膜の露光処理(パターン露光)を行う。具体的には、液浸露光等の方法によりレジスト膜(感光性被膜)の露光対象部分に選択的にエネルギー線を照射する。エネルギー線としては、例えばArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、g線、i線、又は極端紫外線(EUV:Extreme Ultraviolet)が挙げられる。
塗布現像装置2は、露光装置3による露光処理の前に、ウエハWの表面にレジスト膜を形成する処理を行い、露光処理後にレジスト膜の現像処理を行う。ウエハWは、円板状を呈してもよいし、円形の一部が切り欠かれていてもよいし、多角形など円形以外の形状を呈していてもよい。ウエハWは、例えば、半導体基板、ガラス基板、マスク基板、FPD(Flat Panel Display)基板その他の各種基板であってもよい。ウエハWの直径は、例えば200mm〜450mm程度であってもよい。
図1〜図3に示されるように、塗布現像装置2は、キャリアブロック4と、処理ブロック5と、インターフェースブロック6とを備える。キャリアブロック4、処理ブロック5及びインターフェースブロック6は、水平方向に並んでいる。
キャリアブロック4は、図1及び図3に示されるように、キャリアステーション12と、搬入搬出部13とを有する。キャリアステーション12は複数のキャリア11を支持する。キャリア11は、少なくとも一つのウエハWを密封状態で収容する。キャリア11の側面11aには、ウエハWを出し入れするための開閉扉(図示せず)が設けられている。キャリア11は、側面11aが搬入搬出部13側に面するように、キャリアステーション12上に着脱自在に設置される。
搬入搬出部13は、キャリアステーション12及び処理ブロック5の間に位置している。搬入搬出部13は、複数の開閉扉13aを有する。キャリアステーション12上にキャリア11が載置される際には、キャリア11の開閉扉が開閉扉13aに面した状態とされる。開閉扉13a及び側面11aの開閉扉を同時に開放することで、キャリア11内と搬入搬出部13内とが連通する。搬入搬出部13は、搬送アームA1を内蔵している。搬送アームA1は、キャリア11からウエハWを取り出して処理ブロック5に渡し、処理ブロック5からウエハWを受け取ってキャリア11内に戻す。
処理ブロック5は、図1及び図2に示されるように、モジュール14〜17を有する。これらのモジュールは、床面側からモジュール17、モジュール14、モジュール15、モジュール16の順に並んでいる。
モジュール14は、ウエハWの表面上に下層膜を形成するように構成されており、BCTモジュールとも呼ばれる。モジュール14は、図2及び図3に示されるように、複数の塗布用のユニットU1と、複数の熱処理用のユニットU2と、これらのユニットU1,U2にウエハWを搬送する搬送アームA2とを内蔵している。モジュール14のユニットU1は、下層膜形成用の塗布液をウエハWの表面に塗布して塗布膜を形成するように構成されている。モジュール14のユニットU2は、例えば熱板113(後述する)によりウエハWを加熱し、加熱後のウエハWを例えば冷却板121(後述する)により冷却して熱処理を行うように構成されている。モジュール14において行われる熱処理の具体例としては、塗布膜を硬化させて下層膜とするための加熱処理が挙げられる。下層膜としては、例えば、反射防止(SiARC)膜が挙げられる。
モジュール15は、下層膜上に中間膜(ハードマスク)を形成するように構成されており、HMCTモジュールとも呼ばれる。モジュール15は、図2及び図3に示されるように、複数の塗布用のユニットU1と、複数の熱処理用のユニットU2と、これらのユニットU1,U2にウエハWを搬送する搬送アームA3とを内蔵している。モジュール15のユニットU1は、中間膜形成用の塗布液をウエハWの表面に塗布して塗布膜を形成するように構成されている。モジュール15のユニットU2は、例えば熱板113(後述する)によりウエハWを加熱し、加熱後のウエハWを例えば冷却板121(後述する)により冷却して熱処理を行うように構成されている。モジュール15において行われる熱処理の具体例としては、塗布膜を硬化させて中間膜とするための加熱処理が挙げられる。中間膜としては、例えば、SOC(Spin On Carbon)膜、アモルファスカーボン膜が挙げられる。
モジュール16は、中間膜上に熱硬化性且つ感光性のレジスト膜を形成するように構成されており、COTモジュールとも呼ばれる。モジュール16は、図2及び図3に示されるように、複数の塗布用のユニットU1と、複数の熱処理用のユニットU2と、これらのユニットU1,U2にウエハWを搬送する搬送アームA4とを内蔵している。モジュール16のユニットU1は、レジスト膜形成用の処理液(レジスト剤)を中間膜の上に塗布して塗布膜を形成するように構成されている。モジュール16のユニットU2は、例えば熱板113(後述する)によりウエハWを加熱し、加熱後のウエハWを例えば冷却板121(後述する)により冷却して熱処理を行うように構成されている。モジュール16において行われる熱処理の具体例としては、塗布膜を硬化させてレジスト膜とするための加熱処理(PAB:Pre Applied Bake)が挙げられる。
モジュール17は、露光されたレジスト膜の現像処理を行うように構成されており、DEVモジュールとも呼ばれる。モジュール17は、図2及び図3に示されるように、複数の現像用のユニットU1と、複数の熱処理用のユニットU2と、これらのユニットU1,U2にウエハWを搬送する搬送アームA5と、これらのユニットU1,U2を経ずにウエハWを棚ユニットU10,U11(後述する)間において直接搬送する搬送アームA6とを内蔵している。モジュール17のユニットU1は、レジスト膜を部分的に除去してレジストパターンを形成するように構成されている。モジュール17のユニットU2は、例えば熱板113(後述する)によりウエハWを加熱し、加熱後のウエハWを例えば冷却板121(後述する)により冷却して熱処理を行うように構成されている。モジュール17において行われる熱処理の具体例としては、現像処理前の加熱処理(PEB:Post Exposure Bake)、現像処理後の加熱処理(PB:Post Bake)等が挙げられる。
処理ブロック5内におけるキャリアブロック4側には、図2及び図3に示されるように、棚ユニットU10が設けられている。棚ユニットU10は、床面からモジュール15に亘るように設けられており、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。棚ユニットU10の近傍には搬送アームA7が設けられている。搬送アームA7は、棚ユニットU10のセル同士の間でウエハWを昇降させる。
処理ブロック5内におけるインターフェースブロック6側には、棚ユニットU11が設けられている。棚ユニットU11は床面からモジュール17の上部に亘るように設けられており、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。棚ユニットU11の近傍には搬送アームA8が設けられている。搬送アームA8は、棚ユニットU11のセル同士の間でウエハWを昇降させる。
インターフェースブロック6は、搬送アームA9を内蔵しており、露光装置3に接続される。搬送アームA9は、棚ユニットU11のウエハWを取り出して露光装置3に渡し、露光装置3からウエハWを受け取って棚ユニットU11に戻すように構成されている。
コントローラ10は、基板処理システム1を部分的又は全体的に制御する。コントローラ10の詳細については後述する。
[熱処理用のユニットの構成]
次に、熱処理用のユニットU2の構成について、図4〜図9を参照してさらに詳しく説明する。
ユニットU2は、図4及び図5に示されるように、筐体100内に、ウエハWを加熱するウエハ加熱部110と、ウエハWを冷却するウエハ冷却部120と、気流を発生させて搬送アームA2〜A5のパッドAm4(後述する)を冷却する冷却部130と、冷却部130によって発生された気流を吸引するように構成された吸引部140とを有する。筐体100のうちウエハ冷却部120に対応する部分の端壁には、搬送アームA2〜A5が出入り可能な搬入出口101が形成されている。搬送アームA2〜A5は、ウエハWを筐体100の内部に搬入すると共にウエハWを筐体100外へと搬出するように構成されている。
搬送アームA2〜A5は、図5に示されるように、基端部Am1と、一対のアーム部材Am2とを含む。一対のアーム部材Am2は、基端部Am1から先端側に向けて円弧状に延びている。アーム部材Am2の内周縁には、複数の支持突起Am3が設けられている。これらの支持突起Am3は、アーム部材Am2の内周縁から内側に向けて突出している。支持突起Am3は、図5〜図7に示されるように、ウエハWの下面を支持するように構成されたパッドAm4を含む。搬送アームA2〜A5は、基端部Am1に設けられたアーム駆動部Am5により駆動され、例えば上下方向に移動可能に構成されている。
パッドAm4は、支持突起Am3の先端部に設けられている。搬送アームA2〜A5にウエハWが載置された状態において、ウエハWとパッドAm4とは重なり合っている。これにより、ウエハWは、各パッドAm4によって支持される。パッドAm4は、耐熱性が高く、可塑性を有する材質で構成されていてもよい。パッドAm4は、例えば樹脂で構成されていてもよい。樹脂としては、例えば、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂、PEK(ポリーエーテルケトン)樹脂、PI(ポリイミド)樹脂等が挙げられる。パッドAm4の耐熱温度は、例えば、200℃以上であってもよく、300℃以上であってもよい。なお、ここでの「耐熱温度」は、短期的な耐熱性を示す温度(例えば、ビカット軟化温度、荷重たわみ温度など)であってもよい。
図示していないが、搬送アームA1,A6〜A9も、搬送アームA2〜A5と同様の構造であってもよい。搬送アームA1,A6〜A9のパッドAm4も、搬送アームA2〜A5のパッドAm4と同様の材質及び耐熱温度を有していてもよい。
ウエハ加熱部110は、図4及び図5に示されるように、蓋部111と、熱板収容部112とを有する。蓋部111は、熱板収容部112の上方に位置している。蓋部111は、コントローラ10が駆動源(図示せず)を制御することにより、熱板収容部112から離間した上方位置と熱板収容部112上に載置される下方位置との間で上下動可能に構成されている。蓋部111は、下方位置にあるときに熱板収容部112とともに処理室PRを構成する。蓋部111の中央には、処理室PRから気体を排気するための排気部111aが設けられている。
熱板収容部112は、円筒状を呈しており、その内部に熱板113を収容している。熱板113の外周部は、支持部材114によって支持されている。支持部材114の外周は、筒状を呈するサポートリング115によって支持されている。サポートリング115の上面には、上方に向けて開口したガス供給口115aが形成されている。ガス供給口115aは、処理室PR内に不活性ガスを噴き出すように構成されている。
熱板113は、図5に示されるように、円形状を呈する平板である。熱板113の外形は、ウエハWの外形よりも大きい。熱板113には、その厚さ方向に貫通して延びる貫通孔HLが3つ形成されている。熱板113の上面には、図4及び図5に示されるように、ウエハWを支持する少なくとも3つの支持ピンPNが設けられている。支持ピンPNの高さは、例えば100μm程度であってもよい。熱板113の下面には、図4に示されるように、熱板113を加熱するように構成されたヒータ116が配置されている。
熱板113の下方には昇降機構119が配置されている。昇降機構119は、筐体100外に配置されたモータ119aと、モータ119aによって上下動する3つの昇降ピン119bとを有する。昇降ピン119bはそれぞれ、対応する貫通孔HL内に挿通されている。昇降ピン119bの先端が熱板113及び支持ピンPNよりも上方に突出している場合、昇降ピン119bの先端上にウエハWが載置されうる。昇降ピン119bの先端上に載置されたウエハWは、昇降ピン119bの上下動に伴い昇降する。
ウエハ冷却部120は、図4及び図5に示されるように、ウエハ加熱部110に隣接して位置している。ウエハ冷却部120は、載置されたウエハWを冷却するように構成された冷却板121を有する。冷却板121は、図5に示されるように、略円形状を呈する平板であり、ウエハWを移送可能に構成されている。冷却板121の外形は、ウエハWの外形よりも大きい。
冷却板121は、図4に示されるように、ウエハ加熱部110側に向かって延伸するレール123に取付けられている。冷却板121は、移動機構124により駆動され、レール123上を水平移動可能である。ウエハ加熱部110側まで移動した冷却板121は、熱板113の上方に位置する。そのため、冷却板121は、熱板113の上方位置と熱板113からの離間位置との間で移動可能である。冷却板121は、熱伝導性の良好な金属で構成されていてもよい。冷却板121の材質としては、例えば、アルミニウムが挙げられる。
冷却板121には、図5に示されるように、2本のスリット125と、複数の切欠き126が形成されている。スリット125は、冷却板121におけるウエハ加熱部110側の端部から冷却板121の中央部付近まで、レール123の延在方向に延びている。スリット125により、ウエハ加熱部110側に移動した冷却板121と熱板113上に突出した昇降ピン119bとの干渉が防止される。そのため、冷却板121は、ウエハWを熱板113に受け渡し且つウエハWを熱板113から受け取ることが可能である。
切欠き126は冷却板121の内側に向けて窪んでいる。各切欠き126は、搬送アームA2〜A5と冷却板121とが上下に重なり合った場合に、支持突起Am3と対応する位置に配置されている。切欠き126は、パッドAm4を内側空間SPに収容可能に構成されている。そのため、搬送アームA2〜A5が冷却板121に対して上下動する際には、支持突起Am3(パッドAm4)は、対応する切欠き126を通過可能である。冷却板121にウエハWが載置された状態において、ウエハWと切欠き126の先端部とは重なり合っている。従って、パッドAm4によって支持されているウエハWは、搬送アームA2〜A5が冷却板121に対して下方に移動することで、冷却板121上に載置される。一方、冷却板121上に載置されているウエハWは、搬送アームA2〜A5が冷却板121に対して上方に移動することで、パッドAm4によって支持される。
冷却板121内には、図4に示されるように、気体(例えば、酸素、窒素等)が流通可能な流路122が形成されている。冷却板121内において、複数(例えば2つ)の流路122が形成されていてもよい。複数の流路122は、例えば上下に並んでいる。さらに、冷却板121内には、冷却部材が設けられていてもよい。冷却部材は、冷却板121の温度を調節するように構成されており、例えばペルチェ素子で構成されていてもよい。
冷却部130は、搬送アームA2〜A5のパッドAm4の周囲に気流を発生させて、当該パッドAm4を冷却するように構成されている(図6及び図7参照)。例えば冷却部130は、パッドAm4の耐熱温度以下にパッドAm4を冷却してもよいし、50℃以下にパッドAm4を冷却してもよいし、室温(例えば23℃程度)以上で且つ50℃以下にパッドAm4を冷却してもよい。冷却部130は、図4〜図7に示されるように、吹付部131と、供給源132と、バルブ133とを有する。吹付部131は、冷却された気体をパッドAm4に吹き付けるように構成されている。吹付部131は、例えば上記の流路122(上方に配置された流路122)と、当該流路122から切欠き126の内側空間SPに貫通するように形成された吹出口134とによって構成されている。吹付部131は、パッドAm4に向かう気体を吹き出す。
吹出口134は、切欠き126の内壁面126sに形成されている。例えば内壁面126sの上部において、複数の吹出口134が形成されている。吹出口134は、流路122から切欠き126の内側空間SPに向かうにつれて下方に傾斜している。供給源132は、パッドAm4を冷却するための気体を収容し、吹付部131に圧送する。供給源132に収容されている気体の温度は、冷却効率又はスループットの観点から、10℃以上室温(例えば23℃程度)以下であってもよい。或いは、供給源132に収容されている気体の温度の下限値は、パッドAm4への結露の発生を抑制する観点から、室温よりも5℃程度低い温度(例えば18℃程度)であってもよい。バルブ133は、供給源132から吹付部131への気体の流路を開閉するように構成されている。バルブ133は、供給源132から吹付部131へ接続される管路に設けられている。
吸引部140は、冷却部130によってパッドAm4の周囲に発生された気流を吸引するように構成されている(図6及び図7参照)。吸引部140は、図4〜図7に示されるように、吸引室141と、ポンプ142とを有する。吸引室141は、例えば上記の流路122(下方に配置された流路122)と、当該流路122から切欠き126の内側空間SPに貫通するように形成された吸引口144とによって構成されている。吸引室141には、パッドAm4の周囲の気体が吸引される。
吸引口144は、切欠き126の内壁面126sに形成されている。例えば内壁面126sの下部において複数の吸引口144が形成されている。吸引口144は、吹出口134と同様に、流路122から切欠き126の内側空間SPに向かうにつれて下方に傾斜していてもよい。ポンプ142は、吸引室141の気体を真空引きするように構成されている。ポンプ142は、吸引室141へ接続される管路に設けられている。
[コントローラの構成]
コントローラ10は、図8に示されるように、機能モジュールとして、読取部M1と、記憶部M2と、搬送制御部M3と、ウエハ冷却制御部M4と、ウエハ加熱制御部M5と、パッド冷却制御部M6とを有する。これらの機能モジュールは、コントローラ10の機能を便宜上複数のモジュールに区切ったものに過ぎず、コントローラ10を構成するハードウェアがこのようなモジュールに分かれていることを必ずしも意味するものではない。各機能モジュールは、プログラムの実行により実現されるものに限られず、専用の電気回路(例えば論理回路)、又は、これを集積した集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)により実現されるものであってもよい。
読取部M1は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体RMからプログラムを読み取る。記録媒体RMは、基板処理システム1の各部を動作させるためのプログラムを記録している。記録媒体RMとしては、例えば、半導体メモリ、光記録ディスク、磁気記録ディスク、光磁気記録ディスクであってもよい。
記憶部M2は、種々のデータを記憶する。記憶部M2が記憶するデータとしては、例えば、読取部M1において記録媒体RMから読み取られたプログラムが挙げられる。
搬送制御部M3は、搬送アームA2〜A5がウエハWを筐体100の内部に搬入するようにアーム駆動部Am5を制御することと、搬送アームA2〜A5がウエハWを筐体100外へと搬出するようにアーム駆動部Am5を制御することとを実行する。
ウエハ冷却制御部M4は、搬送アームA2〜A5のパッドAm4によって支持されたウエハWが冷却板121上に載置されるように、アーム駆動部Am5を制御する。具体的には、ウエハ冷却制御部M4は、冷却板121に対して下方に降下させるようにアーム駆動部Am5を制御する。さらに、ウエハ冷却制御部M4は、ウエハ加熱部110において昇降ピン119b上に載置されたウエハWが冷却板121上に載置されるように、移動機構124を制御することと、冷却板121上に載置されたウエハWがウエハ加熱部110において昇降ピン119b上に載置されるように昇降機構119を制御することとを実行する。ウエハ冷却制御部M4は、冷却板121をウエハ加熱部110へ進入させるように移動機構124を制御することと、冷却板121をウエハ加熱部110から退避させるように移動機構124を制御することとをさらに実行してもよい。
ウエハ加熱制御部M5は、昇降ピン119b上に載置されたウエハWが熱板113の上面の支持ピンPN上に支持されるように、昇降機構119(モータ119a)を制御することと、支持ピンPN上に支持されたウエハWが昇降ピン119b上に載置されるように、昇降機構119(モータ119a)を制御することとを実行する。さらに、ウエハ加熱制御部M5は、熱板113を加熱するようにヒータ116を制御してもよい。
パッド冷却制御部M6は、パッドAm4が切欠き126の内側空間SPにあるときに、吹出口134から気体をパッドAm4に向けて吹き出すように冷却部130を制御する。例えば、パッド冷却制御部M6は、冷却板121上に載置されたウエハWをパッドAm4に載置するために搬送アームA2〜A5が上昇している途中において、パッドAm4が切欠き126の内側空間SPを通過する間に、吹出口134から気体をパッドAm4に向けて吹き出すように冷却部130を制御する。パッド冷却制御部M6は、パッドAm4が切欠き126の内側空間SPにあるときに、パッドAm4の周囲に形成された気体を吸引口144から吸引するように吸引部140を制御することをさらに実行してもよい。
コントローラ10のハードウェアは、例えば一つ又は複数の制御用のコンピュータにより構成される。コントローラ10は、ハードウェア上の構成として、例えば図9に示される回路10Aを有する。回路10Aは、電気回路要素(circuitry)で構成されていてもよい。回路10Aは、具体的には、プロセッサ10Bと、メモリ10C(記憶部)と、ストレージ10D(記憶部)と、入出力ポート10Eとを有する。プロセッサ10Bは、メモリ10C及びストレージ10Dの少なくとも一方と協働してプログラムを実行し、入出力ポート10Eを介した信号の入出力を実行することで、上述した各機能モジュールを構成する。入出力ポート10Eは、プロセッサ10B、メモリ10C及びストレージ10Dと、基板処理システム1の各種装置との間で、信号の入出力を行う。
本実施形態では、基板処理システム1は、一つのコントローラ10を備えているが、複数のコントローラ10で構成されるコントローラ群(制御部)を備えていてもよい。基板処理システム1がコントローラ群を備えている場合には、上記の機能モジュールがそれぞれ、一つのコントローラ10によって実現されていてもよいし、2個以上のコントローラ10の組み合わせによって実現されていてもよい。コントローラ10が複数のコンピュータ(回路10A)で構成されている場合には、上記の機能モジュールがそれぞれ、一つのコンピュータ(回路10A)によって実現されていてもよいし、2つ以上のコンピュータ(回路10A)の組み合わせによって実現されていてもよい。コントローラ10は、複数のプロセッサ10Bを有していてもよい。この場合、上記の機能モジュールがそれぞれ、一つのプロセッサ10Bによって実現されていてもよいし、2つ以上のプロセッサ10Bの組み合わせによって実現されていてもよい。
[基板処理方法]
続いて、図10〜図16を参照し、基板処理方法の一例として、コントローラ10が実行する基板処理の手順を説明する。図10に示されるように、コントローラ10は、まずステップS01を実行する。ステップS01は、例えば、塗布用のユニットU1内において塗布液がウエハWの表面に塗布された状態で実行される。ステップS01では、搬送制御部M3が、ウエハWを筐体100の内部に搬入するように搬送アームA2〜A5を制御する(図11参照)。例えば、搬送制御部M3が、ウエハWを塗布用のユニットU1から搬出して熱処理用のユニットU2における筐体100の内部に搬入するように搬送アームA2〜A5を制御する。
次に、コントローラ10はステップS02を実行する。ステップS02では、搬送アームA2〜A5のパッドAm4によって支持されたウエハWが冷却板121上に載置されるように、ウエハ冷却制御部M4がアーム駆動部Am5を制御する(図12参照)。
次に、コントローラ10はステップS03を実行する。ステップS03では、冷却板121上に載置されたウエハWがウエハ加熱部110において昇降ピン119b上に載置されるように、ウエハ冷却制御部M4が移動機構124及び昇降機構119を制御する(図13参照)。具体的には、ウエハ冷却制御部M4は、冷却板121を水平移動させてウエハ加熱部110内に進入させ、冷却板121が熱板113の上方に位置する第1の位置に配置されるように移動機構124を制御する。ウエハ冷却制御部M4は、冷却板121が第1の位置に配置された状態において、昇降ピン119bを上昇させて、冷却板121上に載置されたウエハWが昇降ピン119b上に載置されるように昇降機構119を制御する。その後、ウエハ冷却制御部M4は、冷却板121を水平移動させてウエハ加熱部110内から退避させ、冷却板121が搬送アームA2〜A5と上下方向に対向する第2の位置に配置されるように移動機構124を制御する。
次に、コントローラ10はステップS04を実行する。ステップS04では、昇降ピン119bを下降させて、昇降ピン119b上に載置されたウエハWが熱板113の上面の支持ピンPN上に支持されるように、ウエハ加熱制御部M5が昇降機構119(モータ119a)を制御する(図14参照)。ウエハ加熱制御部M5は、ウエハWが支持ピンPN上に支持される前に、ヒータ116をON状態に切り替えて、熱板113を加熱するように制御してもよい。
次に、コントローラ10はステップS05を実行する。ステップS05では、ウエハ加熱制御部M5が、ウエハWを所定時間加熱するようにヒータ116による熱板113の加熱を継続させる。
次に、コントローラ10はステップS06を実行する。ステップS06では、昇降ピン119bを上昇させて、支持ピンPN上に支持されたウエハWが昇降ピン119b上に載置されるように、ウエハ加熱制御部M5が昇降機構119(モータ119a)を制御する。その後、ウエハ加熱制御部M5は、ヒータ116をOFF状態に切り替えて、熱板113の加熱を停止するように制御してもよい。
次に、コントローラ10はステップS07を実行する。ステップS07では、ウエハ加熱部110において昇降ピン119b上に載置されたウエハWが冷却板121上に載置されるように、ウエハ冷却制御部M4が移動機構124及び昇降機構119を制御する。具体的に、ウエハ冷却制御部M4は、冷却板121を水平移動させてウエハ加熱部110内に進入させ、冷却板121が第1の位置に配置されるように移動機構124を制御する。ウエハ冷却制御部M4は、冷却板121が第1の位置に配置された状態において、昇降ピン119bを下降させて、昇降ピン119b上に載置されたウエハWが冷却板121上に載置されるように昇降機構119を制御する。その後、ウエハ冷却制御部M4は、冷却板121を水平移動させてウエハ加熱部110内から退避させ、冷却板121が第2の位置に配置されるように移動機構124を制御する。
次に、コントローラ10はステップS08を実行する。ステップS08では、パッドAm4が切欠き126の内側空間SPにあるときに、パッド冷却制御部M6が、パッドAm4の周囲に気流を発生させて、パッドAm4を冷却するように冷却部130を制御する。より具体的な処理内容については後述する。
次に、コントローラ10はステップS09を実行する。ステップS09では、冷却板121上に載置されたウエハWが搬送アームA2〜A5のパッドAm4によって支持されるように、ウエハ冷却制御部M4がアーム駆動部Am5を制御する。その後、搬送制御部M3が搬送アームA2〜A5によってウエハWを筐体100外へと搬出するようにアーム駆動部Am5を制御する。以上により、コントローラ10は、基板処理を完了する。
[パッド冷却手順]
続いて、上記ステップS08の具体的な処理内容を説明する。図15に示されるように、コントローラ10は、まずステップS11を実行する。ステップS11では、パッドAm4が切欠き126の内側空間SPにあるときに、吹出口134から気体をパッドAm4に向けて吹き出すように、パッド冷却制御部M6が冷却部130を制御する。具体的には、搬送アームA2〜A5を上昇させるとともに(図16(a)参照)、パッドAm4が切欠き126の内側空間SPに到達したときに、搬送アームA2〜A5の上昇を停止するように、パッド冷却制御部M6がアーム駆動部Am5を制御する。その後、パッド冷却制御部M6が、バルブ133を開いて吹出口134からの気体の吹き出しを開始するように冷却部130を制御する。これにより、パッドAm4の周囲に気流が形成される(図16(b)参照)。
さらに、パッド冷却制御部M6は、パッドAm4が切欠き126の内側空間SPにあるときに、パッドAm4の周囲に形成された気体を吸引口144から吸引するように吸引部140を制御する。具体的には、パッド冷却制御部M6が、ポンプ142による真空引きによって吸引口144からの気体の吸引を開始するように吸引部140を制御する。これにより、パッドAm4の周囲に形成された気流が吸引される(図16(b)参照)。
次に、コントローラ10は、ステップS12を実行する。ステップS12では、パッド冷却制御部M6が、冷却部130による気流の形成と吸引部140による気流の吸引とを所定時間継続させる。所定時間は、例えば、1秒以上10秒以内であってもよいし、1秒以上5秒以内であってもよいし、1秒以上2秒以内であってもよい。
次に、コントローラ10は、ステップS13を実行する。ステップS13では、パッド冷却制御部M6が、冷却部130による気体の形成と吸引部140による気流の吸引とを停止させる。具体的には、パッド冷却制御部M6は、バルブ133を閉じて吹出口134からの気体の吹き出しを停止するように冷却部130を制御する。同様に、パッド冷却制御部M6は、ポンプ142による真空引きを止めて吸引口144からの気体の吸引を停止するように吸引部140を制御する。その後、搬送アームA2〜A5の上昇を再開するように、パッド冷却制御部M6がアーム駆動部Am5を制御する(図16(c)参照)。これにより、冷却板121上に載置されたウエハWが搬送アームA2〜A5のパッドAm4によって支持される。以上により、コントローラ10は、パッド冷却用の処理を完了する。
[作用]
以上のような本実施形態においては、冷却部130がパッドAm4の周囲に気流を発生させることにより、当該パッドAm4が冷却される。そのため、搬送アームA2〜A5は、パッドAm4の温度が十分に下がった状態で、パッドAm4によってウエハWの下面を支持することが可能となる。従って、搬送アームA2〜A5の熱によるウエハWへの影響を抑制することができる。
本実施形態において、冷却部130は、気体をパッドAm4に吹き付けるように構成された吹付部131を含んでいてもよい。この場合、吹付部131が気体をパッドAm4に吹き付けることにより、冷却部130が発生させた気流をパッドAm4に到達させやすい。そのため、パッドAm4を効率よく冷却することができる。
本実施形態において、ウエハWを冷却するように構成された冷却板121をさらに備え、冷却板121は、パッドAm4を内側空間SPに収容可能に構成された切欠き126を含み、冷却部130は、切欠き126の内壁面126sに形成された吹出口134であって、パッドAm4に向かう気体を吹き出す吹出口134を含んでいてもよい。本実施形態において、冷却板121から搬送アームA2〜A5にウエハWが受け渡される過程で、ウエハWが載置された冷却板121の切欠き126をパッドAm4が通過する。そのため、パッドAm4が切欠き126近傍にあるときに当該切欠き126の内壁面126sの吹出口134からパッドAm4に向かう気体を吹き出すことにより、冷却板121及び搬送アームA2〜A5間におけるウエハWの受け渡しを活用して、ウエハWを効率よく冷却することができる。
本実施形態において、パッドAm4が内側空間SPにあるときに、吹出口134から気体をパッドAm4に向けて吹き出すように冷却部130を制御するコントローラ10をさらに備えていてもよい。この場合、冷却板121の切欠き126の内側空間SPにおいてパッドAm4が冷却されるので、冷却部130が過剰に気流を発生させることが抑制される。そのため、冷却部130によるパッドAm4の冷却に際し、他の機構への影響が抑制される。また、冷却されたパッドAm4によってウエハWが支持されるので、パッドAm4の熱によるウエハWへの影響をより確実に抑制することができる。
本実施形態において、冷却部130によってパッドの周囲に発生された気流を吸引するように構成された吸引部140を更に備えていてもよい。この場合、吸引部140によって気流が吸引されるので、冷却部130によって発生した気流が広範囲に巻き散ることを抑制することができる。
本実施形態において、冷却部130は、室温以上50℃以下にパッドAm4を冷却するように構成されていてもよい。冷却部130によってパッドAm4が50℃以下に冷却されることにより、ウエハWを保持した際のウエハWへの影響を十分に抑制することが可能となる。パッドAm4を室温以上(例えば、室温程度)に冷却する構成により、冷却部130は、既存の設備(例えば工場用力等)から導くことが可能な室温程度の気体をそのままの温度で冷却に活用できるので、装置構成の複雑化を抑制可能となる。
[変形例]
今回開示された実施形態及び変形例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
例えば、上記実施形態において、冷却部130は、加熱されたウエハWを支持する前のパッドAm4の周囲に気流を発生させて当該パッドAm4を冷却するように構成されていたが、冷却部130がパッドAm4を冷却するタイミングは適宜変更してよい。例えば、パッドAm4が加熱されたウエハWを支持した後に(当該パッドAm4を含む搬送アームA2〜A5が、加熱されたウエハWを別の機構に受け渡した後に)、冷却部130が当該パッドAm4を冷却するように構成されていてもよい。この場合、冷却されたパッドAm4が、加熱される前のウエハWを支持するので、加熱される前のウエハW(例えば、塗布処理後且つ加熱処理前のウエハW、露光後且つ現像処理及び加熱処理前のウエハW等)に対するパッドAm4から熱の影響をより効果的に抑制できる。
冷却部130は、搬送アームA2〜A5を移動させるように構成されたアーム駆動部Am5によって構成されていてもよい。この場合、アーム駆動部Am5は、搬送アームA2〜A5の移動によりパッドAm4の周囲に発生した気流でパッドAm4を冷却するように構成される。アーム駆動部Am5は、搬送アームA2〜A5を上下移動させるように構成されていてもよく、水平移動させるように構成されていてもよく、回転移動するように構成されていてもよい。この場合、冷却部130は、アーム駆動部Am5による搬送アームA2〜A5の移動によって気流を発生させるので、簡易な構成でパッドAm4を冷却することができる。
図17に示されるように、搬送アームA2〜A5の内部には、吸引流路Am6が形成されていてもよく、搬送アームA2〜A5は、バキューム方式のパッドAm4を有していてもよい。この場合、図18に示されるように、吸引部140の吸引室141は、吸引流路Am6と、当該吸引流路Am6からパッドAm4の上面に貫通するように形成された吸引口Am7とによって構成されていてもよい。このとき、冷却板121の下側の流路122及び吸引口144が省略されていてもよい。
基板処理システム1は、ダミーウエハWd(ダミー基板)がパッドAm4で支持されるように、ダミーウエハWdを搬送アームA2〜A5に受け渡すように構成された受渡部150をさらに備えていてもよい。受渡部150は、例えば、アーム駆動部Am5によって構成されていてもよく(図19参照)、他の機構(例えば、搬送アームA1,A6〜A9等の他の搬送アーム)によって構成されていてもよい。この場合、ダミーウエハWdにパッドの熱が伝導されるので、より効率よくパッドを冷却することができる。このとき、ダミーウエハWdの温度は、例えば、室温程度であってもよい。
冷却部130は、搬送アームA1,A6〜A9のパッドAm4の周囲に気流を発生させて、当該パッドAm4を冷却するように構成されていてもよい。吹付部131は、例えば、図20に示されるように、搬送アームA7,A8のパッドAm4に気体を吹き付けるノズル136によって構成されていてもよい。
冷却部130は、棚ユニットU10,U11に設けられていてもよい。棚ユニットU10,U11は、例えば、ウエハWを載置させる載置部137と、冷却板121とを有する。この場合、コントローラ10は、パッドAm4が、棚ユニットU10,U11の冷却板121に設けられている切欠き126の内側空間SPにあるときに、切欠き126に形成された吹出口から気体をパッドAm4に向けて吹き出すように冷却部130を制御してもよく、ウエハWが載置部137上に載置されているときに、パッドAm4の周囲に気流を発生させて、パッドAm4を冷却するように冷却部130を制御してもよい。
冷却部130は、搬送アームA1〜A9に設けられていてもよい。例えば、搬送アームA1〜A9の内部には、パッドAm4を冷却するための気体が流れる流路(図示せず)が形成されていてもよく、搬送アームA1〜A9の外表面には、パッドAm4に向かう気体を吹き出し可能な吹出口(図示せず)が形成されていてもよい。
[例示]
ところで、例えば基板に対する熱処理を行った後、十分に基板が冷却されないうちに搬送アームによって基板を搬送すること等により、搬送アームにおける基板を支持する部分(例えば、基板を支持するように構成されたパッド)が蓄熱する場合がある。このような場合、搬送アームの熱が、当該搬送アームによって搬送される次の基板にも伝わることが考えられる。このとき、基板のうち、搬送アームのパッド等に接触する部分が他の部分よりも高温となりやすい。そのため、基板に温度差が生じ、例えば、基板に対する塗布処理後の基板の膜厚の均一性が保たれにくくなる等の影響が及ぼされる可能性がある。
一方で、例えば熱処理後の基板の冷却時間を長くしたり、蓄熱したパッドの温度が十分に下がるまで搬送アームを待機させたりすることも考えられるが、処理時間が長くなりスループットが低下するおそれがある。
そこで、以下に、搬送アームの熱による基板への影響を抑制することが可能な基板処理装置、基板処理方法及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体を例示する。
例1.本開示の一つの例に係る基板処理装置(1)は、基板(W)の下面を支持するように構成されたパッド(Am4)を含む搬送アーム(A2〜A5)と、パッド(Am4)の周囲に気流を発生させて、パッド(Am4)を冷却するように構成された冷却部(130)とを備える。この装置(1)によれば、冷却部(130)がパッド(Am4)の周囲に気流を発生させることにより、当該パッド(Am4)が冷却される。そのため、搬送アーム(A2〜A5)は、パッド(Am4)の温度が十分に下がった状態で、パッド(Am4)によって基板(W)の下面を支持することが可能となる。従って、搬送アーム(A2〜A5)の熱による基板(W)への影響を抑制することができる。
例2.例1に係る装置(1)において、冷却部(130)は、気体をパッド(Am4)に吹き付けるように構成された吹付部(131)を含んでいてもよい。この場合、吹付部(131)が気体をパッド(Am4)に吹き付けることにより、冷却部(130)が発生させた気流をパッド(Am4)に到達させやすい。そのため、パッド(Am4)を効率よく冷却することができる。
例3.例2に係る装置(1)において、基板(W)を冷却するように構成された冷却板(121)をさらに備え、冷却板(121)は、パッド(Am4)を内側空間(SP)に収容可能に構成された切欠き(126)を含み、冷却部(130)は、切欠き(126)の内壁面(126s)に形成された吹出口(134)であって、パッド(Am4)に向かう気体を吹き出す吹出口(134)を含んでいてもよい。冷却板(121)から搬送アーム(A2〜A5)に基板(W)が受け渡される過程で、基板(W)が載置された冷却板(121)の切欠き(126)をパッド(Am4)が通過する。そのため、パッドAm4が切欠き126近傍にあるときに当該切欠き(126)の内壁面(126s)の吹出口(134)からパッド(Am4)に向かう気体を吹き出すことにより、冷却板(121)及び搬送アーム(A2〜A5)間における基板(W)の受け渡しを活用して、基板(W)を効率よく冷却することができる。
例4.例3に係る装置(1)において、パッド(Am4)が内側空間(SP)にあるときに、吹出口(134)から気体をパッド(Am4)に向けて吹き出すように冷却部(130)を制御する制御部(10)をさらに備えていてもよい。この場合、冷却板(121)の切欠き(126)の内側空間(SP)においてパッド(Am4)が冷却されるので、冷却部(130)が過剰に気流を発生させることが抑制される。そのため、冷却部(130)によるパッド(Am4)の冷却に際し、他の機構への影響が抑制される。また、冷却されたパッド(Am4)によって基板(W)が支持されるので、パッド(Am4)の熱による基板(W)への影響をより確実に抑制することができる。
例5.例1〜4のいずれかの装置(1)において、冷却部(130)によってパッド(Am4)の周囲に発生された気流を吸引するように構成された吸引部(140)を更に備えていてもよい。この場合、吸引部(140)によって気流が吸引されるので、冷却部(130)によって発生した気流が広範囲に巻き散ることを抑制することができる。
例6.例1〜5のいずれかの装置(1)において、ダミー基板(Wd)がパッド(Am4)で支持されるように、ダミー基板(Wd)を搬送アーム(A2〜A5)に受け渡すように構成された受渡部(150)をさらに備えていてもよい。この場合、ダミー基板(Wd)にパッド(Am4)の熱が伝導されるので、より効率よくパッド(Am4)を冷却することができる。
例7.例1〜6のいずれかの装置(1)において、冷却部(130)は、搬送アーム(A2〜A5)を移動させるように構成されたアーム駆動部(Am5)であって、搬送アーム(A2〜A5)の移動によりパッド(Am4)の周囲に発生した気流でパッド(Am4)を冷却するように構成されたアーム駆動部(Am5)を含んでいてもよい。この場合、冷却部(130)は、アーム駆動部(Am5)による搬送アーム(A2〜A5)の移動によって気流を発生させるので、簡易な構成でパッド(Am4)を冷却することができる。
例8.例1〜7のいずれかの装置(1)において、冷却部(130)は、室温以上50℃以下にパッド(Am4)を冷却するように構成されていてもよい。冷却部(130)によってパッド(Am4)が50℃以下に冷却されることにより、基板(W)を保持した際の基板(W)への影響を十分に抑制することが可能となる。パッド(Am4)を室温以上(例えば、室温程度)に冷却する構成により、冷却部(130)は、既存の設備(例えば工場用力等)から導くことが可能な室温程度の気体をそのままの温度で冷却に活用できるので、装置構成の複雑化を抑制可能となる。
例9.本開示の他の例に係る基板処理方法は、搬送アーム(A2〜A5)が含むパッド(Am4)であって基板(W)の下面を支持するように構成されたパッド(Am4)の周囲に気流を発生させて、パッド(Am4)を冷却することを含む。この方法によれば、例1の装置(1)と同様の作用効果が得られる。
例10.例9に係る方法において、パッド(Am4)を冷却することは、気体をパッド(Am4)に吹き付けることを含んでいてもよい。この場合、例2の装置(1)と同様の作用効果が得られる。
例11.例10に係る方法において、パッド(Am4)を冷却することは、基板(W)を冷却するように構成された冷却板(121)が含む切欠き(126)であって、パッド(Am4)を内側空間(SP)に収容可能に構成された切欠き(126)の内壁面(126s)に形成された吹出口(134)からパッド(Am4)に向かう気体を吹き出すことで、気体をパッド(Am4)に吹き付けることを含んでもよい。この場合、例3の装置(1)と同様の作用効果が得られる。
例12.例11に係る方法において、パッド(Am4)を冷却することは、パッド(Am4)が内側空間(SP)にあるときに、吹出口(134)から気体をパッド(Am4)に向けて吹き出すことを含んでもよい。この場合、例4の装置(1)と同様の作用効果が得られる。
例13.例9〜12のいずれかの方法において、パッド(Am4)を冷却することは、パッド(Am4)の周囲に形成された気流を吸引することをさらに含んでいてもよい。この場合、例5の装置(1)と同様の作用効果が得られる。
例14.例9〜13のいずれかの方法において、ダミー基板(Wd)がパッド(Am4)で支持されるように、ダミー基板(Wd)を搬送アーム(A2〜A5)に受け渡すことをさらに含んでいてもよい。この場合、例6の装置(1)と同様の作用効果が得られる。
例15.例9〜14のいずれかの方法において、パッド(Am4)を冷却することは、搬送アーム(A2〜A5)の移動によりパッド(Am4)の周囲に発生した気流でパッド(Am4)を冷却することを含んでもよい。この場合、例7の装置(1)と同様の作用効果が得られる。
例16.例9〜15のいずれかの方法において、パッド(Am4)を冷却することは、パッド(Am4)の温度を室温以上50℃以下とすることを含んでもよい。この場合、例8の装置(1)と同様の作用効果が得られる。
例17.本開示の他の例に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体(RM)は、例9〜16のいずれかに記載の方法を基板処理装置(1)に実行させるためのプログラムを記録している。この場合、例9〜16のいずれかの方法と同様の作用効果を有する。本明細書において、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(RM)には、一時的でない有形の媒体(non-transitory computer recording medium)(例えば、各種の主記憶装置又は補助記憶装置)や、伝播信号(transitory computer recording medium)(例えば、ネットワークを介して提供可能なデータ信号)が含まれる。