JP3259226B2 - 熱処理方法及び熱処理装置 - Google Patents

熱処理方法及び熱処理装置

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JP3259226B2 JP2000218484A JP2000218484A JP3259226B2 JP 3259226 B2 JP3259226 B2 JP 3259226B2 JP 2000218484 A JP2000218484 A JP 2000218484A JP 2000218484 A JP2000218484 A JP 2000218484A JP 3259226 B2 JP3259226 B2 JP 3259226B2
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、被処理体を加熱
した後、所定温度に冷却して被処理体を温度調整する熱
処理方法及び熱処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体デバイスの製造工程にお
いて、例えば半導体ウエハ(以下にウエハという)等の
被処理体の表面にフォトリソグラフィー技術を用いて回
路パターンを縮小してフォトレジストに転写し、これを
現像処理している。
【0003】このフォトリソグラフィー工程において、
まず、未処理のウエハ上のゴミ及び汚れを除去するため
にウエハ表面を洗浄し、その後加熱乾燥処理を行う。そ
して、冷却後直ちに、ウエハをレジスト塗布装置に搬送
して、例えばスピンコート法によりウエハ表面にレジス
ト膜を塗布形成する。その後、ウエハは加熱装置に搬送
されて、溶剤をレジスト膜から蒸発させるために所定時
間、所定温度(80℃前後)プリベーク処理が施され
る。その後、例えば室温(23℃)まで冷却され、露光
装置に搬送されて露光処理が行われる。露光処理後のウ
エハは、加熱装置に搬送され、所定時間、所定温度でベ
ーク処理(現像前ベーク処理)が施される。このベーク
処理が終了したウエハは、現像装置に搬送され、ここで
現像処理が施された後、再び加熱装置に搬送され、所定
時間、所定温度(50〜180℃)でポストベーク処理
(現像後ベーク処理)が施されて、現像後のフォトレジ
ストに残留する現像液等を加熱蒸発させる。その後、ウ
エハは、冷却装置に搬送され、室温(23℃)まで冷却
すなわち温度調整された後、次の工程へ搬送される。
【0004】上記のようにフォトリソグラフィー工程に
おいては、処理されるウエハは、レジスト塗布の前、現
像処理の前後において所定温度に加熱処理されると共
に、その後の工程に搬送される前に室温まで冷却処理を
施す必要があるため、加熱及び冷却の熱処理は重要な工
程とされている。
【0005】ところで、従来のこの種のフォトリソグラ
フィー工程において、加熱装置と冷却装置は別の位置に
配置されており、加熱処理後のウエハをロボット等の搬
送手段で冷却装置に搬送するため、搬送時にウエハは自
己放熱及び周囲の気流による冷却等の影響を受けて温度
が変化し、面内温度分布が不均一となり、その結果、レ
ジストの膜厚の不均一や現像むら等が生じ製品歩留まり
の低下をきたすという問題があった。
【0006】ウエハの搬送時の自己放熱及び気流による
冷却の影響を防止する手段として、特開平6−2920
3号公報に記載の技術が知られている。この特開平6−
29203号公報に記載の技術は、ベークユニット内の
上部に設置され、ウエハをその上方から非接触で加熱す
るヒータと、ベークユニット内の下部に設置され、ウエ
ハを冷却する冷却プレートと、ベークユニット内のウエ
ハを水平に支持した状態で上下動させる昇降ピンと、ヒ
ータと冷却プレートとの間に設置され、ベークユニット
内の密閉空間を上下に二分割する断熱シャッタとを具備
する熱処理装置である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
この種の熱処理装置においては、ウエハの上方の非接触
位置に設置されたヒータによってウエハを加熱する構造
であるため、ウエハを例えば180℃の高温度に加熱す
るには多くの時間を要すると共に、多くの熱エネルギー
を要するという問題があり、しかもウエハの面内温度分
布を均一にすることが難しいという問題がある。また、
同一のユニット内にヒータと冷却プレートとを設置する
ため、ヒータ及び冷却プレートの双方に熱影響を及ぼす
という問題がある。この問題は断熱シャッタの閉塞時に
は解消されるが、断熱シャッタが開放された状態では、
ヒータと冷却プレートの双方が熱による悪影響を受ける
ことは免れない。また、断熱シャッタはシャッタ巻取装
置内に収容された状態から引き出されてベークユニット
内に移動するため、断熱シャッタとベークユニットとの
摺動部分にパーティクルが発生し、そのパーティクルが
ウエハに付着し、製品歩留まりの低下をきたすという問
題がある。
【0008】また、特に化学増幅型のレジスト膜を形成
する場合、露光処理後の現像前ベーク処理を行った後、
冷却処理を短時間内に行わないと、増幅反応が進みウエ
ハ表面にパターン形成された線幅等に悪影響を及ぼすと
いう問題もあった。更に、上記ベーク処理を行った後、
冷却処理までの時間が一定でないと、ウエハ毎に線幅が
変動するという問題もあった。
【0009】この発明は上記事情に鑑みなされたもの
で、被処理体の加熱・冷却処理時間の短縮を図り、かつ
被処理体の面内温度分布の均一化及び製品歩留まりの向
上を図れるようにした熱処理方法及び熱処理装置を提供
することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の熱処理方法は、板状の被処理体を加
熱手段上に載置して所定温度に加熱処理する工程と、
加熱処理後、上記被処理体を上記加熱手段の上方位置に
移動する工程と、 上記被処理体に向かって移動する冷
却温度調整手段が被処理体を受け取る工程と、 上記冷
却温度調整手段を上記加熱手段の側方へ移動する際に
記被処理体所定温度への冷却を開始する工程と、
記加熱手段の側方の位置において、上記被処理体を所定
温度に冷却する工程と、を有することを特徴とするもの
である。
【0011】請求項記載の熱処理装置は、板状の被処
理体を載置して所定温度に加熱する発熱体を有する載置
台と、 上記被処理体を上記載置台上に離間すべく載置
台に対して相対移動する支持部材と、 上記載置台の側
方に設けられた待機部から上記支持部材にて支持される
上記被処理体の方向に向かって進退移動可能な、かつ被
処理体を受け取る冷媒を具備する冷却温度調整手段と、
を具備し、 上記冷却温度調整手段は、加熱された上記
被処理体を受け取った後、上記待機部に移動する際に、
被処理体の所定温度への冷却を開始し、待機部におい
て、被処理体の所定温度への冷却を終了可能に形成され
る、ことを特徴とするものである。
【0012】請求項記載の熱処理装置は、板状の被処
理体を載置して所定温度に加熱する発熱体を有する載置
台と、 上記被処理体を上記載置台上に離間すべく載置
台に対して相対移動する第1の支持部材と、 上記載置
台の側方に設けられた待機部から上記第1の支持部材に
て支持される上記被処理体の方向に向かって進退移動可
能な、かつ被処理体を受け取る冷媒を具備する冷却温度
調整手段と、 上記待機部に設けられ、上記冷却温度調
整手段から上記被処理体を受け取る第2の支持部材と、
を具備し、 上記冷却温度調整手段は、加熱された上記
被処理体を受け取った後、上記待機部に移動する際に、
被処理体の所定温度への冷却を開始し、待機部におい
て、被処理体の所定温度への冷却を終了可能に形成され
る、ことを特徴とするものである。
【0013】請求項4記載の熱処理装置は、請求項2又
は3記載の熱処理装置において、上記冷却温度調整手段
は、この冷却温度調整手段が支持部材にて支持される被
処理体の方向に移動する際に、支持部材と干渉しないス
リットを設けると共に、このスリット以外の領域にて載
置台と被処理体とを遮断し得るように形成される、 こと
を特徴とするものである
【0014】この発明において、上記冷却温度調整手段
は、支持部材にて支持される被処理体の方向に向かって
進退移動可能な、かつ被処理体を受け取るものであれ
ば、被処理体の上面又は下面に近接する板状であっても
差し支えないが、好ましくは被処理体の上下面(表裏
面)を覆うサンドイッチ形のものである方がよく、また
少なくとも下方に冷媒を具備する方がよい。この場合、
冷媒としては、例えばペルチェ素子あるいは恒温水を循
環する方式を使用することができる
【0015】この発明によれば、板状の被処理体を加熱
手段(載置台)上に載置して所定温度に加熱した後、冷
却温度調整手段が載置台上の被処理体を受け取ることが
できる。この場合、支持部材をもって被処理体を加熱手
段の上方位置に移動(離間)し、この状態で、載置台の
側方に設けられた待機部から被処理体の方向に向かって
冷却温度調整手段(冷却温度調整体)を移動して被処理
体を受け取った後、待機部に移動する際に、被処理体の
所定温度への冷却を開始し、待機部において、被処理体
所定温度に冷却することができる。
【0016】したがって、加熱手段による熱影響を可及
的に少なくして、冷却処理を行うことができる。また、
被処理体の冷却を、加熱手段の上方から側方の位置への
移動中に行うことにより、被処理体の搬送中に冷却処理
することができ、スループットの向上を図ることができ
【0017】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。ここでは、この発明に係る
熱処理装置を半導体ウエハの塗布・現像処理システムに
組み込んだ場合について説明する。
【0018】上記半導体ウエハの塗布・現像処理システ
ム1は、図1に示すように、その一端側に被処理体とし
て例えば多数枚の半導体ウエハW(以下にウエハとい
う)を収容する複数のカセット2を例えば4個載置可能
に構成したキャリアステーション3を有し、このキャリ
アステーション3の中央部にはウエハWの搬入・搬出及
びウエハWの位置決めを行う補助アーム4が設けられて
いる。また、塗布・現像処理システム1のキャリアステ
ーション3側の側方にはプロセスステーション6が配置
されている。更に、その中央部にてその長さ方向に移動
可能に設けられると共に、補助アーム4からウエハWを
受け渡される搬送手段としてのメインアーム5が設けら
れている。このメインアーム5は、図1に示すように、
ウエハWの周辺部を保持するように略馬蹄状に形成され
ている。なお、メインアーム5の移送路の両側には各種
処理機構が配置されている。具体的には、これらの処理
機構として例えばウエハWをブラシ洗浄するためのブラ
シスクラバ7及び高圧ジェット水により洗浄を施すため
の高圧ジェット洗浄機7Aが並設され、その隣には、熱
処理装置20が2基積み重ねて設けられると共に、メイ
ンアーム5の移送路の反対側には現像装置8が2基並設
されている。
【0019】更に、上記プロセスステーション6の側方
には、接続用ユニット9を介してもう一つのプロセスス
テーション6Aとして例えばウエハWにフォトレジスト
を塗布する前にこれを疎水化処理するアドヒージョン処
理装置10が設けられ、この下方にはクーリング装置1
1が配置されている。これら装置10,11の側部には
別の熱処理装置20が2列で2個ずつ積み重ねられて配
置されている。
【0020】また、メインアーム5の移送路を挟んでこ
れら熱処理装置20やアドヒージョン処理装置10等の
反対側にはウエハWにフォトレジスト液を塗布するレジ
スト塗布装置12が2台並設されている。なお、これら
レジスト塗布装置12の側部には、インターフェースユ
ニット13を介してレジスト膜に所定の微細パターンを
露光するための露光装置14等が設けられている。
【0021】次に、熱処理装置について詳細に説明す
る。図2はこの発明に係る熱処理装置20の基本構成
示す概略断面図である。
【0022】上記熱処理装置20は、上記メインアーム
5によって搬送されるウエハWを所定の温度に加熱処理
する加熱処理部21と、この加熱処理部21にて加熱処
理された後のウエハWを加熱処理部21から受け取ると
共に、所定の温度例えば室温(23℃程度)まで冷却
(冷却温調)する冷却温度調整手段としての冷却温度調
整体40の待機部22とを具備している。
【0023】上記加熱処理部21には、ウエハWを載置
して所定温度に加熱する加熱手段としての発熱体23
(ヒータ)を埋設して有する載置台24が保持部材25
にて保持されている。この載置台24の外周側には、載
置台24の周辺部を包囲すべく円筒状のシャッタ26が
昇降シリンダ27によって上下移動可能に配設されてお
り、また、載置台24の上方には、上部中央に、図示し
ない排気装置に接続する排気口28aを有するカバー2
8が配設されている。
【0024】この場合、シャッタ26の下端部には内向
きフランジ26aが設けられており、昇降シリンダ27
の駆動によってシャッタ26が上昇した際、内向きフラ
ンジ26aが載置台保持部材25の下面に装着されたシ
ールパッキング29に密接した状態でシャッタ26が載
置台24を包囲してカバー28と共に処理室30を形成
し、シャッタ26が下降することにより、シャッタ26
上端部とカバー28下側部との隙間を通して待機部22
以外の箇所から載置台24上へのウエハWの搬入及び搬
出が可能に構成されている。なお、処理室30を形成す
る際、シャッタ26の上端とカバー28との間には約1
mm程度の隙間31が設けられ、この隙間31から処理
室30内に流入する空気が排気口28aから排気される
ようになっている。このように、ウエハWの上方の周囲
から処理室30内に流入される空気を上方の排気口28
aから排出することにより、流入した空気が直接ウエハ
Wに触れることを防止できるため、ウエハWの加熱処理
の加熱温度を均一にすることができ、ウエハWの加熱処
理を均一にすることができる。
【0025】また、載置台24の下方には、ウエハWを
支持して載置台24上及び載置台24の上方位置に移
動、すなわちウエハWを、ヒータ23が埋設された載置
台24上に離間すべく載置台24に対して相対移動する
第1の支持部材としての3本の支持ピン32が昇降板3
3上に同心円状に起立して設けられている。これら支持
ピン32は、例えばセラミックス,フッ素樹脂あるいは
合成ゴム等の断熱性部材にて形成されており、昇降板3
3に連結するボールねじ機構からなる昇降機構34の駆
動によって載置台24に設けられた貫通孔24aを介し
て載置台24の上方に出没移動し得るように構成されて
いる。
【0026】一方、上記待機部22に配設される冷却温
度調整体40は、上記支持ピン32によって載置台24
の上方位置に移動されたウエハWの上下面すなわち表裏
面を覆うサンドイッチ形に配置された上部冷却片41及
び下部冷却片42と、これら冷却片41,42の一端を
連結する連結片43とからなる縦断面形状がほぼコ字状
に形成されている。このようにコ字状に形成することに
より、上下方向の厚みを薄くでき、また、連結片43に
よる片持ち支持に構成できるので、移動に都合が良く、
構成も簡単にできる。また、上部冷却片41又は下部冷
却片42又は両者には冷媒としてのペルチェ素子44が
埋設されると共に、ペルチェ素子44の背部に放熱板4
5が配設されており、図示しない電源からの通電によっ
て上部冷却片41の下面側及び下部冷却片42の上面側
が吸熱されて温度が低下しウエハWを所定の温度例えば
室温(23℃程度)に冷却し得るように構成されてい
る。
【0027】なお、ペルチェ素子44の代りに、図3に
示すように、管状の流路44Aを内蔵させ、所定温度に
冷却された恒温水,ガス等を循環させて冷却するように
構成することもできる。
【0028】上記のように構成される冷却温度調整体4
0は、連結片43に連結するロッド46aを介して水平
移動用の空気シリンダ46に連結されており、この空気
シリンダ46の駆動によって冷却温度調整体40が載置
台24の上方位置のウエハWに向かって進退移動し得る
ように構成されている。なお、空気シリンダ46は、図
示しない昇降機構によって垂直方向に移動可能に形成さ
れている。この場合、冷却温度調整体40の下部冷却片
42には、図4に示すように、3本の支持ピン32との
干渉を避け支持ピン32が進退できるようにするための
スリット47が設けられている。このようにスリット4
7を設けることにより、支持ピン32によって載置台2
4の上方位置に移動されたウエハWに向かって冷却温度
調整体40を移動させ、ウエハWの上下面(表裏面)に
上部冷却片41と下部冷却片42を近接させると、スリ
ット47以外の領域で載置台24とウエハWとが遮断さ
れ、この状態でウエハWを冷却温調することができる。
この際、ウエハWは下部冷却片42によって載置台24
と熱的に遮断されるので、載置台24からの熱の影響を
受ける虞れはない。
【0029】なお、上記説明では、円筒状のシャッタ2
6を上下動させて処理室30の形成及び載置台24の外
方の開放を行っているが、シャッタ26の上下動に代え
て、あるいは、シャッタ26の上下動と共にカバー28
及び載置台24を上下動させて同様に処理室30を形成
するようにしてもよい。また、上記円筒状のシャッタ2
6に代えて、載置台24を収容する容器の側壁にウエハ
搬入・搬出用の開口を設け、この開口を開閉するシャッ
タとしてもよい。また、上記説明では、支持ピン32で
ウエハWを支持した状態で冷却温度調整体40を移動さ
せてウエハWと冷却温度調整体40とが非接触状態で冷
却温調を行っているが、図2に想像線で示すように、冷
却温度調整体40の下部冷却片42の上面に設けたスペ
ーサ48によってウエハWを支持してプロキシミティー
状態で冷却温調することも可能である。
【0030】図5はこの発明に係る熱処理装置の別の基
本構成第二実施形態の概略断面図、図6は図5のV−V
矢視図である。
【0031】図5及び図6に示す熱処理装置は、加熱処
理後のウエハWを冷却温調する際に載置台24からの熱
が冷却温度調整体40に影響を及ぼすのを更に確実に防
止するようにした場合である。すなわち、シャッタ26
の外方側例えば冷却温度調整体40の待機位置と対向す
る側から載置台24と冷却温度調整体40との間に進退
移動する断熱板50を配設し、この断熱板50には、前
進した時に、冷却温度調整体40の下部冷却片42に設
けられたスリット47を、3本の支持ピン32部分を残
して他の部分を塞ぐように形成されたスリット47aを
設ける。そして、図示しない移動機構によって断熱板5
0を載置台24と冷却温度調整体40との間に挿入し前
進させて、断熱板50のスリット47a内に支持ピン3
2を位置させることにより、冷却温度調整体40のスリ
ット47の存在によって連通される部分を極力狭くし
て、載置台24と冷却温調されるウエハWとを遮断させ
るようにした場合である。このように、断熱板50にス
リット47aを設けることにより、スリット47a以外
の領域で載置台24とウエハWとが遮断されるので、冷
却温度調整体40のスリット47と断熱板50のスリッ
ト47aとが共働して載置台24とウエハWとの連通部
分を最小限にすることができる(図5及び図6参照)。
【0032】上記のように、載置台24と冷却温度調整
体40との間に断熱板50を介在させることにより、載
置台24から冷却温度調整体40への熱の伝達を確実に
遮断することができ、加熱処理後のウエハWが冷却温調
時に載置台24からの熱の影響を受けるのを確実に防止
することができる。
【0033】なお、上記説明では、断熱板50を冷却温
度調整体40の待機位置と対向する位置に配設する場合
について説明したが、断熱板50の配設位置は必ずしも
冷却温度調整体40の待機位置と対向させる必要はな
く、断熱板50の移動時に支持ピン32と干渉しないス
リット47aを設ければ任意の位置でよく、例えば図5
の紙面に対して直交する位置に配設してもよい。なお、
図5及び図6に示す熱処理装置において、その他の部分
図2ないし図4に示す熱処理装置と同じであるので、
同一部分には同一符号を付して、その説明は省略する。
【0034】図7はこの発明に係る熱処理装置の更に別
の基本構成の概略断面図、図8はの要部を示す概略斜
視図である。
【0035】図7及び図8に示す熱処理装置は、加熱処
理後のウエハWを冷却温調する際に載置台24からの熱
が冷却温度調整体40に影響を及ぼすのを更に確実に防
止するようにした別の場合である。すなわち、載置台2
4と冷却温度調整体40との間の平面上におけるシャッ
タ26の外方側の対向する位置の一方に、図示しない空
気供給源に接続する空気供給ノズル60(空気供給手
段)を配設し、他方には、図示しない排気装置に接続す
る空気吸引管61(空気吸引手段)を配設して、空気供
給ノズル60から載置台24と冷却温度調整体40との
間に供給される常温又は冷却された断熱用空気を空気吸
引管61から吸引して載置台24と冷却温度調整体40
との間にシート状の断熱用空気層62を形成するように
した場合である。この場合、図8に示すように、スリッ
ト状に形成された空気供給ノズル60の噴口60aと空
気吸引管61の吸引口61aをシャッタ26の外周面と
相似形の円弧状の偏平状に形成することにより、断熱用
空気層62を容易にシート状に形成することができる。
【0036】上記のように、載置台24と冷却温度調整
体40との間に断熱用空気層62を形成することによ
り、載置台24の熱が冷却温度調整体40側に伝熱され
るのを防止することができる。なお、断熱用空気によっ
て載置台24の温度が低下するので、次のウエハWを加
熱処理する際には、載置台24の温度が所定温度に達し
た後に次のウエハWを載置台24上に搬送する方が望ま
しい。なお、図7及び図8に示す熱処理装置において、
その他の部分は図2ないし図4に示す熱処理装置と同じ
であるので、同一部分には同一符号を付して、その説明
は省略する。
【0037】図9はこの発明に係る熱処理装置の更に別
の基本構成の要部を示す概略断面図である。
【0038】図9に示す熱処理装置は、冷却温度調整体
40よりウエハWに向かって、気体供給手段から常温又
は冷却された例えば不活性ガスを供給して冷却温調する
前のウエハWを不活性ガス雰囲気に置換するようにした
場合である。すなわち、冷却温度調整体40の上部冷却
片41の下面側に、図示しない不活性ガス例えば窒素
(N2)ガスの供給源に接続するN2ガス供給通路70を
形成すると共に、このN2ガス供給通路70に適宜間隔
をおいて多数の噴口71を設けることにより、N2ガス
供給源からN2ガス供給通路70に流入するN2ガスを、
冷却温調される前のウエハWに向かってシャワー状に供
給するようにした場合である。なお、N2ガス供給源
と、噴口71が設けられたN2ガス供給通路70とで気
体供給手段が構成されている。
【0039】なお、図9に示す熱処理装置では、冷却温
度調整体40の上部冷却片41にN2ガス供給通路70
と噴口71を設けて、ウエハWの上面にN2ガスを供給
する場合について説明したが、下部冷却片42の上面側
に同様にN2ガス供給通路70と噴口71を設けて、ウ
エハWの下面にもN2ガスを供給するようにしてもよ
い。また、N2ガスに代えて清浄化された空気やその他
の不活性ガスを供給するようにしてもよい。
【0040】上記のように構成することにより、加熱処
理されたウエハWを冷却温調する前に、ウエハWにN2
ガスを供給して、高温雰囲気を低温の不活性ガス雰囲気
に置換することができる。したがって、加熱処理された
ウエハWの表面を予め低温の同一の雰囲気下において冷
却温調することができるので、ウエハWの面内温度分布
を更に均一にすることができる。また、N2ガス吐出気
流により、ウエハWを高速冷却させ、目標冷却温度まで
の処理時間を短縮させることもできる。
【0041】なお、図9に示す熱処理装置において、そ
の他の部分は図2ないし図4に示す熱処理装置と同じで
あるので、同一部分には同一符号を付して、その説明は
省略する。
【0042】図10はこの発明に係る熱処理装置の実施
形態を示す概略断面図である。
【0043】図10に示す熱処理装置は、ウエハWの冷
却温調を載置台24の上方位置以外の場所で行えるよう
にし、かつ冷却温度調整体40の待機位置で冷却温調後
のウエハWの受け渡しを行えるようにした場合である。
【0044】この場合、冷却温度調整体40の待機部2
2に、上記載置台24aの下方に配設された支持ピン3
2(第1の支持ピン)と同様に、ボールねじ機構にて形
成される昇降機構34aによって上下移動する昇降板3
3上に、同心円状に起立する第2の支持部材である3本
の第2の支持ピン32aを設けてなる受け渡し手段を構
成する。
【0045】上記のように、冷却温度調整体40の待機
部22に、ウエハWの受け渡し用の第2の支持ピン32
aを上下移動可能に配設することにより、加熱処理部2
1で加熱処理された後に第1の支持ピン32の上昇によ
って載置台24の上方位置に移動されたウエハWを冷却
温度調整体40で受け取った後、冷却温度調整体40を
待機部22に移動し、ウエハWを冷却温調することがで
きる。この際、冷却温度調整体40を待機部22に移動
する間に冷却温調を開始すれば、冷却温調の時間の短縮
を図ることができる。冷却温調が終了した後、昇降機構
34aを駆動させて第2の支持ピン32aを冷却温度調
整体40に向かって移動して、下部冷却片42上のウエ
ハWを支持した状態で、メインアーム5にウエハWを受
け渡すことができる。
【0046】したがって、図10に示す熱処理装置によ
れば、加熱処理後のウエハWの冷却温調を載置台24の
上方位置から離れた場所で行うので、載置台24からの
熱による影響を少なくすることができ、ウエハWの面内
温度分布の均一性をより一層高めることができる。ま
た、次に加熱すべきウエハWを直ちに載置台24に載置
して、加熱処理を開始することができる。
【0047】次に、この発明の熱処理方法について、図
11及び図12を参照して説明する。
【0048】★熱処理方法A 熱処理方法Aは、図2ないし図9に示す熱処理装置を用
いてウエハWを加熱処理及び冷却温調処理する方法であ
る。以下に、図2ないし図4に示す熱処理装置を代表例
として説明すると、まず、図11(a)に示すように、
加熱処理部21の載置台24上にウエハWを載置した状
態で、載置台24に埋設されたヒータ23を発熱させ又
は予め発熱させておき、所定時間、所定温度(50〜1
80℃)の下でウエハWに加熱処理を施す(加熱工
程)。この際、シャッタ26とカバー28との隙間31
から処理室30内に流入する空気を排気口から排気す
る。
【0049】次に、図11(b)に示すように、支持ピ
ン32を上昇してウエハWを載置台24の上方位置へ移
動(離間)する(移動工程)。このとき、シャッタ26
を下降させて載置台24の上部側方を開放させる。次
に、図11(c)に示すように、待機部22に待機して
いた冷却温度調整体40を支持ピン32にて支持されて
いるウエハWの方向に向かって移動して、上部冷却片4
1と下部冷却片42との間にウエハWを位置させて(受
け取って)ウエハWの上下面(表裏面)を覆い、ペルチ
ェ素子(図11において図示せず)に通電し又は予め通
電しておき、所定時間、所定温度(室温:23℃)にな
るまでウエハWを冷却処理する(冷却温調工程)。
【0050】そして、ウエハWの冷却温調すなわち熱処
理が終了した後、支持ピン32にて支持されているウエ
ハWの下方にメインアーム(図示せず)を挿入して、ウ
エハWをメインアームが受け取って次の処理工程へ搬送
する。
【0051】上記熱処理方法Aは、図2ないし図4に示
す熱処理装置を代表とした場合であるが、図5及び図6
に示す熱処理装置や図7及び図8に示す熱処理装置で熱
処理を行う場合には、冷却温調工程の際に、載置台24
と冷却温度調整体40との間に、断熱板50を介在させ
るか、あるいは、断熱用空気層62を形成する。また、
図9に示す熱処理装置で熱処理を行う場合には、加熱処
理されたウエハWを冷却温調する前に、ウエハWに例え
ばN2ガス等の不活性ガス又は清浄化空気を供給してウ
エハWの表面を不活性 ガス雰囲気又は清浄化空気の雰
囲気に置換する。
【0052】★熱処理方法B 熱処理方法Bは、図10に示す熱処理装置を用いてウエ
ハWを熱処理する場合であり、まず、図12に示すよ
うに、メインアーム5によって周辺部が保持された状態
で搬送されるウエハWを、熱処理方法Aと同様に、加熱
処理部21の載置台24上に載置する。この状態で、載
置台24に埋設されたヒータ23を発熱させ又は予め発
熱させておき、所定時間、所定温度(50〜180℃)
の下でウエハWに加熱処理を施す(加熱工程)。
【0053】次に、第1の支持ピン32を上昇してウエ
ハWを載置台24の上方位置へ移動(離間)する(移動
工程)。このとき、シャッタ26を下降させて載置台2
4の上部側方を開放させる。次に、図12に示すよう
に、待機部22に待機していた冷却温度調整体40を第
1の支持ピン32にて支持されているウエハWの方向に
向かって移動して、冷却温度調整体40でウエハWの上
下面(表裏面)を覆うようにしてウエハWを受け取る。
そして、図12に示すように、冷却温度調整体40を
待機部22に移動させた後、ペルチェ素子(図示せず)
を通電し又は予め通電しておき、所定時間、所定温度
(室温:23℃)になるまでウエハWを冷却処理する
(冷却温調工程)。
【0054】ウエハWの冷却温調すなわち熱処理が終了
した後、第2の支持ピン32aを上昇してウエハWを支
持し、ウエハWの下方にメインアーム5を挿入してウエ
ハWを受け取った後、メインアーム5を待機部22から
後退させて、次の処理工程へ搬送する(図12,参
照)。
【0055】★熱処理方法C 熱処理方法Cは、図10に示す熱処理装置を用いてウエ
ハWを熱処理する場合であり、上記熱処理方法Bにおい
て、加熱処理されたウエハWの上下面(表裏面)を覆う
ようにして冷却温度調整体40で受け取って待機部22
へ移動する際に、ペルチェ素子(図示せず)を通電し又
は予め通電しておき、ウエハWを冷却処理(冷却温調)
するようにした場合である。熱処理方法Cにおいて、そ
の他の加熱処理、ウエハの搬送工程は熱処理方法Bと同
じであるので、説明は省略する。
【0056】上記実施形態では、この発明の熱処理方法
及び装置を半導体ウエハの塗布・現像処理システムに適
用した場合について説明したが、その他の処理工程・処
理システムの半導体ウエハの加熱及び冷却温調処理する
ものにも適用できることは勿論である。また、半導体ウ
エハ以外のLCD基板,CD等の板状の被処理体の熱処
理にも適用できる。
【0057】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明によれ
ば、以下のような効果が得られる。
【0058】1)板状の被処理体を加熱手段(載置台)
上に載置して所定温度に加熱した後、冷却温度調整手段
が載置台上の被処理体を受け取ることができる。この場
合、被処理体を加熱手段の上方位置に移動(離間)し、
この状態で、載置台の側方に設けられた待機部から被処
理体の方向に向かって冷却温度調整手段(冷却温度調整
体)を移動して被処理体を受け取った後、待機部に移動
する際に、被処理体の所定温度への冷却を開始し、待機
部において、被処理体を所定温度に冷却することができ
ので、被処理体の加熱及び冷却処理時間の短縮を図る
ことができると共に、被処理体の面内温度分布の均一化
及び製品歩留まりの向上を図ることができる。
【0059】2)被処理体の冷却処理を、加熱手段(載
置台)の側方の待機部で行うことにより、加熱手段によ
る熱影響を可及的に少なくして、冷却処理を行うことが
できる。また、被処理体の冷却を、加熱手段の上方から
待機部への移動中に行うことにより、被処理体の搬送中
に冷却処理することができ、スループットの向上を図る
ことができる
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の熱処理装置を適用した半導体ウエハ
の塗布・現像処理システムの斜視図である。
【図2】この発明に係る熱処理装置の基本構成を示す概
略断面図である。
【図3】この発明における冷却温度調整体の一例を示す
概略断面図である。
【図4】この発明における載置台と冷却温度調整体を示
す分解斜視図である。
【図5】この発明に係る熱処理装置の別の基本構成の概
略断面図である。
【図6】図5のV−V矢視図である。
【図7】この発明に係る熱処理装置の更に別の基本構成
の概略断面図である。
【図8】図7に示す熱処理装置の要部を示す概略斜視図
である。
【図9】この発明に係る熱処理装置の更に別の基本構成
の要部を示す概略断面図である。
【図10】この発明に係る熱処理装置の実施形態を示す
概略断面図である。
【図11】この発明の熱処理方法の一例を示す説明図で
ある。
【図12】この発明の熱処理方法の別の例を示す概略平
面図である。
【符号の説明】 5 メインアーム(搬送手段) 21 加熱処理部 22 待機部 23 ヒータ(発熱体) 24 載置台(加熱手段) 32 支持ピン(支持部材,第1の支持部材) 32a 第2の支持ピン(第2の支持部材) 40 冷却温度調整体(冷却温度調整手段) 44 ペルチェ素子 W 半導体ウエハ(被処理体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 浩二 熊本県菊池郡菊陽町津久礼2655番地 東 京エレクトロン九州株式会社 熊本事業 所内 (56)参考文献 特開 昭61−156814(JP,A) 特開 平1−209722(JP,A) 特開 平2−3910(JP,A) 特開 平3−185806(JP,A) 特開 昭63−291419(JP,A) 特開 平6−29203(JP,A) 特開 昭63−78528(JP,A) 特開 平2−73619(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状の被処理体を加熱手段上に載置して
    所定温度に加熱処理する工程と、 加熱処理後、上記被処理体を上記加熱手段の上方位置に
    移動する工程と、 上記被処理体に向かって移動する冷却温度調整手段が被
    処理体を受け取る工程と、 上記冷却温度調整手段を上記加熱手段の側方へ移動する
    際に上記被処理体所定温度への冷却を開始する工程
    と、上記加熱手段の側方の位置において、上記被処理体を所
    定温度に冷却する工程と、 を有することを特徴とする熱
    処理方法。
  2. 【請求項2】 板状の被処理体を載置して所定温度に加
    熱する発熱体を有する載置台と、 上記被処理体を上記載置台上に離間すべく載置台に対し
    て相対移動する支持部材と、上記載置台の側方に設けられた待機部から 上記支持部材
    にて支持される上記被処理体の方向に向かって進退移動
    可能な、かつ被処理体を受け取る冷媒を具備する冷却温
    度調整手段と、を具備し、 上記冷却温度調整手段は、加熱された上記被処理体を受
    け取った後、上記待機部に移動する際に、被処理体の所
    定温度への冷却を開始し、待機部において、被処理体の
    所定温度への冷却を終了可能に形成される、ことを特徴
    とする熱処理装置。
  3. 【請求項3】 板状の被処理体を載置して所定温度に加
    熱する発熱体を有する載置台と、 上記被処理体を上記載置台上に離間すべく載置台に対し
    て相対移動する第1の支持部材と、上記載置台の側方に設けられた待機部から 上記第1の支
    持部材にて支持される上記被処理体の方向に向かって進
    退移動可能な、かつ被処理体を受け取る冷媒を具備する
    冷却温度調整手段と、 上記待機に設けられ、上記冷却温度調整手段から上記
    被処理体を受け取る第2の支持部材と、を具備し、 上記冷却温度調整手段は、加熱された上記被処理体を受
    け取った後、上記待機部に移動する際に、被処理体の所
    定温度への冷却を開始し、待機部において、被処理体の
    所定温度への冷却を終了可能に形成される、 ことを特徴
    とする熱処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載の熱処理装置におい
    て、 上記冷却温度調整手段は、この冷却温度調整手段が支持
    部材にて支持される被処理体の方向に移動する際に、支
    持部材と干渉しないスリットを設けると共に、このスリ
    ット以外の領域にて載置台と被処理体とを遮断し得るよ
    うに形成される、 ことを特徴とする熱処理装置。
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