JP2019192522A - 電極搬送装置 - Google Patents

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寛恭 西原
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Abstract

【課題】搬送方向における電極の位置決めを行いつつ、電極をより確実に受け取ることが可能な電極搬送装置を提供する。【解決手段】電極搬送装置20は、搬送方向Pに沿って配列されるとともに搬送方向Pに沿って移動する複数のスライド部材35を備え、複数のスライド部材35のそれぞれは、正極8が載置される載置面35sを有し、複数のスライド部材35のうちのスライド部材35Aは、搬送方向Pにおいて正極8を位置決めするための規制部材39を備え、規制部材39は、載置面35sよりも上方に突出し、スライド部材35Aは、搬送方向Pに沿って移動するにつれて、規制部材39を搬送方向Pに沿って正極8に向かって移動させる。【選択図】図12

Description

本発明は、電極搬送装置に関する。
特許文献1には、電極シートの作成装置が記載されている。この作成装置は、電極板を走行方向に搬送するための搬送ベルトを備えている。搬送ベルトには、走行方向に等しい間隔で配置された複数の突起状の走行方向位置規制部が設けられている。電極板は、その後端部が走行方向位置規制部(以下、「突起」という)に突き当てられて搬送される。
特開2014−186799号公報
上記の作成装置では、電極板(電極)の搬送に際して、搬送方向に隣り合う2つの突起の間に電極が供給され、電極が上流側の突起に突き当てられることにより、搬送方向における電極の位置決めが行われる。2つの突起間の距離は電極の幅よりもわずかに大きい程度である。このため、電極の供給タイミングがずれると、電極を受け取ることができず、電極を適切に搬送できないおそれがある。
本発明は、搬送方向における電極の位置決めを行いつつ、電極をより確実に受け取ることが可能な電極搬送装置を提供する。
本発明の一側面に係る電極搬送装置は、電極を搬送するための装置である。この電極搬送装置は、搬送方向に沿って配列されるとともに搬送方向に沿って移動する複数の載置部材を備える。複数の載置部材のそれぞれは、電極が載置される載置面を有する。複数の載置部材のうちの第1載置部材は、搬送方向において電極を位置決めするための規制部材を備える。規制部材は、載置面よりも上方に突出している。第1載置部材は、搬送方向に沿って移動するにつれて、規制部材を搬送方向に沿って電極に向かって移動させる。
この電極搬送装置では、複数の載置部材の載置面に電極が載置され、第1載置部材が搬送方向に沿って移動するにつれて、載置面よりも上方に突出している規制部材が搬送方向に沿って電極に向かって移動することで、搬送方向における電極の位置決めが行われる。このため、搬送方向に互いに隣り合う2つの規制部材間の間隔が、搬送方向の上流においては、規制部材が移動する距離だけ広い。これにより、電極が供給されるタイミングがずれたとしても、2つの規制部材間において電極を受け取ることができる可能性が高くなる。その結果、搬送方向における電極の位置決めを行いつつ、電極をより確実に受け取ることが可能となる。
上記電極搬送装置は、複数の載置部材を搬送方向に沿ってガイドするガイド部材をさらに備えてもよい。複数の載置部材のそれぞれは、下方に延びる第1ガイドピンを備えてもよい。ガイド部材は、第1ガイドピンを受ける第1受け部を備えてもよい。この場合、複数の載置部材が搬送方向に沿って移動すると、複数の載置部材の第1ガイドピンが第1受け部に沿って移動する。このため、第1受け部によって、複数の載置部材の搬送経路を規定することができる。
複数の載置部材は、電極を受け取る受取位置と電極を送出する送出位置との間で電極を搬送してもよい。第1載置部材は、下方に延びる第2ガイドピンをさらに備えてもよい。ガイド部材は、第2ガイドピンを受ける第2受け部をさらに備えてもよい。受取位置と送出位置との間において、第1受け部と第2受け部との搬送方向と交差する幅方向における距離は、搬送方向の下流に向かうにつれて変化してもよい。この場合、第1受け部と第2受け部との幅方向における距離を変えることにより、第1載置部材が搬送方向に沿って移動するにつれて、規制部材を搬送方向に沿って電極に向かって移動させることができる。
第1載置部材は、第1ガイドピンを有する第1部分と、規制部材を有する第2部分と、第1部分と第2部分とを連結する連結部材と、を備えてもよい。連結部材の一端は、第1部分に回動可能に設けられてもよく、連結部材の他端は、第2部分に、幅方向に沿って移動可能に設けられてもよい。連結部材は、第2ガイドピンを備えてもよい。第1受け部と第2受け部との幅方向における距離は、搬送方向の下流に向かうにつれて長くなってもよい。この場合、第1載置部材が搬送方向に沿って移動すると、第1載置部材の第1ガイドピンが第1受け部に沿って移動するとともに、第1載置部材の第2ガイドピンが第2受け部に沿って移動する。ここで、第1受け部と第2受け部との幅方向における距離は、搬送方向の下流に向かうにつれて長くなっている。これにより、第1載置部材が搬送方向に沿って移動するにつれて、第1ガイドピンと第2ガイドピンとの幅方向における間隔が広がっていく。連結部材は第1部分に回動可能に設けられているので、幅方向において第2ガイドピンが第1ガイドピンに対して離れるにつれて、連結部材が連結部材の一端を軸として回動し、連結部材の他端が搬送方向において第1部材に近づく。したがって、第2部分は、連結部材を介して、搬送方向に沿って第1部分に近づくように移動する。以上のことから、第1載置部材が搬送方向に沿って移動するにつれて、規制部材が搬送方向に沿って電極に向かって移動することができる。
第1載置部材は、搬送方向に対して傾斜するとともに、搬送方向において規制部材を移動させる方向とは反対方向に向いている傾斜面を有する第1部分と、傾斜面に沿ってスライド可能に設けられた第2部分と、を備えてもよい。第1部分は、第1ガイドピン及び規制部材を備えてもよい。第2部分は、第2ガイドピンを備えてもよい。第1受け部と第2受け部との幅方向における距離は、搬送方向の下流に向かうにつれて短くなってもよい。この場合、第1載置部材が搬送方向に沿って移動すると、第1載置部材の第1ガイドピンが第1受け部に沿って移動するとともに、第1載置部材の第2ガイドピンが第2受け部に沿って移動する。ここで、第1受け部と第2受け部との幅方向における距離は、搬送方向の下流に向かうにつれて短くなっている。これにより、第1載置部材が搬送方向に沿って移動するにつれて、第1ガイドピンと第2ガイドピンとの幅方向における間隔が狭まっていく。第2部分は、傾斜面に沿ってスライド可能に設けられているので、幅方向において第2ガイドピンが第1ガイドピンに近づくにつれて、幅方向において第2部分が第1部分に向かって移動し、傾斜面に幅方向に沿った力が加わる。傾斜面は搬送方向に対して傾斜するとともに、搬送方向において規制部材を移動させる方向とは反対方向に向いているので、第1部分には搬送方向に沿って電極に向けた力が加わる。これにより、第1部分は、搬送方向に沿って第2部分に近づくように移動する。以上のことから、第1載置部材が搬送方向に沿って移動するにつれて、規制部材が搬送方向に沿って電極に向かって移動することができる。
第1載置部材は、規制部材によって位置決めされる電極よりも搬送方向の上流に位置してもよく、搬送方向に沿って移動するにつれて、規制部材を搬送方向の下流に向かって移動させてもよい。この場合、搬送方向において、電極の上流に位置する縁に規制部材が下流に向けて押し当てられる。このため、電極の上流の縁を基準として、搬送方向における電極の位置決めを行うことができる。
第1載置部材は、規制部材によって位置決めされる電極よりも搬送方向の下流に位置してもよく、搬送方向に沿って移動するにつれて、規制部材を搬送方向の上流に向かって移動させてもよい。この場合、搬送方向において、電極の下流に位置する縁に規制部材が上流に向けて押し当てられる。このため、電極の下流の縁を基準として、搬送方向における電極の位置決めを行うことができる。
本発明によれば、搬送方向における電極の位置決めを行いつつ、電極をより確実に受け取ることができる。
図1は、本実施形態に係る電極搬送装置を適用して製造される蓄電装置の内部を示す断面図である。 図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。 図3は、本実施形態に係る電極搬送装置を示す概略側面図である。 図4は、図3に示された電極搬送装置の概略平面図である。 図5の(a)は、第1実施形態に係る搬送コンベアの模式的な側面図である。図5の(b)は、図5の(a)に示された搬送コンベアの一部を拡大した側面図である。 図6は、図5の(a)に示された搬送コンベアの部分的な平面図である。 図7は、図6のVII−VII線に沿った断面図である。 図8は、図6のVIII−VIII線に沿った断面図である。 図9は、図6のIX−IX線に沿った断面図である。 図10は、図8に示されたスライド部材を斜め上方から見た斜視図である。 図11は、図8に示されたスライド部材を斜め下方から見た斜視図である。 図12は、図6のXII−XII線に沿った断面図である。 図13は、第2実施形態に係る搬送コンベアの模式的な側面図である。 図14は、図13に示された搬送コンベアの部分的な平面図である。 図15は、図14のXV−XV線に沿った断面図である。 図16は、図15に示されたスライド部材を斜め上方から見た斜視図である。 図17は、図15に示されたスライド部材を斜め下方から見た斜視図である。 図18は、第1実施形態に係る搬送コンベアの変形例を示す部分的な平面図である。 図19は、第2実施形態に係る搬送コンベアの変形例を示す部分的な平面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る電極搬送装置を適用して製造される蓄電装置の内部を示す断面図である。図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。図1及び図2において、蓄電装置1は、積層型の電極組立体を有するリチウムイオン二次電池である。
蓄電装置1は、例えば略直方体形状のケース2と、このケース2内に収容された電極組立体3とを備えている。ケース2は、例えばアルミニウム等の金属により形成されている。ケース2の内部には、図示はしないが、例えば非水系(有機溶媒系)の電解液が注液されている。ケース2上には、正極端子4及び負極端子5が互いに離間して配置されている。正極端子4は、絶縁リング6を介してケース2に固定され、負極端子5は、絶縁リング7を介してケース2に固定されている。また、電極組立体3とケース2の内側の側面及び底面との間には絶縁フィルムFが配置されており、絶縁フィルムFによってケース2と電極組立体3との間が絶縁されている。図1では便宜上、電極組立体3の下端とケース2の底面との間には僅かな隙間が設けられているが、実際には電極組立体3の下端が絶縁フィルムFを介してケース2の内側の底面に接触している。また、電極組立体3の積層方向において、電極組立体3のガタツキを低減するために、電極組立体3とケース2との間の隙間に、数枚のスペーサSが配置されている。スペーサSの枚数は、電極組立体3の厚みに応じて適宜調整される。
電極組立体3は、複数の正極8と複数の負極9とが袋状のセパレータ10を介して交互に積層された構造を有している。正極8は、袋状のセパレータ10に包まれている。袋状のセパレータ10に包まれた状態の正極8は、セパレータ付き正極11として構成されている。従って、電極組立体3は、複数のセパレータ付き正極11と複数の負極9とが交互に積層された構造を有している。なお、電極組立体3の両端に位置する電極は、負極9である。
正極8は、例えばアルミニウム箔からなる正極集電体である金属箔14と、この金属箔14の両面に形成された正極活物質層15とを有している。金属箔14は、平面視矩形状の箔本体部14aと、この箔本体部14aと一体化されたタブ14bとを有している。タブ14bは、箔本体部14aの長手方向の一端部近傍の縁から突出している。そして、タブ14bは、セパレータ10を突き抜けている。複数の正極8より延びる複数のタブ14bは、集箔された状態で導電部材12に接続(溶接)され、導電部材12を介して正極端子4に接続されている。なお、図2では、便宜上タブ14bを省略している。
正極活物質層15は、箔本体部14aの表裏両面に形成されている。正極活物質層15は、正極活物質とバインダとを含んで形成された多孔質の層である。正極活物質としては、例えば複合酸化物、金属リチウムまたは硫黄等が挙げられる。複合酸化物には、例えばマンガン、ニッケル、コバルト及びアルミニウムの少なくとも1つとリチウムとが含まれる。
負極9は、例えば銅箔からなる負極集電体である金属箔16と、この金属箔16の両面に形成された負極活物質層17とを有している。金属箔16は、平面視矩形状の箔本体部16aと、この箔本体部16aと一体化されたタブ16bとを有している。タブ16bは、箔本体部16aの長手方向の一端部近傍の縁から突出している。タブ16bは、導電部材13を介して負極端子5に接続されている。なお、図2では、便宜上タブ16bを省略している。
負極活物質層17は、箔本体部16aの表裏両面に形成されている。負極活物質層17は、負極活物質とバインダとを含んで形成された多孔質の層である。負極活物質としては、例えば黒鉛、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、ハードカーボン、ソフトカーボン等のカーボン、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、金属化合物、SiOx(0.5≦x≦1.5)等の金属酸化物またはホウ素添加炭素等が挙げられる。
セパレータ10は、平面視矩形状を呈している。セパレータ10の形成材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、或いはポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルセルロース等からなる織布または不織布等が例示される。
以上のように構成された蓄電装置1を製造する場合は、まず、帯状の金属箔に活物質層(正しくは活物質層前駆体)が形成されたシート部材を製作する。次に、シート部材を所定の形状に切断し、正極8のみをセパレータ10で覆うことで、セパレータ付き正極11及び負極9を製作する。セパレータ付き正極11及び負極9を製作した後、セパレータ付き正極11と負極9とを交互に積層し、積層体を形成する。この積層体を加圧することでセパレータ付き正極11及び負極9を密着させた後、セパレータ付き正極11及び負極9をテープ等で固定することで電極組立体3を得る。そして、セパレータ付き正極11のタブ14bを導電部材12を介して正極端子4に接続すると共に、負極9のタブ16bを導電部材13を介して負極端子5に接続した後、電極組立体3をケース2内に収容する。
図3は、本実施形態に係る電極搬送装置を示す概略側面図である。図4は、図3に示された電極搬送装置の概略平面図である。図3及び図4に示される電極搬送装置20は、電極を搬送するための装置である。ここでは、一例として、電極搬送装置20は、打ち抜き工程において帯状の電極材料から切断された個別電極である正極8を、正極8に対してセパレータ10を設けるための工程を実施する設備まで搬送する。セパレータ10は、上述した例では袋状であり、正極8を包むように設けられる。
なお、電極搬送装置20の搬送対象は、負極9であってもよい。すなわち、電極搬送装置20は、活物質層を含むシート状の電極を搬送する。以下では、電極の一例として正極8を示す。したがって、以下においては、正極8は電極と一般化され得る。
電極搬送装置20は、搬送コンベア21と、搬送コンベア22と、搬送コンベア23と、を備えている。搬送コンベア23は、搬送コンベア21よりも搬送方向Pの下流に配置されている。搬送コンベア22は、搬送コンベア21,23の上方に配置されている。搬送コンベア21は、例えばベルトコンベアである。搬送コンベア21は、前工程の打ち抜き工程において帯状の電極材料から切断された正極8を搬送する。
搬送コンベア22は、吸着コンベアである。搬送コンベア22は、搬送コンベア21から受け渡された正極8を吸着状態で搬送する。搬送コンベア22は、多数の小孔(図示せず)を有するベルト24と、このベルト24の内側に配置された吸引ダクト25と、を有している。ベルト24の下部の外周面は、正極8の搬送面24aを構成する。
吸引ダクト25は、下側に開口している。吸引ダクト25は、吸引口26を介して外部の負圧源(図示せず)に接続されている。ベルト24の搬送面24aのうち吸引ダクト25の開口に対応する領域は、小孔(図示せず)を通して正極8に負圧が作用することで正極8を吸着保持する吸着領域27となっている。正極8が吸着領域27を外れると、正極8がベルト24から分離して落下する。
吸着領域27の始端部は、搬送コンベア21の終端部とラップしている。このため、搬送コンベア21の終端付近まで搬送された正極8は、搬送コンベア22に吸着された状態で搬送される。また、吸着領域27は、搬送コンベア23とラップしている。このため、搬送コンベア22における吸着領域27を外れる位置まで搬送された正極8は、搬送コンベア22から分離して搬送コンベア23上に落下する。
(第1実施形態)
次に、図5の(a)〜図12を参照して、第1実施形態に係る搬送コンベア23を説明する。図5の(a)は、第1実施形態に係る搬送コンベアの模式的な側面図である。図5の(b)は、図5の(a)に示された搬送コンベアの一部を拡大した側面図である。図6は、図5の(a)に示された搬送コンベアの部分的な平面図である。図7は、図6のVII−VII線に沿った断面図である。図8は、図6のVIII−VIII線に沿った断面図である。図9は、図6のIX−IX線に沿った断面図である。図10は、図8に示されたスライド部材を斜め上方から見た斜視図である。図11は、図8に示されたスライド部材を斜め下方から見た斜視図である。図12は、図6のXII−XII線に沿った断面図である。
図5の(a)〜図12に示されるように、搬送コンベア23は、上述したように、搬送コンベア22の吸着領域27を通過することで搬送コンベア22から落下した正極8を搬送する。搬送コンベア23は、循環する環状部30と、環状部30を駆動する駆動ギヤ32と、フレーム33と、ガイド部材37と、を有している。環状部30は、一対のタイミングベルト31と、複数のパイプ34と、複数のスライド部材35(複数の載置部材)と、を有している。環状部30は、その両端が循環経路を規定するフレーム33に収容され、循環経路の形状に形成されている。
タイミングベルト31は、環状部30の両端に位置し、互いに平行になるように配置され、フレーム33に収容されている。タイミングベルト31は、環状の循環経路の一部に配置された駆動ギヤ32に噛合うことにより、駆動ギヤ32の回転に伴って環状に循環駆動される。タイミングベルト31の循環経路は、フレーム33により定められている。なお、以下では、一方のタイミングベルト31から他方のタイミングベルト31に向かう方向を、搬送コンベア23の幅方向(或いは単に幅方向)と称する場合がある。
複数のパイプ34は、循環方向に沿って配列されている。複数のパイプ34のそれぞれは、幅方向に沿って延びて、その両端が一対のタイミングベルト31に支持されている。ここでは、パイプ34は、台座部36を介してタイミングベルト31の外面に固定されている。これにより、複数のパイプ34は、循環経路に沿って循環する。
複数のスライド部材35は、循環方向に沿って配列されている。スライド部材35は、環状部30において、複数のパイプ34の間で支持されている。より具体的には、スライド部材35の幅方向と交差する断面形状は、ここでは、断面H型である。スライド部材35は、循環方向に沿って互いに隣り合う一対のパイプ34に、幅方向にスライド可能な状態で係合されて取り付けられている。スライド部材35は、パイプ34の循環に伴い、循環経路に沿って循環する。スライド部材35は、正極8が載置される載置台35aを有する。載置台35aは、正極8が載置される載置面35sを含む。スライド部材35は、正極8を受け取る受取位置と、正極8を送出する送出位置と、の間で正極8を搬送する。
本実施形態においては、搬送コンベア23は、スライド部材35がスライドシューであり、また、スラットであるスラットコンベアとして構成されている。スライド部材35は、下面に設けられたガイドピン38(第1ガイドピン)を備えている。ガイドピン38は、スライド部材35の下面から下方に向けて突出している。ガイドピン38は、スライド部材35の幅方向における中央付近に設けられる。
複数のスライド部材35のうちの一部のスライド部材35A(第1載置部材)は、規制部材39を備えている。規制部材39は、搬送方向Pにおいて正極8を位置決めするための部材である。規制部材39は、載置面35sよりも上方に突出している。スライド部材35Aは、搬送方向Pに沿って移動するにつれて、規制部材39を搬送方向Pに沿って正極8に向かって移動させる。本実施形態では、スライド部材35Aは、1つの正極8を載置する複数(ここでは、3つ)のスライド部材35のうちの、搬送方向Pの最上流に位置する。つまり、スライド部材35Aは、当該スライド部材35Aの規制部材39によって位置決めされる正極8よりも搬送方向Pの上流に位置する。スライド部材35Aは、搬送方向Pに沿って移動するにつれて、規制部材39を搬送方向Pの下流に向かって移動させる。
また、複数のスライド部材35のうちの、スライド部材35Aに対し搬送方向Pの上流側に隣り合うスライド部材35Bは、規制部材40を備えている。規制部材40は、搬送方向Pにおいて正極8を位置決めするための部材である。規制部材40は、載置面35sよりも上方に突出している。本実施形態では、スライド部材35Bは、1つの正極8を載置する複数(ここでは、3つ)のスライド部材35のうちの、搬送方向Pの最下流に位置する。つまり、スライド部材35Bは、当該スライド部材35Bの規制部材40によって位置決めされる正極8よりも搬送方向Pの下流に位置する。規制部材40は、規制部材39とは異なり、スライド部材35Bに固定されている。つまり、スライド部材35Bが搬送方向Pに沿って移動しても、スライド部材35Bにおける規制部材40の相対的な位置は変わらない。
スライド部材35Aについて詳細に説明する。スライド部材35Aは、第1部分41と、第2部分42と、連結部材43と、を備えている。第1部分41の幅方向と交差する断面は、H型である。第1部分41は、循環方向に沿って互いに隣り合う一対のパイプ34に、幅方向にスライド可能な状態で係合されて取り付けられている。第1部分41は、載置台44と、ガイドピン38と、を有している。ガイドピン38は、第1部分41の下面に設けられ、第1部分41の下面から下方に向けて突出している。載置台44は、正極8が載置される部分である。載置台44の上面には、凹部41aが設けられている。凹部41aの搬送方向Pと交差する断面形状は、T字型である。凹部41aは、搬送方向Pに沿って第1部分41を貫通している。凹部41aの搬送方向Pに沿って延びる一対の上縁には、一対の係止片41bが設けられている。一対の係止片41bは、搬送方向Pに沿って延びている。
第2部分42は、基部45と、載置台46と、規制部材39と、を有している。基部45は、第1部分41よりも上流に配置され、幅方向に延びている。基部45の幅方向の長さは、第1部分41の幅方向の長さよりも長い。基部45は、第1部分41の幅方向の一端よりも幅方向に突出している。基部45には、基部45を上下方向に貫通するガイド孔45aが設けられている。ガイド孔45aは、幅方向に延びる長孔である。ガイド孔45aは、基部45の幅方向の一端付近に設けられる。ガイド孔45aは、端部45bと端部45cとを有する。端部45bは、第1部分41の幅方向の一端近傍に設けられ、端部45cは、第1部分41の幅方向の一端よりも外側に設けられる。規制部材39は、基部45の上面に設けられ、基部45の上面から上方に突出している。規制部材39は、基部45の上流端に位置する。
載置台46は、基部45から搬送方向Pの下流に向けて延びている。載置台46は、基部45の幅方向における中央よりも幅方向の他端寄りに配置されている。載置台46は、凹部41aに挿通可能な形状を有している。載置台46の搬送方向Pと交差する断面形状は、T字型である。載置台46は、本体部46aと、一対の突出片46bと、を有している。本体部46aは、搬送方向Pに沿って延びる部材である。一対の突出片46bは、本体部46aの幅方向の両端に設けられ、搬送方向Pに沿って延びている。突出片46bは、上下方向において係止片41bに係止されている。本体部46aの上面が凹部41aから露出した状態で、載置台46は凹部41aに挿通される。
連結部材43は、第1部分41と第2部分42とを連結する部材である。連結部材43の一端は、第1部分41に回動可能に設けられている。連結部材43の他端は、第2部分42に幅方向に沿って移動可能に設けられている。連結部材43は、ピン47と、ピン48と、ガイドピン49(第2ガイドピン)と、を有している。ピン47は、連結部材43の一端における上面に設けられ、上面から上方に向けて突出している。ピン47は、第1部分41の上流側の端部のうち、幅方向における一端に回動(回転)可能に設けられている。ピン48は、連結部材43の他端における上面に設けられ、上面から上方に向けて突出している。ピン48は、第2部分42に設けられたガイド孔45aに挿通され、ガイド孔45aに沿って移動可能である。ガイドピン49は、連結部材43の下面に設けられ、連結部材43の下面から下方に向けて突出している。
スライド部材35Aでは、第1部分41の上面と、基部45の上面と、本体部46aの上面と、は同一平面上に位置し、これらの面によって、載置面35sが形成される。
ガイド部材37は、複数のスライド部材35を搬送方向Pに沿ってガイドする板状部材である。ガイド部材37は、パイプ34の下方に設けられている。ガイド部材37は、ガイドピン38を受ける受け部51(第1受け部)と、ガイドピン49を受ける受け部52(第2受け部)と、を有している。受け部51には、ガイドピン38の先端部が嵌入されるガイド溝51aが設けられている。受け部52には、ガイドピン49の先端部が嵌入されるガイド溝52aが設けられている。受け部51(ガイド溝51a)と受け部52(ガイド溝52a)との幅方向における距離は、搬送方向Pの下流に向かうにつれて長くなっている。
スライド部材35が循環経路に沿って循環移動すると、循環経路の上段に位置するスライド部材35は、搬送方向Pに沿って移動する。このとき、各スライド部材35のガイドピン38は、受け部51のガイド溝51aに沿って移動する。スライド部材35Aでは、第1部分41が循環方向に沿って互いに隣り合う一対のパイプ34に取り付けられているので、第1部分41が搬送方向Pに沿って移動する。第2部分42は、連結部材43を介して第1部分41と連結されているので、第1部分41とともに搬送方向Pに沿って移動する。このとき、スライド部材35Aのガイドピン38は、受け部51のガイド溝51aに沿って移動するとともに、スライド部材35Aのガイドピン49は、受け部52のガイド溝52aに沿って移動する。
ここで、受け部51と受け部52との幅方向における距離は、搬送方向Pの下流に向かうにつれて長くなっている。搬送方向Pの上流では、ガイドピン38とガイドピン49との幅方向における間隔は狭いので、ピン47とピン48とが搬送方向Pに沿って配列されるように連結部材43は配置される。このとき、連結部材43のピン48は、ガイド孔45aの端部45b付近に位置する。このスライド部材35Aの初期状態では、ピン47とピン48とが搬送方向Pに沿って配列されるので、連結部材43は、第1部分41と基部45とが離間した状態で、第1部分41と第2部分42とを連結している。このため、搬送方向Pにおいて隣り合う規制部材39と規制部材40との間隔は広い。
この状態で、前工程から正極8が搬送コンベア23に供給される。言い換えれば、正極8の受取位置において、1つの正極8を搬送方向Pにおいて位置決めする規制部材39と規制部材40との間隔は広くなるように設定されている。このとき、規制部材39と規制部材40との間隔は広いので、正極8が供給されるタイミングがずれたとしても、正極8は、規制部材39と規制部材40との間において受け取られ、規制部材39と規制部材40との間に位置するスライド部材35の載置面35s上に載置され得る。
そして、スライド部材35Aが搬送方向Pに沿って移動するにつれて、ガイドピン38とガイドピン49との幅方向における間隔が広がっていく。連結部材43はピン47によって第1部分41に回動可能に設けられているので、幅方向においてガイドピン49がガイドピン38から離れるにつれて、連結部材43は連結部材43の一端(ピン47)を軸として回動する。これにより、ピン48はガイド孔45aの端部45bから端部45cに向けて、ガイド孔45aに沿って移動する。ピン47とピン48との距離は一定であるので、ピン47とピン48とが、幅方向において離れると、搬送方向Pにおいて近づく。つまり、連結部材43の他端が搬送方向Pにおいて第1部分41に近づく。このため、第2部分42には、搬送方向Pに沿って第1部分41に近づくような力が作用する。
これにより、第2部分42は、連結部材43を介して、搬送方向Pに沿って第1部分41に近づくように移動する。具体的には、載置台46が凹部41aに挿入されながら、基部45(規制部材39)が第1部分41に向かって下流に移動する。すると、載置面35s上に載置されている正極8の上流に位置する縁に規制部材39が当接し、さらに規制部材39が下流に移動することで、規制部材39が搬送方向Pの下流に向けて正極8を移動させる。
そして、搬送方向Pの下流において、受け部51と受け部52との幅方向における距離が一定になると、連結部材43の回動は停止し、第2部分42は第1部分41に対して相対的に静止する。このとき、ピン47とピン48とは、幅方向に沿って配列されており、ピン48は、ガイド孔45aの端部45c付近に位置している。また、基部45は第1部分41に当接している。これにより、規制部材39は、第1部分41に対して相対的に静止する。そして、規制部材39によって搬送方向Pにおいて正極8を位置決めした状態で、スライド部材35Aは搬送方向Pに沿って移動する。この状態で、正極8は、所定の送出位置に到ると、搬送方向Pの下流にある加工装置、又は次の搬送装置に受け渡される。
以上のように、スライド部材35Aが搬送方向Pに沿って移動するにつれて、規制部材39が搬送方向Pに沿って正極8に向かって移動する。これにより、正極8を確実に受け取りながら、搬送方向Pにおいて正極8の位置決めが行われる。
以上説明したように、電極搬送装置20では、複数のスライド部材35の載置面35sに正極8が載置され、スライド部材35Aが搬送方向Pに沿って移動するにつれて、載置面35sよりも上方に突出している規制部材39が搬送方向Pに沿って正極8に向かって移動することで、搬送方向Pにおける正極8の位置決めが行われる。このため、複数の正極8を連続して搬送する際に、正極8をそれぞれ位置決めするための規制部材39と規制部材40との間隔が、搬送方向Pの上流においては、規制部材39が移動する距離だけ広い。これにより、正極8が供給されるタイミングがずれたとしても、規制部材39と規制部材40との間において正極8を受け取ることができる可能性が高くなる。その結果、搬送方向Pにおける正極8の位置決めを行いつつ、正極8をより確実に受け取ることが可能となる。
複数のスライド部材35のそれぞれは、下方に延びるガイドピン38を備え、ガイド部材37は、ガイドピン38を受ける受け部51を備えている。このため、複数のスライド部材35が搬送方向Pに沿って移動すると、複数のスライド部材35のガイドピン38が受け部51に沿って移動する。これにより、受け部51によって、複数のスライド部材35の搬送経路を規定することができる。
スライド部材35Aは、下方に延びるガイドピン49を備え、ガイド部材37は、ガイドピン49を受ける受け部52を備えている。そして、受取位置と送出位置との間において、受け部51と受け部52との幅方向における距離は、搬送方向Pの下流に向かうにつれて規制部材39が正極8(規制部材40)に向かって移動するように設定されている。このように、受け部51と受け部52との幅方向における距離を変えることにより、スライド部材35Aが搬送方向Pに沿って移動するにつれて、規制部材39を搬送方向Pに沿って正極8(規制部材40)に向かって移動させることができる。
スライド部材35Aは、当該スライド部材35Aの規制部材39によって位置決めされる正極8よりも搬送方向Pの上流に位置している。スライド部材35Aは、搬送方向Pに沿って移動するにつれて、規制部材39を搬送方向Pの下流に向かって移動させる。このため、搬送方向Pにおいて、正極8の上流に位置する縁に規制部材39が下流に向けて押し当てられる。このため、正極8の上流の縁を基準として、搬送方向Pにおける正極8の位置決めを行うことができる。
(第2実施形態)
次に、図13〜図17を参照して、第2実施形態に係る搬送コンベア23Aを説明する。図13は、第2実施形態に係る搬送コンベアの模式的な側面図である。図14は、図13に示された搬送コンベアの部分的な平面図である。図15は、図14のXV−XV線に沿った断面図である。図16は、図15に示されたスライド部材を斜め上方から見た斜視図である。図17は、図15に示されたスライド部材を斜め下方から見た斜視図である。図13〜図15に示される搬送コンベア23Aは、スライド部材35Aに代えてスライド部材35C(第1載置部材)を備える点、及びガイド部材37に代えてガイド部材37Aを備える点において、搬送コンベア23と主に相違する。
スライド部材35Cは、第1部分61と、第2部分62と、を備えている。第1部分61は、基部63と、載置台64と、ガイドピン38と、規制部材39と、を有している。基部63は、第2部分62よりも上流に配置され、幅方向に延びている。ガイドピン38は、第1部分61(基部63)の下面に設けられ、第1部分61(基部63)の下面から下方に向けて突出している。規制部材39は、基部63の上面に設けられ、基部63の上面から上方に突出している。規制部材39は、基部63の上流端に位置する。
載置台64は、正極8が載置される部分である。載置台64は、平面視で台形形状を有する板状部材である。なお、載置台64は後述の底板67上に配置されている。載置台64は、載置面64aと、傾斜面64bと、を有する。載置面64aは、正極8が載置される面である。載置面64aは、平面視で台形形状を有する。傾斜面64bは、搬送方向Pに対して傾斜するとともに、搬送方向Pにおいて規制部材39を移動させる方向とは反対方向(ここでは、搬送方向Pの上流)に向いている。載置台64は、受け部65を有している。受け部65は、傾斜面64bに設けられる。受け部65には、後述する係止片69の先端部が嵌入される溝65aが設けられる。溝65aは、傾斜面64bに沿って延びている。
第2部分62の幅方向と交差する断面形状は、H型である。第2部分62は、循環方向に沿って互いに隣り合う一対のパイプ34に、幅方向にスライド可能な状態で係合されて取り付けられている。第2部分62は、載置台66と、ガイドピン49と、を有している。ガイドピン49は、第2部分62の下面に設けられ、第2部分62の下面から下方に向けて突出している。載置台66は、正極8が載置される部分である。載置台66は、底板67と、上板68と、を有している。底板67は、平面視で矩形形状を有している。
上板68は、底板67上に設けられる。上板68は、平面視で台形形状を有している。上板68と載置台64とが合わさることで、矩形状の載置台が形成される。上板68は、載置面66aと、傾斜面66bと、を有している。載置面66aは、正極8が載置される面である。載置面66aは、平面視で台形形状を有する。傾斜面66bは、搬送方向Pに対して傾斜するとともに、搬送方向Pの下流を向いている。傾斜面66bは、傾斜面64bと対向する。載置台66は、係止片69を有している。係止片69は、傾斜面66bに設けられ、傾斜面66bに沿って延びている。係止片69の先端部分は、下方に向かって屈曲している。係止片69の先端部分は、受け部65の溝65aに嵌入しており、溝65aに沿ってスライド可能である。これにより、第2部分62は、傾斜面64bに沿ってスライド可能に構成されている。
スライド部材35Cでは、載置面64aと載置面66aと基部63の上面とは同一平面上に位置し、これらの面によって、載置面35sが形成される。
ガイド部材37Aは、受け部52に代えて受け部52A(第2受け部)を有する点において、ガイド部材37と主に相違している。受け部52Aは、ガイドピン49を受ける部分である。受け部52Aには、ガイドピン49の先端部が嵌入されるガイド溝52bが設けられている。受け部51(ガイド溝51a)と受け部52A(ガイド溝52b)との幅方向における距離は、搬送方向Pの下流に向かうにつれて短くなっている。
スライド部材35が循環経路に沿って循環移動すると、循環経路の上段に位置するスライド部材35は、搬送方向Pに沿って移動する。このとき、各スライド部材35のガイドピン38は、受け部51のガイド溝51aに沿って移動する。スライド部材35Cでは、第2部分62が循環方向に沿って互いに隣り合う一対のパイプ34に取り付けられているので、第2部分62が搬送方向Pに沿って移動する。第1部分61は、搬送方向Pと交差するとともに上流を向く傾斜面64bを有し、傾斜面64bは係止片69の端面と当接している。このため、第2部分62が搬送方向Pに沿って移動することで、傾斜面64bに搬送方向Pに沿った力が加わり、第1部分61が第2部分62とともに搬送方向Pに沿って移動する。このとき、スライド部材35Cのガイドピン38は、受け部51のガイド溝51aに沿って移動するとともに、スライド部材35Cのガイドピン49は、受け部52Aのガイド溝52bに沿って移動する。
ここで、受け部51と受け部52Aとの幅方向における距離は、搬送方向Pの下流に向かうにつれて短くなっている。搬送方向Pの上流では、ガイドピン38とガイドピン49との幅方向における間隔は広いので、この間隔に応じて第1部分61と第2部分62とが配置されている。このスライド部材35Cの初期状態では、搬送方向Pにおいて第2部分62と基部63とが離間した状態で、受け部65と係止片69とは互いに嵌合している。このため、搬送方向Pにおいて隣り合う規制部材39と規制部材40との間隔は広い。
この状態で、前工程から正極8が搬送コンベア23に供給される。言い換えれば、正極8の受取位置において、1つの正極8を搬送方向Pにおいて位置決めする規制部材39と規制部材40との間隔は広くなるように設定されている。このとき、規制部材39と規制部材40との間隔は広いので、正極8が供給されるタイミングがずれたとしても、正極8は、規制部材39と規制部材40との間において受け取られ、規制部材39と規制部材40との間に位置するスライド部材35の載置面35s上に載置され得る。
そして、スライド部材35Cが搬送方向Pに沿って移動するにつれて、ガイドピン38とガイドピン49との幅方向における間隔が狭まっていく。係止片69は、受け部65の溝65aに沿ってスライド可能に設けられているので、幅方向においてガイドピン49がガイドピン38に近づくにつれて、幅方向において載置台66が載置台64に向かって移動し、傾斜面64bに幅方向に沿った力が加わる。傾斜面64bは搬送方向Pに対して傾斜するとともに上流を向いているので、搬送方向Pにおいて基部63(規制部材39)が載置台66に近づくように、係止片69が溝65aに沿ってスライドする。
これにより、第1部分61(規制部材39)は、搬送方向Pに沿って第2部分62に近づくように移動する。すると、載置面35s上に載置されている正極8の上流に位置する縁に規制部材39が当接し、さらに規制部材39が下流に移動することで、規制部材39が搬送方向Pの下流に向けて正極8を移動させる。
そして、搬送方向Pの下流において、受け部51と受け部52Aとの幅方向における距離が一定になると、第1部分61は第2部分62に対して相対的に静止する。このとき、基部63と載置台66とが当接している。つまり、基部63と載置台64とによって形成される角部に載置台66が収容され、載置面64aと載置面66aと基部63の上面とによって矩形状の載置面35sが形成される。これにより、規制部材39は、第2部分62に対して相対的に静止する。そして、規制部材39によって搬送方向Pにおいて正極8を位置決めした状態で、スライド部材35Cは搬送方向Pに沿って移動する。この状態で、正極8は、所定の送出位置に到ると、搬送方向Pの下流にある加工装置、又は次の搬送装置に受け渡される。
以上のように、スライド部材35Cが搬送方向Pに沿って移動するにつれて、規制部材39が搬送方向Pに沿って正極8に向かって移動する。これにより、正極8を確実に受け取りながら、搬送方向Pにおいて正極8の位置決めが行われる。
以上説明したように、搬送コンベア23Aを備える電極搬送装置20においても、搬送コンベア23を備える電極搬送装置20と同様の効果が奏される。また、搬送コンベア23Aを備える電極搬送装置20では、連結部材43を必要とせず、部品点数を少なくすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、上記実施形態においては、幅方向に1つの正極8が搬送される例を挙げた。しかしながら、電極搬送装置20は、幅方向に2つ以上の複数の正極8を搬送してもよい。例えば、電極搬送装置20は、打ち抜き工程において帯状の電極材料から多条取り(例えば2条取り)で切断された個別電極である正極8を搬送する装置であってもよい。
また、搬送コンベア23,23Aは、幅方向において正極8を位置決めするための位置決め機構をさらに備えてもよい。例えば、第2実施形態の搬送コンベア23Aにおいて、第2部分62の側端に規制部材を設けることで、幅方向における位置決めが可能になる。
スライド部材35A,35Cは、1つの正極8を載置する複数(ここでは、3つ)のスライド部材35のうちの、搬送方向Pの最下流に位置してもよい。つまり、スライド部材35A,35Cは、当該スライド部材35A,35Cの規制部材39によって位置決めされる正極8よりも搬送方向Pの下流に位置してもよい。この場合、スライド部材35A,35Cは、搬送方向Pに沿って移動するにつれて、規制部材39を搬送方向Pの上流に向かって移動させる。この構成によれば、搬送方向Pにおいて、正極8の下流に位置する縁に規制部材39が上流に向けて押し当てられる。このため、正極8の下流の縁を基準として、搬送方向Pにおける正極8の位置決めを行うことができる。
搬送コンベア23では、受取位置と送出位置との間において、受け部51(ガイド溝51a)と受け部52(ガイド溝52a)との幅方向における距離は、搬送方向Pの下流に向かうにつれて規制部材39が正極8(規制部材40)に向かって移動するように変化していればよい。例えば、図18に示されるように、搬送コンベア23では、受け部51(ガイド溝51a)と受け部52(ガイド溝52a)との幅方向における距離は、搬送方向Pの下流に向かうにつれて短くなっていてもよい。この場合、ガイド孔45aは、幅方向において反転して設けられる。つまり、端部45bは、第1部分41の幅方向の一端近傍に設けられ、端部45cは、第1部分41の幅方向における中心側に設けられる。
この構成においても、スライド部材35Aが搬送方向Pに沿って移動するにつれて、ピン48はガイド孔45aの端部45bから端部45cに向けて、ガイド孔45aに沿って移動する。これにより、第2部分42は、連結部材43を介して、搬送方向Pに沿って第1部分41に近づくように移動し、規制部材39が搬送方向Pの下流に向けて正極8を移動させる。
搬送コンベア23Aでは、受取位置と送出位置との間において、受け部51(ガイド溝51a)と受け部52A(ガイド溝52b)との幅方向における距離は、搬送方向Pの下流に向かうにつれて規制部材39が正極8(規制部材40)に向かって移動するように変化していればよい。例えば、図19に示されるように、搬送コンベア23Aでは、受け部51(ガイド溝51a)と受け部52A(ガイド溝52b)との幅方向における距離は、搬送方向Pの下流に向かうにつれて長くなっていてもよい。この場合、傾斜面64bは、搬送方向Pに対して傾斜するとともに、搬送方向Pにおいて規制部材39を移動させる方向(ここでは、搬送方向Pの下流)に向いている。傾斜面66bは、搬送方向Pに対して傾斜するとともに、搬送方向Pの上流を向いている。
この構成においても、スライド部材35Cが搬送方向Pに沿って移動するにつれて、幅方向において載置台64が載置台66に向かって移動し、搬送方向Pにおいて基部63(規制部材39)が載置台66に近づくように、係止片69が溝65aに沿ってスライドする。これにより、第1部分61は、搬送方向Pに沿って第2部分62に近づくように移動し、規制部材39が搬送方向Pの下流に向けて正極8を移動させる。
さらに、上記実施形態では、蓄電装置1がリチウムイオン二次電池であるが、リチウムイオン二次電池には限られない。電極搬送装置20は、例えばニッケル水素電池等の他の二次電池、電気二重層キャパシタ、またはリチウムイオンキャパシタ等の蓄電装置における電極の搬送にも適用可能である。
8…正極(電極)、9…負極(電極)、20…電極搬送装置、23,23A…搬送コンベア、35…スライド部材(載置部材)、35A,35C…スライド部材(第1載置部材)、35s…載置面、37,37A…ガイド部材、38…ガイドピン(第1ガイドピン)、39…規制部材、41…第1部分、42…第2部分、43…連結部材、49…ガイドピン(第2ガイドピン)、51…受け部(第1受け部)、51a…ガイド溝、52,52A…受け部(第2受け部)、52a…ガイド溝、52b…ガイド溝、61…第1部分、62…第2部分、64b…傾斜面、P…搬送方向。

Claims (7)

  1. 電極を搬送するための電極搬送装置であって、
    搬送方向に沿って配列されるとともに前記搬送方向に沿って移動する複数の載置部材を備え、
    前記複数の載置部材のそれぞれは、前記電極が載置される載置面を有し、
    前記複数の載置部材のうちの第1載置部材は、前記搬送方向において前記電極を位置決めするための規制部材を備え、
    前記規制部材は、前記載置面よりも上方に突出し、
    前記第1載置部材は、前記搬送方向に沿って移動するにつれて、前記規制部材を前記搬送方向に沿って前記電極に向かって移動させる、電極搬送装置。
  2. 前記複数の載置部材を前記搬送方向に沿ってガイドするガイド部材をさらに備え、
    前記複数の載置部材のそれぞれは、下方に延びる第1ガイドピンを備え、
    前記ガイド部材は、前記第1ガイドピンを受ける第1受け部を備える、請求項1に記載の電極搬送装置。
  3. 前記複数の載置部材は、前記電極を受け取る受取位置と前記電極を送出する送出位置との間で前記電極を搬送し、
    前記第1載置部材は、下方に延びる第2ガイドピンをさらに備え、
    前記ガイド部材は、前記第2ガイドピンを受ける第2受け部をさらに備え、
    前記受取位置と前記送出位置との間において、前記第1受け部と前記第2受け部との前記搬送方向と交差する幅方向における距離は、前記搬送方向の下流に向かうにつれて変化する、請求項2に記載の電極搬送装置。
  4. 前記第1載置部材は、前記第1ガイドピンを有する第1部分と、前記規制部材を有する第2部分と、前記第1部分と前記第2部分とを連結する連結部材と、を備え、
    前記連結部材の一端は、前記第1部分に回動可能に設けられ、
    前記連結部材の他端は、前記第2部分に、前記幅方向に沿って移動可能に設けられ、
    前記連結部材は、前記第2ガイドピンを備え、
    前記第1受け部と前記第2受け部との前記幅方向における距離は、前記搬送方向の下流に向かうにつれて長くなる、請求項3に記載の電極搬送装置。
  5. 前記第1載置部材は、前記搬送方向に対して傾斜するとともに、前記搬送方向において前記規制部材を移動させる方向とは反対方向に向いている傾斜面を有する第1部分と、前記傾斜面に沿ってスライド可能に設けられた第2部分と、を備え、
    前記第1部分は、前記第1ガイドピン及び前記規制部材を備え、
    前記第2部分は、前記第2ガイドピンを備え、
    前記第1受け部と前記第2受け部との前記幅方向における距離は、前記搬送方向の下流に向かうにつれて短くなる、請求項3に記載の電極搬送装置。
  6. 前記第1載置部材は、前記規制部材によって位置決めされる前記電極よりも前記搬送方向の上流に位置し、前記搬送方向に沿って移動するにつれて、前記規制部材を前記搬送方向の下流に向かって移動させる、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の電極搬送装置。
  7. 前記第1載置部材は、前記規制部材によって位置決めされる前記電極よりも前記搬送方向の下流に位置し、前記搬送方向に沿って移動するにつれて、前記規制部材を前記搬送方向の上流に向かって移動させる、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の電極搬送装置。
JP2018085104A 2018-04-26 2018-04-26 電極搬送装置 Pending JP2019192522A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114435889A (zh) * 2022-03-02 2022-05-06 珠海市硅酷科技有限公司 双层输送线
CN116164543A (zh) * 2023-04-23 2023-05-26 福建福碳新材料科技有限公司 一种能够整装高效取放的石墨化焙烧产线

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