JP6984204B2 - セパレータ付き電極の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セパレータ付き電極の製造方法に関する。
電極を搬送経路に沿って搬送しながら前記電極にセパレータを設けることによりセパレータ付き電極を製造するセパレータ付き電極の製造方法として、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1では、搬送されてきた電極を一対のローラ(極板フィーダ)で受け取り、下流側のローラ(ロ−タリーヒーター・補助ローラー)間で当該電極をセパレータで包んでいる。具体的には、極板フィーダーが電極を受け取り、その後、タイミングを調整しながらロ−タリーヒーター・補助ローラー間の溶着位置に高速で送り出すことによって、セパレータの溶着箇所と電極との位置関係を調整している。
特開2013−178951号公報
ところで、多くの場合、電極は、ロール状に巻回されたシート部材を供給ロールから繰り出し、当該シート部材を切断することによって形成される。従って、電極には反りが発生する場合がある。従って、特許文献1においては、反った状態の電極の先端部が、電極を受け取る極板フィーダーの外周面等と衝突する場合があった。または、下流側のロ−タリーヒーターの外周面と衝突する場合があった。このような衝突が生じた場合、セパレータの溶着箇所に対する電極の供給タイミングに遅延が生じ、セパレータの溶着箇所と電極との位置関係が悪化する場合がある。
本発明の目的は、搬送される電極とセパレータの溶着箇所との位置関係の悪化を抑制できるセパレータ付き電極の製造方法を提供することである。
本発明の一態様に係るセパレータ付き電極の製造方法は、電極を搬送経路に沿って搬送しながら電極にセパレータを設けることによりセパレータ付き電極を製造するセパレータ付き電極の製造方法であって、帯状のシート部材が巻回された供給ロールから、シート部材を繰り出して供給する供給工程と、供給工程にて供給されたシート部材を切断して電極を形成する切断工程と、切断工程にて形成された電極を搬送経路に沿って搬送する搬送工程と、搬送工程で搬送されている電極の厚さ方向における位置決めを行う位置決め工程と、位置決め工程で位置決めされた電極を一対のローラで挟み、電極をセパレータで包むセパレータ包み工程と、を備え、位置決め工程では、一対のローラ間の隙間に対して、電極の搬送方向における下流側の先端部の位置決めが行われる。
このようなセパレータ付き電極の製造方法において、供給工程では、帯状のシート部材が巻回された供給ロールが、シート部材を繰り出して供給する。また、切断工程では、供給工程にて供給されたシート部材を切断して電極を形成する。このように、電極は、巻回されたシート部材を切断することによって形成されるため、切断後の電極に反りが発生する場合がある。これに対して、電極を搬送する搬送工程と、電極を一対のセパレータで包むセパレータ包み工程との間では、搬送工程で搬送されている電極の厚さ方向における位置決めを行う位置決め工程が行われる。また、位置決め工程では、一対のローラ間の隙間に対して、電極の搬送方向における下流側の先端部の位置決めが行われる。これによって、電極の下流側の先端部がローラの外周面等と衝突することを防止し、スムーズに一対のローラ間の隙間に挿入される。以上により、搬送される電極とセパレータの溶着箇所との位置関係の悪化を抑制できる。
位置決め工程では、電極を支持する支持部の上で電極を支持し、支持部側へ電極を押さえることによって、電極の位置決めを行ってよい。これにより、電極の反りを解消することができる。
位置決め工程では、支持部と対向する位置に設けられたガイド部材にて、電極を支持部側へ押さえてよい。これにより、支持部とガイド部材との間で電極の厚さ方向の位置を規定し、電極の搬送方向の下流側の先端部の位置決めをすることができる。
搬送工程では、電極の搬送方向における上流側の先端部の位置を規制し、搬送方向へ移動する規制部材が用いられ、規制部材は、搬送方向から見てガイド部材と異なる位置に設けられていてよい。これにより、ガイド部材が設けられる場合であっても、規制部材が搬送時にガイド部材の位置を通過する場合に、規制部材がガイド部材と干渉することを防止できる。
本発明によれば、搬送される電極とセパレータの溶着箇所との位置関係の悪化を抑制できるセパレータ付き電極の製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係るセパレータ付き電極の製造方法を適用して製造される蓄電装置の内部を示す断面図である。 図1のII−II線断面図である。 セパレータ付き正極を模式的に示す図である。 本発明の実施形態に係るセパレータ付き電極の製造方法の手順を示すフロー図である。 供給工程、切断工程及び搬送工程が実行される装置を示す概略側面図である。 位置決め工程及びセパレータ包み工程が実行される装置を示す概略側面図である。 位置決め工程が実行される部分を拡大した概略側面図である。 図7に示すVIII−VIII線に沿った断面図である。 作用・効果を説明するための模式図である。 変形例に係るセパレータ付き電極の製造方法を実施するための構造を示す概略側面図である。 変形例に係るセパレータ付き電極の製造方法を実施するための構造を示す概略側面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態に係るセパレータ付き電極の製造方法を適用して製造される蓄電装置の内部を示す断面図である。図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。図1及び図2に示される蓄電装置1は、例えばリチウムイオン二次電池といった非水電解質二次電池として構成されている。
蓄電装置1は、例えば略直方体形状のケース2と、このケース2内に収容された電極組立体3と、を備えている。ケース2は、例えばアルミニウム等の金属により形成されている。ケース2の内部には、図示はしないが、例えば非水系(有機溶媒系)の電解液が注液されている。ケース2上には、正極端子4及び負極端子5が互いに離間して配置されている。正極端子4は、絶縁リング6を介してケース2に固定され、負極端子5は、絶縁リング7を介してケース2に固定されている。
また、電極組立体3とケース2の内側の側面及び底面との間には絶縁フィルムFが配置されており、当該絶縁フィルムFによってケース2と電極組立体3との間が絶縁されている。電極組立体3の下端は、絶縁フィルムFを介してケース2の内側の底面に接触している。電極組立体3とケース2との間にスペーサSPを配置することにより、電極組立体3とケース2との間に隙間が埋められている。スペーサSPは、一枚または複数枚のシートを備えており、当該シートの枚数は電極組立体3の厚さによって変化し得る。
電極組立体3は、複数の正極8と複数の負極9とが袋状のセパレータ10を介して交互に積層された構造を有している。正極8には、セパレータ10が設けられている。セパレータ10が設けられた状態の正極8は、セパレータ付き正極11として構成されている。従って、電極組立体3は、複数のセパレータ付き正極11と複数の負極9とが交互に積層された構造を有している。なお、電極組立体3の両端に位置する電極は、負極9である。
図3は、セパレータ付き正極(セパレータ付き正極11)を模式的に示す図である。図1〜3に示されるように、正極8は、例えばアルミニウム箔からなる正極集電体である金属箔14と、この金属箔14の両面に形成された正極活物質層15とを有している。金属箔14は、平面視矩形状の箔本体部14aと、この箔本体部14aと一体化されたタブ14bとを有している。箔本体部14aは、下端部14x、下端部14xの反対側の上端部14y、及び、下端部14xと上端部14yとを互いに接続する一対の側端部14r,14pを含む。側端部14r,14pは、下端部14x及び上端部14yに交差する。タブ14bは、正極端子4の側で隣接する位置で箔本体部14aの上端部14yから突出して、セパレータ10を突き抜けている。タブ14bは、導電部材12を介して正極端子4に接続されている。なお、図2では、便宜上タブ14bを省略している。
正極活物質層15は、箔本体部14aの両面に形成されている。正極活物質層15は、正極活物質とバインダとを含んで形成された多孔質の層である。正極活物質としては、例えば複合酸化物、金属リチウムまたは硫黄等が挙げられる。複合酸化物には、例えばマンガン、ニッケル、コバルト及びアルミニウムの少なくとも1つとリチウムとが含まれる。
負極9は、例えば銅箔からなる負極集電体である金属箔16と、この金属箔16の両面に形成された負極活物質層17とを有している。金属箔16は、平面視矩形状の箔本体部16aと、この箔本体部16aと一体化されたタブ16bとを有している。タブ16bは、箔本体部16aの一端部近傍の縁から突出している。タブ16bは、導電部材13を介して負極端子5に接続されている。なお、図2では、便宜上タブ16bを省略している。
負極活物質層17は、箔本体部16aの両面に形成されている。負極活物質層17は、負極活物質とバインダとを含んで形成された多孔質の層である。負極活物質としては、例えば黒鉛、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、ハードカーボン、ソフトカーボン等のカーボン、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、金属化合物、SiOx(0.5≦x≦1.5)等の金属酸化物またはホウ素添加炭素等が挙げられる。
セパレータ10は、一例として、正極8を内部に収容している。すなわち、正極8は、袋状のセパレータ10に包まれている。セパレータ10は、平面視矩形状を呈している。セパレータ10は、一対の長尺シート状のセパレータ部材を互いに溶着して、正極8の外周を覆う袋状に形成した後、切断することで形成される。具体的には、セパレータ10は、セパレータ部材を互いに溶着して形成される溶着領域W1、溶着領域W2、溶着領域W3、及び溶着領域W4によって外縁が規定される袋状である。なお、図3においては、説明のために溶着領域W1〜溶着領域W4に網掛けを施している。
溶着領域W1は、箔本体部14aの側端部14rに対向すると共に側端部14rに沿って延びる領域である。溶着領域W3は、箔本体部14aの側端部14pに対向すると共に側端部14pに沿って延びる領域である。溶着領域W2は、箔本体部14aの下端部14xに対向すると共に下端部14xに沿って延びる領域である。溶着領域W4は、箔本体部14aの上端部14yに対向すると共に上端部14yに沿って延びる領域である。溶着領域W1〜溶着領域W4は、矩形環状となるように互いに接続されている。互いに離間した複数(ここでは、2つ)の溶着領域W4間には、非溶着領域W5が介在されている。
セパレータ10は、非溶着領域W5において閉じられていない。セパレータ10においては、非溶着領域W5を介して、タブ14bが突出している。セパレータ10の材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、或いはポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルセルロース等からなる織布または不織布等が例示される。なお、セパレータ10内で正極8のずれが生じない範囲において、溶着領域W1〜溶着領域W4が間欠的、例えばドット形状をなすように形成されてもよい。
以上のように構成された蓄電装置1を製造する場合は、まず正極8を袋状のセパレータ10で包んでなるセパレータ付き正極11を製作した後、セパレータ付き正極11と負極9とを交互に積層し、セパレータ付き正極11及び負極9をテープ等で固定することで電極組立体3を得る。そして、セパレータ付き正極11のタブ14bを導電部材12を介して正極端子4に接続すると共に、負極9のタブ16bを導電部材13を介して負極端子5に接続した後、電極組立体3をケース2内に収容する。
図4〜図8を用いて、本発明の実施形態に係るセパレータ付き電極の製造方法について説明する。図4は、本発明の実施形態に係るセパレータ付き電極の製造方法の手順を示すフロー図である。図5は、供給工程、切断工程及び搬送工程が実行される装置を示す概略側面図である。図6は、位置決め工程及びセパレータ包み工程が実行される装置を示す概略側面図である。図7は、位置決め工程が実行される部分を拡大した概略側面図である。図8は、図7に示すVIII−VIII線に沿った断面図である。
図4に示すように、本実施形態に係るセパレータ付き電極の製造方法は、供給工程S10と、切断工程S20と、搬送工程S30と、位置決め工程S40と、セパレータ包み工程S50と、を備えている。このようなセパレータ付き電極の製造方法を実行するために、図5及び図6に示す製造装置100が用いられる。ここでは、製造装置100は、前述の正極8をセパレータで包んだセパレータ付き正極11を製造するものとする。図5に示すように、製造装置100は、供給ロール20と、ガイドローラ21と、切断部22と、搬送部23,24,30と、を備えている。また、図6に示すように、製造装置100は、位置決め部60と、セパレータ包み部65と、を備えている。
図5に示すように、供給ロール20は、帯状のシート部材25が巻回されている。供給ロール20は、回転することによってシート部材25を繰り出して供給する。ガイドローラ21は、一対のローラでシート部材25を挟み込んで回転することで、供給ロール20から繰り出されたシート部材25を切断部22へガイドする。切断部22は、一対のローラでシート部材25を挟み込んで回転する。また、切断部22は、一方のローラに刃部を有し、刃部でシート部材25を正極8の形状に切断する。
搬送部23,24,30は、コンベアによって構成されている。搬送部23は、切断部22で切断された正極8を受け取って搬送方向D1へ搬送する。搬送部23は、上面側で正極8を吸着して搬送する。搬送部24は、搬送部23と一部が上側で対向するように配置されており、下面側で正極8を吸着して受け取り、搬送する。搬送部24は、下面側で正極8を吸着した状態で搬送し、搬送部30へ落下させる。搬送部30は、搬送部24と一部が下側で対向するように配置されており、上面側で正極8を受け取り、吸着した状態で搬送する。搬送部30は、搬送方向D1における両端側に配置された駆動ローラ33にベルト32を巻き付けることによって構成される。また、ベルト32には、桟(規制部材)31が設けられる。桟31は、正極8の搬送方向D1における上流側の先端部の位置を規制し、ベルト32と共に搬送方向D1へ移動する規制部材として機能する。
図6に示すように、セパレータ包み部65は、搬送部30から搬送された正極8を受け取る一対のローラ43A,43Bと、セパレータ18bをガイドするローラ44と、セパレータ18a,18bで正極8を挟んで溶着するローラ45A,45Bと、を備えている。ローラ43A,43Bは、ローラ43Aが上下動可能に設けられ、例えば弾性部材68により、ローラ43B側に押圧されている。一方のローラ43Bは、セパレータ18aをガイドする機能も有している。ローラ43A,43Bは従動ローラであり、セパレータ18aの搬送に伴い回転する。搬送部30から搬送された正極8は、ローラ43Aを押し上げながらローラ43A,43B間に進入し、セパレータ18aの搬送によって、ローラ45A,45B側へ搬送される。ローラ43Bの側では、正極8と共にセパレータ18aを搬送方向D1へ送り出す。これにより、正極8は下面側がセパレータ18aに覆われた状態となる。ローラ44は、ローラ43Aとローラ45Aとの間に設けられ、供給されてきたセパレータ18bをローラ45A側へガイドする。なお、本実施形態ではローラ43A,43Bは従動ローラであるが、例えば、ローラ43A,43Bは、モータに連結された駆動ローラであってもよい。また、ローラ43Aについて、上下動可能とする代わりに、表面にスポンジなどを用いることで、正極8を通過可能としてもよい。
ローラ45A,45Bは、正極8が通過可能な隙間をあけて、上下方向に互いに対向している。ローラ43A,43Bから搬送された正極8は、ローラ45A,45B間に形成された隙間へ挿入され、セパレータ18aとともに、下流側へ搬送される。また、ローラ45Aはセパレータ18bを介して正極8を受け取り、ローラ45Bはセパレータ18aを介して正極8を受け取る。これにより、正極8は、上面側をセパレータ18bで覆われ、下面側をセパレータ18aで覆われた状態で、ローラ45A,45Bに挟まれる。また、ローラ45A,45Bは、セパレータ18a,18bを溶着する機能を有する(ロータリーヒータA)。具体的には、ローラ45Bは、高温に維持されるとともに、外周に凸部51を有する。凸部51が、搬送方向D1における正極8と正極8との間で、セパレータ18a,18bをローラ45A側へ押圧することによって溶着を行う。これにより、セパレータ18a,18b間に溶着領域W1,W3(図3も参照)が形成される。なお、本実施形態では、セパレータ18aを熱溶着する形態を記載するが、凸部51が振動ヘッドであり、セパレータ18aを超音波溶着するものであってもよい。
また、図6には省略されているが、製造装置100は、ローラ45A,45Bの下流側に、さらに3対のローラを備える。具体的には、上流側より、溶着領域W2,W4の溶着を行うローラ(ロータリーヒータB)、回転駆動され、セパレータ18a,18bを狭持しながら下流側に搬送するローラ(搬送ローラ)、及び正極8を覆いながら正極8の外周に沿って溶着されたセパレータ18a,18bを切断するローラ(ロータリーカッター)、が配置される。
図7に示すように、位置決め部60は、一対のローラ43A,43B間に対して、正極8の搬送方向D1における下流側の先端部8aの位置決めを行う部分である。位置決め部60は、正極8を支持する支持部61と、支持部61上に支持された正極8を支持部61側へ正極8を押さえるガイド部材41と、を備える。位置決め部60は、支持部61上に支持された正極8をガイド部材41で支持部61側へ正極8を押さえることで位置決めを行う。
支持部61は、搬送部30の搬送方向D1における下流側の端部の一部の領域62と、搬送部30とローラ43Bとの間に配置された支持部材42と、によって構成される。支持部材42は、上面42aにて正極8を支持する。支持部材42は、上面42aの高さ位置が搬送部30の上面30aと略同一となるように配置される。支持部材42の上面30aは、ローラ43A,43B間の隙間の手前側まで延びている。
ガイド部材41は、支持部61と対向する位置に設けられている。ガイド部材41は、横方向から見て平行四辺形の形状を有している。ガイド部材41は、下面41a、上面41b、搬送方向D1における上流側の傾斜面41c、及び搬送方向D1における下流側の傾斜面41dを有している。下面41aは、支持部61である搬送部30の上面30a及び支持部材42の上面42aに対し、隙間をあけて対向する。従って、正極8は、ガイド部材41の下面41aによって支持部61側へ押さえつけられながら、搬送される。傾斜面41cは、搬送方向D1における流側へ向かって上方へ延びるように傾斜する。これにより、反りが生じることで正極8の先端部8aが搬送部30の上面30aから浮いていたとしても(図9の下段を参照)、傾斜面41cが当該先端部8aを下面41a側へガイドすることができる。傾斜面41cの傾斜角度は下面41aに対して鈍角の大きい角度をなしているため、反りが生じた正極8の先端部8aは、スムーズに下面41a側へガイドされる。傾斜面41dは、搬送方向D1における流側へ向かって上方へ延びるように傾斜する。これにより、ガイド部材41は、ローラ43Aと干渉することなく、ローラ43A,43B間の隙間に近い位置に配置されることが可能となる。
図8に示すように、桟31は、搬送方向D1から見てガイド部材41と異なる位置に設けられている。具体的には、桟31は、搬送部30の横方向D2における両端側において、互いに離間するように設けられている。これにより、互いに離間した桟31,31は、搬送部30の横方向D2における中央側に配置されたガイド部材41を回避して搬送方向D1へ移動する。各桟31,31の横方向D2における内側の端部31a,31aは、ガイド部材41の側面41e,41eよりも、横方向D2における外側に配置される。また、端部31a,31aは、搬送部30の略中央位置に配置された場合の正極8の端部8b,8bよりも横方向D2における内側へ配置される。なお、各桟31,31の横方向D2における外側の端部31b,31bは、正極8を搬送できる限り、正極8の端部8b,8bよりも横方向D2における内側に配置してもよく、外側に配置してもよく、同位置に配置してもよい。
次に、図4を参照して、セパレータ付き電極の製造方法について詳細に説明する。まず、帯状のシート部材25が巻回された供給ロール20から、シート部材25を繰り出して切断部22側へ供給する、供給工程S10が実行される。次に、供給工程S10にて供給されたシート部材25を切断部22にて切断して正極8を形成する、切断工程S20が実行される。次に、切断工程S20にて形成された正極8を搬送部23,24,30によって構成される搬送経路に沿って搬送する搬送工程S30が実行される。次に、搬送工程S30で搬送されている正極8の厚さ方向D3における位置決めを行う位置決め工程S40が実行される。位置決め工程S40では、一対のローラ43A,43B間の隙間に対して、正極8の搬送方向D1における下流側の先端部8aの位置決めが行われる。位置決め工程S40で位置決めされた正極8を一対のローラ43A,43Bで挟んで受け取り、正極8をローラ45A,45Bにてセパレータ18a,18bで包むセパレータ包み工程S50が実行される。なお、ローラ45A,45Bの下流側についても、前述する如く、溶着領域W2,W4の溶着などが行われるが、本発明の課題には影響無く、また、特許文献1等に開示されている構造と同様である為、ここでの説明は省略する。
次に、本実施形態に係るセパレータ付き電極の製造方法の作用・効果について説明する。
本実施形態に係るセパレータ付き電極の製造方法において、供給工程S10では、帯状のシート部材25が巻回された供給ロール20が、シート部材25を繰り出して供給する。また、切断工程S20では、供給工程S10にて供給されたシート部材25を切断して正極8を形成する。このように、正極8は、巻回されたシート部材25を切断することによって形成されるため、切断後の正極8に反りが発生する場合がある。例えば、図9の上段に示すように、正極8に反りが発生していない場合、正極8の先端部8aは、ローラ43A,43Bと干渉することなく、スムーズにローラ43A,43B間の隙間に受け入れられる。一方、図9の下段に示すように、正極8に反り(下に凸となるような反り)が発生した場合、正極8の先端部8aの上下方向の位置にズレが生じることで、ローラ43Aと衝突する可能性がある。このような衝突が発生すると、正極8がローラ43A,43B間の隙間に受け入れられるまでに僅かなズレが生じる。この場合、正極8と溶着用のローラ45A,45Bとの間の位置精度が低下し、溶着領域W1,W3(図6参照)に正極8が噛み込む可能性がある。なお、正極8が上に凸となるように反る場合は、支持部材42と搬送部30との隙間、ローラ43Bの外周面などで干渉することで、位置精度の低下が生じる。
これに対して、本実施形態では、正極8を搬送する搬送工程S30と、正極8を一対のローラ43A,43Bで挟んで受け取るセパレータ包み工程S50との間では、搬送工程S30で搬送されている正極8の厚さ方向D3における位置決めを行う位置決め工程S40が行われる。また、位置決め工程S40では、一対のローラ43A,43B間の隙間に対して、正極8の搬送方向D1における下流側の先端部8aの位置決めが行われる。これによって、正極8の下流側の先端部8aがローラ43A,43Bの外周面と衝突することを防止し、スムーズに一対のローラ43A,43B間の隙間に挿入される。以上により、搬送される電極とセパレータの溶着箇所との位置関係の悪化を抑制できる。
位置決め工程S40では、正極8を支持する支持部61の上で正極8を支持し、支持部61側へ正極8を押さえることによって、正極8の位置決めを行ってよい。これにより、正極8の反りを解消することができる。
位置決め工程S40では、支持部61と対向する位置に設けられたガイド部材41にて、正極8を支持部61側へ押さえてよい。これにより、支持部61とガイド部材41との間で正極8の厚さ方向D3の位置を規定し、正極8の搬送方向D1の下流側の先端部8aの位置決めをすることができる。
搬送工程S30では、正極8の搬送方向D1における上流側の先端部8aの位置を規制し、搬送方向D1へ移動する桟31が用いられ、桟31は、搬送方向D1から見てガイド部材41と異なる位置に設けられていてよい。これにより、ガイド部材41が設けられる場合であっても、桟31が搬送時にガイド部材41の位置を通過する場合に、桟31がガイド部材41と干渉することを防止できる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、図11に示すような製造装置200を採用してもよい。製造装置200では、製造装置100のローラ43A及びローラ44が省略されている。従って、位置決め部160を構成するガイド部材41は、支持部材42の上面と対向し、下側のローラ43Bと対向する位置に配置される。また、セパレータ包み部165は、ローラ43Aと、ローラ45A,45Bと、を備える。セパレータ包み部165ではローラ44が省略されているため、上側のセパレータ18bは、ローラ45Aに直接供給される。この製造装置200では、セパレータ包み工程において、位置決め部160にて位置決めされた正極8を一対のローラ45A,45Bで挟んでいる。
また、上記実施形では、ガイド部材41を用いて位置決め工程S40が実行されたが、一対のローラ45A,45B間の隙間に対して、正極8の先端部8aの位置決めを行う事ができる限り、方法は特に限定されない。例えば、図10に示すように、支持部61の上側からエアー150を吹き付けることで、位置合わせを行ってもよい。この場合、支持部61の上面に対向する位置に、エアー150の供給装置140を設けてよい。
また、ガイド部材41の形状や大きさは上述の実施形態に限定されるものではなく、位置決めを行うことができる限り、様々な形状・大きさに変更してよい。
また、セパレータ付き電極の製造装置の全体的な構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜変更してよい。
例えば、上記実施形態では、正極8が袋状のセパレータ10に包まれた状態であるセパレータ付き正極11と負極9とが交互に積層部に積層されるが、特にその形態には限られず、正極と負極が袋状のセパレータに包まれた状態であるセパレータ付き負極とが交互に積層部に積層されてもよい。
さらに、上記実施形態では、蓄電装置1がリチウムイオン二次電池であるが、本発明は、特にリチウムイオン二次電池には限られず、例えばニッケル水素電池等の他の二次電池、電気二重層キャパシタまたはリチウムイオンキャパシタ等の蓄電装置における電極の積層にも適用可能である。
8…正極、11…セパレータ付き正極(セパレータ付き電極)、20…供給ロール、23,24,30…搬送部(搬送経路)、25…シート部材、31…桟(規制部材)、41…ガイド部材、43A,43B…ローラ、61…支持部。

Claims (3)

  1. 電極を搬送経路に沿って搬送しながら前記電極にセパレータを設けることによりセパレータ付き電極を製造するセパレータ付き電極の製造方法であって、
    帯状のシート部材が巻回された供給ロールから、前記シート部材を繰り出して供給する供給工程と、
    前記供給工程にて供給された前記シート部材を切断して前記電極を形成する切断工程と、
    前記切断工程にて形成された前記電極を前記搬送経路に沿って搬送する搬送工程と、
    前記搬送工程で搬送されている前記電極の厚さ方向における位置決めを行う位置決め工程と、
    前記位置決め工程で位置決めされた前記電極を一対のローラで挟み、前記電極を前記セパレータで包むセパレータ包み工程と、を備え、
    前記位置決め工程では、
    前記一対のローラ間の隙間に対して、前記電極の搬送方向における下流側の先端部の位置決めが行われ
    前記電極を支持する支持部の上で前記電極を支持し、前記支持部と対向する位置に設けられたガイド部材にて、前記電極を前記支持部側へ押さえながら、搬送することによって前記位置決めが行われ、
    前記ガイド部材は、前記支持部と対向する下面と、前記下面の前記搬送方向における上流側の端部に接続され前記下面より前記搬送方向における上流側に向かって上方に延びる第1の傾斜面と、を有し、
    前記下面は、一対の前記ローラの隙間の手前まで延び、
    前記搬送工程及び前記位置決め工程では、前記電極の前記搬送方向における上流側の先端部の位置を規制し、前記電極を搬送する搬送部に設けられて前記搬送方向へ移動する規制部材が用いられ、
    前記規制部材は、搬送方向から見て前記ガイド部材と異なる位置に設けられている、セパレータ付き電極の製造方法。
  2. 前記支持部は、前記搬送部と一対の前記ローラとの間に配置された支持部材を備える、請求項1に記載のセパレータ付き電極の製造方法。
  3. 前記ガイド部材は、前記下面の前記搬送方向における下流側の端部に接続され前記下面より前記搬送方向における上流側に向かって上方に延びる第2の傾斜面を有する、請求項1又は2に記載のセパレータ付き電極の製造方法。
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