JP2019187910A - 捕球具用ウェブ及び捕球具 - Google Patents
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Abstract
Description
また、勢いの強いボールをウェブの上側横バーで受けたときに、上側横バーの上縁がボールの勢いにより背面側に反るように変形し、ボールの勢いを抑えることができず、捕球できないこともある。
したがい、より落球し難い、捕球性能の高い捕球具が望まれている。
特許文献1に記載のウェブは、横バーの両端部を山型形状に切り込んで突出部を形成したものである(特許文献1の請求項1等)。
特許文献1に記載のウェブによれば、横バーが親指袋や人差し指袋に対してソフトに係止されるため、捕球時に親指袋と人差し指袋とを閉じる動作が容易になると考えられる(特許文献1の段落0023)。
しかしながら、特許文献1に記載のウェブでは、一度捕球具に収まったボールが上側横バーの上縁から転がり出ることを十分に防止できない。また、上側横バーで受けたボールを捕球し難いという問題を解決できない。
特許文献2に記載のウェブによれば、捕球衝撃を緩和したり、捕球具を閉じ易い等の利点が得られると考えられる(特許文献2の段落0008等)。
しかしながら、特許文献2に記載のウェブでは、一度捕球具に収まったボールが上側横バーの上縁から転がり出ることを十分に防止できない。また、上側横バーで受けたボールを捕球し難いという問題を解決できない。
特許文献3に記載のウェブによれば、屈曲手段によってウェブの上縁が前面側(内側)に屈曲するため、一度捕球具に収まったボールがウェブの上縁から転がり出ることや、ウェブの上縁近傍で受けたボールを捕球し難いという問題をある程度解決できると考えられる(特許文献3の段落0012等)。
しかしながら、特許文献3に記載のウェブは、紐をきつく締めながらウェブの上端部に螺旋状に巻着させて、ウェブの上端部の内側革材を丸めることで、ウェブの上縁を前面側に屈曲させている(特許文献3の段落0024、図4(d)等)。このため、ウェブの上縁の厚みが厚くなり、捕球具の屈曲性が低下するおそれがある。
特許文献4に記載のウェブによれば、捕球時の衝撃が緩和されると考えられる(特許文献4の段落0015等)。
しかしながら、特許文献4に記載のウェブでは、一度捕球具に収まったボールが上側横バーの上縁から転がり出ることを十分に防止できない。また、上側横バーで受けたボールを捕球し難いという問題を解決できない。
なお、上側横バーを十分に傾斜させるには、貫通孔を上側横バーの下側に形成し、係合部が上側横バーの下側に係合することが好ましい。
このため、一度捕球具に収まったボールが上側横バーの上縁から転がり出ることを防止可能である。また、勢いの強いボールをウェブの上側横バーで受けたときに、上側横バーの上縁が背面側に反る変形が抑制され、捕球可能である。
すなわち、本発明に係る捕球具用ウェブによれば、従来よりも落球し難く、捕球性能が高くなる。
このため、この紐によって、上側横バーの上側が背面側から前面側に押圧され易く、上側横バーに十分な傾斜をつけ易くなる。
図1に示すように、本実施形態に係る捕球具100は、親指を挿入する親指袋5と人差し指を挿入する人差し指袋6との間に設けられた捕球具用ウェブ(以下、適宜、単に「ウェブ」という)10を備えている。
ウェブ10は、上側横バー1と、一対の耳状部材2と、下側横バー3と、繋ぎ部材4と、を備えている。
図1又は図2に示すように、上側横バー1は、親指袋5の先端部と人差し指袋6の先端部との間に設けられている。
各耳状部材2は、上側横バー1の端部からそれぞれ横方向に突出する上側パーツ21及び下側パーツ22から構成されている。本実施形態では、上側横バー1の略上半分の部材が上側パーツ21と一体的に形成され、上側横バー1の略下半分の部材が下側パーツ22と一体的に形成され、上側横バー1の上半分の部材と下半分の部材とを図2(a)に示す縫合部12で縫合することで、上側横パーツ1及び一対の耳状部材2が形成されている。
上側パーツ21と下側パーツ22とが、平面視において離れていてもよい。また、上側パーツ21と下側パーツ22とが、平面視において重なる部分を有してもよい。
図3に示すように、変形例の上側横バー1Aでは、図2に示す上側横バー1と異なり、上縁の長さと下縁の長さとが等しくなっている。
また、図3に示すように、変形例の耳状部材2Aでは、図2に示す耳状部材2と異なり、平面視において上側パーツ21Aと下側パーツ22Aとが重なる部分を有している。重なる部分の上下方向の寸法(最大寸法)W1は、上側パーツ21Aの上下方向の寸法(最大寸法)W0及び下側パーツ22Aの上下方向の寸法(最大寸法)W0の50%以下であることが好ましい。寸法W1が寸法W0の50%以下であれば、上側横バー1Aの傾斜をつけ易くなる一方、寸法W1が寸法W0の50%を超えると、上側横バー1Aの傾斜をつけ難くなる。図3に示す変形例では、上側パーツ21Aの上下方向の寸法と下側パーツ22Aの上下方向の寸法とが同じW0であるが、本発明はこれに限るものではなく、両者が異なる寸法であってもよい。この場合、重なる部分の上下方向の寸法W1は、上側パーツ21Aの上下方向の寸法及び下側パーツ22Aの上下方向の寸法のうち、小さい方の寸法の50%以下であることが好ましい。
同様に、一対の耳状部材2のうち、人差し指袋6側の耳状部材2の上側パーツ21は、人差し指袋6の前面側に取り付けられ、且つ、人差し指袋6側の耳状部材2の下側パーツ22は、人差し指袋6の背面側に取り付けられている。
本実施形態では、耳状部材2の上側パーツ21及び下側パーツ22が、いずれも紐(革紐)による締結によって取り付けられているが、本発明はこれに限るものではなく、縫着等によって取り付けることも可能である。
図2(a)又は図4(a)に示すように、本実施形態の上側横バー1(上側横バー1の上側)は、好ましい形態として、紐(革紐)7による締結によって、親指袋5の先端部と人差し指袋6の先端部との間に取り付けられている。紐7は、一端側が親指袋5の先端部の背面側から延びて、上側横バー1の背面側から上側横バー1の上側に挿入されている。また、紐7は、他端側が人差し指袋6の先端部の背面側から延びて、上側横バー1の背面側から上側横バー1の上側に挿入されている。図2(a)に示すように、上側横バー1の上側に挿入された紐7は、上側横バー1の上側に螺旋状に巻着されている。紐7の両端側のいずれもが上側横バー1の背面側から挿入可能にするため、螺旋状に巻着されている紐7の旋回方向が途中で反転している(後述の図5(b)も参照)。
なお、図4(b)に示すように、従来の上側横バー1’の場合、紐7は、他端側が人差し指袋6の先端部の背面側から延びて、上側横バー1’の人差し指袋6側の端面から上側横バー1’内に挿入されている。一端側についても同様に、紐7は、親指袋の先端部の背面側から延びて、上側横バー1’の親指袋側の端面から上側横バー1’内に挿入されている。
図1又は図5に示すように、下側横バー3は、上側横バー1の下側(親指袋5及び人差し指袋6の根元側に相当)に位置し、親指袋5の中央部と人差し指袋6の中央部との間に設けられている。
繋ぎ部材4は、上側横バー1の下側に形成された貫通孔(上側横バー1の前面側と背面側との間を貫通する貫通孔)11に挿通することで上側横バー1の下側に係合する係合部41を有する。具体的には、本実施形態の係合部41は、繋ぎ部材4を構成する紐を撚ることで形成される環状の部分である。この係合部41を構成する紐が、貫通孔11に挿通することで、係合部41は上側横バー1の下側に係合する。
上記の観点より、係合部41が係合する位置(貫通孔11が形成される位置)は、上側横バー1の横方向の中心を基準として、親指袋5側及び人差し指袋6側にそれぞれボールの半径程度の範囲内に設定することが好ましい。野球ボールの最大直径は約7.5cm(最大半径は約3.75cm)であるため、捕球具100が野球用グラブである場合、係合部41が係合する位置(貫通孔11が形成される位置)は、上側横バー1の横方向の中心を基準として、親指袋5側及び人差し指袋6側にそれぞれ4cm程度の範囲内に設定することが好ましい。これにより、捕球性能に影響を及ぼしやすい範囲については、係合部41による係合で、後述のように捕球性能を高めることが可能である。一方、捕球性能に影響を及ぼしにくい範囲については、必要に応じて従来と同様の取り付け方法を採用し、取り付け強度を確保することも可能である。
図6に示す変形例の繋ぎ部材4Aは、いわゆるクロスウェブで用いられる縦バーで形成されている。変形例の繋ぎ部材4Aも、前述の繋ぎ部材4と同様に、上側横バー1に形成された貫通孔(上側横バー1の前面側と背面側との間を貫通する幅広の貫通孔)11Aに挿通することで上側横バー1に係合する係合部41Aを有する。具体的には、変形例の係合部41Aは、繋ぎ部材4Aを構成する縦バーの端部を折り返して縫合部42で縫合することで形成される環状の部分である。この係合部41Aを構成する縦バーが、貫通孔11Aに挿通することで、係合部41Aは上側横バー1に係合する。
なお、図6に示す変形例の繋ぎ部材4Aを構成する縦バーは、上側横バー1、下側横バー3及び捕球具本体と繋がっているが、本発明はこれに限るものではなく、縦バーが上側横バー1及び下側横バー3のみと繋がり、下側横バー3と捕球具本体とが縦バーとは別の部材で繋がっている、いわゆるIウェブ又はHウェブと称される構成を採用することも可能である。
また、本実施形態では、上側横バー1の上側が、一端側が親指袋5の先端部の背面側から延びて、上側横バー1の背面側から挿入され、他端側が小指袋6の先端部の背面側から延びて、上側横バー1の背面側から挿入される紐7によって取り付けられている。このため、図4(b)に示す従来の上側横バー1’に比べて、この紐7によって、上側横バー1の上側が背面側から前面側に押圧され易く、上側横バー1に十分な傾斜をつけ易くなる。
このため、一度捕球具100に収まったボールが上側横バー1の上縁から転がり出ることを防止可能である。また、勢いの強いボールをウェブ10の上側横バー1で受けたときに、上側横バー1の上縁が背面側に反る変形が抑制され、捕球可能である。
すなわち、本実施形態に係るウェブ10及び捕球具100によれば、従来よりも落球し難く、捕球性能が高くなる。
2、2A・・・耳状部材
3・・・下側横バー
4、4A・・・繋ぎ部材
5・・・親指袋
6・・・人差し指袋
7・・・紐
10・・・捕球具用ウェブ
11、11A・・・貫通孔
21、21A・・・上側パーツ
22、22A・・・下側パーツ
41、41A・・・係合部
100・・・捕球具
Claims (4)
- 捕球具の親指袋と人差し指袋との間に設けられるウェブであって、
前記親指袋の先端部と前記人差し指袋の先端部との間に設けられる上側横バーと、
前記上側横バーの両端部に設けられ、前記上側横バーの両端部からそれぞれ横方向に突出する上側パーツ及び下側パーツから構成される一対の耳状部材と、
前記親指袋の中央部と前記人差し指袋の中央部との間に設けられる下側横バーと、
前記上側横バーと前記下側横バーとを繋ぐ繋ぎ部材と、を備え、
前記一対の耳状部材のうち、前記親指袋側の耳状部材の上側パーツは、前記親指袋の前面側に取り付けられ、且つ、前記親指袋側の耳状部材の下側パーツは、前記親指袋の背面側に取り付けられ、
前記一対の耳状部材のうち、前記人差し指袋側の耳状部材の上側パーツは、前記人差し指袋の前面側に取り付けられ、且つ、前記人差し指袋側の耳状部材の下側パーツは、前記人差し指袋の背面側に取り付けられ、
前記上側横バーに、前記上側横バーの前面側と背面側との間を貫通する貫通孔が形成され、
前記繋ぎ部材は、前記上側横バーに形成された前記貫通孔に挿通することで前記上側横バーに係合する係合部を有する、
ことを特徴とする捕球具用ウェブ。 - 前記上側横バーの下縁の長さは、前記上側横バーの上縁の長さよりも長い、
ことを特徴とする請求項1に記載の捕球具用ウェブ。 - 前記上側横バーは、一端側が前記親指袋の先端部の背面側から延びて、前記上側横バーの背面側から前記上側横バーの上側に挿入され、他端側が前記人差し指袋の先端部の背面側から延びて、前記上側横バーの背面側から前記上側横バーの上側に挿入される紐によって、前記親指袋の先端部と前記人差し指袋の先端部との間に取り付けられる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の捕球具用ウェブ。 - 請求項1から3の何れかに記載の捕球具用ウェブを備える、
ことを特徴とする捕球具。
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