JP2005046261A - 捕球具 - Google Patents
捕球具 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005046261A JP2005046261A JP2003204773A JP2003204773A JP2005046261A JP 2005046261 A JP2005046261 A JP 2005046261A JP 2003204773 A JP2003204773 A JP 2003204773A JP 2003204773 A JP2003204773 A JP 2003204773A JP 2005046261 A JP2005046261 A JP 2005046261A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thumb
- bag
- finger
- user
- elastic member
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A63—SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
- A63B—APPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
- A63B71/00—Games or sports accessories not covered in groups A63B1/00 - A63B69/00
- A63B71/08—Body-protectors for players or sportsmen, i.e. body-protecting accessories affording protection of body parts against blows or collisions
- A63B71/14—Body-protectors for players or sportsmen, i.e. body-protecting accessories affording protection of body parts against blows or collisions for the hands, e.g. baseball, boxing or golfing gloves
- A63B71/141—Body-protectors for players or sportsmen, i.e. body-protecting accessories affording protection of body parts against blows or collisions for the hands, e.g. baseball, boxing or golfing gloves in the form of gloves
- A63B71/143—Baseball or hockey gloves
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Physical Education & Sports Medicine (AREA)
- Purses, Travelling Bags, Baskets, Or Suitcases (AREA)
- Gloves (AREA)
Abstract
【課題】捕球具内で親指を所望の位置に容易に固定することができ、フィット感を長期にわたって確保することができ、かつ頻繁に親指固定用部材の取付位置を調節する必要がない捕球具を提供する。
【解決手段】捕球具は、外皮と、内皮11と、弾性部材14とを備える。外皮は、受球面皮と背面皮とを縫着して形成される。内皮11は、外皮内に挿入され、受球面皮側に位置する手掌部材12と背面皮側に位置する手甲部材13とを縫着して形成され、使用者の親指を受け入れる親指袋2Aを含む複数の指袋を有する。弾性部材14は、親指袋2Aの一部を形成する手甲部材13に固定され、該手甲部材13に沿って親指袋2Aの幅方向の一端から他端に達するように延在し、親指袋2A内で使用者の親指を固定する。
【選択図】 図2
【解決手段】捕球具は、外皮と、内皮11と、弾性部材14とを備える。外皮は、受球面皮と背面皮とを縫着して形成される。内皮11は、外皮内に挿入され、受球面皮側に位置する手掌部材12と背面皮側に位置する手甲部材13とを縫着して形成され、使用者の親指を受け入れる親指袋2Aを含む複数の指袋を有する。弾性部材14は、親指袋2Aの一部を形成する手甲部材13に固定され、該手甲部材13に沿って親指袋2Aの幅方向の一端から他端に達するように延在し、親指袋2A内で使用者の親指を固定する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、捕球具に関し、特に、野球またはソフトボール用の捕球具における指袋の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
野球やソフトボールに用いる捕球具は、たとえば受球面皮と背面皮とを縫合した外皮の内部に手掌部材と手甲部材とを縫合した内皮を挿入し、受球面皮と手掌部材との間にフェルトなどの芯材を設け、外皮と内皮とを縫合した後にこれらを皮紐で締結して作製される。
【0003】
上記の内皮には、使用者の各指を受け入れる袋状または筒状の指袋が設けられる。ボールを捕球する際には、親指袋に挿入した親指と、他の指袋に挿入した他の指とでボールを挟むように握るが、特に親指の力を効率的に捕球具に伝達することが望まれる。しかし、親指袋における親指挿入穴は一般に親指の太さよりも大きくなるように形成されているので、親指を親指袋内で固定して親指の力を効率的に捕球具に伝達するために、従来から様々な工夫がなされている。
【0004】
たとえば、特開2001−161884号公報には、親指袋の内側に親指掛けを設けることが記載され、特開平10−15143号公報には、親指固定帯を設けた野球用グローブが記載され、実開昭55−161573号公報には、環状帯からなる手指制止部材を設けた野球用グローブが記載され、特許第2911863号公報には、親指挿入箇所に締付けバンドを固着した野球・ソフトボール用捕球具が記載され、特開平8−215367号公報には、親指を保持する指止めを設けたグラブが記載され、実開平3−96870号公報には、親指当接片を設けたグラブまたはミットが記載されている。
【0005】
他方、実開昭62−9482号公報には、人差し指袋、中指袋、薬指袋のうちの1つの指袋の内部に緩衝用仕切皮を取り付けた野球用捕球具が記載され、実開昭59−145965号公報には、ループ状の指挿嵌部を並設するように帯体を折曲げた状態で小指袋に固定した野球用捕球具が記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−161884号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平10−15143号公報
【0008】
【特許文献3】
実開昭55−161573号公報
【0009】
【特許文献4】
特許第2911863号公報
【0010】
【特許文献5】
特開平8−215367号公報
【0011】
【特許文献6】
実開平3−96870号公報
【0012】
【特許文献7】
実開昭62−9482号公報
【0013】
【特許文献8】
実開昭59−145965号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上述の特開2001−161884号公報に記載の親指掛け、特開平10−15143号公報に記載の親指固定帯、実開昭55−161573号公報に記載の手指制止部材、特許第2911863号公報に記載の締付けバンド、特開平8−215367号公報に記載の指止めおよび実開平3−96870号公報に記載の親指当接片などの親指固定用部材は、いずれも紐を結んだり、帯状部材を引張るなどして捕球具に固定される。
【0015】
しかし、親指固定用部材によって親指を最適位置となるように調節するのは容易ではなく、親指が所望の位置からずれた位置で固定され、親指の力を効率的に捕球具に伝達することができない場合が生じるという問題があった。
【0016】
また、捕球具を使用することにより親指固定用部材の紐が緩むなどして親指固定用部材による親指への所望の締付力を長期にわたって確保するのが困難であり、これに伴い頻繁に親指固定用部材を調節しなければならないという問題もあった。
【0017】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、捕球具内で親指を所望の位置に容易に固定することができ、所望のフィット感を長期にわたって確保することができ、かつ頻繁に親指位置を調節する必要がない捕球具を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る捕球具は、1つの局面では、外皮と、内皮と、弾性部材とを備える。外皮は、受球面皮と背面皮とを縫着して形成される。内皮は、外皮内に挿入され、受球面皮側に位置する手掌部材と背面皮側に位置する手甲部材とを縫着して形成され、使用者の親指を受け入れる親指袋を含む複数の指袋を有する。弾性部材は、親指袋の一部を形成する手甲部材に固定され、該手甲部材に沿って親指袋の幅方向の一端から他端に達するように延在し、親指袋内で使用者の親指を固定する。
【0019】
上記のような弾性部材を内皮の親指袋に取付けることにより、使用者が親指を親指袋内に挿入した際に、弾性部材によって使用者の親指に適度な弾性力(締付力)を付与することができる。この弾性力を利用して親指袋内で、ある程度の余裕を確保しながら親指の位置を適切な範囲内に固定することができる。
【0020】
本発明に係る捕球具は、好ましくは、上記の弾性部材を親指袋に固定する固定部材を備える。この場合、該固定部材に、親指袋内で使用者の親指を屈曲し易くする開口部を設けることが好ましい。また、上記の弾性部材と固定部材とは、親指袋の外表面上に取付けてもよく、親指袋の内表面上に取付けてもよく、親指袋の外表面上と内表面上との双方に取付けてもよい。内皮は、使用者の小指を受け入れる小指袋を有するが、該小指袋に上記の弾性部材を取付けてもよい。
【0021】
本発明に係る捕球具は、他の局面では、使用者の親指を受け入れる親指袋と、使用者の人差し指を受け入れる人差し指袋と、使用者の中指を受け入れる中指袋と、使用者の薬指を受け入れる薬指袋と、使用者の小指を受け入れる小指袋と、弾性部材とを備える。弾性部材は、親指袋内部の親指挿入穴を覆うように親指袋の幅方向に親指袋の手甲側部分に沿って延在し、親指袋内で使用者の親指を固定する。なお、本局面の親指袋には、外皮の親指袋と、内皮の親指袋との双方が含まれ、弾性部材はいずれの親指袋に固定されてもよい。
【0022】
本局面の場合も、使用者が親指を親指袋内に挿入した際に弾性部材から使用者の親指に適度な弾性力(締付力)を付与することができ、この弾性力を利用して親指袋内で親指の位置を適切な範囲内に固定することができる。
【0023】
本発明に係る捕球具は、さらに他の局面では、使用者の親指を受け入れる親指袋と、使用者の人差し指を受け入れる人差し指袋と、使用者の中指を受け入れる中指袋と、使用者の薬指を受け入れる薬指袋と、使用者の小指を受け入れる小指袋と、親指袋内に挿入され親指袋内で使用者の親指を固定する筒状弾性部材とを備える。なお、本局面の親指袋にも、外皮の親指袋と、内皮の親指袋との双方が含まれ、筒状弾性部材はいずれの親指袋内に挿入されてもよい。また、上記の「筒状弾性部材」は、使用者の親指を受け入れることが可能な筒状部を有する弾性部材であればよく、たとえば開口端の一方が閉じられた袋状の弾性部材も上記の「筒状弾性部材」の概念に含まれる。さらに、筒状弾性部材は、典型的には親指袋に固定されるが、挿入するだけで親指袋に比較的強固に固定できるものであれば、必ずしも積極的に親指袋に固定する必要はない。
【0024】
上記のように筒状弾性部材を親指袋内に挿入した場合も、該筒状弾性部材によって使用者の親指に適度な弾性力(締付力)を付与することができ、この弾性力を利用して親指袋内で親指の位置を適切な範囲内に固定することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る捕球具は、野球またはソフトボール用グラブやミットなどのボールを捕えるための用具であり、外皮と、外皮内に挿入される内皮と、捕球時の衝撃を緩和する機能を有する芯材と、指袋内で使用者の親指や小指を固定する機能を有する弾性部材と、該弾性部材を親指袋や小指袋に固定する固定部材とを備える。
【0026】
外皮は、天然皮革、合成皮革またはこれらと同質の素材からなる受球面皮と、天然皮革、合成皮革またはこれらと同質の素材からなる背面皮とを縫着して形成される。外皮は、使用者の親指を受け入れる親指袋と、使用者の人差し指を受け入れる人差し指袋と、親指袋と人差し指袋との間に設けられるウェブ部と、使用者の中指を受け入れる中指袋と、使用者の薬指を受け入れる薬指袋と、使用者の小指を受け入れる小指袋とを有する。
【0027】
内皮は、受球面皮側に位置する手掌部材と背面皮側に位置する手甲部材とを縫着して形成される。手掌部材や手甲部材も、天然皮革、合成皮革またはこれらと同質の素材で構成可能である。また内皮も、外皮と同様に、親指袋と、人差し指袋と、中指袋と、薬指袋と、小指袋とを有する。これらの指袋は、それぞれ外皮における対応の指袋、すなわち外皮の親指袋、人差し指袋、中指袋、薬指袋、小指袋内にそれぞれ挿入される。芯材は、受球面皮と手掌部材との間に設置され、フェルトなどの素材で構成される。
【0028】
上記の内皮を外皮内に挿入し、受球面皮と手掌部材との間に芯材を設置し、内皮と外皮の所要部を縫合して皮紐で締結することにより、本実施の形態に係る捕球具を作製することができる。
【0029】
弾性部材は、ゴムや発泡ウレタンなどの弾性を有する材質で構成される。該弾性部材は、典型的には、内皮の親指袋および/または小指袋の一部を形成する手甲部材に固定され、該手甲部材に沿って親指袋および/または小指袋の幅方向(各指袋の長手方向と直交する方向)の一端から他端に達するように延在する。
【0030】
弾性部材は、外皮または内皮の親指袋内部の親指挿入穴(親指が挿入される穴)を覆うように親指袋の幅方向に親指袋の手甲側部分に沿って延在するものであってもよく、外皮または内皮の小指袋内部の小指穴(小指が挿入される穴)を覆うように小指袋の幅方向に小指袋の手甲側部分に沿って延在するものであってもよい。
【0031】
また、弾性部材を筒状とし、外皮または内皮の親指袋内や、外皮または内皮の小指袋内に挿入してもよい。該筒状弾性部材は、使用者の指を受け入れることができる筒状部を有する弾性部材であればよく、たとえば、開口端の一方が閉じられた袋状の弾性部材、シート状の弾性部材を丸めて形成した弾性部材、円形(環状)以外の任意の断面形状の筒状部を有する弾性部材などを採用することもできる。筒状弾性部材は、典型的には親指袋および/または小指袋に固定されるが、挿入するだけで親指袋および/または小指袋に比較的強固に固定できるものであれば、必ずしも積極的に親指袋および/または小指袋に固定する必要はない。
【0032】
上記のような弾性部材を親指袋に装着することにより、使用者が親指を親指袋内に挿入した際に、弾性部材から使用者の親指に対し、親指を包み込んで保持するような適度な弾性力(締付力)を与えることができるとともに、親指袋内で不必要に親指が動かないように適度な力を周囲から付与することもできる。つまり、親指を適切な位置(好ましくは親指袋の中央部)で保持するとともに、不適切な位置に親指が移動しようとするのを抑制するように弾性部材から使用者の親指に適度な弾性力を付与することができる。したがって、親指袋内で、ある程度の余裕を確保しながら親指の位置を適切な範囲内に固定することができ、親指の力を効率的に捕球具に伝達することができる。なお、弾性部材を小指袋に装着した場合にも同様の効果を期待できる。
【0033】
また、弾性部材を上記のような態様で親指袋や小指袋に固定することにより、弾性部材が親指袋や小指袋と一体となって適度な締付力を親指や小指に与えることが可能となり、所望のフィット感を長期にわたって確保することができる。特に、親指袋や小指袋の幅を予め狭くしておくことで、フィット感を向上することができる。
【0034】
さらに、弾性部材は親指袋や小指袋に固定されるので、弾性部材を親指袋や小指袋に取付けた後はほとんど位置ずれすることがない。したがって、弾性部材の取付位置を後に調節する必要もなくなる。特に、接着剤などを用いて弾性部材のほぼ全体を指袋に固定することにより、弾性部材の位置ずれを効果的に抑制することができる。
【0035】
固定部材は、たとえば天然皮革、合成皮革またはこれらと同質の素材で構成することができる。固定部材を弾性部材よりも硬質とすることにより、固定部材が弾性部材よりも変形し難くなるので、使用者の親指や小指に所望の弾性力を確実かつ効率的に付与することができる。
【0036】
上記の固定部材は、親指袋や小指袋に対し弾性部材を固定するように弾性部材の表面上に配置され、該固定部材と指袋との間に弾性部材を挟むように各指袋に取付けられる。内皮の指袋に弾性部材を固定する場合には、たとえば親指袋や小指袋の幅方向における両端部近傍において手甲部材とともに手掌部材に固定部材を縫着すればよい。また、外皮の指袋に弾性部材を固定する場合には、たとえば背面皮の内表面と固定部材との間に弾性部材を挟むように外皮の親指袋や小指袋の幅方向における両端部近傍において背面皮に固定部材を縫着すればよい。上記のような手法により、固定部材によって弾性部材を所望の指袋に固定することができる。
【0037】
上記の固定部材には、開口部を設けることが好ましい。該開口部は、使用者が親指や小指を指袋内に挿入した際に、親指の場合には第1関節上、小指の場合には第1および/または第2関節上に位置するように設けられることが好ましい。それにより、親指袋や小指袋内で使用者の親指や小指を屈曲し易くすることができる。なお、開口部の形状としては円形や楕円形などが考えられるが、上記の効果が得られるものであればこれら以外の任意の形状を採用することができる。
【0038】
また、固定部材は、上述の弾性部材とともに、外皮の親指袋と小指袋の少なくとも一方の外表面上に取付けてもよく、外皮の親指袋と小指袋の少なくとも一方の内表面上に取付けてもよく、内皮の親指袋と小指袋の少なくとも一方の外表面上に取付けてもよく、内皮の親指袋と小指袋の少なくとも一方の内表面上に取付けてもよい。
【0039】
【実施例】
以下、本発明に基づく捕球具の実施例について、図1から図6を用いて説明する。
【0040】
図1は、本実施例における捕球具(野球またはソフトボール用グラブ)1の正面図である。図1に示すように、本実施例の捕球具1は、受球面部を含む受球面皮8と、背面皮9とを皮紐などを用いて結合して形成される外皮10を備える。この外皮10は、天然皮革あるいは人工皮革で構成される。
【0041】
外皮10は、使用者の親指を受け入れる親指袋(第1指袋)2と、人差し指を受け入れる人差し指袋(第2指袋)4と、中指を受け入れる中指袋(第3指袋)5と、薬指を受け入れる薬指袋(第4指袋)6と、小指を受け入れる小指袋(第5指袋)7と、親指袋2と人差し指袋4間に設けられたウェブ部3と、グラブ1内に手を挿入するための手口挿入部とを備える。
【0042】
捕球具1は、上述の外皮10の内側に、図2に示す内皮11を有する。内皮11は、手掌側に配置される手掌部材12と、手甲側に配置される手甲部材13とを縫着して形成する。手掌部材12および手甲部材13には、捕球具1を装着したときの感触を考慮して、軟らかくなめした革を使用する。上記の内皮11と外皮10の所要部を縫合し、皮紐などを用いてこれらを結合することにより、本実施例の捕球具1を作製することができる。
【0043】
図2に示すように、内皮11も、外皮10と同様に、親指を受け入れる親指袋(第1指袋)2Aと、人差し指を受け入れる人差し指袋(第2指袋)4Aと、中指を受け入れる中指袋(第3指袋)5Aと、薬指を受け入れる薬指袋(第4指袋)6Aと、小指を受け入れる小指袋(第5指袋)7Aとを有する。
【0044】
図2の例では、内皮11の各指袋を形成する手甲部材13の幅が、各指袋を形成する手掌部材12の幅よりも小さくなるように手掌部材12および手甲部材13を裁断し、各指袋を形成する手甲部材13の幅方向の両端部近傍を手掌部材12に縫着する一方で、該手甲部材13の長手方向の端部を開放している。特に、親指袋2Aを形成する部分の手甲部材13には切欠部17を設けており、それにより親指袋2Aの付根部(基部)における手甲部材13の幅(W)を小さくしている。このように各指袋を形成する手甲部材13の幅(W)を、各指袋を形成する手掌部材12の幅よりも小さくすることにより、作製される各指袋の幅を小さくすることができ、弾性部材14による顕著な効果を期待することができる。
【0045】
図2に示すように、親指袋2Aを形成する部分の手甲部材13上にシート状の弾性部材14を配置し、該弾性部材14上にシート状の固定部材15を載置している。より詳しくは、弾性部材14および固定部材15は、親指袋2Aの付根部(基部)近傍を形成する手甲部材13上に積層された状態で固定されている。
【0046】
弾性部材14および固定部材15は、手甲部材13に沿って親指袋2Aの幅(W)方向(図2において矢印で示す方向)の一端から他端に達するように延在している。また、弾性部材14および固定部材15は、親指袋2A内部の親指挿入穴を覆うように親指袋2Aの幅方向に親指袋2Aの手甲部材13に沿って延在する。
【0047】
弾性部材14は、発泡ウレタンシートで構成され、固定部材15は、シート状の天然皮革あるいは人工皮革で構成される。図2の例では、弾性部材14は接着剤を用いて手甲部材13の表面上に固定され、固定部材15は、その両側端部近傍において手掌部材12および手甲部材13に縫着される。また、固定部材15は、中央部に略楕円形状の開口部16を有している。
【0048】
図3に、図2に示す親指袋2AにおけるIII−III線に沿う断面構造を示す。図3に示すように、手掌部材12と手甲部材13とで使用者の親指を受け入れる親指挿入穴18が規定され、手甲部材13の外表面上(親指袋2Aの外側)に弾性部材14および固定部材15が固定されている。より詳しくは、手甲部材13の両側端部上に固定部材15の両側端部を重ねた状態で、これらを手掌部材12に縫着し、それにより弾性部材14を手甲部材13に固定している。
【0049】
図4に、親指袋2Aの断面構造の変形例を示す。図4に示すように、手甲部材13の内表面上(親指袋2Aの内側)に弾性部材14および固定部材15を固定してもよい。図4に示す断面では、固定部材15と手掌部材12とで使用者の親指を受け入れる親指挿入穴18が規定される。
【0050】
また、図5に示すように、小指袋7Aを形成する部分の手甲部材13上に、弾性部材14および固定部材15を固定してもよい。さらに、図6に示す筒状弾性部材19を作製し、親指袋2Aや小指袋7Aに挿入するようにしてもよい。該筒状弾性部材19はゴムなどにより作製することができる。
【0051】
以上のように、本発明の実施の形態および実施例について説明したが、上述の特徴的構成を適宜組合せることも当初から予定されている。また、今回開示された実施の形態および実施例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、使用者が親指袋内に親指を挿入するだけで、親指袋内において親指を適切な範囲内の位置に固定することができる。したがって、親指の力を効率的に捕球具に伝達することができる。
【0053】
また、本発明では、弾性部材を内皮や外皮の親指袋に固定または挿入するようにしているので、弾性部材が親指袋と実質的に一体となって適度な弾性力(締付力)を親指に与えることが可能となる。したがって、弾性部材によって親指袋を補強したような状態となり、捕球具を装着した際のフィット感を長期にわたって確保することができる。
【0054】
さらに、本発明の弾性部材は、一度親指袋に装着した後はほとんど位置ずれすることがない。したがって、弾性部材の取付位置を調節する必要もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施例における捕球具の正面図である。
【図2】本発明の1つの実施例における捕球具の内皮の平面図である。
【図3】図2に示す内皮における親指袋のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】親指袋の内側に弾性部材および固定部材を取付けた状態を示す断面図である。
【図5】小指袋に弾性部材および固定部材を取付けた状態を示す断面図である。
【図6】筒状弾性部材の形状例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 捕球具、2,2A 親指袋、3 ウェブ部、4,4A 人差し指袋、5,5A 中指袋、6,6A 薬指袋、7,7A 小指袋、8 受球面皮、9 背面皮、10 外皮、11 内皮、12 手掌部材、13 手甲部材、14 弾性部材、15 固定部材、16 開口部、17 切欠部、18 親指挿入穴、19 筒状弾性部材。
【発明の属する技術分野】
本発明は、捕球具に関し、特に、野球またはソフトボール用の捕球具における指袋の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
野球やソフトボールに用いる捕球具は、たとえば受球面皮と背面皮とを縫合した外皮の内部に手掌部材と手甲部材とを縫合した内皮を挿入し、受球面皮と手掌部材との間にフェルトなどの芯材を設け、外皮と内皮とを縫合した後にこれらを皮紐で締結して作製される。
【0003】
上記の内皮には、使用者の各指を受け入れる袋状または筒状の指袋が設けられる。ボールを捕球する際には、親指袋に挿入した親指と、他の指袋に挿入した他の指とでボールを挟むように握るが、特に親指の力を効率的に捕球具に伝達することが望まれる。しかし、親指袋における親指挿入穴は一般に親指の太さよりも大きくなるように形成されているので、親指を親指袋内で固定して親指の力を効率的に捕球具に伝達するために、従来から様々な工夫がなされている。
【0004】
たとえば、特開2001−161884号公報には、親指袋の内側に親指掛けを設けることが記載され、特開平10−15143号公報には、親指固定帯を設けた野球用グローブが記載され、実開昭55−161573号公報には、環状帯からなる手指制止部材を設けた野球用グローブが記載され、特許第2911863号公報には、親指挿入箇所に締付けバンドを固着した野球・ソフトボール用捕球具が記載され、特開平8−215367号公報には、親指を保持する指止めを設けたグラブが記載され、実開平3−96870号公報には、親指当接片を設けたグラブまたはミットが記載されている。
【0005】
他方、実開昭62−9482号公報には、人差し指袋、中指袋、薬指袋のうちの1つの指袋の内部に緩衝用仕切皮を取り付けた野球用捕球具が記載され、実開昭59−145965号公報には、ループ状の指挿嵌部を並設するように帯体を折曲げた状態で小指袋に固定した野球用捕球具が記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−161884号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平10−15143号公報
【0008】
【特許文献3】
実開昭55−161573号公報
【0009】
【特許文献4】
特許第2911863号公報
【0010】
【特許文献5】
特開平8−215367号公報
【0011】
【特許文献6】
実開平3−96870号公報
【0012】
【特許文献7】
実開昭62−9482号公報
【0013】
【特許文献8】
実開昭59−145965号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上述の特開2001−161884号公報に記載の親指掛け、特開平10−15143号公報に記載の親指固定帯、実開昭55−161573号公報に記載の手指制止部材、特許第2911863号公報に記載の締付けバンド、特開平8−215367号公報に記載の指止めおよび実開平3−96870号公報に記載の親指当接片などの親指固定用部材は、いずれも紐を結んだり、帯状部材を引張るなどして捕球具に固定される。
【0015】
しかし、親指固定用部材によって親指を最適位置となるように調節するのは容易ではなく、親指が所望の位置からずれた位置で固定され、親指の力を効率的に捕球具に伝達することができない場合が生じるという問題があった。
【0016】
また、捕球具を使用することにより親指固定用部材の紐が緩むなどして親指固定用部材による親指への所望の締付力を長期にわたって確保するのが困難であり、これに伴い頻繁に親指固定用部材を調節しなければならないという問題もあった。
【0017】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、捕球具内で親指を所望の位置に容易に固定することができ、所望のフィット感を長期にわたって確保することができ、かつ頻繁に親指位置を調節する必要がない捕球具を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る捕球具は、1つの局面では、外皮と、内皮と、弾性部材とを備える。外皮は、受球面皮と背面皮とを縫着して形成される。内皮は、外皮内に挿入され、受球面皮側に位置する手掌部材と背面皮側に位置する手甲部材とを縫着して形成され、使用者の親指を受け入れる親指袋を含む複数の指袋を有する。弾性部材は、親指袋の一部を形成する手甲部材に固定され、該手甲部材に沿って親指袋の幅方向の一端から他端に達するように延在し、親指袋内で使用者の親指を固定する。
【0019】
上記のような弾性部材を内皮の親指袋に取付けることにより、使用者が親指を親指袋内に挿入した際に、弾性部材によって使用者の親指に適度な弾性力(締付力)を付与することができる。この弾性力を利用して親指袋内で、ある程度の余裕を確保しながら親指の位置を適切な範囲内に固定することができる。
【0020】
本発明に係る捕球具は、好ましくは、上記の弾性部材を親指袋に固定する固定部材を備える。この場合、該固定部材に、親指袋内で使用者の親指を屈曲し易くする開口部を設けることが好ましい。また、上記の弾性部材と固定部材とは、親指袋の外表面上に取付けてもよく、親指袋の内表面上に取付けてもよく、親指袋の外表面上と内表面上との双方に取付けてもよい。内皮は、使用者の小指を受け入れる小指袋を有するが、該小指袋に上記の弾性部材を取付けてもよい。
【0021】
本発明に係る捕球具は、他の局面では、使用者の親指を受け入れる親指袋と、使用者の人差し指を受け入れる人差し指袋と、使用者の中指を受け入れる中指袋と、使用者の薬指を受け入れる薬指袋と、使用者の小指を受け入れる小指袋と、弾性部材とを備える。弾性部材は、親指袋内部の親指挿入穴を覆うように親指袋の幅方向に親指袋の手甲側部分に沿って延在し、親指袋内で使用者の親指を固定する。なお、本局面の親指袋には、外皮の親指袋と、内皮の親指袋との双方が含まれ、弾性部材はいずれの親指袋に固定されてもよい。
【0022】
本局面の場合も、使用者が親指を親指袋内に挿入した際に弾性部材から使用者の親指に適度な弾性力(締付力)を付与することができ、この弾性力を利用して親指袋内で親指の位置を適切な範囲内に固定することができる。
【0023】
本発明に係る捕球具は、さらに他の局面では、使用者の親指を受け入れる親指袋と、使用者の人差し指を受け入れる人差し指袋と、使用者の中指を受け入れる中指袋と、使用者の薬指を受け入れる薬指袋と、使用者の小指を受け入れる小指袋と、親指袋内に挿入され親指袋内で使用者の親指を固定する筒状弾性部材とを備える。なお、本局面の親指袋にも、外皮の親指袋と、内皮の親指袋との双方が含まれ、筒状弾性部材はいずれの親指袋内に挿入されてもよい。また、上記の「筒状弾性部材」は、使用者の親指を受け入れることが可能な筒状部を有する弾性部材であればよく、たとえば開口端の一方が閉じられた袋状の弾性部材も上記の「筒状弾性部材」の概念に含まれる。さらに、筒状弾性部材は、典型的には親指袋に固定されるが、挿入するだけで親指袋に比較的強固に固定できるものであれば、必ずしも積極的に親指袋に固定する必要はない。
【0024】
上記のように筒状弾性部材を親指袋内に挿入した場合も、該筒状弾性部材によって使用者の親指に適度な弾性力(締付力)を付与することができ、この弾性力を利用して親指袋内で親指の位置を適切な範囲内に固定することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る捕球具は、野球またはソフトボール用グラブやミットなどのボールを捕えるための用具であり、外皮と、外皮内に挿入される内皮と、捕球時の衝撃を緩和する機能を有する芯材と、指袋内で使用者の親指や小指を固定する機能を有する弾性部材と、該弾性部材を親指袋や小指袋に固定する固定部材とを備える。
【0026】
外皮は、天然皮革、合成皮革またはこれらと同質の素材からなる受球面皮と、天然皮革、合成皮革またはこれらと同質の素材からなる背面皮とを縫着して形成される。外皮は、使用者の親指を受け入れる親指袋と、使用者の人差し指を受け入れる人差し指袋と、親指袋と人差し指袋との間に設けられるウェブ部と、使用者の中指を受け入れる中指袋と、使用者の薬指を受け入れる薬指袋と、使用者の小指を受け入れる小指袋とを有する。
【0027】
内皮は、受球面皮側に位置する手掌部材と背面皮側に位置する手甲部材とを縫着して形成される。手掌部材や手甲部材も、天然皮革、合成皮革またはこれらと同質の素材で構成可能である。また内皮も、外皮と同様に、親指袋と、人差し指袋と、中指袋と、薬指袋と、小指袋とを有する。これらの指袋は、それぞれ外皮における対応の指袋、すなわち外皮の親指袋、人差し指袋、中指袋、薬指袋、小指袋内にそれぞれ挿入される。芯材は、受球面皮と手掌部材との間に設置され、フェルトなどの素材で構成される。
【0028】
上記の内皮を外皮内に挿入し、受球面皮と手掌部材との間に芯材を設置し、内皮と外皮の所要部を縫合して皮紐で締結することにより、本実施の形態に係る捕球具を作製することができる。
【0029】
弾性部材は、ゴムや発泡ウレタンなどの弾性を有する材質で構成される。該弾性部材は、典型的には、内皮の親指袋および/または小指袋の一部を形成する手甲部材に固定され、該手甲部材に沿って親指袋および/または小指袋の幅方向(各指袋の長手方向と直交する方向)の一端から他端に達するように延在する。
【0030】
弾性部材は、外皮または内皮の親指袋内部の親指挿入穴(親指が挿入される穴)を覆うように親指袋の幅方向に親指袋の手甲側部分に沿って延在するものであってもよく、外皮または内皮の小指袋内部の小指穴(小指が挿入される穴)を覆うように小指袋の幅方向に小指袋の手甲側部分に沿って延在するものであってもよい。
【0031】
また、弾性部材を筒状とし、外皮または内皮の親指袋内や、外皮または内皮の小指袋内に挿入してもよい。該筒状弾性部材は、使用者の指を受け入れることができる筒状部を有する弾性部材であればよく、たとえば、開口端の一方が閉じられた袋状の弾性部材、シート状の弾性部材を丸めて形成した弾性部材、円形(環状)以外の任意の断面形状の筒状部を有する弾性部材などを採用することもできる。筒状弾性部材は、典型的には親指袋および/または小指袋に固定されるが、挿入するだけで親指袋および/または小指袋に比較的強固に固定できるものであれば、必ずしも積極的に親指袋および/または小指袋に固定する必要はない。
【0032】
上記のような弾性部材を親指袋に装着することにより、使用者が親指を親指袋内に挿入した際に、弾性部材から使用者の親指に対し、親指を包み込んで保持するような適度な弾性力(締付力)を与えることができるとともに、親指袋内で不必要に親指が動かないように適度な力を周囲から付与することもできる。つまり、親指を適切な位置(好ましくは親指袋の中央部)で保持するとともに、不適切な位置に親指が移動しようとするのを抑制するように弾性部材から使用者の親指に適度な弾性力を付与することができる。したがって、親指袋内で、ある程度の余裕を確保しながら親指の位置を適切な範囲内に固定することができ、親指の力を効率的に捕球具に伝達することができる。なお、弾性部材を小指袋に装着した場合にも同様の効果を期待できる。
【0033】
また、弾性部材を上記のような態様で親指袋や小指袋に固定することにより、弾性部材が親指袋や小指袋と一体となって適度な締付力を親指や小指に与えることが可能となり、所望のフィット感を長期にわたって確保することができる。特に、親指袋や小指袋の幅を予め狭くしておくことで、フィット感を向上することができる。
【0034】
さらに、弾性部材は親指袋や小指袋に固定されるので、弾性部材を親指袋や小指袋に取付けた後はほとんど位置ずれすることがない。したがって、弾性部材の取付位置を後に調節する必要もなくなる。特に、接着剤などを用いて弾性部材のほぼ全体を指袋に固定することにより、弾性部材の位置ずれを効果的に抑制することができる。
【0035】
固定部材は、たとえば天然皮革、合成皮革またはこれらと同質の素材で構成することができる。固定部材を弾性部材よりも硬質とすることにより、固定部材が弾性部材よりも変形し難くなるので、使用者の親指や小指に所望の弾性力を確実かつ効率的に付与することができる。
【0036】
上記の固定部材は、親指袋や小指袋に対し弾性部材を固定するように弾性部材の表面上に配置され、該固定部材と指袋との間に弾性部材を挟むように各指袋に取付けられる。内皮の指袋に弾性部材を固定する場合には、たとえば親指袋や小指袋の幅方向における両端部近傍において手甲部材とともに手掌部材に固定部材を縫着すればよい。また、外皮の指袋に弾性部材を固定する場合には、たとえば背面皮の内表面と固定部材との間に弾性部材を挟むように外皮の親指袋や小指袋の幅方向における両端部近傍において背面皮に固定部材を縫着すればよい。上記のような手法により、固定部材によって弾性部材を所望の指袋に固定することができる。
【0037】
上記の固定部材には、開口部を設けることが好ましい。該開口部は、使用者が親指や小指を指袋内に挿入した際に、親指の場合には第1関節上、小指の場合には第1および/または第2関節上に位置するように設けられることが好ましい。それにより、親指袋や小指袋内で使用者の親指や小指を屈曲し易くすることができる。なお、開口部の形状としては円形や楕円形などが考えられるが、上記の効果が得られるものであればこれら以外の任意の形状を採用することができる。
【0038】
また、固定部材は、上述の弾性部材とともに、外皮の親指袋と小指袋の少なくとも一方の外表面上に取付けてもよく、外皮の親指袋と小指袋の少なくとも一方の内表面上に取付けてもよく、内皮の親指袋と小指袋の少なくとも一方の外表面上に取付けてもよく、内皮の親指袋と小指袋の少なくとも一方の内表面上に取付けてもよい。
【0039】
【実施例】
以下、本発明に基づく捕球具の実施例について、図1から図6を用いて説明する。
【0040】
図1は、本実施例における捕球具(野球またはソフトボール用グラブ)1の正面図である。図1に示すように、本実施例の捕球具1は、受球面部を含む受球面皮8と、背面皮9とを皮紐などを用いて結合して形成される外皮10を備える。この外皮10は、天然皮革あるいは人工皮革で構成される。
【0041】
外皮10は、使用者の親指を受け入れる親指袋(第1指袋)2と、人差し指を受け入れる人差し指袋(第2指袋)4と、中指を受け入れる中指袋(第3指袋)5と、薬指を受け入れる薬指袋(第4指袋)6と、小指を受け入れる小指袋(第5指袋)7と、親指袋2と人差し指袋4間に設けられたウェブ部3と、グラブ1内に手を挿入するための手口挿入部とを備える。
【0042】
捕球具1は、上述の外皮10の内側に、図2に示す内皮11を有する。内皮11は、手掌側に配置される手掌部材12と、手甲側に配置される手甲部材13とを縫着して形成する。手掌部材12および手甲部材13には、捕球具1を装着したときの感触を考慮して、軟らかくなめした革を使用する。上記の内皮11と外皮10の所要部を縫合し、皮紐などを用いてこれらを結合することにより、本実施例の捕球具1を作製することができる。
【0043】
図2に示すように、内皮11も、外皮10と同様に、親指を受け入れる親指袋(第1指袋)2Aと、人差し指を受け入れる人差し指袋(第2指袋)4Aと、中指を受け入れる中指袋(第3指袋)5Aと、薬指を受け入れる薬指袋(第4指袋)6Aと、小指を受け入れる小指袋(第5指袋)7Aとを有する。
【0044】
図2の例では、内皮11の各指袋を形成する手甲部材13の幅が、各指袋を形成する手掌部材12の幅よりも小さくなるように手掌部材12および手甲部材13を裁断し、各指袋を形成する手甲部材13の幅方向の両端部近傍を手掌部材12に縫着する一方で、該手甲部材13の長手方向の端部を開放している。特に、親指袋2Aを形成する部分の手甲部材13には切欠部17を設けており、それにより親指袋2Aの付根部(基部)における手甲部材13の幅(W)を小さくしている。このように各指袋を形成する手甲部材13の幅(W)を、各指袋を形成する手掌部材12の幅よりも小さくすることにより、作製される各指袋の幅を小さくすることができ、弾性部材14による顕著な効果を期待することができる。
【0045】
図2に示すように、親指袋2Aを形成する部分の手甲部材13上にシート状の弾性部材14を配置し、該弾性部材14上にシート状の固定部材15を載置している。より詳しくは、弾性部材14および固定部材15は、親指袋2Aの付根部(基部)近傍を形成する手甲部材13上に積層された状態で固定されている。
【0046】
弾性部材14および固定部材15は、手甲部材13に沿って親指袋2Aの幅(W)方向(図2において矢印で示す方向)の一端から他端に達するように延在している。また、弾性部材14および固定部材15は、親指袋2A内部の親指挿入穴を覆うように親指袋2Aの幅方向に親指袋2Aの手甲部材13に沿って延在する。
【0047】
弾性部材14は、発泡ウレタンシートで構成され、固定部材15は、シート状の天然皮革あるいは人工皮革で構成される。図2の例では、弾性部材14は接着剤を用いて手甲部材13の表面上に固定され、固定部材15は、その両側端部近傍において手掌部材12および手甲部材13に縫着される。また、固定部材15は、中央部に略楕円形状の開口部16を有している。
【0048】
図3に、図2に示す親指袋2AにおけるIII−III線に沿う断面構造を示す。図3に示すように、手掌部材12と手甲部材13とで使用者の親指を受け入れる親指挿入穴18が規定され、手甲部材13の外表面上(親指袋2Aの外側)に弾性部材14および固定部材15が固定されている。より詳しくは、手甲部材13の両側端部上に固定部材15の両側端部を重ねた状態で、これらを手掌部材12に縫着し、それにより弾性部材14を手甲部材13に固定している。
【0049】
図4に、親指袋2Aの断面構造の変形例を示す。図4に示すように、手甲部材13の内表面上(親指袋2Aの内側)に弾性部材14および固定部材15を固定してもよい。図4に示す断面では、固定部材15と手掌部材12とで使用者の親指を受け入れる親指挿入穴18が規定される。
【0050】
また、図5に示すように、小指袋7Aを形成する部分の手甲部材13上に、弾性部材14および固定部材15を固定してもよい。さらに、図6に示す筒状弾性部材19を作製し、親指袋2Aや小指袋7Aに挿入するようにしてもよい。該筒状弾性部材19はゴムなどにより作製することができる。
【0051】
以上のように、本発明の実施の形態および実施例について説明したが、上述の特徴的構成を適宜組合せることも当初から予定されている。また、今回開示された実施の形態および実施例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、使用者が親指袋内に親指を挿入するだけで、親指袋内において親指を適切な範囲内の位置に固定することができる。したがって、親指の力を効率的に捕球具に伝達することができる。
【0053】
また、本発明では、弾性部材を内皮や外皮の親指袋に固定または挿入するようにしているので、弾性部材が親指袋と実質的に一体となって適度な弾性力(締付力)を親指に与えることが可能となる。したがって、弾性部材によって親指袋を補強したような状態となり、捕球具を装着した際のフィット感を長期にわたって確保することができる。
【0054】
さらに、本発明の弾性部材は、一度親指袋に装着した後はほとんど位置ずれすることがない。したがって、弾性部材の取付位置を調節する必要もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施例における捕球具の正面図である。
【図2】本発明の1つの実施例における捕球具の内皮の平面図である。
【図3】図2に示す内皮における親指袋のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】親指袋の内側に弾性部材および固定部材を取付けた状態を示す断面図である。
【図5】小指袋に弾性部材および固定部材を取付けた状態を示す断面図である。
【図6】筒状弾性部材の形状例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 捕球具、2,2A 親指袋、3 ウェブ部、4,4A 人差し指袋、5,5A 中指袋、6,6A 薬指袋、7,7A 小指袋、8 受球面皮、9 背面皮、10 外皮、11 内皮、12 手掌部材、13 手甲部材、14 弾性部材、15 固定部材、16 開口部、17 切欠部、18 親指挿入穴、19 筒状弾性部材。
Claims (6)
- 受球面皮(8)と背面皮(9)とを縫着して形成された外皮(10)と、
前記外皮(10)内に挿入され、前記受球面皮(8)側に位置する手掌部材(12)と前記背面皮(9)側に位置する手甲部材(13)とを縫着して形成され、使用者の親指を受け入れる親指袋(2A)を含む複数の指袋を有する内皮(11)と、
前記親指袋(2A)の一部を形成する前記手甲部材(13)に固定され、該手甲部材(13)に沿って前記親指袋(2A)の幅方向の一端から他端に達するように延在し、前記親指袋(2A)内で使用者の親指を固定する弾性部材(14)と、を備えた捕球具。 - 前記弾性部材(14)を前記親指袋(2A)に固定する固定部材(15)をさらに備え、
前記固定部材(15)に、前記親指袋(2A)内で使用者の親指を屈曲し易くする開口部(16)を設けた、請求項1に記載の捕球具。 - 前記弾性部材(14)と前記固定部材(15)とを前記親指袋(2A)の外表面上と内表面上との少なくとも一方に取付けた、請求項2に記載の捕球具。
- 前記内皮(11)は、使用者の小指を受け入れる小指袋(7A)を有し、
前記小指袋(7A)に前記弾性部材(14)を取付けた、請求項1から請求項3のいずれかに記載の捕球具。 - 使用者の親指を受け入れる親指袋(2,2A)と、
使用者の人差し指を受け入れる人差し指袋(4,4A)と、
使用者の中指を受け入れる中指袋(5,5A)と、
使用者の薬指を受け入れる薬指袋(6,6A)と、
使用者の小指を受け入れる小指袋(7,7A)と、
前記親指袋(2,2A)内部の親指挿入穴(18)を覆うように前記親指袋(2,2A)の幅方向に前記親指袋(2,2A)の手甲側部分に沿って延在し、前記親指袋(2A)内で使用者の親指を固定する弾性部材(14)と、を備えた捕球具。 - 使用者の親指を受け入れる親指袋(2,2A)と、
使用者の人差し指を受け入れる人差し指袋(4,4A)と、
使用者の中指を受け入れる中指袋(5,5A)と、
使用者の薬指を受け入れる薬指袋(6,6A)と、
使用者の小指を受け入れる小指袋(7,7A)と、
前記親指袋(2,2A)内に挿入され、前記親指袋(2A)内で使用者の親指を固定する筒状弾性部材(19)と、を備えた捕球具。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003204773A JP2005046261A (ja) | 2003-07-31 | 2003-07-31 | 捕球具 |
US10/824,000 US20050022282A1 (en) | 2003-07-31 | 2004-04-14 | Ball catching tool |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003204773A JP2005046261A (ja) | 2003-07-31 | 2003-07-31 | 捕球具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005046261A true JP2005046261A (ja) | 2005-02-24 |
Family
ID=34100677
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003204773A Withdrawn JP2005046261A (ja) | 2003-07-31 | 2003-07-31 | 捕球具 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20050022282A1 (ja) |
JP (1) | JP2005046261A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007090039A (ja) * | 2005-08-31 | 2007-04-12 | Mizuno Corp | 野球用又はソフトボール用捕球具 |
JP5517620B2 (ja) * | 2007-07-31 | 2014-06-11 | 株式会社糖鎖工学研究所 | ペプチドの製造方法 |
JP2009136339A (ja) * | 2007-12-03 | 2009-06-25 | Mizuno Corp | 野球またはソフトボール用捕球具 |
US20120180191A1 (en) * | 2011-01-14 | 2012-07-19 | Nike, Inc. | Glove With Thermally Moldable Shaping Inserts |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US1964175A (en) * | 1933-08-04 | 1934-06-26 | Jr Alban Richey | Baseball player's glove |
US4603439A (en) * | 1984-04-12 | 1986-08-05 | Everlast World's Boxing Headquarters Corp. | Boxing glove |
JPH05222Y2 (ja) * | 1985-05-16 | 1993-01-06 | ||
US4896376A (en) * | 1988-01-25 | 1990-01-30 | Miner Monte A | Sport glove construction and method of making same |
US5551083A (en) * | 1995-06-28 | 1996-09-03 | Mike Vaughn Custom Sports, Inc. | Sports catch glove with stiffener having a dish shape |
US6289515B1 (en) * | 1999-02-04 | 2001-09-18 | Robert M Fous | Ergonomic fielding glove |
JP3344417B2 (ja) * | 2000-03-24 | 2002-11-11 | ケイエスケイ株式会社 | 野球用グラブの内装芯袋並びにこの内装芯袋を用いた野球用グラブ |
US6536046B1 (en) * | 2002-05-09 | 2003-03-25 | Akadema, Inc. | Baseball glove |
-
2003
- 2003-07-31 JP JP2003204773A patent/JP2005046261A/ja not_active Withdrawn
-
2004
- 2004-04-14 US US10/824,000 patent/US20050022282A1/en not_active Abandoned
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20050022282A1 (en) | 2005-02-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2665354C (en) | Weightlifting glove with integrated hand and wrist support | |
US6142966A (en) | Wrist orthosis | |
US6186969B1 (en) | Wrist brace | |
US20150052655A1 (en) | Hand wrap and method | |
JP2010525889A (ja) | 調節可能なグローブ | |
US6960176B1 (en) | Reinforced wrist brace with gang connected multiple straps | |
US7033331B1 (en) | Reinforced wrist brace with multiple straps | |
JP2004057481A (ja) | 野球またはソフトボール用グラブ | |
JPS62286475A (ja) | 野球グラブの為のリストストラツプ構造 | |
KR102243807B1 (ko) | 착용방법 안내형 어깨 외전 보조기 | |
US20090260129A1 (en) | Sports glove for arthritic thumb carpometacarpal joint | |
US8043240B2 (en) | Cast cover | |
CN114206164A (zh) | 垫子 | |
JP2005046261A (ja) | 捕球具 | |
JP3469548B2 (ja) | 捕球具 | |
US20020002348A1 (en) | Low profile metacarpal fracture brace | |
EP2802391B1 (en) | A hand strap for a skiing pole or similar | |
JP4027493B2 (ja) | スポーツ用手袋 | |
JPH0679029A (ja) | ゴルフ手袋用グリップ強化帯 | |
JP3380200B2 (ja) | 野球用又はソフトボール用捕球具の親指掛け構造 | |
US20240216227A1 (en) | Pacifier Training Device | |
JP4229268B2 (ja) | ゴルフバッグ用カバー | |
JPH0246944Y2 (ja) | ||
JPH0334203Y2 (ja) | ||
JP5059451B2 (ja) | ゴルフ手袋 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20061003 |