JP2019186411A - 抵抗器およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、長期信頼性を向上させることができる抵抗器およびその製造方法を提供することを目的とするものである。【解決手段】本発明の抵抗器は、金属で構成された抵抗体1と、前記抵抗体1の両端部に位置する一対の電極2と、前記抵抗体1の一面1aを覆う放熱板3とを備え、前記抵抗体1の一面1aと前記放熱板3の間に酸化物層4が存在する。また、前記放熱板3をアルミニウムで構成し、前記酸化物層4をアルマイト層としたものである。【選択図】図1
Description
本発明は、各種電子機器の電流値検出等に使用される高電力の金属板を抵抗体とした抵抗器およびその製造方法に関する。
従来のこの種の抵抗器は、板状の金属で構成された抵抗体と、この抵抗体の両端部に形成された一対の電極と、抵抗体に形成された放熱層を備えていた。
放熱層は、エポキシ樹脂などの絶縁性接着層を介して形成された金属板としていた(特許文献1)。また、放熱層は、ガラスエポキシで構成された樹脂基板を貼り付けることによって形成していた(特許文献2)。
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1、2が知られている。
上記従来の抵抗器は、絶縁性接着層、樹脂基板は熱伝導性が低いため、抵抗体で発生した熱を放熱板に効率的に逃がすことができず、これにより、抵抗体の表面の温度が高い状態となるため、長期信頼性が悪化するという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、長期信頼性を向上させることができる抵抗器およびその製造方法を提供することを目的とする。
第1の態様に係る抵抗器は、金属で構成された抵抗体と、前記抵抗体の両端部に位置する一対の電極と、前記抵抗体の少なくとも一面を覆う放熱板とを備え、前記抵抗体の一面と前記放熱板の間に前記放熱板の酸化物層が存在する。
第2の態様に係る抵抗器は、第1の態様において、前記放熱板はアルミニウムで構成し、前記酸化物層をアルマイト層とした。
第3の態様に係る抵抗器の製造方法は、金属で構成された抵抗体の両端部に一対の電極を形成する工程と、放熱板であるアルミニウムの表面を陽極で電解処理して酸化させて前記アルミニウムの表面にアルマイト層を形成する工程と、前記アルマイト層の一部を介して前記放熱板を前記抵抗体に貼り付ける工程とを備える。
以上のように本発明の抵抗器は、絶縁性接着層、樹脂基板より熱伝導率が高いアルマイト層を介して放熱板を抵抗体に貼り付けているため、抵抗体で発生した熱を放熱板により多く逃がすことができ、これにより、熱を分散させることができるため、抵抗体の表面の温度を低くすることができ、この結果、長期信頼性を向上させることができる。
図1は本発明の一実施の形態におけるチップ抵抗器の断面図、図2は同抵抗器の主要部の上面図である。
本発明の一実施の形態における抵抗器は、図1、図2に示すように、金属で構成された抵抗体1と、抵抗体1の両端部に位置する一対の電極2と、抵抗体1の一面(上面)1aを覆う放熱板3とを備えている。
また、放熱板3をアルミニウムで構成し、抵抗体1の一面1aと放熱板3の間にアルマイト層4が存在する。なお、図2は、抵抗体1、一対の電極2、放熱板3のみを示している。
上記構成において、前記抵抗体1は、板状または箔状のCuNi、CuMn、NiCr等の金属で構成されている。また、抵抗体1にはパンチング等により1つまたは複数のトリミング溝(図示せず)が設けられ、これにより抵抗値が調整される。
さらに、前記一対の電極2は、抵抗体1の両端部に形成されている。また、一対の電極2は、Cuを主成分とした別体の金属板を抵抗体1に溶接、クラッド接合したり、抵抗体1に金属材料を直接めっき、スパッタ、印刷したりして形成する。そして、一対の電極2の周囲の露出する面には、ニッケルめっき、すずめっきで構成されためっき層5が形成される。
また、抵抗体1と一対の電極2とは、抵抗体1の端面1bと一対の電極2の端面2aを互いに突き合わせた状態で接合されている。そして、抵抗体1より一対の電極2の方が厚みが厚く、抵抗体1の一面1aと一対の電極2の上面が面一になっている。
なお、放熱板3が形成される抵抗体1の一面1aと対向する他面(裏面)1cに一対の電極2を形成してもよい。また、一対の電極2を分割して4端子としてもよく、一対の電極2を下方に折り曲げて抵抗器をコ字状にしてもよい。
そしてさらに、抵抗体1の他面1cにおいて、一対の電極2間にエポキシ樹脂またはシリコン樹脂を塗布、乾燥して形成された第1保護膜6が設けられている。
また、前記放熱板3は、抵抗体1の一面1aのほぼ全面と一対の電極2の上面の一部を覆うように設けられ、アルミニウム板で構成されている。さらに、放熱板3は、抵抗体1の一面1aの側面部1dと、一対の電極2の上面の電流が流れる方向において外側の外側端面部2bは覆わない。なお、放熱板3は支持板としての役割も有しており、抵抗体1に曲げ応力などが加わっても変形しないようにしている。
なお、放熱板3は一対の電極2を覆うようにしてもよいし、覆わない(抵抗体1のみを覆う)ようにしてもよい。
この放熱板3は、抵抗体1、一対の電極2、めっき層5と直接、または実装用はんだを介して電気的に接続されないようにする。
そして、前記アルマイト層4は、放熱板3であるアルミニウムの表面を陽極で電解処理して形成されたアルミニウムの酸化物である。すなわち、この金属の酸化物層がアルミニウムの表面を覆うアルマイト層4となる。したがって、放熱板3であるアルミニウムとアルマイト層4は一体的に形成され、放熱板3に酸化物層を容易に形成することができる。
この放熱板3の下面を覆うアルマイト層4を抵抗体1の一面1a、一対の電極2に貼り付け、アルマイト層4を介して放熱板3を抵抗体1、一対の電極2に接着する。アルマイト層4の表面には、無数の微細孔が存在するため、接着性が高い。したがって、封孔処理をしない。
ここで、放熱板3であるアルミニウム板の全表面にアルマイト層4を形成した後、側面、端面を切断して所定の大きさにし、抵抗体1、一対の電極2に貼り付ける。
また、アルマイト層4を、エポキシ樹脂などの絶縁性接着層7を用いて抵抗体1に貼り付けてもよい。この場合、抵抗体1と放熱板3との絶縁性を考慮しなくてもよいため、絶縁性接着層7の厚みを薄くすることができる。
アルマイト層4は、放熱板3の上面(抵抗体1の一面1aと接着する面と対向する面)にも形成されているが、端面、側面には形成されていない。
さらに、アルマイト層4の上面を覆うように、エポキシ樹脂またはシリコン樹脂を塗布、乾燥して第2保護膜8を形成する。
第2保護膜8は、放熱板3で覆われていない抵抗体1の側面部1dと一対の電極2の外側端面部2b、および放熱板3のアルマイト層4が形成されていない端面、側面も覆う。これにより、放熱板3が外部に露出せず、放熱板3と一対の電極2、めっき層5との絶縁性も保持できる。
本発明の一実施の形態における抵抗器においては、抵抗体1の一面1aに、絶縁性接着層、樹脂基板より熱伝導率が約10倍高いアルマイト層4を介して放熱板3を貼り付けているため、抵抗体1で発生した熱を放熱板3により多く逃がすことができ、これにより、熱を分散させることができるため、抵抗体1の表面のホットスポットの温度を低くすることができ、この結果、長期信頼性を向上させることができるという効果が得られる。
また、放熱板3をアルミニウムとすることによって、抵抗体1の線膨張率と放熱板3との線膨張率を近いものにすることができるため、抵抗体1の発熱による剥離、実装時のはんだ付け部分でのクラックの発生を防止できる。
一方、放熱板3として銅やアルミナを使用すると、抵抗体1との線膨張率の差が大きくなるため、剥離、クラックが発生し易くなる。
本発明に係る抵抗器およびその製造方法は、長期信頼性を向上させることができるという効果を有するものであり、特に各種電子機器の電流値検出等に使用される高電力の金属板を抵抗体とした抵抗器等に適用することにより有用となるものである。
1 抵抗体
1a 抵抗体の一面
2 一対の電極
3 放熱板
4 アルマイト層(酸化物層)
1a 抵抗体の一面
2 一対の電極
3 放熱板
4 アルマイト層(酸化物層)
Claims (3)
- 金属で構成された抵抗体と、前記抵抗体の両端部に位置する一対の電極と、前記抵抗体の一面を覆う放熱板とを備え、前記抵抗体の一面と前記放熱板の間に前記放熱板の酸化物層が存在する抵抗器。
- 前記放熱板はアルミニウムで構成し、前記酸化物層をアルマイト層とした請求項1に記載の抵抗器。
- 金属で構成された抵抗体の両端部に一対の電極を形成する工程と、放熱板であるアルミニウムの表面を陽極で電解処理して酸化させて前記アルミニウムの表面にアルマイト層を形成する工程と、前記アルマイト層の一部を前記抵抗体の一面に貼り付ける工程とを備える抵抗器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018076480A JP2019186411A (ja) | 2018-04-12 | 2018-04-12 | 抵抗器およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2018076480A JP2019186411A (ja) | 2018-04-12 | 2018-04-12 | 抵抗器およびその製造方法 |
Publications (1)
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JP2019186411A true JP2019186411A (ja) | 2019-10-24 |
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JP2018076480A Pending JP2019186411A (ja) | 2018-04-12 | 2018-04-12 | 抵抗器およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2019186411A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020189645A1 (ja) | 2019-03-20 | 2020-09-24 | 株式会社リコー | 細胞培養担体、並びにその製造方法及び製造装置 |
-
2018
- 2018-04-12 JP JP2018076480A patent/JP2019186411A/ja active Pending
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