JP6127852B2 - ヒートシンク付パワーモジュール用基板及びその製造方法 - Google Patents

ヒートシンク付パワーモジュール用基板及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、大電流、高電圧を制御する半導体装置に用いられるヒートシンク付パワーモジュール用基板及びその製造方法に関する。
従来のヒートシンク付パワーモジュール用基板として、絶縁層となるセラミックス基板の一方の面に、回路層となる金属板が積層され、この回路層の上に半導体チップ等の電子部品がはんだ付けされるとともに、セラミックス基板の他方の面に放熱層となる金属板が形成され、この放熱層を介してヒートシンクが接合された構成のものが知られている。
この種のヒートシンク付パワーモジュール用基板において、回路層となる金属板に電気的特性に優れる銅を用い、放熱層となる金属板には、セラミックス基板との間の熱応力を緩和する目的でアルミニウムを用いる場合がある。
この場合、回路層を銅で形成することにより、アルミニウムを用いる場合と比べて電子部品で発生する熱を速やかに放熱することができる。また、電子部品の発熱分を放熱し易くするためには、回路層の厚みを厚くすることが有効であるが、回路層の厚みを厚くすると、セラミックス基板との熱膨張差が大きいことから熱伸縮による反りが生じ、セラミックス基板にクラックが生じるおそれある。
このようなヒートシンク付パワーモジュール用基板の反りを抑制する方法として、例えば、特許文献1から4では、以下のような対策がなされている。
特許文献1には、ろう材の一部を回路層(金属板)の外周から外部にはみ出すように配置し、回路層の縁部の内側に、その縁部に沿った溝を形成することが記載されている。また、特許文献2には、少なくとも回路層の縁部(端部)に3段以上の段差を設けることが提案されている。そして、特許文献3には、回路層(金属回路)の縁部からろう材をはみ出させて設けるとともに、回路層及び金属層(金属放熱板)の縁部にいずれもステップ部とこのステップ部に連続したスロープ部とで構成された段差構造を設けることが記載されている。さらに、特許文献4には、パワーモジュール用基板の回路層となる金属板の外周縁部やその外周縁部内側に薄肉部を設けることが提案されている。
このように、特許文献1から4においては、回路層の縁部に特定の形状を形成することにより、セラミックス基板に生じる応力を緩和させることが記載されており、セラミックス基板に生じるクラックを抑制できることから、接合信頼性が高められる。
特開2002‐344094号公報 特許第3932343号公報 特開2011‐91184号公報 特許第3192911号公報
しかしながら、ヒートシンク付パワーモジュール用基板に搭載される電子部品から発生する熱量はますます増加しており、より一層の放熱特性の向上のために回路層の厚肉化が顕著になっている。このため、熱伸縮による反り対策がさらに求められている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、優れた放熱特性を有するとともに、熱伸縮による反りを低減してクラック等の発生を防止することができるヒートシンク付パワーモジュール用基板を提供することを目的とする。
本発明は、セラミックス基板と、該セラミックス基板の一方の面に積層される銅又は銅合金からなる回路層と、前記セラミックス基板の他方の面に積層されるアルミニウム又はアルミニウム合金からなる金属層とを有するパワーモジュール用基板が、アルミニウム合金からなるヒートシンクに接合されてなるヒートシンク付パワーモジュール用基板であって、前記ヒートシンクの厚みが5mm以上に設定され、前記回路層の厚みが1.0mm以上1.5mm未満に設定され、前記金属層の厚みが0.4mm以上2.1mm以下に設定され、前記回路層の前記セラミックス基板との接合面と反対面に、少なくとも前記セラミックス基板の短手側に位置する前記回路層の端部に沿って凹溝が形成されており、該凹溝の幅方向の中心位置は、前記回路層の厚みをtmmとした場合に、前記端部から(0.79t+0.01)mm以上(0.79t+1.01)mm以下の位置に形成されていることを特徴とする。
金属層に比べてヒートシンク及び回路層の剛性が高いことから、パワーモジュール用基板の金属層にヒートシンクを接合する際に、セラミックス基板はヒートシンク及び回路層の熱伸縮の影響を大きく受ける。この際、セラミックス基板に生じる応力は、セラミックス基板の短手側に位置する回路層の端部から(0.79t+0.01)mm以上(0.79t+1.01)mm以下の位置に対応するセラミックス基板の位置において最大となる。そこで、本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板においては、最大応力が生じる位置に対応する回路層の接合面の反対面に凹溝を設けることにより、セラミックス基板に生じる応力を緩和している。
したがって、銅からなる回路層により良好な放熱特性を確保することができるとともに、セラミックス基板に生じる応力集中を緩和することができ、反りを低減してクラック等の発生を防止することができる。
本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板において、前記凹溝は、前記回路層の厚みの1/6以上3/5以下の深さで形成されているとよい。
上記のような凹溝を設けることで、回路層の熱拡散効果を損なわずに、セラミックス基板に生じる応力集中を緩和することができる。
凹溝の深さが、回路層の厚みの1/6未満では、十分な応力緩和効果が得られない。凹溝の深さが増すにつれて応力緩和効果を増加させることができるが、凹溝を回路層の厚みの3/5を超えて深く形成した場合には、回路層に薄肉部ができ、新たな応力集中箇所が発生しやすくなるとともに、凹溝によって回路層の面内熱拡散が阻害され、放熱性が低下する。
本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法は、上記のヒートシンク付パワーモジュール用基板を製造する方法であって、前記凹溝は、前記パワーモジュール用基板と前記ヒートシンクとの接合前に形成されることを特徴とする。
パワーモジュール用基板にヒートシンクを接合する前に凹溝を形成しておくことで、金属層にヒートシンクを接合する際にセラミックス基板が受けるヒートシンク及び回路層の熱伸縮の影響を低減することができる。
本発明によれば、銅からなる回路層により良好な放熱特性を確保することができるとともに、セラミックス基板に生じる応力集中を緩和することができるので、ヒートシンク付パワーモジュール用基板の反りを低減してクラック等の発生を防止することができる。
本発明の一実施形態のヒートシンク付パワーモジュール用基板の全体構成を示す縦断面図である。 図1に示すヒートシンク付パワーモジュール用基板の上面図である。 従来のヒートシンク付パワーモジュール用基板の全体構成を示す縦断面図である。 基準モデルの応力解析結果及び凹溝を設けた検討モデルの応力解析結果である。 最大応力値及び位置とヒートシンクの厚みとの関係を示すグラフである。 最大応力値及び位置と金属層の厚みとの関係を示すグラフである。 最大応力位置と回路層の厚みとの関係を示すグラフである。 最大応力値と回路層の厚みとの関係を示すグラフである。 最大応力値と凹溝の形成位置との関係を示すグラフである。 最大応力値と凹溝の深さとの関係を示すグラフである。 本発明に係るヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法の一実施形態を説明する図である。 本発明の他の実施形態のヒートシンク付パワーモジュール用基板の上面図である。
以下、本発明に係るヒートシンク付パワーモジュール用基板及びその製造方法の実施形態について説明する。
図1に示すヒートシンク付パワーモジュール10Aは、パワーモジュール用基板10と、パワーモジュール用基板10に接合されたヒートシンク30とから構成されている。
パワーモジュール用基板10は、セラミックス基板11と、そのセラミックス基板11の一方の面に積層された銅からなる回路層12と、セラミックス基板11の他方の面に積層されたアルミニウムからなる金属層13とを有している。
セラミックス基板11は、厚さ0.2mm〜1.5mmのAlN,Si,Al,SiC等からなる。
回路層12は、厚さ1.0mm以上1.5mm未満の純銅板又は銅合金板(好ましくは無酸素銅)により形成されている。図1及び図2に示すパワーモジュール100においては、回路層12は、エッチング等により所定の回路パターン状に成形されており、その上に電子部品20がはんだ材等によって接合されている。
金属層13は、厚さ0.4mm以上2.1mm以下の純アルミニウム板又はアルミニウム合金板(好ましくは純度99.00質量%以上のAl板)により形成されている。また、金属層13の表面にヒートシンク30がろう付けによって接合されており、ヒートシンク30は、回路層12よりも厚く、厚さが5mm以上のアルミニウム合金板により形成されている。
そして、回路層12のセラミックス基板11との接合面と反対面14には、パワーモジュール用基板10とヒートシンク30とを接合する際に、セラミックス基板11に生じる最大応力の位置に対応する位置に、凹溝15が設けられている。すなわち、凹溝15は、反対面14の少なくともセラミックス基板12の短手側に位置する反対面14の端部14aに沿って配置されており、凹溝15の幅方向の中心位置は、回路層12の厚みをtmmとした場合に、端部14aから(0.79t+0.01)mm以上(0.79t+1.01)mm以下の位置(図1に示す符号L)に形成されている。そして、凹溝15の幅wは、1mm以上4mm以下に設定され、回路層12の端部に立設される立壁部12aは残されることが望ましい。
また、凹溝15の深さdは、回路層12の厚みtmmの1/6以上3/5以下の深さで形成されている。
回路層12の反対面14に形成する凹溝15の形成位置について、説明する。
図3に示すような、凹溝を有しない回路層12により構成された従来のヒートシンク付パワーモジュール用基板10Bにおいては、金属層13に比べてヒートシンク10と回路層12の剛性が高いことから、パワーモジュール用基板10の金属層13にヒートシンク30を接合する際に、セラミックス基板11は両側のヒートシンク30と回路層12の熱伸縮の影響を大きく受ける。そこで、図3に示すようなヒートシンク付パワーモジュール用基板のモデルを用いて、パワーモジュール用基板10とヒートシンク30とのろう付け接合時に生じる応力を確認する解析を行った。基準となる解析モデル(基準モデル)の条件は、以下のように設定した。
〔基準モデルの条件〕
回路層:無酸素銅(37mm×37mmで厚み1.48mm)
セラミックス基板:AlN(40mm×40mmで厚み0.635mm)
金属層:純アルミニウム(純度99.99質量%)(37mm×37mmで厚み1.6mm)
ヒートシンク:アルミニウム合金(A6063)(50mm×50mmで厚み5mm)
この基準モデルについて、パワーモジュール用基板10とヒートシンク30とのろう付け温度(ろう付け時の最大加熱温度600℃)まで加熱後、20℃まで冷却した場合に生じる応力を解析した。その結果、図4(a)に矢印で示すように、セラミックス基板(AlN)の短手側の端部から少し内側に入った箇所(回路層の端部から1.69mmの位置)に応力が最大となる部分が生じることを確認することができた。なお、基準モデルに生じる最大応力値は184MPaであった。
〔セラミックス基板に生じる最大応力位置の検討〕
次に、基準モデルに対して、ヒートシンク30の厚みのみを変量した場合、金属層13の厚みのみを変量した場合、回路層12の厚みのみを変量した場合のモデルを形成し、基準モデルの解析と同様の条件で応力解析を行い、セラミックス基板11に生じる最大応力の位置(最大応力位置)の変化と、最大応力値の変化を確認した。図5から図8に結果を示す。なお、図8には、実線で示す回路層12の厚みのみを変量した場合の他に、回路層12に凹溝を設けた場合の結果を破線で示している。この凹溝を形成したモデルの結果については、後述する。
図5(a)からわかるように、ヒートシンク30の厚みを変量しても、セラミックス基板11に生じる最大応力の位置は殆ど変化しない。また、いずれの変量モデルにおいても、図5(b)に示されるように、最大応力値は185MPa程度であり、5mm以上の厚みを有するヒートシンク30においては、ヒートシンク30の厚みは、最大応力値の増減や最大応力位置の変化に大きな影響を与えていないことがわかる。
また、図6(a)からわかるように、金属層13の厚みを変量した場合、最大応力位置は殆ど変化しないが、最大応力値は185〜210MPa程度で変動していることがわかる。よって、金属層13の厚みは、最大応力値に影響は与えるものの、最大応力位置の変化には大きな影響を与えていないことがわかる。
ところが、図7からわかるように、回路層12の厚みを変量すると、回路層12の厚みを増すにつれて最大応力位置がセラミックス基板11の内側に移動する。また、図8からわかるように、回路層12の厚みを増すごとに最大応力値が増加する傾向にあることがわかる。すなわち、回路層12の厚みに応じて最大応力位置や最大応力値が変化することがわかる。
また、金属層13の厚みを変量した場合における最大応力値は、前述したように185〜210MPa程度で変動するが、回路層12の厚みを変量した場合は、140〜185MPa程度で変動する。
よって、回路層12の厚さは、最大応力値やその位置の変位に最も大きな影響を与えることがわかる。
〔最大応力値の低減化検討〕
そこで、最大応力値やその位置の変位に最も大きな影響を与える回路層12の反対面14に、図1に示すような凹溝15を形成することにより、セラミックス基板11に生じる最大応力値を低減する検討を行った。
検討モデルには、基準モデルに深さ0.5mm×幅2mmの凹溝を設けたモデル(図4(b)参照)を用いた。そして、基準モデルの応力解析結果により得られた最大応力位置(図4(a)の矢印で示す位置)の直上位置に凹溝を配置した場合と、直上位置から端部側又は内部側に移動させた場合とについて応力解析を行った。結果を図9に示す。
図9からわかるように、最大応力位置の直上位置に凹溝を設けた場合(凹溝の位置0)が、最も最大応力値を低くすることができる。また、最大応力位置の直上位置から多少ずれた位置に凹溝が設けられた場合でも、回路層に凹溝を設けない場合(最大応力値184MPa)と比べて大幅に最大応力値を低くでき、凹溝を設けることにより良好な応力緩和効果を得られることがわかる。
以上の検討結果から、パワーモジュール用基板10とヒートシンク30とをろう付け接合する際に、セラミックス基板11に生じる最大応力位置に対応する位置に、凹溝15を設けておくことにより、セラミックス基板11に生じる応力集中を緩和できることがわかる。また、最大応力位置は回路層12の厚みに応じて変化することから、回路層12の厚みのみを変量した場合についての応力解析結果(図8)に基づいて凹溝15の形成位置を決定することとした。具体的には、図8に示すデータ(5点)に対し、最小二乗フィッティングを行い、求めた計算式の切片値と製造公差を加味して範囲を設定した。これにより、凹溝15の形成位置は、回路層の厚みをtmmとした場合に、端部14aから(0.79t+0.01)mm以上(0.79t+1.01)mm以下とした。また、凹溝15の幅wは、1mm以上4mm以下に設定することが望ましい。
なお、最大応力が発生する最大応力位置は、回路層12とセラミックス基板11との接合面に起因し、回路層12の端部14aよりも突出して設けられるセラミックス基板11の端部の突出量の大きさには影響を受けない。
〔凹溝の深さの検討〕
次に、反対面14に形成する凹溝15の深さの検討を行った。
検討モデルには、基準モデルに幅2mmの凹溝を設けたモデル(図9参照)を用いた。そして、凹溝の深さを変量して、応力解析を行った。なお、応力解析は、基準モデルの解析と同様の条件で行った。図10に応力解析の結果を示す。
図10からわかるように、回路層の厚み(1.48mm)の1/6(0.25mm)以上3/5(0.9mm)以下の深さの凹溝を設けることで、凹溝を設けていない基準モデルの最大応力値(184MPa)よりも最大応力値を低減することができる。
最大応力値は、回路層の厚みの1/6(0.25mm)以上13/5(0.9mm)以下の範囲においては、凹溝の深さが大きくなるにつれて減少する傾向がみられたが、回路層の厚みの2/3(1.0mm)に設定した場合には最大応力値が増加し、回路層の厚みの3/5(0.9mm)で最小となった。この結果から、凹溝の深さを回路層の厚みの1/6未満に設定した場合、もしくは回路層の厚みの2/3を超えて形成した場合には、最大応力値がさらに大きくなり、十分な応力緩和効果が得られないことが予測される。
したがって、凹溝は、回路層の厚みの1/6以上3/5以下の深さで形成することにより、セラミックス基板に生じる応力集中を円滑に緩和することができる。
次に、本実施形態のヒートシンク付パワーモジュール用基板10Aの製造方法について説明する。
〔回路層とセラミックス基板の接合〕
図11(a)に示すように、セラミックス基板11の回路層12側の表面(本発明でいう、一方の面)に、予めスクリーン印刷等によって銅部材接合用ペースト17(Ag、Cu、Ti及び有機物を含有するものである。)を塗布して乾燥させておく。そして、乾燥させた銅部材接合用ペースト17上に回路パターン状に成形した回路層12を積層し、回路層12及びセラミックス基板11をその積層方向に0.1MPa〜3.4MPaで加圧した状態で真空加熱炉(図示略)に装入して、790℃〜850℃の加熱温度で加熱する。この際、回路層12の接合部は、CuとAgとの反応によって溶融する。そして、この回路層12とセラミックス基板11の積層体を冷却することにより溶融金属を凝固させて、回路層12とセラミックス基板11とを接合する。
〔凹溝の形成〕
次に、回路層12の接合面とは反対面14に、凹溝15を形成する部分を残してエッチングレジストインキ40をスクリーン印刷によって塗布し、紫外線を照射してパターニングを行う。なお、エッチングレジストインキ40を塗布する代わりに、ドライフィルムレジストを貼り付けてもよい。
そして、塩化第二銅や塩化第二鉄等の水溶液を用いてエッチング処理を行い、凹溝15を形成する(図11(b))。エッチングレジスト40は、凹溝15の形成後に水酸化ナトリウムで剥離する。
〔セラミックス基板と金属層の接合〕
図11(c)に示すように、金属層13をセラミックス基板11の下面(本発明でいう、他方の面)側に、厚さ5μm〜50μmのろう材箔18(Al‐Si系ろう材箔)を介して積層し、回路層12とセラミックス基板11の積層体と金属層13とをその積層方向に0.1MPa〜3.4MPa(1kgf/cm〜35kgf/cm)で加圧した状態で真空加熱炉(図示略)に装入して、550℃〜650℃の加熱温度で加熱する。この際、ろう材箔18と金属層13の一部とが溶融する。そして、回路層12、セラミックス基板11及び金属層13の積層体を冷却することにより溶融金属を凝固させ、セラミックス基板11と金属層13とを接合して、パワーモジュール用基板10が製造される。
〔金属層とヒートシンクの接合〕
図11(d)に示すように、ヒートシンク30を金属層13の下面側に、厚さ5μm〜50μmのろう材箔18(Al‐Si系ろう材箔)を介して積層し、パワーモジュール用基板10とヒートシンク30とをその積層方向に0.1MPa〜3.4MPaで加圧した状態で真空加熱炉(図示略)に装入して、550℃〜650℃の加熱温度で加熱する。この際、ろう材箔18と金属層13の一部とが溶融する。そして、パワーモジュール用基板10とヒートシンク30の積層体を冷却することにより溶融金属を凝固させ、金属層13とヒートシンク30とを接合して、ヒートシンク付パワーモジュール用基板10Aが製造される。
このパワーモジュール用基板10とヒートシンク30とのろう付け接合時においては、セラミックス基板11に最大応力が生じる位置に対応する回路層12の接合面とは反対面14に凹溝15が設けられているので、セラミックス基板11に生じる応力が緩和される。
このように、銅からなる回路層12により良好な放熱特性を確保することができるとともに、セラミックス基板11に生じる応力集中を緩和することができるので、ヒートシンク付パワーモジュール用基板10Aの反りを低減でき、クラック等の発生を防止することができる。また、このようなヒートシンク付パワーモジュール用基板10Aは、低温状態と高温状態とが繰り返される冷熱サイクル環境において使用された場合でも、セラミックス基板11に生じる熱応力を低減できることから、セラミックス基板11と回路層12の接合信頼性を維持することができる。
なお、上記実施形態のように、回路層12の回路パターンは、セラミックス基板11との接合前に打抜き加工等の機械加工により形成することもできるし、セラミックス基板11との接合後にエッチング処理によって形成する構成としてもよい。また、凹溝15の形成を、エッチング処理により行う場合、回路層の回路パターン形成時に同時に形成することも可能である。さらに、凹溝は、セラミックス基板が受けるヒートシンク及び回路層の熱伸縮の影響を低減するために、少なくともパワーモジュール用基板とヒートシンクとの接合前に形成しておけば良いことから、上記実施形態のように、セラミックス基板と金属層の接合前に形成する構成としても良いし、セラミックス基板と金属層との接合後に形成する構成としてもよい。また、回路層をセラミックス基板に接合する前に凹溝を形成してもよく、この場合には機械加工により凹溝を形成してもよい。
また、パワーモジュール用基板とヒートシンクとの接合時においては、回路層12の端部に設けられた立壁部12aによって、パワーモジュール用基板10とヒートシンク30との接合面の端部まで確実に加圧して接合することができる。これにより、パワーモジュール用基板10とヒートシンク30との接合面が全面にわたって良好に接合された状態のヒートシンク付パワーモジュール用基板10Aを製造することができ、ヒートシンク付パワーモジュール用基板10Aの良好な放熱特性を維持することができる。
ところで、図1及び図2に示すヒートシンク付パワーモジュール用基板10Aにおいては、セラミックス基板11上に1つの回路層12が接合された構成とされていたが、本発明は、図12に示すように、セラミックス基板11上に複数の回路層12が形成されたヒートシンク付パワーモジュール用基板50Aに適用することもできる。この場合においても、少なくともセラミックス基板11の短手側の端部に沿って凹溝15を形成しておくことにより、パワーモジュール用基板10とヒートシンク30とのろう付け接合時において、セラミックス基板11に生じる応力集中を緩和することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、凹溝15の形状は特に限定されるものではなく、スリット形状等でもよい。
10 パワーモジュール用基板
10A,10B,50A ヒートシンク付パワーモジュール用基板
11 セラミックス基板
12 回路層
12a 立壁部
13 金属層
14 反対面
14a 端部
15 凹溝
17 銅部材接合用ペースト
18 ろう材箔
20 電子部品
30 ヒートシンク
40 エッチングレジストインキ

Claims (3)

  1. セラミックス基板と、該セラミックス基板の一方の面に積層される銅又は銅合金からなる回路層と、前記セラミックス基板の他方の面に積層されるアルミニウム又はアルミニウム合金からなる金属層とを有するパワーモジュール用基板が、アルミニウム合金からなるヒートシンクに接合されてなるヒートシンク付パワーモジュール用基板であって、前記ヒートシンクの厚みが5mm以上に設定され、前記回路層の厚みが1.0mm以上1.5mm未満に設定され、前記金属層の厚みが0.4mm以上2.1mm以下に設定され、前記回路層の前記セラミックス基板との接合面と反対面に、少なくとも前記セラミックス基板の短手側に位置する前記回路層の端部に沿って凹溝が形成されており、該凹溝の幅方向の中心位置は、前記回路層の厚みをtmmとした場合に、前記端部から(0.79t+0.01)mm以上(0.79t+1.01)mm以下の位置に形成されていることを特徴とするヒートシンク付パワーモジュール用基板。
  2. 前記凹溝は、前記回路層の厚みの1/6以上3/5以下の深さで形成されていることを特徴とする請求項1記載のヒートシンク付パワーモジュール用基板。
  3. 請求項1又は2に記載のヒートシンク付パワーモジュール用基板を製造する方法であって、前記凹溝は、前記パワーモジュール用基板と前記ヒートシンクとの接合前に形成されることを特徴とするヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法。
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