JP2019185020A - カプセルトナー、2成分現像剤及び画像形成装置並びにカプセルトナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明に係るカプセルトナーは、コアトナー粒子と、前記コアトナー粒子を被覆する被覆層とを有するカプセルトナーであって、前記被覆層を形成する樹脂微粒子は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC:Gel Permeation Chromatography)で測定される重量平均分子量の数値が、Mw=100×1000〜450×1000の範囲であることを特徴とする。
本発明に係る2成分現像剤は、前記本発明に係るカプセルトナーとキャリアとを含むことを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置は、前記本発明に係る2成分現像剤を用いることを特徴とする。
本発明に係るカプセルトナーの製造方法は、前記本発明に係るカプセルトナーの製造方法であって、前記コアトナー粒子と、前記被覆層を形成する樹脂微粒子の複合粒子に対して、環状の流路を循環する流速30m/s以上の気流中に分散させ、前記流路の途中に設けられた回転撹拌部の機械的処理によって前記カプセルトナーを得ることを特徴とする。
図1は、本発明の実施形態に係るカプセルトナー100の断面構成を示す概念図である。本実施の形態に係るカプセルトナー100は、コアトナー粒子101と、その外側に樹脂微粒子で形成される被覆層102(シェル層)で形成される。以下、カプセルトナー100の構成について詳細に述べる。
コアトナー粒子101は、結着樹脂と着色剤と離型剤とを含む。結着樹脂は、コアトナー粒子101の主樹脂である。結着樹脂としては、スチレンアクリル共重合樹脂を使用することができる。樹脂原料として使用できるモノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレンなどのスチレン誘導体や、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フエニル、メタアクリル酸、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロピル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸イソブチル、メタアクリル酸n−オクチル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸フエニル、メタアクリル酸ジメチルアミノエステルなどのアクリル酸誘導体及びメタクリル酸誘導体を例示できる。
被覆層102は、コアトナー粒子101の外側にアクリル系樹脂で形成される。アクリル系樹脂としては、少なくともアクリル系モノマー又はメタクリル系モノマーのいずれかを含む単独又は複数のモノマーを重合又は共重合して得られる樹脂を使用できる。
図2は、本実施の形態に係るカプセルトナー100の製造方法を示す工程図である。本実施形態のカプセルトナー100の製造方法は、コアトナー粒子101を作製するコアトナー粒子作製工程P1と、被覆層102を形成する樹脂微粒子調製工程P2と、コアトナー粒子101及び樹脂微粒子を複合する複合粒子形成工程P3と、コアトナー粒子101の表面に被覆層102を形成するカプセル粒子形成工程P4と、カプセルトナー粒子及び外添剤を混合する外添工程P5とを含む。
コアトナー粒子作製工程P1ではコアトナー粒子101を作製する。コアトナー粒子101の作製方法としては、例えば、混練粉砕法などの乾式法、並びに懸濁重合法、乳化凝集法、分散重合法、溶解懸濁法及び溶融乳化法などの湿式法を挙げることができる。以下、混練粉砕法によってコアトナー粒子101を作製する方法を記載する。
樹脂微粒子の調製方法として、例えば、樹脂微粒子原料である樹脂をホモジナイザーなどで乳化分散する方法や、乳化重合やソープフリー乳化重合などの方法でモノマーを重合させる方法が挙げられる。樹脂微粒子は、固形分が30重量%(水分が70重量%)のエマルジョンとして調整する。
複合粒子形成工程P3は、コアトナー粒子101表面に樹脂微粒子を被覆させて複合粒子を形成させる工程である。複合粒子を形成する方法として、例えば、ヘンシェルミキサ真空乾燥システム(商品名:FM20C、日本コークス工業株式会社製)の中に、コアトナー粒子101と樹脂微粒子エマルジョンとを投入し、撹拌羽根の先端部の周速が10〜30m/秒の速度で撹拌しながら、ミキサ槽内を減圧する方法が使用できる。減圧下において混合乾燥することで、水分含有率を1重量%未満まで乾燥させた複合粒子を得ることができる。コアトナー粒子101と樹脂微粒子との混合比としては、コアトナー粒子101表面を樹脂微粒子で完全にかつ薄く被覆する程度の混合比が好ましく、配合比としては、コアトナー粒子100重量部に対して樹脂微粒子5重量部〜15重量部の比率で混合される。樹脂微粒子の配合比が5重量部未満の場合は、コアトナー粒子101を充分に被膜することが困難であり、保存安定性が不充分となる。15重量部を超える場合は、被膜量が過剰であり、被覆層102を薄膜化することが困難であり、低温定着性が悪化する。
カプセル粒子形成工程P4は、複合粒子に機械的衝撃力を付与することにより、樹脂微粒子をコアトナー粒子101表面で膜化してカプセル粒子を形成する工程である。図3は、本実施の形態に係るカプセルトナー100の製造方法で用いるカプセルトナー100の製造装置201の概略構成を示す正面図である。図4は、図3に示す製造装置201を切断面線A200―A200から見た概略断面図である。カプセル粒子形成工程P4では、例えば図3に示すカプセルトナー100の製造装置201を用い、複合粒子形成工程P3で作製した複合粒子に対して、カプセルトナー100の製造装置201内での循環と撹拌との相乗効果による衝撃力でコアトナー粒子101に被覆層102(樹脂被覆層)を形成する。カプセルトナー100の製造装置201は回転撹拌装置であり、粉体流路202と、回転撹拌手段203(回転撹拌部)と、図示しない温度調整用ジャケットと、粉体投入部206と、粉体回収部207とを含んで構成される。回転撹拌手段203と、粉体流路202とは循環手段を構成する。
外添工程P5では、カプセルトナー粒子と外添剤とを混合機で混合することにより、カプセルトナー粒子表面に外添剤を付着させる工程である。外添剤としては、シランカップリング剤で疏水化処理した1次粒子径が7nm〜20nmのシリカ微粒子などを使用できる。
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、試料1gを昇温速度毎分10℃で加熱してDSC(Differential Scanning Calorimetry:示差走査熱量測定)曲線を測定した。得られたDSC曲線のガラス転移に相当する吸熱ピークの高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、ピークの立ち上がり部分から頂点までの曲線に対して勾配が最大になるような点で引いた接線との交点からガラス転移点(Tg)を求めた。
流動特性評価装置(商品名:フローテスターCFT−100C、株式会社島津製作所製)を用い試料1gを昇温速度毎分6℃で加熱し、荷重20kgf/cm2(9.8×105Pa)を与えてダイ(ノズル口径1mm、長さ1mm)から試料を流出させた。試料の流出が開始された温度を流出開始温度(Tfb)とし、試料の半分量が流出したときの温度を軟化点(Tm)とした。
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター株式会社製)50mLに、試料20mg及びアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mLを加え、超音波分散器(商品名:卓上型2周波超音波洗浄器VS−D100、アズワン株式会社製)を用い周波数20kHzで3分間分散処理し、測定用試料とした。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:Multisizer3、ベックマン・コールター株式会社製)を用い、アパーチャ径:100μm、測定粒子数:50000カウントの条件下に測定を行い、試料粒子の体積粒度分布から体積平均粒径を求めた。
樹脂微粒子の体積平均粒径の測定には、動的光散乱法粒度分布測定装置(商品名:ナノトラック、日機装株式会社製)を用いて、2回測定を行ってその平均値を求めた。測定条件としては、測定時間を30秒とし、試料粒子屈折率を1.49とし、分散媒を水とし、分散媒屈折率を1.33とした。測定用試料の体積粒度分布を測定し、測定結果から累積体積分布における小粒子径側からの累積体積が50%になる粒子径を樹脂微粒子の体積平均粒径(μm)として算出した。
□
樹脂微粒子のエマルジョンに対して、フリーズドライヤー(商品名:小型凍結乾燥機FDS型、東京理科機械株式会社製)を用いて凍結乾燥させた後、乾燥した樹脂微粒子を0.25重量%となるようテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、試料200μLをGPC装置(商品名:HLC−8220GPC、東ソー株式会社製)に注入し、温度40℃において分子量分布曲線を求めた。得られた分子量分布曲線から、重量平均分子量Mwを求めた。なお、分子量校正曲線は標準ポリスチレンを用いて作成した。
(1)コアトナー粒子作製工程P1
スチレン74重量部、アクリル酸n−ブチル26重量部及びキシレン溶媒80重量部からなる溶液に1.5重量部のジ−t−ブチルパーオキサイドを均一に溶解したキシレン溶液20重量部を、内温180℃、内圧6kg/cm2に保持した5Lの反応容器に750mL/時間で連続的に供給して重合し、スチレンアクリル樹脂の溶液を得た。その後、90℃、10mmHgのベッセル中にフラッシュして溶剤等を留去した後、粗粉砕機を用いて粗粉砕を行い、1mmのチップのスチレンアクリル樹脂R−1を得た(表1参照)。得られたスチレンアクリル樹脂100重量部に対して、カーボンブラック(商品名:MA−100、三菱化学社製)を5重量部、離型剤(商品名:フィッシャートロプシュワックス、日本精蝋株式会社製、融点95℃)を4重量部を計量し、ヘンシェルミキサ(商品名:FM20C、日本コークス工業株式会社製)に投入し、撹拌羽根の先端部の周速が40m/秒の速度で、5分間撹拌混合した後、2軸押出機(商品名:PCM−30、株式会社池貝製)により溶融混練して溶融混練物を得た。この溶融混練物を冷却ベルトにて冷却後、2mmのスクリーンを有するスピードミルで粗粉砕し、カウンタージェットミルAFG(商品名、ホソカワミクロン社製)とロータリー式分級機TSPセパレータ(商品名、ホソカワミクロン社製)とを用いて、微粉砕及び分級することによって、体積平均粒径が6.7μm、ガラス転移点が51℃、軟化点が120℃のコアトナー粒子C−1を得た(表2参照)。
攪拌加熱装置、温度計、窒素導入管、及び冷却管を備えた反応容器に、脱イオン水168重量部を仕込み、摂氏80度に昇温する。これに脱イオン水252重量部、スチレン65重量部、n−ブチルアクリレート27重量部及びアクリル酸8重量部からなるモノマー混合液(プレエマルション)と、ペルオキソ二硫酸アンモニウム1重量部、n−ドデシルメルカプタン0.2重量部及び脱イオン水62重量部からなる開始剤水溶液56重量部とを同時に110分かけて滴下し、さらに60分間撹拌した後、反応を終了させることで、ガラス転移点が80℃、軟化点が145℃、重量平均分子量(Mw)が310000、粒子径が0.143μmのほぼ単分散の樹脂微粒子S−1のエマルジョン(固形分30重量%)を得た。
ヘンシェルミキサ真空乾燥システム(商品名:FM20C、日本コークス工業株式会社製)の中に、コアトナー粒子C−1を100重量部と、樹脂微粒子S−1を7重量部投入(エマルジョンの状態で、コア粒子100重量部に対して23重量部投入)し、撹拌羽根の先端部の周速が15m/秒の速度で撹拌混合を開始すると同時に、ミキサ槽内を真空度0.01MPaまで減圧した。減圧下において10分間撹拌混合することによって、コア粒子C-1表面に樹脂微粒子S-1を均一に付着させた複合粒子を得た。複合粒子の水分含有率は0.1重量%であった。
図3に示す装置に準ずるハイブリダイゼーションシステム(商品名:NHS−3型、株式会社奈良機械製作所製)の中に、複合粒子を投入し、回転撹拌手段の最外周における周速度を50m/sに設定して10分間撹拌混合することによって、コアトナー粒子C−1の表面に樹脂微粒子S−1を膜化させ、カプセルトナーを得た。
カプセル粒子形成工程P4で得られたカプセルトナーを100重量部と、外添剤として1次粒子の平均粒径が12nmの疎水性シリカ微粒子を2重量部を、ヘンシェルミキサ(商品名:FM20C、日本コークス工業株式会社製)に投入し、回転軸部材の周速度を30m/secとして3分間撹拌混合し、実施例1のカプセルトナーT−1を得た(表4参照)。
樹脂微粒子の種類、並びに添加量を表4に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例2〜11のカプセルトナーT−2〜T−11を得た。
樹脂微粒子の種類、並びに添加量を表5に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして比較例1〜10のカプセルトナーT−17〜T−26を得た。
得られた実施例1〜16及び比較例1〜16のカプセルトナーについて、以下の評価を行った。
ハイブリダイゼーションシステム(商品名:NHS−3型、株式会社奈良機械製作所製)によるカプセル粒子形成工程P4において、機内電流値の値を複合粒子の粉体流動性の指標とした。本実施の形態におけるカプセル粒子形成工程P4では、複合粒子の投入後1〜2分程度で、電流値のピーク値を迎えた後、電流値の数値が徐々に低下し、飽和値を迎える。カプセル粒子形成工程P4での粉体流動性は、以下の基準で評価した。
○:ピーク値が70A以上。飽和値が50A以上。
△:ピーク値が60A以上、70A未満。飽和値が40A以上、50A未満。
×:ピーク値が60A未満、又は、飽和値が40A未満。
カプセルトナー粒子を常温硬化性のエポキシ樹脂に包埋した硬化物を、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い、複数個所切断して超薄片化(約200nm)し、ルテニウム染色した。この切片を、透過型電子顕微鏡(商品名:H−8100、株式会社日立製作所製)によって、50000倍に拡大し、トナー粒子の断面を撮影した。被覆面は染色されて膜状態がはっきりわかり、コアトナー粒子と区別できるため、画像解析ソフトを用いて、トナー母粒子を被覆している被覆層の膜厚を計測した。被膜層の均一性の評価基準は、以下のとおりである。
○:被覆層の有さが30nm未満。コアトナーを均一に被覆している。
△:被覆層の厚さが30nm以上。被覆層の厚みは不均一。
×:被覆層の厚みは不均一であり、コアトナー粒子が露出している。
[水分含有率]
コアトナー粒子と樹脂微粒子の複合粒子の水分含有率には、赤外線水分計(商品名:FD−720、株式会社ケット科学研究所製)を用いた。測定試料10gを、試料皿にセットし、乾燥温度120℃において、30秒間の水分変化量が0.05%以下になった時点の水分率を測定した。
カプセルトナーの円形度は、例えばフロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(マルバーン社製)を用いて測定できるが、測定原理が同じであれば特に限定はしない。この装置の測定原理は、分散媒中の粒子をCCDカメラにて静止画像を撮像し、その画像から円形度計算等の計算を行うものである。チャンバーから投入された試料は、フラットシースフローセルに送られてシース液に挟まれて扁平な流れを形成する。セル内を通過する試料にストロボ光を照射しながら静止画像をCCDカメラで撮影する。撮像画像の画像処理により各粒子の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積Sや周囲長L等が計測される。これから円相当径と円形度が計算される。
シース液には、パーティクルシース「PSE−900A」(マルバーン社製)を、分散剤としては、市販の家庭用洗剤5質量%水分散液を、分散器としては、該装置のオートサンプラー装置を用いて、試料を分散させ、これを上記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントで10000個のカプセルトナーを計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、全粒径範囲として、カプセルトナーの平均円形度を求める。
○:平均円形度0.950以上、0.975未満。
×:平均円形度0.950未満、又は0.975以上。
残存シェルの個数割合には、円形度測定と同じく、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(マルバーン社製)を用いた。
○:残存シェルの個数割合が5.0%未満。
△:残存シェルの個数割合が5.0%以上、15.0%未満。
×:残存シェルの個数割合が15.0%以上。
直径100μmのキャリア25gとカプセルトナー5gとを20ccガラス製スクリュー管に取り、周波数35Hzにてシェイカーで30分混合した。その後、デベロッパー(キャリアとトナーの混合物)を洗浄ろ過しキャリアだけを除去した。キャリアを除去したろ液の粒度分布測定(「FPIA−3000」(マルバーン社製))を行い、初期のトナー粒子径との差異を確認した。
○:微粒子の増加率が5.0%未満。
△:微粒子の増加率が5.0%以上、8.0%未満。
×:微粒子の増加率が8.0%以上。
上記2成分現像剤を、2成分現像装置を有する市販複写機(商品名:MX−5111FN、シャープ株式会社製)の現像ユニットに充填し、A4判の記録用紙上に、印字率が5%の原稿を1万枚連続印字し、クリーニング不良による画像欠陥の有無を確認した。
○:クリーニング不良なし。
×:クリーニング不良発生。
上記2成分現像剤を、前述した市販複写機の現像ユニットに充填し、記録媒体(商品名:PPC用紙SF−4AM3、シャープ株式会社製)上に、縦20mm、横50mmの長方形のべた画像を含むサンプル画像を、未定着画像として作製した。この際、ベタ画像部のトナーの付着量を0.5mg/cm2として調整した。次に、複合機の定着部を利用した外部定着器を用いて、定着画像を作成した。定着プロセス速度は250mm/secとして、定着ベルトの温度を150℃〜220℃まで10℃刻みで上げ、低温オフセットも高温オフセットも起こらない温度域を測定し、その温度域を非オフセット域とした。高温オフセット及び低温オフセットとは、定着時に、トナーが記録用紙に定着せず、定着ベルトに付着したまま定着ベルトが一周した後に記録用紙にトナーが再付着することである。
定着非オフセット域、及び定着率の結果より、定着性を下記の基準で評価した。
○:150℃〜220℃の画像サンプル上に、オフセットなし。定着率70%以上。
△:150℃〜220℃の画像サンプル上に、オフセットなし。定着率70%未満。
×:150℃〜220℃の画像サンプル上に、オフセット発生。
容量250mLのポリ容器にカプセルトナー100gを密閉し、これを温度60℃の条件下に48時間保持した後、カプセルトナーを取出し、#100メッシュ(呼び寸法150μm)の篩に掛ける。篩上に残存したカプセルトナーの重量(メッシュUP量)を測定し、予め測定しておいたカプセルトナー全重量に対する割合として残存量(重量割合)を求め、下記の基準により保存安定性を評価する。得られた数値が低いほど、カプセルトナーがブロッキングを起こさず、保存安定性が良好であることを示す。保存安定性の評価基準は以下の通りである。
○:残存量0%以上1.0%未満。
△:残存量1.0%以上3.0%未満。
×:残存量3.0%以上。
上記2成分現像剤を、前述した市販複写機の現像ユニットに充填し、A4判の記録用紙上に、印字率が25%の原稿を1000枚連続印字し、次いで、黒ベタ画像を1枚出力した。このサイクルを繰り返し、印字率が25%の原稿を、通算で10万枚連続印字し、黒ベタ画像の画質を確認した。
○:現像ローラーの表面に光沢あり。10万枚の耐刷において画像不良なし。
△:現像ローラーの表面に光沢なし。10万枚の耐刷において画像不良なし。
×:現像ローラーの表面に光沢なし。10万枚の耐刷で画像不良が発生した。
クリーニング性、定着性、保存安定性、現像槽内での耐ストレス性の評価に基づき、本実施の形態のカプセルトナーの総合評価を行った。評価基準は以下の通りである。
○:いずれの評価も○であり、良好。
△:いずれかの評価が△であるが、×はない。
×:いずれかの評価が×である。
本実施の形態に係るカプセルトナー100(静電潜像現像用トナー)は、粉砕法で製造されたコアトナー粒子101を含有し、コアトナー粒子101の表面に、コアトナー粒子101を被覆する被覆層102(シェル層)を含む。被覆層102を形成する樹脂微粒子は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC:Gel Permeation Chromatography)で測定される重量平均分子量(以下単に分子量という。)の数値がMw=100×1000〜450×1000の範囲である。
101 コアトナー粒子
102 被覆層(シェル層)
201 カプセルトナーの製造装置
202 粉体流路
203 回転撹拌手段(回転撹拌部)
203a 回転撹拌手段の部分
205 貫通孔
206 粉体投入部
207 粉体回収部
208 撹拌部
208a 撹拌部の軸線方向一方側の面
208b 側面
208c 撹拌部の軸線方向他方側の面
209 粉体流過部
210 開口部
211 開口部
212 回転軸部材
213 回転盤
214 撹拌羽根
P1 コアトナー粒子作製工程
P2 樹脂微粒子調製工程
P3 複合粒子形成工程
P4 カプセル粒子形成工程
P5 外添工程
Claims (10)
- コアトナー粒子と、前記コアトナー粒子を被覆する被覆層とを有するカプセルトナーであって、
前記被覆層を形成する樹脂微粒子は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC:Gel Permeation Chromatography)で測定される重量平均分子量の数値が、Mw=100×1000〜450×1000の範囲であることを特徴とするカプセルトナー。 - 前記被覆層を形成する樹脂微粒子のガラス転移点(Tg)が60℃〜110℃、軟化点(Tm)が110℃〜170℃の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のカプセルトナー。
- 前記被覆層を形成する樹脂微粒子の体積平均粒径が0.10μm〜0.20μmの範囲であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカプセルトナー。
- 前記被覆層を形成する樹脂微粒子の添加量が、コアトナー粒子100重量部に対して、5重量部〜15重量部の範囲であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載のカプセルトナー。
- 前記コアトナー粒子のガラス転移点(Tg)が40℃〜60℃、軟化点(Tm)が110℃〜140℃の範囲であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1つに記載のカプセルトナー。
- 前記コアトナー粒子は、離型剤を含み、
前記コアトナー粒子における離型剤の含有量が、該コアトナー粒子の主樹脂100重量部に対して、2.0重量部〜6.0重量部の範囲であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1つに記載のカプセルトナー。 - 少なくともシリカを含む1種以上の無機粒子からなる外添剤によって、外添されていることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1つに記載のカプセルトナー。
- 請求項1から請求項7までのいずれか1つに記載のカプセルトナーとキャリアとを含むことを特徴とする2成分現像剤。
- 請求項8に記載の2成分現像剤を用いることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1から請求項7までのいずれか1つに記載のカプセルトナーの製造方法であって、前記コアトナー粒子と、前記被覆層を形成する樹脂微粒子のエマルジョンを、減圧状態下で混合乾燥させることで得られる複合粒子に対して、環状の流路を循環する流速30m/s以上の気流中に分散させ、前記流路の途中に設けられた回転撹拌部の機械的処理によって前記カプセルトナーを得ることを特徴とするカプセルトナーの製造方法。
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