以下、図面を参照して、本発明による各実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンを説明する。尚、本願明細書中、図1に示すプリーツスクリーンの正面図に対して、図示上方及び図示下方をスクリーンの吊り下げ方向に準じてそれぞれ上方向(又は上側)及び下方向(又は下側)と定義し、図示左方向をプリーツスクリーンの左側、及び、図示右方向をプリーツスクリーンの右側と定義して説明する。また、図1の正面図を視認する側を前側(室内側)とし、その反対側を後側(室外側)とする。
〔第1実施形態〕
(全体構成)
図1は、本発明による第1実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンの概略構成を示す正面図である。図2は、本発明による第1実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンの概略構成を示す側面図である。また、図3は、本発明による第1実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンの概略構成を示す平面図である。
第1実施形態のプリーツスクリーンは、上下方向にジグザグ状に折り曲げ可能としたスクリーン11の上縁部をヘッドボックス1から吊下支持し、そのスクリーン11を操作装置3により昇降操作して採光量を適宜に調節するものである。ヘッドボックス1は、ブラケット2を介して取付面に固定される。
第1実施形態のプリーツスクリーンにおいて、スクリーン11の下縁部にボトムレール12が取着されている。
スクリーン11の幅方向両側には、図2に示すように複数の昇降コード18が挿通され、各昇降コード18の下端部はボトムレール12に取着されている。
各昇降コード18の上端部は、図1及び図3に示すようにヘッドボックス1内で支持部材に回転可能に支持されるそれぞれの巻取軸5に巻着されている。
本実施形態のプリーツスクリーンでは、図1に示すように、六角棒状の第1の駆動軸7aと、六角棒状の第2の駆動軸7bが設けられている。
各巻取軸5には、第2の駆動軸7bが相対回転不能に挿通されている。そして、第2の駆動軸7bが昇降コード18の巻き取り方向に回転されると、各巻取軸5に昇降コード18が巻き取られるようになっている。
ヘッドボックス1の一方の端部には、第2の駆動軸7bを回転駆動するための操作装置3が取着されている。操作装置3の詳細な構成については後述するが、操作装置3の基端側にはケース31内の操作プーリー13が回転可能に支持され、その操作プーリー13には両端部を有する操作コード(例えば、ボールチェーン)14が掛装されて前後に下方へ垂下されている。そして、操作コード14の操作により操作プーリー13を回転駆動可能となっている。
操作コード14の一端には第1のグリップ16aが取着され、操作コード14の他端には第2のグリップ16bが取着されている。そして、操作プーリー13の前側から垂下する操作コード14上にはその引き操作範囲を制限する第1の制限部材15aが設けられ、操作プーリー13の後側から垂下する操作コード14上にはその引き操作範囲を制限する第2の制限部材15bが設けられている。
第2の駆動軸7bは、ヘッドボックス1内のストッパー装置8に挿通されている。このストッパー装置8は、ボトムレール12の引き上げ操作の後に操作コード14を手放したとき、ボトムレール12の自重降下を防止する公知の作用をなす。ストッパー装置8の側方にガバナー装置9が配置されている。ガバナー装置9は、ボトムレール12を自重降下させる際に、その降下速度を一定以下に維持するよう制動する装置である。
ヘッドボックス1の他方の端部には、巻取軸5における昇降コード18の最大巻戻し量を設定して、ボトムレール12の下限位置を設定する下限リミット装置10が配設されている。
スクリーン11には、折り目11aを設けた生地の上下両端縁に接合片11bがそれぞれ設けられ、その接合片11bは溶着等の手段により形成されている。
そして、スクリーン11の当該接合片11bに設けられた孔部を経て、ヘッドボックス1から垂下される昇降コード18が挿通され、昇降コード18の下端はボトムレール12に取着される。
図2に示すように、昇降コード18の挿通位置において、スクリーン11の背面側にはピッチ保持コード17が配設されている。このピッチ保持コード17は、スクリーン11の折り目のピッチを一定にするように動作する。このピッチ保持コード17に等間隔に多数設けられた環状の支持コード17aには、昇降コード18が挿通されている。そして、ボトムレール12を下降させてスクリーン11を引き伸ばすとき、接合片11bが支持コード17aに支持されて、スクリーン11の折り目がほぼ等間隔に保持されるようになっている。
ところで、本実施形態のプリーツスクリーンでは、1枚のスクリーン11を昇降させるために、従来であれば1本の駆動軸で構成されるところ、図1に示すように、第1の駆動軸7aと第2の駆動軸7bが設けられている。そして、図4を参照して詳述するが、操作装置3には、操作プーリー13の回転方向に応じて、操作プーリー13の回転を第1の駆動軸7aと第2の駆動軸7bのいずれか一方にのみ伝達する2軸のクラッチ機構4が設けられている。
また、第1の駆動軸7aと第2の駆動軸7bには、互いに逆方向に連動回転させるための中間ギヤ6a,6bが設けられている。この中間ギヤ6a,6bは、操作プーリー13の回転軸を入力源とすると、操作装置3における2軸のクラッチ機構4と協働して、操作プーリー13の双方向回転を、一方向の回転に変換して第2の駆動軸7bへ回転伝達する、2軸クラッチ用の遮蔽材駆動装置6として機能する。
従って、本実施形態では、中間ギヤ6a,6bの入力側となる第1及び第2の駆動軸7a,7bを入力軸とし、この入力軸の回転を基に、中間ギヤ6a,6bの出力側となる第1及び第2の駆動軸7a,7bを出力軸とした遮蔽材駆動装置6として構成される。
以下、図4を参照して、操作装置3におけるクラッチ機構4と、このクラッチ機構と協働して動作する、中間ギヤ6a,6bからなる遮蔽材駆動装置6について順に説明する。
(操作装置)
図4に示すように、操作装置3のケース31内の基端側に操作プーリー13が回転可能に支持され、その操作プーリー13には両端部を有する操作コード14が掛装されて下方へ垂下されている。そして、操作コード14の操作により操作プーリー13を回転駆動可能となっている。
操作プーリー13には歯車13aが一体に形成され、その歯車13aにケース31に回転可能に支持された伝達歯車32が噛み合わされている。従って、操作プーリー13が回転されると、伝達歯車32が回転される。
クラッチ機構4は、一対の第1及び第2のクラッチ歯車40a,40bと、第1及び第2の伝達クラッチ41a,41bとを備える。
伝達歯車32には、この伝達歯車32の径方向両側においてケース31に回転可能に支持された一対の第1及び第2のクラッチ歯車40a,40bが噛み合わされている。そして、伝達歯車32が回転されると、第1及び第2のクラッチ歯車40a,40bが同方向に回転される。
ケース31の先端側には、同一構成の第1及び第2の伝達クラッチ41a,41bが収容され、その第1及び第2の伝達クラッチ41a,41bの入力軸42が第1及び第2のクラッチ歯車40a,40bの中心部に嵌着されている。従って、第1及び第2のクラッチ歯車40a,40bが回転されると、第1及び第2の伝達クラッチ41a,41bの入力軸42が同方向に回転されるようになっている。
第1及び第2の伝達クラッチ41a,41bは、それぞれ入力軸42の一方向の回転のみを出力軸43に伝達するよう構成され、伝達する回転方向は互いに逆方向である。そして、第1の伝達クラッチ41aの出力軸43に第1の駆動軸7aの端部が嵌着され、第2の伝達クラッチ41bの出力軸43に第2の駆動軸7bの端部が嵌着されている。
(遮蔽材駆動装置)
図4に示すように、本実施形態における遮蔽材駆動装置6は、第1の伝達クラッチ41aの出力軸43に嵌着される第1の駆動軸7aと一体に回転する中間ギヤ6aと、第2の伝達クラッチ41bの出力軸43に嵌着される第2の駆動軸7bと一体に回転する中間ギヤ6bからなる。
中間ギヤ6a,6bは互いに噛み合っており、第1の駆動軸7aと第2の駆動軸7bとを互いに逆方向に連動回転させる。
ただし、図4に示すように、操作プーリー13がA方向に回転するときには、第1の伝達クラッチ41aの出力軸43のみが当該A方向と同方向のA’方向に回転伝達され、第2の伝達クラッチ41bの出力軸43は空転して回転伝達されない。第1の駆動軸7aがA’方向に回転するときに、中間ギヤ6a,6bを介して第2の駆動軸7bが回転伝達される。
また、操作プーリー13がB方向に回転するときには、第2の伝達クラッチ41bの出力軸43のみが当該B方向と同方向のB’方向に回転伝達され、第1の伝達クラッチ41aの出力軸43は空転して回転伝達されない。
このため、操作プーリー13がA方向とB方向のいずれの方向に回転しても、第1及び第2の伝達クラッチ41a,41bの各出力軸43は回転矛盾が生じることなく図示するように一方向の回転(A’及びB’方向)となって、第2の駆動軸7bはB’方向と同方向のC方向に回転する。一方、第2の駆動軸7bからのD方向の回転は、第1及び第2の伝達クラッチ41a,41bの双方で空回りして、操作プーリー13へと回転伝達することはない。
このような構成により、図2に示すように、前側垂下される操作コード14に取着される第1のグリップ16aの引き操作を行う場合、及び、後側垂下される操作コード14に取着される第2のグリップ16bの引き操作を行う場合のいずれの操作においても、スクリーン11を上昇させることができ、第1及び第2のグリップ16a,16bのいずれの操作においてもストッパー装置8の作動解除でスクリーン11を自重下降させることができる。
即ち、図5(b)に示すように前側垂下される操作コード14に取着される第1のグリップ16aの引き操作を行うと、図5(a)に示すように第2の駆動軸7bが図示する方向に回転し、巻取軸5に昇降コード18が巻き取られ、ボトムレール12が引き上げられる。そして、ボトムレール12を所望高さまで引き上げた後、第1のグリップ16aを手放すと、ストッパー装置8の自重降下防止動作によりロックされ、ボトムレール12が所望高さに保持される。また、第1のグリップ16aの僅かな引き操作でストッパー装置8のロックを解除すると、第2の駆動軸7bが図示する方向とは逆方向に回転し、操作プーリー13に対しては空回りして回転伝達されずにボトムレール12が下限位置まで自重降下する。
同様に、図5(d)に示すように後側垂下される操作コード14に取着される第2のグリップ16bの引き操作を行うと、図5(c)に示すように第1の駆動軸7aが図示する方向に回転し、巻取軸5に昇降コード18が巻き取られ、ボトムレール12が引き上げられる。そして、ボトムレール12を所望高さまで引き上げた後、第2のグリップ16bを手放すと、ストッパー装置8の自重降下防止動作によりロックされ、ボトムレール12が所望高さに保持される。また、第2のグリップ16bの僅かな引き操作でストッパー装置8のロックを解除すると、第2の駆動軸7bが図示する方向とは逆方向に回転し、操作プーリー13に対しては空回りして回転伝達されずにボトムレール12が下限位置まで自重降下する。
従って、本実施形態のプリーツスクリーンによれば、前後に2本垂下されるいずれの操作コード14を操作しても同じ昇降操作となるため、一見して操作が理解でき操作性を改善する。また、本実施形態のプリーツスクリーンによれば、操作コード14を無端状に構成していないため、より一層安全性を高めることができる。
特に、本実施形態のプリーツスクリーンによれば、操作装置3の構成として、以下に説明する中間レール20を備えるプリーツスクリーンにおける操作装置3と共通化することができ、専用化される部品としては遮蔽材駆動装置6を構成する中間ギヤ6a,6bのみであるから、低コスト化に寄与するものとなる。
〔第2実施形態〕
(全体構成)
図6は、本発明による第2実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンの概略構成を示す正面図である。図7は、本発明による第2実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンの概略構成を示す側面図である。また、図8は、本発明による第2実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンの概略構成を示す平面図である。尚、第1実施形態のプリーツスクリーンと同様な構成要素には同一の参照番号を付している。
図6〜図8に示すプリーツスクリーンは、ヘッドボックス1から上部スクリーン11Uが吊下支持され、上部スクリーン11Uの下端に中間レール20が取着されている。また、中間レール20から下部スクリーン11Lが吊下支持され、下部スクリーン11Lの下端にボトムレール12が取着されている。
上部スクリーン11Uは、例えばレース生地等の半透過性の生地をジグザグ状に折り畳み可能としたものであり、下部スクリーン11Lは例えば遮光性を備えた生地をジグザグ状に折り畳み可能としたものである。
上部スクリーン11U及び下部スクリーン11Lには、折り目11aを設けた生地の上下両端縁に接合片11bがそれぞれ設けられ、その接合片11bは溶着等の手段により形成されている。
上部スクリーン11Uの幅方向両側には、当該接合片11bに設けられた孔部を経て、ヘッドボックス1から垂下される第1及び第2の昇降コード18,19が挿通され、第2の昇降コード19の下端は中間レール20に取着されている。第1の昇降コード18は、中間レール20を貫通し、さらに下部スクリーン11Lに挿通され、第1の昇降コード18の下端がボトムレール12に取着されている。
図7に示すように、第1及び第2の昇降コード18,19の挿通位置において、上部スクリーン11U及び下部スクリーン11Lの背面側には、ヘッドボックス1及び中間レール20間と、中間レール20及びボトムレール12間に、それぞれピッチ保持コード17が配設されている。各ピッチ保持コード17は、上部スクリーン11U及び下部スクリーン11Lの折り目のピッチを一定にするように動作する。上部スクリーン11Uの背面側のピッチ保持コード17にて等間隔に多数設けられた環状の支持コード17aには、第1及び第2の昇降コード18,19が挿通されている。また、下部スクリーン11Lの背面側のピッチ保持コード17にて等間隔に多数設けられた環状の支持コード17bには、第1の昇降コード18が挿通されている。
そして、中間レール20を下降させて上部スクリーン11Uを引き伸ばすとき、上部スクリーン11Uの接合片11bが支持コード17aに支持されて、上部スクリーン11Uの折り目がほぼ等間隔に保持されるようになっている。また、ボトムレール12を下降させて下部スクリーン11Lを引き伸ばすとき、当該接合片11bが支持コード17bに支持されて、下部スクリーン11Lの折り目がほぼ等間隔に保持されるようになっている。
第1及び第2の昇降コード18,19の上端部は、ヘッドボックス1内で支持部材に回転可能に支持される第1及び第2の巻取軸5F,5Rにそれぞれ巻着されている。即ち、図8に示すように、第1及び第2の巻取軸5F,5Rはヘッドボックス1内において第1及び第2の昇降コード18,19の上方位置で水平方向に並列する状態で支持部材に回転可能に支持されている。
そして、第1の昇降コード18の上端部が第1の巻取軸5Fに巻着され、第2の昇降コード19の上端部が第2の巻取軸5Rに巻着され、第1及び第2の昇降コード18,19は、第1及び第2の巻取軸5F,5Rに対し互いに逆方向に巻着されている。また、第1及び第2の昇降コード18,19は、第1及び第2の巻取軸5F,5Rの回転に基づいて、螺旋状に巻き取られ、あるいは巻戻されるようになっている。
ヘッドボックス1の一方の端部には、図4に示される第1実施形態と同一構造の操作装置3が取着されている。操作装置3の基端側にはケース31内の操作プーリー13が回転可能に支持され、その操作プーリー13には両端部を有する操作コード(例えば、ボールチェーン)14が掛装されて前後に下方へ垂下されている。そして、操作コード14の操作により操作プーリー13を回転駆動可能となっている。
操作コード14の一端には第1のグリップ16aが取着され、操作コード14の他端には第2のグリップ16bが取着されている。そして、操作プーリー13の前側から垂下する操作コード14上にはその引き操作範囲を制限する第1の制限部材15aが設けられ、操作プーリー13の後側から垂下する操作コード14上にはその引き操作範囲を制限する第2の制限部材15bが設けられている。
操作装置3には、操作プーリー13の回転方向に応じて、操作プーリー13の回転を第1の駆動軸7aと第2の駆動軸7bのいずれか一方にのみ伝達する2軸のクラッチ機構4が設けられている(図4参照)。
即ち、操作装置3内のクラッチ機構4における第1及び第2の伝達クラッチ41a,41bは、それぞれ入力軸42の一方向の回転のみを出力軸43に伝達するよう構成され、伝達する回転方向は互いに逆方向である。そして、第1の伝達クラッチ41aの出力軸43に第1の駆動軸7aの端部が嵌着され、第2の伝達クラッチ41bの出力軸43に第2の駆動軸7bの端部が嵌着されている。
第1の巻取軸5Fには六角棒状の第3の駆動軸7Fが相対回転不能に挿通され、第2の巻取軸5Rには同じく六角棒状の第4の駆動軸7Rが相対回転不能に挿通されている。そして、第3の駆動軸7Fが第1の昇降コード18の巻き取り方向に回転されると、第1の巻取軸5Fに第1の昇降コード18が巻き取られ、第4の駆動軸7Rが第2の昇降コード19の巻き取り方向に回転されると、第2の巻取軸5Rに第2の昇降コード19が巻き取られるようになっている。
第3及び第4の駆動軸7F,7Rは、ヘッドボックス1内のストッパー装置8F,8Rにそれぞれ挿通されている。ストッパー装置8Fは、ボトムレール12の引き上げ操作の後に操作コード14を手放したとき、ボトムレール12の自重降下を防止する公知の作用をなす。ストッパー装置8Rは、中間レール20の引き上げ操作の後に操作コード14を手放したとき、中間レール20の自重降下を防止する公知の作用をなす。ストッパー装置8F,8Rの側方にガバナー装置9F,9Rが配置されている。各ガバナー装置9F,9Rは、それぞれボトムレール12及び中間レール20を自重降下させる際に、その降下速度を一定以下に維持するよう制動する装置である。
ヘッドボックス1の他方の端部には、第1の巻取軸5Fにおける昇降コード18の最大巻戻し量を設定してボトムレール12の下限位置を設定する下限リミット装置10Fが配設され、更に、第2の巻取軸5Rにおける昇降コード19の最大巻戻し量を設定して中間レール20の下限位置を設定する下限リミット装置10Rが配設されている。ただし、下限リミット装置10F,10Rは必ずしも設けずともよい。
ところで、本実施形態のプリーツスクリーンでは、図6及び図8に示すように、操作装置3と、右方の第1及び第2の巻取軸5F,5Rとの間に、操作装置3における2軸のクラッチ機構4と協働して、操作プーリー13の双方向回転を、一方向の回転に変換して第3及び第4の駆動軸7F,7Rへ切り替え可能に回転伝達する、2軸クラッチ用の遮蔽材駆動装置60と、第3及び第4の駆動軸7F,7Rへの回転伝達を切り替え可能とする切替コード22用のストッパー装置21とが配設されている。
遮蔽材駆動装置60は、図8に示すように、第1及び第2の駆動軸7a,7bを入力側に、第3及び第4の駆動軸7F,7Rを出力側に接続している。遮蔽材駆動装置60は、詳細は後述するが、主要な構成要素として、第1及び第2の駆動軸7a,7bに対しそれぞれ一体となって回転し互いに連動回転する一対の中間ギヤ66a,66bと、中間ギヤ66a,66bのそれぞれ一方向の回転のみを第3及び第4の駆動軸7F,7Rのいずれか一方に伝達可能とする第3及び第4の伝達クラッチ63,64と、第3及び第4の伝達クラッチ63,64の接続切り替えを行う切替ユニット65とを備える。
本実施形態では、切替ユニット65に切替コード22の一端が取着され、切替コード22の他端は、ストッパー装置21を介した後、図6に示すようにヘッドボックス1の下面開口部1aから外部に導出されて垂下し、切替グリップ23に取着される。
そして、図8に示すように、切替コード22や切替グリップ23の引き操作で、ストッパー装置21を介して切替ユニット65を相対移動させることで、第3及び第4の伝達クラッチ63,64の接続切り替えを可能とするために、切替コード22の引き操作方向とは逆方向に常に切替ユニット65を遮蔽材駆動装置60内で左方へ相対移動させるよう付勢する圧縮バネ67が、遮蔽材駆動装置60内に設けられている。
以下、より具体的に、遮蔽材駆動装置60の構成及び動作について、図9〜図13を参照して説明する。
(遮蔽材駆動装置)
図9(a)は、それぞれ本発明による第2実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンの遮蔽材駆動装置60の概略構成を示す斜視図であり、図9(b)には、遮蔽材駆動装置60の上ケース61を取り外した時の斜視図を示している。また、図10には、上ケース61を取り外した時の遮蔽材駆動装置60の概略構成を示す分解斜視図を示している。
遮蔽材駆動装置60は、図9に示すように、上ケース61及び下ケース62によって、第3及び第4の伝達クラッチ63,64、切替ユニット65、一対の中間ギヤ66a,66bが収容されている。中間ギヤ66a,66bは、それぞれ第1及び第2の駆動軸7a,7bの各々を嵌着する入力軸601,602が設けられている。一方、第3及び第4の伝達クラッチ63,64は、それぞれ第3及び第4の駆動軸7F,7Rの各々を嵌着する出力軸603,604が設けられている。切替ユニット65は、中間ギヤ66a,66bのそれぞれ一方向の回転のみを第3及び第4の駆動軸7F,7Rのいずれか一方に伝達可能とするために、軸方向のスライド移動(図示する両矢印方向)によって、第3及び第4の伝達クラッチ41a,41bの接続切り替えを可能としている。切替ユニット65の頂部中央にはスライド片651が設けられ、このスライド片651が上ケース61に設けられた案内孔61aに貫通されて、当該切替ユニット65の軸方向のスライド移動が安定して行われる。
図10に示すように、第3の伝達クラッチ63は、出力軸部材631、クラッチ歯車632,633、及びクラッチバネ634からなる。
出力軸部材631に、第3の駆動軸7Fを嵌着する出力軸603が設けられている。出力軸部材631は、先端側に環状溝6311が形成され、下ケース62の軸受部620a(図示を省略するが上ケース61も同様)にて相対回転可能に係合載置される。出力軸部材631の基端側に突出する六角軸部6312は、クラッチバネ634が装着された状態で、クラッチ歯車633の六角孔6332に相対回転不能に挿通され、この六角軸部6312の端部に形成される一対の爪部6313によってクラッチ歯車633に係止される。
クラッチバネ634は圧縮バネで構成されるため、クラッチ歯車633は一対の爪部6313によって係止される範囲内で出力軸部材631から離間する方向に常に付勢されている。クラッチ歯車633の周面6331は、切替ユニット65における円孔部653aに相対回転可能、且つ軸方向に相対移動可能に係合載置される。換言すると、切替ユニット65は、クラッチ歯車633の周面6331が円孔部653aに係合載置された範囲内で軸方向にスライド移動可能となっている。
クラッチ歯車632は、基端側に環状溝6321が形成され、切替ユニット65の円孔部653aの軸方向に形成される略半環状の突起部654aに相対回転可能であるが、軸方向に相対移動不能に係合載置される。換言すると、クラッチ歯車632は、切替ユニット65の軸方向のスライド移動に一体となって移動する。
このため、切替ユニット65の軸方向のスライド移動に依存して、クラッチ歯車633の基端面に形成されている凹凸部6333と、クラッチ歯車632の先端面に形成されている凹凸部6323とが噛合する状態と噛合しない状態が形成される。即ち、切替ユニット65が出力軸部材631に近づく方向に相対的にスライド移動するときは、クラッチバネ634の作用でクラッチ歯車633とクラッチ歯車632とがスムーズに噛合し、クラッチ歯車632の回転が出力軸部材631へと同方向に回転伝達する。一方、切替ユニット65が出力軸部材631からに遠ざかる方向に相対的にスライド移動するときは、クラッチ歯車633とクラッチ歯車632とが噛合が切り離されるため、クラッチ歯車632の回転が出力軸部材631へ回転伝達しない。
クラッチ歯車632には六角孔6322が形成され、この六角孔6322に中間ギヤ66aの軸中心の丸軸部661から先端側に突出する六角軸部662が嵌合挿入される。このため、中間ギヤ66aが回転するとクラッチ歯車632も一体となって回転する。
一方、第4の伝達クラッチ64は、出力軸部材641、クラッチ歯車642,643、及びクラッチバネ644からなる。
出力軸部材641に、第4の駆動軸7Rを嵌着する出力軸604が設けられている。出力軸部材641は、先端側に環状溝6411が形成され、下ケース62の軸受部620b(図示を省略するが上ケース61も同様)にて相対回転可能に係合載置される。出力軸部材641の基端側に突出する六角軸部6412は、クラッチ歯車642の六角孔6422に相対回転不能に挿通される。
クラッチ歯車642は、基端側に環状溝6421が形成され、切替ユニット65の略半環状の突起部654bに相対回転可能であるが、軸方向に相対移動不能に係合載置される。換言すると、クラッチ歯車642は、切替ユニット65の軸方向のスライド移動に一体となって移動する。
クラッチ歯車643には六角孔6432が形成され、この六角孔6432に中間ギヤ66bの軸中心の丸軸部665から先端側に突出する六角軸部665が、クラッチバネ634が装着された状態で相対回転不能に挿通され、この六角軸部665の端部に形成される一対の爪部666によってクラッチ歯車643に係止される。このため、中間ギヤ66bが回転するとクラッチ歯車643も一体となって回転する。
クラッチバネ644は圧縮バネで構成されるため、クラッチ歯車643は一対の爪部666によって係止される範囲内で中間ギヤ66bから離間する方向に常に付勢されている。クラッチ歯車643の周面6431は、切替ユニット65における円孔部653bに相対回転可能、且つ軸方向に相対移動可能に係合載置される。換言すると、切替ユニット65は、クラッチ歯車643の周面6431が円孔部653bに係合載置された範囲内で軸方向にスライド移動可能となっている。
このため、切替ユニット65の軸方向のスライド移動に依存して、クラッチ歯車643の先端面に形成されている凹凸部6433と、クラッチ歯車642の基端面に形成されている凹凸部6423とが噛合する状態と噛合しない状態が形成される。即ち、切替ユニット65が中間ギヤ66bに近づく方向に相対的にスライド移動するときは、クラッチバネ644の作用でクラッチ歯車643とクラッチ歯車642とがスムーズに噛合し、クラッチ歯車643の回転が出力軸部材641へと同方向に回転伝達する。一方、切替ユニット65が中間ギヤ66bからに遠ざかる方向に相対的にスライド移動するときは、クラッチ歯車643とクラッチ歯車642とが噛合が切り離されるため、クラッチ歯車643の回転が出力軸部材641へ回転伝達しない。
尚、クラッチ歯車642,643は、それぞれクラッチ歯車632,633と同一形状とし、クラッチバネ644はクラッチバネ634と同一のバネ圧とすることができる。
切替ユニット65は、上述したように、そのスライド移動により第3及び第4の伝達クラッチ63,64の接続切り替えを可能なように組み合わされた状態で、下ケース62に収容される。また、中間ギヤ66a,66bは互いの歯部が噛み合った状態で、それぞれの六角軸部662,665が第3及び第4の伝達クラッチ63,64の入力側に係合した状態で、下ケース62に収容される。このとき、第3及び第4の伝達クラッチ63,64はそれぞれ下ケース62の収容部621a,621bに位置して、中間ギヤ66a,66bはそれぞれ下ケース62の収容部622a,622bに位置して載置される。
尚、中間ギヤ66a,66bのそれぞれ両面における軸中心には丸軸部661,665が形成されており、それぞれ下ケース62の軸受部623a,623b(図示を省略するが上ケース61も同様)にて相対回転可能に係合載置される。
切替ユニット65の頂部中央にはスライド片651が設けられ、このスライド片651が上ケース61に設けられた案内孔61aに貫通されて(図9参照)、当該切替ユニット65の軸方向のスライド移動が安定して行われる。また、切替ユニット65の底部中央には丸凹部655から下方に延びる二股状の脚部652が設けられ、この二股状の脚部652が下ケース62に設けられた案内片624を挟み込んで当該切替ユニット65の軸方向のスライド移動が安定して行われる。
図10に示すように、下ケース62の壁部には、図8に示す切替コード22を挿通するための挿通孔625,626が形成され、切替コード22の一端が切替ユニット65の丸凹部655に設けられる係止孔(図示せず)にて結び玉等により係止される。尚、下ケース62における挿通孔625,626は、四角孔と丸孔が組み合わさった横向きΦ状の孔が形成されているが、本実施形態のように切替コード22の挿通利用とする他に、後述する切替バーを挿通利用可能とするためである。
また、本実施形態では、切替コード22とストッパー装置21の利用によって、切替ユニット65のスライド移動を操作可能とするため、切替コード22の引き操作方向とは逆方向に常に切替ユニット65を遮蔽材駆動装置60内で出力軸603,604方向(図示左方)へ相対移動させるよう付勢する圧縮バネ67が、下ケース62の挿通孔625の部位に係着される。このため、挿通孔625は、四角孔と丸孔が組み合わさった横向きΦ状の孔が形成されているとともに、この丸孔より大径の丸凹状の部位が形成されている。
また、図10に示す下ケース62には、後述する第3実施形態で共通利用できるように、バネ支持部627、一対の軸受部628及び貫通孔629が形成されているが、本実施形態では一対の軸受部628及び貫通孔629は無くてもよい。
以上のように、操作装置3における2軸のクラッチ機構4と協働して、操作プーリー13の双方向回転を、一方向の回転に変換して第3及び第4の駆動軸7F,7Rへ切り替え可能に回転伝達する、2軸クラッチ用の遮蔽材駆動装置60が構成される。
ここで、図11を参照して、操作装置3及び遮蔽材駆動装置60の動作を説明する。
まず、操作装置3は、図4に示す第1実施形態と同様に、操作プーリー13がA方向に回転するときには、第1の伝達クラッチ41aの出力軸43のみが当該A方向と同方向のA’方向に回転伝達され、第2の伝達クラッチ41bの出力軸43は空転して回転伝達されない。
また、操作プーリー13がB方向に回転するときには、第2の伝達クラッチ41bの出力軸43のみが当該B方向と同方向のB’方向に回転伝達され、第1の伝達クラッチ41aの出力軸43は空転して回転伝達されない。
そして、遮蔽材駆動装置60には、その入力軸601を持つ中間ギヤ66aの第1の駆動軸7aが相対回転不能に嵌着され、入力軸602を持つ中間ギヤ66bに第2の駆動軸7bが相対回転不能に嵌着される。中間ギヤ66a,66bは互いに噛み合っており逆方向に連動回転する。
また、遮蔽材駆動装置60には、その出力軸603を持つ第3の伝達クラッチ63に、下部スクリーン11Lを昇降させるための第3の駆動軸7Fが相対回転不能に嵌着され、出力軸604を持つ第4の伝達クラッチ64に、上部スクリーン11Uを昇降させるための第4の駆動軸7Rが相対回転不能に嵌着される。
(上部スクリーンの昇降操作時)
図11(a)に示すように、上部スクリーン11Uを昇降操作するためには、切替コード22を引き出して(図示矢印方向)、ストッパー装置21の作動でロックする。このとき、切替コード22の一端を取着した切替ユニット65は、圧縮バネ67の付勢力に抗して遮蔽材駆動装置60内で右方(図示矢印方向)へ相対移動(スライド移動)する。
すると、遮蔽材駆動装置60内で、第3の伝達クラッチ63は、クラッチ歯車632,633(図10参照)が噛合されず切り離され、入力軸601の回転(即ち、第1の駆動軸7a)及び入力軸602の回転(即ち、第2の駆動軸7b)は、出力軸603に回転伝達されない(即ち、第3の駆動軸7Fに回転伝達されない)。
一方、遮蔽材駆動装置60内で、第4の伝達クラッチ64は、クラッチ歯車642,643(図10参照)が噛合されて連動し、入力軸601の回転(即ち、第1の駆動軸7a)及び入力軸602の回転(即ち、第2の駆動軸7b)が、出力軸604に回転伝達される(即ち、第4の駆動軸7Rに回転伝達される)。
このため、操作プーリー13がA方向とB方向のいずれの方向に回転しても、第1及び第2の伝達クラッチ41a,41bの各出力軸43は回転矛盾が生じることなく図示するように一方向の回転(A’及びB’方向)となって、第4の駆動軸7RはB’方向と同方向のC方向に回転する。一方、第4の駆動軸7RからのD方向の回転は、第1及び第2の伝達クラッチ41a,41bの双方で空回りして、操作プーリー13へと回転伝達することはない。
(下部スクリーンの昇降操作時)
図11(b)に示すように、下部スクリーン11Lを昇降操作するためには、切替コード22を僅かに引き出して(図示短矢印方向)、ストッパー装置21の作動(ロック)を解除する。このとき、切替コード22の一端を取着した切替ユニット65は、圧縮バネ67の付勢力により、遮蔽材駆動装置60内で左方(図示矢印方向)へ相対移動(スライド移動)するため、切替コード22も同方向に移動する(図示長矢印方向)。
すると、遮蔽材駆動装置60内で、第4の伝達クラッチ64は、クラッチ歯車642,643(図10参照)が噛合されず切り離され、入力軸601の回転(即ち、第1の駆動軸7a)及び入力軸602の回転(即ち、第2の駆動軸7b)は、出力軸604に回転伝達されない(即ち、第4の駆動軸7Rに回転伝達されない)。
一方、遮蔽材駆動装置60内で、第3の伝達クラッチ63は、クラッチ歯車632,633(図10参照)が噛合されて連動し、入力軸601の回転(即ち、第1の駆動軸7a)及び入力軸602の回転(即ち、第2の駆動軸7b)が、出力軸603に回転伝達される(即ち、第3の駆動軸7Fに回転伝達される)。
このため、操作プーリー13がA方向とB方向のいずれの方向に回転しても、第1及び第2の伝達クラッチ41a,41bの各出力軸43は回転矛盾が生じることなく図示するように一方向の回転(A’及びB’方向)となって、第3の駆動軸7FはA’方向と同方向のC方向に回転する。一方、第3の駆動軸7FからのD方向の回転は、第1及び第2の伝達クラッチ41a,41bの双方で空回りして、操作プーリー13へと回転伝達することはない。
このような構成により、上部スクリーン11Uを昇降操作するためには、図11(a)に示すように、切替コード22を引き出して遮蔽材駆動装置60内で切替ユニット65をスライド移動させ、ストッパー装置21の作動で切替コード22の移動をロックし、第4の伝達クラッチ64のみを回転伝達させるよう設定する。すると、図7に示すように、前側垂下される操作コード14に取着される第1のグリップ16aの引き操作を行う場合、及び、後側垂下される操作コード14に取着される第2のグリップ16bの引き操作を行う場合のいずれの操作においても、上部スクリーン11Uを上昇させることができ、第1及び第2のグリップ16a,16bのいずれの操作においてもストッパー装置8の作動解除で上部スクリーン11Uを自重下降させることができる。
即ち、上部スクリーン11Uを昇降操作するため、切替コード22を引き出して遮蔽材駆動装置60内で切替ユニット65を図示右方にスライド移動させ、ストッパー装置21の作動で切替コード22の移動をロックし、第4の伝達クラッチ64のみを回転伝達させるよう設定する。そして、図12(b)に示すように前側垂下される操作コード14に取着される第1のグリップ16aの引き操作を行うと、図12(a)に示すように第2の駆動軸7bが図示する方向に回転し、遮蔽材駆動装置60を介して第4の駆動軸7Rへと回転伝達され、第2の巻取軸5Rに昇降コード19が巻き取られ、中間レール20が引き上げられる。そして、中間レール20を所望高さまで引き上げた後、第1のグリップ16aを手放すと、ストッパー装置8Rの自重降下防止動作によりロックされ、中間レール20が所望高さに保持される。また、第1のグリップ16aの僅かな引き操作でストッパー装置8Rのロックを解除すると、第4の駆動軸7R及び第2の駆動軸7bが図示する方向とは逆方向に回転し、操作プーリー13に対しては空回りして回転伝達されずに中間レール20が下限位置まで自重降下する。
同様に、遮蔽材駆動装置60における第4の伝達クラッチ64のみを回転伝達させるよう設定した状態では、図12(d)に示すように後側垂下される操作コード14に取着される第2のグリップ16bの引き操作を行うと、図12(c)に示すように第1の駆動軸7aが図示する方向に回転し、遮蔽材駆動装置60を介して第4の駆動軸7Rへと回転伝達され、第4の巻取軸5Rに昇降コード19が巻き取られ、中間レール20が引き上げられる。そして、中間レール20を所望高さまで引き上げた後、第2のグリップ16bを手放すと、ストッパー装置8Rの自重降下防止動作によりロックされ、中間レール20が所望高さに保持される。また、第2のグリップ16bの僅かな引き操作でストッパー装置8Rのロックを解除すると、第4の駆動軸7R及び第2の駆動軸7bが図示する方向とは逆方向に回転し、中間レール20が下限位置まで自重降下する。
一方、下部スクリーン11Lを昇降操作するため、切替コード22を僅かに引き出してストッパー装置21の作動を解除し切替コード22の移動を許容してロック遮蔽材駆動装置60内で切替ユニット65を図示左方にスライド移動させ、第3の伝達クラッチ63のみを回転伝達させるよう設定する。そして、図13(b)に示すように前側垂下される操作コード14に取着される第1のグリップ16aの引き操作を行うと、図13(a)に示すように第2の駆動軸7bが図示する方向に回転し、遮蔽材駆動装置60を介して第3の駆動軸7Fへと回転伝達され、第1の巻取軸5Fに昇降コード18が巻き取られ、ボトムレール12が引き上げられる。そして、ボトムレール12を所望高さまで引き上げた後、第1のグリップ16aを手放すと、ストッパー装置8Fの自重降下防止動作によりロックされ、ボトムレール12が所望高さに保持される。また、第1のグリップ16aの僅かな引き操作でストッパー装置8Fのロックを解除すると、第3の駆動軸7F及び第2の駆動軸7bが図示する方向とは逆方向に回転し、操作プーリー13に対しては空回りして回転伝達されずにボトムレール12が下限位置まで自重降下する。
同様に、遮蔽材駆動装置60における第3の伝達クラッチ63のみを回転伝達させるよう設定した状態では、図13(d)に示すように後側垂下される操作コード14に取着される第2のグリップ16bの引き操作を行うと、図13(c)に示すように第1の駆動軸7aが図示する方向に回転し、遮蔽材駆動装置60を介して第3の駆動軸7Fへと回転伝達され、第3の巻取軸5Fに昇降コード18が巻き取られ、ボトムレール12が引き上げられる。そして、ボトムレール12を所望高さまで引き上げた後、第2のグリップ16bを手放すと、ストッパー装置8Fの自重降下防止動作によりロックされ、中間レール20が所望高さに保持される。また、第2のグリップ16bの僅かな引き操作でストッパー装置8Fのロックを解除すると、第3の駆動軸7F及び第2の駆動軸7bが図示する方向とは逆方向に回転し、ボトムレール12が下限位置まで自重降下する。
従って、本実施形態のプリーツスクリーンによれば、上下に複数のスクリーンを持つ形態であっても、その操作対象のスクリーンを切替コード22の引き操作で選択することで、前後に2本垂下されるいずれの操作コード14を操作しても同じ昇降操作となるため、一見して操作が理解でき操作性を改善する。また、本実施形態のプリーツスクリーンによれば、操作コード14を無端状に構成していないため、より一層安全性を高めることができる。
特に、本実施形態のプリーツスクリーンによれば、操作装置3の構成として、第1実施形態のプリーツスクリーンにおける操作装置3と共通化することができ、低コスト化に寄与するものとなる。
(第2実施形態の変形例)
図14は、本発明による第2実施形態の遮蔽装置として構成される変形例のプリーツスクリーンの概略構成を示す平面図である。上述した図6に示す第2実施形態のプリーツスクリーンでは、操作対象のスクリーンを切替コード22の引き操作で選択する例を説明したが、図14に示すように、操作対象のスクリーンを切替ポール26の回転操作で選択するよう構成することができる。
より具体的に、図14に示す変形例のプリーツスクリーンは、図6に示すストッパー装置21、及び一端に切替グリップ23を取着した切替コード22を設ける代わりに、切替バー24及び切替ポール26を設けている。
切替バー24の一端は遮蔽材駆動装置60における切替ユニット65に取着され、切替バー24の他端はヘッドボックス1の右端から切替ボックス25まで導出させている。切替ポール26は切替ボックス25で吊下支持され、切替バー24の他端に設けられる歯部24aと噛合する歯車26aを先端に有している。
前述した図10に示すように、遮蔽材駆動装置60における下ケース62の壁部には、横向きΦ状の孔で形成される挿通孔625,626が設けられ、切替バー24を挿通して、その切替バー24の一端は遮蔽材駆動装置60における切替ユニット65に取着されている。
即ち、図15(a)に示すように、上部スクリーン11Uを昇降操作するときは、切替ポール26を図示矢印方向に回転操作して、切替バー24を介して切替ユニット65を図示右方にスライド移動させ、第4の伝達クラッチ64のみを回転伝達させるよう設定する。
一方、下部スクリーン11Lを昇降操作するときは、切替ポール26を図示矢印方向に回転操作して、切替バー24を介して切替ユニット65を図示左方にスライド移動させ、第3の伝達クラッチ63のみを回転伝達させるよう設定する。
これにより、前述した図13と同様の操作及び効果を得ることができる。
〔第3実施形態〕
(全体構成)
図16は、本発明による第3実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンの概略構成を示す正面図である。図17は、本発明による第3実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンの概略構成を示す側面図であり、図18は、その上部スクリーン11Uが畳み込まれているときの概略構成を示す側面図である。また、図19は、本発明による第3実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンの概略構成を示す平面図である。尚、第2実施形態のプリーツスクリーンと同様な構成要素には同一の参照番号を付している。
図16〜図19に示す第3実施形態のプリーツスクリーンは、上部スクリーン11U及び下部スクリーン11Lを持ち、その操作対象のスクリーンを前後に2本垂下されるいずれの操作コード14を操作しても同じ昇降操作となるよう構成される点で第2実施形態と同様である。ただし、前述した第2実施形態では切替コード22又は切替ポール26により操作対象のスクリーンを選択する手動切り替え操作とする構成例を説明したが、第3実施形態のプリーツスクリーンでは、操作対象のスクリーンを自動切り替えするよう構成される点で相違する。
このため、第3実施形態のプリーツスクリーンでは、図6に示すストッパー装置21、及び一端に切替グリップ23を取着した切替コード22を設ける代わりに、更には図14に示す切替バー24及び切替ポール26を設ける代わりに、図16に示すように、上部スクリーン11Uの畳み込みを自動的に検知して、遮蔽材駆動装置60における切替ユニット65の切り替え動作へと連動動作させる畳み込み検知機構50が、ヘッドボックス1の背面側(図19参照)に設けられている。従って、第3実施形態のプリーツスクリーンにおいて、畳み込み検知機構50以外の構成は、第2実施形態のプリーツスクリーンと同様であり、更なる詳細は省略する。即ち、後述する圧縮バネ68を更に設ける点、及び畳み込み検知機構50を連動させる点を除き、遮蔽材駆動装置60の構成も図10に示す構造と同様とすることができる。
畳み込み検知機構50は、その詳細は後述するが、図17に示すように、上部スクリーン11Uの畳み込みを検知して遮蔽材駆動装置60内の切替ユニット65をスライド移動させる可動アーム53と、可動アーム53の状態をクラッチ動作で保持するためのクラッチ機構として、可動アーム53と連動して上下移動する台車54と、後述するクラッチボール55を利用して、この台車54の上下方向の移動を案内しクラッチ保持する前ケース51及び後ケース52から構成される。
そして、図17に示すように上部スクリーン11Uが畳み込まれていない状態では、前ケース51及び後ケース52から台車54を下方に移動させ引き出すことができるようになっており、この台車54が下方に位置するときに、可動アーム53が図19に示す切替ユニット65を一方向にスライド移動させ、第3の伝達クラッチ63のみが回転伝達するよう設定させる(図19参照)。
一方、図18に示すように上部スクリーン11Uが畳み込まれている状態では、前ケース51及び後ケース52へ台車54を上方に移動させ押し込むことができるようになっており、この台車54が上方に位置するときに、可動アーム53が図19に示す切替ユニット65を他方向にスライド移動させ、第4の伝達クラッチ634のみが回転伝達するよう設定させる。
(畳み込み検知機構)
以下、より具体的に、畳み込み検知機構50の構成と、その自動畳み込み検知付きの遮蔽材駆動装置の概略構成、並びに動作について説明する。図20は、本発明による第3実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンの自動畳み込み検知付きの遮蔽材駆動装置60の概略構成を示す斜視図である。また、図21は、遮蔽材駆動装置60内の切替ユニット65と共に、畳み込み検知機構50の概略構成を示す分解斜視図である。
まず、図20に示すように、畳み込み検知機構50は、遮蔽材駆動装置60内の切替ユニット65の切り替え動作へと連動動作させるため、遮蔽材駆動装置60における切替ユニット65をスライド移動させる可動アーム53の軸部531が、遮蔽材駆動装置60の下ケース62に設けられた貫通孔629を経て軸受部628に回転可能に軸支されている(図10参照)。
そして、図21に示すように、畳み込み検知機構50は、より具体的な構成例として、前ケース51、後ケース52、可動アーム53、台車54、及びクラッチボール55から構成される。前ケース51、後ケース52及び台車54は、可動アーム53の動きをロック又は許容(ロック解除)するクラッチ機構として構成される。
可動アーム53は、円柱状の軸部531と、軸部531の周面上の部位からその周方向に略逆くの字状に延びる係合片532と、軸部531の一端部から係合片532とは逆方向に略くの字状に延びる検知バー533と、検知バー533の端部から軸部531と略平行であるが逆方向に延びる円柱状の作動軸534とを有している。
台車54は、略長板状の本体の下端近傍に設けられ左右方向に延びる長穴541と、その略長板状の本体の上方で前面に形成され上下に延びる所謂ハートカム構造の案内溝542と、その略長板状の本体の上方で左右端縁からそれぞれ後方に突出する一対の突出片543とを有している。
前ケース51は、略コの字断面を持つ本体の左右端縁からそれぞれ後方に突出する左右側壁上の外側にそれぞれ上下2箇所に設けられる嵌合凹部511と、略コの字断面を持つ本体の後面の略中央に形成され左右に延び、中央がより凹んだ段差状の凹溝512とを有している。
後ケース52は、略コの字断面を持つ本体の左右端縁からそれぞれ前方に突出する左右側壁上の内側にそれぞれ上下2箇所に設けられる嵌合爪部521と、略コの字断面を持つ本体の前面にて左右側壁に沿って上下方向に延在する一対のスライド溝522とを有している。
前ケース51の各嵌合凹部511と、後ケース52の対応する各嵌合爪部521との嵌合によって、台車54の一対の突出片543が後ケース52の一対のスライド溝522と係合した状態で、台車54は上下に相対移動可能に前ケース51及び後ケース52に収容される。
このとき、クラッチボール55は、前ケース51の凹溝512と、台車54の所謂ハートカム構造の案内溝542との間に挟持され、凹溝512に拘束された状態で所謂ハートカム構造の案内溝542上で移動可能である。
台車54の長穴541には可動アーム53の作動軸534が係合挿入され、作動軸534は台車54の長穴541上でスライド移動可能となっている。
そして、図22(a)に示すヘッドボックス1に設置される畳み込み検知機構50及び遮蔽材駆動装置60の平面図に対するA‐A’断面図として図22(b)に示すように、畳み込み検知機構50は、遮蔽材駆動装置60内の切替ユニット65の切り替え動作へと連動動作させるため、遮蔽材駆動装置60における切替ユニット65をスライド移動させる可動アーム53の軸部531が、ヘッドボックス1の下面に設けられた貫通孔1b及び遮蔽材駆動装置60の下ケース62に設けられた貫通孔629を経て、図10に示す軸受部628に回転可能に軸支されている。また、図10に示したように下ケース62にはバネ支持部627が設けられ、切替ユニット65の底部中央には丸凹部655が形成されており、それぞれ圧縮バネ68の両端を係合させている。
また、図10に示したように下ケース62にはバネ支持部627が設けられ、切替ユニット65の底部中央には丸凹部655が形成されており、本実施形態では、図22(b)に示すように、図21に示す圧縮バネ68の両端が、このバネ支持部627と丸凹部655に係合載置される。このため、切替ユニット65は、遮蔽材駆動装置60内で常に図20に示す入力軸601,602方向へスライド移動するよう付勢されている。
尚、図21では、図10とは反対方向から視認される切替ユニット65が示されている。図21に示すように、切替ユニット65の底部中央に設けられる丸凹部655とは逆側から視認される位置では、縦長の係合溝658が形成されている。この縦長の係合溝658に、可動アーム53の軸部531からその周方向に略逆くの字状に延びる係合片532の先端が常に当接して当該縦長の係合溝658上で可動係合する。
このため、可動アーム53の軸部531の回転に伴って係合片532が切替ユニット65を圧縮バネ68の付勢力に抗する方向へ押圧すると、切替ユニット65は、遮蔽材駆動装置60内で出力軸603,604方向(入力軸601,602方向とは逆方向)へスライド移動するようになっている。
ところで、図21では、係合溝658から丸凹部655へと貫通する係止孔658や、横長の係止溝657が示されているが、これらの係止孔658及び横長の係止溝657は、前述した第2実施形態で共通利用できるように形成されているものであり、本実施形態では係止孔658及び係止溝657は無くてもよい。つまり、係止孔658は前述した第2実施形態の切替コード22の一端を結び玉等により丸凹部655にて係止するためのものであり(図11参照)、横長の係止溝657は前述した第2実施形態における変形例の切替バー24の一端を固定するためのものである(図15参照)。
本実施形態における自動畳み込み検知付きの遮蔽材駆動装置60は、このような構造の畳み込み検知機構50を有することで構成され、可動アーム53(若しくは台車54の下端)にて、図17及び図18に示したように、上部スクリーン11Uの畳み込みの有無を自動的に検知し、遮蔽材駆動装置60内の切替ユニット65のスライド移動による操作対象のスクリーンを自動的に切り替えるようになっている。
図23(a),(b)には、それぞれ本実施形態に係る自動畳み込み検知付きの遮蔽材駆動装置60の第1の動作を示す部分的な簡略断面図と平面図を示している。また、図23(c),(d)には、それぞれ本実施形態における自動畳み込み検知付きの遮蔽材駆動装置60の第2の動作を示す部分的な簡略断面図と平面図を示している。
まず、図23(a),(b)に示す自動畳み込み検知付きの遮蔽材駆動装置60の第1の動作として、上部スクリーン11Uが畳み込まれていないとき、図23(a)に示すように、台車54は、前ケース51及び後ケース52に対する相対移動範囲として下限位置にあり、クラッチボール55は、凹溝512に拘束された状態であるが所謂ハートカム構造の案内溝542の上端に位置している。この状態では可動アーム53の作動軸534は台車54の下端近傍に設けられる長穴541の左端に支持される。
このとき、可動アーム53はその軸部531を支点に回動可能に軸支され、台車54の前ケース51及び後ケース52に対する上方への相対移動を許容しているが、遮蔽材駆動装置60における切替ユニット65は圧縮バネ68の付勢力によって常に入力軸601,602方向へスライド移動させるように付勢しており、可動アーム53の係合片532の先端が遮蔽材駆動装置60における切替ユニット65の係合溝658に当接しているため、可動アーム53の検知バー533は、外力が生じない限り図23(a)に示す状態に安定保持される。
図23(a)に示す状態では、図23(b)に示すように、切替ユニット65は入力軸601,602方向へスライド移動されており、第3及び第4の伝達クラッチ63,64のうち第4の伝達クラッチ64のみが回転伝達可能となって、第1及び第2の駆動軸7a,7bにそれぞれ連結される中間ギヤ66a,66bのそれぞれ一方向の回転のみを出力軸604を介して第4の駆動軸7Rのみに伝達する。
一方、図23(c),(d)に示す自動畳み込み検知付きの遮蔽材駆動装置60の第2の動作として、上部スクリーン11Uが畳み込まれるとき、図23(c)に示すように、可動アーム53(若しくは台車54の下端)に外力が生じて、台車54が前ケース51及び後ケース52に対し上方へ相対移動する。クラッチボール55は、凹溝512に拘束された状態であるが所謂ハートカム構造の案内溝542の下端に位置してロックされる。この状態では可動アーム53の作動軸534は台車54の下端近傍に設けられる長穴541の右端に支持される。
このとき、可動アーム53はその軸部531を支点に回動可能に軸支され、可動アーム53の係合片532の先端が遮蔽材駆動装置60における切替ユニット65の係合溝658に当接しているため、遮蔽材駆動装置60における切替ユニット65は、圧縮バネ68の付勢力に抗して、出力軸603,604方向へスライド移動する。台車54がクラッチ機構として前ケース51及び後ケース52に対しロックされるため、可動アーム53の検知バー533は、このロックを解除しない限り図23(d)に示す状態に安定保持される。
図23(c)に示す状態では、図23(d)に示すように、切替ユニット65は出力軸603,604方向へスライド移動されており、第3及び第4の伝達クラッチ63,64のうち第3の伝達クラッチ63のみが回転伝達可能となって、第1及び第2の駆動軸7a,7bにそれぞれ連結される中間ギヤ66a,66bのそれぞれ一方向の回転のみを出力軸603を介して第3の駆動軸7Fのみに伝達する。
ここで、可動アーム53の動きをロック又は許容(ロック解除)するクラッチ機構として構成される前ケース51、後ケース52及び台車54において、図24を参照してそのクラッチ動作を説明する。台車54は、前ケース51及び後ケース52に対し上下方向に相対移動可能であり、図24に示すハートカム構造の案内溝542が形成されている。クラッチボール55は、凹溝512に拘束された状態で、台車54の案内溝542上で移動可能であり、クラッチボール55の位置によって、台車54の前ケース51及び後ケース52に対する相対移動のロック及びロック解除の状態を切り替えることができる。
図24に示すように、案内溝542は台車54の移動にともなって、クラッチボール55を第1位置P1から第4位置P4の順に移動させ、それら位置P1〜P4のいずれの位置でも、案内溝542は前ケース51に形成される凹溝512に拘束されるクラッチボール55を保持する。このため、クラッチボール55の位置によって、台車54を前ケース51及び後ケース52に対しロックするか否かが設定され、これによって台車54の動きに連動する可動アーム53の動きをロック又は許容(ロック解除)するクラッチ機構として構成される。
クラッチボール55が案内溝542の上端、又は上端から直線状に延在する第1位置P1に位置しているとき、図23を参照して説明したように、上部スクリーン11Uが畳み込まれて可動アーム53(若しくは台車54の下端)に外力が生じれば、台車54が前ケース51及び後ケース52に対し上方へ相対移動することを許容する状態にある。
この第1位置P1にクラッチボール55が位置する状態から、可動アーム53(若しくは台車54の下端)に外力が生じると、台車54が前ケース51及び後ケース52に対し上方へ相対移動し、その移動に基づいて、クラッチボール55は第1位置P1から第2位置P2に向かう。このときの移動が、図24に示す変位最低移動量R未満で当該外力が消失すれば第1位置P1の状態に戻り、変位最低移動量R以上であれば、第2位置P2から第3位置P3にまで達する。クラッチボール55が第3位置P3にまで達すると、台車54は図23(c)に示す状態となり、台車54の動きに連動する可動アーム53の動きはロックされる。
そして、クラッチボール55が第3位置P3に位置する状態から、外力が生じて台車54が前ケース51及び後ケース52に対し僅かに上方へ相対移動すると(この動作がロック解除動作)、このときの移動が、図24に示す第2の変位最低移動量T以上移動すれば、その移動に基づいて、クラッチボール55は第3位置P3から第4位置P4に移動する。尚、第2の変位最低移動量T未満であれば第3位置P3に戻る。
第4位置P4のとき、台車54はロック解除状態となって台車54の動きに連動する可動アーム53の動きも解除されることになり、台車54が前ケース51及び後ケース52に対し下方へ相対移動可能な状態となるため、切替ユニット65は圧縮バネ68の付勢力によって常に入力軸601,602方向へスライド移動させるように付勢して、可動アーム53の係合片532の先端が遮蔽材駆動装置60における切替ユニット65の係合溝658に当接しているため、可動アーム53の検知バー533は、図23(a)に示す状態となって、外力が生じない限り安定保持される。
このため、本実施形態における自動畳み込み検知付きの遮蔽材駆動装置60は、可動アーム53(若しくは台車54の下端)にて、図17及び図18に示したように、上部スクリーン11Uの畳み込みの有無を自動的に検知し、遮蔽材駆動装置60内の切替ユニット65のスライド移動による操作対象のスクリーンを自動的に切り替えることができる。
例えば、図25(a)には、本発明による第3実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンの全体動作を簡略的に示しており、図25(b),(c)は、それぞれ図25(a)に示すプリーツスクリーンの全体動作に対応する自動畳み込み検知付きの遮蔽材駆動装置60の動作を示している。
まず、図25(a‐1)に示すプリーツスクリーンの状態は、中間レール20及びボトムレール12がそれぞれ下限位置に合って、上部スクリーン11U及び下部スクリーン11Lが畳み込まれていないときの様子を示している。このとき、図25(b‐1)に示すように台車54は前ケース51及び後ケース52に対する相対移動範囲として下限位置にあり、図25(c‐1)に示すように遮蔽材駆動装置60における切替ユニット65は圧縮バネ68の付勢力によって入力軸601,602方向へスライド移動した状態であるため、第1及び第2の駆動軸7a,7bにそれぞれ連結される中間ギヤ66a,66bのそれぞれ一方向の回転のみを出力軸604を介して第4の駆動軸7Rのみに伝達する。
続いて、図25(a‐1)に示すプリーツスクリーンの状態から、図18に示す第1のグリップ16a又は第2のグリップ16bを介して操作コード14の引き操作を行うと、第4の駆動軸7Rのみが回転伝達される。このため、第4の駆動軸7Rを相対回転不能に挿通した第2の巻取軸5Rのみが第2の昇降コード19の巻き取り方向に回転されて、中間レール20が上昇し、上部スクリーン11Uのみが畳み込まれ、図25(a‐2)に示すプリーツスクリーンの状態になる。このとき、図25(b‐2)に示すように台車54は前ケース51及び後ケース52に対する相対移動範囲として上限位置になった後、僅かに下降することで、そのクラッチ機構としてロックされる。この台車54の動きに連動する可動アーム53の作用によって、図25(c‐2)に示すように遮蔽材駆動装置60における切替ユニット65は圧縮バネ68の付勢力に抗して出力軸603,604方向へスライド移動した状態へと切り替わり、第1及び第2の駆動軸7a,7bにそれぞれ連結される中間ギヤ66a,66bのそれぞれ一方向の回転のみを出力軸603を介して第3の駆動軸7Fのみに伝達する状態になる。
続いて、図25(a‐2)に示すプリーツスクリーンの状態から、図18に示す第1のグリップ16a又は第2のグリップ16bを介して操作コード14の引き操作を行うと、第1及び第2の駆動軸7a,7bにそれぞれ連結される中間ギヤ66a,66bのそれぞれ一方向の回転のみを出力軸603を介して第3の駆動軸7Fのみに伝達する状態に切り替わっているため、第3の駆動軸7Fのみが回転伝達される。このため、第3の駆動軸7Fを相対回転不能に挿通した第1の巻取軸5Fのみが第1の昇降コード18の巻き取り方向に回転されて、ボトムレール12が上昇し、下部スクリーン11Lも畳み込まれ、図25(a‐3)に示すプリーツスクリーンの状態になる。このとき、図25(b‐3)に示すように台車54は前ケース51及び後ケース52に対する相対移動範囲として上限位置近傍で、そのクラッチ機構としてロックされた状態にあり、図25(c‐3)に示すように遮蔽材駆動装置60における切替ユニット65は圧縮バネ68の付勢力に抗して出力軸603,604方向へスライド移動した状態へと切り替わっている状態にあるが、図25(b‐3)に示す状態では、僅かな操作コード14の引き操作でそのロックを解除することができる。
続いて、図25(a‐3)に示すプリーツスクリーンの状態から、僅かな操作コード14の引き操作で台車54のロックを解除して、図18に示す第1のグリップ16a又は第2のグリップ16bを介して操作コード14の僅かな引き操作を行うと、その操作コード14の引き操作により図19に示すストッパー装置8Fのロックが解除され、ボトムレール12が下限位置まで自重降下し、図25(a‐4)に示すプリーツスクリーンの状態になる。このとき、下部スクリーン11Lは畳み込まれた状態であるが、台車54の前ケース51及び後ケース52に対するロックが解除された状態にあるため、図25(c‐4)に示すように圧縮バネ68の付勢力によって切替ユニット65が入力軸601,602方向へスライド移動し、これに伴い図25(b‐4)に示すように台車54が前ケース51及び後ケース52に対する相対移動範囲として下限位置まで移動する。このため、下部スクリーン11Lは畳み込まれた状態であっても、台車54のロック解除により、遮蔽材駆動装置60における切替ユニット65は圧縮バネ68の付勢力によって入力軸601,602方向へスライド移動し、第1及び第2の駆動軸7a,7bにそれぞれ連結される中間ギヤ66a,66bのそれぞれ一方向の回転のみを出力軸604を介して第4の駆動軸7Rのみに伝達する状態になる。
続いて、図25(a‐4)に示すプリーツスクリーンの状態から、僅かな操作コード14の引き操作を行うと、図19に示すストッパー装置8Rのロックが解除され、中間レール20が下限位置まで自重降下し、図25(a‐5)に示すプリーツスクリーンの状態になる。このとき、図25(b‐4)に示すように台車54は前ケース51及び後ケース52に対する相対移動範囲として下限位置にあり、図25(c‐4)に示すように遮蔽材駆動装置60における切替ユニット65は圧縮バネ68の付勢力によって入力軸601,602方向へスライド移動した状態であるため、上述した、図25(a‐1),(b‐1),(c‐1)に示すように、第1及び第2の駆動軸7a,7bにそれぞれ連結される中間ギヤ66a,66bのそれぞれ一方向の回転のみを出力軸604を介して第4の駆動軸7Rのみに伝達する状態に戻る。
このように、第3実施形態のプリーツスクリーンでは、上部スクリーン11Uの畳み込みを自動的に検知して、操作対象のスクリーンを自動的に切り替えることができる。尚、本実施形態の例では、圧縮バネ68を切替ユニット65に直接係合させる例を説明したが、このような圧縮バネ68の付勢力は、畳み込み検知機構50側に設けてもよい。
従って、本実施形態のプリーツスクリーンによれば、上下に複数のスクリーンを持つ形態であっても、その操作対象のスクリーンを自動的に切り替えて、前後に2本垂下されるいずれの操作コード14を操作しても同じ昇降操作となるため、一見して操作が理解でき操作性を改善する。また、本実施形態のプリーツスクリーンによれば、操作コード14を無端状に構成していないため、より一層安全性を高めることができる。
特に、本実施形態のプリーツスクリーンによれば、操作装置3の構成として、第1及び第2実施形態のプリーツスクリーンにおける操作装置3と共通化することができ、低コスト化に寄与するものとなる。
〔第4実施形態〕
(全体構成)
図26は、本発明による第4実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンの概略構成を示す側面図である。図27は、本発明による第4実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンの概略構成を示す平面図である。尚、第4実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンは、前述した図6及び図7に示す第2実施形態のプリーツスクリーンの変形例であり、第2実施形態と同様な構成要素には同一の参照番号を付している。
図27及び図28に示す第4実施形態のプリーツスクリーンは、切替コード22(又は切替ポール26)により操作対象のスクリーンを選択する手動切り替え操作とし、上部スクリーン11U及び下部スクリーン11Lを持ち、その操作対象のスクリーンを前後に2本垂下されるいずれの操作コード14を操作しても同じ昇降操作となるよう構成される点で第2実施形態と同様である。ただし、前述した図6及び図7に示す第2実施形態とは異なり、第4実施形態のプリーツスクリーンでは、無端状の操作コード14とし、第1のクラッチ歯車40a、第1の伝達クラッチ41a、及び第1の駆動軸7aを不要とした点で相違する。
従って、第4実施形態のプリーツスクリーンにおいて、無端状の操作コード14とし、第1のクラッチ歯車40a、第1の伝達クラッチ41a、及び第1の駆動軸7aを不要とした点以外の構成は、第2実施形態のプリーツスクリーンと同様であり、更なる詳細は省略する。
尚、第4実施形態のプリーツスクリーンにおいて、無端状の操作コード14に対し、通常の操作時に作用する引張力を超えるような過度な荷重が作用するときには、その引張力により分離されて居住者の安全を確保するセーフティ機能を有する連結部14aを設けている。
第4実施形態のプリーツスクリーンでは、上部スクリーン11Uを昇降操作するときは、図28(a)に示すように切替コード22を引き出して遮蔽材駆動装置60内で切替ユニット65を図示右方にスライド移動させ、図27に示すストッパー装置21の作動で切替コード22の移動をロックし、第4の伝達クラッチ64のみを回転伝達させるよう設定する。そして、図28(b)に示すように前側垂下される操作コード14の引き操作を行うと、図28(a)に示すように第2の駆動軸7bが図示する方向に回転し、遮蔽材駆動装置60を介して第4の駆動軸7Rへと回転伝達され、第2の巻取軸5Rに昇降コード19が巻き取られ、中間レール20が引き上げられる。そして、中間レール20を所望高さまで引き上げた後、操作コード14を手放すと、ストッパー装置8Rの自重降下防止動作によりロックされ、中間レール20が所望高さに保持される。また、操作コード14の僅かな引き操作でストッパー装置8Rのロックを解除すると、第4の駆動軸7R及び第2の駆動軸7bが図示する方向とは逆方向に回転し、操作プーリー13に対しては空回りして回転伝達されずに中間レール20が下限位置まで自重降下する。
一方、下部スクリーン11Lを昇降操作するときは、図28(c)に示すように切替コード22を僅かに引き出してストッパー装置21の作動を解除し切替コード22の移動を許容してロック遮蔽材駆動装置60内で切替ユニット65を図示左方にスライド移動させ、第3の伝達クラッチ63のみを回転伝達させるよう設定する。そして、図28(d)に示すように前側垂下される操作コード14の引き操作を行うと、図28(c)に示すように第2の駆動軸7bが図示する方向に回転し、遮蔽材駆動装置60を介して第3の駆動軸7Fへと回転伝達され、第1の巻取軸5Fに昇降コード18が巻き取られ、ボトムレール12が引き上げられる。そして、ボトムレール12を所望高さまで引き上げた後、操作コード14を手放すと、ストッパー装置8Fの自重降下防止動作によりロックされ、ボトムレール12が所望高さに保持される。また、操作コード14の僅かな引き操作でストッパー装置8Fのロックを解除すると、第3の駆動軸7F及び第2の駆動軸7bが図示する方向とは逆方向に回転し、操作プーリー13に対しては空回りして回転伝達されずにボトムレール12が下限位置まで自重降下する。
従って、本実施形態のプリーツスクリーンによれば、上下に複数のスクリーンを持つ形態であっても、その操作対象のスクリーンを切替コード22の引き操作で選択することで、前後に2本垂下される前側の操作コード14のみを操作すればよく、一見して操作が理解でき操作性を改善する。また、本実施形態のプリーツスクリーンによれば、操作コード14を無端状に構成しているものの、過度な荷重が生じたときに分離する連結部14aを設けているため一定の安全性を維持できる。
特に、本実施形態のプリーツスクリーンによれば、操作装置3の構成として、第1乃至第3実施形態のプリーツスクリーンにおける操作装置3の部材と共通化することができ、低コスト化に寄与するものとなる。
尚、第4実施形態の変形例として、図14に示す第2実施形態の変形例のプリーツスクリーンのように、ストッパー装置21、及び一端に切替グリップ23を取着した切替コード22を設ける代わりに、切替バー24及び切替ポール26を設ける構成とすることができ、ほぼ同様の効果を得ることができる。
また、第4実施形態の変形例として、図16に示す第3実施形態のプリーツスクリーンのように、切替コード22や切替ポール26による手動切り替え操作とする代わりに、畳み込み検知機構50を設ける構成とすることができ、第3実施形態のプリーツスクリーンの効果とほぼ同様の効果を得ることができる。
以上、特定の実施形態の例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態の例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、プリーツスクリーンに対し本発明に係る遮蔽材駆動装置6,60を適用する例を説明したが、スクリーンや、スラット、カーテン等の遮蔽材をヘッドボックスから吊下支持し、その遮蔽材を昇降して採光量を調節可能とするプリーツスクリーン、横型ブラインド、たくし上げカーテン、カーテンレール等の用途にも利用できる。また、上述した実施形態の例では、駆動軸を回転させるための操作源として、主として操作プーリー13を例に説明したが、その変形例として制御信号で作動する電動モーターの出力軸とすることができる。また、上述した各実施形態の例では、切替コード22、切替ポール26、或いは畳み込み検知機構50によって、遮蔽材駆動装置60における複数の出力軸のうちいずれか1つを複数の遮蔽材の各々を駆動する1つの駆動軸に伝達するよう選択的な切り替えを行う例を説明したが、その変形例として電動モーターの出力軸を操作源とする際に外部操作に基づいて切替制御する制御装置を備える構成とすることができる。