JP2019182961A - フッ化ビニリデン共重合体の製造方法 - Google Patents

フッ化ビニリデン共重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より短時間で、かつより簡便にフッ化ビニリデン共重合体を製造する方法を実現する。【解決手段】フッ化ビニリデン共重合体の製造方法において、フッ化ビニリデンと、フッ化ビニリデンと共重合可能な他のモノマーとを含むフッ化ビニリデン含有モノマーを懸濁重合する工程を含み、前記工程では、フッ化ビニリデンが超臨界状態となる温度条件で重合が行われ、前記フッ化ビニリデン含有モノマーは一括で投入される。【選択図】なし

Description

本発明は、フッ化ビニリデン共重合体の製造方法に関する。
フッ化ビニリデン共重合体は、一般に、耐薬品性、耐候性、耐汚染性等に優れており、各種フィルム、成形材料、塗料およびバインダーなどの様々な用途で利用されている。
フッ化ビニリデン共重合体の製造方法としては、例えば、カルボキシル基を有するコモノマーを用いて30℃付近の重合温度でフッ化ビニリデン共重合体を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−172452号公報(1994年6月21日公開)
しかしながら、特許文献1に記載の製造方法は、重合時間が長く、生産性の観点から改善の余地が残されている。
本発明の一態様は、より短時間で、かつより簡便にフッ化ビニリデン共重合体を製造する方法を実現することを目的とする。
本発明の一態様に係るフッ化ビニリデン共重合体の製造方法は、フッ化ビニリデンと、フッ化ビニリデンと共重合可能な他のモノマーとを含む原料モノマーを懸濁重合する工程を含み、前記工程では、フッ化ビニリデンが臨界状態となる温度条件で重合が行われ、前記原料モノマーは一括で投入されることを特徴とする。
本発明によれば、より短時間で、かつより簡便にフッ化ビニリデン共重合体を製造することができる。
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。
本実施の形態におけるフッ化ビニリデン共重合体の製造方法は、フッ化ビニリデンと他のモノマーとを含むフッ化ビニリデン含有モノマーを、フッ化ビニリデンが超臨界状態となる条件で水中にて懸濁重合することによりフッ化ビニリデン共重合体を製造する。
フッ化ビニリデン共重合体は、フッ化ビニリデン(臨界温度Tc=30.1℃、臨界圧力Pcr=4.38MPa)と、フッ化ビニリデン以外の重合可能な他のモノマーとを含むフッ化ビニリデン含有モノマーを重合してなる共重合体である。したがって、フッ化ビニリデン共重合体は、フッ化ビニリデンに由来する構造単位と、フッ化ビニリデン以外の他のモノマーに由来する構造単位とを含む。
他のモノマーの例には、含フッ素モノマー(例えば、フッ化ビニル、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル)、エチレン、不飽和二塩基酸誘導体(例えば、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル)、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)ジメチルアクリルアミド、アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸アルキル化合物(例えば、(メタ)アクリル酸メチル)、カルボキシル基含有アクリレート化合物、(例えば、(メタ)アクリル酸、2−カルボキシエチルアクリレート、(メタ)アクリロイロキシプロピルコハク酸、(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸)、2−ヒドロキシエチルアクリレート、および、ヒドロキシプロピルアクリレートが含まれる。中でも、ヘキサフルオロプロピレン、マレイン酸モノメチル、(メタ)アクリル酸、2−カルボキシエチルアクリレート、(メタ)アクリロイロキシプロピルコハク酸、および、(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸からなる群から選ばれる一以上の化合物が好ましい。なかでも、マレイン酸モノメチルおよびヘキサフルオロプロピレンがより好ましい。
本実施形態におけるフッ化ビニリデン含有モノマー中のフッ化ビニリデンの量は、フッ化ビニリデンが主成分となる量であればよく、例えば50質量%以上であってよい。フッ化ビニリデン含有モノマー中のフッ化ビニリデンの含有量は、製造されるべきフッ化ビニリデン共重合体に求められる性質に応じて適宜に決めることが可能である。当該含有量は、例えば、フッ化ビニリデン共重合体におけるフッ化ビニリデン由来の構造による作用を十分に発現させる観点から、80質量%以上であることが好ましく、85質量%以上含有することがより好ましく、90質量%以上含有することが特に好ましい。上記含有量の上限に制限はないが、共重合体としての性質を発揮するために、例えば、99.9質量%以下であることが好ましく、99質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態における製造方法は、温度条件以外は、フッ化ビニリデン含有モノマーを、フッ化ビニリデンが超臨界状態となる条件で水中にて懸濁重合することによりフッ化ビニリデン共重合体を製造する公知の方法と同様に実施することが可能である。
本実施形態における製造方法では、特定量のフッ化ビニリデン含有モノマーと水とを反応器に供給して、フッ化ビニリデンが超臨界状態となる条件で懸濁重合を行う。ここでフッ化ビニリデン含有モノマーは、反応器へ一括で投入される。投入量に特に制限はない。
本実施形態の製造方法において、反応器への水の供給量は、フッ化ビニリデン含有モノマーの懸濁重合が十分に実施可能な範囲において、適宜に決めることが可能である。このような観点から、反応器への水の供給量は、反応器へのフッ化ビニリデン含有モノマーの供給量に対して2倍以上であることが好ましく、2.2倍以上であることがより好ましい。また、上記水の供給量は、上記の観点から、反応器へのフッ化ビニリデン含有モノマーの供給量に対して4倍以下であることが好ましく、3.6倍以下であることがより好ましい。
また、本実施形態の製造方法において、重合温度は、反応器内のフッ化ビニリデンを超臨界状態にするのに十分な温度の範囲において適宜に決めることが可能である。その範囲において、重合温度は、低すぎると懸濁重合の反応時間が長くなることによりフッ化ビニリデン共重合体の生産性が低くなることがあり、高すぎると懸濁重合の反応系の圧力が高くなり、耐圧性のより高い反応器を要することがある。重合温度は、フッ化ビニリデン共重合体の生産性を高める観点から、35℃以上であることが好ましく、40℃以上であることがより好ましい。また、重合温度は、反応系の圧力の高騰を抑制する観点から、65℃以下であることが好ましく、60℃以下であることがより好ましい。
本実施形態の製造方法は、前述した水およびフッ化ビニリデン含有モノマー以外の他の成分をさらに用いてもよい。このような他の成分の例には、連鎖移動剤、重合開始剤および懸濁剤が含まれる。
連鎖移動剤は、得られる重合体の分子量を調節する目的で用いられる。連鎖移動剤は、一種でもそれ以上でもよい。連鎖移動剤は、フッ化ビニリデン含有モノマーの分子量の調節へ使用可能である公知の化合物から適宜に選ぶことができる。連鎖移動剤の例には、酢酸エチル、酢酸プロピル、アセトンおよび炭酸ジエチルが含まれる。連鎖移動剤の量は、例えば、フッ化ビニリデン含有モノマー100質量部に対して、例えば、5質量部以下である。
重合開始剤は、一種でもそれ以上でもよく、その例には、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジノルマルプロピルパーオキシジカーボネート、および、パーブチルパーオキシピバレートが含まれる。重合開始剤の量は、フッ化ビニリデン含有モノマー100質量部に対して、例えば、0.001〜0.8質量部である。
懸濁剤は、フッ化ビニリデン含有モノマーの水中における分散性を高める目的で用いられる。懸濁剤は、一種でもそれ以上でもよい。懸濁剤の例には、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、部分鹸化ポリ酢酸ビニル、および、アクリル酸系重合体が含まれる。懸濁剤の量は、フッ化ビニリデン含有モノマー100質量部に対して、例えば、0.01〜2質量部である。
本実施形態の製造方法は、反応器に水、フッ化ビニリデン含有モノマーおよび必要に応じて他の成分を供給し、反応器内の温度を重合温度まで加熱し、当該温度に維持することによって行うことが可能である。このときの反応器内の実際の温度は、通常、重合温度に対して±1℃の範囲内に保たれる。
反応器は、本実施形態の懸濁重合の条件を実現可能な範囲において、公知の反応器から適宜に選ぶことが可能である。反応器の例には、オートクレーブが含まれる。
本実施形態の製造方法において、反応器内の圧力は、反応器内の温度が重合温度まで上昇することにより、フッ化ビニリデンの臨界圧力(4.38MPa)を十分に超え、通常、この重合反応における最大値となる。よって、フッ化ビニリデン含有モノマー中のフッ化ビニリデンは、超臨界流体の状態で主に重合反応に供される。反応系内の圧力は、一般に、フッ化ビニリデン含有モノマーが重合に供されるに連れて減少する。
上記反応系が重合温度に加熱されたときの反応器内の圧力は、高すぎると、耐圧性の高い容器を要することがあり、低すぎると、重合反応時間が長くなって生産性が低下することがある。上記反応系が重合温度に加熱されたときの反応器内の圧力は、反応時間の短縮の観点から、5MPa以上であることが好ましく、5.5MPa以上であることがより好ましい。また、上記圧力は、例えば反応器のコスト削減の観点から、10MPa以下であることが好ましく、9MPa以下であることがより好ましい。当該圧力は、フッ化ビニリデン含有モノマーの供給量および重合温度などの種々の要因によって調整することが可能である。
本実施形態の製造方法では、必要に応じて、反応系内を複数回加熱し、反応系内の温度を複数回昇温させてもよい。上記の複数回の加熱は、モノマーの消費に伴う圧力の低下および反応速度の低下を抑制し、反応効率を高める観点から好ましい。
懸濁重合の終点は、未反応モノマー量の減少と、重合時間の長時間化とのバランス(すなわち製品ポリマーの生産性)を考慮して、適宜選択される。たとえば、懸濁重合の終点は、反応生成物のサンプリングのほか、反応系内の昇温とそれに伴う圧力の変動とから判断することが可能である。
本実施形態の製造方法において、フッ化ビニリデン共重合体は、粉体として得られる。当該粉体は、懸濁重合の終了後、重合体スラリーを脱水、水洗、乾燥することにより得られる。
本実施形態の製造方法によれば、反応効率を高めて重合時間を短縮することが可能である。具体的には、反応器に原料を供給した後で、重合温度に到達した時点から重合終了までの重合時間は、例えば約30時間以内であり、さらには、20時間以内とすることも可能である。
フッ化ビニリデン重合体の粉体の嵩密度は、低すぎると、後処理での取扱いの困難さが増すことがある。また、懸濁重合の反応系の圧力が過度に高騰すると、上記嵩密度が高くなる傾向にある。よって、嵩密度が高すぎることは、反応系の圧力の過度の高騰を抑制する観点から好ましくないことがある。後処理の取扱い性の観点から、上記嵩密度は、例えば、0.20g/cm以上であることが好ましく、0.25g/cm以上であることがより好ましい。また、上記嵩密度は、反応系内の圧力の好適な範囲を実現する観点から、例えば、0.80g/cm以下である。嵩密度が上記の範囲内にあることは、好適な粒子形状の粉体を得る観点、および、当該粉体の意図せぬ破砕を抑制する観点から好ましい。
従来の懸濁重合によって、フッ化ビニリデン共重合体を製造する場合、例えば、フッ化ビニリデンと極性官能基含有の非フッ素系モノマーとの共重合体を製造する場合は、特に、生成する重合体の粉体の嵩密度が低下し易く、後処理工程中に当該粉体の意図せぬ破砕が生じ易いという問題があった。しかしながら、本実施形態の製造方法によれば、フッ化ビニリデン共重合体の製造において、生成品である粉体の嵩密度が所望の範囲となるように容易に制御することが可能である。このため、このような問題の発生を防ぐことができる。
なお、重合体の粉体の嵩密度は、帯電防止した粉体試料について、器具および計算方法に関してはJIS K 6721−3.3「かさ比重」の測定方法に基づいて算出される値である。
本実施形態の製造方法で得られるフッ化ビニリデン共重合体の平均粒径としては、80〜300μmであることが好ましく、130〜250μmであることがさらに好ましい。平均粒径が小さすぎると、流動性が低下し、問題になることがある。
また、本実施形態の製造方法により得られるフッ化ビニリデン共重合体のインヘレント粘度(樹脂4gを1リットルのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させた溶液の30℃における対数粘度)は、各種用途に好適な物性等の観点から、0.5dL/g以上、特に0.8〜4.0dL/gの範囲とすることが好ましい。
本実施形態の製造方法では、フッ化ビニリデン含有モノマーを懸濁重合の途中で追加する必要がない。したがって、懸濁重合に供されるモノマーの組成が安定する傾向にある。よって、均質なフッ化ビニリデン共重合体を製造する観点から好適である。
上記した製造方法によって得られるフッ化ビニリデン共重合体は、従来の製造方法に比べて高い生産性で製造することが可能であり、各種成形体形成用原料樹脂として好ましく使用される。
(まとめ)
以上のとおり、本発明に係るフッ化ビニリデン共重合体の製造方法は、フッ化ビニリデンと、フッ化ビニリデンと共重合可能な他のモノマーとを含むフッ化ビニリデン含有モノマーを懸濁重合する工程を含み、前記工程では、フッ化ビニリデンが超臨界状態となる温度条件で重合が行われ、前記フッ化ビニリデン含有モノマーは一括で投入されることを含んでいる。
一態様において、本発明に係るフッ化ビニリデン共重合体の製造方法は、35℃〜65℃の温度範囲内で重合が行われることが好ましい。
一態様において、本発明に係るフッ化ビニリデン共重合体の製造方法では、前記他のモノマーは、マレイン酸モノメチルおよびヘキサフルオロプロピレンの一方または両方であることが好ましい。
一態様において、本発明に係るフッ化ビニリデン共重合体の製造方法では、前記工程では重合開始剤が用いられ、該重合開始剤の量は、フッ化ビニリデン含有モノマー100質量部に対して、0.001〜0.8質量部であることが好ましい。
一態様において、本発明に係るフッ化ビニリデン共重合体の製造方法では、前記工程において得られるフッ化ビニリデン共重合体の平均粒径が80〜300μmであることが好ましい。
以下、実施例、比較例により、本発明を更に具体的に説明する。
実施例および比較例で得られたフッ化ビニリデン共重合体粉末の嵩密度は、以下の方法で測定した。
〔嵩密度〕
フッ化ビニリデン共重合体粉末の嵩密度は、JIS K 6721−3.3「かさ比重」の測定方法に基づいて測定した。具体的には、粉体試料100gに対し、界面活性剤の5%エタノール溶液2mLを添加し、スパチュラで十分に撹拌後、10分間放置した。この帯電防止した粉体試料120mLを嵩比重測定装置のダンパーを差し込んだ漏斗に入れた後、速やかにダンパーを引き抜き、試料を受器に落とした。受器から盛り上がった試料は、ガラス棒ですり落とした後、試料の入った受器の質量を0.1gまで正確に量り、次の式によって嵩密度を算出した。
S=(C−A)/B
S:嵩密度(g/cm
A:受器の質量(g)
B:受器の内容積(cm
C:試料の入った受器の質量(g)
〔平均粒径〕
フッ化ビニリデン共重合体粉末の粒度分布を、(株)平工製作所製ロータップ式II型ふるい振とう機D型を用い、JIS K 0069−3.1に従って、乾式ふるい分け法により測定した。平均粒径の算出は、粒度分布の測定結果を元に、対数正規分布法にて求めた。平均粒径は、粒度累積分布において、50%累積値(D50)を示す粒径とした。
(実施例1)
内容積2Lのオートクレーブに、イオン交換水1,040g、懸濁剤(メチルセルロース)0.6g、連鎖移動剤(酢酸エチル)3.2g、および重合開始剤(ジイソプロピルパーオキシジカーボネート(IPP))1.8gと共に、フッ化ビニリデン含有モノマーとしてフッ化ビニリデン(VDF)396gおよびマレイン酸モノメチル(MMM)4gの混合物を仕込み、重合温度である50℃まで昇温後、15.7時間維持することで、懸濁重合を実施した。
重合終了後、得られた重合体スラリーを脱水、水洗し、更に80℃で20時間乾燥して、フッ化ビニリデンとマレイン酸モノメチルとの共重合体粉末393gを得た。フッ化ビニリデン含有モノマー供給量から算出した重合体の収率は98.3%であった。また、得られた重合体の粉末の嵩密度は、0.31g/cmであり、インヘレント粘度は、0.99dL/gであった。
(実施例2)
内容積2Lのオートクレーブに、イオン交換水1,040g、懸濁剤(メチルセルロース)0.6g、連鎖移動剤(酢酸エチル)4.8g、および重合開始剤(パーブチルパーオキシピバレート(PB−PV))2.0gと共に、フッ化ビニリデン含有モノマーとしてフッ化ビニリデン(VDF)396gおよびマレイン酸モノメチル(MMM)4gの混合物を仕込み、重合温度である50℃まで昇温後、24.0時間維持することで、懸濁重合を実施した。
重合終了後、得られた重合体スラリーを脱水、水洗し、更に80℃で20時間乾燥して、フッ化ビニリデンとマレイン酸モノメチルとの共重合体粉末368gを得た。フッ化ビニリデン含有モノマー供給量から算出した重合体の収率は92.0%であった。また、得られた重合体の粉末の嵩密度は、0.30g/cmであり、インヘレント粘度は、1.18dL/gであった。
(実施例3)
酢酸エチルの量を1.2gとし、50℃に維持した時間を7.8時間としたこと以外は実施例1と同様にして懸濁重合を実施した。
重合終了後、得られた重合体スラリーを脱水、水洗し、更に80℃で20時間乾燥して、フッ化ビニリデンとマレイン酸モノメチルとの共重合体粉末366gを得た。フッ化ビニリデン含有モノマー供給量から算出した重合体の収率は91.5%であった。また、得られた重合体の粉末の嵩密度は、0.30g/cmであり、インヘレント粘度は、1.25dL/gであった。
(実施例4)
内容積2Lのオートクレーブに、イオン交換水1,040g、懸濁剤(メチルセルロース)0.6g、連鎖移動剤(炭酸ジエチル)2.0g、および重合開始剤(パーブチルパーオキシピバレート(PB−PV))1.4gと共に、フッ化ビニリデン含有モノマーとしてフッ化ビニリデン(VDF)396gおよびマレイン酸モノメチル(MMM)6gの混合物を仕込み、重合温度である60℃まで昇温後、20.3時間維持することで、懸濁重合を実施した。
重合終了後、得られた重合体スラリーを脱水、水洗し、更に80℃で20時間乾燥して、フッ化ビニリデンとマレイン酸モノメチルとの共重合体粉末344gを得た。フッ化ビニリデン含有モノマー供給量から算出した重合体の収率は84.8%であった。また、得られた重合体の粉末の嵩密度は、0.25g/cmであり、インヘレント粘度は、1.21dL/gであった。
(実施例5)
内容積2Lのオートクレーブに、イオン交換水1,110g、懸濁剤(メチルセルロース)0.6g、および重合開始剤(ジイソプロピルパーオキシジカーボネート(IPP))0.9gと共に、フッ化ビニリデン含有モノマーとしてフッ化ビニリデン(VDF)398g、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)32gおよびマレイン酸モノメチル(MMM)6.5gの混合物を仕込み、重合温度である50℃まで昇温後、20.3時間維持することで、懸濁重合を実施した。
重合終了後、得られた重合体スラリーを脱水、水洗し、更に80℃で20時間乾燥して、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとマレイン酸モノメチルとの共重合体粉末404gを得た。フッ化ビニリデン含有モノマー供給量から算出した重合体の収率は92.5%であった。また、得られた重合体の粉末の嵩密度は、0.32g/cmであり、インヘレント粘度は、2.82dL/gであった。
(比較例1)
内容積2Lのオートクレーブに、イオン交換水1,040g、懸濁剤(メチルセルロース)0.8g、連鎖移動剤(酢酸エチル)2.0g、および重合開始剤(ジイソプロピルパーオキシジカーボネート(IPP))4.0gと共に、フッ化ビニリデン含有モノマーとしてフッ化ビニリデン(VDF)400gおよびマレイン酸モノメチル(MMM)4gの混合物を仕込み、重合温度である26℃まで昇温後、41.7時間維持することで、懸濁重合を実施した。
重合終了後、得られた重合体スラリーを脱水、水洗し、更に80℃で20時間乾燥して、フッ化ビニリデンとマレイン酸モノメチルとの共重合体粉末364gを得た。フッ化ビニリデン含有モノマー供給量から算出した重合体の収率は90.9%であった。また、得られた重合体の粉末の嵩密度は、0.45g/cmであり、インヘレント粘度は、1.19dL/gであった。
上記実施例および比較例における重合条件、得られたフッ化ビニリデン共重合体の収率および嵩密度を、表1に示す。
Figure 2019182961

Claims (5)

  1. フッ化ビニリデン共重合体の製造方法であって、
    フッ化ビニリデンと、フッ化ビニリデンと共重合可能な他のモノマーとを含むフッ化ビニリデン含有モノマーを懸濁重合する工程を含み、
    前記工程では、フッ化ビニリデンが超臨界状態となる温度条件で重合が行われ、
    前記フッ化ビニリデン含有モノマーは一括で投入されることを特徴とするフッ化ビニリデン共重合体の製造方法。
  2. 35℃〜65℃の温度範囲内で重合が行われることを特徴とする請求項1に記載のフッ化ビニリデン共重合体の製造方法。
  3. 前記他のモノマーは、マレイン酸モノメチルおよびヘキサフルオロプロピレンの一方または両方であることを特徴とする請求項1または2に記載のフッ化ビニリデン共重合体の製造方法。
  4. 前記工程では重合開始剤が用いられ、該重合開始剤の量は、フッ化ビニリデン含有モノマー100質量部に対して、0.001〜0.8質量部であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のフッ化ビニリデン共重合体の製造方法。
  5. 前記工程において得られるフッ化ビニリデン共重合体の平均粒径が80〜300μmであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のフッ化ビニリデン共重合体の製造方法。
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