JP2019181456A - ゼオライト膜複合体、ゼオライト膜複合体の製造方法、および、分離方法 - Google Patents

ゼオライト膜複合体、ゼオライト膜複合体の製造方法、および、分離方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ゼオライト膜による透過対象物質の好適な透過量を実現するとともに、ゼオライト膜内への不純物の浸入を抑制する。【解決手段】ゼオライト膜複合体1は、多孔質の支持体11と、支持体11上に形成されたゼオライト膜12とを備える。ゼオライト膜12は、内部に有機物由来の残留物を含む。ゼオライト膜12のCO2透過量は、内部に有機物由来の残留物を含まないゼオライト膜である非残留ゼオライト膜のCO2透過量の70%以上かつ100%以下である。また、ゼオライト膜12のCH4透過量/CF4透過量比は、非残留ゼオライト膜のCH4透過量/CF4透過量比の105%以上かつ140%以下である。これにより、ゼオライト膜12による透過対象物質の好適な透過量を実現することができるとともに、ゼオライト膜12内への不純物の浸入を抑制することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、ゼオライト膜複合体、ゼオライト膜複合体の製造方法、および、ゼオライト膜複合体を用いた混合物質の分離方法に関する。
現在、支持体上にゼオライト膜を形成してゼオライト膜複合体とすることにより、ゼオライトの分子篩作用を利用した特定の分子の分離や分子の吸着等の用途について、様々な研究や開発が行われている。また、ゼオライト膜複合体を製造する方法の1つとして、セラミック焼結体等により形成された多孔質支持体を原料溶液に浸漬し、水熱合成により支持体上にゼオライト膜を生成した後、ゼオライト膜中の構造規定剤を燃焼除去する方法が知られている。
特許文献1では、DDR型のゼオライト膜の製造において、ゼオライト膜の分離性能を向上させることを目的として、水熱合成後のゼオライト膜を400℃〜550℃で加熱し、ゼオライト膜中の構造規定剤(1−アダマンタンアミン)をできるだけ燃焼除去することが提案されている。
一方、特許文献2では、水分との接触による損傷および物理的接触による損傷から分子篩を保護することを目的として、分子篩内の触媒部位を被覆するのに有効な量のテンプレート剤(または、その分解生成物)を分子篩内に残存させることが提案されている。当該分子篩におけるテンプレート剤の残留率は、30重量%以上である。また、分子篩の多孔質構造におけるテンプレート剤の占有率は、10〜90容量%である。
また、特許文献3では、ゼオライト吸着剤におけるガスの分離性能を向上させることを目的として、ゼオライト吸着剤の細孔構造に障壁化合物を挿入し、混合ガス中の特定のガスの細孔内への進入速度を増大させる技術が提案されている。障壁化合物の充填量は、飽和充填量の10重量%以上である。
特開2010−158665号公報 特表2003−501241号公報 特表2016−506292号公報
ところで、特許文献2の分子篩では、テンプレート剤の残存量が多いため、分子篩の透過性能が大きく低下するおそれがある。また、特許文献3のゼオライト吸着剤では、二酸化炭素をメタンと分離させる際の分離性能は向上するが、二酸化炭素の透過量が減少している。一方、特許文献1のように、ゼオライト膜中の構造規定剤を除去した場合、ガス分離の際に分子径が大きい不純物ガス(すなわち、分離対象ではないガス)がゼオライト膜内に浸入し、透過性能および/または分離性能が低下するおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、ゼオライト膜による透過対象物質の好適な透過量を実現するとともに、ゼオライト膜内への不純物の浸入を抑制することを目的としている。
本発明は、ゼオライト膜複合体に向けられている。本発明の好ましい一の形態に係るゼオライト膜複合体は、多孔質の支持体と、前記支持体上に形成されたゼオライト膜と、を備える。前記ゼオライト膜は、内部に有機物由来の残留物を含む。前記ゼオライト膜の二酸化炭素透過量は、内部に有機物由来の残留物を含まないゼオライト膜である非残留ゼオライト膜の二酸化炭素透過量の70%以上かつ100%以下である。前記ゼオライト膜のメタン透過量/四フッ化炭素透過量比は、前記非残留ゼオライト膜のメタン透過量/四フッ化炭素透過量比の105%以上かつ140%以下である。
好ましくは、前記ゼオライト膜の最大員環数は8である。
好ましくは、前記ゼオライト膜における前記残留物の残留率は、0.6重量%以上かつ2.0重量%以下である。
好ましくは、前記ゼオライト膜に含まれる前記残留物は炭素である。
本発明は、ゼオライト膜複合体の製造方法にも向けられている。本発明の好ましい一の形態に係るゼオライト膜複合体の製造方法は、a)種結晶を準備する工程と、b)多孔質の支持体上に前記種結晶を付着させる工程と、c)原料溶液に前記支持体を浸漬し、水熱合成により前記種結晶からゼオライトを成長させて前記支持体上にゼオライト膜を形成する工程と、d)前記ゼオライト膜を加熱することにより、前記ゼオライト膜から構造規定剤を部分的に除去するとともに、前記構造規定剤の一部を前記ゼオライト膜の内部に残留物として残留させる工程と、を備える。前記d)工程よりも後の前記ゼオライト膜の二酸化炭素透過量は、内部に有機物由来の残留物を含まないゼオライト膜である非残留ゼオライト膜の二酸化炭素透過量の70%以上かつ100%以下である。前記d)工程よりも後の前記ゼオライト膜のメタン透過量/四フッ化炭素透過量比は、前記非残留ゼオライト膜のメタン透過量/四フッ化炭素透過量比の105%以上かつ140%以下である。
好ましくは、前記d)工程は、d1)前記c)工程にて形成された前記ゼオライト膜を不活性ガス雰囲気にて加熱する工程と、d2)前記d1)工程よりも後に、前記ゼオライト膜を酸化性ガス雰囲気にて加熱する工程と、を備える。
本発明の好ましい他の形態に係るゼオライト膜複合体の製造方法は、a)種結晶を準備する工程と、b)多孔質の支持体上に前記種結晶を付着させる工程と、c)原料溶液に前記支持体を浸漬し、水熱合成により前記種結晶からゼオライトを成長させて前記支持体上にゼオライト膜を形成する工程と、d)前記ゼオライト膜を加熱することにより、前記ゼオライト膜から構造規定剤を部分的に除去するとともに、前記構造規定剤の一部を前記ゼオライト膜の内部に残留物として残留させる工程と、を備える。前記d)工程は、d1)前記c)工程にて形成された前記ゼオライト膜を不活性ガス雰囲気にて加熱する工程と、d2)前記d1)工程よりも後に、前記ゼオライト膜を酸化性ガス雰囲気にて加熱する工程と、を備える。
本発明の好ましい他の形態に係るゼオライト膜複合体の製造方法は、a)支持体上に形成され、構造規定剤が内部から除去されたゼオライト膜に有機物を吸着させる工程と、b)前記ゼオライト膜を加熱することにより、前記ゼオライト膜から前記有機物を部分的に除去するとともに、前記有機物の一部を前記ゼオライト膜の内部に残留物として残留させる工程と、を備える。前記b)工程よりも後の前記ゼオライト膜の二酸化炭素透過量は、内部に有機物由来の残留物を含まないゼオライト膜である非残留ゼオライト膜の二酸化炭素透過量の70%以上かつ100%以下である。前記b)工程よりも後の前記ゼオライト膜のメタン透過量/四フッ化炭素透過量比は、前記非残留ゼオライト膜のメタン透過量/四フッ化炭素透過量比の105%以上かつ140%以下である。
好ましくは、前記b)工程は、b1)前記a)工程にて形成された前記ゼオライト膜を不活性ガス雰囲気にて加熱する工程と、b2)前記b1)工程よりも後に、前記ゼオライト膜を酸化性ガス雰囲気にて加熱する工程と、を備える。
本発明の好ましい他の形態に係るゼオライト膜複合体の製造方法は、a)支持体上に形成され、構造規定剤が内部から除去されたゼオライト膜に有機物を吸着させる工程と、b)前記ゼオライト膜を加熱することにより、前記ゼオライト膜から前記有機物を部分的に除去するとともに、前記有機物の一部を前記ゼオライト膜の内部に残留物として残留させる工程と、を備える。前記b)工程は、b1)前記a)工程にて形成された前記ゼオライト膜を不活性ガス雰囲気にて加熱する工程と、b2)前記b1)工程よりも後に、前記ゼオライト膜を酸化性ガス雰囲気にて加熱する工程と、を備える。
本発明は、分離方法にも向けられている。本発明の好ましい一の形態に係る分離方法は、a)上述のゼオライト膜複合体を準備する工程と、b)複数種類のガスまたは液体を含む混合物質を前記ゼオライト膜複合体に供給し、前記混合物質中の透過性が高い物質を、前記ゼオライト膜複合体を透過させることにより他の物質から分離する工程と、を備える。
好ましくは、前記混合物質は、水素、ヘリウム、窒素、酸素、水、水蒸気、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物、アンモニア、硫黄酸化物、硫化水素、フッ化硫黄、水銀、アルシン、シアン化水素、硫化カルボニル、C1〜C8の炭化水素、有機酸、アルコール、メルカプタン類、エステル、エーテル、ケトンおよびアルデヒドのうち、1種類以上の物質を含む。
本発明では、ゼオライト膜による透過対象物質の好適な透過量を実現するとともに、ゼオライト膜内への不純物の浸入を抑制することができる。
ゼオライト膜複合体の断面図である。 ゼオライト膜複合体の製造の流れを示す図である。 ゼオライト膜複合体の製造の流れを示す図である。 ゼオライト膜複合体の製造の流れを示す図である。 ゼオライト膜複合体の製造の流れを示す図である。 分離装置を示す図である。 混合物質の分離の流れを示す図である。
図1は、本発明の一の実施の形態に係るゼオライト膜複合体1の断面図である。ゼオライト膜複合体1は、支持体11と、支持体11上に形成されたゼオライト膜12とを備える。図1に示す例では、支持体11は、長手方向(すなわち、図中の上下方向)にそれぞれ延びる複数の貫通孔111が設けられた略円柱状のモノリス型支持体である。各貫通孔111(すなわち、セル)の長手方向に垂直な断面は、例えば略円形である。図1では、貫通孔111の径を実際よりも大きく、貫通孔111の数を実際よりも少なく描いている。ゼオライト膜12は、貫通孔111の内側面上に形成され、貫通孔111の内側面を略全面に亘って被覆する。図1では、ゼオライト膜12を太線にて描いている。
支持体11の長さ(すなわち、図中の上下方向の長さ)は、例えば10cm〜200cmである。支持体11の外径は、例えば0.5cm〜30cmである。隣接する貫通孔111の中心軸間の距離は、例えば0.3mm〜10mmである。支持体11の表面粗さ(Ra)は、例えば0.1μm〜5.0μmであり、好ましくは0.2μm〜2.0μmである。なお、支持体11の形状は、例えば、ハニカム状、平板状、管状、円筒状、円柱状または多角柱状等であってもよい。支持体11の形状が管状である場合、支持体11の厚さは、例えば0.1mm〜10mmである。
本実施の形態では、支持体11はガスや液体(すなわち、流体)を透過可能な多孔質であり、ゼオライト膜12は、複数種類の物質が混合した混合流体から、分子篩作用を利用して特定の物質を分離する分子分離膜である。例えば、ゼオライト膜12は、複数種類のガスを含む混合ガスから特定のガスを分離するガス分離膜として利用されてもよい。また、ゼオライト膜12は、複数種類の液体を含む混合液から特定の液体を分離する液体分離膜として利用されてもよい。ゼオライト膜12は、ガスと液体とが混合された混合流体から特定の物質を分離する分離膜として利用されてもよい。あるいは、ゼオライト膜12は、浸透気化膜としても利用可能である。ゼオライト膜複合体1は、さらに他の用途に利用されてもよい。
支持体11の材料は、表面にゼオライト膜12を形成する工程において化学的安定性を有するのであれば、様々なものが採用可能である。支持体11の材料として、例えば、セラミック焼結体、金属、有機高分子、ガラス、カーボン等を挙げることができる。セラミック焼結体としては、アルミナ、シリカ、ムライト、ジルコニア、チタニア、イットリア、窒化ケイ素、炭化ケイ素等が挙げられる。金属としては、アルミニウム、鉄、ブロンズ、ステンレス鋼等が挙げられる。有機高分子としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリイミド等が挙げられる。本実施の形態では、支持体11は、アルミナ、シリカおよびムライトのうち、少なくとも1種類を含む。
支持体11は、無機結合材を含んでいてもよい。無機結合材としては、チタニア、ムライト、易焼結性アルミナ、シリカ、ガラスフリット、粘土鉱物、易焼結性コージェライトのうち少なくとも1つを用いることができる。
ゼオライト膜12が分離膜として利用される場合、好ましくは、ゼオライト膜12が形成される表面近傍における支持体11の平均細孔径は、他の部位の平均細孔径よりも小さい。このような構造を実現するために、支持体11は多層構造を有する。支持体11が多層構造を有する場合、各層の材料は上記のものを用いることができ、それぞれは同じでもよいし異なっていてもよい。支持体11の平均細孔径は、水銀ポロシメータ、パームポロメータ、ナノパームポロメータ等によって測定することができる。
支持体11の平均細孔径は、例えば0.01μm〜70μmであり、好ましくは0.05μm〜25μmである。ゼオライト膜12が形成される表面近傍における支持体11の平均細孔径は0.01μm〜1μmであり、好ましくは0.05μm〜0.5μmである。平均細孔径は、例えば、水銀ポロシメータ、パームポロシメータまたはナノパームポロシメータにより測定することができる。支持体11の表面および内部を含めた全体における細孔径の分布について、D5は例えば0.01μm〜50μmであり、D50は例えば0.05μm〜70μmであり、D95は例えば0.1μm〜2000μmである。ゼオライト膜12が形成される表面近傍における支持体11の気孔率は、例えば20%〜60%である。
支持体11は、例えば、平均細孔径が異なる複数の層が厚さ方向に積層された多層構造を有する。ゼオライト膜12が形成される表面を含む表面層における平均細孔径および焼結粒径は、表面層以外の層における平均細孔径および焼結粒径よりも小さい。支持体11の表面層の平均細孔径は、例えば0.01μm〜1μmであり、好ましくは0.05μm〜0.5μmである。支持体11が多層構造を有する場合、各層の材料は上記のものを用いることができる。多層構造を形成する複数の層の材料は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
ゼオライト膜12の厚さは、例えば0.05μm〜30μmであり、好ましくは0.1μm〜20μmであり、さらに好ましくは0.5μm〜10μmである。ゼオライト膜12を厚くすると分離性能が向上する。ゼオライト膜12を薄くすると透過速度が増大する。ゼオライト膜12の表面粗さ(Ra)は、例えば5μm以下であり、好ましくは2μm以下であり、より好ましくは1μm以下であり、さらに好ましくは0.5μm以下である。
ゼオライト膜12を構成するゼオライトの種類は特に限定されないが、ゼオライト膜12が分離膜として使用される場合、透過物質の透過量および分離性能の観点から、当該ゼオライトの最大員環数は、6または8であることが好ましい。より好ましくは、ゼオライト膜12の最大員環数は8である。
ゼオライト膜12は、例えば、DDR型のゼオライトである。換言すれば、ゼオライト膜12は、国際ゼオライト学会が定める構造コードが「DDR」であるゼオライトである。この場合、ゼオライト膜12を構成するゼオライトの固有細孔径は、0.36nm×0.44nmであり、平均細孔径は、0.40nmである。ゼオライト膜12の固有細孔径は、支持体11の平均細孔径よりも小さい。
ゼオライト膜12は、DDR型のゼオライトには限定されず、他の構造を有するゼオライトであってもよい。ゼオライト膜12は、例えば、AEI型、AEN型、AFN型、AFV型、AFX型、BEA型、CHA型、DDR型、ERI型、ETL型、FAU型(X型、Y型)、GIS型、LEV型、LTA型、MEL型、MFI型、MOR型、PAU型、RHO型、SAT型、SOD型等のゼオライトであってよい。より好ましくは、例えば、AEI型、AFN型、AFV型、AFX型、CHA型、DDR型、ERI型、ETL型、GIS型、LEV型、LTA型、PAU型、RHO型、SAT型等のゼオライトである。さらに好ましくは、例えば、AEI型、AFN型、AFV型、AFX型、CHA型、DDR型、ERI型、ETL型、GIS型、LEV型、PAU型、RHO型、SAT型等のゼオライトである。
ゼオライト膜12を構成するゼオライトは、T原子として、例えばAlを含む。ゼオライト膜12を構成するゼオライトとしては、ゼオライトを構成する酸素四面体(TO)の中心に位置する原子(T原子)がケイ素(Si)とアルミニウム(Al)とからなるゼオライト、T原子がAlとリン(P)とからなるAlPO型のゼオライト、T原子がSiとAlとPとからなるSAPO型のゼオライト、T原子がマグネシウム(Mg)とSiとAlとPとからなるMAPSO型のゼオライト、T原子が亜鉛(Zn)とSiとAlとPとからなるZnAPSO型のゼオライト等を用いることができる。T原子の一部は、他の元素に置換されていてもよい。
ゼオライト膜12は、例えば、Siを含む。ゼオライト膜12は、例えば、Si、AlおよびPのうちいずれか2つ以上を含んでいてもよい。ゼオライト膜12は、アルカリ金属を含んでいてもよい。当該アルカリ金属は、例えば、ナトリウム(Na)またはカリウム(K)である。ゼオライト膜12がSi原子を含む場合、ゼオライト膜12におけるSi/Al比は、例えば1以上かつ10万以下である。当該Si/Al比は、好ましくは5以上、より好ましくは20以上、さらに好ましくは100以上であり、高ければ高いほど好ましい。後述する原料溶液中のSi源とAl源との配合割合等を調整することにより、ゼオライト膜12におけるSi/Al比を調整することができる。
次に、図2を参照しつつ、ゼオライト膜複合体1の製造の流れについて説明する。まず、ゼオライト膜12の製造に利用される種結晶が準備される(ステップS11)。種結晶は、例えば、水熱合成にてDDR型のゼオライトの粉末が生成され、当該ゼオライトの粉末から取得される。当該ゼオライトの粉末はそのまま種結晶として用いられてもよく、当該粉末を粉砕等によって加工することにより種結晶が取得されてもよい。
続いて、種結晶を分散させた溶液に多孔質の支持体11を浸漬し、種結晶を支持体11に付着させる(ステップS12)。あるいは、種結晶を分散させた溶液を、支持体11上のゼオライト膜12を形成させたい部分に接触させることにより、種結晶を支持体11に付着させる。これにより、種結晶付着支持体が作製される。種結晶は、他の手法により支持体11に付着されてもよい。
種結晶が付着された支持体11は、原料溶液に浸漬される。原料溶液は、例えば、Si源および構造規定剤(Structure-Directing Agent、以下「SDA」とも呼ぶ。)等を、溶媒に溶解させることにより作製する。原料溶液の組成は、例えば、1.0SiO:0.015SDA:0.12(CH(NHである。原料溶液に含まれるSDAは、有機物である。原料溶液の溶媒には、エタノール等のアルコールを用いてもよい。SDAとしては、例えば、1−アダマンタンアミンを用いることができる。
そして、水熱合成により当該種結晶を核としてDDR型のゼオライトを成長させることにより、支持体11上にDDR型のゼオライト膜12が形成される(ステップS13)。水熱合成時の温度は、好ましくは120〜200℃であり、例えば160℃である。水熱合成時間は、好ましくは10〜100時間であり、例えば30時間である。このとき、原料溶液中のSi源とAl源との配合割合等を調整することにより、DDR型のゼオライト膜12の組成を調整することができる。
水熱合成が終了すると、支持体11およびゼオライト膜12をイオン交換水で洗浄する。洗浄後の支持体11およびゼオライト膜12は、例えば80℃にて乾燥される。支持体11およびゼオライト膜12が乾燥すると、ゼオライト膜12を加熱処理することによって、ゼオライト膜12中のSDAを部分的に燃焼除去して、ゼオライト膜12内の微細孔を貫通させる。このとき、ゼオライト膜12中のSDAの一部は、ゼオライト膜12の内部に炭化した状態で残留物として残留する(ステップS14)。当該残留物は、有機物であるSDA由来のものであり、例えば炭素(C)である。ここで炭素とは、加熱処理後の炭素含有率が85%以上の残留物のことを指す。これにより、上述のゼオライト膜複合体1が得られる。
ステップS14にて得られたゼオライト膜複合体1では、ゼオライト膜12の内部には、有機物由来の残留物が含まれている。ゼオライト膜12における当該残留物の残留率は、好ましくは、0.6重量%〜2.0重量%である。残留物の残留率とは、ゼオライト膜12の重量に対する、ステップS14終了後のゼオライト膜12内の残留物(すなわち、SDA由来の残留物)の重量の割合である。残留物の残留率は、より好ましくは0.9重量%〜1.3重量%であり、さらに好ましくは1.0重量%〜1.3重量%である。
ゼオライト膜複合体1における残留物の残留率は、次のように求める。まず、ステップS14の終了後、ゼオライト膜複合体1の重量を測定し、当該測定値から上述の支持体11の重量を減算することにより、残留物が内部に残留しているゼオライト膜12の重量を算出する。そして、残留物が内部に残留しているゼオライト膜12の重量から、残留物を含まないと仮定した場合のゼオライト膜12の重量を減算することにより、残留物の重量を算出する。上述の残留物を含まないと仮定した場合のゼオライト膜12の重量は、ステップS14終了後のゼオライト膜複合体1を、例えば、500℃で50時間加熱することにより、ゼオライト膜12内の残留物を完全に燃焼除去した後に重量を測定し、当該測定値から上述の支持体11の重量を減算することにより算出する。その後、上記のように算出された残留物の重量を、残留物を含まないと仮定した場合のゼオライト膜12の重量により除算することにより、残留物の残留率を算出する。後述する吸着有機物由来の残留物の残留率も同様に求めることができる。
支持体11の重量測定が困難な場合、残留物の残留率の算出は、以下の方法で行う。まず、支持体11よりも柔らかい素材で形成された道具を用いて、ステップS14終了後のゼオライト膜複合体1からゼオライト膜12を削り出して支持体11から分離させ、残留物が内部に残留している当該ゼオライト膜12の重量を算出する。そして、残留物が内部に残留しているゼオライト膜12の重量から、残留物を含まないと仮定した場合のゼオライト膜12の重量を減算することにより、残留物の重量を算出する。上述の残留物を含まないと仮定した場合のゼオライト膜12の重量は、削り出したゼオライト膜12を、例えば、500℃で50時間加熱することにより、ゼオライト膜12内の残留物を完全に燃焼除去した後の重量を測定することにより得られる。その後、上記のように算出された残留物の重量を、残留物を含まないと仮定した場合のゼオライト膜12の重量により除算することにより、残留物の残留率を算出する。
図3は、上述のステップS14における加熱処理の流れを詳細に示した図である。ステップS14では、まず、ステップS13にて形成されたゼオライト膜12を、不活性ガス雰囲気にて加熱する(ステップS141)。これにより、ゼオライト膜12中のSDAのおよそ全量が炭化する。なお、この時点では、炭化したSDAはゼオライト膜12中に残存しており、ゼオライト膜12から除去されてはいない。
ステップS141の不活性ガス雰囲気は、例えば、窒素(N)ガス雰囲気である。ステップS141における加熱温度は、好ましくは400℃〜600℃であり、より好ましくは410℃〜550℃であり、さらに好ましくは450℃〜500℃である。また、加熱時間は、好ましくは30時間〜60時間であり、より好ましくは32時間〜55時間であり、さらに好ましくは35時間〜50時間である。
そして、ステップS141よりも後に、ゼオライト膜12を酸化性ガス雰囲気にて加熱する(ステップS142)。これにより、ゼオライト膜12中の炭化したSDAが部分的に燃焼除去されるとともに、炭化したSDAの一部が上述の残留物としてゼオライト膜12内に残留する。
ステップS142の酸化性ガス雰囲気は、酸素を含む雰囲気であり、例えば大気中である。ステップS142における加熱温度は、好ましくは400℃〜600℃であり、より好ましくは410℃〜550℃であり、さらに好ましくは420℃〜500℃である。また、加熱時間は、好ましくは30時間〜60時間であり、より好ましくは32時間〜55時間であり、さらに好ましくは35時間〜50時間である。
ステップS14では、必ずしもステップS141〜S142のように、加熱条件が異なる2回の加熱が行われる必要はない。例えば、ステップS13にて形成されたゼオライト膜12を、単一の加熱条件で加熱処理することにより、ゼオライト膜12内のSDAを部分的に燃焼除去して、一部のSDAを炭化させた上で残留物としてゼオライト膜12内に残留させてもよい。この場合、ゼオライト膜12の加熱は、酸化性ガス雰囲気(例えば、大気中)にて行われる。加熱温度は、好ましくは400℃〜600℃であり、より好ましくは410℃〜550℃であり、さらに好ましくは420℃〜500℃である。また、加熱時間は、好ましくは30時間〜60時間であり、より好ましくは32時間〜55時間であり、さらに好ましくは35時間〜50時間である。
ゼオライト膜12内部に残留物を含むゼオライト膜複合体1は、必ずしも上記製造方法(ステップS11〜S14)により製造される必要はなく、他の製造方法により製造されてもよい。例えば、図4に示すように、上述のステップS11〜S13と同様の工程であるステップS21〜S23により支持体11上に形成されたゼオライト膜12に対して、酸化性ガス雰囲気(例えば、大気中)において十分に加熱処理を行うことにより、ゼオライト膜12の内部のSDAをほぼ完全に燃焼除去する(ステップS24)。
続いて、有機物を含むガスまたは液体をゼオライト膜12に付与し、ゼオライト膜12を透過させることにより、有機物をゼオライト膜12内に吸着させる(ステップS25)。その後、ゼオライト膜12に対して加熱処理を行い、ゼオライト膜12から吸着有機物を部分的に燃焼除去するとともに、当該吸着有機物の一部をゼオライト膜12の内部に炭化した状態で有機物由来の残留物として残留させる(ステップS26)。これにより、ゼオライト膜12内部に有機物由来の残留物を含むゼオライト膜複合体1を得ることができる。ステップS21〜S26により製造されたゼオライト膜複合体1において、残留物の残留率とは、残留物を含まないと仮定した場合のゼオライト膜12の重量に対する、ステップS26終了後のゼオライト膜12内の残留物(すなわち、吸着有機物由来の残留物)の重量の割合である。残留物を含まないと仮定した場合のゼオライト膜12の重量は、上記と同様の方法により求める。
図5は、上述のステップS26における加熱処理の流れを詳細に示した図である。ステップS26では、まず、ステップS25にて有機物が付着されたゼオライト膜12を、不活性ガス雰囲気にて加熱する(ステップS261)。これにより、ゼオライト膜12中の吸着有機物のおよそ全量が炭化する。なお、この時点では、炭化した吸着有機物はゼオライト膜12中に残存しており、ゼオライト膜12から除去されてはいない。
ステップS261の不活性ガス雰囲気は、例えば、Nガス雰囲気である。ステップS261における加熱温度は、好ましくは300℃〜600℃であり、より好ましくは310℃〜550℃であり、さらに好ましくは350℃〜500℃である。また、加熱時間は、好ましくは5時間〜12時間であり、より好ましくは5時間〜10時間であり、さらに好ましくは6時間〜8時間である。
そして、ステップS261よりも後に、ゼオライト膜12を酸化性ガス雰囲気にて加熱する(ステップS262)。これにより、ゼオライト膜12中の炭化した吸着有機物が部分的に燃焼除去されるとともに、炭化した吸着有機物の一部が上述の残留物としてゼオライト膜12内に残留する。
ステップS262の酸化性ガス雰囲気は、酸素を含む雰囲気であり、例えば大気中である。ステップS262における加熱温度は、好ましくは300℃〜600℃であり、より好ましくは310℃〜550℃であり、さらに好ましくは350℃〜500℃である。また、加熱時間は、5時間〜12時間であり、より好ましくは5時間〜10時間であり、さらに好ましくは6時間〜8時間である。
ステップS26では、必ずしもステップS261〜S262のように、加熱条件が異なる2回の加熱が行われる必要はない。例えば、ステップS25にて有機物が吸着されたゼオライト膜12を、単一の加熱条件で加熱処理することにより、ゼオライト膜12内の吸着有機物を部分的に燃焼除去して、一部の吸着有機物を炭化させた上で残留物としてゼオライト膜12内に残留させてもよい。この場合、ゼオライト膜12の加熱は、酸化性ガス雰囲気(例えば、大気中)にて行われる。加熱温度は、好ましくは300℃〜600℃であり、より好ましくは310℃〜550℃であり、さらに好ましくは350℃〜500℃である。また、加熱時間は、5時間〜12時間であり、より好ましくは5時間〜10時間であり、さらに好ましくは6時間〜8時間である。
次に、図6および図7を参照しつつ、ゼオライト膜複合体1を利用した混合物質の分離について説明する。図6は、分離装置2を示す図である。図7は、分離装置2による混合物質の分離の流れを示す図である。
分離装置2では、複数種類の流体(すなわち、ガスまたは液体)を含む混合物質をゼオライト膜複合体1に供給し、混合物質中の透過性が高い物質を、ゼオライト膜複合体1を透過させることにより他の物質から分離させる。分離装置2における分離は、例えば、透過性が高い物質を混合物質から抽出する目的で行われてもよく、透過性が低い物質を濃縮する目的で行われてもよい。
当該混合物質(すなわち、混合流体)は、上述のように、複数種類のガスを含む混合ガスであってもよく、複数種類の液体を含む混合液であってもよく、ガスおよび液体の双方を含む気液二相流体であってもよい。
分離装置2では、20℃〜400℃におけるゼオライト膜複合体1のCOの透過量(パーミエンス)は、例えば100nmol/m・s・Pa以上である。また、20℃〜400℃におけるゼオライト膜複合体1のCOの透過量/CH漏れ量比(パーミエンス比)は、例えば100以上である。当該パーミエンスおよびパーミエンス比は、ゼオライト膜複合体1の供給側と透過側とのCOの分圧差が1.5MPaである場合のものである。
混合物質は、例えば、水素(H)、ヘリウム(He)、窒素(N)、酸素(O)、水(HO)、水蒸気(HO)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO)、窒素酸化物、アンモニア(NH)、硫黄酸化物、硫化水素(HS)、フッ化硫黄、水銀(Hg)、アルシン(AsH)、シアン化水素(HCN)、硫化カルボニル(COS)、C1〜C8の炭化水素、有機酸、アルコール、メルカプタン類、エステル、エーテル、ケトンおよびアルデヒドのうち、1種類以上の物質を含む。
窒素酸化物とは、窒素と酸素の化合物である。上述の窒素酸化物は、例えば、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO)、亜酸化窒素(一酸化二窒素ともいう。)(NO)、三酸化二窒素(N)、四酸化二窒素(N)、五酸化二窒素(N)等のNO(ノックス)と呼ばれるガスである。
硫黄酸化物とは、硫黄と酸素の化合物である。上述の硫黄酸化物は、例えば、二酸化硫黄(SO)、三酸化硫黄(SO)等のSO(ソックス)と呼ばれるガスである。
フッ化硫黄とは、フッ素と硫黄の化合物である。上述のフッ化硫黄は、例えば、二フッ化二硫黄(F−S−S−F,S=SF)、二フッ化硫黄(SF)、四フッ化硫黄(SF)、六フッ化硫黄(SF)または十フッ化二硫黄(S10)等である。
C1〜C8の炭化水素とは、炭素が1個以上かつ8個以下の炭化水素である。C3〜C8の炭化水素は、直鎖化合物、側鎖化合物および環式化合物のうちいずれであってもよい。また、C3〜C8の炭化水素は、飽和炭化水素(すなわち、2重結合および3重結合が分子中に存在しないもの)、不飽和炭化水素(すなわち、2重結合および/または3重結合が分子中に存在するもの)のどちらであってもよい。C1〜C4の炭化水素は、例えば、メタン(CH)、エタン(C)、エチレン(C)、プロパン(C)、プロピレン(C)、ノルマルブタン(CH(CHCH)、イソブタン(CH(CH)、1−ブテン(CH=CHCHCH)、2−ブテン(CHCH=CHCH)またはイソブテン(CH=C(CH)である。
上述の有機酸は、カルボン酸またはスルホン酸等である。カルボン酸は、例えば、ギ酸(CH)、酢酸(C)、シュウ酸(C)、アクリル酸(C)または安息香酸(CCOOH)等である。スルホン酸は、例えばエタンスルホン酸(CS)等である。当該有機酸は、鎖式化合物であってもよく、環式化合物であってもよい。
上述のアルコールは、例えば、メタノール(CHOH)、エタノール(COH)、イソプロパノール(2−プロパノール)(CHCH(OH)CH)、エチレングリコール(CH(OH)CH(OH))またはブタノール(COH)等である。
メルカプタン類とは、水素化された硫黄(SH)を末端に持つ有機化合物であり、チオール、または、チオアルコールとも呼ばれる物質である。上述のメルカプタン類は、例えば、メチルメルカプタン(CHSH)、エチルメルカプタン(CSH)または1−プロパンチオール(CSH)等である。
上述のエステルは、例えば、ギ酸エステルまたは酢酸エステル等である。
上述のエーテルは、例えば、ジメチルエーテル((CHO)、メチルエチルエーテル(COCH)またはジエチルエーテル((CO)等である。
上述のケトンは、例えば、アセトン((CHCO)、メチルエチルケトン(CCOCH)またはジエチルケトン((CCO)等である。
上述のアルデヒドは、例えば、アセトアルデヒド(CHCHO)、プロピオンアルデヒド(CCHO)またはブタナール(ブチルアルデヒド)(CCHO)等である。
以下の説明では、分離装置2により分離される混合物質は、複数種類のガスを含む混合ガスであるものとして説明する。
分離装置2は、ゼオライト膜複合体1と、封止部21と、外筒22と、シール部材23と、供給部26と、第1回収部27と、第2回収部28とを備える。ゼオライト膜複合体1、封止部21およびシール部材23は、外筒22内に収容される。供給部26、第1回収部27および第2回収部28は、外筒22の外部に配置されて外筒22に接続される。
封止部21は、ゼオライト膜複合体1の支持体11の長手方向両端部に取り付けられ、支持体11の長手方向両端面を被覆して封止する部材である。封止部21は、支持体11の当該両端面からのガスの流入および流出を防止する。封止部21は、例えば、ガラスにより形成された板状部材である。封止部21の材料および形状は、適宜変更されてよい。なお、支持体11の貫通孔111の長手方向両端は、封止部21により被覆されていない。したがって、当該両端から貫通孔111への混合ガスの流入および流出は可能である。
外筒22は、略円筒状の筒状部材である。ゼオライト膜複合体1の長手方向(すなわち、図中の左右方向)は、外筒22の長手方向に略平行である。外筒22の長手方向の一方の端部(すなわち、図中の左側の端部)には供給ポート221が設けられ、他方の端部には第1排出ポート222が設けられる。外筒22の側面には、第2排出ポート223が設けられる。外筒22の内部空間は、外筒22の周囲の空間から隔離された密閉空間である。
供給ポート221には、供給部26が接続される。供給部26は、混合ガスを、供給ポート221を介して外筒22の内部空間に供給する。供給部26は、例えば、外筒22に向けて混合ガスを圧送するブロワーである。当該ブロワーは、外筒22に供給する混合ガスの圧力を調節する圧力調節部を備える。第1排出ポート222には、第1回収部27が接続される。第2排出ポート223には、第2回収部28が接続される。第1回収部27および第2回収部28は、例えば、外筒22から導出されたガスを貯留する貯留容器である。
シール部材23は、ゼオライト膜複合体1の長手方向両端部近傍において、ゼオライト膜複合体1の外側面(すなわち、支持体11の外側面)と外筒22の内側面との間に、全周に亘って配置される。シール部材23は、ガスが透過不能な材料により形成された略円環状の部材である。シール部材23は、例えば、可撓性を有する樹脂により形成されたOリングである。シール部材23は、ゼオライト膜複合体1の外側面および外筒22の内側面に全周に亘って密着する。シール部材23とゼオライト膜複合体1の外側面との間、および、シール部材23と外筒22の内側面との間は、シールされており、ガスの通過は不能である。
混合ガスの分離が行われる際には、上述の分離装置2が用意されることにより、ゼオライト膜複合体1が準備される(ステップS31)。続いて、供給部26により、ゼオライト膜12に対する透過性が異なる複数種類のガスを含む混合ガスが、外筒22の内部空間に供給される。例えば、混合ガスの主成分は、COおよびCHである。混合ガスには、COおよびCH以外のガスが含まれていてもよい。供給部26から外筒22の内部空間に供給される混合ガスの圧力(すなわち、導入圧)は、例えば、0.1MPa〜10.0MPaである。第2排出ポート223を介して第2回収部28により回収される混合ガスの圧力(すなわち、透過圧)は、例えば、大気圧である。第1排出ポート222を介して第1回収部27により回収される混合ガスの圧力(すなわち、非透過圧)は、例えば、導入圧と同等である。混合ガスの分離が行われる温度は、例えば、10℃〜150℃である。
供給部26から外筒22に供給された混合ガスは、矢印251にて示すように、ゼオライト膜複合体1の図中の左端から、支持体11の各貫通孔111内に導入される。混合ガス中の透過性が高いガス(例えば、COであり、以下、「高透過性物質」と呼ぶ。)は、各貫通孔111の内側面上に設けられたゼオライト膜12、および、支持体11を透過して支持体11の外側面から導出される。これにより、高透過性物質が、混合ガス中の透過性が低いガス(例えば、CHであり、以下、「低透過性物質」と呼ぶ。)から分離される(ステップS32)。支持体11の外側面から導出されたガス(すなわち、高透過性物質)は、矢印253にて示すように、第2排出ポート223を介して第2回収部28により回収される。
また、混合ガスのうち、ゼオライト膜12および支持体11を透過したガスを除くガス(以下、「不透過物質」と呼ぶ。)は、支持体11の各貫通孔111を図中の左側から右側へと通過し、矢印252にて示すように、第1排出ポート222を介して第1回収部27により回収される。不透過物質には、上述の低透過性物質以外に、ゼオライト膜12を透過しなかった高透過性物質が含まれていてもよい。
次に、表1〜表2を参照しつつ、ゼオライト膜12内の残留物と、ゼオライト膜12の透過性能および分離性能との関係を示す実施例1〜8および比較例1〜6について説明する。表2では、表の理解を容易にするために、表1の一部を再度記載している。
Figure 2019181456
Figure 2019181456
表2では、実施例1〜8のゼオライト膜12、および、比較例1〜6のゼオライト膜について、COの透過量、および、CH透過量/CF透過量比の測定結果を示す。当該測定は、上述の分離装置2を利用して行った。
CO透過量、および、CH透過量/CF透過量比は、各ガス(CO、CHまたはCF)の単成分を用いて測定した各ガス(CO、CHまたはCF)の透過量から求めた。各ガスの透過量を測定する際には、分離装置2の供給部26から外筒22内に導入圧0.1MPaにて各ガスを供給した。そして、単位時間当たりに第2回収部28において回収された各ガスの量を上述の各ガス(CO、CHまたはCF)の透過量として取得した。ここで、第2排出ポート223を介して第2回収部28により回収される混合ガスの圧力(すなわち、透過圧)、は、大気圧であった。第1排出ポート222を介して第1回収部27により回収される混合ガスの圧力(すなわち、非透過圧)は、0.1MPaであった。各ガスの透過量を測定する際の温度は、室温であった。さらに、上記方法によって得られたCHの透過量を、上記方法によって得られたCFの透過量で除算することにより、CH透過量/CF透過量比を算出した。
表2中の「P(CO)/P0(CO)」は、比較例1のゼオライト膜のCO透過量に対する、各実施例および各比較例のゼオライト膜のCO透過量の割合であり、以下の説明では、「相対透過率」と呼ぶ。表2中の「α(CH/CF)/α0(CH/CF)」は、比較例1のゼオライト膜のCH透過量/CF透過量比に対する、各実施例および各比較例のゼオライト膜のCH透過量/CF透過量比の割合であり、以下の説明では、「相対分離率」と呼ぶ。COの分子径は0.33nmであり、CHの分子径は0.38nmであり、CFの分子径は0.47nmである。
比較例1では、ゼオライト膜複合体の製造の際に、ゼオライト膜に含まれるSDAを加熱処理によりほぼ完全に燃焼除去した。したがって、ゼオライト膜における残留物の残留率は実質的に0%であった。すなわち、比較例1のゼオライト膜は、内部に有機物由来の残留物を実質的に含まないゼオライト膜であり、以下、「非残留ゼオライト膜」と呼ぶ。比較例1の加熱回数は1回であり、加熱温度および加熱時間はそれぞれ、500℃および50時間であった。
比較例2、実施例1〜4、比較例3では、ゼオライト膜複合体の製造の際に、ゼオライト膜に含まれるSDAを加熱処理により部分的に燃焼除去し、SDAの一部を炭化させた上でゼオライト膜の内部に残留物として残留させた(ステップS14)。比較例2、実施例1〜4、比較例3の加熱回数は2回であった。1回目の不活性ガス雰囲気下での加熱温度および加熱時間はそれぞれ、460℃および40時間であった。2回目の加熱処理における加熱時間は、比較例2では400℃および50時間であり、実施例1では420℃および40時間であり、実施例2では440℃および40時間であり、実施例3では440℃および42時間であり、実施例4では450℃および40時間であり、比較例3では460℃および40時間である。
比較例2のゼオライト膜における残留物の残留率は、2.3重量%であった。比較例2の相対透過率(すなわち、比較例2のCO透過量を、比較例1の非残留ゼオライト膜のCO透過量により除算した値)は、66%と小さかった。比較例2の相対分離率(すなわち、比較例2のCH透過量/CF透過量比を、比較例1の非残留ゼオライト膜のCH透過量/CF透過量比により除算した値)は、104%であった。比較例2のゼオライト膜では、残留物の量が多いため、CO透過量が減少したと考えられる。
実施例1〜4のゼオライト膜12における残留物の残留率はそれぞれ、1.9重量%、1.3重量%、0.9重量%、0.6重量%であった。実施例1〜4の相対透過率はそれぞれ、81%、86%、90%、92%であった。実施例1〜4の相対分離率はそれぞれ、121%、140%、124%、108%であった。すなわち、実施例1〜4の相対透過率は70%〜100%の範囲内であり、相対分離率は105%〜140%の範囲内であった。
実施例1〜4では、残留物の残留率が0.6重量%から増大するに従って相対分離率が増大し、残留率が1.3重量%のとき(実施例2)に最大値を示し、その後、残留率の増大に伴って相対分離率は減少している。これは、残留率の変化に対するCHおよびCFの透過量の変化の差に起因するものと考えられる。具体的には、CFの透過量は、残留率が1.3重量%以下の範囲では残留率の増大に伴って漸次減少し、残留率が1.3重量%よりも大きくなるとおよそ一定になるのに対し、CHの透過量は、残留率が0.6重量%〜2.0重量%の範囲で増大するに従って漸次減少している、と考えられる。
比較例3のゼオライト膜における残留物の残留率は、0.4重量%であった。比較例3の相対透過率は98%であり、相対分離率は99%であった。すなわち、比較例3のCO透過量およびCH透過量/CF透過量比は、比較例1とおよそ同じであった。比較例3のゼオライト膜では、残留物の量が少ないため、CH透過量/CF透過量比が増大しなかったと考えられる。
実施例5〜6では、実施例1〜4と同様に、ゼオライト膜複合体1の製造の際に、ゼオライト膜12に含まれるSDAを加熱処理により部分的に燃焼除去し、SDAの一部を炭化させた上でゼオライト膜12の内部に残留物として残留させた(ステップS14)。実施例5〜6の加熱回数は1回であり、加熱温度はそれぞれ420℃および450℃であり、加熱時間は42時間であった。
実施例5〜6のゼオライト膜12における残留物の残留率はそれぞれ、1.9重量%、0.8重量%であった。実施例5〜6の相対透過率はそれぞれ、83%、90%であった。実施例5〜6の相対分離率はそれぞれ、111%、106%であった。すなわち、実施例5〜6の相対透過率は70%〜100%の範囲内であり、相対分離率は105%〜140%の範囲内であった。
実施例5〜6の相対透過率および相対分離率はそれぞれ、残留物の残留率が等しい実施例1,4の相対透過率および相対分離率とおよそ等しい。すなわち、ゼオライト膜12からSDAを燃焼除去する際(ステップS14)の加熱回数が1回であっても、2回であっても、ゼオライト膜12における残留物の残留率を0.6重量%〜2.0重量%とすることにより、相対透過率を70%〜100%の範囲内とすることができ、相対分離率を105%〜140%の範囲内とすることができる。
比較例4では、ゼオライト膜に有機物を吸着させた後(ステップS25)、ゼオライト膜に含まれる吸着有機物を燃焼除去することなく、吸着有機物の略全量をゼオライト膜の内部に残留させた。比較例4の相対透過率は、52%と小さかった。比較例4の相対分離率は、87%であった。比較例4のゼオライト膜では、吸着有機物の量が多いため、CO透過量が減少したと考えられる。
実施例7〜8では、ゼオライト膜12に有機物を吸着させた後(ステップS25)、ゼオライト膜12に含まれる吸着有機物を加熱処理により部分的に燃焼除去し、吸着有機物の一部を炭化させた上でゼオライト膜12の内部に残留物として残留させた(ステップS26)。実施例7の加熱回数は2回であった。1回目の不活性ガス雰囲気下での加熱温度および加熱時間はそれぞれ、380℃および8時間であり、2回目の酸化性ガス雰囲気下での加熱温度および加熱時間はそれぞれ、380℃および6時間であった。実施例8の加熱回数は1回であり、加熱温度は380℃であり、加熱時間は8時間であった。
実施例7〜8のゼオライト膜12における残留物の残留率はそれぞれ1.8重量%および1.7重量%であった。実施例7〜8の相対透過率はそれぞれ、83%、84%であった。実施例7〜8の相対分離率はそれぞれ、123%、120%であった。すなわち、実施例7〜8の相対透過率は70%〜100%の範囲内であり、相対分離率は105%〜140%の範囲内であった。
実施例7〜8の相対透過率および相対分離率はそれぞれ、残留物の残留率が等しい実施例1の相対透過率および相対分離率とおよそ等しい。すなわち、ゼオライト膜12に含まれる残留物が、SDA由来のものであっても、吸着有機物由来のものであっても、上記と同様に、ゼオライト膜12における残留物の残留率を0.6重量%〜2.0重量%とすることにより、相対透過率を70%〜100%の範囲内とすることができ、相対分離率を105%〜140%の範囲内とすることができる。
比較例5では、ゼオライト膜複合体の製造の際に、不活性ガス雰囲気における加熱処理によりゼオライト膜に含まれるSDAを炭化させた上で、ゼオライト膜の内部に残留物として残留させた。比較例6では、ゼオライト膜に有機物を吸着させた後、不活性ガス雰囲気における加熱処理によりゼオライト膜に含まれる吸着有機物を炭化させた上で、ゼオライト膜の内部に残留物として残留させた。比較例5〜6では、酸化性ガス雰囲気におけるゼオライト膜の加熱処理は行っていない。比較例5〜6の加熱回数は1回であり、加熱温度は460℃であり、加熱時間は40時間であった。
比較例5〜6のゼオライト膜における残留物の残留率はそれぞれ、12.6重量%、4.3重量%であった。比較例5〜6の相対透過率はそれぞれ、0%、53%と小さかった。比較例5〜6のゼオライト膜では、炭化したSDAまたは炭化した吸着有機物の量が多いため、および/または、炭化したSDAまたは炭化した吸着有機物が大きいため、CO透過量が減少したと考えられる。
なお、上述の実施例1〜8は、あくまでもゼオライト膜12の性能を評価するためのものであり、分離装置2等においてゼオライト膜12により分離される物質を、CO、CHおよびCFに限定するものではない。
以上に説明したように、ゼオライト膜複合体1は、多孔質の支持体11と、支持体11上に形成されたゼオライト膜12とを備える。ゼオライト膜12は、内部に有機物由来の残留物を含む。実施例1〜8からも分かるように、ゼオライト膜12のCO透過量は、内部に有機物由来の残留物を含まないゼオライト膜である非残留ゼオライト膜のCO透過量の70%以上かつ100%以下である。また、ゼオライト膜12のCH透過量/CF透過量比は、非残留ゼオライト膜のCH透過量/CF透過量比の105%以上かつ140%以下である。
このように、ゼオライト膜複合体1では、ゼオライト膜12の内部に好適な大きさおよび好適な量の残留物を残留させることにより、非残留ゼオライト膜と比較して、ゼオライト膜12のCO透過量の減少を抑制しつつ、COおよびCHよりも分子径が大きいCFのゼオライト膜12への浸入を抑制することができる。したがって、ゼオライト膜複合体1では、ゼオライト膜12による選択的透過の対象である透過対象物質(例えば、CO等)の好適な透過量を実現することができる。また、透過対象物質よりも分子径が大きい不純物(例えば、CF)のゼオライト膜12内への浸入を抑制することができるため、透過対象物質の透過性能および分離性能を向上することができる。
上述のように、ゼオライト膜12の最大員環数は8であることが好ましい。これにより、分子径が比較的小さいCO等の透過対象物質の選択的透過を好適に実現し、当該透過対象物質を混合物質から効率良く分離することができる。
上述のように、ゼオライト膜12における残留物の残留率は、0.6重量%以上かつ2.0重量%以下であることが好ましい。これにより、実施例1〜8からも分かるように、ゼオライト膜12において、透過対象物質のより好適な透過量を実現することができるとともに、不純物のゼオライト膜12内への浸入をさらに抑制することができる。
上述のように、ゼオライト膜12に含まれる残留物は炭素(C)であることが好ましい。この場合、有機物を内部に含むゼオライト膜12を加熱することにより、残留物を容易に生成することができる。
上述のように、ゼオライト膜複合体1の製造方法は、種結晶を準備する工程(ステップS11)と、多孔質の支持体11上に種結晶を付着させる工程(ステップS12)と、原料溶液に支持体11を浸漬し、水熱合成により種結晶からゼオライトを成長させて支持体11上にゼオライト膜12を形成する工程(ステップS13)と、ゼオライト膜12を加熱することにより、ゼオライト膜12からSDAを部分的に除去するとともに、SDAの一部をゼオライト膜12の内部に残留物として残留させる工程(ステップS14)とを備える。ステップS14よりも後のゼオライト膜12のCO透過量は、内部に有機物由来の残留物を含まないゼオライト膜である非残留ゼオライト膜のCO透過量の70%以上かつ100%以下である。また、ステップS14よりも後のゼオライト膜12のCH透過量/CF透過量比は、非残留ゼオライト膜のCH透過量/CF透過量比の105%以上かつ140%以下である。これにより、透過対象物質を好適に透過するとともに不純物の浸入を抑制することができるゼオライト膜12を容易に製造することができる。
上述のように、ステップS14は、ステップS13にて形成されたゼオライト膜12を不活性ガス雰囲気にて加熱する工程(ステップS141)と、ステップS141よりも後に、ゼオライト膜12を酸化性ガス雰囲気にて加熱する工程(ステップS142)とを備えることが好ましい。これにより、1回の加熱処理によって残留物を生成する場合に比べて、ゼオライト膜12内の残留物の量(すなわち、残留率)を容易に制御することができる。また、予めSDAを熱分解させることで、1回の加熱処理によって残留物を生成する場合に比べて、ゼオライト膜12内の残留物を小さくすることができる。よって、8員環ゼオライトの比較的小さい細孔を閉塞することのない、適切な大きさの残留物を残すことができる。
具体的には、ステップS141においてSDA全量を略均一に炭化させた後、ステップS142において、炭化したSDAを燃焼除去することにより、ステップS142の加熱条件(すなわち、加熱温度および加熱時間)と、残留物の残存率との関係性が非常に高い。換言すれば、ステップS142の加熱条件を同一にした場合の残留率の再現性が非常に高い。したがって、上述のように、加熱処理を2段階に分けることにより、ゼオライト膜12内の残留物の量(すなわち、残留率)を容易に制御することができる。
また、ステップS14では、ステップS141とステップS142との間において、ゼオライト膜12内における残留物(すなわち、ステップS141にて炭化されたSDA)の重量等を測定し、測定結果に基づいて、ステップS142の加熱温度および加熱時間を調整する工程が行われてもよい。これにより、ステップS142終了後のゼオライト膜12における残留物の量(すなわち、残留率)の制御精度を向上することができる。
ゼオライト膜複合体1の製造方法は、上述のように、ステップS11〜S14には限定されない。例えば、ゼオライト膜複合体1の他の製造方法は、支持体11上に形成され、SDAが内部から除去されたゼオライト膜12に有機物を吸着させる工程(ステップS25)と、ゼオライト膜12を加熱することにより、ゼオライト膜12から当該有機物を部分的に除去するとともに、有機物の一部をゼオライト膜12の内部に残留物として残留させる工程(ステップS26)とを備える。ステップS26よりも後のゼオライト膜12のCO透過量は、内部に有機物由来の残留物を含まないゼオライト膜である非残留ゼオライト膜のCO透過量の70%以上かつ100%以下である。また、ステップS26よりも後のゼオライト膜12のCH透過量/CF透過量比は、非残留ゼオライト膜のCH透過量/CF透過量比の105%以上かつ140%以下である。これにより、上記と同様に、透過対象物質を好適に透過するとともに不純物の浸入を抑制することができるゼオライト膜12を容易に製造することができる。
上述のように、ステップS26は、ステップS25にて形成されたゼオライト膜12を不活性ガス雰囲気にて加熱する工程(ステップS261)と、ステップS261よりも後に、ゼオライト膜12を酸化性ガス雰囲気にて加熱する工程(ステップS262)とを備えることが好ましい。これにより、上述のステップS141〜S142と同様に、1回の加熱処理によって残留物を生成する場合に比べて、ゼオライト膜12内の残留物の量および残留物の大きさを容易に制御することができる。
また、ステップS26では、ステップS14と同様に、ステップS261とステップS262との間において、ゼオライト膜12内における残留物(すなわち、ステップS261にて炭化された吸着有機物)の重量等を測定し、測定結果に基づいて、ステップS262の加熱温度および加熱時間を調整する工程が行われてもよい。これにより、ステップS262終了後のゼオライト膜12における残留物の量(すなわち、残留率)の制御精度を向上することができる。
上述の分離方法は、ゼオライト膜複合体1を準備する工程(ステップS31)と、複数種類のガスまたは液体を含む混合物質をゼオライト膜複合体1に供給し、当該混合物質中の透過性が高い物質を、ゼオライト膜複合体1を透過させることにより他の物質から分離する工程(ステップS32)とを備える。
上述のように、ゼオライト膜12は、透過対象物質の好適な透過量を実現することができるとともに、不純物のゼオライト膜12内への浸入を抑制することができる。したがって、当該分離方法により、混合物質を効率良く分離することができる。また、当該分離方法は、水素、ヘリウム、窒素、酸素、水、水蒸気、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物、アンモニア、硫黄酸化物、硫化水素、フッ化硫黄、水銀、アルシン、シアン化水素、硫化カルボニル、C1〜C8の炭化水素、有機酸、アルコール、メルカプタン類、エステル、エーテル、ケトンおよびアルデヒドのうち、1種類以上の物質を含む混合物質の分離に特に適している。
上述のゼオライト膜複合体1、ゼオライト膜複合体1の製造方法、および、分離方法では、様々な変更が可能である。
例えば、ゼオライト膜12の最大員環数は8よりも小さくてもよく、8よりも大きくてもよい。
ゼオライト膜12における有機物由来の残留物の残留率は、0.6重量%未満であってもよく、2.0重量%よりも大きくてもよい。
ゼオライト膜12に含まれる有機物由来の残留物は、必ずしも炭素には限定されず、他の物質であってもよい。
ゼオライト膜複合体1の製造方法では、例えば、ステップS14において異なる加熱条件下における3回以上の加熱処理が行われてもよい。ステップS26においても同様である。
ステップS25では、有機物が吸着されるゼオライト膜12は、必ずしも、SDAがほぼ完全に除去された製造途上のゼオライト膜12には限定されない。例えば、製造時に内部のSDAがほぼ完全に、または、部分的に除去されたゼオライト膜12を、分離装置2等において混合物質の分離に使用することにより、当該分離の過程で有機物がゼオライト膜12の内部に付着する(ステップS25)。そして、使用後のゼオライト膜12に対するステップS26の加熱処理が行われることにより、内部に残留物を含むゼオライト膜12が得られてもよい。この場合、ステップS26の加熱処理は、ゼオライト膜12の透過性能を回復させる回復処理でもある。
分離装置2および分離方法では、上記説明にて例示した物質以外の物質が、混合物質から分離されてもよい。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
本発明のゼオライト膜複合体は、例えば、ガス分離膜として利用可能であり、さらには、ガス以外の分離膜や様々な物質の吸着膜等として、ゼオライトが利用される様々な分野で利用可能である。
1 ゼオライト膜複合体
11 支持体
12 ゼオライト膜
S11〜S14,S21〜S26,S31〜S32,S141〜S142,S261〜S262 ステップ

Claims (12)

  1. ゼオライト膜複合体であって、
    多孔質の支持体と、
    前記支持体上に形成されたゼオライト膜と、
    を備え、
    前記ゼオライト膜は、内部に有機物由来の残留物を含み、
    前記ゼオライト膜の二酸化炭素透過量は、内部に有機物由来の残留物を含まないゼオライト膜である非残留ゼオライト膜の二酸化炭素透過量の70%以上かつ100%以下であり、
    前記ゼオライト膜のメタン透過量/四フッ化炭素透過量比は、前記非残留ゼオライト膜のメタン透過量/四フッ化炭素透過量比の105%以上かつ140%以下であることを特徴とするゼオライト膜複合体。
  2. 請求項1に記載のゼオライト膜複合体であって、
    前記ゼオライト膜の最大員環数は8であることを特徴とするゼオライト膜複合体。
  3. 請求項1または2に記載のゼオライト膜複合体であって、
    前記ゼオライト膜における前記残留物の残留率は、0.6重量%以上かつ2.0重量%以下であることを特徴とするゼオライト膜複合体。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つに記載のゼオライト膜複合体であって、
    前記ゼオライト膜に含まれる前記残留物は炭素であることを特徴とするゼオライト膜複合体。
  5. ゼオライト膜複合体の製造方法であって、
    a)種結晶を準備する工程と、
    b)多孔質の支持体上に前記種結晶を付着させる工程と、
    c)原料溶液に前記支持体を浸漬し、水熱合成により前記種結晶からゼオライトを成長させて前記支持体上にゼオライト膜を形成する工程と、
    d)前記ゼオライト膜を加熱することにより、前記ゼオライト膜から構造規定剤を部分的に除去するとともに、前記構造規定剤の一部を前記ゼオライト膜の内部に残留物として残留させる工程と、
    を備え、
    前記d)工程よりも後の前記ゼオライト膜の二酸化炭素透過量は、内部に有機物由来の残留物を含まないゼオライト膜である非残留ゼオライト膜の二酸化炭素透過量の70%以上かつ100%以下であり、
    前記d)工程よりも後の前記ゼオライト膜のメタン透過量/四フッ化炭素透過量比は、前記非残留ゼオライト膜のメタン透過量/四フッ化炭素透過量比の105%以上かつ140%以下であることを特徴とするゼオライト膜複合体の製造方法。
  6. 請求項5に記載のゼオライト膜複合体の製造方法であって、
    前記d)工程は、
    d1)前記c)工程にて形成された前記ゼオライト膜を不活性ガス雰囲気にて加熱する工程と、
    d2)前記d1)工程よりも後に、前記ゼオライト膜を酸化性ガス雰囲気にて加熱する工程と、
    を備えることを特徴とするゼオライト膜複合体の製造方法。
  7. ゼオライト膜複合体の製造方法であって、
    a)種結晶を準備する工程と、
    b)多孔質の支持体上に前記種結晶を付着させる工程と、
    c)原料溶液に前記支持体を浸漬し、水熱合成により前記種結晶からゼオライトを成長させて前記支持体上にゼオライト膜を形成する工程と、
    d)前記ゼオライト膜を加熱することにより、前記ゼオライト膜から構造規定剤を部分的に除去するとともに、前記構造規定剤の一部を前記ゼオライト膜の内部に残留物として残留させる工程と、
    を備え、
    前記d)工程は、
    d1)前記c)工程にて形成された前記ゼオライト膜を不活性ガス雰囲気にて加熱する工程と、
    d2)前記d1)工程よりも後に、前記ゼオライト膜を酸化性ガス雰囲気にて加熱する工程と、
    を備えることを特徴とするゼオライト膜複合体の製造方法。
  8. ゼオライト膜複合体の製造方法であって、
    a)支持体上に形成され、構造規定剤が内部から除去されたゼオライト膜に有機物を吸着させる工程と、
    b)前記ゼオライト膜を加熱することにより、前記ゼオライト膜から前記有機物を部分的に除去するとともに、前記有機物の一部を前記ゼオライト膜の内部に残留物として残留させる工程と、
    を備え、
    前記b)工程よりも後の前記ゼオライト膜の二酸化炭素透過量は、内部に有機物由来の残留物を含まないゼオライト膜である非残留ゼオライト膜の二酸化炭素透過量の70%以上かつ100%以下であり、
    前記b)工程よりも後の前記ゼオライト膜のメタン透過量/四フッ化炭素透過量比は、前記非残留ゼオライト膜のメタン透過量/四フッ化炭素透過量比の105%以上かつ140%以下であることを特徴とするゼオライト膜複合体の製造方法。
  9. 請求項8に記載のゼオライト膜複合体の製造方法であって、
    前記b)工程は、
    b1)前記a)工程にて形成された前記ゼオライト膜を不活性ガス雰囲気にて加熱する工程と、
    b2)前記b1)工程よりも後に、前記ゼオライト膜を酸化性ガス雰囲気にて加熱する工程と、
    を備えることを特徴とするゼオライト膜複合体の製造方法。
  10. ゼオライト膜複合体の製造方法であって、
    a)支持体上に形成され、構造規定剤が内部から除去されたゼオライト膜に有機物を吸着させる工程と、
    b)前記ゼオライト膜を加熱することにより、前記ゼオライト膜から前記有機物を部分的に除去するとともに、前記有機物の一部を前記ゼオライト膜の内部に残留物として残留させる工程と、
    を備え、
    前記b)工程は、
    b1)前記a)工程にて形成された前記ゼオライト膜を不活性ガス雰囲気にて加熱する工程と、
    b2)前記b1)工程よりも後に、前記ゼオライト膜を酸化性ガス雰囲気にて加熱する工程と、
    を備えることを特徴とするゼオライト膜複合体の製造方法。
  11. 分離方法であって、
    a)請求項1ないし4のいずれか1つに記載のゼオライト膜複合体を準備する工程と、
    b)複数種類の気体または液体を含む混合物質を前記ゼオライト膜複合体に供給し、前記混合物質中の透過性が高い物質を、前記ゼオライト膜複合体を透過させることにより他の物質から分離する工程と、
    を備えることを特徴とする分離方法。
  12. 請求項11に記載の分離方法であって、
    前記混合物質は、水素、ヘリウム、窒素、酸素、水、水蒸気、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物、アンモニア、硫黄酸化物、硫化水素、フッ化硫黄、水銀、アルシン、シアン化水素、硫化カルボニル、C1〜C8の炭化水素、有機酸、アルコール、メルカプタン類、エステル、エーテル、ケトンおよびアルデヒドのうち、1種類以上を含むことを特徴とする分離方法。
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