JP2019179911A - 熱電変換モジュール - Google Patents

熱電変換モジュール Download PDF

Info

Publication number
JP2019179911A
JP2019179911A JP2018070213A JP2018070213A JP2019179911A JP 2019179911 A JP2019179911 A JP 2019179911A JP 2018070213 A JP2018070213 A JP 2018070213A JP 2018070213 A JP2018070213 A JP 2018070213A JP 2019179911 A JP2019179911 A JP 2019179911A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
high thermal
conductive layer
thermal conductive
layer
thermoelectric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018070213A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7149476B2 (ja
Inventor
邦久 加藤
Kunihisa Kato
邦久 加藤
亘 森田
Wataru Morita
亘 森田
豪志 武藤
Takeshi Muto
豪志 武藤
祐馬 勝田
Yuma Katsuta
祐馬 勝田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lintec Corp
Original Assignee
Lintec Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lintec Corp filed Critical Lintec Corp
Priority to JP2018070213A priority Critical patent/JP7149476B2/ja
Publication of JP2019179911A publication Critical patent/JP2019179911A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7149476B2 publication Critical patent/JP7149476B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

【課題】熱電変換モジュールの内部の熱電素子層に対し、効率良く面内方向に十分な温度差が付与された高い熱電性能を有する熱電変換モジュールを提供する。【解決手段】フィルム基板の一方の面に、P型熱電素子層とN型熱電素子層とが交互に隣接して配置されてなる熱電素子層、低熱伝導層、及び高熱伝導性材料からなる高熱伝導層Bをこの順に含み、且つ前記フィルム基板の他方の面に高熱伝導性材料からなる高熱伝導層Aを含む熱電変換モジュールであって、前記フィルム基板の他方の面の高熱伝導層Aが、該フィルム基板の他方の面の一部に直接接する、熱電変換モジュール。【選択図】図1

Description

本発明は、熱電変換モジュールに関する。
従来から、熱電変換を利用したエネルギー変換技術として、熱電発電技術及びペルチェ冷却技術が知られている。熱電発電技術は、ゼーベック効果による熱エネルギーから電気エネルギーへの変換を利用した技術であり、この技術は、特にビル、工場等で使用される化石燃料資源等から発生する未利用の廃熱エネルギーを電気エネルギーとして、しかも動作コストを掛ける必要なく、回収できる省エネルギー技術として大きな脚光を浴びている。
これに対し、ペルチェ冷却技術は、熱電発電の逆で、ペルチェ効果による電気エネルギーから熱エネルギーへの変換を利用した技術であり、この技術は、例えば、ワインクーラー、小型で携帯が可能な冷蔵庫、またコンピュータ等に用いられるCPU用の冷却、さらに光通信の半導体レーザー発振器の温度制御等の精密な温度制御が必要な部品や装置に用いられている。
このような熱電変換を利用した熱電変換素子において、インプレーン型の熱電変換素子が知られている。インプレーン型とは、例えば、温度差を熱電変換層の厚さ方向ではなく、熱電変換層の面方向に生じさせることにより、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電変換素子のことをいう。
このような中、特許文献1では、インプレーン型の熱電変換素子を開示している。該熱電変換素子は、P型熱電素子材と、N型熱電素子材とからなる熱電変換モジュールの両面に、絶縁性の基層と、該基層上に該各熱電素子材が対向する位置に合わせて形成されている樹脂層と金属層とからなるパターン層とを、有したフレキシブル基板が、該基層面を対向させて設けられた構成を有している。
特開2008−182160号公報
しかしながら、特許文献1では、P型熱電素子材と、N型熱電素子材とからなる熱電変換モジュールの両面に、絶縁性の基層として、熱伝導率の低い樹脂、例えば、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂が用いられている。さらに、熱電変換モジュールとフレキシブル基板の基層とは接着剤を介して積層する構成となっており、基層及び接着剤層等の存在により、熱抵抗が増大し、熱電性能が十分とれない。
本発明は、上記問題を鑑み、熱電変換モジュールの内部の熱電素子層に対し、効率良く面内方向に十分な温度差が付与された高い熱電性能を有する熱電変換モジュールを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、フィルム基板の一方の面の熱電素子層とは反対側の、フィルム基板の他方の面の一部に、高熱伝導材料からなる高熱伝導層Aを直接形成することで、面内方向に十分な温度差を付与することにより、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(7)を提供するものである。
(1)フィルム基板の一方の面に、P型熱電素子層とN型熱電素子層とが交互に隣接して配置されてなる熱電素子層、低熱伝導層、及び高熱伝導性材料からなる高熱伝導層Bをこの順に含み、且つ前記フィルム基板の他方の面に高熱伝導性材料からなる高熱伝導層Aを含む熱電変換モジュールであって、前記フィルム基板の他方の面の高熱伝導層Aが、該フィルム基板の他方の面の一部に直接接する、熱電変換モジュール。
(2)前記高熱伝導層A及び高熱伝導層Bの厚さが、それぞれ独立に、40〜550μmである、上記(1)に記載の熱電変換モジュール。
(3)前記高熱伝導層A及び高熱伝導層Bの熱伝導率が、それぞれ独立に、5〜500W/(m・K)である、上記(1)又は(2)に記載の熱電変換モジュール。
(4)前記高熱伝導性材料が、銅、又はステンレスである、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の熱電変換モジュール。
(5)前記高熱伝導層A及び高熱伝導層Bが位置する割合が、それぞれ独立に、1対のP型熱電素子層とN型熱電素子層とからなる直列方向の全幅に対し、0.30〜0.70である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の熱電変換モジュール。
(6)前記低熱伝導層の厚さが1〜100μmである、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の熱電変換モジュール。
(7)前記低熱伝導層が接着層である、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の熱電変換モジュール。
本発明によれば、熱電変換モジュールの内部の熱電素子層に対し、効率良く面内方向に十分な温度差が付与された高い熱電性能を有する熱電変換モジュールを提供できる。
本発明の熱電変換モジュールの実施態様の一例を示す断面図である。 本発明の比較例1に用いた熱電変換モジュールの実施態様の一例を示す断面図である。 本発明の実施例に用いた熱電変換モジュールの構成の一部を示す平面図である。
[熱電変換モジュール]
本発明の熱電変換モジュールは、フィルム基板の一方の面に、P型熱電素子層とN型熱電素子層とが交互に隣接して配置されてなる熱電素子層、低熱伝導層、及び高熱伝導性材料からなる高熱伝導層Bをこの順に含み、且つ前記フィルム基板の他方の面に高熱伝導性材料からなる高熱伝導層Aを含む熱電変換モジュールであって、前記フィルム基板の他方の面の高熱伝導層Aが、該フィルム基板の他方の面の一部に直接接することを特徴としている。
本発明では、熱電変換モジュールのフィルム基板の他方の面に、高熱伝導層Aを、熱抵抗の増大の要因となる低熱伝導層を介在させることなく、フィルム基板の他方の面の一部に直接配置することにより、熱電変換モジュールの内部の熱電素子層に対し、効率良く面内方向に十分な温度差を付与することができ、結果として熱電性能をさらに向上させる。
本発明の熱電変換モジュールを、図面を使用して説明する。
図1は、本発明の熱電変換モジュールの実施態様の一例を示す断面図であり、(a)の熱電変換モジュール1は、フィルム基板2の一方の面の電極3上に形成されたP型熱電素子層4及びN型熱電素子層5とからなる熱電素子層6と、該熱電素子層6上に低熱伝導層(接着層)8を介し高熱伝導性材料からなる高熱伝導層B7bを含み、フィルム基板2の他方の面の一部に高熱伝導性材料からなる高熱伝導層A7aが直接接するように構成されており、例えば、発電を行う場合は、加熱を高熱伝導層A7a側から、且つ冷却を高熱伝導層B7b側から、又は、加熱を高熱伝導層B7b側から、且つ冷却を高熱伝導層A7a側から行う構成とし、用いられる。
<高熱伝導層A>
本発明の熱電変換モジュールには高熱伝導層Aを含む。高熱伝導層Aは、本発明の熱電変換モジュールのフィルム基板の他方の面の一部に直接接するように配置される。例えば、図1(a)においては、高熱伝導層A7aである。高熱伝導層Aを、熱抵抗の増大の要因となる低熱伝導層を介在させることなく、フィルム基板の他方の面の一部に直接配置することにより、熱電変換モジュールの内部の熱電素子層に対し、効率良く面内方向に十分な温度差を付与することができる。
本発明に用いる高熱伝導層Aは、高熱伝導性材料から形成される。高熱伝導層Aを形成する方法としては、特に制限されないが、例えば、スクリーン印刷法、インクジェット法等によりフィルム基板上に直接高熱伝導層のパターンを形成する方法等が挙げられる。
また、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD(物理気相成長法)、もしくは熱CVD、原子層蒸着(ALD)等のCVD(化学気相成長法)等のドライプロセス、又はディップコーティング法、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、グラビアコーティング法、ダイコーティング法、ドクターブレード法等の各種コーティング法や電着法等のウェットプロセス、銀塩法、電解めっき法、無電解めっき法等により得られた、さらには圧延金属箔又は電解金属箔等、パターンが形成されていない高熱伝導性材料からなる高熱伝導層Aを、上記のフォトリソグラフィー法を主体とした公知の物理的処理もしくは化学的処理、又はそれらを併用する等により、フィルム基板の他方の面の一部に直接、所定のパターン形状に加工する方法が挙げられる。
電解金属箔として、例えば、電解銅箔は、硫酸銅めっき浴からチタンやステンレスのドラム上に銅を電解析出して製造することができる。また、圧延金属箔として、例えば、圧延銅箔や圧延アルミ箔は、圧延ロールによる塑性加工と熱処理を繰り返して製造される。銅箔の材料としては、タフピッチ銅(JIS H3100 C1100)や後述する無酸素銅(JIS H3100 C1020)といった高純度の銅の他、例えば、Sn入り銅、Ag入り銅、Cr、Zr又はMg等を添加した銅合金、Ni及びSi等を添加したコルソン系銅合金のような銅合金も使用可能である。
また、溶着法によりフィルム基板上に直接金属箔を設けることもできる。
本発明では、フィルム基板上に高熱伝導層を形成する工程としては、プロセスの簡易性の観点から、電解めっき法や無電解めっき法、及びその併用、並びに金属箔を溶着法によりフィルム基板上に設けることが好ましい。
本発明では、高熱伝導性材料のパターニングについては、プロセスの簡易性の観点から、高熱伝導性材料を、フォトリソグラフィー法を主体とした公知の化学的処理、例えば、フォトレジストのパターニング部をウェットエッチング処理し、前記フォトレジストを除去することにより所定のパターンを形成することが好ましい。
<高熱伝導層B>
本発明の熱電変換モジュールには高熱伝導層Bを含む。高熱伝導層Bは、本発明の熱電変換モジュールのフィルム基板の一方の面の熱電素子層に低熱伝導層を介し配置される。例えば、図1においては、高熱伝導層B7bである。
高熱伝導層Bを形成する方法としては、特に制限されないが、スクリーン印刷法、インクジェット法等により直接高熱伝導層のパターンを形成する方法等が挙げられる。
さらに、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD(物理気相成長法)、もしくは熱CVD、原子層蒸着(ALD)等のCVD(化学気相成長法)などのドライプロセス、又はディップコーティング法、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、グラビアコーティング法、ダイコーティング法、ドクターブレード法等の各種コーティングや電着法等のウェットプロセス、銀塩法等によって、パターンが形成されていない高熱伝導性材料からなる高熱伝導層Bを、上記のフォトリソグラフィー法を主体とした公知の物理的処理もしくは化学的処理、又はそれらを併用する等により、所定のパターン形状に加工する方法が挙げられる。
本発明では、熱電素子層の構成材料、プロセスの簡易性の観点から、シート状の高熱伝導性材料を、フォトリソグラフィー法を主体とした公知の化学的処理、例えば、フォトレジストのパターニング部をウェットエッチング処理し、前記フォトレジストを除去することにより所定のパターンを形成し、後述する低熱伝導層を介して熱電素子層上に形成することが好ましい。
本発明に用いる高熱伝導材料からなる高熱伝導層A及び高熱伝導層Bの熱伝導率は、それぞれ独立に、好ましくは5〜500W/(m・K)、より好ましくは8〜500W/(m・K)、さらに好ましくは10〜450W/(m・K)、特に好ましくは12〜420W/(m・K)、最も好ましくは15〜400W/(m・K)である。熱伝導率が上記の範囲にあると、熱電素子層の面内方向に、効率よく温度差を付与することができる。
高熱伝導層A及び高熱伝導層Bに用いる高熱伝導材料としては、同じであっても異なっていてもよく、銅、銀、鉄、ニッケル、クロム、アルミニウム等の単金属、ステンレス、真鍮(黄銅)等の合金が挙げられる。この中で、好ましくは、銅(無酸素銅含む)、ステンレス、アルミニウムであり、熱伝導率が高く、加工性が容易であることから、さらに好ましくは、銅である。
ここで、本発明に用いられる高熱伝導材料の代表的なものを以下に示す。
・無酸素銅
無酸素銅(OFC:Oxygen−Free Copper)とは、一般的に酸化物を含まない99.95%(3N)以上の高純度銅のことを指す。日本工業規格では、無酸素銅(JIS H 3100, C1020)および電子管用無酸素銅(JIS H 3510, C1011)が規定されている。
・ステンレス(JIS)
SUS304:18Cr−8Ni(18%のCrと8%のNiを含む)
SUS316:18Cr−12Ni(18%のCrと12%のNi、モリブデン(Mo)を含む)ステンレス鋼)
高熱伝導層A及び高熱伝導層Bの厚さは、それぞれ独立に、40〜550μmが好ましく、60〜530μmがより好ましく、80〜510μmがさらに好ましい。高熱伝導層A及び高熱伝導層Bの厚さがこの範囲であれば、熱を特定の方向に選択的に放熱することができ、P型熱電素子とN型熱電素子とを電極を介し交互にかつ電気的に直列接続した熱電素子層の面内方向に、効率よく温度差を付与することができる。
高熱伝導層A及び高熱伝導層Bの配置及びそれらの形状は、特に限定されず、用いる熱電変換モジュールの熱電素子層、すなわち、P型熱電素子層とN型熱電素子層の配置及びそれらの形状により、適宜調整する必要がある。
例えば、図1の場合、前記高熱伝導層A及び高熱伝導層Bが位置する割合が、それぞれ独立に、1対のP型熱電素子層とN型熱電素子層とからなる直列方向の全幅に対し、0.30〜0.70であることが好ましく、0.40〜0.60がより好ましく、0.48〜0.52がさらに好ましく、特に好ましくは、0.50である。この範囲にあると、熱を特定の方向に選択的に放熱することができ、面内方向に効率よく温度差を付与できる。さらに、上記を満たし、かつ直列方向の1対のP型熱電素子層とN型熱電素子層とからなる接合部に対称に配置することが好ましい。このように、高熱伝導層A及び高熱伝導層Bを配置することにより、面内の直列方向の1対のP型熱電素子層とN型熱電素子層とからなる接合部と隣接する1対のN型熱電素子層とP型熱電素子層とからなる接合部間により高い温度差を付与できる。
<低熱伝導層>
本発明の熱電変換モジュールには低熱伝導層を含む。低熱伝導層は、熱電素子層と高熱伝導層Bとの間に配置される。本発明に用いる低熱伝導層は、熱電素子層と高熱伝導層Bとの絶縁性、及び接着性を有するものが好ましく、樹脂層、接着層等が挙げられる。熱電変換モジュールのフィルム基板の一方の面の熱電素子層と高熱伝導層Bを簡易に接着できる観点から接着層であることが好ましい。
樹脂層を構成する樹脂としては、特に制限なく、(メタ)アクリル系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル系樹脂、熱可塑性ポリエステル、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、オルガノシロキサン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、全芳香族ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
接着層を構成するものとしては、接着剤や粘着剤が好ましく用いられる。接着剤や粘着剤としては、アクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルエーテル、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー、変性ポリオレフィン、エポキシ系ポリマー、フッ素系ポリマー、ゴム系ポリマー等をベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。これらの中でも、安価であり、耐熱性に優れるという観点からアクリル系重合体をベースポリマーとした粘着剤、ゴム系ポリマーをベースポリマーとした粘着剤が好ましく用いられる。
接着層には、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分が含まれていてもよい。粘着剤に含まれ得るその他の成分としては、例えば、有機溶媒、高熱伝導性材料、難燃剤、粘着付与剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、可塑剤、消泡剤、及び濡れ性調整剤などが挙げられる。
低熱伝導層の厚さは、好ましくは1〜100μm、より好ましくは3〜50μm、さらに好ましくは5〜30μmである。また、低熱伝導層の熱伝導率は、0.5W/(m・K)未満が好ましく、0.3W/(m・K)以下がより好ましく、0.1W/(m・K)以下がさらに好ましい。
<フィルム基板>
本発明の熱電変換モジュールでは、熱電素子層の電気伝導率の低下、熱伝導率の増加に影響を及ぼさないフィルム基板を用いる。なかでも、屈曲性に優れ、後述する熱電半導体組成物からなる薄膜をアニール処理した場合でも、熱変形することなく、熱電素子層の性能を維持することができ、耐熱性及び寸法安定性が高いという点から、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリアラミドフィルム、ポリアミドイミドフィルムが好ましく、さらに、汎用性が高いという点から、ポリイミドフィルムが特に好ましい。
前記フィルム基板の厚さは、屈曲性、耐熱性及び寸法安定性の観点から、1〜1000μmが好ましく、10〜500μmがより好ましく、20〜100μmがさらに好ましい。
また、上記フィルム基板は、分解温度が300℃以上であることが好ましい。
<熱電素子層>
本発明に用いる熱電素子層は、フィルム基板上に、熱電半導体微粒子、耐熱性樹脂、並びに、イオン液体及び無機イオン性化合物の一方又は双方を含む熱電半導体組成物からなるものが好ましい。
(熱電半導体微粒子)
熱電素子に用いる熱電半導体微粒子は、熱電半導体材料を、微粉砕装置等により、所定のサイズまで粉砕することが好ましい。
本発明に用いるP型熱電素子層及びN型熱電素子層を構成する材料としては、温度差を付与することにより、熱起電力を発生させることができる材料であれば特に制限されず、例えば、P型ビスマステルライド、N型ビスマステルライド等のビスマス−テルル系熱電半導体材料;GeTe、PbTe等のテルライド系熱電半導体材料;アンチモン−テルル系熱電半導体材料;ZnSb、ZnSb2、ZnSb等の亜鉛−アンチモン系熱電半導体材料;SiGe等のシリコン−ゲルマニウム系熱電半導体材料;BiSe等のビスマスセレナイド系熱電半導体材料;β―FeSi、CrSi、MnSi1.73、MgSi等のシリサイド系熱電半導体材料;酸化物系熱電半導体材料;FeVAl、FeVAlSi、FeVTiAl等のホイスラー材料、TiS等の硫化物系熱電半導体材料等が用いられる。
これらの中でも、本発明に用いる前記熱電半導体材料は、P型ビスマステルライド又はN型ビスマステルライド等のビスマス−テルル系熱電半導体材料であることが好ましい。
前記P型ビスマステルライドは、キャリアが正孔で、ゼーベック係数が正値であり、例えば、BiTeSb2−Xで表わされるものが好ましく用いられる。この場合、Xは、好ましくは0<X≦0.8であり、より好ましくは0.4≦X≦0.6である。Xが0より大きく0.8以下であるとゼーベック係数と電気伝導率が大きくなり、P型熱電変換材料としての特性が維持されるので好ましい。
また、前記N型ビスマステルライドは、キャリアが電子で、ゼーベック係数が負値であり、例えば、BiTe3−YSeで表わされるものが好ましく用いられる。この場合、Yは、好ましくは0≦Y≦3(Y=0の時:BiTe)であり、より好ましくは0.1<Y≦2.7である。Yが0以上3以下であるとゼーベック係数と電気伝導率が大きくなり、N型熱電変換材料としての特性が維持されるので好ましい。
熱電半導体微粒子の前記熱電半導体組成物中の配合量は、好ましくは、30〜99質量%である。より好ましくは、50〜96質量%であり、さらに好ましくは、70〜95質量%である。熱電半導体微粒子の配合量が、上記範囲内であれば、ゼーベック係数(ペルチェ係数の絶対値)が大きく、また電気伝導率の低下が抑制され、熱伝導率のみが低下するため高い熱電性能を示すとともに、十分な皮膜強度、屈曲性を有する膜が得られ好ましい。
熱電半導体微粒子の平均粒径は、好ましくは、10nm〜200μm、より好ましくは、10nm〜30μm、さらに好ましくは、50nm〜10μm、特に好ましくは、1〜6μmである。上記範囲内であれば、均一分散が容易になり、電気伝導率を高くすることができる。
前記熱電半導体材料を粉砕して熱電半導体微粒子を得る方法は特に限定されず、ジェットミル、ボールミル、ビーズミル、コロイドミル、コニカルミル、ディスクミル、エッジミル、製粉ミル、ハンマーミル、ペレットミル、ウィリーミル、ローラーミル等の公知の微粉砕装置等により、所定のサイズまで粉砕すればよい。
なお、熱電半導体微粒子の平均粒径は、レーザー回折式粒度分析装置(CILAS社製、1064型)にて測定することにより得られ、粒径分布の中央値とした。
また、熱電半導体微粒子は、アニール処理(以下、「アニール処理A」ということがある。)されたものであることが好ましい。アニール処理Aを行うことにより、熱電半導体微粒子は、結晶性が向上し、さらに、熱電半導体微粒子の表面酸化膜が除去されるため、熱電変換材料のゼーベック係数(ペルチェ係数の絶対値)が増大し、熱電性能指数をさらに向上させることができる。アニール処理Aは、特に限定されないが、熱電半導体組成物を調製する前に、熱電半導体微粒子に悪影響を及ぼすことがないように、ガス流量が制御された、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、同じく水素等の還元ガス雰囲気下、または真空条件下で行うことが好ましく、不活性ガス及び還元ガスの混合ガス雰囲気下で行うことがより好ましい。具体的な温度条件は、用いる熱電半導体微粒子に依存するが、通常、微粒子の融点以下の温度で、かつ100〜1500℃で、数分〜数十時間行うことが好ましい。
(耐熱性樹脂)
本発明に用いる耐熱性樹脂は、熱電半導体微粒子間のバインダーとして働き、熱電素子層の屈曲性を高めるためのものである。該耐熱性樹脂は、特に制限されるものではないが、熱電半導体組成物からなる薄膜をアニール処理等により熱電半導体微粒子を結晶成長させる際に、樹脂としての機械的強度及び熱伝導率等の諸物性が損なわれず維持される耐熱性樹脂を用いる。
前記耐熱性樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、エポキシ樹脂、及びこれらの樹脂の化学構造を有する共重合体等が挙げられる。前記耐熱性樹脂は、単独でも又は2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、耐熱性がより高く、且つ薄膜中の熱電半導体微粒子の結晶成長に悪影響を及ぼさないという点から、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂が好ましく、屈曲性に優れるという点からポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂がより好ましい。前述の支持体として、ポリイミドフィルムを用いた場合、該ポリイミドフィルムとの密着性などの点から、耐熱性樹脂としては、ポリイミド樹脂がより好ましい。なお、本発明においてポリイミド樹脂とは、ポリイミド及びその前駆体を総称する。
前記耐熱性樹脂は、分解温度が300℃以上であることが好ましい。分解温度が上記範囲であれば、後述するように、熱電半導体組成物からなる薄膜をアニール処理した場合でも、バインダーとして機能が失われることなく、熱電素子層の屈曲性を維持することができる。
また、前記耐熱性樹脂は、熱重量測定(TG)による300℃における質量減少率が10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。質量減少率が上記範囲であれば、後述するように、熱電半導体組成物からなる薄膜をアニール処理した場合でも、バインダーとして機能が失われることなく、熱電素子層の屈曲性を維持することができる。
前記耐熱性樹脂の前記熱電半導体組成物中の配合量は、好ましくは0.1〜40質量%、より好ましくは0.5〜20質量%、さらに好ましくは1〜20質量%である。前記耐熱性樹脂の配合量が、上記範囲内であれば、高い熱電性能と皮膜強度が両立した膜が得られる。
(イオン液体)
本発明で用いるイオン液体は、カチオンとアニオンとを組み合わせてなる溶融塩であり、−50〜500℃のいずれかの温度領域において液体で存在し得る塩をいう。イオン液体は、蒸気圧が極めて低く不揮発性であること、優れた熱安定性及び電気化学安定性を有していること、粘度が低いこと、かつイオン伝導度が高いこと等の特徴を有しているため、導電補助剤として、熱電半導体微粒子間の電気伝導率の低減を効果的に抑制することができる。また、イオン液体は、非プロトン性のイオン構造に基づく高い極性を示し、耐熱性樹脂との相溶性に優れるため、熱電素子層の電気伝導率を均一にすることができる。
イオン液体は、公知または市販のものが使用できる。例えば、ピリジニウム、ピリミジニウム、ピラゾリウム、ピロリジニウム、ピペリジニウム、イミダゾリウム等の窒素含有環状カチオン化合物及びそれらの誘導体;テトラアルキルアンモニウム系のアミン系カチオン及びそれらの誘導体;ホスホニウム、トリアルキルスルホニウム、テトラアルキルホスホニウム等のホスフィン系カチオン及びそれらの誘導体;リチウムカチオン及びその誘導体等のカチオン成分と、Cl、Br、I、AlCl 、AlCl 、BF 、PF6、ClO4、NO 、CHCOO、CFCOO、CHSO 、CFSO 、(FSO、(CFSO、(CFSO、AsF 、SbF 、NbF 、TaF 、F(HF)n、(CN)、CSO 、(CSO、CCOO、(CFSO)(CFCO)N等のアニオン成分とから構成されるものが挙げられる。
上記のイオン液体の中で、高温安定性、熱電半導体微粒子及び樹脂との相溶性、熱電半導体微粒子間隙の電気伝導率の低下抑制等の観点から、イオン液体のカチオン成分が、ピリジニウムカチオン及びその誘導体、イミダゾリウムカチオン及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
カチオン成分が、ピリジニウムカチオン及びその誘導体を含むイオン液体の具体的な例として、4−メチル−ブチルピリジニウムクロライド、3−メチル−ブチルピリジニウムクロライド、4−メチル−ヘキシルピリジニウムクロライド、3−メチル−ヘキシルピリジニウムクロライド、4−メチル−オクチルピリジニウムクロライド、3−メチル−オクチルピリジニウムクロライド、3、4−ジメチル−ブチルピリジニウムクロライド、3、5−ジメチル−ブチルピリジニウムクロライド、4−メチル−ブチルピリジニウムテトラフルオロボレート、4−メチル−ブチルピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1-ブチル-4-メチルピリジニウムブロミド、1-ブチル-4-メチルピリジニウムヘキサフルオロホスファート等が挙げられる。この中で、1−ブチル−4−メチルピリジニウムブロミド、1−ブチル−4−メチルピリジニウムヘキサフルオロホスファートが好ましい。
また、カチオン成分が、イミダゾリウムカチオン及びその誘導体を含むイオン液体の具体的な例として、[1−ブチル−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムブロミド]、[1−ブチル−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムテトラフルオロボレイト]、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−テトラデシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフロオロボレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフロオロボレート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムテトラフロオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−メチル−3−ブチルイミダゾリウムメチルスルフェート、1、3−ジブチルイミダゾリウムメチルスルフェート等が挙げられる。この中で、[1−ブチル−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムブロミド]、[1−ブチル−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリウムテトラフルオロボレイト]が好ましい。
上記のイオン液体は、電気伝導率が10−7S/cm以上であることが好ましい。電気伝導率が上記範囲であれば、導電補助剤として、熱電半導体微粒子間の電気伝導率の低減を効果的に抑制することができる。
また、上記のイオン液体は、分解温度が300℃以上であることが好ましい。分解温度が上記範囲であれば、後述するように、熱電半導体組成物からなる薄膜をアニール処理した場合でも、導電補助剤としての効果を維持することができる。
また、上記のイオン液体は、熱重量測定(TG)による300℃における質量減少率が10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。質量減少率が上記範囲であれば、後述するように、熱電半導体組成物からなる薄膜をアニール処理した場合でも、導電補助剤としての効果を維持することができる。
前記イオン液体の前記熱電半導体組成物中の配合量は、好ましくは0.01〜50質量%、より好ましくは0.5〜30質量%、さらに好ましくは1.0〜20質量%である。前記イオン液体の配合量が、上記範囲内であれば、電気伝導率の低下が効果的に抑制され、高い熱電性能を有する膜が得られる。
(無機イオン性化合物)
本発明で用いる無機イオン性化合物は、少なくともカチオンとアニオンから構成される化合物である。無機イオン性化合物は室温において固体であり、400〜900℃の温度領域のいずれかの温度に融点を有し、イオン伝導度が高いこと等の特徴を有しているため、導電補助剤として、熱電半導体微粒子間の電気伝導率の低減を抑制することができる。
カチオンとしては、金属カチオンを用いる。
金属カチオンとしては、例えば、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン、典型金属カチオン及び遷移金属カチオンが挙げられ、アルカリ金属カチオン又はアルカリ土類金属カチオンがより好ましい。
アルカリ金属カチオンとしては、例えば、Li、Na、K、Rb、Cs及びFr等が挙げられる。
アルカリ土類金属カチオンとしては、例えば、Mg2+、Ca2+、Sr2+及びBa2+等が挙げられる。
アニオンとしては、例えば、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO3−、NO2−、ClO、ClO2−、ClO3−、ClO4−、CrO 2−、HSO 、SCN、BF 、PF 等が挙げられる。
無機イオン性化合物は、公知または市販のものが使用できる。例えば、カリウムカチオン、ナトリウムカチオン、又はリチウムカチオン等のカチオン成分と、Cl、AlCl 、AlCl 、ClO 等の塩化物イオン、Br等の臭化物イオン、I等のヨウ化物イオン、BF 、PF 等のフッ化物イオン、F(HF) 等のハロゲン化物アニオン、NO 、OH、CN等のアニオン成分とから構成されるものが挙げられる。
上記の無機イオン性化合物の中で、高温安定性、熱電半導体微粒子及び樹脂との相溶性、熱電半導体微粒子間隙の電気伝導率の低下抑制等の観点から、無機イオン性化合物のカチオン成分が、カリウム、ナトリウム、及びリチウムから選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。また、無機イオン性化合物のアニオン成分が、ハロゲン化物アニオンを含むことが好ましく、Cl、Br、及びIから選ばれる少なくとも1種を含むことがさらに好ましい。
カチオン成分が、カリウムカチオンを含む無機イオン性化合物の具体的な例として、KBr、KI、KCl、KF、KOH、KCO等が挙げられる。この中で、KBr、KIが好ましい。
カチオン成分が、ナトリウムカチオンを含む無機イオン性化合物の具体的な例として、NaBr、NaI、NaOH、NaF、NaCO等が挙げられる。この中で、NaBr、NaIが好ましい。
カチオン成分が、リチウムカチオンを含む無機イオン性化合物の具体的な例として、LiF、LiOH、LiNO等が挙げられる。この中で、LiF、LiOHが好ましい。
上記の無機イオン性化合物は、電気伝導率が10−7S/cm以上であることが好ましく、10−6S/cm以上であることがより好ましい。電気伝導率が上記範囲であれば、導電補助剤として、熱電半導体微粒子間の電気伝導率の低減を効果的に抑制することができる。
また、上記の無機イオン性化合物は、分解温度が400℃以上であることが好ましい。分解温度が上記範囲であれば、後述するように、熱電半導体組成物からなる薄膜をアニール処理した場合でも、導電補助剤としての効果を維持することができる。
また、上記の無機イオン性化合物は、熱重量測定(TG)による400℃における質量減少率が10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。質量減少率が上記範囲であれば、後述するように、熱電半導体組成物からなる薄膜をアニール処理した場合でも、導電補助剤としての効果を維持することができる。
前記無機イオン性化合物の前記熱電半導体組成物中の配合量は、好ましくは0.01〜50質量%、より好ましくは0.5〜30質量%、さらに好ましくは1.0〜10質量%である。前記無機イオン性化合物の配合量が、上記範囲内であれば、電気伝導率の低下を効果的に抑制でき、結果として熱電性能が向上した膜が得られる。
なお、無機イオン性化合物とイオン液体とを併用する場合においては、前記熱電半導体組成物中における、無機イオン性化合物及びイオン液体の含有量の総量は、好ましくは0.01〜50質量%、より好ましくは0.5〜30質量%、さらに好ましくは1.0〜10質量%である。
P型熱電素子層及びN型熱電素子層の厚さは、特に限定されるものではなく、同じ厚さでも、異なる厚さでもよい。熱電変換モジュールの面内方向に大きな温度差を付与する観点から、同じ厚さであることが好ましい。P型熱電素子層及びN型熱電素子層の厚さは、0.1〜100μmが好ましく、1〜50μmがさらに好ましい。
熱電半導体組成物からなる薄膜としてのP型熱電素子層及びN型熱電素子層は、さらにアニール処理(以下、「アニール処理B」ということがある。)を行うことが好ましい。該アニール処理Bを行うことで、熱電性能を安定化させるとともに、薄膜中の熱電半導体微粒子を結晶成長させることができ、熱電性能をさらに向上させることができる。アニール処理Bは、特に限定されないが、通常、ガス流量が制御された、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、還元ガス雰囲気下、または真空条件下で行われ、用いる樹脂及びイオン性化合物の耐熱温度等に依存するが、100〜500℃で、数分〜数十時間行われる。
本発明に用いる熱電変換モジュールは、フィルム基板の一方の面に、P型熱電素子層とN型熱電素子層とが交互に隣接して配置され、電気的には直列接続となるように構成される。
〈電極〉
P型熱電素子層とN型熱電素子層との接続は、接続の安定性、熱電性能の観点から導電性の高い金属材料等から形成される電極を介することが好ましい。
本発明の熱電変換モジュールに用いる電極の金属材料としては、銅、金、ニッケル、アルミニウム、ロジウム、白金、クロム、パラジウム、ステンレス鋼、モリブデン又はこれらのいずれかの金属を含む合金等が挙げられ、単層のみならず、組み合わせて多層構成としてもよい。
前記電極の層の厚さは、好ましくは10nm〜200μm、より好ましくは30nm〜150μm、さらに好ましくは50nm〜120μmである。電極の層の厚さが、上記範囲内であれば、電気伝導率が高く低抵抗となり、電極として十分な強度が得られる。
電極の形成は、前述した金属材料を用いて行う。
電極を形成する方法としては、フィルム基板上にパターンが形成されていない電極を設けた後、フォトリソグラフィー法を主体とした公知の物理的処理もしくは化学的処理、又はそれらを併用する等により、所定のパターン形状に加工する方法、または、スクリーン印刷法、インクジェット法等により直接電極のパターンを形成する方法等が挙げられる。
パターンが形成されていない電極の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD(物理気相成長法)、もしくは熱CVD、原子層蒸着(ALD)等のCVD(化学気相成長法)等のドライプロセス、又はディップコーティング法、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、グラビアコーティング法、ダイコーティング法、ドクターブレード法等の各種コーティングや電着法等のウェットプロセス、銀塩法、電解めっき法、無電解めっき法、金属箔の積層等が挙げられ、電極の材料に応じて適宜選択される。
熱電性能を維持する観点から、高い導電性、高い熱伝導性が求められるため、めっき法や真空成膜法で成膜した電極を用いることが好ましい。高い導電性、高い熱伝導性を容易に実現できることから、真空蒸着法、スパッタリング法等の真空成膜法、および電解めっき法、無電解めっき法が好ましい。形成パターンの寸法、寸法精度の要求にもよるが、メタルマスク等のハードマスクを介し、容易にパターンを形成することもできる。
前記金属材料の層の厚さは、好ましくは10nm〜200μm、より好ましくは30nm〜150μm、さらに好ましくは50nm〜120μmである。金属材料の層の厚さが、上記範囲内であれば、電気伝導率が高く低抵抗となり、電極として十分な強度が得られる。
[熱電変換モジュールの製造方法]
本発明の熱電変換モジュールの製造方法は、フィルム基板の一方の面に、P型熱電素子層とN型熱電素子層とが交互に隣接して配置されてなる熱電素子層、低熱伝導層、及び高熱伝導性材料からなる高熱伝導層Bをこの順に含み、且つ前記フィルム基板の他方の面に高熱伝導性材料からなる高熱伝導層Aを含む熱電変換モジュールにおいて、前記フィルム基板の他方の面の高熱伝導層Aが、該フィルム基板の他方の面の一部に直接接する、熱電変換モジュールの製造方法であって、前記フィルム基板の他方の面の一部に高熱伝導性材料からなる高熱伝導層Aのパターンを形成する工程、前記フィルム基板の一方の面に電極を形成する工程、電極上にP型熱電素子層及びN型熱電素子層を形成する工程、得られたP型熱電素子層及びN型熱電素子層からなる熱電素子層上に低熱伝導層を積層する工程、高熱伝導性材料からなる高熱伝導層Bのパターンを低熱伝導層を介し熱電素子層に積層する工程を含む、熱電変換モジュールの製造方法である。
以下、本発明に含まれる工程について、順に説明する。
<高熱伝導層Aのパターン形成工程>
フィルム基板の一方の面に積層する熱電素子層とは反対側の、フィルム基板の他方の面に高熱伝導性材料からなる高熱伝導層Aのパターンを直接形成する工程である。
高熱伝導層Aを形成する方法は、前述したパターンが形成されていない高熱伝導性材料からなる高熱伝導層Aを、前述したフォトリソグラフィー法を主体とした公知の物理的処理もしくは化学的処理、又はそれらを併用する等により、所定のパターン形状に加工する方法等が挙げられる。
<電極形成工程>
フィルム基板の一方の面に電極を形成する工程である。フィルム基板上に形成する方法、及びパターンの形成方法については、前述したとおりである。また、電極のパターンは、熱電素子層の配置により、適宜調整される。
<熱電素子層形成工程>
本発明に用いる熱電素子層は、フィルム基板の一方の面に積層され、前記熱電半導体組成物から形成される。前記熱電半導体組成物を、前記フィルム基板上に塗布する方法としては、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スピンコート、ディップコート、ダイコート、スプレーコート、バーコート、ドクターブレード等の公知の方法が挙げられ、特に制限されない。塗膜をパターン状に形成する場合は、所望のパターンを有するスクリーン版を用いて簡便にパターン形成が可能なスクリーン印刷、スロットダイコート等が好ましく用いられる。
次いで、得られた塗膜を乾燥することにより、薄膜が形成されるが、乾燥方法としては、熱風乾燥、熱ロール乾燥、赤外線照射等、従来公知の乾燥方法が採用できる。加熱温度は、通常、80〜150℃であり、加熱時間は、加熱方法により異なるが、通常、数秒〜数十分である。
また、熱電半導体組成物の調製において溶媒を使用した場合、加熱温度は、使用した溶媒を乾燥できる温度範囲であれば、特に制限はない。
さらに、熱電素子層形成工程には、アニール処理工程を含むことが好ましい。アニール処理工程は、前述したアニール処理Bを行う工程である。アニール処理Bは、前述したとおりに行われる。
<低熱伝導層積層工程>
熱電変換モジュールの製造工程には、さらに低熱伝導層積層工程を含む。低熱伝導層積層工程は、熱電素子層の面に低熱伝導層を積層する工程である。
低熱伝導層の形成は、公知の方法で行うことができ、前記熱電素子層に直接形成してもよいし、予め剥離シート上に形成した低熱伝導層を、前記熱電素子層に貼り合わせて、低熱伝導層を熱電素子層に転写させて形成してもよい。
<高熱伝導層B積層工程>
高熱伝導性材料からなる高熱伝導層Bのパターンを低熱伝導層を介し熱電素子層に積層する工程である。
高熱伝導層Bを形成する方法は、前述したとおりであり、高熱伝導性材料、熱電変換モジュールの構成材料、加工性の観点から適宜選択できる。
本発明では、好ましくは、熱電素子層の面に、前述した高熱伝導性材料をフォトリソグラフィー法等によりパターン化した高熱伝導層Bを、前述した低熱伝導層(接着層等)を介して積層する。
本発明の製造方法によれば、簡便な方法で熱電変換モジュールの内部の熱電素子層の面方向に、効率よく大きな温度差を付与可能な熱電変換モジュールを製造することができる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例、比較例で作製した熱電変換モジュールの出力評価、及び用いた高熱伝導材料の熱伝導率の測定は、以下の方法で行った。
(a)出力評価
得られた熱電変換モジュールの一方の面を、ホットプレートで50℃の温度に加熱した状態で保持し、他方の面を水冷ヒートシンクで20℃の温度に冷却することで、熱電変換モジュールに30℃の温度差を付与し、ディジタルハイテスタ(日置電機社製、型名:3801−50)を用いて、熱電変換モジュールの出力取り出し電極間の電圧値(起電力)を測定した。
(b)高熱伝導性材料の熱伝導率測定
熱物性測定装置(京都電子工業社製、TPS2500S)を用いて、下記に準じた測定方法で、高熱伝導性材料からなる高熱伝導層A及び高熱伝導層Bの熱伝導率を測定した。
測定方法:ホットディスク法(ISO22007−2に準拠)
(実施例1)
<熱電変換モジュールの作製>
図3は実施例に用いた熱電変換モジュールの構成の一部を示す平面図であり、(a)はフィルム基板上の電極の配置を示し、(b)はフィルム基板の電極側に形成したP型及びN型熱電素子層の配置を示す。
ポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、カプトン200H、100mm×100mm、厚さ:25μm)基板22に銅電極23のパターン(厚さ:3.0μm)を配したフィルム電極基板29上に、後述する塗工液(P)及び(N)を用い塗布し、P型熱電素子層24とN型熱電素子層25とを交互に隣接して配置することで、1mm×6mmのP型熱電素子層及びN型熱電素子層を380対設けた熱電素子層を作製した。なお、図3において、ポリイミドフィルム基板22の裏面側には、後述する高熱伝導層A27(点線)が直接配置されている(P型熱電素子層24とN型熱電素子層25とからなる熱電素子層26上に低熱伝導層(接着層等)を介し配置される高熱伝導層Bは図示しない)。
(熱電半導体微粒子の作製方法)
ビスマス−テルル系熱電半導体材料であるP型ビスマステルライドBi0.4TeSb1.6(高純度化学研究所製、粒径:180μm)を、遊星型ボールミル(フリッチュジャパン社製、Premium line P−7)を使用し、窒素ガス雰囲気下で粉砕することで、平均粒径1.2μmの熱電半導体微粒子T1を作製した。粉砕して得られた熱電半導体微粒子に関して、レーザー回折式粒度分析装置(Malvern社製、マスターサイザー3000)により粒度分布測定を行った。
また、ビスマス−テルル系熱電半導体材料であるN型ビスマステルライドBiTe(高純度化学研究所製、粒径:180μm)を上記と同様に粉砕し、平均粒径1.4μmの熱電半導体微粒子T2を作製した。
(熱電半導体組成物の作製)
塗工液(P)
得られたP型ビスマス−テルル系熱電半導体材料の微粒子T1を95質量部、耐熱性樹脂としてポリイミド前駆体であるポリアミック酸(シグマアルドリッチ社製、ポリ(ピロメリト酸二無水物−co−4,4´−オキシジアニリン)アミド酸溶液、溶媒:N−メチルピロリドン、固形分濃度:15質量%)2.5質量部、及びイオン液体として、N−ブチルピリジニウムブロミド2.5質量部を混合分散した熱電半導体組成物からなる塗工液(P)を調製した。
塗工液(N)
得られたN型ビスマス−テルル系熱電半導体材料の微粒子T2を95質量部、耐熱性樹脂としてポリイミド前駆体であるポリアミック酸(シグマアルドリッチ社製、ポリ(ピロメリト酸二無水物−co−4,4´−オキシジアニリン)アミド酸溶液、溶媒:N−メチルピロリドン、固形分濃度:15質量%)2.5質量部、及びイオン液体として、N−ブチルピリジニウムブロミド2.5質量部を混合分散した熱電半導体組成物からなる塗工液(N)を調製した。
(電極及び高熱伝導層Aのパターンの形成)
熱電変換モジュールに用いる電極及び高熱伝導率層Aのパターンをフィルム基板に形成するために、銅貼ポリイミドフィルム基板(宇部エクシモ社製、製品名:ユピセルN)を準備した。この銅貼ポリイミドフィルム基板は、厚さが25μmのポリイミド基板の一方の面に厚さが3μmの銅箔が積層され、他方の面に厚さが100μmの銅箔が直接積層されたものである。
ポリイミド基板の一方の面の銅箔を、フォトリソグラフィー法により所定の電極パターン(後述するニッケル層/金層形成前)に形成した。得られた電極パターン上には、無電解めっき法によりニッケル層(厚さ:1μm)を積層し、さらに、無電解めっき法によりニッケル層上に金層(厚さ:40nm)を積層することで3層構成の電極パターンを形成した。
また、ポリイミド基板の他方の面の銅箔をフォトリソグラフィー法により所定のパターン(厚さ:100μm、幅:1mm、長さ:100mm、間隔:1mm、熱伝導率:398W/(m・K))に形成することにより、高熱伝導層Aを得た。
(熱電素子層の作製)
上記で調製した塗工液(P)を、ステンシル印刷法により前記ポリイミドフィルムの電極面側に塗布し、温度120℃で、10分間アルゴン雰囲気下で乾燥し、厚さが50μmの薄膜を形成した。次いで、同様に、上記で調製した塗工液(N)を、前記ポリイミドフィルムの電極面側に塗布し、温度120℃で、10分間アルゴン雰囲気下で乾燥し、厚さが50μmの薄膜を形成した。
さらに、得られたそれぞれの薄膜に対し、水素とアルゴンの混合ガス(水素:アルゴン=3体積%:97体積%)雰囲気下で、加温速度5K/minで昇温し、325℃で30分間保持し、薄膜形成後のアニール処理Bを行うことにより、熱電半導体材料の微粒子を結晶成長させ、P型熱電素子層及びN型熱電素子層を作製した。
(高熱伝導層Bの実装)
図1に示すように、フィルム基板2の一方の面のP型熱電素子層4とN型熱電層5とからなる熱電素子層6上に低熱伝導層(接着層)8(リンテック社製、商品名:P1069、厚さ:22μm)を介して高熱伝導性材料からなるストライプ状の高熱伝導層B7b(無酸素銅 JIS H 3100, C1020、厚さ:100μm、幅:1mm、長さ:100mm、間隔:1mm、熱伝導率:398W/(m・K))と、フィルム基板2の他方の面の高熱伝導層A7aとが、P型熱電素子層4とN型熱電素子層5とが隣接する接合部の上部及び下部に互い違いに、かつ高熱伝導層A7a及び高熱伝導層B7bのそれぞれが接合部と対称になるように配置することで熱電変換モジュールを作製した。
次いで、該熱電変換モジュールに対し、加熱を高熱伝導層A7a側から、冷却を高熱伝導層B7b側から行う構成とした。
(実施例2)
実施例1で作製した熱電変換モジュールを用い、実施例1とは逆に、加熱を高熱伝導層B7b側から、冷却を高熱伝導層A7a側から行う構成とした。
(実施例3)
高熱伝導層A及び高熱伝導層Bの厚さを200μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、熱電変換モジュールを作製し、加熱、冷却も実施例1と同様の側から行う構成とした。
(比較例1)
実施例1において、高熱伝導層Aの代わりに前記低熱伝導層(接着層)を介して前記高熱伝導層B(冷却側の高熱伝導層Bと同じ層;高熱伝導層Aと同じパターン)を貼付した以外は、実施例1と同様にして、熱電変換モジュールを作製し(図2の構成)、加熱、冷却も実施例1と同様の側から行う構成とした。
図2は、上記比較例1における熱電変換モジュールの実施態様の一例を示す断面図である。熱電変換モジュール11は、フィルム基板12の一方の面の電極13上に形成されたP型熱電素子層14及びN型熱電素子層15とからなる熱電素子層16と、該熱電素子層16上に低熱伝導層(接着層)18を介し高熱伝導性材料からなる高熱伝導層B17bを含み、フィルム基板2の他方の面の一部に低熱伝導層(接着層)18を介し高熱伝導性材料からなる高熱伝導層B17bを含む。
実施例1〜3及び比較例1で用いた高熱伝導材料の熱伝導率の測定、及び作製した熱電変換モジュールの出力評価を行った。測定及び評価結果を表1に示す。
フィルム基板の一方の面の熱電素子層とは反対側の他方の面に高熱伝導材料からなる高熱伝導層Aが直接配置された実施例1は、高熱伝導材料からなる高熱伝導層B(高熱伝導層Aと実質同一仕様)がフィルム基板の他方の面に低熱伝導層である接着層を介し配置された比較例1に比べ、高い出力が得られることがわかる。また、実施例1と同様に、前記接着層を介さない実施例2、3についても、高い出力が得られている。
本発明の熱電変換モジュールは、熱抵抗の増大の要因となり熱電性能を抑制している従来の低熱伝導層(樹脂、接着層等)の層数を減少させることにより、P型熱電素子とN型熱電素子とを電極を介し交互にかつ電気的に直列接続した熱電変換モジュールの面内方向に、効率よく温度差を付与できる。このため、発電効率の高い発電が可能となり、従来型に比べ、熱電変換モジュールの設置数を少なくすることができ、ダウンサイジング及びコストダウンに繋がる。また同時に、本発明の熱電変換モジュールを用いることにより、平坦でない面を有する廃熱源や放熱源へ設置する等、設置場所を制限されることもなく使用できる。
1:熱電変換モジュール
2:フィルム基板
3:電極
4:P型熱電素子層
5:N型熱電素子層
6:熱電素子層
7a:高熱伝導層A
7b:高熱伝導層B
8:低熱伝導層(接着層)
11:熱電変換モジュール
12:フィルム基板
13:電極
14:P型熱電素子層
15:N型熱電素子層
16:熱電素子層
17b:高熱伝導層B
18:低熱伝導層(接着層)
22:ポリイミドフィルム基板
23:銅電極
24:P型熱電素子層
25:N型熱電素子層
26:熱電素子層
27:高熱伝導層A
29:フィルム電極基板

Claims (7)

  1. フィルム基板の一方の面に、P型熱電素子層とN型熱電素子層とが交互に隣接して配置されてなる熱電素子層、低熱伝導層、及び高熱伝導性材料からなる高熱伝導層Bをこの順に含み、且つ前記フィルム基板の他方の面に高熱伝導性材料からなる高熱伝導層Aを含む熱電変換モジュールであって、前記フィルム基板の他方の面の高熱伝導層Aが、該フィルム基板の他方の面の一部に直接接する、熱電変換モジュール。
  2. 前記高熱伝導層A及び高熱伝導層Bの厚さが、それぞれ独立に、40〜550μmである、請求項1に記載の熱電変換モジュール。
  3. 前記高熱伝導層A及び高熱伝導層Bの熱伝導率が、それぞれ独立に、5〜500W/(m・K)である、請求項1又は2に記載の熱電変換モジュール。
  4. 前記高熱伝導性材料が、銅、アルミニウム、又はステンレスである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱電変換モジュール。
  5. 前記高熱伝導層A及び高熱伝導層Bが位置する割合が、それぞれ独立に、1対のP型熱電素子層とN型熱電素子層とからなる直列方向の全幅に対し、0.30〜0.70である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のフレキシブル熱電変換素子。
  6. 前記低熱伝導層の厚さが1〜100μmである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱電変換モジュール。
  7. 前記低熱伝導層が接着層である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱電変換モジュール。
JP2018070213A 2018-03-30 2018-03-30 熱電変換モジュール Active JP7149476B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018070213A JP7149476B2 (ja) 2018-03-30 2018-03-30 熱電変換モジュール

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018070213A JP7149476B2 (ja) 2018-03-30 2018-03-30 熱電変換モジュール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019179911A true JP2019179911A (ja) 2019-10-17
JP7149476B2 JP7149476B2 (ja) 2022-10-07

Family

ID=68278966

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018070213A Active JP7149476B2 (ja) 2018-03-30 2018-03-30 熱電変換モジュール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7149476B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021124860A1 (ja) * 2019-12-16 2021-06-24 リンテック株式会社 熱電変換体、熱電変換モジュール、及び、熱電変換体の製造方法
DE112020003604T5 (de) 2019-09-30 2022-04-14 Komatsu Ltd. Steuervorrichtung, Arbeitsmaschine, und Steuerverfahren
JP7451361B2 (ja) 2020-09-10 2024-03-18 株式会社日立製作所 熱電変換素子

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015046254A1 (ja) * 2013-09-25 2015-04-02 リンテック株式会社 熱伝導性接着シート、その製造方法及びそれを用いた電子デバイス
WO2016203939A1 (ja) * 2015-06-17 2016-12-22 富士フイルム株式会社 熱電変換素子および熱電変換モジュール
JP2017092407A (ja) * 2015-11-17 2017-05-25 富士フイルム株式会社 熱電変換素子

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015046254A1 (ja) * 2013-09-25 2015-04-02 リンテック株式会社 熱伝導性接着シート、その製造方法及びそれを用いた電子デバイス
WO2016203939A1 (ja) * 2015-06-17 2016-12-22 富士フイルム株式会社 熱電変換素子および熱電変換モジュール
JP2017092407A (ja) * 2015-11-17 2017-05-25 富士フイルム株式会社 熱電変換素子

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE112020003604T5 (de) 2019-09-30 2022-04-14 Komatsu Ltd. Steuervorrichtung, Arbeitsmaschine, und Steuerverfahren
WO2021124860A1 (ja) * 2019-12-16 2021-06-24 リンテック株式会社 熱電変換体、熱電変換モジュール、及び、熱電変換体の製造方法
JP6937452B1 (ja) * 2019-12-16 2021-09-22 リンテック株式会社 熱電変換体、熱電変換モジュール、及び、熱電変換体の製造方法
US11974504B2 (en) 2019-12-16 2024-04-30 Lintec Corporation Thermoelectric conversion body, thermoelectric conversion module, and method for manufacturing thermoelectric conversion body
JP7451361B2 (ja) 2020-09-10 2024-03-18 株式会社日立製作所 熱電変換素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP7149476B2 (ja) 2022-10-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7245652B2 (ja) フレキシブル熱電変換素子及びその製造方法
WO2016104615A1 (ja) ペルチェ冷却素子及びその製造方法
JP7486949B2 (ja) 熱電変換モジュール用電極材料及びそれを用いた熱電変換モジュール
WO2018179546A1 (ja) 熱電変換モジュール
JP7406756B2 (ja) 熱電変換モジュール及びその製造方法
JP7149476B2 (ja) 熱電変換モジュール
TW201705403A (zh) 散熱回收薄片
WO2021065670A1 (ja) 熱電変換モジュール
JPWO2020045377A1 (ja) 熱電変換素子の製造方法
JP7207858B2 (ja) 熱電変換モジュール
WO2019188862A1 (ja) 熱電変換モジュール
WO2020022228A1 (ja) 熱電変換ユニット
JP2019176052A (ja) 熱電変換モジュールの製造方法、及び、熱電変換モジュール
WO2021200264A1 (ja) 熱電変換モジュール
US20230200240A1 (en) Thermoelectric conversion module and manufacturing method therefor
JP7348192B2 (ja) 半導体素子
WO2021193358A1 (ja) 熱電変換モジュール
WO2020196709A1 (ja) 熱電変換材料のチップの製造方法
JP2021158237A (ja) 熱電変換モジュール
JP2021150403A (ja) 熱電変換モジュール

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210218

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220301

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220502

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220823

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220906

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7149476

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150