JP2019179272A - 偏光板の製造方法 - Google Patents

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Toshiyuki Naka
俊之 仲
武志 川上
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武志 川上
卓也 安藤
Takuya Ando
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Abstract

【課題】温度変化に伴う偏光子の割れを抑制することができる偏光板の製造方法を提供する。【解決手段】偏光板の製造方法は、活性エネルギー線硬化性樹脂を含む塗膜32aを、フィルム状の基材22aの表面に形成する塗工工程と、基材22aを、塗膜32aを介して、フィルム状の偏光子38の表面に貼合する貼合工程と、基材22aを偏光子38の表面に貼合してから5秒以上経過した後、活性エネルギー線Lを塗膜32aへ照射して、塗膜32aから樹脂層32bを形成する硬化工程と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、偏光板の製造方法に関する。
偏光板は、液晶表示装置を構成する光学部品の一つである。偏光板は、フィルム状の偏光子と、偏光子の片面又は両面に接着された保護フィルムと、を備える。例えば、下記特許文献1に記載の偏光板は、光カチオン硬化型エポキシ樹脂系接着剤を介して接着された偏光子と保護フィルムとを備えている。
特許第5046735号公報
近年、スマートフォン等のモバイル機器の薄型化に伴い、モバイル機器に用いられる偏光板を薄くすることが求められている。偏光板を薄くする一つの方法は、従来の保護フィルムの代わりに、より薄い保護層を偏光子に重ねることである。例えば、活性エネルギー線硬化性樹脂を含む塗膜を形成し、活性エネルギー線の照射により塗膜を硬化すると、従来の保護フィルムよりも薄い保護層を形成し易い。偏光子と保護フィルムとの接着に従来用いられてきた活性エネルギー線硬化性樹脂そのものから、薄い保護層を形成することもできる。しかしながら、保護層が薄いほど、保護層と重なる偏光子が温度変化(例えば、熱衝撃)に伴って容易に変形して割れてしまう。偏光子と従来の保護フィルムとの間に接着剤として活性エネルギー線硬化性樹脂が介在する場合も、温度変化に伴う偏光子の割れが起こり得る。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、温度変化に伴う偏光子の割れを抑制することができる偏光板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第一の側面に係る偏光板の製造方法は、活性エネルギー線硬化性樹脂を含む塗膜を、フィルム状の偏光子の表面に形成する塗工工程と、塗膜を偏光子の表面に形成してから5秒以上経過した後、活性エネルギー線を塗膜へ照射して、塗膜から樹脂層を形成する硬化工程と、を備える。
本発明の第二の側面に係る偏光板の製造方法は、活性エネルギー線硬化性樹脂を含む塗膜を、フィルム状の基材の表面に形成する塗工工程と、基材を、塗膜を介して、フィルム状の偏光子の表面に貼合する貼合工程と、基材を偏光子の表面に貼合してから5秒以上経過した後、活性エネルギー線を塗膜へ照射して、塗膜から樹脂層を形成する硬化工程と、を備える。
第二の側面に係る偏光板の製造方法の塗工工程では、一対の基材其々の表面に塗膜を形成してよく、第二の側面に係る偏光板の製造方法の貼合工程では、偏光子を一対の基材の間に配置してよく、一対の基材を、塗膜を介して、偏光子の両面に貼合してよく、第二の側面に係る偏光板の製造方法の硬化工程では、一対の基材を偏光子の両面に貼合してから5秒以上経過した後、活性エネルギー線を塗膜へ照射して、塗膜から樹脂層を形成してよい。
第二の側面に係る偏光板の製造方法は、硬化工程後、基材を樹脂層から剥離する剥離工程を更に備えてよい。
第二の側面に係る偏光板の製造方法の塗工工程では、塗膜を、粗面化処理が施されていない基材の表面に形成してよい。
本発明の第一の側面又は第二の側面においては、樹脂層は、偏光子を保護する保護層であってよい。
本発明の第一の側面又は第二の側面においては、活性エネルギー線硬化性樹脂は、無溶剤型の接着剤であってよく、塗工工程の後で、活性エネルギー線硬化性樹脂から溶剤を除去する乾燥工程を実施しなくてよい。
本発明によれば、温度変化に伴う偏光子の割れを抑制することができる偏光板の製造方法が提供される。
図1中の(a)、図1中の(b)、及び図1中の(c)は、本発明の第一実施形態に係る偏光板の製造方法を示す模式図である。 図2は、本発明の第二実施形態に係る偏光板の製造方法を示す模式図である。 図3中の(a)、図3中の(b)、及び図3中の(c)は、本発明の第二実施形態に係る偏光板の製造方法を示す模式図である。 図4は、本発明の第三実施形態に係る偏光板の製造方法を示す模式図である。 図5中の(a)、及び図5中の(b)は、本発明の第三実施形態に係る偏光板の製造方法を示す模式図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。図面において、同等の構成要素には同等の符号を付す。本発明は下記実施形態に限定されるものではない。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態に係る偏光板の製造方法は、少なくとも塗工工程と硬化工程とを備える。塗工工程では、活性エネルギー線硬化性樹脂を含む塗膜を、フィルム状の偏光子の表面に形成する。硬化工程では、塗膜を偏光子の表面に形成してから5秒以上経過した後、活性エネルギー線を塗膜へ照射して、塗膜から樹脂層を形成する。以下では、各工程を詳しく説明する。
図1中の(a)及び(b)に示すように、第一実施形態の塗工工程では、積層体2aを用いる。積層体2aは、フィルム状の偏光子8と、偏光子8に重なる接着剤層6と、接着剤層6を介して偏光子8に貼合された保護フィルム4とを備える。
フィルム状の偏光子8は、例えば、以下の手順で作製されてよい。
まず、フィルム状のポリビニルアルコール系樹脂を、一軸方向又は二軸方向に延伸する。続いて、ポリビニルアルコール系樹脂を、ヨウ素又は二色性色素によって染色する。染色後のポリビニルアルコール系樹脂を、架橋のために、架橋剤の溶液(例えば、ホウ酸の水溶液)で処理する。架橋剤による処理後、ポリビニルアルコール系樹脂を水洗し、続いて乾燥する。以上の手順を経て、偏光子8が得られる。ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより得られる。ポリ酢酸ビニル系樹脂は、例えば、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニル、又は、酢酸ビニルと他の単量体との共重合体(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体)であってよい。酢酸ビニルと共重合する他の単量体は、エチレンの他に、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、又はアンモニウム基を有するアクリルアミド類であってよい。ポリビニルアルコール系樹脂は、変性されていてもよい。変性されたポリビニルアルコール系樹脂は、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、又はポリビニルブチラールであってよい。
偏光子8の厚みは、10μm以下、又は8μm以下であってよい。偏光子8が薄いほど、偏光板の薄型化が容易である。偏光子8の厚みは、2μm以上であってよい。偏光子8が厚いほど、偏光子8の機械的強度が向上し易い。
保護フィルム4は、偏光子8を保護する機能を有する。保護フィルム4は、透光性を有する熱可塑性樹脂であればよく、光学的に透明な熱可塑性樹脂であってもよい。保護フィルム4を構成する樹脂は、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、又はこれらの混合物若しくは共重合物であってよい。
鎖状ポリオレフィン系樹脂は、例えば、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂のような鎖状オレフィンの単独重合体であってよい。鎖状ポリオレフィン系樹脂は、二種以上の鎖状オレフィンからなる共重合体であってもよい。
環状ポリオレフィン系樹脂は、例えば、環状オレフィンの開環(共)重合体、又は環状オレフィンの付加重合体であってよい。環状ポリオレフィン系樹脂は、例えば、環状オレフィンと鎖状オレフィンとの共重合体(例えば、ランダム共重合体)であってよい。共重合体を構成する鎖状オレフィンは、例えば、エチレン又はプロピレンであってよい。環状ポリオレフィン系樹脂は、上記の重合体を不飽和カルボン酸若しくはその誘導体で変性したグラフト重合体、又はそれらの水素化物であってもよい。環状ポリオレフィン系樹脂は、例えば、ノルボルネン又は多環ノルボルネン系モノマー等のノルボルネン系モノマーを用いたノルボルネン系樹脂であってよい。
セルロースエステル系樹脂は、例えば、セルローストリアセテート(トリアセチルセルロース)、セルロースジアセテート、セルローストリプロピオネート又はセルロースジプロピオネートであってよい。これらの共重合物を用いてもよい。水酸基の一部が他の置換基で修飾されたセルロースエステル系樹脂を用いてもよい。
セルロースエステル系樹脂以外のポリエステル系樹脂を用いてもよい。ポリエステル系樹脂は、例えば、多価カルボン酸又はその誘導体と多価アルコールとの重縮合体であってよい。多価カルボン酸又はその誘導体は、ジカルボン酸又はその誘導体であってよい。多価カルボン酸又はその誘導体は、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ジメチルテレフタレート、又はナフタレンジカルボン酸ジメチルであってよい。多価アルコールは、例えば、ジオールであってよい。多価アルコールは、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、又はシクロヘキサンジメタノールであってよい。
ポリエステル系樹脂は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリシクロへキサンジメチルテレフタレート、又はポリシクロヘキサンジメチルナフタレートであってよい。
ポリカーボネート系樹脂は、カルボナート基を介して重合単位(モノマー)が結合された重合体である。ポリカーボネート系樹脂は、修飾されたポリマー骨格を有する変性ポリカーボネートであってよく、共重合ポリカーボネートであってもよい。
(メタ)アクリル系樹脂は、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸エステル(例えば、ポリメタクリル酸メチル);メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体;メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体;メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体;(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体(例えば、MS樹脂);メタクリル酸メチルと脂環族炭化水素基を有する化合物との共重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体等)であってよい。
保護フィルム4は、滑剤、可塑剤、分散剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、及び酸化防止剤からな群より選ばれる少なくとも一種の添加剤を含んでよい。
保護フィルム4の厚みは、90μm以下、50μm以下、又は30μm以下であってよい。保護フィルム4が薄いほど、偏光板の薄型化が容易である。保護フィルム4の厚みは、5μm以上であってよい。保護フィルム4が厚いほど、保護フィルム4の機械的強度及び取扱性が向上し易い。
保護フィルム4は、位相差フィルム又は輝度向上フィルムのように、光学機能を有するフィルムであってよい。例えば、上記熱可塑性樹脂からなるフィルムを延伸したり、該フィルム上に液晶層等を形成したりすることにより、任意の位相差値が付与された位相差フィルムが得られる。
接着剤層6は、ポリビニルアルコール等の水系接着剤を含んでよく、後述する活性エネルギー線硬化性樹脂を含んでもよい。硬化した接着剤層6の厚みは、例えば、0.05μm以上10μm以下であってよい。接着剤層6が厚いほど、偏光子8と保護フィルム4との間に気泡が形成され難く、偏光子8及び保護フィルム4が強固に接着され易い。接着剤層6が薄いほど、偏光板の薄型化が容易である。
図1中の(a)及び(b)に示すように、塗工工程では、積層体2aを方向d2へ搬送する。続いて、図1中の(a)及び(c)に示すように、塗工装置1を用いて、活性エネルギー線硬化性樹脂を含む塗膜12aを、積層体2aが有する偏光子8の表面に形成する。換言すると、塗膜12aを、積層体2aの偏光子8側の表面に形成して、積層体2bを得る。塗工装置1は、例えば、マイクロチャンバードクター等のグラビアコーターであってよい。塗膜12aは、活性エネルギー線硬化性樹脂のみからなっていてよい。
活性エネルギー線硬化性樹脂は、活性エネルギー線を照射されることにより、硬化する樹脂である。活性エネルギー線は、例えば、紫外線、可視光、電子線、又はX線であってよい。活性エネルギー線硬化性樹脂は、紫外線硬化性樹脂であってよい。紫外線硬化性樹脂は、無溶剤型の接着剤として調製することができる。したがって、活性エネルギー線硬化性樹脂が紫外線硬化性樹脂である場合、塗工工程又は照射工程の後で、溶剤を除去するための乾燥工程を実施しなくてもよい。また紫外線硬化性樹脂は、水系接着剤に比べて、透湿度の低い保護フィルムと併用し易い。
活性エネルギー線硬化性樹脂は、一種の樹脂であってよく、複数種の樹脂を含んでもよい。例えば、活性エネルギー線硬化性樹脂は、カチオン重合性の硬化性化合物、又はラジカル重合性の硬化性化合物を含んでよい。活性エネルギー線硬化性樹脂は、上記硬化性化合物の硬化反応を開始させるためのカチオン重合開始剤又はラジカル重合開始剤を含んでよい。
カチオン重合性の硬化性化合物は、例えば、エポキシ系化合物(分子内に少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物)、又はオキセタン系化合物(分子内に少なくとも一つのオキセタン環を有する化合物)であってよい。ラジカル重合性の硬化性化合物は、例えば、(メタ)アクリル系化合物(分子内に少なくとも一つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物)であってよい。ラジカル重合性の硬化性化合物は、ラジカル重合性の二重結合を有するビニル系化合物であってもよい。
活性エネルギー線硬化性樹脂は、必要に応じて、カチオン重合促進剤、イオントラップ剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、粘着付与剤、熱可塑性樹脂、充填剤、流動調整剤、可塑剤、消泡剤、帯電防止剤、レベリング剤、又は溶剤等を含んでよい。
硬化工程では、塗膜12aを偏光子8の表面に形成してから5秒以上経過した後、照射装置3を用いて、活性エネルギー線Lを塗膜12aへ照射する。活性エネルギー線Lの照射により、塗膜12aが硬化して樹脂層12bになる。以下では、塗膜12aを偏光子8の表面に形成してから活性エネルギー線Lを塗膜12aへ照射するまでの時間を、経過時間T1とする。つまり、経過時間T1は5秒以上である。
経過時間T1を5秒以上に調整することにより、未硬化の塗膜12aが偏光子8の表面へ斑なく濡れ広がり、未硬化の塗膜12aが偏光子8の表面に十分に密着する。未硬化の塗膜12aが偏光子8の表面に十分に密着した後で、活性エネルギー線Lを塗膜12aへ照射することにより、偏光子8に強固に接着した樹脂層12bが得られる。樹脂層12bが偏光子8に強固に接着しているため、偏光子8が急激な温度変化(熱衝撃)を被ったとしても、温度変化による偏光子8の変形(例えば、膨張及び収縮)が樹脂層12bによって抑制される。したがって、温度変化に伴う偏光子8の割れが抑制される。
経過時間T1は、例えば、7秒以上であってもよい。経過時間T1は、生産性の観点から、例えば、300秒以下、250秒以下、又は240秒以下であってもよい。経過時間T1が長いほど、偏光子8の割れが抑制され易い。経過時間T1が短いほど、硬化工程の所要時間が短く、偏光板の生産性が向上する。経過時間T1は、塗工装置1と照射装置3との距離によって調整してよい。経過時間T1は、積層体2bの搬送速度によって調整してもよい。
照射装置3は、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、又はメタルハライドランプであってよい。
硬化工程では、活性エネルギー線Lを塗膜12aへ直接的又は間接的に照射してよい。例えば、図1中の(a)に示すように、活性エネルギー線Lを塗膜12aの表面へ直接照射してよい。活性エネルギー線Lが保護フィルム4及び偏光子8を透過することができる場合、活性エネルギー線Lを保護フィルム4の側から塗膜12aへ照射してもよい。つまり、照射装置3を保護フィルム4側に配置し、活性エネルギー線Lを、保護フィルム4及び偏光子8を介して、塗膜12aへ照射してよい。活性エネルギー線Lを、塗膜12aの側及び保護フィルム4の側から、塗膜12aへ照射してもよい。つまり、活性エネルギー線Lを、塗膜12aの両面(表裏)へ照射してよい。
活性エネルギー線Lを塗膜12aへ照射する前の塗膜12aの表面の温度は、例えば、20℃以上140℃以下、又は20℃以上80℃以下に調整されてよい。塗膜12aの表面の温度がこれらの温度範囲内である場合、塗膜12aが偏光子8に密着し易く、偏光子8の割れが抑制され易い。塗膜12aの表面の温度は、塗膜12aの周りの雰囲気又は環境の温度と言い換えもよい。
以上の工程を経て製造された偏光板(積層体2b)は、図1中の(c)に示すように、樹脂層12bと、樹脂層12bに直接重なる偏光子8と、偏光子8に直接重なる接着剤層6と、接着剤層6を介して偏光子8に貼合された保護フィルム4と、を備える。上記の通り、偏光板が備える偏光子8が急激な温度変化(熱衝撃)を被ったとしても、温度変化による偏光子8の変形が樹脂層12bによって抑制される。したがって、温度変化に伴う偏光子8の割れが抑制される。
樹脂層12bは、偏光子8を保護する保護層であってよい。樹脂層12bは、光学補償層であってもよい。偏光板(積層体2b)は、保護フィルム4又は樹脂層12bに積層された他の光学層を備えてよい。他の光学層は、例えば、反射型偏光フィルム、防眩機能付フィルム、表面反射防止機能付フィルム、反射フィルム、半透過反射フィルム、視野角補償フィルム、ハードコート層、粘着剤層、タッチセンサー層、帯電防止層又は防汚層であってよい。
(第二実施形態)
本発明の第二実施形態に係る偏光板の製造方法は、以下に記載する事項を除いて、第一実施形態と同じである。第二実施形態においても、第一実施形態と同様に、温度変化に伴う偏光子の割れを抑制することができる。以下では、第一実施形態及び第二実施形態に共通する事項の説明を省略する。
第二実施形態に係る偏光板の製造方法は、少なくとも塗工工程と貼合工程と硬化工程とを備える。第二実施形態の塗工工程では、活性エネルギー線硬化性樹脂を含む塗膜を、フィルム状の基材の表面に形成する。第二実施形態の貼合工程では、基材を、塗膜を介して、フィルム状の偏光子の表面に貼合する。第二実施形態の硬化工程では、基材を偏光子の表面に貼合してから5秒以上経過した後、活性エネルギー線を塗膜へ照射して、塗膜から樹脂層を形成する。以下では、各工程を詳しく説明する。
図2及び図3中の(a)に示すように、第二実施形態の塗工工程では、第一積層体24を用いる。第一積層体24は、フィルム状の偏光子38と、偏光子38に重なる接着剤層36と、接着剤層36を介して偏光子8に貼合された保護フィルム34とを備える。第二実施形態の第一積層体24は、第一実施形態の積層体2aと同じであってよい。つまり、第二実施形態の偏光子38は、第一実施形態の偏光子8と同じであってよい。第二実施形態の接着剤層36は、第一実施形態の接着剤層6と同じであってよい。第二実施形態の保護フィルム34は、第一実施形態の保護フィルム4と同じであってよい。
図2及び図3中の(a)に示すように、第二実施形態では、第一積層体24aを方向d24に沿って搬送し、一対の貼合ロール(ロール7a及び7b)の間へ供給する。ガイドロール5aは、第一積層体24が有する保護フィルム34の表面に接する。
図2及び図3中の(a)に示すように、第二実施形態の塗工工程では、塗工装置1を用いて、活性エネルギー線硬化性樹脂を含む塗膜32aを、フィルム状の基材22aの表面に形成する。つまり塗工工程では、基材22aと、基材22aの表面に形成された塗膜32aとを備える第二積層体22bを作製する。第二実施形態の塗膜32aの組成は、第一実施形態の塗膜12aと同じであってよい。第二実施形態の基材22aは、第一実施形態の保護フィルム4と同様のフィルムであってよい。
図2及び図3中の(a)に示すように、第二実施形態では、第二積層体22bを方向d22に沿って搬送し、一対のロール7a及び7bの間へ供給する。ガイドロール5bは、第二積層体22bが有する基材22aの表面に接する。
図2及び図3に示すように、第二実施形態の貼合工程では、第二積層体22bの塗膜32aを、第一積層体24の偏光子38に対向させ、第一積層体24及び第二積層体を重ねる。重なった第一積層体24及び第二積層体22bを一対のロール7a及び7bで挟む。換言すると、一対の貼合ロールを用いて、基材22aを、塗膜32aを介して、偏光子38の表面に貼合する。その結果、基材22aと、基材22aに重なる塗膜32aと、塗膜32aに重なる偏光子38と、偏光子38に重なる接着剤層36と、接着剤層36に重なる保護フィルム34とを備える第三積層体26aが得られる。
図2に示すように、第二実施形態の硬化工程では、第三積層体26aを一対のロール7a及び7bの間から方向d26に沿って搬送する。そして、基材22aを偏光子38の表面に貼合してから5秒以上経過した後、照射装置3を用いて、活性エネルギー線Lを塗膜32aへ照射する。つまり、活性エネルギー線Lの照射により、塗膜32aが硬化して樹脂層32bになる。以下では、塗膜32aを介して基材22aを偏光子38の表面に貼合してから活性エネルギー線Lを塗膜32aへ照射するまでの時間を、経過時間T2とする。
第二実施形態の経過時間T2は、第一実施形態の経過時間T1に対応する。経過時間T2は7秒以上であってもよく、300秒以下、250秒以下、又は240秒以下であってもよい。経過時間T2は、ロール7a及び7bと照射装置3との距離によって調整してよい。経過時間T2は、第三積層体26aの搬送速度によって調整してもよい。
図2に示すように、硬化工程では、活性エネルギー線Lを基材22a側から塗膜32aへ照射してよい。つまり、活性エネルギー線Lを、基材22aを介して、塗膜32aへ照射してよい。活性エネルギー線Lを保護フィルム34の側から塗膜32aへ照射してもよい。つまり、照射装置3を保護フィルム34側に配置し、活性エネルギー線Lを、保護フィルム34及び偏光子38を介して、塗膜32aへ照射してよい。活性エネルギー線Lを、基材22a側及び保護フィルム34側から、塗膜32aへ照射してもよい。
第二実施形態では、硬化工程後に剥離工程を実施してよい。図2並びに図3中の(b)及び(c)に示すように、剥離工程では、基材22aを第三積層体26aの樹脂層32bから剥離する。剥離工程において、ガイドロール5cは、第三積層体26aが有する基材22aに接する。基材22aが剥離された第四積層体26bは方向d26へ搬送される。
剥離工程を実施する場合、第二実施形態において完成された偏光板は、基材22aを備えない。換言すれば、剥離工程を経て完成された偏光板(第四積層体26b)は、図2中の(c)に示すように、樹脂層32bと、樹脂層32に直接重なる偏光子38と、接着剤層36を介して偏光子38に貼合された保護フィルム34と、を備える。この偏光板(第四積層体26b)は、第一実施形態の偏光板(積層体2b)と同じであってよい。
剥離工程を実施する場合、塗工工程では、塗膜32aを、粗面化処理が施されていない基材22aの表面に形成してよい。粗面化処理を基材22aに施すと、塗膜32aが基材22aの表面に密着し易く、基材22aが硬化後の塗膜32a(樹脂層32b)から剥がれ難くなる。したがって、剥離工程を実施する場合、塗膜32aを、粗面化処理が施されていない基材22aの表面に形成することにより、剥離工程において基材22aを樹脂層32bから剥がし易くなる。粗面化処理は、例えば、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、又はフレーム処理(火炎処理)であってよい。
第二実施形態では、剥離工程を実施しなくてもよい。剥離工程を実施しない場合、塗工工程前に基材22aの表面に粗面化処理を施してよい。続く塗工工程では、塗膜32aを、粗面化された基材22aの表面に形成してよい。その結果、基材22aが樹脂層32bから剥離し難くなる。剥離工程を実施しない場合、第二実施形態において完成された偏光板は、基材22aを備える。基材22aは偏光子38を保護するフィルムとして機能してよい。樹脂層32bのみならず基材22aを備える偏光板の厚みは、基材22aが剥離された偏光板に比べて厚くなってしまう。しかし、偏光板が樹脂層32bのみならず基材22aを備えることにより、温度変化に伴う偏光子38の割れが抑制され易くなる。つまり、厚い基材22aは偏光子38の割れの抑制に寄与する。基材22aを備える偏光板は、基材22aに積層される他の光学層を備えてよい。
(第三実施形態)
本発明の第三実施形態に係る偏光板の製造方法は、以下に記載する事項を除いて、第一実施形態及び第二実施形態と同じである。第三実施形態においても、第一実施形態及び第二実施形態と同様に、温度変化に伴う偏光子の割れを抑制することができる。以下では、第一実施形態、第二実施形態及び第三実施形態に共通する事項の説明を省略する。
第三実施形態に係る偏光板の製造方法は、第二実施形態と同様に、少なくとも塗工工程と貼合工程と硬化工程とを備える。ただし、第三実施形態の塗工工程では、一対の基材其々の表面に塗膜を形成する。第三実施形態の貼合工程では、フィルム状の偏光子を一対の基材の間に配置する。そして、一対の基材を、塗膜を介して、偏光子の両面に貼合する。第三実施形態の硬化工程では、一対の基材を偏光子の両面に貼合してから5秒以上経過した後、活性エネルギー線を塗膜へ照射して、塗膜から樹脂層を形成する。これらの工程を以下に詳しく説明する。
図4及び図5中の(a)に示すように、第三実施形態の塗工工程では、塗工装置1aを用いて、活性エネルギー線硬化性樹脂を含む塗膜54aを、フィルム状の基材44aの表面に形成して、積層体44bを作製する。第三実施形態の積層体44bは、第二実施形態の第二積層体22bと同じであってよい。また塗工工程では、塗工装置1bを用いて、活性エネルギー線硬化性樹脂を含む塗膜52aを、フィルム状の基材42aの表面に形成して、積層体42bを作製する。第三実施形態の積層体42bは、第二実施形態の第二積層体22bと同じであってよい。積層体44bの塗膜54aの組成は、積層体42bの塗膜52aと同じであってよい。積層体44bの塗膜54aの組成は、積層体42bの塗膜52aと異なっていてもよい。積層体44bの基材44aの組成は、積層体42bの基材42aと同じであってよい。積層体44bの基材44aの組成は、積層体42bの基材42aと異なっていてもよい。
図4に示すように、第三実施形態では、積層体44bを方向d44に沿って搬送し、一対の貼合ロール(ロール7c及び7d)の間へ供給する。ガイドロール5dは、積層体44bが有する基材44aの表面に接する。また、積層体42bを方向d42に沿って搬送し、ロール7c及び7dの間へ供給する。ガイドロール5eは、積層体42bが有する基材42aの表面に接する。また、フィルム状の偏光子38を、ロール7c及び7dの間へ供給する。
図4及び図5に示すように、第三実施形態の貼合工程では、偏光子38を一対の積層体44b及び42bの間に挟む。積層体44bの塗膜54aは、偏光子38の一方の表面に対向する。積層体42bの塗膜52aは、偏光子38の他方の表面に対向する。そして、積層体44b、偏光子38及び積層体42bを重ねて一対のロール7c及び7dで挟む。その結果、図5中の(b)に示すように、基材44aが、塗膜54aを介して、偏光子38の一方の表面に貼合され、基材42aが、塗膜52aを介して、偏光子38の他方の表面に貼合される。つまり、貼合工程では、基材42aと、基材42aに重なる塗膜52aと、塗膜52aに重なる偏光子38と、偏光子38に重なる塗膜54aと、塗膜54aに重なる基材44aとを備える積層体46が得られる。
図4に示すように、第三実施形態の硬化工程では、積層体46を一対のロール7c及び7dの間から方向d46に沿って搬送する。そして、基材42a及び44aを偏光子38の表面に貼合してから5秒以上経過した後、照射装置3aを用いて、活性エネルギー線Lを塗膜52a及び54aへ照射する。つまり、活性エネルギー線Lの照射により、塗膜52a及び54aを硬化させる。続いて、積層体46を、ガイドロール5fを介して搬送した後、照射装置3bを用いて、再び活性エネルギー線Lを塗膜52a及び54aへ照射する。二度目の活性エネルギー線Lの照射により、各塗膜の硬化を促進する。以上の硬化工程により、塗膜52aから樹脂層52bが形成され、塗膜54aから樹脂層54bが形成される。以下では、塗膜52a及び54aを介して基材42a及び44aを偏光子38の表面に貼合してから、最初に活性エネルギー線Lを塗膜32a及び54aへ照射するまでの時間を、経過時間T3とする。
第三実施形態の経過時間T3は、第二実施形態の経過時間T2に対応する。経過時間T3は7秒以上であってもよく、300秒以下、250秒以下、又は240秒以下であってもよい。経過時間T3は、ロール7c及び7dと照射装置3aとの距離によって調整してよい。経過時間T3は、積層体46の搬送速度によって調整してもよい。
第三実施形態の硬化工程では、積層体46の基材42a側の表面に冷却ロール9を当接させた状態で、活性エネルギー線Lを基材44a側から塗膜52a及び54aへ照射する。つまり、活性エネルギー線Lを、基材44aを介して、塗膜52a及び54aへ照射する。
第三実施形態の変形例では、活性エネルギー線Lを積層体46の基材42a側から塗膜32aへ照射してもよい。つまり、照射装置3を積層体46の基材42a側に配置し、活性エネルギー線Lを、基材42aを介して、塗膜52a及び54aへ照射してよい。活性エネルギー線Lを、積層体46の両面側から、塗膜52a及び54aへ照射してもよい。
第三実施形態では、硬化工程後に剥離工程を実施してよい。例えば、剥離工程では、基材42aを積層体46の樹脂層52bから剥離してよい。基材44aを積層体46の樹脂層54bから剥離してもよい。
剥離工程を実施する場合、第三実施形態において完成された偏光板は、基材42a又は44aを備えない。例えば、剥離工程を経て完成された偏光板は、少なくとも、樹脂層52bと、樹脂層52bに直接重なる偏光子38と、偏光子38に直接重なる別の樹脂層54bと、を備えていればよい。偏光板は、樹脂層52b又は54bに積層された他の光学層を備えてよい。
剥離工程を実施する場合、粗面化処理が施されていない基材42a及び44aを塗工工程に用いればよい。
第三実施形態では、剥離工程において基材42a又は44aのうちいずれか一方のみを剥離してよい。基材42a又は44aのうちいずれか一方のみを剥離する場合、剥離しない側の基材として、粗面化処理が施された基材を塗工工程に用いればよい。第三実施形態では、剥離工程を実施しなくてもよい。剥離工程を実施しない場合、粗面化処理が施された基材を塗工工程に用いればよい。剥離工程を実施しない場合、第三実施形態において完成された偏光板は、図5中の(b)に示す積層体46そのものであってよい。この偏光板は、基材42a又は44aに積層された他の光学層を備えてよい。
以下、本発明の内容を実施例及び比較例を用いてより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(1)プライマー層形成工程
ポリビニルアルコール粉末を95℃の熱水に溶解し、濃度3重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。ポリビニルアルコール粉末としては、日本合成化学工業(株)製の「Z−200」(平均重合度1100、ケン化度99.5モル%)を用いた。ポリビニルアルコール水溶液に架橋剤を混合した。架橋剤の添加量は、ポリビニルアルコール粉末6重量部に対して5重量部に調整した。架橋剤としては、田岡化学工業(株)製の「スミレーズレジン650」を用いた。以上の工程により、プライマー層形成用の塗工液(塗工液1)を得た。
基材フィルムとして、厚み90μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(融点:163℃)を用意した。基材フィルムの片面にコロナ処理を施した。コロナ処理が施された基材フィルムの表面に、小径グラビアコーターを用いて、塗工液1を塗布した。基材フィルムに塗布された塗工液1を80℃で10分間乾燥させることにより、プライマー層を形成した。プライマー層の厚みは0.2μmであった。
(2)積層フィルムの作製(樹脂層形成工程)
ポリビニルアルコール粉末を95℃の熱水に溶解し、濃度8重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。ポリビニルアルコール粉末としては、(株)クラレ製の「PVA124」(平均重合度2400、ケン化度98.0〜99.0モル%)を用いた。このポリビニルアルコール水溶液を、ポリビニルアルコール系樹脂層形成用の塗工液(塗工液2)として用いた。
基材フィルムに形成されたプライマー層の表面に、リップコーターを用いて、塗工液2を塗布した。プライマー層の表面に塗布された塗工液2を、80℃で20分間乾燥させることにより、ポリビニルアルコール系樹脂層をプライマー層上に形成した。以上の工程により、基材フィルムと、基材フィルムに重なるプライマー層と、プライマー層に重なるポリビニルアルコール系樹脂層とからなる積層フィルムを得た。
(3)延伸フィルムの作製(延伸工程)
160℃で5.3倍の積層フィルムの自由端一軸延伸を実施して、延伸フィルムを得た。積層フィルムの延伸には、フローティング式の縦一軸延伸装置を用いた。延伸後のポリビニルアルコール系樹脂層の厚みは5.0μmであった。
(4)偏光性積層フィルムの作製(染色工程)
延伸フィルムを、ヨウ素及びヨウ化カリウムの水溶液(染色液)に約180秒間浸漬して、ポリビニルアルコール系樹脂層の染色処理を行った。染色液の温度は30℃に調整した。染色液中のヨウ素の重量は、水100重量部あたり0.6重量部に調整した。染色液中のヨウ化カリウムの重量は、水100重量部あたり10重量部に調整した。染色処理後、10℃の純水を用いて、余分な染色液をポリビニルアルコール系樹脂層から洗い流した。
続く第一架橋処理では、延伸フィルムを、ホウ酸を含む水溶液(第一架橋液)に120秒間浸漬した。第一架橋液の温度は78℃に調整した。第一架橋液中のホウ酸の重量は、水100重量部あたり9.5重量部に調整した。
続く第二架橋処理では、延伸フィルムを、ホウ酸及びヨウ化カリウムを含む水溶液(第二架橋液)に60秒間浸漬した。第二架橋液の温度は70℃に調整した。第二架橋液中のホウ酸の重量は、水100重量部あたり9.5重量部に調整した。第二架橋液中のヨウ化カリウムの重量は、水100重量部あたり4重量部に調整した。
第二架橋処理後、延伸フィルムを10℃の純水で10秒間洗浄した。洗浄後の延伸フィルムを40℃で300秒間乾燥させた。
以上の工程により、基材フィルムと、基材フィルムに重なるフィルム状の偏光子とからなる偏光性積層フィルムを得た。なお、フィルム状の偏光子の厚みは5.0μmであった。
(5)保護フィルム付偏光子の作製
第一保護フィルムとして、トリアセチルセルロース系樹脂からなるフィルムを用意した。第一保護フィルムの厚みは、25μmであった。第一保護フィルムは、偏光板を表示用セル上に配置する際に外側(表示用セルとの反対側)に配置される。
第一保護フィルムの表面にコロナ処理を施した。コロナ処理が施された第一保護フィルムの表面に、紫外線硬化性接着剤を塗布して、第一接着剤層を形成した。紫外線硬化性接着剤としては、(株)ADEKA製の「KR−70T」を用いた。紫外線硬化性接着剤の塗布には、小径グラビアコーターを用いた。
第一接着剤層を介して、第一保護フィルムを、偏光性積層フィルムが有する偏光子の表面に貼合した。第一保護フィルムの貼合には、一対の貼合ロールを用いた。
次いで、高圧水銀ランプを用いて、紫外線を偏光性積層フィルム側から第一接着剤層へ照射することにより、第一接着剤層を硬化させた。硬化後の第一接着剤層の厚みは、1.2μmであった。紫外線の積算光量は200mJ/cm2に調整した。
以上の工程により、基材フィルムと、基材フィルムに重なる偏光子と、偏光子に重なる第一接着剤層と、第一接着剤層を介して偏光子に貼合された第一保護フィルムと、からなる積層体を得た。この積層体から基材フィルムを剥離することにより、偏光子と、偏光子に重なる第一接着剤層と、第一接着剤層を介して偏光子に貼合された第一保護フィルムとからなる保護フィルム付偏光子を得た。
(6)偏光板の作製
(塗工工程)
保護層を形成するために、紫外線硬化性樹脂の一種であるエポキシ系樹脂を用意した。保護層は、偏光板を表示用セル上に配置する際に表示用セル側に配置される。エポキシ系樹脂としては、(株)ADEKA製の「KR−25T」を用いた。小径グラビアコーターを用いて、エポキシ系樹脂を、保護フィルム付偏光子を構成する偏光子の表面に塗布して塗膜を形成した。
(硬化工程)
塗膜を偏光子の表面に形成してから7秒経過した時点で、高圧水銀ランプを用いて、塗膜に紫外線を照射した。紫外線を照射する前の塗膜は、25℃の環境下にあった。紫外線の照射により塗膜を硬化して、樹脂層を形成した。塗膜に照射された紫外線の積算光量は200mJ/cmに調整した。樹脂層の厚みは、3.5μmであった。
以上の工程により、樹脂層と、樹脂層に重なる偏光子と、第一接着剤層と、第一接着剤層を介して偏光子に貼合された第一保護フィルムと、を備える実施例1の偏光板を作製した。
(7)熱衝撃試験(温度サイクル試験)
実施例1の偏光板を切断して、50枚のサンプルを作製した。サンプルの寸法は、50mm×50mmであった。各サンプルが有する第一保護フィルムの表面に粘着剤を付着させた。粘着剤を介して、各サンプルをガラス板に貼合した。このガラス板を試験槽内に設置した。試験槽内を冷却して試験槽内の温度を30分間−40℃に維持した後、試験槽内を加熱して試験槽内の温度を30分間85℃に維持した。この冷却及び加熱からなるサイクルを100回繰り返した後、ガラス板を試験槽から取り出した。サイクルの繰り返しによって割れた偏光子を有するサンプルの数を数えた。50枚のサンプルのうち、割れた偏光子を有するサンプルの割合(割れ発生率)を算出した。実施例1の割れ発生率を下記表1に示す。
[実施例2,3]
実施例2,3では、塗膜を偏光板の表面に形成してから塗膜に紫外線を照射するまでの時間(経過時間)を、下記表1に示す時間に調整した。経過時間以外は実施例1と同様の方法で、実施例2,3其々の偏光板を作製した。実施例1と同様の方法で、実施例2,3其々の熱衝撃試験を行った。実施例1と同様の方法で、実施例2,3其々の割れ発生率を算出した。実施例2,3其々の割れ発生率を下記表1に示す。
[比較例1]
比較例1の塗工工程では、エポキシ系樹脂からなる塗膜を、フィルム状の転写基材の表面に形成した。続いて、転写基材を、塗膜を介して、保護フィルム付偏光子を構成する偏光子の表面に貼合した。
比較例1の硬化工程では、塗膜を介して転写基材を偏光子の表面に貼合してから2秒経過した時点で、高圧水銀ランプを用いて、紫外線を塗膜へ照射した。
上記の工程以外は実施例1と同様の方法で、比較例1の偏光板を作製した。実施例1と同様の方法で、比較例1の熱衝撃試験を行った。実施例1の同様の方法で、比較例1の割れ発生率を算出した。比較例1の割れ発生率を下記表1に示す。
Figure 2019179272
本発明によれば、温度変化に伴う偏光子の割れを抑制することができる偏光板を製造することが可能である。
8,38…偏光子、12a,32a,52a,54a…塗膜、12b,32b,52b,54b…樹脂層(保護層)、22a,42a,44a…基材、L…活性エネルギー線。

Claims (6)

  1. 活性エネルギー線硬化性樹脂を含む塗膜を、フィルム状の基材の表面に形成する塗工工程と、
    前記基材を、前記塗膜を介して、フィルム状の偏光子の表面に貼合する貼合工程と、
    前記基材を前記偏光子の表面に貼合してから5秒以上経過した後、活性エネルギー線を前記塗膜へ照射して、前記塗膜から樹脂層を形成する硬化工程と、
    を備える、
    偏光板の製造方法。
  2. 前記塗工工程では、一対の前記基材其々の表面に前記塗膜を形成し、
    前記貼合工程では、前記偏光子を一対の前記基材の間に配置し、一対の前記基材を、前記塗膜を介して、前記偏光子の両面に貼合し、
    前記硬化工程では、一対の前記基材を前記偏光子の両面に貼合してから5秒以上経過した後、前記活性エネルギー線を前記塗膜へ照射して、前記塗膜から前記樹脂層を形成する、
    請求項1に記載の偏光板の製造方法。
  3. 前記硬化工程後、前記基材を前記樹脂層から剥離する剥離工程を更に備える、
    請求項1又は2に記載の偏光板の製造方法。
  4. 前記塗工工程では、前記塗膜を、粗面化処理が施されていない前記基材の表面に形成する、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の偏光板の製造方法。
  5. 前記樹脂層は、前記偏光子を保護する保護層である、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の偏光板の製造方法。
  6. 前記活性エネルギー線硬化性樹脂は、無溶剤型の接着剤であり、
    前記塗工工程の後で、前記活性エネルギー線硬化性樹脂から溶剤を除去する乾燥工程を実施しない、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の偏光板の製造方法。

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