JP2019171919A - 車体後部構造 - Google Patents

Abstract

【課題】撮像手段に雨滴や泥水等を映り込み難くすることができる車体後部構造を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の車体後部構造は、アウタパネル３１とこのアウタパネル３１よりも車内側にあるインナパネル３２とからなり、車体後部に設けられた開口部２を開閉する開閉体３と、開閉体３よりも下方のバンパ部材４に設けられたナンバープレート１０と、アウタパネル３１の後面から後方に突出した突出部３１ｃを有するエンブレム５と、アウタパネル３１とインナパネル３２との前後方向の間に設けられた車両後方を撮像する撮像手段６と、を備えている。撮像手段６は、突出部３１ｃの下方に形成された撮像手段設置孔３１ｅに設けられている。
【選択図】図４

Description

本発明は、車体後部構造に関し、特に、車体後部に自動車の後方を撮影する撮像手段を備えた車体後部構造に関する。

従来、自動車の車体後部に撮像手段（以下適宜「リヤカメラ」という）を配置したものとしては、例えば、特許文献１に記載された車載用監視装置が知られている。特許文献１に記載の車載用監視装置のように、一般のリヤカメラは、ナンバープレート（ライセンスプレート）が設置される設置場所の上側に設置されている。
また、ナンバープレートの設置場所がバンパにある自動車の場合、リヤカメラは、バンパのナンバープレート設置場所の上側に設置されている。

特開２００３−８９５１号公報（図９（ａ）、（ｂ）参照）

しかし、特許文献１に記載されているように、ナンバープレート設置場所の上側にリヤカメラを設置した自動車では、リヤカメラの画角や、雨滴に対する対策が必要であるという問題点があった。

特に、ナンバープレート設置場所がバンパにある自動車では、バックカメラの設置位置が地面に近い下側の位置にある。このため、リヤカメラは、雨天時の雨滴や、走行中に跳ね上げた泥水等がカメラのレンズに付着し易く、雨滴や跳ね上げた泥水等が映り込んでしまうという問題点があった。

そこで、本発明は、撮像手段に雨滴や泥水等を映り込み難くすることができる車体後部構造を提供することを課題とする。

前記課題を解決するために、本発明に係る車体後部構造は、アウタパネルとこのアウタパネルよりも車内側にあるインナパネルとからなり、車体後部に設けられた開口部を開閉する開閉体と、前記開閉体よりも下方のバンパ部材に設けられたナンバープレートと、前記アウタパネルの後面から後方に突出した突出部を有するエンブレムと、前記アウタパネルと前記インナパネルとの前後方向の間に設けられた車両後方を撮像する撮像手段と、を備え、前記撮像手段は、前記突出部の下方に形成された撮像手段設置孔に設けられていることを特徴とする。

本発明は、撮像手段に雨滴や泥水等を映り込み難くすることができる車体後部構造を提供することができる。

本発明の実施形態に係る車体後部構造の一例を示す図であり、エンブレムの設置状態を示す要部斜視図である。 エンブレムの設置状態を示す要部拡大側面図である。 図１のＩＩＩ−ＩＩＩ拡大断面図である。 図３のＡ部拡大図である。 図１のＶ−Ｖ拡大断面図である。

以下、図１〜図５を参照して本発明の実施形態に係る車体後部構造の一例を説明する。
なお、車両の進行方向を「前」、後退方向を「後」、鉛直上方側を「上」、鉛直下方側を「下」、車幅方向を「左」、「右」として適宜説明する。

≪車両≫
車両１は、図１に示すように、車体後部１ａに、開口部２を開閉するトランクリッド、跳ね上げ式のバックドア、観音開き式のダブルバックドア、片開式ヒンジ型バックドア等からなる開閉体３を有するものであればよい。このため、車両１は、特に、形式及び種類は限定されない。
以下、車体後部１ａに開口部２を開閉するトランクリッドからなる開閉体３を備えた車両１の場合を例に挙げて本発明を説明する。
つまり、車両１は、具体例を挙げると、ハッチバック、セダン、ＳＵＶ（Sports Utility Vehicle）や、ワンボックス車や、ミニバン等である。

＜車体後部＞
図３に示すように、車体後部１ａには、エンブレム５及び撮像手段６を有する開閉体３と、ナンバープレート１０を有するバンパ部材４と、リヤバンパビーム１１と、リヤサイドフレーム１２と、を備えている。

≪開閉体≫
開閉体３は、車体後部１ａに設けられた荷物収納用のトランクルームＴＲの開口部２を開閉するトランクリッドである。開閉体３は、アウタパネル３１と、このアウタパネル３１よりも車内側にあるインナパネル３２と、から主に形成されている。開閉体３には、ヒンジ機構３３と、エンブレム５と、撮像手段６と、アウタウェザーストリップ３４と、ストライカ３７と、ストライカ取付用補強部材３８と、不図示のハーネスが設けられている。開閉体３は、前後方向に略水平に延設された上面部３ａと、上面部３ａの後端から下方向に延設された後面部３ｂと、を備えて、縦断面視して略逆Ｌ字状に形成されている。後面部３ｂの中央部の上側寄りの位置には、エンブレム５と、撮像手段６と、が配置されている（図１参照）。

＜アウタパネル＞
図３に示すように、アウタパネル３１は、開閉体３の車外側の面を形成する金属製板部材である。アウタパネル３１及びインナパネル３２は、例えば、圧延鋼板をプレス加工して形成されている。アウタパネル３１は、アウタパネルアッパ３１ａと、アウタパネルロア３１ｂと、アウタパネルロア３１ｂに形成された突出部３１ｃ、エンブレム装飾部３１ｄ及び撮像手段設置孔３１ｅと、を有している。

アウタパネルアッパ３１ａは、アウタパネル３１の上面部３ａと、アウタパネル３１の後面部３ｂの上半分と、を形成する金属製パネル材である。アウタパネルアッパ３１ａは、縦断面視して略Ｌ字状に形成されている。

図４に示すように、アウタパネルロア３１ｂは、アウタパネルアッパ３１ａの後端部下側に設けられた金属製パネル部材である。アウタパネルロア３１ｂは、アウタパネルアッパ３１ａの後面部３ｂの上部寄りの位置からアウタパネル３１の下端に亘ってアウタパネル３１の外面を形成している。

図５に示すように、突出部３１ｃは、エンブレム５及びエンブレム装飾部３１ｄの台座となる略円形の突起である。突出部３１ｃは、アウタパネルロア３１ｂの上端部中央のアウタパネル３１の後面から後側方向に突出した状態に一体形成されている。また、図１に示すように、突出部３１ｃは、後面視して、円形の突出部３１ｃの上部半分が、アウタパネルロア３１ｂの上端から上方向に半円状に突出した状態に形成されている。

図５に示すように、エンブレム装飾部３１ｄは、エンブレム５が取り付けられる装飾部分である。エンブレム装飾部３１ｄは、後面視して略環状（略円筒状）に形成された突出部３１ｃの後側表面に一体成形された略円形状のものからなる。

撮像手段設置孔３１ｅは、撮像手段６を設置するための貫通孔からなる。撮像手段設置孔３１ｅは、突出部３１ｃの中央部下側の隣接した位置に形成されている。

＜インナパネル＞
図３に示すように、インナパネル３２は、開閉体３の車内側の表面を形成する金属製板部材である。インナパネル３２の前側には、ヒンジ機構３３と、アウタウェザーストリップ３４と、補強部材３５と、補強部材固定クリップ３６と、が設けられている。

≪エンブレム≫
図４に示すように、エンブレム５は、製造会社や、自動車の車名等を表す紋章である。エンブレム５は、突出部３１ｃと、エンブレム装飾部３１ｄと、エンブレム装飾部３１ｄに設けられた紋章部５ａと、エンブレム装飾部３１ｄに周設された枠部５ｂと、固定手段７を設置される固定手段設置部５ｃと、を有している。エンブレム５及びエンブレム装飾部３１ｄは、突出部３１ｃから車両後方側に向かって下方向に傾斜している状態に配置されている。

紋章部５ａは、例えば、製造会社のマーク等を模った部材である（図１参照）。紋章部５ａは、樹脂または金属によって形成されている。
枠部５ｂは、紋章部５ａを外周部を囲むように形成された環状部分である。枠部５ｂは、紋章部５ａ及び固定手段設置部５ｃと一体に形成されている。

図４及び図５に示すように、固定手段設置部５ｃは、エンブレム固定用の固定手段７が設置される箇所である。固定手段設置部５ｃは、エンブレム装飾部３１ｄの前側の中央部上側寄りの位置に形成されている。また、固定手段設置部５ｃは、撮像手段６のよりも上方に配置されている。固定手段設置部５ｃには、固定手段７が装着される貫通孔（図示省略）が形成されている。
固定手段７は、例えば、エンブレム５を開閉体３のアウタパネル３１に固定するための樹脂製のクリップからなる。

≪撮像手段≫
図５に示すように、撮像手段６は、車両１の後方を撮影して、車両１の後方を監視するためのバックカメラ（「バックビューカメラ」、「リヤビューカメラ」ともいわれている。）である。撮像手段６で撮影した画像は、例えば、インストルメントパネルに設けられたカーナビゲーション・システムのディスプレイに映し出される。
撮像手段６は、撮像手段本体６１と、撮像手段本体６１に設けられたレンズ部６２及びコネクタ部６３と、撮像手段本体６１に取り付けられたカバー部材６４と、を備えている。撮像手段６は、アウタパネル３１とインナパネル３２との前後方向の間に設けられている。

レンズ部６２は、撮像手段本体６１の後端部に配置されている。レンズ部６２は、突出部３１ｃの下方に形成された撮像手段設置孔３１ｅに係合するようにして設けられている。コネクタ部６３は、撮像手段本体６１の前端部に設置されている。コネクタ部６３には、車体側からヒンジ機構３３（図３参照）の近傍を通して開閉体３内に配線されたハーネス（図示省略）が接続されている。

図５に示すように、カバー部材６４は、撮像手段本体６１を覆うようにして撮像手段本体６１の外周部に取り付けられた筒状の樹脂製保護カバーである。このカバー部材６４及び撮像手段本体６１には、金属製板部材からなるブラケット（図示省略）が取り付けられている。カバー部材６４及び撮像手段本体６１は、そのブラケット（図示省略）をインナパネル３２に取り付けられたブラケット固定部材３２ａにネジ止めすることで、開閉体３の内部に固定されている。

図３に示すように、ヒンジ機構３３は、開閉体３を車体に回動自在に連結させるための連結装置である。ヒンジ機構３３は、後端部がインナパネル３２に固定され、前端部が車体に回動自在に設置されている。

アウタウェザーストリップ３４は、雨水がトランクルームＴＲ内に浸入するのを阻止するゴム製の部材である。アウタウェザーストリップ３４は、インナパネル３２のトランクルームＴＲ側の周部に設けられている。アウタウェザーストリップ３４は、開閉体３を閉めた際に、車体側の開口部２の周辺に設けられているインナウェザーストリップ１４に当接するように配置されている。

補強部材３５は、アウタパネル３１とインナパネル３２からなる中空状の開閉体３を補強するための金属製の角筒状部材からなる。補強部材３５は、開閉体３の上部に左右方向に延設されている。
補強部材固定クリップ３６は、補強部材３５をインナパネル３２に固定するための樹脂製の固定具である。

ストライカ３７は、トランクリッドロック機構８に係合・離脱する金属製フック部材である。ストライカ３７は、インナパネル３２の前側下端部に設けられたストライカ取付用補強部材３８の下端に露出した状態に取り付けられている。
ストライカ取付用補強部材３８は、ストライカ３７を開閉体３に取り付けるために、インナパネル３２の前側下端部を補強するための金属製板部材である。

≪バンパ部材≫
図１に示すように、バンパ部材４は、前記した開閉体３の下側に設置されている。バンパ部材４は、例えば、車幅方向に延設された樹脂製の部材からなる。バンパ部材４の後面中央部には、ナンバープレート設置部４ａが形成されている。

≪ナンバープレート≫
ナンバープレート１０は、開閉体３よりも下方に配置されたバンパ部材４のナンバープレート設置部４ａにネジ止めされている。

≪リヤバンパビーム≫
図３に示すように、リヤバンパビーム１１は、バンパ部材４を保持する金属製の骨格部材である。リヤバンパビーム１１は、バンパ部材４の内部に配置されて、車幅方向に延設されている。リヤバンパビーム１１は、側面視して撮像手段６よりも後方に設置されている。

≪リヤサイドフレーム≫
リヤサイドフレーム１２は、車両１の左右端部にそれぞれ配置された角筒状の金属製の骨格部材である。リヤサイドフレーム１２は、リヤバンパビーム１１の左右端部からバンパエクステンション１３を介在して前方に延設されている。

≪車体後部構造の作用≫
次に、図１〜図５を参照しながら本発明の実施形態に係る車体後部構造の作用を説明する。

図１に示すように、車体後部１ａに配置されたトランクリッドからなる開閉体３の後面部３ｂの中央部上側寄りの位置には、突出部３１ｃを有している。その突出部３１ｃには、エンブレム５が設けられている。突出部３１ｃの下側には、撮像手段６のレンズ部６２を配置するための撮像手段設置孔３１ｅが形成されている。撮像手段６は、図３及び図４に示すように、アウタパネル３１とインナパネル３２との間の空間に設置されて、開閉体３の後部から突出していない。

このようにして撮像手段６は、地面から比較的高い位置に配置されている。このため、撮像手段６は、車両１の後方を撮影し易く、雨滴や泥水等が付着し難い位置に設置されている。

本発明の実施形態に係る車両後部構造は、アウタパネル３１とこのアウタパネル３１よりも車内側にあるインナパネル３２とからなり、車体後部１ａに設けられた開口部２を開閉する開閉体３と、開閉体３よりも下方のバンパ部材４に設けられたナンバープレート１０と、アウタパネル３１の後面から後方に突出した突出部３１ｃを有するエンブレム装飾部３１ｄと、アウタパネル３１とインナパネル３２との前後方向の間に設けられた車両後方を撮像する撮像手段６と、を備え、撮像手段６は、突出部３１ｃの下方に形成された撮像手段設置孔３１ｅに設けられている。

これにより、ナンバープレート１０をバンパ部材４に設けた場合でも撮像手段６は、図３または図４に示すように、エンブレム５の突出部３１ｃによって水滴、雨滴が付着するのを防止することができる。このため、撮像手段６に、水滴、雨滴が映り込むことを抑制することができる。また、開閉体３は、アウタパネル３１とインナパネル３２によって、撮像手段６を覆っているため、撮像手段６に外力が負荷されるのを防止して保護することができる。また、撮像手段設置孔３１ｅは、エンブレム５の下に設けたことによって、撮像手段６を目立ち難い状態に配置することができるので、外観性を向上させることができる。

また、エンブレム５は、突出部３１ｃから車両後方側に向かって下方向に傾斜している。
これにより、エンブレム５は、傾斜して配置されていることにより、撮像手段６の上側にある突出部３１ｃが庇や雨避けの役目を果すため、車体から伝わる水滴が撮像手段６に流れ込むのを抑制することができる。

また、アウタパネル３１は、エンブレム５と一体形成されている。
これにより、アウタパネル３１は、撮像手段６が配置される撮像手段設置孔３１ｅとエンブレム５の突出部３１ｃを一体形成していることによって、それぞれの成型性を向上させることができる。このため、アウタパネル３１は、撮像手段６の配置や、撮像手段６の画角に与える影響や、製造されたエンブレム５の形状のバラツキを低減させることができる。

また、図３及び図４に示すように、撮像手段６の上方に、エンブレム５を開閉体３に固定する固定手段７を設けている。
これにより、エンブレム５は、固定手段７によって開閉体３にしっかりとを固定することができるため、エンブレム５が変位するなどして撮像手段６に影響を与えることを低減させることができる。

また、図３に示すように、撮像手段６よりも後方に、車幅方向に延びるリヤバンパビーム１１を設けている。
これにより、リヤバンパビーム１１は、撮像手段６よりも後方に設けられていることによって、後面衝突時に撮像手段６が破損するのを抑制して保護することができる。

［変形例］
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。

例えば、エンブレム５は、アウタパネル３１のエンブレム装飾部３１ｄに取り付けた場合を説明したが、エンブレム装飾部３１ｄに一体形成したものであってもよい。
また、エンブレム５が、例えば、アウタパネル３１に直接紋章を刻印するように形成されるか、直接塗付して設けたものであってもよい。
また、エンブレム５は、紋章を付記したラベル等をエンブレム装飾部３１ｄに貼付したものであってもよい。

また、アウタパネルロア３１ｂは、樹脂製で形成したガーニッシュであってもよい。その場合、固定手段７は、アウタパネルロア３１ｂに樹脂で一体に形成したものであってもよい。また、その場合、エンブレム５は、アウタパネルロア３１ｂ及び突出部３１ｃに一体に樹脂形成したものでもよい。

また、エンブレム５を開閉体３に固定する固定手段７は、アウタパネルロア３１ｂが金属製の場合、クリップに替えて、溶接で固定してもよい。

１ 車体
１ａ 車体後部
２ 開口部
３ 開閉体
４ バンパ部材
５ エンブレム
６ 撮像手段
７ 固定手段
１０ ナンバープレート
１１ リヤバンパ
３１ アウタパネル
３１ｃ 突出部
３１ｄ エンブレムエンブレム装飾部（エンブレム）
３１ｅ 撮像手段設置孔
３２ インナパネル

Claims (5)

1. アウタパネルとこのアウタパネルよりも車内側にあるインナパネルとからなり、車体後部に設けられた開口部を開閉する開閉体と、
   前記開閉体よりも下方のバンパ部材に設けられたナンバープレートと、
   前記アウタパネルの後面から後方に突出した突出部を有するエンブレムと、
   前記アウタパネルと前記インナパネルとの前後方向の間に設けられた車両後方を撮像する撮像手段と、を備え、
   前記撮像手段は、前記突出部の下方に形成された撮像手段設置孔に設けられていることを特徴とする車両後部構造。
2. 前記エンブレムは、前記突出部から車両後方側に向かって下方向に傾斜していることを特徴とする請求項１に記載の車両後部構造。
3. 前記アウタパネルは、前記エンブレムと一体形成されていることを特徴とする請求項１または請求項２に記載の車両後部構造。
4. 前記撮像手段の上方に、前記エンブレムを前記開閉体に固定する固定手段を設けたことを特徴とする請求項１から請求項３のうちのいずれか１項に記載の車両後部構造。
5. 前記撮像手段よりも後方に、車幅方向に延びるリヤバンパビームを設けたことを特徴とする請求項１から請求項４のうちのいずれか１項に記載の車両後部構造。

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