JP2019171402A - はすば歯車及びはすば歯車の製造方法 - Google Patents

はすば歯車及びはすば歯車の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鉄等の硬い素材により構成され、ねじれ角が大きな歯や、モジュールの値が大きな歯を有するはすば歯車、及び、当該はすば歯車を製造するはすば歯車の製造方法を提供すること。【解決手段】歯車部10を有し、歯車部10には、歯直角に対して直角な方向で切った歯の断面に平行なファイバーフローが形成されている、前方押し出し方式で常温の被加工材が金型に押込まれて成形されたはすば歯車1である。また、被加工材を前段金型に押込むことにより前段金型によって平歯車を成形する平歯車成形工程と、平歯車の軸心を中心に被加工材を捻り部材により保持して捻りながら、前段金型によって成形された平歯車を押込み部材により後段金型に押込むことにより、後段金型によってはすば歯車1を成形するはすば歯車成形工程と、を有するはすば歯車の製造方法である。【選択図】図1

Description

本発明は、はすば歯車及びはすば歯車の製造方法に関する。
従来より、ねじれ角を有するはすば歯車を成形する前方押し出し方式の冷間鍛造が知られている(例えば、特許文献1参照)。冷間鍛造を行う歯車成形型においては、第1のダイスによってねじれ角20°の歯を成形し、その成形した歯を第2のダイスによってねじれ角30°の歯に成形する。第1のダイス、第2のダイスによってそれぞれ所定のねじれ角の歯が形成される際には、当該歯を形成するための第1のダイスの歯形、第2のダイスの歯形のそれぞれのねじれ角によって、歯が形成される素材は回転させられる。
実開昭58−43842号公報
上述の従来の前方押し出し方式による冷間鍛造では、例えば、素材として鉄を用いる場合には、30°以上はおろか20°以上のねじれ角が大きな歯を成形することや、モジュール2以上の大きな歯を成形することは実際にはできない。ねじれ角が大きいと、成形荷重が大きくなり過ぎて、金型が破損するためである。また、モジュールの大きな歯を成形する場合には、金型の負荷が大きく、金型が破損したり金型の寿命が極端に短くなったりするためである。また、ワークが金型歯先まで充填されず、所定の形状に成形できない、ワークを離型できない、という問題も生ずる。
本発明は、鉄等の硬い素材により構成され、ねじれ角が大きな歯や、モジュールの値が大きな歯を有するはすば歯車、及び、当該はすば歯車を製造するはすば歯車の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明は、歯車部(例えば、後述の歯車部10)を有し、前方押し出し方式で常温の被加工材(例えば、後述のワークW)が金型(例えば、後述の金型部300)に押込まれて成形されたはすば歯車(例えば、後述のはすば歯車1)であって、前記歯車部には、歯直角に対して直角な方向で切った歯の断面に平行なファイバーフロー(例えば、後述のファイバーフロー13)が形成されている、はすば歯車を提供する。
これにより、はすば歯車の歯を形成するためのカッターを使ったいわゆる歯切りにより製造されたはすば歯車と比較して、歯切りによる切粉が発生しないため、被加工材にかかる仕込み材料を少なく抑えられたはすば歯車とすることができる。また、歯切りの場合には、歯数が多い程加工時間を要するが、前方押し出し方式で常温の被加工材を金型に押込む成形では上下の金型による圧縮成形であるため、圧倒的な短時間で製造された、ねじれ角が20°以上、モジュールの値が2以上のはすば歯車とすることができる。
また、前方押し出し方式で常温の被加工材を金型に押込む成形によって形成されたはすば歯車においては、はすば歯車を構成する材料のファイバーフローが繋がっている。このため、歯元部に残留圧縮応力をもたせることで、強度が向上したはすば歯車とすることができる。より詳細には、歯への回転力の入力方向が歯直角に対して直角方向となるはすば歯車において、前方押し出し方式で常温の被加工材を金型に押込む成形により、はすば歯車において形成されるファイバーフローは、はすば歯車への回転力の入力方向に対して直交する方向に延びる。このため、歯のせん断荷重(特に衝撃荷重)に対して有利に働くはすば歯車とすることができる。
この場合、前記歯車部と一体成形された回転軸(例えば、後述の回転軸部20)を有することが好ましい。これにより、はずば歯車を成形する際に、回転軸を保持した状態で、被加工材の端部を回転させるようにして捻ることを容易とすることができる。
また、本発明は、被加工材(例えば、後述のワークW)を前段金型(例えば、後述の前段金型310)に押込むことにより前記前段金型によって平歯車(例えば、後述の平歯車W11、W12)を成形する平歯車成形工程と、前記平歯車の軸心を中心に前記被加工材を捻り部材(例えば、後述のワーク捻り部400)により保持して捻りながら、前記前段金型によって成形された前記平歯車(例えば、後述の平歯車W12)を押込み部材(例えば、後述のプレス部200)により後段金型(例えば、後述の後段金型330)に押込むことにより、前記後段金型によってはすば歯車(例えば、後述のはすば歯車W13、歯車部10)を成形するはすば歯車成形工程と、を有するはすば歯車の製造方法を提供する。
これにより、押込み部材により付加される成形荷重を低く抑えることが可能であるため、比較的小さなプレス機で押込み部材を構成してはずば歯車を製造することができる。また、後段金型と被加工材との間における焼付きを抑えることができる。また、製造されるはすば歯車の歯のねじれ角が20°以上と大きい場合であっても、成形荷重が大きくなり過ぎることを抑えることができ、後段金型が破損することを抑えることができる。また、モジュールの値が2以上と大きい歯のはすば歯車を製造する場合であっても、金型への負荷を抑えるこが可能となり、金型が破損すること、又は、金型寿命が極端に短くなることを抑えることができる。即ち、従来では、金型の破損等により、ねじれ角が20°以上と大きいはすば歯車や、モジュールの値が2以上と大きい歯のはすば歯車を製造することは、前方押し出し方式の冷間鍛造ではできなかったが、本発明による前方押し出し方式で常温の被加工材を金型に押込む成形では、製造することができる。
また、はすば歯車の歯を形成するためのカッターを使ったいわゆる歯切りによってはすば歯車を製造する場合と比較して、歯切りによる切粉が発生しないため、被加工材にかかる仕込み材料を少なく抑えて、はすば歯車を製造することができる。また、歯切りの場合には、歯数が多い程加工時間を要するが、本発明による前方押し出し方式で常温の被加工材を金型に押込む成形では、上下の金型による圧縮成形であるため、圧倒的な短時間ではすば歯車を製造することができる。
また、前方押し出し方式で常温の被加工材を金型に押込む成形によって形成するため、はすば歯車においては、はすば歯車を構成する材料のファイバーフローが繋がっている。このため、歯元部に残留圧縮応力をもたせた、強度が向上したはすば歯車を製造することができる。より詳細には、歯への回転力の入力方向が歯直角に対して直角方向となるはすば歯車において、前方押し出し方式で常温の被加工材を金型に押込む成形により、はすば歯車において形成されるファイバーフローは、はすば歯車への回転力の入力方向に対して直交する方向に延びる。即ち、歯のせん断荷重(特に衝撃荷重)に対して有利に働くはすば歯車を製造することができる。
また、前記前段金型は、第1金型(例えば、後述の第1金型312)と第2金型(例えば、後述の第2金型313)とを有し、前記第1金型は、押込まれた前記被加工材を、第1の歯たけを有する平歯車(例えば、後述の平歯車W11)に成形し、前記第2金型は、前記第1の歯たけを有する平歯車を、前記第1の歯たけよりも高い第2の歯たけを有する平歯車(例えば、後述の平歯車W12)に成形することが好ましい。
これにより、被加工材を前段金型に押し込むための押込み部材による大きな負荷をかけずに、第2金型に形成されている溝の先端まで被加工材を充填させることが可能となり、直接第2の歯たけを有する平歯車を成形する場合と比較して、前段金型への負荷を抑えることが可能となり、前段金型の破損や前段金型の寿命が極端に短くなることを抑えることが可能となる。
また、前記後段金型は、第3金型(例えば、後述の第3金型331)と第4金型(例えば、後述の第4金型332)とを有し、前記第3金型は、押込まれた前記平歯車を、第1のねじれ角を有するはすば歯車(例えば、後述のはすば歯車W13)に成形し、前記第4金型は、前記第1のねじれ角を有するはすば歯車を、前記第1のねじれ角よりも大きな第2のねじれ角を有するはすば歯車(例えば、後述の歯車部10)に成形することが好ましい。
これにより、最終的に成形される第2のねじれ角を有するはすば歯車を直接成形する場合と比較して、第1のねじれ角を有するはすば歯車を第2のねじれ角を有するはすば歯車へと変形させるため、後段金型への負荷を抑えることが可能となり、最終的なはすば歯車のねじれ角が20°以上であっても、はすば歯車を成形することができ、且つ、後段金型の破損や後段金型の寿命が極端に短くなることを抑えることが可能となる。
また、前記ねじり部材は、前記被加工材に一体成形された回転軸(例えば、後述の回転軸部20)に係合して回転する回転部材(例えば、後述のワーク接続部440)により構成され、前記はすば歯車成形工程では、前記回転部材によって前記被加工材を捻ることが好ましい。
これにより、はすば歯車を成形する第3金型、第4金型において被加工材が成形されているときに、被加工材の回転軸をはすば歯車の歯の螺旋の方向に沿って容易に捻る(回転する)ことが可能となる。
本発明によれば、鉄等の硬い素材により構成され、ねじれ角が大きな歯や、モジュールの値が大きな歯を有するはすば歯車、及び、当該はすば歯車を製造するはすば歯車の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るはすば歯車を示す正面図である。 本発明の一実施形態に係るはすば歯車の歯直角に対して直角な方向で切った歯の断面に平行なファイバーフローが現われている様子を示す正面図である。 本発明の一実施形態に係るはすば歯車の歯直角に対して直角な方向で切った歯の断面の方向を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係るはすば歯車の歯直角に対して直角な方向で切った歯の断面の方向を示す側方説明図である。 本発明の一実施形態に係るはすば歯車の歯直角に対して直角な方向で切った歯の断面の方向を示す平面説明図である。 本発明の一実施形態に係るはすば歯車の製造方法において、ワークが前段金型にセットされた状態を示す概略側面図である。 本発明の一実施形態に係るはすば歯車の製造方法において、はずば歯車の成形が完了した状態を示す概略側面図である。 本発明の一実施形態に係るはすば歯車の製造方法において用いられる金型部を示す概略側面図である。 本発明の一実施形態に係るはすば歯車の製造方法において用いられるワーク捻り部を示す概略上面図である。 本発明の一実施形態に係るはすば歯車の製造方法において、はすば歯車の成形に用いられるワークを示す正面図である。 本発明の一実施形態に係るはすば歯車の製造方法において、第1の歯たけを有する平歯車が成形されたワークを示す正面図である。 本発明の一実施形態に係るはすば歯車の製造方法において、第1の歯たけを有する平歯車において第2の歯たけを有する平歯車が成形されている様子を示す正面図である。 本発明の一実施形態に係るはすば歯車の製造方法において、第2の歯たけを有する平歯車が成形されたワークを示す正面図である。 本発明の一実施形態に係るはすば歯車の製造方法において、第1のねじれ角を有するはすば歯車が成形されたワークを示す正面図である。 本発明の一実施形態に係るはすば歯車の製造方法において、ワークに形成された平歯車が第1のねじれ角を有するはすば歯車に成形されてゆく様子を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係るはすば歯車の製造方法において、ワークに形成された平歯車が第1のねじれ角を有するはすば歯車に成形されてゆく際に、歯に対して力が作用する箇所を示す説明図である。 本発明の一実施形態によるはすば歯車の製造方法の変形例を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。先ず、本実施形態によるはすば歯車1について説明する。図1は、はすば歯車1を示す正面図である。図2Aは、はすば歯車1の歯直角に対して直角な方向で切った歯の断面に平行なファイバーフロー13が現われている様子を示す正面図である。図2Bは、はすば歯車1の歯直角に対して直角な方向で切った歯の断面の方向を示す説明図である。図2Cは、はすば歯車1の歯直角に対して直角な方向で切った歯の断面の方向を示す側方説明図である。図2Dは、はすば歯車1の歯直角に対して直角な方向で切った歯の断面の方向を示す平面説明図である。
はすば歯車1は、車両の変速機に用いられるはすば歯車であり、図1に示すように、歯車部10と回転軸部20と平行歯スプライン30とを有している。歯車部10と回転軸部20と平行歯スプライン30とは、後述するはすば歯車の製造方法による、前方押し出し方式による冷間鍛造により、Hv150(ビッカース硬さ)相当以上で歯車に適した構造用炭素鋼材(SCM材)のワークWが一体成形されて構成されている。
回転軸部20は、図1に示すように、円柱形状を有しており、はすば歯車1の長手方向における一端部(図1に示す上端部)から長手方向における他端部(図1に示す下端部)に至るまで延びている。
歯車部10は、回転軸部20の一端部近傍であって回転軸部20の一端部よりもわずかに下端部寄りの位置に形成されている。前述のように歯車部10と回転軸部20とは、一体成形されて構成されているため、歯車部10は、中空の円筒状(円環状)に形成されてはおらず、中実に形成されている。歯車部10の外周面にはモジュールの値が2以上であり、且つ、ねじれ角が20°以上、例えば、本実施形態においては、31.5°のねじれ角の歯11が形成されており、はすば歯車1を構成する。モジュールの値を2以上とし、ねじれ角を20°以上としたのは、従来の前方押し出し方式の冷間鍛造では、2以上のモジュールの値のはすば歯車や、20°以上のねじれ角のはすば歯車を成形することはできなかったからである。
歯車部10には、歯直角に対して直角な方向で切った歯の断面に平行なファイバーフロー13が形成されている。ここで、歯直角に対して直角な方向で切った歯の断面とは、図2B〜図2Dに示すように、一の歯11の上端部の図2Cに示す左端Sと、当該一の歯11の下端部の図2Cに示す右端S’とを結ぶように切った断面を意味する。
具体的には、図2Aに示すように、歯車部10における歯11が延びる方向に沿った断面である歯直角な断面においては、繊維状の金属組織の流れである多数のファイバーフロー13が、歯車部10の外周縁に沿うように、図2Aに示す上側の回転軸部20の部分から、歯車部10を通り、図2Aに示す下側の回転軸部20の部分に至るまで平行に形成されている。
即ち、平行なファイバーフロー13は、図2Aに示す上側の回転軸部20の部分においては、それぞれ回転軸部20の外周面から所定の深さで形成されている。そして、平行なファイバーフロー13は、歯車部10においても、図2Aに示す上側の回転軸部20の部分と同様に、歯車部10の外周面から所定の深さで形成されるように、上側の回転軸部20の部分と歯車部10との境界部分でそれぞれ歯車部10の外周面の方向へ湾曲し、歯車部10の外周面に沿って図2Aの下方向へ延びている。そして、歯車部10と下側の回転軸部20の部分との境界部分においても、図2Aに示す歯車部10と上側の回転軸部20の部分の境界部分と同様に、下側の回転軸部20の外周面から所定の深さで形成されるように、歯車部10と下側の回転軸部20の部分との境界部分でそれぞれ下側の回転軸部20の部分の外周面の方向へ湾曲し、下側の回転軸部20の部分の外周面に沿って図2Aの下方向へ延びている。このように歯直角に対して直角な方向で切った歯の断面に平行なファイバーフロー13が形成されているのは、はすば歯車1が前方押し出し方式の冷間鍛造により鍛造されて成形されたためである。
平行歯スプライン30は、回転軸部20の他端部(図1に示す下端部)近傍であって回転軸部20の他端部よりもわずかに一端部寄りの位置に、回転軸部20の軸方向(図2Aにおける上下方向)において歯車部10に対して所定の間隔を隔てて形成されている。前述のように平行歯スプライン30と回転軸部20とは、一体成形されて構成されているため、平行歯スプライン30は中空の円筒状(円環状)に形成されてはおらず、中実に形成されている。平行歯スプライン30の外周面には回転軸部20の軸心に平行な複数の平行歯31が形成されている。
次に、はすば歯車の製造方法で用いられる冷間鍛造装置100について説明する。図3は、ワークWが前段金型310にセットされた状態を示す概略側面図である。図4は、はずば歯車1の成形が完了した状態を示す概略側面図である。図5は、金型部300を示す概略側面図である。図6は、ワーク捻り部400を示す概略上面図である。
冷間鍛造装置100は、図3等に示すように、押込み部材としてのプレス部200と、金型部300と、捻り部材としてのワーク捻り部400とを有している。プレス部200は、ワークガイドピン210と、支持部220と、アクチュエータ230と、上側ガイド240とを備えている。
アクチュエータ230は、上下方向移動可能な駆動軸231を有しており、アクチュエータ230が駆動することにより駆動軸231を上下方向へ駆動させる。ワークガイドピン210は、上下方向に延びる円柱形状を有している。ワークガイドピン210の下端部は、はすば歯車1へ成形される被加工材としてのワークWの上端部に当接し下方向へ押圧する。ワークガイドピン210の上端部は、支持部220を介してアクチュエータ230の駆動軸231に固定されている。ワークガイドピン210については、不図示の位置検出センサーにより、ワークガイドピン210の位置が検出される。
支持部220は、基部221とピン固定部225とを有している。基部221には貫通孔232が形成されており、貫通孔232には、アクチュエータ230の駆動軸231が貫通している。また、基部221の貫通孔232の下側の開口には、筒形状部223が下方向へ延びるように設けられている。筒形状部223の内部には、ワークガイドピン210の上端部と、アクチュエータ230の駆動軸231の下端面との接続部分が位置している。
ピン固定部225は、軸心が上下方向に指向し上下方向に駆動するアクチュエータ230の駆動軸231の下端部に固定されており、アクチュエータ230の駆動軸231が上下に駆動することにより、駆動軸231と一体的に上下する。上側ガイド240は、円筒形状を有しており、上側ガイド240の上端部は、支持部220に固定され、支持部220から下方向へ延びている。上側ガイド240は、支持部220と一体で上下方向へ移動可能である。
金型部300は、図5に示すように、収納部301と、環状部302と、前段金型310と、後段金型330とを有している。収納部301は、円筒形状を有している。収納部301の内部空間には、前段金型310及び後段金型330が収納される。環状部302は、収納部301の上端部の開口に固定されることにより、前段金型310及び後段金型330を収納部301の内部空間に固定する。
前段金型310は、ワークWが押込まれることによりワークWに平歯車W11、W12を成形する。具体的には、前段金型310は、ワークセット金型311と第1金型312と第2金型313とを有している。ワークセット金型311と第1金型312と第2金型313とは、この順で上から下へ向かって積層されて、収納部301の内部空間に収納され収納部301に対して固定されている。
ワークセット金型311は、ワークWを支持可能なワーク支持貫通孔3112が形成されたワークセット部3111を有している。第1金型312は、第1成形部3121を有している。第1成形部3121には、押込まれた被加工材であるワークWを、第1の歯たけを有する平歯車W11に成形するための、第1の深さを有する複数の第1溝3123(図4参照)が形成された第1貫通孔3122(図5参照)が形成されている。なお、図4等においては、説明の便宜上、第1溝3123、第2溝3133、第3溝3313、第4溝3323を1本のみ(第4溝3323については2本)図示しているが、実際には、複数本の第1溝3123、第2溝3133、第3溝3313、第4溝3323が形成されている。
図5に示すように、第2金型313は、第2成形部3131を有している。第2成形部3131には、後述のように第1金型312によって成形された第1の歯たけを有する平歯車W11(図9参照)を、第1の歯たけよりも高い第2の歯たけを有する平歯車W12(図9参照)に成形するための、第2の深さを有する複数の第2溝3133(図4参照)が形成された第2貫通孔3132(図5参照)が形成されている。第2金型313は、第2貫通孔3132と第1貫通孔3122とが同軸的な位置関係であって、且つ、上下方向において、全ての第1溝3123と全ての第2溝3133とが連続する位置関係で、第1金型312の下側に積層されている。
後段金型330は、第3金型331と第4金型332とを有している。第3金型331と第4金型332とは、この順で上から下へ向かって積層されて、収納部301の内部空間に収納され、収納部301に対して固定されており、第2金型313と第3金型331とは、この順で上から下へ向かって積層されて、収納部301の内部空間に収納され収納部301に対して固定されている。
第3金型331は、第3成形部3311を有している。第3成形部3311には、第2金型313によって成形された第2の歯たけを有する平歯車W12(図10参照)を、第1のねじれ角を有するはすば歯車W13(図11参照)に成形するため、第1のねじれ角の螺旋状の複数の第3溝3313が形成された第3貫通孔3312が形成されている。ここで第1のねじれ角の値を、完成品(第2のねじれ角)の1/2程度の15°としている。具体的には、完成品(第2のねじれ角)の1/4〜3/4の間で設定する事で、金型部300への負荷を第1金型312と第2金型313とに分配させて金型寿命を延長させる事が可能である。下限値を1/4としたのは、これより小さい値では、第2金型313への負荷が大きくなりすぎるためである。また、上限値を3/4としたのは、これより大きい値では、第1金型312への負荷が大きくなりすぎるためである。
第4金型332は、第4成形部3321を有している。第4成形部3321には、第3金型331によって成形された第1のねじれ角を有するはすば歯車W13(図11参照)を、第1のねじれ角よりも大きなねじれ角である第2のねじれ角を有するはすば歯車1の歯車部10(図1参照)に成形するため、第2のねじれ角の螺旋状の複数の第4溝3323(図5参照)が形成された第4貫通孔3322が形成されている。ここで第2のねじれ角の値は、20°以上であり、本実施形態では、例えば31.5°である。20°以上としたのは、従来の前方押し出し方式の冷間鍛造では、20°以上のねじれ角のはすば歯車を成形することはできなかったからである。
第4金型332は、第4貫通孔3322と第3貫通孔3312とが同軸的な位置関係であって、且つ、上下方向において、全ての第3溝3313と全ての第4溝3323とが連続する位置関係となるような位置関係で、第3金型331の下側となるように積層されている。また、第3金型331は、第3貫通孔3312と第2貫通孔3132とが同軸的な位置関係であって、且つ、上下方向において、全ての第2溝3133と全ての第3溝3313とが連続する位置関係となるような位置関係で、第2金型313の下側に積層されている。
図3、図4、図6に示すように、ワーク捻り部400は、金型支持部410と、回転円柱部420と、アクチュエータ430と、ワーク接続部440と、下側ガイド450とを有している。金型支持部410は、外形が略円筒形状を有しており、金型支持部410の上端部が後段金型330(図5参照)の下端部に対して固定されて、金型部300を金型支持部410に対して固定した状態で支持しており、後述のように、回転円柱部420が回転する際に、前段金型310及び後段金型330が回転しないように回転止めの機能を発揮する。回転円柱部420は、金型支持部410の内部空間に、金型支持部410と同軸的な位置関係で配置されている。図6に示すように、回転円柱部420は、ピニオン422を有しており、ピニオン422は、回転可能に支持されている。図6に示すように、ピニオン422の中央部には、ピニオン422の軸心方向へ延びる十字形状の十字貫通孔423が形成されている。
図6に示すように、アクチュエータ430は、回転円柱部420の軸心(十字貫通孔423の軸心)を中心とする点対称の位置関係で一対設けられている。アクチュエータ430は、それぞれアクチュエータ本体431と、アクチュエータ430から離間/接近可能な駆動軸432とを有しており、駆動軸432の先端部には、それぞれ複数の歯が形成されたラック433が設けられている。ラック433は、回転円柱部420のピニオン422に噛合っており、アクチュエータ430が駆動して駆動軸432がアクチュエータ430本体に対して離間/接近することにより、回転円柱部420のピニオン422は、十字貫通孔423の軸心を中心として、被固定部材421に対して十字貫通孔423と一体で回転する。駆動軸432及びラック433については、位置検出センサー435により、駆動軸432及びラック433の位置が検出される。
図4に示すように、ワーク接続部440は、ワークWに一体成形された回転軸部20に設けられた平行歯スプライン30(図1参照)に係合して回転する。具体的には、ワーク接続部440は、ジョイントピン441と、スプラインスリーブ445とを有している。ジョイントピン441は、円筒形状を有する円筒状部4411と、円筒状部4411の下端部の近傍部に円筒状部4411に固定された十字状部4412とを有している。円筒状部4411の上端部は、複数の溝が形成された円筒状部スプライン部4413を有している。
十字状部4412は、円筒状部4411に固定され、円筒状部4411からそれぞれ円筒状部4411の径方向に突出する4つの円筒形状部により構成されている。十字状部4412及び円筒状部4411は、回転円柱部420の十字貫通孔423(図6参照)において、回転円柱部420の軸心方向である上下方向へ移動可能である。即ち、ワークWがプレス部200のワークガイドピン210によって下方向へ押されて移動する際に、ワークWの下側においてワークWを支持した状態で、ワークWと一体で、十字状部4412及び円筒状部4411を有するジョイントピン441は、下方向へ移動する。十字状部4412は十字貫通孔423に係合しており、このように係合した状態で回転円柱部420が回転することにより、円筒状部4411及び十字状部4412は、回転円柱部420と一体的に回転しながら、ジョイントピン441は、上下方向へ移動可能である。
スプラインスリーブ445は、円筒形状を有している。スプラインスリーブ445の内周面には、スプラインスリーブ445の軸心方向に延びる多数の溝が形成されている。スプラインスリーブ445の下端部の溝には、円筒状部スプライン部4413が噛合った状態で、スプラインスリーブ445の内部空間へ円筒状部スプライン部4413が挿入されて、スプラインスリーブ445の下端部と円筒状部4411の上端部とが固定される。スプラインスリーブ445の上端部の溝には、ワークWの平行歯スプライン30(図1参照)が噛合った状態で、スプラインスリーブ445の内部空間へ平行歯スプライン30が挿入されて、スプラインスリーブ445の上端部とワークWの下端部とが固定される。
図3に示すように、下側ガイド450は、円柱形状を有しており、金型支持部410に固定され、金型支持部410から上方向へ延びている。下側ガイド450の上端部は、上側ガイド240の下端部の内部空間に挿入されている。この構成により、上側ガイド240は、下側ガイド450に対して摺動可能であり、上側ガイド240は、下側ガイド450に案内されて、支持部220と一体で上下方向へ移動可能である。
次に、はすば歯車の製造方法について説明する。図7は、はすば歯車の製造方法において、はすば歯車1の成形に用いられるワークWを示す正面図である。図8は、はすば歯車の製造方法において、第1の歯たけを有する平歯車W11が成形されたワークWを示す正面図である。図9は、はすば歯車の製造方法において、第1の歯たけを有する平歯車W11において第2の歯たけを有する平歯車W12が成形されている様子を示す正面図である。図10は、はすば歯車の製造方法において、第2の歯たけを有する平歯車W12が成形されたワークWを示す正面図である。図11は、はすば歯車の製造方法において、第1のねじれ角を有するはすば歯車W13が成形されたワークWを示す正面図である。図12は、はすば歯車の製造方法において、ワークWに形成された平歯車W12が第1のねじれ角を有するはすば歯車W13に成形されてゆく様子を示す説明図である。図13は、はすば歯車の製造方法において、ワークWに形成された平歯車W12が第1のねじれ角を有するはすば歯車W13に成形されてゆく際に、歯に対して力が作用する箇所を示す説明図である。
はすば歯車の製造方法は、平歯車成形工程とはすば歯車成形工程とを有する。平歯車成形工程では、ワークWを前段金型310に押込むことにより前段金型310によって平歯車を成形する。はすば歯車成形工程では、平歯車の軸心を中心にワークWをワーク捻り部400により保持して捻りながら、前段金型310によって成形された平歯車W12をプレス部200により後段金型330に押込むことにより、後段金型330によってはすば歯車1を成形する。
具体的には、平歯車成形工程では、先ず、はすば歯車1が成形されるワークWの円柱状の部分W10(図7参照)が平行歯スプライン30の上側に位置する位置関係でワークWをワークセット金型311にセットして、ワークWがワークセット部3111に支持された状態とする。次に、プレス部200のアクチュエータ230を駆動させてワークガイドピン210を下降させてゆき、ワークガイドピン210の下端部をワークWの回転軸部20の上端部に当接させる。また、これと共に、ワーク接続部440のジョイントピン441及びスプラインスリーブ445を上方向へ移動させてゆき、スプラインスリーブ445の上端部に対してワークWの平行歯スプライン30を相対的に挿入して、スプラインスリーブ445でワークWの下端部を支持する。
次に、平歯車成形工程を行う。平歯車成形工程においては、先ず、プレス部200のアクチュエータ230を駆動させて、ワークWを前段金型310の第1金型312に押込んでゆく。これにより、図7に示すように未だ平歯車もはすば歯車も形成されていないワークWの円柱状の部分W10に、第1の歯たけを有する複数の歯が、ワークWの回転軸部20に平行に形成されてゆき、図8に示すように、第1の歯たけを有する平歯車W11がワークWの上部に形成される。次に、更にプレス部200のアクチュエータ230を駆動させて、ワークWの平歯車W11を前段金型310の第2金型313に押込んでゆく。これにより、図9に示すように、第1の歯たけを有する平歯車W11の部分に、第2の歯たけを有する複数の歯(平歯車W12)が、ワークWの回転軸部20に平行に形成されてゆき、図10に示すように、第2の歯たけを有する平歯車W12がワークWの上部に形成される。以上が、平歯車成形工程である。
次に、はすば歯車成形工程を行う。はすば歯車成形工程においては、先ず、平歯車W12が形成されたワークWの部分が後段金型330の第3金型331に押込まれる前に、ワーク捻り部400のアクチュエータ430を駆動させてラック433を構成する駆動軸432を移動させることにより、ワーク捻り部400の回転円柱部420及びワーク接続部440を、回転円柱部420の十字貫通孔423を中心として回転させ始める。次に、プレス部200のアクチュエータ230を駆動させて、ワークWの平歯車W12を後段金型330の第3金型331に押込んでゆく。これにより、図12に示すように、第2の歯たけを有する平歯車W12の複数の歯が、それぞれ第1のねじれ角の螺旋状の複数の第3溝3313によって第3溝3313に倣った螺旋状に変形させられてゆく。
このとき、図12に示すように、ワークWに形成された平歯車W12の歯においては、矢印Cで示すように、下方向へ押込まれている力(プレス力)が作用しているが、これと共に、第3溝3313に入った歯の部分においては、矢印Bで示すように、ワークWが捻られる力(回転しようとする力)が作用し、一方、未だ第2金型313にある歯の部分においては、矢印Aで示すように、ワークWが捻られる力(回転しようとする力)に抗する力が作用する。このとき、図13に示すように、歯のねじれの方向における上流側(図13におれる部分D)においては、ワークWが下方向へ押込まれるプレス部200からの力が作用して、第3溝3313を形成している第3金型331の部分に、ワークWに形成された歯がワークWの軸方向下側へ押当てられて曲げられる。これに対して、図13に示すように、歯のねじれの方向における下流側(図13におれる部分E)においては、捻り部によるワークWを捻る捻り力(回転力)が作用して、第3溝3313を形成している第3金型331の部分に、ワークWに形成された歯が、ワークWの周方向に押当てられて曲げられる。これらの力によりワークWは、第2金型313から第3金型331へ流動してゆき、図11に示すような、第1のねじれ角を有するはすば歯車W13が成形される。
次に、プレス部200(図3等参照)のアクチュエータ230を駆動させて、ワークWを前段金型310(図5参照)の第4金型332に押込んでゆく。これと同時に、ワーク捻り部400のアクチュエータ430を駆動させてラック433を構成する駆動軸432を移動させることにより、ワーク捻り部400の回転円柱部420及びワーク接続部440を、回転円柱部420の十字貫通孔423を中心として更に回転させる。これにより、第1のねじれ角を有するはすば歯車1の複数の歯が、それぞれ第2のねじれ角の螺旋状の複数の第4溝3323によって第4溝3323に倣った螺旋状に変形させられてゆくと同時に、ワークWの下端部側から捻られてゆく。
このとき、ワークWに形成されたはすば歯車1の複数の歯では、第3金型331の場合と同様に、ワークWは、下方向へ押込まれている力(プレス力)が作用しているが、これと共に、第4溝3323(図4参照)に入った歯の部分においては、ワークWが捻られる力(回転しようとする力)が作用し、未だ第3金型331にある歯の部分においては、ワークWが捻られる力(回転しようとする力)に抗する力が作用する。これらの力によりワークWは、第3金型331から第4金型332へ流動してゆき、図1に示すような、第2のねじれ角を有するはすば歯車1の歯車部10が成形される。以上がはすば歯車成形工程である。
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態では、はすば歯車1の歯車部10には、歯直角に対して直角な方向で切った歯の断面に平行なファイバーフロー13が形成されている。
これにより、はすば歯車1が前方押し出し方式の冷間鍛造により鍛造されて成形されて、歯直角な断面においてこのような平行なファイバーフロー13が形成されるため、はすば歯車の歯を形成するためのカッターを使ったいわゆる歯切りによりはすば歯車1を製造する場合と比較して、歯切りによる切粉が発生しないため、ワークWにかかる仕込み材料が少なく抑えられたはすば歯車1とすることができる。また、歯切りの場合には、歯数が多い程加工時間を要するが、冷間鍛造では金型部300による圧縮成形であるため、圧倒的な短時間で製造された、ねじれ角が20°以上、モジュールの値が2以上のはすば歯車1とすることができる。
また、冷間鍛造によって形成されたはすば歯車1においては、はすば歯車1を構成する材料のファイバーフロー13が繋がっている。このため、歯元部に残留圧縮応力をもたせることで、強度が向上したはすば歯車1とすることができる。より詳細には、歯への回転力の入力方向が歯直角に対して直角方向となるはすば歯車1において、前方押し出し方式の冷間鍛造により、はすば歯車1において形成されるファイバーフロー13は、はすば歯車1への回転力の入力方向に対して直交する方向に延びる。このため、歯のせん断荷重(特に衝撃荷重)に対して有利に働くはすば歯車1とすることができる。
また、はすば歯車1は、歯車部10と一体成形された回転軸としての回転軸部20を有する。これにより、はずば歯車を成形する際に、回転軸部20の平行歯スプライン30を保持した状態で、ワークWの下側を回転させるようにして捻ることを容易とすることができる。
また、本実施形態では、はすば歯車1の製造方法は、ワークWを前段金型310に押込むことにより前段金型310によって平歯車W11、W12を成形する平歯車成形工程と、平歯車W12の軸心を中心にワークWをワーク捻り部400により保持して捻りながら、前段金型310によって成形された平歯車W12をプレス部200により後段金型330に押込むことにより、後段金型330によってはすば歯車1を成形するはすば歯車成形工程とを有する。
これにより、プレス部200により付加される成形荷重を低く抑えることが可能であるため、比較的小さなプレス機ではずば歯車1を製造することができる。また、金型部300とワークWとの間における焼付きを抑えることができる。また、製造されるはすば歯車1の歯のねじれ角が20°以上と大きい場合であっても、成形荷重が大きくなり過ぎることを抑えることができ、金型部300が破損することを抑えることができる。また、モジュールの値が2以上と大きい歯のはすば歯車1を製造する場合であっても、金型部300への負荷を抑えるこが可能となり、金型部300が破損すること、又は、金型部300の寿命が極端に短くなることを抑えることができる。即ち、従来では、金型部300の破損等により、ねじれ角が20°以上と大きいはすば歯車1や、モジュールの値が2以上と大きい歯のはすば歯車1を製造することは、前方押し出し方式の冷間鍛造ではできなかったが、本実施形態による前方押し出し方式の冷間鍛造では、製造することができる。
また、歯を形成するためのカッターを使ったいわゆる歯切りによりはすば歯車1を製造する場合と比較して、歯切りによる切粉が発生しない。このため、はすば歯車1の製造に際して、ワークWにかかる仕込み材料を少なく抑えることができる。また、歯切りの場合には、歯数が多い程加工時間を要するが、冷間鍛造では金型部300による圧縮成形であるため、圧倒的な短時間ではすば歯車1を製造することができる。また、冷間鍛造によって形成することにより、はすば歯車1において、はすば歯車1を構成する材料のファイバーフロー13を繋がった状態とすることができる。このため、歯元部に残留圧縮応力をもたせることで、はすば歯車1の強度を向上できる。また、はすば歯車1の歯への回転力の入力方向は、歯直角に対して直角方向となる。本実施形態により製造されたはすば歯車1において形成すされたファイバーフロー13は、入力方向に対して直交する方向に延びる。このため、歯のせん断荷重(特に衝撃荷重)に対して有利に働くはすば歯車1を製造することができる。
また、前段金型310は、第1金型312と第2金型313とを有する。第1金型312は、押込まれたワークWを、第1の歯たけを有する平歯車W11に成形する。第2金型313は、第1の歯たけを有する平歯車W11を、第1の歯たけよりも高い第2の歯たけを有する平歯車W12に成形する。
これにより、ワークWを前段金型310に押し込むためのプレス部200による大きな負荷をかけずに、第2金型313の第2溝3133の先端までワークWを充填させることが可能となり、直接第2の歯たけを有する平歯車W12を成形する場合と比較して、金型部300への負荷を抑えることが可能となり、金型部300の破損や金型部300の寿命が極端に短くなることを抑えることが可能となる。
また、後段金型330は、第3金型331と第4金型332とを有する。第3金型331は、押込まれた平歯車W12を、第1のねじれ角を有するはすば歯車W13に成形する。第4金型332は、第1のねじれ角を有するはすば歯車W13を、第1のねじれ角よりも大きな第2のねじれ角を有するはすば歯車1の歯車部10に成形する。
これにより、最終的に成形される第2のねじれ角を有するはすば歯車1を直接成形する場合と比較して、第1のねじれ角を有するはすば歯車W13を第2のねじれ角を有するはすば歯車1の歯車部10へと変形させるため、金型部300への負荷を抑えることが可能となり、最終的なはすば歯車1の歯車部10のねじれ角が20°以上であっても、はすば歯車1を成形することができ、且つ、金型部300の破損や金型部300の寿命が極端に短くなることを抑えることが可能となる。
また、ねじり部材としてのワーク捻り部400は、ワークWに一体成形された回転軸部20の平行歯スプライン30に係合して回転する回転部材としてのワーク接続部440により構成される。はすば歯車成形工程では、ワーク接続部440によってワークWを捻る。
これにより、はすば歯車1を成形する第3金型331、第4金型332においてワークWが成形されているときに、ワークWの平行歯スプライン30を、はすば歯車1の歯の螺旋の方向に沿って容易に捻る(回転する)ことが可能となる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
例えば、本実施形態においては、はすば歯車1は、歯車部10と回転軸部20と平行歯スプライン30とを有していたが、この構成に限定されない。例えば、はすば歯車は、回転軸部20と平行歯スプライン30とを有しておらず、内部が中空の円筒形状の歯車部のみを有していてもよい。この場合であっても、歯車部には、ねじれ角が20°以上の歯や、モジュールの値が2以上の歯が形成される。
また、この場合には、はすば歯車の製造方法では、ワークWAに対して捻り力(回転力)を付加できるように、内径スプラインや、溝や、凸部等が、ワークWAの内周面や外周面や端面に形成されていればよい。これらに下側から、図14に示すようにオス型ピン445Aが係合することにより、図14における矢印Bで示す捻り力(回転力)をワークWAに対して付加すると同時に、上方からワークガイドピン210AがワークWAの内部に挿入され、図14における矢印Cで示すように、ワークガイドピン210Aと一体で移動する図示しない押圧部が、円筒形状を有するワークWAの上端部に対して下方向へ押し込む力を付加する。これにより、前述の実施形態と同様に、はすば歯車を製造することが可能である。図14は、はすば歯車の製造方法の変形例を示す概略図である。
また、本実施形態によるはすば歯車1は、平行歯スプライン30を有していたが、この構成に限定されない。例えば、はすば歯車は、平行歯スプライン30に代えて六角柱部や二面幅部を有していてもよく、これらにより、はすば歯車1となるワークWを回転することができる構成を有していればよい。
また、本実施形態においては、前段金型310は、第1金型312及び第2金型313により構成され、後段金型330は、第3金型331及び第4金型332により構成されたが、この構成に限定されない。例えば、前段金型は、1つの金型により構成されてもよい。この場合であっても、ワークWが押し込まれる方向における上流側の前段金型の部分においては、第1の歯たけを有する平歯車を成形し、ワークWが押し込まれる方向における下流側の前段金型の部分においては、第2の歯たけを有する平歯車を成形する。
また、本実施形態においては、歯車部10と回転軸部20と平行歯スプライン30とは、構造用炭素鋼材(SCM材)のワークWが一体成形されて構成されていたが、これに限定されない。例えば、歯車部10と回転軸部20と平行歯スプライン30とは、炭素鋼及び構造用炭素鋼材(SCR、SCM、SNCM等)のワークWが一体成形されて構成されていてもよい。
また、本実施形態においては、はすば歯車1は、前方押し出し方式による冷間鍛造により製造されたが、例えば、ワークWを温間鍛造や、熱間鍛造等で製造し、最後にはすば歯車を成形する工程で冷間鍛造が行われて製造されてもよい。
また、はすば歯車の各部の構成やはすば歯車の製造方法の各工程は、本実施形態におけるはすば歯車1の各部の構成やはすば歯車の製造方法の各工程に限定されない。
1…はすば歯車
10…歯車部
13…ファイバーフロー
20…回転軸部(回転軸)
200…プレス部
300…金型部
310…前段金型
312…第1金型
313…第2金型
330…後段金型
331…第3金型
332…第4金型
400…ワーク捻り部(捻り部材)
440…ワーク接続部(回転部材)
W…ワーク
W11、W12…平歯車
W13…はすば歯車

Claims (6)

  1. 歯車部を有し、前方押し出し方式で常温の被加工材が金型に押込まれて成形されたはすば歯車であって、
    前記歯車部には、歯直角に対して直角な方向で切った歯の断面に平行なファイバーフローが形成されている、はすば歯車。
  2. 前記歯車部と一体成形された回転軸を有する請求項1に記載のはすば歯車。
  3. 被加工材を前段金型に押込むことにより前記前段金型によって平歯車を成形する平歯車成形工程と、
    前記平歯車の軸心を中心に前記被加工材を捻り部材により保持して捻りながら、前記前段金型によって成形された前記平歯車を押込み部材により後段金型に押込むことにより、前記後段金型によってはすば歯車を成形するはすば歯車成形工程と、を有するはすば歯車の製造方法。
  4. 前記前段金型は、第1金型と第2金型とを有し、
    前記第1金型は、押込まれた前記被加工材を、第1の歯たけを有する平歯車に成形し、
    前記第2金型は、前記第1の歯たけを有する平歯車を、前記第1の歯たけよりも高い第2の歯たけを有する平歯車に成形する請求項3に記載のはすば歯車の製造方法。
  5. 前記後段金型は、第3金型と第4金型とを有し、
    前記第3金型は、押込まれた前記平歯車を、第1のねじれ角を有するはすば歯車に成形し、
    前記第4金型は、前記第1のねじれ角を有するはすば歯車を、前記第1のねじれ角よりも大きな第2のねじれ角を有するはすば歯車に成形する請求項3又は請求項4に記載のはすば歯車の製造方法。
  6. 前記ねじり部材は、前記被加工材に一体成形された回転軸に係合して回転する回転部材により構成され、
    前記はすば歯車成形工程では、前記回転部材によって前記被加工材を捻る請求項3〜請求項5のいずれかに記載のはすば歯車の製造方法。
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