JP2009000734A - ラック及びその製造方法 - Google Patents

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一登 小林
Kotaro Hirota
浩太郎 廣田
Yuuki Mizushima
勇貴 水嶋
Hiroshi Tsubouchi
啓 坪内
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Abstract

【課題】所望の形状のラックを低コストで造れる製造方法を実現する。
【解決手段】断面円形のロッド部の軸方向の一部の径方向片側面にラック歯を、塑性加工により形成する。このラック歯を形成する為の塑性加工に先立って、円杆状の素材14に、第一、第二両ダイス15、17を通過させる扱き加工を施す。この様に塑性加工の前に、上記扱き加工を施す事により、上記素材14の外径(断面形状)を、上記ラックの完成後に必要とされる形状との関係で所望のものに規制できる。この様な扱き加工は、上記塑性加工との繋がりを段取り良く行なえる為、ラックの製造コストの低減を図れる。
【選択図】図2

Description

この発明は、例えば自動車の操舵輪(フォークリフト等の特殊車両を除き、一般的には前輪)に舵角を付与する為のステアリング装置のうち、ラック&ピニオン式のステアリング装置に組み込むラックの製造方法の改良に関する。具体的には、所望の形状のラックを低コストで造れる製造方法を実現する事を意図したものである。
ステアリングホイールから入力された回転運動を舵角付与の為の直線運動に変換する為の機構として、ラック&ピニオンを使用する、ラック&ピニオン式のステアリング装置は、小型且つ軽量に構成でき、しかも剛性が高く良好な操舵感を得られる為、広く使用されている。図11は、この様なラック&ピニオン式のステアリング装置の1例を示している。このステアリング装置では、ステアリングホイール1の操作に伴って回転するステアリングシャフト2の動きを、自在継手3、3及び中間シャフト4を介して、ステアリングギヤユニット5の入力軸6に伝達する。このステアリングギヤユニット5は、この入力軸6により回転駆動されるピニオンと、このピニオンと噛合したラックとを備える。上記入力軸6と共にこのピニオンが回転すると、このラックが軸方向に変位し、その両端部に結合した1対のタイロッド7、7を押し引きして、上記操舵輪に所望の舵角を付与する。
上述の様なステアリングギヤユニット5を構成するラックを、素材に削り加工を施してラック歯を形成する、切削加工により造ると、製造コストが嵩む割合に、このラック歯の強度及び剛性を確保しにくい。これに対して、素材を塑性変形させてラック歯を加工すれば、このラック歯の加工に要する時間を短縮して、製造コストを低減でき、しかも、得られるラック歯の金属組織が緻密になる為、このラック歯の強度及び剛性を確保し易い。この様に、ラック歯を塑性変形により加工したラック及びその製造方法に関する発明として従来から、特許文献1〜3に記載された発明が知られている。
このうちの特許文献1、2には、円杆状の素材を、1対の金型同士の間で強く挟持し、この素材の一部外周面に、このうちの一方の金型に設けた凹凸形状を転写して、ラック歯とする、ラックの製造方法に関する発明が記載されている。ラック歯を形成する事に伴って生じた(ラック歯のうちの凹部となるべき部分から押し出された)余肉は、上記両金型同士の間で、ラックの本体部分から側方に、バリ状に突出させ、後から除去する。
この様な特許文献1、2に記載された従来技術の場合、余肉をラックの本体部分から側方に突出させる為、このラックを押圧する1対の金型に生じる応力が高くなり、これら両金型の寿命確保が難しい。しかも、上記本体部分から側方にバリ状に突出した余肉を除去する工程が必要になり、製造コストが嵩む事が避けられない。更には、上述の様に上記両金型に大きな応力が加わる様な加工でありながら、上記一方の金型に設けた凹凸形状を上記素材に確実に転写する為に、この転写を含む塑性加工を、熱間鍛造又は温間鍛造により行なう必要がある。熱間鍛造にしろ、温間鍛造にしろ、加工時に金型が温度上昇に基づいて熱膨張するが、この熱膨張量を正確に規制する事は難しい為、得られるラック歯の精度を十分に確保する事が難しい。
上述の様な不都合を解決する為に上記特許文献3には、円杆状の素材のうちで、ラック歯を形成すべき部分の背面側に凹部を形成しておき、ラック歯を形成する事に伴って生じた余肉をこの凹部に逃がす、ラックの製造方法に関する発明が記載されている。
この様な特許文献3に記載された従来技術の場合、上記特許文献1、2に記載された従来技術を実施する場合に生じる不都合がない代わりに、上記凹部の加工が必要になり、やはり製造作業が面倒で、製造コストが嵩む事が避けられない。特に、上記凹部は、スエージング加工、旋盤加工等で加工する為、凹部の加工から、次に行なうラックの加工作業に円滑に移行する事(連続でその後の加工をする事)が難しい。この事は、やはり製造コストを高くする原因となる。
前述した様に、円杆状の素材の軸方向の一部に塑性加工のみを施してラック歯を形成する事ができれば、このラック歯の強度及び剛性を確保しつつ、ラックの製造コストの低減を図れる。但し、この様に塑性加工のみを施してラック歯を形成する場合、上述の様に余肉を逃がす為の凹部を形成する等、素材の断面形状を所望の形状に規制する必要がある。又、この様にラック歯を形成する理由の他にも、上記ラックの完成後に必要とされる形状との関係で、塑性加工により押し出される金属材料の容積を規制すべく、この塑性加工を行なう前に、上記素材の断面形状を所望の形状に規制しなければならない場合もある。何れの場合でも、この素材の断面形状を所望の形状に規制すべく、前述した様な凹部を形成する場合と同様の加工を施すのであれば、製造コストを高くする原因となり、好ましくない。
特開平10−58081号公報 特開2001−79639号公報 特許第3442298号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、所望の形状のラックを低コストで造れる製造方法を実現すべく発明したものである。
本発明の対象となるラックは、金属材製で、断面円形のロッド部と、このロッド部の軸方向の一部で径方向片側面に塑性加工により形成されたラック歯とを備える。
特に、本発明のうち、特許請求の範囲の請求項1に記載したラックの製造方法にあっては、上記ロッド部となるべき円杆状の素材をダイスに通過させる事により、この素材の少なくとも軸方向に関する一部分の外径を縮める(所望の断面形状に縮める)、扱き加工を施す。この扱き加工は、上記素材の軸方向の一部に、この軸方向の一部で且つ円周方向の一部を押し潰す事により、上記ラック歯を形成すべき部分となる平面部(完全な平面だけでなく、例えば曲率半径が大きな曲面等の、平面と同視し得る面、言い換えれば、ラック歯を塑性加工により形成する当たりその前段階で必要とされる面を含む)を形成する第一の塑性加工を施す前と、この第一の塑性加工を行なった後で、且つ、上記平面部に上記ラック歯を形成する第二の塑性加工を施す前とのうちの、少なくとも何れかの段階で行なう。
尚、この扱き加工は、具体的には、例えば次の様に施す事ができる。
即ち、特許請求の範囲の請求項2に記載した発明の様に、上記第一の塑性加工を行なう前に、上記素材の軸方向全体に亙り外径を縮める(所望の断面形状に縮める)、扱き加工を施す事ができる。
又は、同じく請求項3に記載した発明の様に、上記第一の塑性加工を行なう前と、この第一の塑性加工を行なった後で、且つ、第二の塑性加工を行なう前とのうちの少なくとも何れかの段階で、上記素材の軸方向に関する一部分で、ラック歯を形成すべき部分に対応する部分よりも基端側部分の外径を縮める(所望の断面形状に縮める)扱き加工を施す事ができる。
又は、同じく請求項4に記載した発明の様に、上記第一の塑性加工を行なう前に、上記素材の軸方向に関する一部分で、少なくともラック歯を形成すべき部分に対応する部分(必要に応じて、この部分、並びに、この部分よりも先端側部分)の外径を縮める(所望の断面形状に縮める)扱き加工を施す事ができる。
又は、同じく請求項5に記載した発明の様に、上記第一の塑性加工を行なう前に、上記素材の軸方向に関する一部分で、ラック歯を形成すべき部分に対応する部分よりも先端側部分を除いた部分の外径を縮める(所望の断面形状に縮める)扱き加工を施す事ができる。
尚、これら請求項2〜5に記載した発明は、それぞれ単独で実施する事ができる他、これらのうちから必要な扱き加工を組み合わせて実施する事もできる。
例えば、上記請求項2に記載した発明の様に、素材の軸方向全体に亙り外径を縮める(所望の断面形状に縮める)、第一の扱き加工を施した後、例えば請求項4に記載した発明の様に、この素材の軸方向に関する一部分でラック歯を形成すべき部分に対応する部分、並びに、この部分よりも先端側部分の外径を縮める(所望の断面形状に縮める)、第二の扱き加工を施す事もできる。尚、請求項3や請求項5に記載した発明に関しても、上記請求項2に記載した発明の実施の後(第一の扱き加工を施した後)に、上記請求項4に記載した発明と同様に実施する(第二の扱き加工を施す)事もできる。
又、例えば、請求項3に記載した発明の様に、第一の塑性加工を行なう前に、素材の軸方向に関する一部分で、ラック歯を形成すべき部分に対応する部分よりも基端側部分の外径を縮める(所望の断面形状に縮める)、第一の扱き加工を施した後、請求項4に記載した発明の様に、上記素材の軸方向に関する一部分で、ラック歯を形成すべき部分に対応する部分(必要に応じて、この部分、並びに、この部分よりも先端側部分)の外径を縮める(所望の断面形状に縮める)、第二の扱き加工を施す事もできる。これら第一、第二の扱き加工は、前後を逆にする事もできる。
これらの他にも、必要とする外径(断面形状)を得られる様に、適宜組み合わせる事は可能である。
又、本発明のうち、特許請求の範囲の請求項6に記載したラックの製造方法にあっては、前記ロッド部となるべき円杆状の素材の軸方向の一部に、この軸方向の一部で且つ円周方向の一部を押し潰す事により、前記ラック歯を形成すべき部分となる平面部(前述の場合と同様、完全な平面だけでなく、例えば曲率半径が大きな曲面等の、平面と同視し得る面を含む)を形成する第一の塑性加工を施す前と、この第一の塑性加工を行なった後で、且つ、上記平面部に上記ラック歯を形成する第二の塑性加工を施す前とのうちの少なくとも何れかの段階で、上記素材の軸方向端面に、この素材の外径よりも小さい外径を有するパンチを軸方向に押し付けて、この素材の軸方向端面に凹孔を、塑性加工で形成する事により、この素材の少なくとも軸方向に関する一部分(請求項1〜5に記載された「一部分」と同じ部分を意味するものではない。)で、この凹孔を形成した部分の外径を大きくする、拡径処理を施す。
より具体的には、例えば請求項7に記載した様に、上記素材の軸方向先端面に凹孔を形成する事により、この素材の軸方向に関する一部分で、ラック歯を形成すべき部分に対応する部分よりも先端側部分の外径を大きくする、拡径処理を施す。
尚、請求項8に記載した様に、これら請求項6〜7に記載した発明を実施する場合に、上記素材をダイスに通過させる事により、この素材の少なくとも軸方向に関する他部分(請求項1〜5に記載した「一部分」に対応する部分)の外径を縮める、扱き加工を行ないつつ、この素材の軸方向に関する一部分(請求項1〜5に記載した「一部分」とは異なる部分)の外径を大きくする、拡径処理を施す事も可能である。この扱き加工は、上述した請求項2〜5に記載した発明のうちから必要に応じで(1乃至複数)採用できる。
上述の様に構成する、本発明のラックの製造方法によれば、所望の形状のラックを低コストで造れる。
即ち、ラック歯を形成する為の塑性加工の前に、扱き加工と拡径処理とのうちの少なくとも何れかの処理を施す事により、素材の外径(断面形状)を、上記ラックの完成後に必要とされる形状との関係で、上記塑性加工により押し出される金属材料の容積を考慮した、所望のものに規制できる。しかも、塑性加工の一種である上記扱き加工並びに拡径処理は、前述した特許文献3に記載された従来技術の場合に必要となる、スエージング加工、旋盤加工等の削り加工とは異なり、ラック歯を形成する為等に行なう、他の塑性加工との繋がりを段取り良く行なえる。従って、ラック全体としての製造工程を能率良く行なえる為、上記扱き加工又は拡径処理を行なう事に伴う、ラックの製造コストの上昇を、僅少に抑えられる。
[実施の形態の第1例]
図1〜3は、請求項1、3、4、5に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。先ず、本例の製造方法により造られるラック8の構造に就いて、図1により説明する。
このラック8は、炭素鋼、ステンレス鋼等の金属材製で、中実材である断面円形のロッド部9と、このロッド部9の軸方向の一部(図1の左部)の径方向片側面に、塑性加工により形成されたラック歯10とを備える。本例の場合、上記ロッド部9は、全長に亙り、外周面から中心部迄同種金属材により一体に造られている。尚、本例の場合は、上記ロッド部9のうちの上記軸方向の一部で、上記ラック歯10を形成した部分から周方向に外れた背面部分11の断面形状の曲率半径R11{図4の(B)参照}を、上記ロッド部9の軸方向残部である、円杆部12の外周面の曲率半径r12(図示省略)よりも大きく(R11>r12)なっている。
又、上記ラック8の外周面の周方向に離隔した2個所位置に、互いに平行な1対の平坦面13、13を、それぞれ上記ラック8の軸方向に連続する状態で設けている。これら両平坦面13、13は、上記ラック8の片側面に形成したラック歯10の歯先に接する仮想平面に対し直角方向に設けている。本例の場合には、上記両平坦面13、13を、上記ロッド部9の外周面のうちで、軸方向に関して上記ラック歯10を形成した部分に対応する部分から先端部(図1の左端部)まで、連続する状態で設けている。この様な両平坦面13、13は、特願2007−56867に開示されている様に、例えばステアリング装置に組み付けた状態で、上記ラック8をハウジング内にその軸方向の移動を可能に支持する為のガイドスリーブの内周面に設けた摺動部と係合(摺接)させる事により、上記ラック8が自身の中心軸回りに回転する事を阻止する為のものである。
次に、上述の様なラック8の製造方法に就いて、図2〜3により説明する。
先ず、図2の(A)→(B)に示す様に、炭素鋼、ステンレス鋼等の金属材製で円杆状の素材14を第一のダイス15に通過させる第一の扱き加工を施す事により、この素材14の軸方向に関する一部分の外径を縮める。具体的には、上記ラック歯10(図1参照)を形成すべき部分に対応する部分よりも基端側(図2の右端側)部分の外径を縮める。そして、この軸方向に関する一部分に対する残部、即ち、上記ラック歯10を形成すべき部分に対応する部分の外径、並びに、この部分よりも先端側(図2の左端側)部分の外径が、上記軸方向に関する一部分(ラック歯10を形成すべき部分に対応する部分よりも基端側部分)の外径よりも大きな、第一中間素材16とする。この様にラック歯10を形成すべき部分に対応する部分よりも基端側部分の直径を小さくする理由は、完成後のラック8の軽量化を図る為である。
次いで、本例の場合には、図2の(B)→(C)に示す様に、上述の様な第一の扱き加工を施した第一中間素材16を、第二のダイス17に通過させる第二の扱き加工を施す事により、この第一中間素材16のうちでラック歯10を形成すべき部分の外径を縮める。即ち、ラック歯10を形成すべき部分に対応する部分よりも先端側部分を残し、このラック歯10を形成すべき部分に対応する部分の外径を縮める。そして、この様な第二の扱き加工、並びに、上述の様な第一の扱き加工を施す事により、上記素材14の軸方向に関する一部分で、上記ラック歯10を形成すべき部分に対応する部分よりも先端側部分を除いた部分の外径を(2段階に亙って)縮めた、第二中間素材18とする。この様にラック歯10を形成すべき部分に対応する部分よりも先端側部分の外径を、このラック歯10を形成すべき部分に対応する部分よりも外径を大きくする理由は、後述する様に、このラック歯10を形成すべき部分に平面部を形成する事に伴って、この平面部の背面、即ち背面部分11の曲率半径R11が大きくなった状態で、この背面部分11の周面と上記先端側部分の周面とを連続させる為(連続させる為に必要な金属材料を残しておく為)である。そして、この様に連続させる事により、前記両平坦面13、13を、前記ロッド8(図1参照)の先端縁にまで達する状態で形成できる様にする。
上述の様に、図2の(C)に示す様な第二中間素材18を形成したならば、図3の(A)に示す様に、この第二中間素材18(のうちのラック歯10を形成すべき部分に対応する部分並びにこの部分よりも先端側部分)を、受型19の上面に設けた、断面円弧形の凹溝部20内にセット(載置)する。この凹溝部20の内面の曲率半径R20は、前記ラック8(完成後のラック8)のうち、上記ラック歯10と径方向反対側部分に存在する背面部分11の曲率半径R11{図4の(B)参照}とほぼ(加工力解除に伴うスプリングバック分を除き)一致(R20≒R11)している。又、この凹溝部20の内面の曲率半径R20は、上記第二中間素材18のうちで、上記第二の扱き加工の際に外径を縮めずに残した、上記ラック歯10を形成すべき部分に対応する部分よりも先端側部分の半径Ra{図2(c)参照}とも、ほぼ一致(R20≒R11≒Ra )している。上記凹溝部20内に上記第二中間素材18をセットしたならば、次いで、図3の(B)に示す様に、この凹溝部20に沿って長い押圧パンチ22の先端面(下端面)により上記第二中間素材18(のうちのラック歯10を形成すべき部分に対応する部分)を、この凹溝部20に向けて強く押圧する、据え込み加工(第一の塑性加工)を行なう。
尚、上記押圧パンチ22の先端面の形状は、一般的には平坦面とする。但し、上記凹溝部20の幅方向(図3の左右方向)に関して、曲率半径が大きな凹曲面としたり、幅方向両端部が上記受型19に向けて直線的若しくは曲線的に突出する、(据え込み加工後の形状の上端部を抱き込む様な)凹形状とする事もできる。何れにしても、上記図3の(B)に示した据え込み加工では、上記第二中間素材18の軸方向の一部でラック歯10を形成すべき部分を、上下方向に押し潰すと共に、水平方向の幅寸法を拡げて、第三中間素材23とする。この第三中間素材23は、上記ラック歯10を形成すべき部分の外周面に、前記背面部分11となるべき部分円筒面部24と、断面の径方向に関してこの部分円筒面部24と反対側に存在する平坦面部25と、これら両面部24、25同士を連続させる、曲率半径が比較的小さい、1対の曲面部26、26とを備える。又、上記分円筒面部24は、上記ラック歯10を形成すべき部分に対応する部分よりも先端側部分(第二の中間素材18の先端部で第二の扱き加工の際に外径を縮めずに残した部分)の外周面と連続する。
次いで、上記第三中間素材23を、上記受型19の凹溝部20から取り出して、図3の(C)に示す様に、成型用ダイス27に設けた成形用凹溝28の開口部に挿入(セット)する。この成形用凹溝28は、U字形の断面形状を有し、底部29の曲率半径は、前記受型19の凹溝部20の内面の曲率半径R20と、ほぼ一致している。但し、上記成形用凹溝28の内幅は、上記第三中間素材23の外幅よりも少し小さい。又、この成形用凹溝28の両内側面の深さ方向{図3の(C)、(D)の上下方向}中間部分には、互いに平行な平面である、1対の成形用平坦面30、30を設けている。更に、上端開口部には、上方に向かう程互いの間隔が拡がる方向に傾斜した、1対のガイド傾斜面部31、31を設けている。上記第三中間素材23は、これら両ガイド傾斜面部31、31同士の間に掛け渡す様にして、上記成形用凹溝28の開口部にセットする。
この様に、上記第三中間素材23を上記成形用凹溝28の開口部にセットしたならば、次いで、図3の(C)→(D)に示す様に、この成形用凹溝28内に上記第三中間素材23を、歯成形用パンチ32により強く押し込む。この結果、この第三中間素材23が、幅方向両端部を塑性変形させつつ、上記成形用凹溝28内に押し込まれる。この際、上記第三中間素材23の幅寸法が大きい分、この第三中間素材23の幅方向両端部は、上記成形用凹溝28内に押し込まれつつ、この成形用凹溝28の成形用平坦面30、30とガイド傾斜面部31、31との連続部で扱かれる。この結果、上記幅方向両端部の金属材料を上方に移動させつつ、上記第三中間素材23の断面が、図3の(C)に示した状態から(D)に示した状態にまで変化する(第二の塑性加工が行なわれる)。
又、上記第三中間素材23を上記成形用凹溝28内に押し込む為の、上記歯成形用パンチ32の下面には、得るべきラック歯10に見合う形状の、成形用の波形凹凸を設けている。従って、上記歯成形用パンチ32により上記第三中間素材23を上記成形用凹溝28の底部29にまで押し込んだ後、更にこの歯成形用パンチ32により上記第三中間素材23を強く押圧すれば、上記波形凹凸の形状がこの第三中間素材23の一部に転写されて、当該部分に素ラック歯33が形成される。この結果、上記図3の(C)に示した第三中間素材23が、(D)に示した素ラック34となる。但し、この状態での素ラック34は、完成状態のラック8に比べて、形状精度及び寸法精度が不十分であり、上記素ラック歯33の端縁も尖ったままである。
又、この素ラック歯33の加工に伴って(歯底となるべき部分から)押し出された金属材料は、上記成形用凹溝28の両成形用平坦面30、30に強く押し付けられる。又、これと共に、上記素ラック34のうちで上記素ラック歯33よりも先端側部分{図2の(C)の左端部分}も、上記歯成形用パンチ32の下面のうちで上記波形凹凸から外れた部分により、上記成形用凹溝28内で押圧される。この為、上記素ラック34の左右両側面のうち、上記素ラック歯33を形成した部分に対応する部分に互いに平行な平坦面13、13が、この素ラック34の軸方向先端縁にまで達する状態で形成される。これら両平坦面13、13は、上記素ラック歯33の歯先に接する仮想平面に対し、直角方向に存在する。
上述の様な素ラック34を造ったならば、上記歯成形用パンチ32を上昇させてから、この素ラック34を上記成形用凹溝28から取り出し、図3の(E)に示す様に、サイジング用ダイス35の上面に形成したサイジング用凹凸面部36に載置する。この際、上記素ラック34を上下反転させる。このサイジング用凹凸面部36は、歯の端縁の面取り部を含め、得るべきラック歯10の形状に見合う(完成後の形状に対して凹凸が反転した)形状を有する。又、上記サイジング用凹凸面部36の両側部分には、上記両平坦面13、13を抑え付ける、互いに平行な1対の平坦面である、抑え面部37、37を設けている。そこで、押型38により、図3の(E)→(F)に示す様に、上記素ラック34の素ラック歯33を形成した部分を、上記サイジング用凹凸面部36に向け、強く押し付ける。
上記押型38の下面には、造るべきラック8の背面部分11の曲率半径R11に一致する曲率半径を有する押し凹溝39を形成しており、上記素ラック34は、上記背面部分11となるベき部分をこの押し凹溝39に嵌合させた状態で、上記サイジング用凹凸面部36に向け強く押圧される。この為、上記図3の(F)に示した、上記サイジング用ダイス35と上記押型38とを十分に近づけた状態で、上記ラック歯10が、図4の(A)に示した、先端縁が尖った(シャープエッジである)素ラック歯33から、同図の(B)に示した完成後の状態のラック歯10(形状及び寸法が適正になり、各歯の端縁に面取りが設けられた状態)になると同時に、上記背面部分11に関しても、形状及び寸法が適正になる。又、上記両平坦面13、13に関しても、上記両抑え面部37、37に押し付けられて、面精度を向上させられる。
この様にして得られたラック8は、ラック歯10の幅寸法、強度、剛性を、何れも十分に確保でき、しかもこのラック歯10を形成した部分以外の外径(ラック歯10よりも基端側部分の外径)が必要以上に大きくならずに軽量にできる。又、上記ラック歯10の塑性加工と同時に、上記両平坦面13、13も塑性加工する為、この両平坦面13、13を備えた所望の形状のラック8を、低コストで造れる。
即ち、本例の場合には、上記ラック歯10を形成する為の塑性加工の前に、図2に示した様に、素材14の外径(断面形状)を所望の値に規制する為の第一、第二両扱き加工を施す。この為、余肉がバリとなって径方向外方に突出する事を防止でき、歩留まりの向上による材料費の低減を図れる他、上記ラック歯10の形成に必要な加工荷重を抑えると共に、余肉除去の為の後処理を不要にできる。又、本例の場合には、この様な余肉を生じない様にする(余肉を逃がす)だけでなく、上記ラック8の完成後に必要とされる形状との関係で、上記塑性加工により押し出される金属材料を考慮した、所望の形状に規制できる。
即ち、本例の場合には、完成後の状態で前記両平坦面13、13を上記ラック8の先端縁にまで達する様に形成すべく、上記第二の扱き加工を施す事により、第二中間素材18の状態でその先端部に金属材料を残している。この為、上記ラック歯10を形成した状態で、このラック歯10の背面部とこのラック歯10よりも先端部の外周面とを連続させる事ができ、上記ラック8の完成後の状態で、前記両平坦面13、13をこのラック8の先端縁にまで達する様に形成できる。又、この様に素材14の外形(断面形状)を規制する為の、塑性加工の一種である上記扱き加工は、前述した特許文献3に記載された従来技術の場合に必要となる、スエージング加工、旋盤加工等の削り加工とは異なり、上記ラック歯10を形成する為等に行なう、他の塑性加工との繋がりを段取り良く行なえる。従って、ラック8全体としての製造工程を能率良く行なえる為、上記扱き加工を行なう事に伴う、ラック8の製造コストの上昇を、僅少に抑えられる。しかも、切削、研磨、ガンドリル等の加工設備の必要がなく、この様な設備に関する投資を極力少なくできる点からも、低コストで造れる。
[実施の形態の第2例]
図5は、請求項1、3、4に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、第一の扱き加工を施した第一中間素材16に、図5の(C)→(D)に示す様に、第二のダイス17aに通過させる第二の扱き加工を施す。そして、上記第一中間素材16のうちでラック歯10(図1参照)を形成すべき部分、並びに、このラック歯10を形成すべき部分に対応する部分よりも先端側部分の外径を縮める。この様な本例の場合には、この様な第二の扱き加工を施した第二中間素材18aとして、前述した実施の形態の第1例の様な、上記ラック歯10を形成すべき部分に対応する部分の先端側部分の外径を、残部に比べて大きくすると言った構成{図2の(C)参照}を採用していない。この為、そのままでは、上記ラック歯10を形成した状態で、上記先端側部分の半径が、このラック歯10を形成した部分の背面部11(図1参照)の曲率半径よりも小さくなる。即ち、そのままでは、前述した実施の形態の第1例の様に、両平坦面13、13をロッド8(図1参照)の先端縁にまで達する状態で形成する事ができない。
この場合に、上記両平坦面13、13を、上記ロッド8の先端縁にまで達する状態で形成する必要がなければ、或は、この様な両平坦面13、13を形成しない場合には、そのままで良い。但し、これら両平坦面13、13をロッド8の先端縁にまで達する状態で形成する必要がある場合には、上記第二の中間素材18aに、後述する実施の形態の第7例(図10)で説明する様な拡径処理を施す事ができる。又、この他にも、例えば上記ラック歯10を形成する為の抑え込み加工を行なう際に{例えば前述の図3の(C)→(D)の加工を行なう際に}、その先端部外周面を押し潰す(先端部のうちで背面側に対応する部分の金属材料を上方に押し上げる)事により、この先端部のうちで上記両平坦面13、13を形成すべき部分に対応する部分の金属材料を確保して、これら両平坦面13、13を、上記ロッド8の軸方向に亙り連続する状態で、このロッド8の先端縁にまで達する様に形成できる。尚、前述の様に先端部の外径を大きくしておけば、この様に先端部外周面を押し潰す必要はなく、外周面を連続させられる(外周面に段差をなくせる)。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第3例]
図6は、請求項1、3に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、前述の図3に示す様な塑性加工を施す前に、図6の(A)→(B)に示す様に、素材14に扱き加工を施して、ラック歯10(図1参照)を形成すべき部分に対応する部分よりも基端側部分の外径を縮めた、第一中間素材16bとする。そして、この第一中間素材16bに、前述の図3に示す様な塑性加工を施す事により、例えば前述の図1に示した様なラック8を形成する。即ち、本例の場合には、前述した実施の形態の第1、2例の場合の様な、第二の扱き加工は施さない。尚、本例の場合には、上記図3の(A)→(B)に示す抑え加工(塑性加工)を行なう前に、上述の扱き加工を施しているが、例えばこの図3の(A)→(B)の抑え加工(塑性加工)を終えてから、上述の扱き加工を施す事もできる。何れにするかは、例えば塑性加工と扱き加工との繋がりを段取り良く行なえる事等を考慮して決定する。尚、両平坦面13、13(図1参照)を形成するか否か、或は、これら両平坦面13、13をロッド8(図1参照)の先端縁にまで達する様に形成するか否かは、自由である。必要に応じて、前述の実施の形態の第2例(段落[0032]参照)で説明した様な拡径処理等を施せば良い。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例並びに第2例と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第4例]
図7は、請求項1、4、5に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、前述の図3に示す様な塑性加工を行なう前に、図7の(A)→(B)に示す様に、素材14に扱き加工を施して、ラック歯10(図1参照)を形成すべき部分に対応する部分よりも先端側部分を除いた部分の外径を縮めた、第一の中間素材16cとする。そして、この第一中間素材16cに、前述の図3に示す様な塑性加工を施す事により、例えば前述の図1に示した様なラック8を形成する。
この様な本例の場合には、前述の実施の形態の第1〜3例の様に、ラック歯10を形成すべき部分に対応する部分よりも基端側部分の外径を、このラック歯10を形成すべき部分の外径よりも縮める為の扱き加工を施していない。但し、上述の様な図7(A)→(B)の扱き加工を施した後に、前述の実施の形態の第3例(図6参照)に示した様な扱き加工を施す事により、上記ラック歯10を形成すべき部分に対応する部分よりも基端側部分の外径を縮める事もできる。この様に基端側部分の外径を縮める事で、軽量化を図れる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1〜3例と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第5例]
図8は、請求項1、4に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合には、前述の図3に示す様な塑性加工を行なう前に、図8の(A)→(B)に示す様に、素材14に扱き加工を施して、ラック歯10(図1参照)を形成すべき部分に対応する部分、並びに、この部分よりも先端側部分の外径を縮めた、第一の中間素材16dとする。そして、この第一中間素材16dに、前述の図3に示す様な塑性加工を施す事により、例えば前述の図1に示した様なラック8を形成する。尚、本例の場合には、この図1に示した様なラック8の様な、ラック歯10よりも基端側の外径を縮める事は行なわず、この部分の外径を上記素材14の外径と同じままとし、この部分の剛性の確保を図っている。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1〜4例と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第6例]
図9は、請求項1、2に対応する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の場合には、前述の図3に示す様な塑性加工を行なう前に、或は、前述の図2、5〜8に示す様な扱き加工を施す前に、図9の(A)→(B)→(C)に示す様に、予備素材40に扱き加工を施して、この予備素材40の軸方向全体に亙り外径を縮めた、素材14とする。そして、この素材14に、必要に応じて前述の図2、5〜8に示す様な扱き加工を施すと共に、前述の図3に示す様な塑性加工を施す事により、例えば前述の図1に示した様なラック8を形成する。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1〜5例と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第7例]
図10は、請求項6〜8に対応する、本発明の実施の形態の第7例を示している。本例の場合には、前述の図5、6、8、9に示す様な扱き加工や、前述の図3に示す様な塑性加工を行なう前後、乃至は、途中で、円杆状の素材41の軸方向端面に、この素材41の外径よりも小さい外径を有するパンチ42を軸方向に押し付けて、この素材41の軸方向端面に凹孔44を塑性加工により形成している。そして、この様に凹孔44を形成する事により、上記素材41の少なくとも軸方向に関する一部分で、この凹孔44を形成した部分の外径を大きくしている(拡径処理を施している)。より具体的には、上記素材41の軸方向先端部(図10の左端部)をダイス43に挿通した状態で、上記パンチ42をこの素材41の先端面に突き当て、この素材41の先端部を塑性変形させて上記凹孔44を形成する事により、この素材41の軸方向に関する一部分で、ラック歯10(図1参照)を形成すべき部分に対応する部分よりも先端側部分の外径を大きくしている。この様に当該部分の外径を大きくする理由は、前述の図2や図7で当該部分の外径を大きくする理由と同様に、完成後の状態で平坦面13、13を上記ラック8(図1参照)の先端縁にまで達する様に形成する為である。尚、上記パンチ42により先端面に形成された凹孔44は、雌ねじを形成する為のタップ下孔として用いる事ができる。又、この凹孔44に金属材を密に内嵌して、この凹孔44を塞ぐ事も可能である。
上述の様な拡径処理は、例えば、前述の図5に示した実施の形態の第2例の様な、素材14の軸方向に関する一部分(拡径処理を施す「一部分」と同じ部分を意味するものではない)で、ラック歯10を形成すべき部分に対応する部分よりも基端側部分の外径を縮めた、同図(D)に示す第二中間素材18aを形成した後、或は、同図(C)の第二の扱き加工を行ないつつ(行なうのと同時に)、施す事ができる。又、図6に示した実施の形態の第3例の様な、素材14の軸方向に関する一部分(拡径処理を施す「一部分」と同じ部分を意味するものではない)で、ラック歯10を形成すべき部分に対応する部分よりも基端側部分の外径を縮めた、同図(B)に示す第一中間素材16bを形成した後、或は、同図(A)の扱き加工を行ないつつ(行なうのと同時に)、施す事ができる。又、図8に示した実施の形態の第5例の様な、素材14の軸方向に関する一部分(拡径処理を施す「一部分」と同じ部分を意味するものではない)で、ラック歯10を形成すべき部分に対応する部分の外径を縮めた、同図(B)に示す第一中間素材16dを形成した後、施す事ができる。又、図9に示した実施の形態の第6例の様な、素材14の軸方向全体に亙り外径を縮めた、同図(C)に示す様な素材14を形成した後、施す事もできる。そして、上述の様な拡径処理を施した後、前述の図3に示す様な塑性加工を施して、図1に示す様なラック8とする。
尚、上述の様な扱き加工を施す事なく、円杆状の素材14に上述の図10に示した拡径処理を施した後、そのまま図3に示す様な塑性加工を施して、例えば図1に示す様なラック8とする事もできる。又、この様な図3の塑性加工を行なう前でなく、例えばこの図3の(A)→(B)の抑え加工(塑性加工)を終えてから、上述の拡径処理を施す事もできる。何れにするかは、段取り良く行なえる事や、加工精度、完成後の必要な形状等を考慮して決定する。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1〜6例と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
本発明のラックの製造方法は、前述の図11に示した様な、ステアリングギヤユニット5を構成するラックの製造に適用して、このステアリングギヤユニット5のコスト低減を図れる。但し、本発明は、この様なステアリングギヤユニット5に限らず、各種機械装置に組み込むラックに適用して、当該機械装置のコスト低減に寄与する事もできる。
又、上述した実施の形態の各例の扱き加工を組み合わせて実施したり、(第一、第二各)ダイス15、17、17aの径の大きさを変える事で、共通の素材から、形状、寸法、ギヤ緒元の異なるラックを形成する事もできる(異なる形状、寸法、ギヤ緒元のラックを共通の素材から造る事ができる)。
本発明の実施の形態の第1例の製造方法により造られるラックの斜視図。 第1例の製造方法を工程順に示す、部分切断側面図。 続く工程を工程順に示す、図1のA方向から見た断面図。 サイジング前後のラック歯の形状を示す部分斜視図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同様の図。 同第3例を示す、図2と同様の図。 同第4例を示す、図2と同様の図。 同第5例を示す、図2と同様の図。 同第6例を示す、図2と同様の図。 同第7例を示す、図2と同方向から見た断面図。 本発明の対象となるラックを組み込んだステアリングギヤを備えた自動車用操舵装置の1例を示す側面図。
符号の説明
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 自在継手
4 中間シャフト
5 ステアリングギヤユニット
6 入力軸
7 タイロッド
8 ラック
9 ロット部
10 ラック歯
11 背面部分
12 円杆部
13 平坦面
14 素材
15 第一のダイス
16、16a、16b、16c、16d 第一中間素材
17、17a 第二のダイス
18、18a 第二中間素材
19 受型
20 凹溝部
21 背面部分
22 押圧パンチ
23 第二中間素材
24 部分円筒面部
25 平坦面部
26 曲面部
27 成形用ダイス
28 成形用凹溝
29 底部
30 成形用平坦面
31 ガイド傾斜面部
32 歯成形用パンチ
33 素ラック歯
34 素ラック
35 サイジング用ダイス
36 サイジング用凹凸面部
37 抑え面部
38 押型
39 押し凹溝
40 予備素材
41 素材
42 パンチ
43 ダイス
44 凹孔

Claims (8)

  1. 金属材製で、断面円形のロッド部と、このロッド部の軸方向の一部で径方向片側面に塑性加工により形成されたラック歯とを備えたラックの製造方法であって、
    上記ロッド部となるべき円杆状の素材の軸方向の一部に、この軸方向の一部で且つ円周方向の一部を押し潰す事により、上記ラック歯を形成すべき部分となる平面部を形成する第一の塑性加工を施す前と、この第一の塑性加工を行なった後で、且つ、上記平面部に上記ラック歯を形成する第二の塑性加工を施す前とのうちの少なくとも何れかの段階で、
    上記素材をダイスに通過させる事により、この素材の少なくとも軸方向に関する一部分の外径を縮める、扱き加工を施す、ラックの製造方法。
  2. 第一の塑性加工を行なう前に、素材の軸方向全体に亙り外径を縮める扱き加工を施す、請求項1に記載したラックの製造方法。
  3. 第一の塑性加工を行なう前と、この第一の塑性加工を行なった後で、且つ、第二の塑性加工を行なう前とのうちの少なくとも何れかの段階で、素材の軸方向に関する一部分で、ラック歯を形成すべき部分に対応する部分よりも基端側部分の外径を縮める扱き加工を施す、請求項1に記載したラックの製造方法。
  4. 第一の塑性加工を行なう前に、素材の軸方向に関する一部分で、少なくともラック歯を形成すべき部分に対応する部分の外径を縮める扱き加工を施す、請求項1に記載したラックの製造方法。
  5. 第一の塑性加工を行なう前に、素材の軸方向に関する一部分で、ラック歯を形成すべき部分に対応する部分よりも先端側部分を除いた部分の外径を縮める扱き加工を施す、請求項1に記載したラックの製造方法。
  6. 金属材製で、断面円形のロッド部と、このロッド部の軸方向の一部で径方向片側面に塑性加工により形成されたラック歯とを備えたラックの製造方法であって、
    上記ロッド部となるべき円杆状の素材の軸方向の一部に、この軸方向の一部で且つ円周方向の一部を押し潰す事により、上記ラック歯を形成すべき部分となる平面部を形成する第一の塑性加工を施す前と、この第一の塑性加工を行なった後で、且つ、上記平面部に上記ラック歯を形成する第二の塑性加工を施す前とのうちの少なくとも何れかの段階で、
    上記素材の軸方向端面に、この素材の外径よりも小さい外径を有するパンチを軸方向に押し付けて、この素材の軸方向端面に凹孔を、塑性加工で形成する事により、この素材の少なくとも軸方向に関する一部分で、この凹孔を形成した部分の外径を大きくする拡径処理を施す、ラックの製造方法。
  7. 素材の軸方向先端面に凹孔を形成する事により、この素材の軸方向に関する一部分で、ラック歯を形成すべき部分に対応する部分よりも先端側部分の外径を大きくする拡径処理を施す、請求項6に記載したラックの製造方法。
  8. 素材をダイスに通過させる事により、この素材の少なくとも軸方向に関する他部分の外径を縮める、扱き加工を行ないつつ、この素材の軸方向に関する一部分の外径を大きくする拡径処理を施す、請求項6〜7のうちの何れか1項に記載したラックの製造方法。
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