JP2019169265A - 干渉光学系ユニット,荷電粒子線干渉装置、及び荷電粒子線干渉像観察方法 - Google Patents

干渉光学系ユニット,荷電粒子線干渉装置、及び荷電粒子線干渉像観察方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019169265A
JP2019169265A JP2018054280A JP2018054280A JP2019169265A JP 2019169265 A JP2019169265 A JP 2019169265A JP 2018054280 A JP2018054280 A JP 2018054280A JP 2018054280 A JP2018054280 A JP 2018054280A JP 2019169265 A JP2019169265 A JP 2019169265A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical system
charged particle
particle beam
interference
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018054280A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7065503B2 (ja
Inventor
洋 岩崎
Hiroshi Iwasaki
洋 岩崎
研 原田
Ken Harada
研 原田
惠子 嶌田
Keiko Shimada
惠子 嶌田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Original Assignee
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by RIKEN Institute of Physical and Chemical Research filed Critical RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Priority to JP2018054280A priority Critical patent/JP7065503B2/ja
Priority to US16/360,812 priority patent/US10770264B2/en
Publication of JP2019169265A publication Critical patent/JP2019169265A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7065503B2 publication Critical patent/JP7065503B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/26Electron or ion microscopes; Electron or ion diffraction tubes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/02Details
    • H01J37/04Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the discharge, e.g. electron-optical arrangement, ion-optical arrangement
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/02Details
    • H01J37/04Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the discharge, e.g. electron-optical arrangement, ion-optical arrangement
    • H01J37/10Lenses
    • H01J37/14Lenses magnetic
    • H01J37/141Electromagnetic lenses
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/02Details
    • H01J37/04Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the discharge, e.g. electron-optical arrangement, ion-optical arrangement
    • H01J37/147Arrangements for directing or deflecting the discharge along a desired path
    • H01J37/1472Deflecting along given lines
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/02Details
    • H01J37/21Means for adjusting the focus
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/26Electron or ion microscopes; Electron or ion diffraction tubes
    • H01J37/261Details
    • H01J37/265Controlling the tube; circuit arrangements adapted to a particular application not otherwise provided, e.g. bright-field-dark-field illumination
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/04Means for controlling the discharge
    • H01J2237/049Focusing means
    • H01J2237/0492Lens systems
    • H01J2237/04922Lens systems electromagnetic
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/15Means for deflecting or directing discharge
    • H01J2237/151Electrostatic means
    • H01J2237/1514Prisms
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/26Electron or ion microscopes
    • H01J2237/2614Holography or phase contrast, phase related imaging in general, e.g. phase plates

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Abstract

【課題】荷電粒子線像観察装置としての試料像観察倍率やフォーカス条件を変更した場合であっても、像検出器系に対する干渉光学系の条件が変更されない干渉光学系ユニットを提供する。【解決手段】荷電粒子線を結像する少なくとも1つの電磁レンズ2と、少なくとも1つの荷電粒子線バイプリズム3と電磁レンズと荷電粒子線バイプリズムの支持部材を有し、電磁レンズと荷電粒子線バイプリズムおよび支持部材と,電磁レンズの像面までの空間とが一つのユニット1として一体構造として構成されるとともに、荷電粒子線の流れる方向のユニット1の上流側に置かれる前段の結像光学系に光軸を共通化して設置され、電磁レンズ2の焦点距離と、荷電粒子線バイプリズム3が荷電粒子線に与える偏向角度とを制御することによって、電磁レンズ2の像面上に荷電粒子線の干渉縞を発生させる。【選択図】図1

Description

本発明は、干渉光学系ユニットを用いた荷電粒子線干渉像に基づく試料像観察技術に関する。
以下,荷電粒子線の代表として電子線を使って説明するが電子線に限定するものではない。ホログラフィー電子顕微鏡などの電子線ホログラフィーに代表される干渉型電子顕微鏡は、従来の電子顕微鏡の結像光学系中に電子線に対する唯一の実効的なビームスプリッターである電子線バイプリズムを挿入する構成で実現されていた。しかし、電子線ホログラフィーを主軸に据えた電子光学系が開発された例はほとんど無く、特許文献1にそのアイデアが開示されている程度である。そのため、電子線バイプリズムは現在までのところ、各電子レンズの間に挿入される形式で光学系に挿入されている。従って、干渉光学系は電子顕微鏡の拡大結像系の中に混然一体として組み込まれており、干渉計としての利用には経験とコツが必要とされている。その経験とコツに基づく干渉計の使用方法と光学系の構築を助けるべく、光学系と干渉像との関係を想定したシステムが提案されている(特許文献2)が、今までのところ実現された例はない。
国際公開番号 WO 2011/122139 国際公開番号 WO 2010/026867 特許第4512180号
電子顕微鏡の観察時には、試料薄片中に含まれる異なる対象物体の観察時にはもちろん、同一の観察対象に対しても観察倍率を変更した観察・記録、あるいはフォーカスを変えた観察が実施される。この時、電子顕微鏡の結像光学系を変更して観察倍率やフォーカス条件を変更すると、同時に干渉光学系の条件も変わってしまい、干渉像中の干渉縞間隔と干渉領域幅も変更されてしまっていた。そのため、電子線(電子波)の位相分布検出のための干渉像であるホログラムの解析は、その都度、再生プログラムに修正を加えねばならず、画像再生処理システムの演算速度に頼ることになり、動的観察や効率的な観察には、高性能のコンピュータシステムを必要としていた。
本発明の目的は、上記課題に鑑み、荷電粒子線像観察装置としての試料像観察倍率やフォーカス条件を変更した場合であっても、像検出器系に対する干渉光学系の条件が変更されない干渉光学系ユニットを提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明においては、荷電粒子線を結像する少なくとも1つの電磁レンズと、少なくとも1つの荷電粒子線バイプリズムと電磁レンズと荷電粒子線バイプリズムの支持部材を有し、電磁レンズと荷電粒子線バイプリズムおよび支持部材と,電磁レンズの像面までの空間とが一つのユニットとして一体構造として構成され、荷電粒子線の流れる方向のユニットの上流側に置かれる荷電粒子線装置の結像光学系に光軸を共通化して設置され、電磁レンズの焦点距離と、荷電粒子線バイプリズムが荷電粒子線に与える偏向角度を制御することによって、電磁レンズの像面上に荷電粒子線の干渉縞を発生させる構成の干渉光学系ユニットを提供する。
また、上記の目的を達成するため、本発明においては、荷電粒子線干渉装置であって、荷電粒子線の光源と,荷電粒子線の光源から放出される荷電粒子線を試料に照射するための照射光学系と、荷電粒子線が照射する試料を保持するための試料保持装置と、試料の像を結像するための少なくとも1つの電磁レンズからなる対物レンズ系と、対物レンズ系により結像された試料の像を拡大結像もしくは縮小結像するための少なくとも2つの電磁レンズからなる結像光学系と、結像光学系で結像された試料の像を干渉像とする干渉光学系と、試料の干渉像を検出記録するための検出記録器とを,順に荷電粒子線が流れる方向に沿って備え、干渉光学系が,荷電粒子線を結像する少なくとも1つの電磁レンズと、少なくとも1つの荷電粒子線バイプリズムと電磁レンズと荷電粒子線バイプリズムの支持部材を有し、これら電磁レンズと荷電粒子線バイプリズムおよび支持部材と,電磁レンズの像面までの空間とが一つのユニットとして一体構造として構成され,試料の結像倍率を干渉光学系よりも上流に位置する結像光学系に備えられた電磁レンズにより変更する構成の荷電粒子線干渉装置を提供する。
更に、上記の目的を達成するため、本発明においては、荷電粒子線干渉像観測方法であって、荷電粒子線の光源と,荷電粒子線の光源から放出される荷電粒子線を試料に照射するための照射光学系と、荷電粒子線が照射する試料を保持するための試料保持装置と、試料の像を結像するための少なくとも1つの電磁レンズからなる対物レンズ系と、対物レンズ系により結像された試料の像を拡大結像もしくは縮小結像するための少なくとも2つの電磁レンズからなる結像光学系と、結像光学系で結像された試料の像を干渉像とする干渉光学系と、試料の干渉像を検出記録するための検出記録器を,順に荷電粒子線が流れる方向に沿って備えた荷電粒子線干渉装置を用い、干渉光学系を含みそれより下流側の光学系の結像条件はあらかじめ固定された一定の条件に保ち,かつ試料の結像倍率の設定および変更は,干渉光学系を含まずそれより上流側の結像光学系に備えられた電磁レンズを用いて行う荷電粒子線干渉像観測方法を提供する。
本発明により、光学系の調整を完了し、像検出器系との間で干渉像の条件を定めると、以後は干渉像の条件は一定となり、位相像解析における画像処理システムのパラメータを調整し直す必要がなく、効率的かつ高速な解析が実施できる。
実施例1に係る干渉光学系ユニットの一構成例を示す図である。 実施例1に係る干渉光学系ユニットの変形構成例を示した図である。 実施例1に係る光学サブユニットを備える干渉光学系ユニットの一構成例を示す図である。 実施例2に係る上流端に偏向器を設けた干渉光学系ユニットを示す図である。 実施例2に係る偏向器を設けた干渉光学系ユニットの変形構成例を示す図である。 実施例3に係る、干渉光学系ユニットを電子顕微鏡に組み合わせた荷電粒子線装置の構成を示す図である。 実施例3のモードごとのパラメータと前段結像光学系との関係を示す図である。 実施例3の干渉光学系の倍率と第2結像光学系との関係を示す図である。 実施例3に係る、検出記録器12を含めた干渉光学系ユニットの一構成例を示す図である。 実施例4に係る、制御システムを含む干渉光学系ユニットの一構成例を示す図である。 実施例5に係る干渉光学系ユニットを用いた電子線干渉装置の一構成を示す図である。 本発明で実現可能である干渉条件の領域を説明するための図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に従い説明する。各図面において、同一番号は同一物を示している。本発明の干渉光学系ユニットは、荷電粒子線バイプリズムと電磁レンズを含み,干渉像を形成できる光学系ユニットであり、荷電粒子線の流れの方向の順に、試料直下の対物レンズ系を含む上流側の結像光学系(これを第1の結像光学系と呼ぶ)、干渉光学系ユニットの順に配置される。そして、最下流に置かれるCCDカメラ等の検出記録器に適正な倍率で像を投影する目的で,干渉光学系ユニットの内部に結像光学系を設けても良いし,あるいは,干渉光学系ユニットとは別に組込み対象の装置側で、干渉光学系ユニットの下流側に結像光学系を設けても良い。これを第2の結像光学系と呼ぶ。
第1の結像光学系のみで、従来の電子顕微鏡の持っている結像特性、すなわち、拡大倍率、分解能、像回転補正などが得られている。そして、第1の結像光学系には、収差補正装置を備えることができる。干渉光学系ユニットは、ダブルバイプリズム干渉計を想定できるが、その限りではない。干渉光学系ユニット内で上流側の電磁レンズは、倍率×1〜×100の程度を持つ。干渉光学系ユニット内で上流側の電磁レンズの倍率を大きくすることにより、第2の結像光学系への負担を軽減できる。また、干渉光学系ユニットのレンズに強励磁レンズを用いることにより、照射光学系を変更したときの干渉像と干渉条件への変更を小さく抑えることができる。(特許文献1参照)
実施例1は、上述した本発明の干渉光学系ユニットの実施例であり、荷電粒子線を結像する少なくとも1つの電磁レンズ(以下、レンズと称す)と、少なくとも1つの荷電粒子線バイプリズム(以下バイプリズムと称す)と、これらレンズとバイプリズムの支持部材を有し、レンズとバイプリズムおよび支持部材と,レンズの像面までの空間とが一つのユニットとして一体構造として構成され、荷電粒子線の流れる方向のユニットの上流側に置かれる前段の結像光学系に光軸を共通化して設置され、レンズの焦点距離と、バイプリズムが荷電粒子線に与える偏向角度を制御することによって、レンズの像面上に荷電粒子線の干渉縞を発生させる構成の干渉光学系ユニットの実施例である。
図1は、実施例1の干渉光学系ユニットを示しており、同図の(a)に機能を有する要素の光軸に沿った配置順を、同図の(b)に荷電粒子線の伝搬の様子を示した。本実施例の干渉光学系ユニット1は、レンズ2とバイプリズム3と、図示を省略したそれらの支持部材を有し、レンズ2とバイプリズム3および支持部材と,レンズ2の像面までの空間とが一つのユニットとして一体構造で構成される。このように構成された干渉光学系ユニット1を用いれば,例えば、電子顕微鏡の電子光学系との間に光軸を共通化して設置することによって,電子顕微鏡像を干渉像として検出記録器で撮影記録することができる。
すなわち、本実施例の干渉光学系ユニットを用いることにより、荷電粒子線像観察装置としての試料像観察倍率やフォーカス条件を変更した場合であっても、CCDカメラシステムなどの検出記録器に対する干渉光学系の条件、すなわち、干渉縞間隔と干渉領域幅が変更されない干渉光学系を,使用者が複雑な調整に煩わされずに済む固定条件のユニットを提供することができる。
図2に本実施例の干渉光学系ユニットの変形構成例を示した。本変形例は、2つのバイプリズムを備え,それらのうち第1のバイプリズムはレンズの物面位置に配置され,第2のバイプリズムは当該レンズの後側焦点位置から像面位置の間に配置された構成の干渉光学系ユニットである。この構成においては、二つのバイプリズムを用いることにより、フレネル縞が重畳しない干渉縞を形成することができる。
同図の(a)、(b)は図1同様、それぞれ機能を有する要素の光軸に沿った配置順と、荷電粒子線の伝搬の様子を示しており、干渉光学系ユニット1は、第1のバイプリズム4、レンズ2と、第2のバイプリズム5、図示を省略したこれらの支持部材を有し、レンズ2とバイプリズム4、5および支持部材と,レンズの像面までの空間とが一つのユニットとして一体構造で構成されている。
このように構成された図2の干渉光学系ユニット1を用いれば,図1に示した構成を利用した場合に較べて,二つのバイプリズムを有利に用いる方法(特許文献3参照)による干渉像観察上の利点,すなわち,フレネル縞が重畳しない干渉縞を形成することができ,また干渉縞の周期(間隔)と干渉縞が覆う領域の広さ(干渉領域幅)とを独立に選択,制御できるという利点を享受することができる。
図3に示すように、図2で示した第1、第2のバイプリズム4、5と第1のレンズ7を含む光学系の部分よりさらに下流に第2のレンズ8を有する光学系サブユニット6を組込む。すなわち、第1のレンズの像面を物面として結像する少なくとも1つの第2のレンズからなる第2の結像光学系と,第2の結像光学系の像面までの空間とが光学系サブユニットとして一体構造として構成されるとともに、干渉光学系ユニットの光学系に光軸を共通化して設置された構成の干渉光学系ユニットである。
この構成によって,実施例1の干渉光学系ユニットによって利用できる倍率の範囲が広がる。また,1段のレンズ7によって生じる像の回転を,2段のレンズ8の組合せによって相殺し,本実施例の干渉光学系ユニット全体としては像の回転を生じないようにできる利点がある。図3の(a)、(b)は、図1と同様それぞれ機能を有する要素の光軸に沿った配置順と、荷電粒子線の伝搬の様子を示している。更に、同図の(c)に示すように、第2のレンズ8を有する第2の結像光学系は,装置の組立て上の便宜のために,干渉光学系ユニット1と別個の光学系サブユニット6として製作することもできる。
以上説明した実施例1によれば、光学系の調整を完了し、像検出器系との間で干渉像の条件である干渉縞間隔と干渉領域幅を定めると、以後は干渉像の条件は一定となり、位相像解析における画像処理システムのパラメータを調整し直す必要がなく、効率的かつ高速な解析が実施できる。特に、複数枚の干渉顕微鏡像において干渉効果を一定に保てるため、動的観察やトモグラフィー観察等、複数枚のホログラムを一括処理しなければならない解析作業において効果が期待される。また、実験者は干渉光学系であることを意識する必要がなく、電子顕微鏡を操作する場合と全く同じ実験操作にて干渉像観察が可能となる。
上述した実施例1の干渉光学系ユニットは,当該ユニットとは別の光学系と組合せて用いるものであるが,使用の際に両方の光学系の光軸を共通に揃えることが求められ、光軸を共通化する手段として、通常は,荷電粒子線の伝搬方向を変えることのできる偏向器が用いられる。
実施例2は、干渉光学系ユニットと上流側の光学系の光軸共通化を容易かつ精密にする目的で,実施例1の干渉光学系ユニットの上流端に1段の偏向器を設ける構成の実施例である。すなわち、干渉光学系ユニットとは別の荷電粒子線装置の光学系の光軸を z 軸とするとき,荷電粒子線の流れ方向を z 軸と有限の角度を成す方向に偏向する作用を有する偏向器を少なくとも1つ備えた構成の干渉光学系ユニットの実施例である。
図4に示すように、実施例2の干渉光学系ユニット1にあっては、レンズ2とバイプリズム3を備える干渉光学系ユニットの上流側に1段の偏向器9を設置する。図4の(a)、(b)は、それぞれ機能を有する要素の光軸に沿った配置順と、荷電粒子線の伝搬の様子を示している。なお、干渉光学系ユニットよりさらに下流に組合される別の光学系、例えば第2の結像光学系との光軸共通化のために,干渉光学系ユニットの下部に偏向器を設けることも,必要に応じて選択し得る。
また,図5に示すように、干渉光学系ユニット1の内部に複数段のレンズとして第1のレンズ7、第2のレンズ8を含む場合には,これら複数段のレンズ間に第1、第2の偏向器10、11を設けることによって,レンズ相互の光軸の共通化を容易・精密にすることができる。このように、荷電粒子線の方向を z 方向と垂直な x, y 両方向に任意の大きさで変える作用をもつ偏向器を z 軸に沿って2段設ければ,荷電粒子線の方向と通る位置の両方を制御できる。
実施例3は、図3に示した実施例1の干渉光学系ユニットを電子顕微鏡に組み合わせた荷電粒子線装置の実施例であり、干渉光学系ユニット内の干渉光学系部分に含まれるレンズ一段による結像作用が、倍率2倍から50倍の間で任意の倍率を取り得る構成の実施例である。更に、干渉像を記録する検出記録器を備えた干渉光学系ユニットの実施例である。
本実施例の構成では、真空容器の中に、上流から、電子源、照射光学系、試料の保持機構を備える。そして、図6に示すように、試料保持機構で保持された試料の下流に、対物レンズ(Obj)と、2段の中間レンズ(Int1, Int2)を備え、これらは図3で説明した干渉光学系ユニットに対して前段の結像光学系として働く。図3で説明した干渉光学系ユニットの更に下流には、干渉像を記録するための検出記録器12がある。
ここでは、画像の検出記録器12として、例えば4k×4kのCCDカメラ(15μm/pixel)を用いる。また、検出記録器12の出力信号の位相解析手段として高速フーリエ変換(FFT)法を仮定し、CCDカメラ面上で4pixels/fringe → 60μm/fringeの結像を行う。干渉領域は1000fringes、すなわちCCDカメラ面上でCCD面全面である60mmを想定している。そして、分解能として、高分解能(HighReso)モード、中間倍率(MidMag)モード、低倍率(LowMag)モード、加えて、超高分解能(SuperHR)モードを想定して構成する。
図7のテーブル70に上述の4つのモードごとのパラメータと前段の結像光学系との関係を示した。同図において、s は干渉縞の空間周期、すなわち干渉縞の間隔、Wは像の上で干渉縞が覆う領域の幅を示している。図7に示す通り、干渉縞がCCD面上で 60μm/fringeで、CCD全面を覆う、という要請を、HR, MM, LM, SHR すべてのモードにおいて実現できることがわかる。ここで、特筆すべきことは、干渉光学系ユニットより上流に置かれ前段光学系と位置づけられる電子顕微鏡の拡大・結像光学系でどんな倍率を選んでも、前述の要請は一貫して満足されることである。
次に、図8のテーブル80に示すように、干渉光学系の倍率と第2の結像光学系との関係のように、第2の結像光学系も合わせた干渉光学系ユニットの倍率は1000倍以上の大きな値になり得るが、一段のレンズでは拡大倍率は数十倍程度が作りやすい。すなわち、干渉光学系部分の倍率として2倍から50倍の範囲の拡大倍率を有するものは実用上価値が高い。
本実施例では、干渉光学系ユニットを電子顕微鏡の光学系に組合せて用いる場合のため、図9に示すように検出記録器12も干渉光学系ユニット1に含め、バイプリズム3やユニット内のレンズ2との光軸の一致を調整、確立した一体のユニットとして作製することができる。同図の(a)に機能を有する要素の光軸に沿った配置順を、同図の(b)に荷電粒子線の伝搬の様子を示した。既存の電子顕微鏡の光学系とカメラとを切り分けた後、干渉光学系ユニットを挟んだ形態に再構成、調整を行うよりも、カメラなどの検出器記録器12も一体化された干渉光学系ユニット1を電子顕微鏡の最後段に付加するだけの方が工程を簡略化できるという利点がある。
実施例4は、実施例1−実施例3で示した各種の干渉光学系ユニットに干渉光学系ユニットに含まれるレンズの焦点距離と、バイプリズムが荷電粒子線に与える偏向角度とを制御する制御システムが更に備えられた構成の実施例である。
図10に示すように、第1、第2のバイプリズム4、5やレンズ2を所期の偏向角度や焦点距離で動作させるのに必要な,適切な大きさの電圧印加または電流供給を担う電圧印加または電流供給ユニット14である制御ユニットを含めた形態を一体として,本実施例の干渉光学系ユニットとして用いることもできる。またさらにこの制御ユニットに制御用に付加されたコンピュータ13まで含めた制御システムを干渉光学系ユニットととらえることもできる。
本実施例によれば、バイプリズムやレンズへの電圧印加または電流供給ユニット14は,それらを機能させるのに不可欠な要素であるから,一体として構成するのは自然である。またコンピュータ13等を含む制御系は煩雑な設定・操作を自動化できる利点がある。それのみならず,干渉光学系ユニット1の結像条件は固定して使用するので,本実施例のように、電圧・電流を長時間安定して印加・供給できるように配慮した制御系を組合せるのは重要である。
実施例5は、実施例1−実施例4に示した各種の干渉光学系ユニットを利用した荷電粒子線干渉装置の実施例であって、荷電粒子線の光源と,荷電粒子線の光源から放出される荷電粒子線を試料に照射するための照射光学系と、荷電粒子線が照射する試料を保持するための試料保持装置と、試料の像を結像するための少なくとも1つの電磁レンズからなる対物レンズ系と、対物レンズ系により結像された試料の像を拡大結像もしくは縮小結像するための少なくとも2つの電磁レンズからなる結像光学系と、結像光学系で結像された試料の像を干渉像とする干渉光学系と、試料の干渉像を検出記録するための検出記録器とを,順に荷電粒子線が流れる方向に沿って備え、干渉光学系が,荷電粒子線を結像する少なくとも1つの電磁レンズと、少なくとも1つの荷電粒子線バイプリズムと電磁レンズと荷電粒子線バイプリズムの支持部材を有し、これら電磁レンズと荷電粒子線バイプリズムおよび支持部材と,電磁レンズの像面までの空間と、が一つのユニットとして一体構造として構成され,試料の結像倍率を干渉光学系よりも上流に位置する結像光学系に備えられた電磁レンズにより変更する構成の荷電粒子線干渉装置の実施例である。
本実施例の荷電粒子線装置として電子顕微鏡を例にとって説明するが,電子顕微鏡関連に限定されるものではない。図11の(a)に電子顕微鏡を用いた干渉像観察のために従来用いられた光学系の模式図を,同図の(b)の本実施例の電子顕微鏡の構成との比較例として示す。同図の(a)の比較例では,干渉像を得るために第1のバイプリズム25,第2のバイプリズム27のふたつのバイプリズムを有し,光学系の中で両バイプリズムを含む範囲を干渉光学系と捉えることができる。図11においては、荷電粒子線の光源20と、光源20から放出される荷電粒子線を試料に照射するための照射レンズ21、22からなる照射光学系と、荷電粒子線が照射する試料23を保持するための図示を省略した試料保持装置と、試料23の像を結像するための対物レンズ24と、対物レンズ系により結像された試料の像を拡大結像もしくは縮小結像するための少なくとも2つの中間レンズ26、28からなる結像光学系を備えている。
電子顕微鏡の拡大倍率は,対物レンズ,中間レンズ,投影レンズの焦点距離に依存して決まる。また,カメラ上での干渉縞の周期 s および干渉縞が覆う領域の幅 W は,第1、第2のバイプリズムへの印加電圧のほか,第1の中間レンズ26ならびにそれより下流のレンズの焦点距離に依存する。顕微鏡の倍率を変更するときに,電子顕微鏡の通例として,比較例では第2の中間レンズ28ならびに第1、第2の投影レンズ29、30,すなわち干渉光学系を含めてその下流に位置するレンズの焦点距離を変更することによって倍率の変更を達成するので,この際にはカメラである検出記録器31上での干渉縞の周期 s および干渉縞が覆う領域の幅 W も変化を蒙る。
たとえば,従来の電子顕微鏡では,像の倍率構成は,中間レンズ1,中間レンズ2,投影レンズ1,投影レンズ2の焦点距離を複雑に調整して達成されている。低倍率から高倍率までの拡大においては,単純に上記レンズすべてが拡大系となるように調整されるのではなく,最終倍率に応じて,中間レンズ2を縮小系で使用する(例えば低倍率の場合)など,複雑に調整されている。こうすることによって,レンズ磁場による像の回転を抑制しながら,所定の像倍率を達成している。ところが,干渉光学系によって定まる干渉縞間隔 s と干渉縞が覆う領域の幅 W は,この干渉光学系の定める像面と,電子線のクロスオーバーの位置と,バイプリズムの位置に応じて変化する(特許文献3の数式12(sについて)と数式13(Wについて))ため,単純に最終倍率に比例した拡大・縮小をするわけではない。そのため、干渉光学系の結像条件であるバイプリズムへの印加電圧やレンズの焦点距離を,新しい倍率に合せて再調整する必要が生じる。
またたとえば最終倍率20万倍以上で試料像を観察する際にはすべてのレンズが拡大系として使用されるので,比較的単純な光学系の構成となるが、倍率20万倍でカメラからなる検出記録器31上で適当に細かい周期 s で十分な領域幅 W を覆っていた干渉縞は,さらに高い100万倍に変更された際には,カメラ上では粗い周期 s’, ( s’ > s ) で撮像面をはみ出す広さ W’, (W’ > W) を覆うことになり,像は拡大されるが干渉計測の面内分解能は向上しない。以上のようなわけで,干渉光学系の結像条件であるバイプリズムへの印加電圧やレンズの焦点距離を,新しい倍率に合せて再調整する必要が生じる。
一方、同図の(b)に示す本実施例の構成では,干渉光学系ユニット32が光学系の下流端,検出記録器31の前に位置している。本構成の干渉光学系ユニットの結像条件は,上流側の第1のバイプリズム25の位置をそのすぐ下流側の干渉光学系のレンズ33の物面とし,干渉縞の周期 s がカメラである検出記録器31上で適当な間隔であり,干渉縞がカメラ上で適当な幅 W の領域を覆うようにいったん調節し,その後は干渉光学系ユニット32の結像条件は変更せずに固定するものと前提する。そして、試料像の拡大倍率を変更するためには,干渉光学系を含めずそれより上流のレンズ系(第1の結像光学系)の結像条件のみを変更する。このとき干渉光学系より上流の結像光学系の像面は,干渉光学系ユニット32の上流側の第1のバイプリズム25に,倍率変更の前・後とも一致するように行う。このように調整された光学系では,上流側バイプリズムの位置に結像された試料像は,干渉光学系ユニット32の結像条件にしたがって,上流側バイプリズムと重畳されて検出記録器31上に結像される。
前提によって干渉光学系ユニット32の結像条件は固定されているので,倍率の変更によって検出記録器31上の干渉縞に変化を生じることはなく,干渉縞は倍率の如何にかかわらず視野内で適当な間隔で,適当な領域を覆う。したがって,本実施例の構成によれば、比較例で直面した「倍率変更に伴う干渉光学系の再調整」という作業から解放される。
なお,ここでは電子顕微鏡を例に挙げて,また干渉光学系ユニットには2つのバイプリズムと2つのレンズを含む形態を本実施例の構成として説明したが,荷電粒子線干渉装置の種類および干渉光学系ユニットの構成要素は,必ずしもこれに囚われない。
すなわち、荷電粒子線干渉装置において、干渉光学系ユニットが,荷電粒子線を結像する少なくとも1つのレンズと、2つのバイプリズムを備え,それらのうち第1のバイプリズムはレンズの物面位置に配置され,第2のバイプリズムはレンズの後側焦点位置から像面位置の間に配置され,これらレンズとバイプリズムおよび支持部材と,レンズの像面までの空間とが一つのユニットとして一体構造として構成し、装置に含まれる干渉光学系ユニットにバイプリズムが2つ含ませた場合、干渉縞の間隔 s と干渉縞が覆う領域の幅 W を,各々のバイプリズムへの印加電圧によって独立に制御できる利点がある。
また、干渉光学系ユニットを,レンズの像面を物面として結像する少なくとも1つのレンズからなる第2の結像光学系と,第2の結像光学系の像面までの空間とが光学系サブユニットとして一体構造として構成することにより、装置に含まれる干渉光学系ユニットに,レンズが2つ含まれる場合、バイプリズムを含む光学系の部分よりさらに下流に第2の結像光学系を組込むことによって,干渉光学系ユニットによって利用できる倍率の範囲が広がる。また,1段の電磁レンズによって生じる像の回転を,複数段の電磁レンズの組合せによって相殺し,本発明のユニット全体としては像の回転を生じないようにできる利点がある。
更に、実施例2対応の荷電粒子線干渉装置として、干渉光学系ユニットに,荷電粒子線の偏向器を備えた構成の荷電粒子線干渉装置を構成とし、干渉光学系ユニットと上流の光学系部分とを組合せて用いる際に,光学系の光軸共通化を容易かつ精密にすることができる。干渉光学系ユニットよりさらに下流に組合される別の光学系との光軸共通化のために,干渉光学系ユニットの下部に偏向器を設けることも,必要に応じて選択し得る。また,干渉光学系ユニット内部に複数段のレンズを含む場合には,ユニット内のレンズ間に偏向器を設けることによって,レンズ相互の光軸の共通化を容易・精密にすることができる。
また更に、実施例3対応の荷電粒子線干渉装置として、干渉光学系が一体のユニットとして構成されており、当該干渉光学系ユニット内に含まれるレンズ一段による結像作用が、倍率2倍から50倍の間で任意の倍率を取り得る構成の荷電粒子線干渉装置を構成することができる。干渉光学系ユニット内に第2の結像光学系も含めた干渉光学系ユニットの倍率は1000倍以上の大きな値になり得るが、一段のレンズでは拡大倍率は数十倍程度が作りやすい。すなわち、一段のレンズあたりの倍率として2倍から50倍の範囲の拡大倍率を有するものは実用上価値が高い構成となる。
荷電粒子線干渉装置において、干渉光学系が一体のユニットとして構成されて、干渉光学系ユニットが干渉装置の光学系に組合せて用いられる場合,検出記録器は既設の装置に付属しているものを用いる場合もあれば,検出記録器も含めたユニットとして、既設の干渉装置光学系の下端部と交換する形態で組合せる場合もある。前者の場合は既設の機器を無駄なく利用できる利点があるが,後者の場合は,干渉光学系ユニット内のバイプリズムやレンズ相互の光軸の一致を調整、確立した一体のユニットとして作製することができる。既設の干渉装置の光学系とカメラとを切り分けた後、干渉光学系ユニットを挟んだ形態に再構成、調整を行うよりも、カメラも一体化されたユニットを電子顕微鏡の最後段に付加するだけの方が工程を簡略化できる利点がある。
更にまた、実施例4対応の荷電粒子線干渉装置として、干渉光学系が一体のユニットとして構成されており、干渉光学系ユニットに含まれるレンズの焦点距離と、バイプリズムが荷電粒子線に与える偏向角度とを制御する制御システムが備えられていることにより、バイプリズムやレンズを所期の偏向角度や焦点距離で動作させるのに必要な,適切な大きさの電圧印加または電流供給を担うユニットを含めた形態を一体として,本発明の干渉光学系ユニットとして用いることもできる。またさらに制御用に付加されたコンピュータまで含めて干渉光学系ユニットととらえることもできる。バイプリズムやレンズへの電圧印加または電流供給ユニットや、コンピュータ等を含む制御系を一体として構成し、煩雑な設定・操作を自動化できる利点がある。
なお実施例5は、荷電粒子線干渉装置を用いた荷電粒子線干渉像観察方法の実施例、すなわち、荷電粒子線の光源と,荷電粒子線の光源から放出される荷電粒子線を試料に照射するための照射光学系と、荷電粒子線が照射する試料を保持するための試料保持装置と、試料の像を結像するための少なくとも1つの電磁レンズからなる対物レンズ系と、対物レンズ系により結像された試料の像を拡大結像もしくは縮小結像するための少なくとも2つの電磁レンズからなる結像光学系と、結像光学系で結像された試料の像を干渉像とする干渉光学系と、試料の干渉像を検出記録するための検出記録器を,順に荷電粒子線が流れる方向に沿って備えた荷電粒子線干渉装置を用い、干渉光学系の結像条件はあらかじめ固定された一定の条件に保ち,かつ試料の結像倍率の設定および変更は,干渉光学系を含まずそれより上流側の結像光学系に備えられた電磁レンズを用いて行う荷電粒子線干渉像観測方法の実施例である。
また,図3の(c)のように,干渉光学系ユニットの下流側にさらに結像光学系を設けた構成の場合には,干渉光学系を含みそれより下流側の光学系の結像条件はあらかじめ固定された一定の条件に保ち,かつ試料の結像倍率の設定および変更は,干渉光学系を含まずそれより上流側の結像光学系(第1の結像光学系)に備えられた電磁レンズを用いて行う方法も,荷電粒子線干渉像観測方法の実施例である。
このように、本実施例の荷電粒子線干渉像観測方法にあっては、干渉光学系を含みそれより下流側の光学系の結像条件はあらかじめ固定された一定の条件に保ち,試料の結像倍率の設定および変更は,第1の結像光学系に備えられたレンズを用いて行うことが可能な荷電粒子線の干渉像観測方法は,装置の構成上で干渉光学系部分がユニット化されているか否かに係らず,像観察倍率の変更に伴う干渉条件の再調整を不要にできる利点がある。
以上説明した本発明の各種の実施例によれば、本発明の干渉光学系ユニットを用いることにより、荷電粒子線像観察装置としての試料像観察倍率やフォーカス条件を変更した場合であっても、CCDカメラシステムなどの検出記録器に対する干渉光学系の条件、すなわち、干渉縞間隔と干渉領域幅が変更されない干渉光学系を,使用者が複雑な調整に煩わされずに済む固定条件のユニットとして荷電粒子線装置側で提供することができる。
図12は、特許文献2の図11と図12に示した、フレネル縞の重畳回避の干渉計で実現できる干渉条件の範囲に、本願発明で実現可能である干渉条件の領域35を書き加えたものである。本願発明によれば、電子顕微鏡として必要な倍率を得るために,干渉光学系より上流側にレンズを少なくとも1段増加するのが実用的な設計になると考えられる。これに従って,倍率が1桁大きくでき、図12の(a)、(b)に示す領域35が右下に伸ばすことができ、加えて、拡大結像光学系と干渉光学系が独立しているため、網羅的に干渉条件を実現できる。これにより、図12中、切れ目なく領域35を描くことができている。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明のより良い理解のために詳細に説明したのであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることが可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1、32 干渉光学系ユニット
2 電磁レンズ
3 バイプリズム
4 バイプリズム1
5 バイプリズム2
6 光学系サブユニット
7 電磁レンズ1
8 電磁レンズ2
9 偏向器
10 偏向器1
11 偏向器2
12 検出記録器
13 コンピュータ
14 電圧印加または電流供給ユニット
20 光源
21 照射レンズ1
22 照射レンズ2
23 試料
24 対物レンズ
25 バイプリズム1
26 中間レンズ1
27 バイプリズム2
28 中間レンズ2
29 投影レンズ1
30 投影レンズ2
31 検出記録器
33 干渉光学系のレンズ
34 結像レンズ
35 領域
70、80 テーブル

Claims (15)

  1. 荷電粒子線を結像する少なくとも1つの電磁レンズと、少なくとも1つの荷電粒子線バイプリズムと前記電磁レンズと前記荷電粒子線バイプリズムの支持部材を有し、前記電磁レンズと前記荷電粒子線バイプリズムおよび前記支持部材と,前記電磁レンズの像面までの空間とが一つのユニットとして一体構造として構成され、
    前記荷電粒子線の流れる方向の前記ユニットの上流側に置かれる前段の結像光学系に光軸を共通化して設置され、前記電磁レンズの焦点距離と、前記荷電粒子線バイプリズムが前記荷電粒子線に与える偏向角度を制御することによって、前記電磁レンズの像面上に前記荷電粒子線の干渉縞を発生させる、
    ことを特徴とする干渉光学系ユニット。
  2. 請求項1の干渉光学系ユニットであって,
    2つの荷電粒子線バイプリズムを備え,それらのうち第1の荷電粒子線バイプリズムは前記電磁レンズの物面位置に配置され,第2の荷電粒子線バイプリズムは前記電磁レンズの後側焦点位置から像面位置の間に配置される、
    ことを特徴とする干渉光学系ユニット。
  3. 請求項1の干渉光学系ユニットであって、
    前記電磁レンズの像面を物面として結像する少なくとも1つの電磁レンズからなる第2の結像光学系と,前記第2の結像光学系の像面までの空間とが光学系サブユニットとして、前記干渉光学系ユニットに含まれることを特徴とする干渉光学系ユニット。
  4. 請求項1から3のいずれかいずれか一項に記載の干渉光学系ユニットであって,
    前記干渉光学系ユニットとは別の荷電粒子線装置の光学系の光軸を z 軸とするとき,前記荷電粒子線の流れ方向を z 軸と有限の角度を成す方向に偏向する作用を有する偏向器を少なくとも1つ備える、
    ことを特徴とする干渉光学系ユニット。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の干渉光学系ユニットであって、
    前記干渉光学系ユニット内に含まれる電磁レンズ一段による結像作用が、倍率2倍から50倍の間で任意の倍率を取る、
    ことを特徴とする干渉光学系ユニット。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の干渉光学系ユニットであって、
    干渉像を記録する検出記録器を含む、
    ことを特徴とする干渉光学系ユニット。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の干渉光学系ユニットであって、
    前記干渉光学系ユニットに含まれる前記電磁レンズの焦点距離と、前記荷電粒子線バイプリズムが前記荷電粒子線に与える偏向角度とを制御する制御システムを、更にユニットを構成する要素の一部として備える、
    ことを特徴とする干渉光学系ユニット。
  8. 荷電粒子線干渉装置であって、
    荷電粒子線の光源と,前記荷電粒子線の光源から放出される荷電粒子線を試料に照射するための照射光学系と、前記荷電粒子線が照射する前記試料を保持するための試料保持装置と、前記試料の像を結像するための少なくとも1つの電磁レンズからなる対物レンズ系と、前記対物レンズ系により結像された前記試料の像を拡大結像もしくは縮小結像するための少なくとも2つの電磁レンズからなる結像光学系と、前記結像光学系で結像された前記試料の像を干渉像とする干渉光学系と、前記試料の干渉像を検出記録するための検出記録器とを,順に荷電粒子線が流れる方向に沿って備え、
    前記干渉光学系が,荷電粒子線を結像する少なくとも1つの電磁レンズと、少なくとも1つの荷電粒子線バイプリズムと前記電磁レンズと前記荷電粒子線バイプリズムの支持部材を有し、前記電磁レンズと荷電粒子線バイプリズムおよび支持部材と,電磁レンズの像面までの空間とが一つのユニットとして一体構造として構成され,前記試料の干渉像の倍率を前記干渉光学系よりも上流に位置する前記結像光学系に備えられた前記電磁レンズにより変更する、
    ことを特徴とする荷電粒子線干渉装置。
  9. 請求項8に記載の荷電粒子線干渉装置であって、
    前記干渉光学系が,荷電粒子線を結像する少なくとも1つの電磁レンズと、2つの荷電粒子線バイプリズムを備え,それらのうち第1の荷電粒子線バイプリズムは前記電磁レンズの物面位置に配置され,第2の荷電粒子線バイプリズムは前記電磁レンズの後側焦点位置から像面位置の間に配置されることを特徴とする荷電粒子線干渉装置。
  10. 請求項8に記述の荷電粒子線干渉装置であって、
    前記干渉光学系が,前記電磁レンズの像面を物面として結像する少なくとも1つの電磁レンズからなる第2の結像光学系と,前記第2の結像光学系の像面までの空間と、を含む
    ことを特徴とする荷電粒子線干渉装置。
  11. 請求項8から10のいずれか一項に記載の荷電粒子線干渉装置であって、
    前記干渉光学系が,荷電粒子線の偏向器を備える、
    ことを特徴とする荷電粒子線干渉装置。
  12. 請求項8から11のいずれか一項に記載の荷電粒子線干渉装置であって、
    前記ユニット内に含まれる前記電磁レンズによる結像作用が、倍率2倍から50倍の間で任意の倍率を取り得る、
    ことを特徴とする荷電粒子線干渉装置。
  13. 請求項8から12のいずれか一項に記載の荷電粒子線干渉装置であって、
    前記干渉光学系に加えて前記検出記録器も含めた部分が,一体のユニットとして構成されている、
    ことを特徴とする荷電粒子線干渉装置。
  14. 請求項8から13のいずれか一項に記載の荷電粒子線干渉装置であって、
    前記干渉光学系が一体のユニットとして構成されており、更にユニットに含まれる前記電磁レンズの焦点距離と、前記荷電粒子線バイプリズムが前記荷電粒子線に与える偏向角度とを制御するシステムを前記ユニットの構成要素として備える、
    ことを特徴とする荷電粒子線干渉装置。
  15. 荷電粒子線干渉像観察方法であって、
    荷電粒子線の光源と,前記荷電粒子線の光源から放出される荷電粒子線を試料に照射するための照射光学系と、前記荷電粒子線が照射する前記試料を保持するための試料保持装置と、前記試料の像を結像するための少なくとも1つの電磁レンズからなる対物レンズ系と、前記対物レンズ系により結像された前記試料の像を拡大結像もしくは縮小結像するための少なくとも2つの電磁レンズからなる結像光学系と、前記の結像光学系で結像された前記試料の像を干渉像とする干渉光学系と、前記試料の干渉像を検出記録するための検出記録器を,順に荷電粒子線が流れる方向に沿って備えた荷電粒子線干渉装置を用い、前記干渉光学系の結像条件はあらかじめ固定された一定の条件に保ち,かつ前記試料の結像倍率の設定および変更は,前記干渉光学系を含まずそれより上流側の前記結像光学系に備えられた前記電磁レンズを用いて行う、
    ことを特徴とする荷電粒子線干渉像観察方法。
JP2018054280A 2018-03-22 2018-03-22 干渉光学系ユニット,荷電粒子線干渉装置、及び荷電粒子線干渉像観察方法 Active JP7065503B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018054280A JP7065503B2 (ja) 2018-03-22 2018-03-22 干渉光学系ユニット,荷電粒子線干渉装置、及び荷電粒子線干渉像観察方法
US16/360,812 US10770264B2 (en) 2018-03-22 2019-03-21 Interference optical system unit, charged particle beam interference apparatus, and method for observing charged particle beam interference image

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018054280A JP7065503B2 (ja) 2018-03-22 2018-03-22 干渉光学系ユニット,荷電粒子線干渉装置、及び荷電粒子線干渉像観察方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019169265A true JP2019169265A (ja) 2019-10-03
JP7065503B2 JP7065503B2 (ja) 2022-05-12

Family

ID=67984307

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018054280A Active JP7065503B2 (ja) 2018-03-22 2018-03-22 干渉光学系ユニット,荷電粒子線干渉装置、及び荷電粒子線干渉像観察方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US10770264B2 (ja)
JP (1) JP7065503B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0414744A (ja) * 1990-05-09 1992-01-20 Hitachi Ltd 電子線ホログラフィ装置
JP2002117800A (ja) * 2000-10-05 2002-04-19 Jeol Ltd 電子線バイプリズム装置を備えた電子顕微鏡
JP4512180B2 (ja) * 2004-01-09 2010-07-28 独立行政法人理化学研究所 干渉装置
JP2010198985A (ja) * 2009-02-26 2010-09-09 Hitachi Ltd 電子線干渉装置、および電子線干渉顕微方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006164861A (ja) * 2004-12-10 2006-06-22 Hitachi High-Technologies Corp 走査干渉電子顕微鏡
JP5562243B2 (ja) * 2007-09-25 2014-07-30 サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィク ナノスケール変形を測定する方法、デバイス及びシステム
JP5156429B2 (ja) * 2008-02-15 2013-03-06 株式会社日立製作所 電子線装置
WO2010026867A1 (ja) 2008-09-02 2010-03-11 株式会社日立製作所 電子線装置
JP5512797B2 (ja) 2010-03-30 2014-06-04 株式会社日立製作所 電子線干渉装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0414744A (ja) * 1990-05-09 1992-01-20 Hitachi Ltd 電子線ホログラフィ装置
JP2002117800A (ja) * 2000-10-05 2002-04-19 Jeol Ltd 電子線バイプリズム装置を備えた電子顕微鏡
JP4512180B2 (ja) * 2004-01-09 2010-07-28 独立行政法人理化学研究所 干渉装置
JP2010198985A (ja) * 2009-02-26 2010-09-09 Hitachi Ltd 電子線干渉装置、および電子線干渉顕微方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7065503B2 (ja) 2022-05-12
US10770264B2 (en) 2020-09-08
US20190295816A1 (en) 2019-09-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5116321B2 (ja) 位相差電子顕微鏡
US7816648B2 (en) Electron interferometer or electron microscope
JP5156429B2 (ja) 電子線装置
JP2012221958A (ja) 歪みのないtemの非点収差補正
JP2002237272A (ja) 透過電子顕微鏡の位相板用レンズシステム、および透過電子顕微鏡
JPWO2005114693A1 (ja) 電子顕微方法およびそれを用いた電子顕微鏡
JP2002117800A (ja) 電子線バイプリズム装置を備えた電子顕微鏡
JP5462434B2 (ja) 荷電粒子ビーム装置、及び荷電粒子ビーム顕微鏡
JP2013229190A (ja) 電子線装置
US8785851B2 (en) Interference electron microscope
JP5380366B2 (ja) 透過型干渉顕微鏡
JP4807592B2 (ja) 電子顕微鏡及び複合照射レンズ
JP5382695B2 (ja) 電子線干渉装置、および電子線干渉顕微方法
JP2022058942A (ja) 電子光学システム
US11011344B2 (en) Interferometric electron microscope
JP7065503B2 (ja) 干渉光学系ユニット,荷電粒子線干渉装置、及び荷電粒子線干渉像観察方法
KR20210122111A (ko) 전자 회절 홀로그래피
JP7029933B2 (ja) 電子顕微鏡および電子顕微鏡の制御方法
JP5324584B2 (ja) 電子線装置
JP2021163753A (ja) 3d回折データを取得するための方法およびシステム
JP2006318651A (ja) 透過型電子顕微鏡
JP5512797B2 (ja) 電子線干渉装置
Mertens et al. Off-axis holography with a crystal beam splitter
JP6239260B2 (ja) 透過電子顕微鏡
He et al. A method of combining STEM image with parallel beam diffraction and electron-optical conditions for diffractive imaging

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210319

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220322

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220419

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7065503

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150