WO2010026867A1 - 電子線装置 - Google Patents

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Abstract

 本発明の電子線装置は、対物レンズ(5)や、バイプリズム(91、95)等を有し、複数の干渉光学系を構成することができる。そして、ユーザが干渉縞間隔(s)と干渉領域幅(w)等の干渉顕微鏡像のパラメータを入力するだけで、前記電子線装置の干渉光学系の条件が自動的に構築され、適切な状態に設定される。 これにより、広汎な技術レベルのユーザに対して、干渉顕微鏡像を汎用的に観察可能な電子線装置を提供できるようになった。

Description

電子線装置
 本発明は、電子線バイプリズムを用いた電子線装置に関する。
 本願の説明においては、電子線バイプリズムが用いられる。電子線バイプリズムは光学におけるフレネルの複プリズムと同じ作用をする電子光学系における装置で、電界型と磁界型の2種類がある。このうち、広く普及しているものは電界型電子線バイプリズムで、図1に示すような形状をしている。すなわち、中央部のフィラメント電極9とその電極を挟む形で保持される平行平板型接地電極99から構成される。例えば、中央フィラメント電極9に正電圧を印加すると、図1中に示したごとく、フィラメント電極の近傍を通過する電子線は、フィラメント電極の電位を感じて互いに向き合う方向に偏向される(電子線の軌道27参照)。図1中の電子軌道27と垂直に平面25が描かれているが、これは電子線を波として表現するときの等位相面であり、通常は電子軌道と垂直を成す面で一般的には波面と呼ばれる。
 中央フィラメント電極9から離れるほど電子線に作用する電位は小さくなるが作用している空間範囲が長いため、結果的には電子線の偏向角度は入射位置に依らず中央フィラメント電極9への印加電圧に比例する。すなわち、偏向角度αを電子線バイプリズムによる電子線の偏向角度とすると、中央フィラメント電極9への印加電圧Vfと偏向係数kを用いてα=k*Vfで表わされる簡単な関係を持つ。電子線の偏向角度αが入射位置に依らないことは電子光学装置としては重要な特徴で、平面波は平面波のまま伝播方向のみが偏向されて、電子線バイプリズムを射出することになる。これは光学ではちょうど2つのプリズムを合わせたバイプリズムの効果に対応することから、電子線バイプリズムと呼ばれている。
 電子線を偏向させるために電位を用いるものを電界型電子線バイプリズム、磁界と電子線とのローレンツ力を用いるものを磁界型電子線バイプリズムと呼ぶ。本願では、電界型電子線バイプリズムを用いて説明を行う。
 しかし、本発明は電子線バイプリズムとして電子線が干渉させられる装置であれば電界型、磁界型に依らず構成可能であり、説明で用いる電界型電子線バイプリズムに限定するものではない。また、本願において「電子線バイプリズム」と記載する場合には、中央フィラメント電極9を含んで広義に電子線偏向装置としての電子線バイプリズム全体を意味し、電子光学系に置ける厳密な位置に言及する場合は原則として「電子線バイプリズムの中央フィラメント電極」と記載する。
 電子線バイプリズムは光学におけるハーフミラーの様なビームスプリッターが無い電子線においては、電子線干渉を作り出すのに必須の装置である。その理由は図1にも明らかな様に、1つの電子線の波面25を2波に分離するとともに互いに向き合う方向に偏向させる機能にある。この結果、電子線バイプリズムを通過し2波に分離された電子線は、電子線バイプリズムの下流側で重畳され干渉縞8を生じさせる。このような電子光学系を総称して、電子線干渉光学系と呼ぶ(非特許文献1参照)。
 <1段電子線バイプリズム干渉計>
 電子線ホログラフィーに代表される最も一般的な電子線干渉計は、図2に示すごとく1段の電子線バイプリズムを対物レンズ5と試料3の像面71との間に配置し、中央フィラメント電極9に正の電圧を印加することによって試料3を透過した電子線(物体波21:図2では中央フィラメント電極9の左側を通過する電子線でハッチングを付けて示した)と試料3の無い側を透過した電子線(参照波23:図2では中央フィラメント電極9の右側を通過する電子線)を重畳させて干渉顕微鏡像(31と8:試料像31に干渉縞8の重畳された画像)を得ている。このときの干渉縞間隔sと干渉領域幅Wとの間には一定の関係があり、試料面上に逆投影した干渉縞間隔sobjと干渉領域幅Wobjとして以下の数式にて表わされる。
 Sobj=(1/Mobj)*(D*λ/2*α*(D-L))・・・(1)
 Wobj=(1/Mobj)*(2*α*L-(D*df/(D-L)))・・・(2)
 ここでα(rad)は電子線バイプリズムによる電子線の偏向角度である。その他の文字は主に光学系における物体、レンズ、像など各要素間の距離に関するもので図2中に示している。すなわち、Dは対物レンズ直下の光源の像面11から対物レンズ5による試料の像面71までの距離、Lは電子線バイプリズムの中央フィラメント電極9と試料の像面71までの距離である。また、dfは中央フィラメント電極9の直径であり、Mobjは対物レンズ5の倍率 Mobj = b/a(aは試料3(物面)と対物レンズ5との距離、bは対物レンズ5と試料の像面71との距離)である。
 式(1)、(2)からわかるように干渉縞間隔sobjと干渉領域幅Wobjは、ともに電子線の偏向角度αの関数となっており、中央フィラメント電極9への印加電圧Vfのみで互いに独立した制御を行うことは出来ない(例えば、非特許文献1参照)。
 なお、電子線をはじめとする荷電粒子線が電磁レンズを通過する際には、荷電粒子線には光軸を中心とした方位角の回転が生じるが、図2ではこの回転を省略して電子光学系として光軸2を含む等価な面を紙面に記載している。また、中央フィラメント電極9は紙面に垂直に配置されているものとし、電極の断面を小さな丸で示し、中央フィラメント電極9の両側の平行平板型接地電極99は省略している。また、光源を含む照射系4を小さな四角形で描いているが、これは電子銃1、加速管40(図4参照)、コンデンサレンズ系(41、42)(図4参照)など、試料3への電子線の照射にまつわる装置部分の意である。光学系の模式図におけるこの方位角の回転の省略や照射系などの表示の省略は、これ以降の図についても同様である。
 <2段電子線バイプリズム干渉計>
 1段電子線バイプリズム干渉計の、干渉縞間隔sと干渉領域幅Wを独立に制御できないという欠点を解決するべく開発されたものが多段電子線バイプリズム干渉計である。多段電子線バイプリズム干渉計の内、最も簡単な構成である2段電子線バイプリズム干渉光学系を図3に示す。
 この光学系では、第1の電子線バイプリズム91は対物レンズ5下流側の試料3の第1像面71に配され、第2の電子線バイプリズム95は第1像面71よりも電子線の進行方向の下流側に位置する第1の結像系レンズ61によって結像された光源の像面12と、第1の結像系レンズの下流側の試料の第2像面72との間で、かつ第1の電子線バイプリズムの中央フィラメント電極91の陰の部分(図3中では濃いハッチングで表わした)に配置されている。
 図3では該両中央フィラメント電極91,95は、紙面に垂直に配置されている様に描かれているが、これは先述の光軸を含む電子光学的に同一な平面に垂直に配置していることを意味する。この構成による干渉顕微鏡像(32と8)の2つのパラメータ、干渉縞間隔sと干渉領域幅Wは先述と同様に試料面上に逆投影して、干渉縞間隔sobjと干渉領域幅Wobjとして以下の数式で表わされる。
 Sobj=(1/Mobj)*(1/MI1)*(λ*D2/(2*((bs1/as1)*D1*α1+(D2-L2)*α2)))・・・(3)
 Wobj=(1/Mobj)*((2*L2*α2/MI1)-df1)・・・(4)
 ここでα1は第1の電子線バイプリズム91による電子線の偏向角度であり、α2は第2の電子線バイプリズム95による偏向角度である。ここでλとは波長である。また、その他の式中の文字は主に光学系における物体、レンズ、像など各要素間の距離に関するもので図3中に示している。
 すなわち、aobjは試料3(物面)と対物レンズ5との距離、bobjは対物レンズ5と試料の第1の像面71との距離、aI1は試料の第1の像面71(第1の結像レンズの物面)と第1の結像レンズ61との距離、bI1は第1の結像レンズ61と試料の第2像面72との距離、as1は対物レンズ5直下の光源の像面11と第1の結像レンズ61との距離、bs1は第1の結像レンズ61と第1の結像レンズ直下の光源の像面12との距離、D1は対物レンズ直下の光源の像面11から対物レンズによる試料の像面71までの距離、D2は第1の結像レンズ直下の光源の像面12から第1の結像レンズによる試料の像面72(試料の第2像面)までの距離、L2は第2電子線バイプリズムの中央フィラメント電極95と試料の第2像面72までの距離である。また、Mobj、MI1はそれぞれこの結像光学系の倍率 Mobj = bobj/aobj、MI1 = bI1/aI1 (図3参照)であり、df1は第1の電子線バイプリズムの中央フィラメント電極の直径である。
 式(3)、(4)からわかるように干渉縞間隔sobjはα1およびα2の関数として表わされ、干渉領域幅Wobjはα2の関数として表わされており、完全に独立ではないが干渉顕微鏡像を得る操作の順を、
(1)第2の電子線バイプリズム95への印加電圧を調整して所定の干渉領域幅Wに定める。
(2)第1の電子線バイプリズム91への印加電圧を調整して所定の干渉縞間隔sを得る。
とすることによって実効上独立に制御できる。なお、第2の電子線バイプリズムの中央フィラメント電極95を図3中の第1の結像レンズによる光源の像面12に配置した場合、すなわちパラメータ D2-L2=0のときはsobjとWobjについては完全独立に制御可能である。
特開2005-197165号公報 United States Patent #7,102,145  by Domenicucci, et al. September 5, 2006 特開2007-335083号公報 特開2007-115409号公報
A. Tonomura: Electron Holography, 2nd ed. (Springer, Heidelberg. Germany,1999) Chapter 5. Ken Harada, Akira Tonomura, Yoshihiko Togawa, Tetsuya Akashi and Tsuyoshi Matsuda: Applied Physics Letters, Vol. 84, (2004) 3229. B. G. Frost, A. Thesen, D. C. Joy, Brendan Foran and Kanin Brand: J. Vac. Sci. Technol. B,  Vol. 22, (2004) 427. Y.Y. Wang, M. Kawasaki, J. Bruley, M. Gribelyuk, A. Domeincucci and J. Gaudiello:Ultramicroscopy, Vol. 101, (2004) 63. Ken Harada, Tetsuya Akashi, Yoshihiko Togawa, Tsuyoshi Matsuda and Akira Tonomura: Journal of Electron Microscopy, Vol. 54, (2005) 19.
 一般的に干渉光学系では、干渉顕微鏡像、あるいはホログラムとして十分な情報を含んだ画像を得ようとすると、試料像の拡大倍率だけでなく、試料に重畳される干渉縞の間隔s(空間分解能、位相分解能に関係する)や干渉領域幅W(干渉顕微鏡像として観察可能な範囲)も重要となる。有効な干渉顕微鏡像を得るには電子顕微鏡として予め用意されている光学系を用いるだけでは不十分である。図2と3、および式(1)~(4)から明らかなように、干渉縞間隔sと干渉領域幅Wは試料像直上の光源の像(クロスオーバー)位置、電子線バイプリズムの位置、電子線バイプリズムによる電子線の偏向角度αによってコントロールされるので、目的に合致する干渉顕微鏡像を得るためには、例えば、対物レンズ以外の電子レンズの一部を弱励磁条件(通電量の少ない長焦点距離の状態)にし、虚像を含む光学系を構成する方法(電子顕微鏡の全光学系の再調整が必要:例えば、非特許文献3参照)や、磁気的に励磁の弱い(電子レンズの焦点距離の長い)対物レンズを用いて干渉縞間隔sと干渉領域幅Wの関係を調整する方法(対物レンズの交換が必要:例えば、非特許文献3参照)や、特別に準備された励磁の弱いレンズを付加し対物レンズと組を成して使用する方法(対物レンズの交換、および付加レンズのコントロール機構が必要:例えば、特許文献2、および非特許文献4参照)、試料位置や電子線バイプリズムの位置を光軸方向に移動させる方法(特許文献3参照)などの対策が採られている。
 しかし、これら対物レンズそのものへの工夫や操作上の工夫などは、干渉顕微鏡として広範な範囲の干渉縞間隔sと広範な範囲の干渉領域幅Wを含む像を実現するには役立つ方法であるが、いずれの干渉光学系においてもその構築には各電子レンズや偏向系を調整しなければならず、電子光学系に対する知識と取り扱いに関する熟練を要するのが実情である。
 本発明の目的は、干渉顕微鏡像のパラメータ(例えば、干渉縞間隔sと干渉領域幅W)を入力するだけで、電子顕微鏡の光学系条件は、干渉光学系として適切な状態に設定され、自動的に構築されるものを提供することにある。
 本願発明は、対物レンズや、バイプリズムなどを有する電子線装置であって、前記電子線装置は、複数の干渉光学系を構成し、干渉縞間隔及び干渉領域幅を入力することにより、前記複数の干渉光学系を選択することを特徴とする。
 また、前記干渉縞間隔及び前記干渉領域幅の入力により適正な光学系を構成できない場合には、再度前記干渉縞間隔及び前記干渉領域幅を入力できるようにしたことを特徴とする。
 また、前記複数の干渉光学系のうち、選択できるものが複数ある場合には使用者にいずれかを選択できる選択手段をもうけたことを特徴とする。
 また、前記複数の干渉光学系から選択された干渉光学系により倍率が定まることを特徴とする。
 また、対物レンズや、バイプリズムなどを有する電子線装置であって、前記電子線装置は、複数の干渉光学系を構成し、フレネル縞を許容できるかどうかを選択できることを特徴とする。
 また、フレネル縞の許容が否の場合には、干渉領域幅を入力することにより、可能な干渉光学系を選択することを特徴とする。
 また、フレネル縞の許容の可の場合には、干渉縞間隔及び干渉領域幅の入力により、前記複数の干渉光学系を選択することを特徴とする。
 また、前記干渉縞間隔及び前記干渉領域幅の入力により適正な光学系が存在しない場合には、再度前記干渉縞間隔及び前記干渉領域幅を入力できるようにしたことを特徴とする。
 また、前記複数の干渉光学系が複数存在する場合には使用者にいずれかを選択できる選択手段をもうけたことを特徴とする。
 また、前記複数の干渉光学系から選択された干渉光学系により倍率が定まることを特徴とする。
 また、前記干渉領域幅の入力により適正な光学系が存在しない場合には、再度前記干渉領域幅を入力できるようにしたことを特徴とする。
 また、前記複数の干渉光学系が複数存在する場合には使用者にいずれかを選択できる選択手段をもうけたことを特徴とする。
 また、前記複数の干渉光学系から選択された干渉光学系により倍率が定まることを特徴とする。
 また、少なくとも、電子源と、レンズと、複数のバイプリズムを備える電子線装置であって、電子線の進行方向に関して電子源の下流側に第1のレンズと、前記第1のレンズの下流側に第1のバイプリズムと、前記第1のバイプリズムの下流側に第2のバイプリズムを有する第1の電子線バイプリズム干渉光学系と、電子源の下流側に前記第1のレンズと、前記第1のレンズの下流側に第1のバイプリズムと、前記第1のバイプリズムの下流側に第2のレンズと、前記第2のレンズの下流側に第2のバイプリズムを有する第2の電子線バイプリズム干渉光学系とを有し、干渉縞間隔及び干渉領域幅を入力することにより、前記第1の電子線バイプリズム干渉光学系と、前記第2の電子線バイプリズム干渉光学系を選択できることを特徴とする。
 また、少なくとも、電子源と、レンズと、複数のバイプリズムを備える電子線装置であって、電子源の下流側に第1のレンズと、前記第1のレンズの下流側に第1のバイプリズムと、前記第1のバイプリズムの下流側に第2のバイプリズムを有する第1の電子線バイプリズム干渉光学系と、前記電子源の下流側に前記第1のレンズと、前記第1のレンズの下流側に第1のバイプリズムと、前記第1のバイプリズムの下流側に第2のレンズと、前記第2のレンズの下流側に第2のバイプリズムを有する第2の電子線バイプリズム干渉光学系と、前記電子源の下流側に第1のバイプリズムと、前記第1のバイプリズムの下流側に前記第2のレンズと、前記第2のレンズの下流側に前記第2のバイプリズムを有する第3の電子線バイプリズム干渉光学系とを有し、干渉縞間隔及び干渉領域幅を入力することにより、前記第1の電子線バイプリズム干渉光学系と、前記第2の電子線バイプリズム干渉光学系と、前記第3の電子線バイプリズム干渉光学系のいずれかを選択できることを特徴とする。
 本発明によれば、干渉顕微鏡像のパラメータ(例えば、干渉縞間隔sと干渉領域幅W)を入力するだけで、電子顕微鏡の光学系条件は、干渉光学系として適切な状態に設定され、自動的に構築される。
 これによって実験者は、例えば電子線バイプリズムの位置の微調整や偏向系の微調整、試料中の観察部位の選択とフォーカス合わせなど最終的な調整作業を行うだけで、適切な干渉顕微鏡像を得ることができる。さまざまな要求を持つ広範な技術レベルの実験者に対して、干渉顕微鏡像を汎用的に観察可能な電子線装置を提供できる。
電界型電子線バイプリズムと電子線の干渉の様子を示す模式図である。 1段電子線バイプリズム干渉計の光学系を示す模式図である。 2段電子線バイプリズム干渉計の光学系を示す模式図である。 本願の電子線装置全体を概観する模式図である。 汎用型電子顕微鏡に従来型2段電子線バイプリズム干渉計を組み込んだ場合の、高倍率の干渉顕微鏡像観察に対応した光学系を示す模式図である。 汎用型電子顕微鏡に従来型2段電子線バイプリズム干渉計を組み込んだ場合の、中倍率の干渉顕微鏡像観察に対応した光学系を示す模式図である。 汎用型電子顕微鏡に従来型2段電子線バイプリズム干渉計を組み込んだ場合の、低倍率の干渉顕微鏡像観察に対応した光学系を示す模式図である。 拡大結像系を成す一般型2段電子線バイプリズム干渉光学系を示す模式図である。 虚像拡大系を成す一般型2段電子線バイプリズム干渉光学系を示す模式図である。 縮小結像系を成す一般型2段電子線バイプリズム干渉光学系を示す模式図である。 試料に対する倍率と干渉縞間隔との関係を示す実施例1に関する模式図である。 試料に対する倍率と干渉領域幅との関係を示す実施例1に関する模式図である。 実施例1に関して干渉光学系構築までのシステムの流れを示す模式図である。 試料に対する倍率と干渉縞間隔との関係を示す実施例2に関する模式図である。 試料に対する倍率と干渉領域幅との関係を示す実施例2に関する模式図である。 実施例2に関して干渉光学系構築までのシステムの流れを示す模式図である。
<電子線装置>
 図4に本願に関するシステムとしての電子線装置全体を模式的に示す。図4は、汎用型の透過型電子顕微鏡を干渉顕微鏡に用いる場合を想定した模式図であるが、本願はこの模式図に記載の形態に限るものではない。
 電子源としての電子銃1が電子線の流れる方向の最上流部に位置し、加速管40にて所定の速度の電子流(以後、電子線と記述する)とされた後、照射光学系(コンデンサーレンズ41、42)を経て試料3に電子線が照射される。試料3を透過した電子線は、電子線の進行方向に、試料3よりも下流側の対物レンズ5にて結像される。この結像作用は、対物レンズ5よりも下流側の複数の結像レンズ系(61、62、63、64)に引き継がれ、最終的に電子線装置の観察記録面89に結像される。その像8は、電子顕微鏡フィルムやCCDカメラなど記録媒体79を通じて、画像記録装置77に記録される。電子線バイプリズムは、第1の電子線バイプリズム91が対物レンズ5の下流側に、第2の電子線バイプリズム95が第1の結像レンズ61の下流側に位置している。それぞれの電子源1、加速管40への印加電圧、試料位置と試料3の傾斜角度、および電子レンズの励磁状態、電子線バイプリズムの位置、電位の印加状態などの各要素が、コンピュータ51に接続された制御系(19、49、48、47、39、59、97、69、96、68、67、66)でコントロールされている。実際の装置ではこの模式図で示した他に、電子線の進行方向を変化させる偏向系、電子線の透過する領域を制限する絞り機構などが存在し、それらの要素もまたコンピュータ51に接続された制御系でコントロールされている。しかし、これらの装置は本願には直接的な関係が無いので、この図では割愛する。なお、この模式図に示すごとく、電子光学要素は真空容器18中に組み立てられ、真空ポンプにて継続的に真空排気されている。真空系についても、本願とは直接の関係がないため割愛する。
 <干渉光学系の基本構成>
 本願では、広範な干渉顕微鏡像の観察条件に対応すると共に、汎用型電子顕微鏡の電子線干渉装置への利用を想定しているため、2段に電子線バイプリズムを用いる干渉光学系について検討する。まず、従来型2段電子線バイプリズム干渉光学計を中、低倍率像観察へ拡張した場合について検討し、続いて、フレネル縞の発生を許容する代わりに2段電子線バイプリズム干渉光学計の光学系構成の自由度を高めた系について検討する。
 <(1)従来型2段電子線バイプリズム干渉光学計の拡張>
 2段電子線バイプリズム干渉系の主たる光学系を結像レンズ系まで含めて図5に示す。この図5の光学系は、全結像レンズ系を拡大結像条件にて使用し高倍率を達成する、主として高分解能観察に用いられる光学系である。対応可能な倍率や干渉領域幅、干渉縞間隔は、具体的な電子線装置ごとに求めなければならないが、一例としては、300kVの加速電圧の電子線装置にて、20万倍から150万倍程度が可能であることを確認している。
 図6は、中間倍率用に構成した従来型2段電子線バイプリズム干渉光学系である。第1の電子線バイプリズムの中央フィラメント電極91を試料の像面71に配置する必要から対物レンズ5の利用条件が自ずから定まるため、試料3、対物レンズ5、第1の電子線バイプリズム91までの構成は図5の光学系と同じとなる。結像レンズ系の内、第2番目のレンズ62をオフとすることにより、最大到達倍率を小さくしている。図6に示したごとく、第2の電子線バイプリズム95が、光源の像12(クロスオーバー)の上流側に位置する場合があるので、この場合には、フィラメント電極95への印加電位の正負を逆転させる必要がある。約30万倍以下の倍率に対応可能である。
 図7は、低倍率用に構成した従来型2段電子線バイプリズム干渉光学系である。これも試料、対物レンズ5、第1の電子線バイプリズム91までの構成は、図5の光学系と同じである。第1の結像レンズ61をオフとし、第2の結像レンズ62によって縮小投影を行うことで、低倍率での結像を実現している。約4万倍以下の倍率に対応可能である。
 図6、図7共に、結像レンズ系の内、1つのレンズをオフにして倍率の調整を行っている。この場合、1つのレンズの持つ自由度を失っているため、どちらの光学系も対応可能な倍率や干渉領域幅W、干渉縞間隔sに付いては、その対応可能な範囲は小さい。1MVホログラフィー電子顕微鏡のように、対物レンズ系に電子レンズを1段付加すれば、干渉光学系の構成への自由度は増加する(例えば、特許文献4、および非特許文献5参照)。
 <(2)一般型2段電子線バイプリズム干渉光学計(拡大結像系)>
 図8は、主に拡大結像に用いられる2段電子線バイプリズム干渉光学系である。試料3と試料の像面71との間に、第1、第2の両電子線バイプリズムを挿入する。第2の電子線バイプリズムのフィラメント電極95が、上段の電子線バイプリズムのフィラメント電極91の陰の部分に配置される必要があるのみで、その他の位置関係について特別な限定をするものではない。干渉顕微鏡像(8と31)にフレネル縞は重畳されるが、必要な干渉領域幅内に、必要な間隔の干渉縞を持った干渉顕微鏡像を得ることが可能である。
 図8の構成による干渉顕微鏡像(8と31)の2つのパラメータ、干渉縞間隔sと干渉領域幅Wは先述と同様に試料面上に逆投影して、干渉縞間隔sobjと干渉領域幅Wobjとして以下の数式で表わされる。
 Sobj=(aobj/bobj)*(D*λ/(2*((D-L2)*α2-(D-L1)*α1))) ・・・(5)
 Wobj=(aobj/bobj)*(2*L2*α2-2*L1*α1-(D*df1/(D-L1))) ・・・(6)
 両式(5)、(6)ともに、両電子線バイプリズムによる電子線の偏向角α1、α2を含んでいる。すなわち、2つの電子線バイプリズムによる偏向角度α1、α2の組み合わせによって、電子レンズの焦点距離などを全く偏向することなく(すなわち試料の倍率を変更することなく)、干渉縞間隔sobjと干渉領域幅Wobjを必要な値に調整することが可能である。これは、例えば先に述べた非特許文献4に記載の焦点距離の長い弱励磁レンズと対物レンズの組み合わせにて干渉縞間隔sobjと干渉領域幅Wobjへの自由度を確保する方法(条件ごとに試料の倍率が異なる)と本質的に異なっている。
 汎用型電子顕微鏡にて図8の光学系を構築するには、第1の結像レンズ61(図7の61参照)をオフとして対物レンズの像面71を電子線の進行方向の下流側に下げ、対物レンズ5と対物レンズによる試料の像面71までの間に、電子線バイプリズムを2本挿入するのが簡便な方法である。但し、第1の結像レンズ61を1段オフとする場合には、最大倍率は30万倍程度となることに注意しなければならない。
 <(3)一般型2段電子線バイプリズム干渉光学計(虚像拡大系)>
 図9は、主に数万倍から10万倍程度の中倍率での干渉計に用いることができる一般型2段電子線バイプリズム干渉光学系である。試料3直下の電子レンズ(対物レンズ5)を弱励磁(焦点距離が長い)条件にて使用し、試料の上方に仮想的に存在する拡大された試料の虚像36を対物レンズ5より下流側の第1の結像レンズ61にて縮小結像する光学系である。本構成では、対物レンズ5と第1の結像レンズ61を組み合わせて結像に用いており、対物レンズ5で虚像拡大、第1の結像レンズ61で縮小結像を行うため、両レンズの組み合わせ方によって、中間倍率を確保することが可能となる。
 図9の構成による干渉顕微鏡像(32と8)の2つのパラメータ、干渉縞間隔sと干渉領域幅Wは先述と同様に試料面上に逆投影して、干渉縞間隔sobjと干渉領域幅Wobjとして、両電子線バイプリズムの偏向角α1、α2を含む形の数式で表わされる(ここでは割愛する)。
 <(4)一般型2段電子線バイプリズム干渉光学計(縮小結像系)>
 図10は、主に数万倍以下の低倍率で、干渉領域幅Wを大きくとる場合に有効な光学系である。さらに、試料3と試料3直下の電子レンズ61の距離を大きく取れるため、磁性材料など試料に対して電子レンズの磁場の浸漬を防ぐ場合に有効な必要な光学系でもある。
 図10の構成による干渉顕微鏡像(32と8)の2つのパラメータ、干渉縞間隔sと干渉領域幅Wは先述と同様に試料面上に逆投影して、干渉縞間隔sobjと干渉領域幅Wobjとして、両電子線バイプリズムの偏向角α1、α2を含む形の数式で表わされる(ここでは割愛する)。
 本願では、これら検討を加えた2つ以上の干渉光学系に関して、具体的な光学要素の諸条件を記憶させ、実験に必要な、例えば干渉領域幅Wobjなどのパラメータに合わせて光学系を選定し、その光学系の下での光学要素の動作条件を読み出し、必要ならば演算を加えて適切な条件設定を行い、設定に沿った干渉光学系を自動構築するシステムを提供する。
 2つの干渉光学系からなる、システムについて説明する。例えば、図8、図9に記載の2つの干渉光学系について、それぞれ、試料に対する倍率Mとそのときに実現可能な干渉縞間隔sobjを図11に、試料に対する倍率Mと干渉領域幅Wobjを図12に示す。両図中の枠内のプロットされた点は、実際に干渉光学系の構築が成された条件のところで、該光学系を構築するのに必要だった全ての動作条件(電子レンズ、偏向系、バイプリズムへの印加電圧など)が既知であり、データファイルとして記憶装置に記憶されている。図11、図12ともに、枠で囲んだ領域内は電源の性能等から達成可能と判断される干渉条件の領域であり、具体的な動作条件は、プロットされた点の条件から演算(例えばリニアに内挿、もしくは外挿など)によって求めることができる。枠外の領域は、その様な干渉条件(倍率と、そのときの干渉縞間隔と干渉領域幅)が、構築できないか、もしくは構築できても記録系の分解能から縞を縞として記録できない場合(例えば、図11の左下部などにおいてCCD素子の画素サイズよりも細かな干渉縞となる場合)に該当する。
 このような電子線装置は図4に示すような構成を成すシステムで、入力処理、情報記憶/読出処理、演算処理、設定処理、動作処理などは、コンピュータにて行われ、コンピュータからの指示に基づいて制御系ユニットが、それぞれの光学要素を制御する。
 図13に、当該システムによる干渉光学系のパラメータ入力から、光学系の構築までの流れ(フロー)をチャート化した。それぞれを説明する。
 (ステップ1):実験者は、干渉光学系モードを選択する。
 (ステップ2):システムは、干渉像のパラメータ干渉縞間隔sobj、干渉領域幅Wobjの入力待ち状態となる。
 (ステップ3):実験者は、入力装置に干渉縞間隔sobj及び、干渉領域幅Wobjを入力する。
 (ステップ4):記憶装置は、例えば図11、図12を得たデータファイルを参照し、実現可能な干渉光学系を検索する。
 (ステップ5):(1)適切な光学系が見つかった場合には、構築する光学系を表示装置に表示する。(2)適切な光学系が見つからない場合には、表示装置にその旨を表示し、実験者にパラメータの再入力を指示する。→ステップ3へ戻る。
 (ステップ6):(1)見つかった適切な光学系が1つの場合は、その光学系を表示装置に表示する。(2)見つかった適切な光学系が複数の場合は、その旨を表示し、実験者に選択を指示する。→実験者は、選択を入力する。
 (ステップ7):構築する光学系の倍率を定める(例えば、構築可能な倍率の範囲の中間値近傍の区切りのよい倍率とすればよい)。
 (ステップ8):(1)該当する倍率の記憶データがあるとき、記憶装置は当該記憶データを読み出す。(2)該当する倍率の記憶データが無いとき、演算装置は、近傍のデータを用いて動作条件データを作成する(例えば、2つの動作条件における各々のシステムへの通電量を、その条件からのはずれ量によって比例配分すればよい)。
 (ステップ9):電子光学系の制御システムに、目的とする光学系を構築するための各要素の動作条件が設定される。
 (ステップ10):制御システムが動作し、光学系が設定条件を満足する干渉光学系に構築される。
 (ステップ11):電子線バイプリズムが光軸上に挿入され、中央フィラメント電極に設定された条件に基づく電圧が印加され、干渉光学系の自動構築が完成する。→システムは、パラメータの入力待ち状態に復する。→実験者は、干渉実験を行う。
 (ステップ12):実験者は、干渉光学系モードを終了する。
 ステップ11の後、実験者は、試料の位置合わせを行なったり、偏向系の微調整、電子線バイプリズムの位置や中央フィラメント電極への印加電圧の微調整などを行い、希望の干渉顕微鏡が観察されればそれを記録する。最終盤の調整等には手動操作の部分を残しているのは、さまざまな実験のタイプ、試料の種類への対応の可能性を広げるためである。
 3つ以上の干渉光学系からなる場合についても、ほぼ同様のシステムを構築することができる。まず、複数の干渉光学系について、それぞれ、試料に対する倍率Mとそのときに実現可能な干渉縞間隔sobjを図14に、試料に対する倍率Mと干渉領域幅Wobjの関係を図15にそれぞれ模式的に示す。両図中の枠に囲まれた領域が、観察可能な干渉像の範囲である。これまでに述べたすべての干渉光学系を検討した結果、ひとつの倍率について、ほとんどの場合複数の光学系構築の可能性が描かれている。特に、両図中の太破線で囲まれた領域は、従来型の2段電子線バイプリズム干渉光学系で観察可能な干渉像の範囲である。干渉像中にフレネル縞が重畳されないこと、干渉縞間隔sobjを後から変更し易いなどの点から、従来型の2段電子線バイプリズム干渉光学系を優先に光学系を構築するのが良いと判断される。そのため、光学系の選択に当たっては、まず、従来型の2段電子線バイプリズム干渉光学系を優先的に選択するシステムとするのが合理的と考えられるが、もちろんこの限りではない。
 図14、図15ともに、枠で囲んだ領域内は電源の性能等から達成可能と判断される干渉条件の領域であり、具体的な動作条件は、プロットされた点の条件から演算(例えばリニアに内挿、もしくは外挿など)によって求めることができる。枠外の領域は、その様な干渉条件(倍率と、そのときの干渉縞間隔と干渉領域幅)が構築できないか、もしくは構築できても記録系の分解能から縞を縞として記録できない場合に該当する。これらの事情は実施例1の場合と同様である。
 また、このような電子線装置が図4に示すような構成を成し、入力処理、情報記憶/読出処理、演算処理、設定処理、動作処理などはコンピュータにて行われ、コンピュータからの指示に基づいて制御系ユニットが、それぞれの光学要素を制御するところも実施例1の場合と同様である。
 図16に、当該システムによる干渉光学系のパラメータ入力から、光学系の構築までの流れ(フロー)をチャート化した。それぞれを説明する。ステップの引数は、光学系全体に関するものには1桁の数、従来の2段電子線バイプリズム干渉計に関するものには10代の数、本願で提案した一般型2段電子線バイプリズム干渉計に関するものには20代の数を付している。
 (ステップ1):実験者は、干渉光学系モードを選択する。
 (ステップ2):実験者は、フレネル縞の許容の可否を入力する。システムは、(1)フレネル縞否の場合は、従来型の2段バイプリズム干渉計(例えば、図5,6,7に記載など)を取り扱う。(2)フレネル縞可の場合には、記憶している全光学系(例えば、図5,6,7,8,9,10に記載など)を取り扱う。
 (ステップ11):システムは、干渉像のパラメータ干渉領域幅Wobjの入力待ち状態となる。/(ステップ21):システムは、干渉像のパラメータ干渉縞間隔sobjと干渉領域幅Wobjの入力待ち状態となる。
 (ステップ12):実験者は、入力装置に干渉領域幅Wobjを入力する。/(ステップ22):実験者は、入力装置に干渉縞間隔sobjと干渉領域幅Wobjを入力する。
 (ステップ13):記憶装置は、データファイルを参照し実現可能な干渉光学系を検索する。/(ステップ23):記憶装置は、データファイルを参照し実現可能な干渉光学系を検索する。
 (ステップ14):(1)適切な光学系が見つかった場合には、構築する光学系を表示装置に表示する。(2)適切な光学系が見つからない場合には、表示装置にその旨を表示し、実験者に、(i)パラメータの再入力を指示する。→ステップ12へ戻る。もしくは(ii)フレネル縞可の光学系への変更を指示する。→ステップ21へ移る。/(ステップ24):(1)適切な光学系が見つかった場合には、構築する光学系を表示装置に表示する。(2)適切な光学系が見つからない場合には、表示装置にその旨を表示し、実験者にパラメータの再入力を指示する。→ステップ22へ戻る。
 (ステップ15):(1)見つかった適切な光学系が1つの場合は、その光学系を表示装置に表示する。(2)見つかった適切な光学系が複数の場合は、その旨を表示し、実験者に選択を指示する。→実験者は、選択を入力する。/(ステップ25):(1)見つかった適切な光学系が1つの場合
は、その光学系を表示装置に表示する。(2)見つかった適切な光学系が複数の場合は、その旨を表示し、実験者に選択を指示する。→実験者は、選択を入力する。
 (ステップ16):構築する光学系の倍率を定める(例えば、構築可能な倍率の範囲の中間値近傍の区切りのよい倍率とすればよい)。/(ステップ26):構築する光学系の倍率を定める(例えば、構築可能な倍率の範囲の中間値近傍の区切りのよい倍率とすればよい)。
 (ステップ17):(1)該当する倍率の記憶データがあるとき、記憶装置は当該記憶データを読み出す。(2)該当する倍率の記憶データが無いとき、演算装置は、近傍のデータを用いて動作条件データを作成する(例えば、2つの動作条件における各々のシステムへの通電量を、その条件からのはずれ量によって比例配分すればよい)。/(ステップ27):(1)該当する倍率の記憶データがあるとき、記憶装置は当該記憶データを読み出す。(2)該当する倍率の記憶データが無いとき、演算装置は、近傍のデータを用いて動作条件データを作成する(例えば、2つの動作条件における各々のシステムへの通電量を、その条件からのはずれ量によって比例配分すればよい)。
 (ステップ3):電子光学系の制御システムに、目的とする光学系を構築するための各要素の動作条件が設定される。
 (ステップ4):制御システムが動作し、光学系が設定条件を満足する干渉光学系に構築される。
 (ステップ5):電子線バイプリズムが光軸上に挿入され、中央フィラメント電極に設定された条件に基づく電圧が印加され、干渉光学系の自動構築が完成する。→システムは、パラメータの入力待ち状態に復する。→実験者は、干渉実験を行う。
 (ステップ6):実験者は、干渉光学系モードを終了する。
 ステップ5の後、実験者は、試料の位置合わせを行なったり、偏向系の微調整、電子線バイプリズムの位置や中央フィラメント電極への印加電圧の微調整などを行い、希望の干渉顕微鏡が観察されればそれを記録する。さまざまな実験のタイプ、試料の種類への対応の可能性を広げるため、最終盤の調整等には手動操作の部分を残しているのは、実施例1と同様である。
 本発明は、電子線バイプリズムを用いた電子線装置に利用可能である。
 1…電子源もしくは電子銃、2…光軸、3…試料、4…照射光学系、5…対物レンズ、8…干渉縞、9…電子線バイプリズム中央フィラメント電極、10…照射光学系による電子源の像(クロスオーバー)、11…対物レンズにより結像されたクロスオーバーの像、12…第1の結像レンズにより結像されたクロスオーバーの像、13…第2の結像レンズにより結像されたクロスオーバーの像、18…真空容器、19…電子源の制御ユニット、21…物体波、22…電子線の波面、23…参照波、27…電子線の軌道、31…対物レンズにより結像された試料の像、32…第1の結像レンズにより結像された試料の像、36…対物レンズ上方に位置する試料の虚像、39…試料の制御ユニット、40…加速管、41…第1の照射(コンデンサ)レンズ、42…第2の照射(コンデンサ)レンズ、47…第2の照射レンズの制御ユニット、48…第1の照射レンズの制御ユニット、49…加速管の制御ユニット、51…制御系コンピュータ、52…制御系コンピュータのモニタ、53…制御系コンピュータのインターフェース、59…対物レンズの制御ユニット、61…第1の結像レンズ、62…第2の結像レンズ、63…第3の結像レンズ、64…第4の結像レンズ、66…第4の結像レンズの制御ユニット、67…第3の結像レンズの制御ユニット、68…第2の結像レンズの制御ユニット、69…第1の結像レンズの制御ユニット、71…対物レンズによる試料の像面、72…第1の結像レンズによる試料の像面、73…第2の結像レンズによる試料の像面、74…第3の結像レンズによる試料の像面、75…第4の結像レンズによる試料の像面、76…画像観察・記録装置のモニタ、77…画像記録装置、78…画像観察・記録媒体の制御ユニット、79…画像観察・記録媒体、89…観察・記録面、81s…構築可能な干渉条件(倍率と縞間隔)の領域、81W…構築可能な干渉条件(倍率と干渉領域幅)の領域、82s…構築可能な干渉条件(倍率と縞間隔)の領域、82W…構築可能な干渉条件(倍率と干渉領域幅)の領域、83s…構築可能な干渉条件(倍率と縞間隔)の領域、83W…構築可能な干渉条件(倍率と干渉領域幅)の領域、84s…構築可能な干渉条件(倍率と縞間隔)の領域、84W…構築可能な干渉条件(倍率と干渉領域幅)の領域、85s…構築可能な干渉条件(倍率と縞間隔)の領域、85W…構築可能な干渉条件(倍率と干渉領域幅)の領域、86s…構築可能な干渉条件(倍率と縞間隔)の領域、86W…構築可能な干渉条件(倍率と干渉領域幅)の領域、91…第1の電子線バイプリズムの中央フィラメント電極、95…第2の電子線バイプリズムの中央フィラメント電極、99…平行平板接地電極。

Claims (15)

  1.  対物レンズや、バイプリズムなどを有する電子線装置であって、
     前記電子線装置は、複数の干渉光学系を構成し、
     干渉縞間隔及び干渉領域幅を入力することにより、前記複数の干渉光学系を選択することを特徴とする電子線装置。
  2.  請求項1において、前記干渉縞間隔及び前記干渉領域幅の入力により適正な光学系を構成できない場合には、再度前記干渉縞間隔及び前記干渉領域幅を入力できるようにしたことを特徴とする電子線装置。
  3.  請求項1において、前記複数の干渉光学系のうち、選択できるものが複数ある場合には使用者にいずれかを選択できる選択手段をもうけたことを特徴とする電子線装置。
  4.  請求項1において、前記複数の干渉光学系から選択された干渉光学系により倍率が定まることを特徴とする電子線装置。
  5.  対物レンズや、バイプリズムなどを有する電子線装置であって、
     前記電子線装置は、複数の干渉光学系を構成し、
     フレネル縞を許容できるかどうかを選択できることを特徴とする電子線装置。
  6.  請求項5において、フレネル縞の許容が否の場合には、干渉領域幅を入力することにより、可能な干渉光学系を選択することを特徴とする電子線装置。
  7.  請求項5において、フレネル縞の許容の可の場合には、干渉縞間隔及び干渉領域幅の入力により、前記複数の干渉光学系を選択することを特徴とする電子線装置。
  8.  請求項7において、前記干渉縞間隔及び前記干渉領域幅の入力により適正な光学系が存在しない場合には、再度前記干渉縞間隔及び前記干渉領域幅を入力できるようにしたことを特徴とする電子線装置。
  9.  請求項7において、前記複数の干渉光学系が複数存在する場合には使用者にいずれかを選択できる選択手段をもうけたことを特徴とする電子線装置。
  10.  請求項7において、前記複数の干渉光学系から選択された干渉光学系により倍率が定まることを特徴とする電子線装置。
  11.  請求項6において、前記干渉領域幅の入力により適正な光学系が存在しない場合には、再度前記干渉領域幅を入力できるようにしたことを特徴とする電子線装置。
  12.  請求項6において、前記複数の干渉光学系が複数存在する場合には使用者にいずれかを選択できる選択手段をもうけたことを特徴とする電子線装置。
  13.  請求項6において、前記複数の干渉光学系から選択された干渉光学系により倍率が定まることを特徴とする電子線装置。
  14.  少なくとも、電子源と、レンズと、複数のバイプリズムを備える電子線装置であって、
     電子線の進行方向に関して電子源の下流側に第1のレンズと、前記第1のレンズの下流側に第1のバイプリズムと、前記第1のバイプリズムの下流側に第2のバイプリズムを有する第1の電子線バイプリズム干渉光学系と、
     電子源の下流側に前記第1のレンズと、前記第1のレンズの下流側に第1のバイプリズムと、前記第1のバイプリズムの下流側に第2のレンズと、前記第2のレンズの下流側に第2のバイプリズムを有する第2の電子線バイプリズム干渉光学系とを有し、
     干渉縞間隔及び干渉領域幅を入力することにより、前記第1の電子線バイプリズム干渉光学系と、前記第2の電子線バイプリズム干渉光学系を選択できることを特徴とする電子線装置。
  15.  少なくとも、電子源と、レンズと、複数のバイプリズムを備える電子線装置であって、
     電子源の下流側に第1のレンズと、前記第1のレンズの下流側に第1のバイプリズムと、前記第1のバイプリズムの下流側に第2のバイプリズムを有する第1の電子線バイプリズム干渉光学系と、
     前記電子源の下流側に前記第1のレンズと、前記第1のレンズの下流側に第1のバイプリズムと、前記第1のバイプリズムの下流側に第2のレンズと、前記第2のレンズの下流側に第2のバイプリズムを有する第2の電子線バイプリズム干渉光学系と、
     前記電子源の下流側に第1のバイプリズムと、前記第1のバイプリズムの下流側に前記第2のレンズと、前記第2のレンズの下流側に前記第2のバイプリズムを有する第3の電子線バイプリズム干渉光学系とを有し、
     干渉縞間隔及び干渉領域幅を入力することにより、前記第1の電子線バイプリズム干渉光学系と、前記第2の電子線バイプリズム干渉光学系と、前記第3の電子線バイプリズム干渉光学系のいずれかを選択できることを特徴とする電子線装置。
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