JP5156429B2 - 電子線装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子線バイプリズムを用いた干渉計を構成する電子線装置に関する。
本明細書の説明においては、電子線バイプリズムが用いられる。電子線バイプリズムは光学におけるフレネルの複プリズムと同じ作用をする電子光学における装置で、電界型と磁界型の2種類がある。このうち、広く普及しているものは電界型電子線バイプリズムで、図1に示すような形状をしている。すなわち、中央部の極細線電極9とその電極を挟む形で保持される平行平板型接地電極99から構成される。例えば、中央極細線電極9に正電圧を印加すると、図1中に示したごとく、極細線電極の近傍を通過する電子線は、中央極細線電極の電位を感じて互いに向き合う方向に偏向される(電子線の軌道24参照)。中央極細線電極から離れるほど電子線に作用する電位は小さくなるが作用している空間範囲が長いため、結果的には電子線の偏向角度は入射位置に依らず極細線電極への印加電圧に比例する。すなわち、αを電子線バイプリズムによる電子線の偏向角度とすると、中央極細線電極への印加電圧Vfと偏向係数kを用いてα=kVfで表わされる簡単な関係を持つ。電子線の偏向角度αが入射位置に依らないことは光学装置としては重要な特徴で、平面波22は平面波のまま伝播方向のみが偏向されて、電子線バイプリズムを射出することになる。これは光学ではちょうど2つのプリズムを合わせた複プリズムの効果に対応することから、電子線バイプリズムと呼ばれている。電子線を偏向させるために電位を用いるものを電界型電子線バイプリズム、磁界と電子線とのローレンツ力を用いるものを磁界型電子線バイプリズムと呼ぶ。本明細書では、電界型電子線バイプリズムを用いて説明を行う。しかし、本発明は電子線バイプリズムとして電子線が干渉させられる装置であれば電界型、磁界型に依らず構成可能であり、説明で用いる電界型電子線バイプリズムに限定するものではない。また、本明細書において「電子線バイプリズム」と記載する場合には、中央極細線電極を含んで広義に電子線偏向装置としての電子線バイプリズム全体を意味し、光学系に置ける厳密な位置に言及する場合は原則として「電子線バイプリズムの中央極細線電極」と記載する。
電子線バイプリズムは光学におけるハーフミラーの様なビームスプリッターが無い電子線においては、電子線干渉を作り出すのに必須の装置である。その理由は図1にも明らかな様に、1つの電子線の波面22を2波に分離するとともに互いに向き合う方向に偏向させる機能にある。この結果、電子線バイプリズムを通過し2波に分離された電子線は、電子線バイプリズムの後方で重畳され干渉縞8を生じさせる。このような電子光学系を総称して、電子線干渉光学系と呼ぶ。
<1段電子線バイプリズム干渉計>
電子線ホログラフィーに代表される最も一般的な電子線干渉計は、図2に示すごとく1段の電子線バイプリズムを対物レンズ55と試料の像面71との間に配置し、中央極細線電極9に正の電圧を印加することによって試料を透過した電子線(物体波21:図2では中央極細線電極の左側を通過する電子線でハッチングを付けて示した)と試料の無い側を透過した電子線(参照波23:図2では中央極細線電極の右側を通過する電子線)を重畳させて干渉顕微鏡像(31と8:試料像31に干渉縞8の重畳された画像)を得ている。このときの干渉縞間隔sと干渉領域幅Wとの間には一定の関係があり、試料面上に逆投影した干渉縞間隔sobjと干渉領域幅Wobjとして以下の数式にて表わされる。
〔数1〕
Figure 0005156429

〔数2〕
Figure 0005156429
ここでα(rad)は電子線バイプリズムによる電子線の偏向角度である。その他の文字は主に光学系における物体、レンズ、像など各要素間の距離に関するもので図2中に示している。すなわち、aは試料面3(物面)と対物レンズ55との距離、bは対物レンズ55と試料の像面71との距離、Dは対物レンズ直下の光源の像面11から対物レンズ55による試料の像面71までの距離、Lは電子線バイプリズムの中央極細線電極9と試料の像面71までの距離である。また、Mはこの光学系の倍率 M = b/a であり、dfiは中央極細線電極9の直径である。
式(1)、(2)からわかるように干渉縞間隔sobjと干渉領域幅Wobjは、ともに電子線の偏向角度αの関数となっており、中央極細線電極への印加電圧 f のみで互いに独立した制御を行うことは出来ない。
なお、電子線を始めとする荷電粒子線が電磁レンズを通過する際には、荷電粒子線には光軸を中心とした方位角の回転が生じるが、図2ではこの回転を省略して電子光学系として光軸を含む等価な面を紙面に記載している。また、中央極細線電極9は紙面に垂直に配置されているものとし、電極の断面を小さな丸で示し、中央極細線電極9の両側の平行平板型接地電極は省略している。光学系の図におけるこの方位角の回転の省略や中央極細線電極などの表示の省略は、これから以降の図についても特に断らない限り同様である。さらに、本明細書における光学系を示す図では、特に断らない限り後述する対物レンズ系5の前方磁界が重要な要素となるため、前方磁界レンズ51と対物レンズ55と2つに分離して、もしくは、前方磁界レンズ51、中段の前方磁界レンズ53(図12〜14参照)、対物レンズ55と3つに分離して描いている。
<2段電子線バイプリズム干渉計>
1段電子線バイプリズム干渉計の、干渉縞間隔sと干渉領域幅Wを独立に制御できないという欠点を解決するべく開発されたものが多段電子線バイプリズム干渉計である。多段電子線バイプリズム干渉計の内、最も簡単な構成である2段バイプリズム干渉光学系を図3に示す。
この光学系では、上段の電子線バイプリズム91は対物レンズ下流側の試料の第1像面71に配され、下段の電子線バイプリズム95は第1像面71よりも電子線の進行方向の下流側に位置する第1中間レンズ61によって結像された光源の像面12と、第1中間レンズの下流側の試料の第2像面72との間で、かつ上段バイプリズムの中央極細線電極91の陰の部分(図3中では濃いハッチングで表わした)に配置されている。図3では該両中央極細線電極は、紙面に垂直に配置されている。この構成による干渉顕微鏡像(31と8)の2つのパラメータ、干渉縞間隔sと干渉領域幅Wは先述と同様に試料面上に逆投影して、干渉縞間隔sobjと干渉領域幅Wobjとして以下の数式で表わされる。
〔数3〕
Figure 0005156429

〔数4〕
Figure 0005156429
ここでαuは上段の電子線バイプリズム91による電子線の偏向角度であり、αLは下段の電子線バイプリズム95の偏向角度である。また、その他の式中の文字は主に光学系における物体、レンズ、像など各要素間の距離に関するもので図3中に示している。すなわち、aUは試料面3(物面)と対物レンズ55との距離、bUは対物レンズ55と試料の第1の像面71との距離、aLは試料の第1の像面71(第1中間レンズの物面)と第1中間レンズ61との距離、bLは第1中間レンズ61と試料の第2像面72との距離、aは対物レンズ直下の光源の像面11と第1中間レンズ61との距離、bは第1中間レンズ61と第1中間レンズ直下の光源の像面12との距離、DUは対物レンズ直下の光源の像面11から対物レンズによる試料の像面71までの距離、DLは第1中間レンズ直下の光源の像面12から第1中間レンズによる試料の像面72(試料の第2像面)までの距離、LLは下段電子線バイプリズムの中央極細線電極95と試料の第2像面72までの距離である。また、MU、MLはそれぞれこの結像光学系の倍率 MU = bU/aU、ML = bL/aL であり、dは上段電子線バイプリズムの中央極細線電極の直径である。
式(3)、(4)からわかるように干渉縞間隔sobjはαUの関数として表わされ、干渉領域幅Wobjは、、αLおよびαLの関数として表わされており、完全に独立ではないが干渉顕微鏡像を得る操作の順を、
(1)下段の電子線バイプリズム95への印加電圧を調整して所定の干渉領域幅に定める。
(2)上段の電子線バイプリズム91への印加電圧を調整して所定の干渉縞間隔を得る。
とすることによって実効上独立に制御できる。なお、下段電子線バイプリズムの中央極細線電極95を図3中の第1中間レンズによる光源の像面12に配置した場合、すなわちパラメータ DL−LL=0のときはsとWについては完全独立に制御可能である(特許文献
1、2、3参照)。
<3段電子線バイプリズム干渉計>
さらに2段電子線バイプリズムの光学系を発展させたものが3段電子線バイプリズム光学系で、その1例は図4に示す構成となっている。上段の電子線バイプリズム91は第1像面71、中段の電子線バイプリズム93は第2像面72、下段の電子線バイプリズム95は、第2中間レンズ62と第3像面73との間に配置される。中段の電子線バイプリズムの中央極細線電極93の方位角は上段の電子線バイプリズム91と直交している。それを図3中では上段の電子線バイプリズムの中央極細線電極91を紙面が表わす面内に配置されているとして横長の線で表わし、中段の電子線バイプリズムの中央極細線電極93を、紙面が表わす面内に垂直に配置されているとして電極の断面(図2、図3と同様)にて表現している。また、下段の電子線バイプリズムの中央極細線電極95の方位は上段、中段のそれぞれの極細線電極と、例えば45°の角度を成しているので、それを図4中では短い横線で表現している。3段電子線バイプリズムの光学系における位置やそれぞれの中央極細線電極の相対的な方位角は図4の限りではなく、様々な位置関係、角度関係を取ることが可能である。数式は記載しないが、この光学系では、干渉縞間隔sと干渉領域幅Wだけでなく、干渉縞の方位角θも独立に制御可能である。(特許文献4参照)
以上の様に、干渉顕微鏡像のパラメータ(干渉縞間隔sと干渉領域幅Wと方位角θ)の制御に関する問題は、多段電子線バイプリズム干渉計によって解決されている。
特開2005−197165号公報 特開2007−115409号公報 特開2006−216345号公報 特開2006−313069号公報
多段電子線バイプリズム干渉計は、結像光学系中に複数の電子線バイプリズムを配置する構成となっているが、その光学系におけるバイプリズムによる電子線偏向の効果は、各々のバイプリズムに対応したレンズと組を成し関連を持って操作されることによって達成されている。従って、図2と図3あるいは図4と比較すれば明らかなように、2段電子線バイプリズム干渉計では、試料直下の対物レンズ55とさらに下側の第1中間レンズ61を、3段電子線バイプリズム干渉計では、対物レンズ55、第1中間レンズ61、図4中最下段の第2中間レンズ62を経て、ようやく所定の干渉顕微鏡像として結像するに至っている。その干渉顕微鏡像を、さらに電子線の進行方向下流側の電磁レンズ(図2,3,4には描いていない)によって拡大/縮小し、最終的に干渉顕微鏡像として観察および記録している。図5に2段電子線バイプリズム干渉計を構成する場合の、従来の透過型電子顕微鏡の光学系の一例を示す。なお、図5では慣習に従い、対物レンズの前方磁界の効果は照射光学系4にまとめて描き、1段の対物レンズ系5で示している。
従来の透過型電子顕微鏡は、図5に示すごとく対物レンズ系5と4段の拡大レンズ系(61〜64の各レンズから構成される)の合計5段の結像レンズ系から構成されている。2段電子線バイプリズム干渉計を構築すると、対物レンズ系5と第1中間レンズ61は、試料3の結像位置31と電子線バイプリズム91の位置の調整等により使用条件が一意に定まる。さらに、結像レンズ最終段の投射レンズ64は、フィルムなど記録系79への最終像の投射に特化して用いることが多い。これらの結果、像倍率変更など干渉顕微鏡像(35と8)への操作自由度を確保可能な電磁レンズは、事実上第2中間レンズ62と第1投射レンズ63だけである。すなわち、干渉顕微鏡像(35と8)への操作自由度を確保した上で多段電子線バイプリズム干渉計を構築するには、従来の電子顕微鏡の結像光学系に電子線バイプリズムのみならず電磁レンズも追加構成する必要がある。例えば、電磁レンズを追加した場合には、電磁レンズを追加したことに伴い、装置全体の大きさが大きくなる。また、追加した電磁レンズを制御するための制御機構をも新たに追加する必要があり制御が複雑になる。
本発明の代表例を挙げると以下の通りである。
(1)電子線の光源と、光源から放出される電子線を試料に照射するための照射光学系と、電子線が照射する試料を保持するための試料保持装置と、試料の像を結像するための結像レンズ系と、を有する電子線装置であって、電子線の光軸上で照射光学系より電子線の進行方向の下流側で、かつ試料の配置される位置より電子線の進行方向上流側に第1の電子線バイプリズムが配置されるとともに、試料と結像レンズ系の1つもしくは複数のレンズを介して第1の電子線バイプリズムの電子線の進行方向下流側に第2の電子線バイプリズムが配置される電子線装置である。
(2)また、電子線の光源と、光源から放出される電子線を試料に照射するための照射光学系と、電子線が照射する試料を保持するための試料保持装置と、試料の像を結像するための結像レンズ系と、を有する電子線装置であって、電子線の光軸上で照射光学系より電子線の進行方向の下流側で、かつ結像レンズ系より電子線の進行方向上流側に試料が配置され、結像レンズ系に属する電子線の進行方向の第1番目の電磁レンズの磁場中に第1の電子線バイプリズムが配置されるとともに、前記第1の電子線バイプリズムの電子線の進行方向下流側に第2の電子線バイプリズムが配置される電子線装置である。
例えば、2段電子線バイプリズム干渉計を例に説明すると、本発明では、試料よりも電子線の進行方向の上流側に上段の電子線バイプリズムを配置し、対物レンズの前方磁界によって試料上へ該電子線バイプリズムの中央極細線電極の像を結像する。すなわち、結像光学系の物面と像面の等価性を利用し、試料面(対物レンズの物面)を従来の2段電子線バイプリズム干渉計の第1像面と光学上等価な面として、電子線バイプリズムと試料との配置を入れ替えた光学系を構成する。その上で、対物レンズ下流側の電子線バイプリズムを下段の電子線バイプリズムとして操作し、電磁レンズの追加構成を行うことなく2段電子線バイプリズム干渉光学系を構築する。これにより、干渉顕微鏡像の2つのパラメータ干渉縞間隔sと干渉領域幅Wの制御を行うことができる。
対物レンズの磁界は、その強度によっては磁場中で複数回の結像を行うことが可能であり(後述)、この複数回結像の効果を利用すれば、電磁レンズの追加構成を行うことなく3段電子線バイプリズム干渉光学系の構築も可能である。さらに、結像光学系の物面と像面の等価性を利用すれば、複数の電子線バイプリズムと試料との相対的位置関係は、例えば、3段電子線バイプリズム干渉計では(バイプリズム、バイプリズム、試料:実施例3)、(バイプリズム、試料、バイプリズム:実施例4)、(試料、バイプリズム、バイプリズム:実施例5)など、複数の配置が可能となる。
本発明によれば、電子線バイプリズムと該電子線バイプリズムと関連を持って操作される電磁レンズの1組もしくは複数組が照射光学系に配置されるため、多段電子線バイプリズム干渉計を構築する際に必要な試料よりも電子線の進行方向下流側の電子線バイプリズム、および該電子線バイプリズムと関連を持って操作される電磁レンズを1組分もしくは複数組分減じた構成にて、従来と同様の多段電子線バイプリズム干渉顕微鏡像を得ることができる。さらに、試料よりも上流側に配された電子線バイプリズムと関連を持って操作される電磁レンズとして対物レンズの前方磁界を用いることによって、照射光学系においても新たな電磁レンズの追加構成をすることなく、従来と同様の多段電子線バイプリズム干渉顕微鏡像を得ることができる。例えば2段電子線バイプリズム干渉計ならば、対物レンズの前方磁界に1回の結像作用を持たせることにより、新たな結像レンズの追加構成を全く必要とせず、試料の第1像面で2段電子線バイプリズム干渉計による干渉顕微鏡像を得ることができる。従って、従来の電子顕微鏡の電磁レンズと全く同数の電磁レンズ系によって、従来の2段電子線バイプリズム干渉計を提供できる。3段電子線バイプリズム干渉計の場合でも、対物レンズの前方磁界に2回の結像作用を持たせることにより同様に可能である。
また、本発明によれば、これまでの多段電子線バイプリズムの操作自由度を落とすことなく、従来の1段電子線バイプリズムと同数の電磁レンズ系によって、多段電子線バイプリズムの干渉顕微鏡像を得ることができる装置を提供することができる。
まず始めに、対物レンズの前方磁界を用いた結像作用について説明する。
<前方磁界の結像作用>
電磁場が電子線に対してレンズ効果を有することは、電子顕微鏡成立に要する基本原理であり、すでに多数の参考書があるので詳述は避け、本発明を説明するのに必要な対物レンズの前方磁界を用いた結像光学系に関して説明する。
光軸からの動径方向距離をr、試料位置を原点として光軸をzとおくと、電子線の近軸軌道方程式は以下の様に表わされる。
〔数5〕
Figure 0005156429
ここで、e、mはそれぞれ、電子の電荷と質量で、Vは電子に与えた加速電圧である。
対物レンズポールピースの作り出す磁場をベル型分布と仮定し、B0を分布の最大磁場強度、dBellは磁場分布の半値幅とすると、
〔数6〕
Figure 0005156429
となる。但し、z = 0で最大磁場強度となると仮定している。この磁場分布の様子を図6Aに示す。図6Aでは、横軸が光軸方向に一致し、単位はベル型分布の半値幅dBellにて規格化して表示している。これより、磁場中への入射位置r0を基準として電子線の近軸軌道の式を得る。
〔数7〕
Figure 0005156429
ここでは、z = ∞でφ = 0の境界条件を用いた。また、レンズ定数k2を数式(8)の様に定義すると、数式(7)中のωとレンズ定数k2との間には数式(9)の関係がある。
〔数8〕
Figure 0005156429
〔数9〕
Figure 0005156429

以上によって得られた電子軌道(式(7))について検討する。
磁場強度がゼロ(k2 = 0)のとき電子線は直進するが、k2が大きくなるに従って電子軌道は光軸と交わるようになり、k2 = 3のとき、電子軌道は磁場分布の対称位置(中心位置)で光軸と交わった後、光軸と平行に磁場領域を射出する。このような光軸と平行に磁場領域を射出する特殊な条件は、ω2 = 1, 2, 3 ・・・・で、すなわちk2 = 0、3、8、15・・・・で生じる。このうち、k2 = 0、1、2、3の軌道の様子を図6Bに、k2 = 0、3、8、15の軌道の様子を図6Cに示す。図6Aは計算に用いたベル型磁場分布である(先述)。図6Cでは、k2 = 3の時に1回、k2 = 8の時に2回、k2 = 15の時に3回、それぞれ光軸と交わった後に光軸と平行に射出していくことがわかる。すなわち磁場が大きくなると、レンズ定数k2が8の場合は2回、レンズ定数k2が15の場合は3回の結像作用が得られることがわかる。これは荷電粒子の磁場中での螺旋運動に基づく効果であり、これら条件を満たす強磁場が得られれば、物理的には1個の電磁レンズを複数個のレンズとして作用させられることを示している。
図7Aは、図6Cでのk2 = 3での軌道の様子を2枚の薄肉レンズ(51、55)に置き換えた場合の模式図である。ちょうどレンズを2枚用いた共焦点型の光学系に相当していることがわかる。また、図7Bは、図6Cでのk2 = 8での軌道の様子を4枚の薄肉レンズに置き換えた場合の模式図であり、図7Cは図6Cでのk2 = 8での軌道の様子を3枚の薄肉レンズ(51、53、55)に置き換えた場合の模式図である。電子軌道の形状(図6C)からは、k2 = 8に対応した軌道としては、図7Bを描く方が妥当と思われるが、複数回結像する磁場中のどの位置に試料を配置するかにより図7Cの模式図の方が妥当な場合もある。本発明では、対物レンズ磁界内での複数回の結像を説明する都合上 k2 = 8 での光学系に関しては、これ以後図7Cに基づく模式図を用いる。
<前方磁界結像光学系>
一般の透過型電子顕微鏡では、結像に際して発生する球面収差をできるだけ低減する必要性から、レンズ定数がk2 < 3の範囲で3に近い値となる強磁場を用い、試料を磁場中心位置に配置するように実装される。すなわち、試料は磁場に浸漬状態であり、試料よりも電子線の上流側に位置するレンズ作用(図7Aの左側のレンズ作用)を前方磁界レンズと呼び、試料よりも下流側のレンズ作用と区別している。この前方磁界レンズは試料よりも電子線の上流側に位置するため、照射光学系の一部として、走査透過型電子顕微鏡での微小スポット作成時や、収束電子線回折での大角度収束電子線を作り出すために利用されている。
試料3を前方磁界レンズ51よりもさらに電子線の上流側に配置し、従来の試料位置37に一度結像させた後、さらに下流側の対物レンズ55で結像する光学系を前方磁界結像光学系と呼ぶことにする。物理的には1個のレンズを、あたかも2個のレンズのごとく作用させ、各々のレンズを個別に結像に寄与させる光学系である。この光学系を図8に示す。この光学系では、前方磁界レンズ51が試料3を縮小結像し、しかる後に対物レンズ55が拡大結像する特徴がある。例えば、この2回の結像作用のうちの1つを多段電子線バイプリズム干渉光学系に利用し、電磁レンズの追加構成の不要化と干渉計の縮小化を実現するのが本発明の目的である。
以下に、図面を用いて実施例を詳細に説明する。
<実施例1 前方磁界レンズを用いた2段電子線バイプリズム干渉計(1)>
多段電子線バイプリズム干渉計では、電子線バイプリズムの中央極細線電極の像と試料の像を同一平面内に配置することが必要である。光学系においては像面と物面は等価な面(共平面)であるため、例えば、従来の2段電子線バイプリズム干渉計では、試料の像面に電子線バイプリズムの中央極細線電極が位置するように光学系が構成されていた。本実施例1では像面と物面を入れ替え、上段の電子線バイプリズムの中央極細線電極の像面に試料が位置するような構成をとる。そして、先述の前方磁界レンズが中央極細線電極の結像を行うことを特徴とする。言い換えると、上段の電子線バイプリズムより電子線の進行方向の下流側第1番目に位置する磁界レンズの磁場中で上段の電子線バイプリズムの像が1回もしくは複数回結像するとともに電子線の進行方向の下流側第2番目以降に位置する磁界レンズの物面にも結像されること。そして、このときの中央極細線電極の像面のうちのひとつが試料位置に一致していること。さらに、より後段のレンズ系に、これらの上段の電子線バイプリズムと試料との結像作用が引き継がれること、又は、それが実現可能な装置の構成を特徴とする。
試料像への球面収差の影響を小さくするために必要とされる強磁場分布は、レンズ定数がk2 < 3の範囲で3に近い値であることは先に述べた。すなわち、現在の透過型電子顕微鏡の対物レンズにおいて、試料よりも電子線の上流側に存在する磁場(すなわち前方磁界レンズ)を用いて、上段電子線バイプリズムの中央極細線電極を試料上に投影結像することは十分に可能であることがわかる。
図9に前方磁界レンズを用いた2段電子線バイプリズム干渉計の光学系の概要を示す。上段の電子線バイプリズム91が試料3の上流側に配置され、下段の電子線バイプリズム95は、試料下流側の対物レンズ55と試料の第1像面71との間で、かつ上段の中央極細線電極の陰に配置されている。なお、光軸上の位置は、図9に限定されるものではなく、試料3が配置される光軸上の位置が、上段のバイプリズムの像が結像する1つの像面もしくは複数の像面のいずれか1つと一致していれば良い。また、上段の電子線バイプリズムと下段の電子線バイプリズムとが電子光学系の光軸に直交する互いに平行な平面内に配置されている。またさらに、上段の電子線バイプリズムと下段の電子線バイプリズムとは
、それぞれ独立にその位置の移動、電極の回転を行うことができるとともに、両電子線バイプリズムに、それぞれ独立に電圧を印加できるようになっている。電子光学系における幾何学的位置関係を図9に示すごとくとすると、干渉顕微鏡像(31と8)のパラメータ、干渉縞間隔s、干渉領域幅Wの関係は、先述と同様に試料面上に逆投影して、干渉縞間隔sobjと干渉領域幅Wobjとして以下の数式で表わされる。
〔数10〕
Figure 0005156429
〔数11〕
Figure 0005156429
ここではα PU 上は前方磁界レンズ51の上流側に配された電子線バイプリズム91による電子線の偏向角度であり、α PL は対物レンズ下流側に配された電子線バイプリズム95の偏向角度である。前方磁界レンズ51の上流側に配された電子線バイプリズム91は、光学系における実効上は上段の電子線バイプリズムに対応し、対物レンズ下流側に配された電子線バイプリズム95は、光学系における実効上は下段の電子線バイプリズムに対応する。但し、対物レンズ下流側に配された電子線バイプリズム95は、従来の2段電子線バイプリズム干渉光学系(図3参照)との装置の物理的な対比においては、上段の電子線バイプリズムに対応した位置となっている。また、その他の式中の文字は主に光学系における物体、レンズ、像など各要素間の距離に関するもので図9中に示している。すなわち、aは前方磁界レンズ上流側の電子線バイプリズムの中央極細線電極91と前方磁界レンズ51との距離、bは前方磁界レンズ51と試料面3(前方磁界レンズ上流側の電子線バイプリズムの中央極細線電極の像92)との距離、aUは試料面3(物面)と対物レンズ55との距離、bUは対物レンズ55と像面71との距離、a0は前方磁界レンズ上流側の電子線バイプリズムの直上の光源の像10(クロスオーバー)と前方磁界レンズ51との距離、b0は前方磁界レンズ51と前方磁界レンズによる光源像25との距離、aは前方磁界レンズによる該光源像の像面25と対物レンズ55との距離、bは対物レンズ55と対物レンズによる該光源の像11との距離、Dは前方磁界レンズ上流側の電子線バイプリズムの中央極細線電極91とその直上の光源像10との距離、DUは対物レンズ直下の光源の像面11から対物レンズによる試料の像面71(試料の第1像面)までの距離、Lは対物レンズ下流側に配された電子線バイプリズム95と試料の第1像面71までの距離である。また、M、MUはそれぞれこの結像光学系の倍率M = b/a、MU = bU/aUであり、dは前方磁界レンズ上流側の電子線バイプリズムの中央極細線電極91の直径である。
先述の2段電子線バイプリズム干渉計と同様に、干渉縞間隔sと干渉領域幅Wは、共に下段の電子線バイプリズムによる偏向角度αPUに依存しているため、この両パラメータsとWを完全かつ独立に制御できるわけではないが、先述と同様に、オペーレーションの手順を、
(2)下段の電子線バイプリズム95への印加電圧を調整して所定の干渉領域幅に定める。
(2)上段の電子線バイプリズム91への印加電圧を調整して所定の干渉縞間隔を得る。
とすることにより実効的に独立した制御が可能となる。なお、下段電子線バイプリズム95を図3中の対物レンズによる光源の像面11(対物絞り位置の近傍)に配置した場合、すなわちパラメータ D−L=0のときはsとWについては完全独立に制御可能である。以上の関係は、従来の2段電子線バイプリズム干渉計と全く同様である。

以上
例えば、加速電圧300kVの透過型電子顕微鏡の場合、対物レンズへの印加電流15Aに対して発生する対物レンズの磁場強度は2.4T(テスラ)、このときの焦点距離は、前方磁界レンズ51、対物レンズ55ともにおよそ2mmであり、図9に示した電子光学における各要素間の幾何学的距離をa=54mm、b=2.7mm、aU=2.7mm、bU=168mmと構成したとき、前方磁界レンズの倍率M = 1/20(縮小)、対物レンズの倍率MU = 54(拡大)となることを実験的に確認している。
本光学系の構成では前方磁界レンズの結像作用を利用するために、光学系装置の全体サイズを小さくできる。図10Aに現在最も普及している1段電子線バイプリズム干渉計(図2と同様のもの)、図10Bに従来の2段電子線バイプリズム干渉計(図4と同様のもの)、そして図10Cに本発明による前方磁界レンズを利用した2段電子線バイプリズム干渉計の光学系(図9と同様のもの)を、装置の位置関係が同じになる様に配置して示す。図から明らかなように、本発明による光学系は、1段電子線バイプリズム干渉計と同じサイズ、同じ物理的レンズ数にて、2段電子線バイプリズム干渉計と同じ干渉光学系を構成できている。すなわち、2段電子線バイプリズム干渉計での欠点であった、電子線バイプリズムと組を成す電磁レンズの追加構成が不要となっている。
また、本実施例1の光学系(図9)は、従来の高分解能用高倍率光学系と試料位置より電子線の進行方向下流側の構成が全く同じである。このため、本構成は結晶格子像の高分解能観察には、何らの変更・支障を与えるものではなく、従来の透過型電子顕微鏡が持っている高分解能像観察性能をそのまま発揮できる。
<実施例2 前方磁界レンズを用いた2段電子線バイプリズム干渉計(2)>
図11に、実施例1で説明した前方磁界レンズを用いた2段電子線バイプリズム干渉計の変形例を示す。これは図9で示した干渉光学系の上段の電子線バイプリズム91と試料3の位置を入れ替えた構成である。光学系の構成としては図2に示した従来の2段電子線バイプリズム干渉計と全く同じであるが、試料3の結像に前方磁界レンズ55を用いているため、1段電子線バイプリズム干渉計と同じサイズ、同じ電磁レンズ数にて2段電子線バイプリズム干渉光学系が構成されている。従って実施例1と同様に、電子線バイプリズムと組を成す電磁レンズの追加構成が不要である。干渉顕微鏡像(31と8)のパラメータ、干渉縞間隔sobjと干渉領域幅Wobjは、従来の2段電子線バイプリズム干渉計と同様に表されるため、ここでは数式の記載を省略する。
電子光学系の構成に関する諸パラメータの関係に関しては、実施例1と全く同様に、加速電圧300kVの透過型電子顕微鏡の場合、対物レンズへの印加電流15Aに対して発生する対物レンズの磁場強度は2.4T(テスラ)、このときの焦点距離は、前方磁界レンズ51、対物レンズ55ともにおよそ2mmとできる。さらに、図9に示した電子光学における各要素間の幾何学的距離をa=54mm、b=2.7mm、aU=2.7mm、bU=168mmと構成したとき、前方磁界レンズの倍率M = 1/20(縮小)、対物レンズの倍率MU = 54(拡大)となることを確認している。本実施例2が実施例1と異なる点は、試料3が前方磁界レンズ51によって縮小結象(前方磁界レンズによる像37)された後、対物レンズ55によって対物レンズの像面71に拡大結像(対物レンズによる像31)されることである。すなわち、全く同じレンズ、光学系の条件でありながら、対物レンズの像面71への投影倍率(M×MU)は3倍程度となっている。これは、従来の高分解能・高倍率用の干渉光学系の条件において、相対的に試料の倍率のみがM(= 1/20)倍(縮小)となることを意味しており、最高倍率10万倍程度の中間倍率の干渉光学系が実現できることを示している。これは近年、ナノサイズにスケールダウンした半導体素子におけるpn接合部などの電場分布やスピントロニクス関連の磁性素子の磁化分布など、サブミクロンサイズでの干渉顕微鏡像観察に適切な手段を与えるものである。なお、試料3が前方磁界レンズ51により縮小結像されることから、象71へのレンズ収差の影響が増大する可能性があるが、高分解能観察と比較すると使用される倍率が小さいことからレンズ収差の影響は小さい。また、レンズ収差の影響を抑制したい場合には、近年開発された球面収差補正装置と併用可能な光学系であることから、球面収差補正装置を新たに追加することもできる。
また、本実施例2での光学系における試料位置は、対物レンズの磁路外に構成することが可能で、試料に対する無磁場状態の観察条件を提供できる。このため、磁性材料の磁化状態の観察や、磁場印加装置を付加することにより、磁性材料中の磁化状態の外部磁場に対する応答の観察などが可能となる。さらに、本試料位置は、試料周りに大きな空間が確保し易いため、試料の観察に様々な機能を付加することが可能となる。上記磁場印加機構の付加はその一例である。その他、X線分析装置、2次電子分析装置などの分析機構、加熱・冷却など試料温度を変更する観察機構、圧縮・引張など試料への物理的力を作用させる観察機構などを付加し、これらの機構を用いた試料材料の状態変化を干渉顕微鏡観察することが可能となる。
なお、試料3が配置される光軸上の位置が、上段のバイプリズムの像が結像する1つの像面もしくは複数の像面のいずれか1つと一致していれば良い点、上段の電子線バイプリズムと下段の電子線バイプリズムとが電子光学系の光軸に直交する互いに平行な平面内に配置されている点、上段の電子線バイプリズムと下段の電子線バイプリズムとは、それぞれ独立にその位置の移動、電極の回転を行うことができるとともに、両電子線バイプリズムに、それぞれ独立に電圧を印加できるようになっている点については、実施例1と同様である。以下、実施例3以降でも同様であるため記載を省略する。
<実施例3 前方磁界レンズを用いた3段電子線バイプリズム干渉計(1)>
図12に、前方磁界レンズを用いた3段電子線バイプリズム干渉計の光学系を示す。これは図7(C)で説明した対物レンズの磁場を従来よりもさらに強磁場とし、該磁場中での2回の結像作用を利用する干渉光学系である。試料3よりも電子線の上流側に上段、中段の2段の電子線バイプリズムを配置している。中段の電子線バイプリズムの中央極細線電極93は上段電子線バイプリズムの中央極細線電極91の像面に位置し、試料3は上流側に位置する該両電子線バイプリズムの中央極細線電極の像面に位置している。試料3の上流側2段の電子線バイプリズム中央極細線電極の相対方位角は、直交する場合を例示している。すなわち、上段の電子線バイプリズム中央極細線電極91が紙面が表す面内に、中段の電子線バイプリズム中央極細線電極93が紙面に垂直に配置されている。下段の電子線バイプリズム95は対物レンズ55と該対物レンズによる試料の像面71との間に位置し、下段電子線バイプリズムの中央極細線電極95の方位角は、上流側の両電子線バイプリズムのそれぞれの中央極細線電極に、例えば45°の角度を成すように配置される。これら中央極細線電極間の角度関係は、図4に示したものと同様である。本実施例3では、2段の電子線バイプリズムを試料の上流側に配置するとともに、該両電子線バイプリズムと組を成し関連を持って操作する電磁レンズ2個分の結像作用を対物レンズ系5の強磁場分布を利用して得ているため電磁レンズ2個の追加構成が不要であり、電子光学系装置のサイズは従来の3段電子線バイプリズム干渉光学系よりも電磁レンズ2個分小さくてよい。すなわち、図12と図10とを対比すれば明らかなように、従来の1段電子線バイプリズム干渉計と同じ光学系のサイズにて、3段電子線バイプリズム干渉光学系が構築されている。上段、および中段の電子線バイプリズムの中央極細線電極と試料との相対的な倍率は、それぞれの光学系における位置によって定まる。本実施例3の構成でも、従来の3段電子線バイプリズム干渉計と全く同様に、干渉顕微鏡像(31と8)のパラメータ、干渉縞間隔sと干渉領域幅W、干渉縞の方位角θは、独立に制御可能である。
また、本実施例3の光学系(図12)は実施例1と同じく、従来の高分解能用高倍率光学系と試料位置より電子線の進行方向下流側の構成が全く同じである。このため、本構成は結晶格子像の高分解能観察には、何らの変更・支障を与えるものではなく、むしろ、従来の透過型電子顕微鏡以上に対物レンズを強励磁条件(k2 = 8)としているため、対物レンズの球面収差を従来よりも小さくできる。すなわち、従来の高分解能像観察性能をそのまま、もしくはより高い性能で提供できる。
<実施例4 前方磁界レンズを用いた3段電子線バイプリズム干渉計(2)>
図13に、前方磁界レンズ(51および53)を用いた3段電子線バイプリズム干渉光学系の第1の変形例を示す。これは結像光学系の物面と像面の等価性を利用して、図12における中段の電子線バイプリズム93と試料3の位置関係を入れ替えたもので、2段電子線バイプリズム干渉計における電子線バイプリズムと試料との位置関係の入れ替え(実施例1と実施例2)と同様の考え方に基づくものである。上段、および中段の電子線バイプリズムの中央極細線電極と試料との相対的な倍率は、中段の電子線バイプリズム93と試料3の位置の入れ替えにより、実施例3とは異なるが、それぞれの光学系における位置によって定まることは同じである。また、電子光学系装置のサイズは、従来の3段電子線バイプリズム光学系より小さく構成でき、従来の1段電子線バイプリズム干渉計と同じ光学系のサイズにて、3段電子線バイプリズム干渉光学系が構築されていることも実施例3と同様である。本実施例4の構成でも、従来の3段電子線バイプリズム干渉計と全く同様に、干渉顕微鏡像(31と8)のパラメータ、干渉縞間隔sと干渉領域幅W、干渉縞の方位角θは、独立に制御可能である。
また、本実施例4の光学系(図13)においても試料3は磁場中に浸漬状態であり、実施例3と同様に従来の高分解能用高倍率光学系として用いることができる。なお、従来の透過型電子顕微鏡以上に対物レンズを強磁場条件(k2 = 8)としているため、対物レンズの球面収差が小さく、高分解能像観察に適した性能の装置を提供できる点も、実施例3と同様である。
<実施例5 前方磁界レンズを用いた3段電子線バイプリズム干渉計(3)>
図14に、前方磁界レンズ(51および53)を用いた3段電子線バイプリズム干渉光学系の第2の変形例を示す。これも実施例4(第1の変形例)と同様に、結像光学系の物面と像面の等価性を利用して、図11における上段および中段の電子線バイプリズム(91および93)と試料3の位置関係を入れ替えたものである。上段、および中段の電子線バイプリズムの中央極細線電極(91および93)と試料3との相対的な倍率は、実施例3、実施例4ともと異なるが、それぞれの光学系における位置によって定まることは同じである。また、電子光学系装置のサイズは、従来の3段電子線バイプリズム光学系より小さく構成でき、従来の1段電子線バイプリズム干渉計と同じ光学系のサイズにて、3段電子線バイプリズム干渉光学系が構築されていることも実施例3、実施例4と同様である。本実施例5の構成でも、従来の3段電子線バイプリズム干渉計と全く同様に、干渉顕微鏡像(31と8)のパラメータ、干渉縞間隔sと干渉領域幅W、干渉縞の方位角θは、独立に制御可能である。
本実施例5が実施例3および実施例4と異なる点は、試料3が前方磁界レンズ51によって縮小結象(前方磁界レンズによる像37)された後、中段の前方磁界レンズと対物レンズ55によって対物レンズの像面71に拡大結像されることである。光軸上の試料位置、およびレンズも条件などによっても異なるが、実施例3および実施例4よりも小さな投影倍率となる。すなわち、高分解能・高倍率用の干渉光学系の条件において、相対的に試料の倍率のみが縮小された中間倍率の干渉光学系が実現できることを示している。これは近年、ナノサイズにスケールダウンした半導体素子におけるpn接合部などの電場分布やスピントロニクス関連の磁性素子の磁化分布など、サブミクロンサイズでの干渉顕微鏡像観察に適切な手段を与えるものである。これは実施例2と同様の効果である。なお、試料3が前方磁界レンズ51により縮小結像されることから、象71へのレンズ収差の影響が増大する可能性があるが、高分解能観察と比較すると使用される倍率が小さいことからレンズ収差の影響は小さい。また、レンズ収差の影響を抑制したい場合には、近年開発された球面収差補正装置と併用可能な光学系であることから、球面収差補正装置を新たに追加することもできる。
また、本実施例5での光学系における試料位置は、対物レンズの磁路外に構成することが可能で、試料に対する無磁場状態の観察条件を提供できる。このため、磁性材料の磁化状態の観察や、磁場印加装置を付加することにより、磁性材料中の磁化状態の外部磁場に対する応答の観察などが可能となる。さらに、本試料位置は、試料周りに大きな空間が確保し易いため、試料の観察に様々な機能を付加することが可能となる。上記磁場印加機構の付加はその一例である。その他、X線分析装置、2次電子分析装置などの分析機構、加熱・冷却など試料温度を変更する観察機構、圧縮・引張など試料への物理的力を作用させる観察機構などを付加し、これらの機構を用いた試料材料の状態変化を干渉顕微鏡観察することが可能となる。
<実施例6 試料上流側に別レンズを追加構成した2段電子線バイプリズム干渉計>
図15に試料よりも電子線の進行方向上流側に、上段の電子線バイプリズム91と該電子線バイプリズムと関連を持って操作される電磁レンズ41を備えた2段電子線バイプリズム干渉光学系を示す。追加構成された電磁レンズ41と先述までの前方磁界レンズ51の双方を含めた光学系にて、上段の電子線バイプリズムの中央極細線電極91を試料面上3に結像する(像92)。実施例1の前方磁界レンズ51を用いた2段電子線バイプリズム干渉光学系では、試料上に縮小結像される上段電子線バイプリズムの中央極細線電極91の倍率は主に上段電子線バイプリズムの位置に依存して定まり、上段電子線バイプリズムが電子線の進行方向の上流側に位置するほど小さく投影される。本実施例では、電磁レンズが1段追加構成されるため、上段電子線バイプリズムの中央極細線電極91の試料面上3の投影倍率に関して、自由度が確保できる光学系である。しかし、物理的に電磁レンズ41が追加構成されるため、電子光学系装置としてのサイズは、実施例1よりも大きくなる。すなわち、結像光学系側の電磁レンズが照射光学系へ移動する構成である。
また、本実施例6の光学系(図15)においては、従来の高分解能用高倍率光学系と試料位置より電子線の進行方向下流側の構成が全く同じである。このため、本構成は結晶格子像の高分解能観察には、何らの変更・支障を与えるものではなく、従来の透過型電子顕微鏡が持っている高分解能像観察性能をそのまま発揮できる。さらに、実施例1と比較して、試料の上流側に上段の電子線バイプリズム91と関連をもって、なおかつ対物レンズ系5とは独立に操作可能な追加構成された照射レンズ41を持っている。当該照射レンズ41により上段電子線バイプリズムの中央極細線電極91の像を試料面上に結像させるため、上段電子線バイプリズムの中央極細線電極91を設置する光軸上の位置への制約が少なく電子顕微鏡操作時にオペレータによる調整可能な範囲が広い利点を持つ。
なお、対物レンズよりも上流側に、電子線バイプリズム、および前方磁界レンズと関連を持って操作する電磁レンズを追加構成する干渉光学系は、3段電子線バイプリズム干渉計においても実施例6と同様に構築可能である。
電界型電子線バイプリズムと電子線の干渉の様子を示す模式図である。 1段電子線バイプリズム干渉計の光学系を示す模式図である。 2段電子線バイプリズム干渉計の光学系を示す模式図である。 3段電子線バイプリズム干渉計の光学系を示す模式図である。 汎用型電子顕微鏡に2段電子線バイプリズム干渉計を組み込んだ場合の光学系を示す模式図である。 (A)ベル型磁場分布、(B)レンズ定数 k2 = 0,1,2,3の場合の電子軌道、(C)レンズ定数 k2 = 0,3,8,15の場合の電子軌道。 ベル型磁場分布による電子軌道を、共焦点型薄レンズ光学系に置換した光学系の模式図である。(A)レンズ定数 k2 = 3の場合、(B)レンズ定数 k2 = 8の場合(3枚レンズ)、(C)レンズ定数 k2 = 8の場合(4枚レンズ)。 前方磁界レンズを利用した結像光学系を示す模式図である。 前方磁界レンズを利用した2段電子線バイプリズム干渉計の光学系を示す模式図である。 電子線バイプリズム干渉計の光学系の比較を示す図である。(A)1段電子線バイプリズム干渉計、(B)2段電子線バイプリズム干渉計、(C)前方磁界レンズを利用した2段電子線バイプリズム干渉計。 前方磁界レンズを利用した2段電子線バイプリズム干渉計の変形例の光学系を示す模式図である。 前方磁界レンズを利用した3段電子線バイプリズム干渉計の光学系を示す模式図である。 前方磁界レンズを利用した3段電子線バイプリズム干渉計の第1の変形例の光学系を示す模式図である。 前方磁界レンズを利用した3段電子線バイプリズム干渉計の第2の変形例の光学系を示す模式図である。 試料上流側に別レンズを追加構成したときの2段電子線バイプリズム干渉計の光学系を示す模式図である。
符号の説明
1…電子源、10…照射光学系による電子源の像(クロスオーバー)、11…対物レンズにより結像されたクロスオーバーの像、12…第1中間レンズにより結像されたクロスオーバーの像、13…第2中間レンズにより結像されたクロスオーバーの像、14…第1投射レンズにより結像されたクロスオーバーの像、15…第2投射レンズにより結像されたクロスオーバーの像、2…光軸、21…物体波、22…電子線の波面、23…参照波、24…電子線の軌道、25…前方磁界レンズにより結像されたクロスオーバーの像、27…中段の前方磁界レンズにより結像されたクロスオーバーの像、29…試料より電子線の進行方向の上流側に追加設置された照射レンズにより結像されたクロスオーバーの像、3…試料、31…対物レンズにより結像された試料の像、32…第1中間レンズにより結像された試料の像、33…第2中間レンズにより結像された試料の像、34…第1投射レンズにより結像された試料の像、35…第2投射レンズにより結像された試料の像、37…前方磁界レンズにより結像された試料の像、38…中段の前方磁界レンズにより結像された試料の像、35…前方磁界レンズによる試料の像、4…照射光学系、41…試料より電子線の進行方向の上流側に追加設置された照射レンズ、5…対物レンズ系、51…前方磁界レンズ、53…中段の前方磁界レンズ、55…対物レンズ、61…第1中間レンズ、62…第2中間レンズ、63…第1投射レンズ、64…第2投射レンズ、71…対物レンズによる試料の像面(第1像面)、72…第1中間レンズによる試料の像面(第2像面)、73…第2中間レンズによる試料の像面(第3像面)、74…第1投射レンズによる試料の像面(第4像面)、75…第2投射レンズによる試料の像面(第5像面)、74…第1投射レンズによる試料の像面(第4像面)、79…画像観察・記録媒体、8…干渉縞もしくは干渉顕微鏡像、9…電子線バイプリズム中央極細線電極、91…上段電子線バイプリズム中央極細線電極、92…前方磁界レンズによる上段電子線バイプリズム中央極細線電極の像、93…中段電子線バイプリズム中央極細線電極、95…下段電子線バイプリズム中央極細線電極、99…平行平板接地電極。

Claims (9)

  1. 電子線の光源と、
    前記光源から放出される電子線を試料に照射するための照射光学系と、
    前記電子線が照射する試料を保持するための試料保持装置と、
    前記試料の像を結像するための結像レンズ系と、を有する電子線装置であって、
    電子線の光軸上で前記照射光学系より電子線の進行方向の下流側で、かつ前記試料の配置される位置より電子線の進行方向上流側に第1の電子線バイプリズムが配置されるとともに、前記試料と前記結像レンズ系の1つもしくは複数のレンズを介して前記第1の電子線バイプリズムの電子線の進行方向下流側に第2の電子線バイプリズムが配置され
    前記第1の電子線バイプリズムより電子線の進行方向の下流側第1番目に位置する電磁レンズにおいて、前記電磁レンズの磁場中で前記第1の電子線バイプリズムの像が1回もしくは複数回結像するとともに電子線の進行方向の下流側第2番目以降に位置する電磁レンズの物面にも結像され、さらに、より後段のレンズ系に結像作用が引き継がれる電子光学系を有す
    ことを特徴とする電子線装置。
  2. 前記試料が配置される光軸上の位置が、前記第1の電子線バイプリズムの像が結像する1つの像面もしくは複数の像面のいずれか1つと一致している
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子線装置。
  3. 前記第1の電子線バイプリズムと前記第2の電子線バイプリズムとが前記電子光学系の光軸に直交する互いに平行な平面内に配置される
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子線装置。
  4. 前記第1の電子線バイプリズムと前記第2の電子線バイプリズムとが、それぞれ独立にその位置の移動、電極の回転を行うことができるとともに、該両電子線バイプリズムに、それぞれ独立に電圧を印加できる
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子線装置。
  5. 電子線の光源と、
    前記光源から放出される電子線を試料に照射するための照射光学系と、
    前記電子線が照射する試料を保持するための試料保持装置と、
    前記試料の像を結像するための結像レンズ系と、を有する電子線装置であって、
    電子線の光軸上で前記照射光学系より電子線の進行方向の下流側で、かつ前記結像レンズ系より電子線の進行方向上流側に試料が配置され、前記結像レンズ系に属する電子線の進行方向の第1番目の電磁レンズの磁場中に第1の電子線バイプリズムが配置されるとともに、前記第1の電子線バイプリズムの電子線の進行方向下流側に第2の電子線バイプリズムが配置される
    ことを特徴とする電子線装置。
  6. 前記試料より電子線の進行方向の下流側第1番目に位置する前記電磁レンズにおいて、該電磁レンズの磁場中で前記試料の像が1回もしくは複数回結像するとともに、電子線の進行方向の下流側第2番目以降に位置する電磁レンズの物面にも結像され、さらに、より後段のレンズ系に結像作用が引き継がれる電子光学系を有する
    ことを特徴とする請求項5に記載の電子線装置。
  7. 前記第1の電子線バイプリズムが配置される光軸上の位置が、前記試料が結像する1つの像面もしくは複数の像面のいずれか1つと一致している
    ことを特徴とする請求項6に記載の電子線装置。
  8. 前記第1の電子線バイプリズムと前記第2の電子線バイプリズムとが前記電子光学系の光軸に直交する互いに平行な平面内に配置される
    ことを特徴とする請求項5に記載の電子線装置。
  9. 前記第1の電子線バイプリズムと前記第2の電子線バイプリズムとが、それぞれ独立にその位置の移動、電極の回転を行うことができるとともに、該両電子線バイプリズムに、それぞれ独立に電圧を印加できる
    ことを特徴とする請求項5に記載の電子線装置。
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