JP2019167763A - Clt耐力壁の脚部と基礎との接合構造 - Google Patents

Clt耐力壁の脚部と基礎との接合構造 Download PDF

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真里奈 戸塚
Marina Tozuka
真里奈 戸塚
岡田 忠義
Tadayoshi Okada
忠義 岡田
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Abstract

【課題】接合金物の使用個数、種類を減らしてCLT耐力壁の脚部と基礎とを接合することができる、CLT耐力壁の脚部と基礎との接合構造を提供する。【解決手段】CLT耐力壁1の脚部は、その幅方向両端部にスリット1aが設けられている。接合部材3は、前記CLT耐力壁1の脚部の幅方向両端部の側面1bに当接する側面プレート31と、前記幅方向両端部の底面1cに当接する底面プレート32と、前記スリット1aに挿入される差込みプレート33と、前記基礎2と接合されるアンカー接合部34とが一体化されてなる。前記スリット1aに挿入された前記差込みプレート33が前記CLT耐力壁1の脚部にドリフトピン4で固定され、前記アンカー接合部34が前記基礎2から立ち上がるアンカーボルト5と接合されることで、前記CLT耐力壁1の脚部が、その幅方向両端部から挟む形で前記基礎2上に設けられた接合部材3を介して前記基礎2に接合されている。【選択図】図2

Description

この発明は、CLT耐力壁の脚部と基礎との接合構造の技術分野に属し、さらにいえば、本出願人が今般新たに開発した接合部材を用いて行うCLT耐力壁の脚部と基礎との接合構造に関する。
本明細書において、前記「CLT耐力壁」とは、CLT壁ともいい、壁材として用いるCLTを意味する。前記CLTは、直交集成板の英語表記(Cross Laminated Timber)の略称で、ひき板(ラミナ)等を並べた後、繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料を指す。前記CLTを壁材や床材に使用して壁式構法としたものをCLT工法(又はCLTパネル工法)という。
前記CLT工法は、木材特有の断熱性と壁式構造の特性を活かして戸建て住宅のほか、中層建築物の共同住宅などに用いられる等、近年、その需要が大きく伸びている工法である。
例えば、特許文献1には、同文献1の図8(a)に、ひき板や小角材を幅方向に多数並べて大きな板材を作製し、その板材の板面に接着剤を塗布して、その上にひき板等を直交させて積層して作製されるCLTの基本的な説明図が開示されている。また、図8(b)には、前記CLT工法により構築した建物が例示されている。
前記CLT工法により構築した建物の構成部材であるCLT耐力壁は、その脚部と基礎との接合部に着目すると、地震力等の水平力が作用する場合、CLT耐力壁自体の耐力・剛性が接合部と比較して大きいため、本願の図9Aに示したように、CLT耐力壁1は剛体的に回転し(剛体と同様の挙動を示し)、水平力Pによる水平せん断力のほとんどは接合部に集中する。よって、図10Aに示したように、前記CLT耐力壁1の脚部と基礎2との接合部に、せん断金物a(詳しくは図11A、B参照)を配設することにより対処していた。
これに対し、例えば、特許文献2に示したような在来軸組構法等の従来工法による耐力壁は、地震力等の水平力が作用する場合、図9Bに示したように、水平力Pによる水平せん断力は耐力壁21等の母材が変形することで負担(吸収)していたため、前記せん断金物aは無用であった。
前記CLT耐力壁1に設ける前記せん断金物aは、一般に、図10Aに示したように、CLT耐力壁1の幅方向中央部に設けられる。
前記CLT耐力壁1は、その脚部と基礎2との接合部に着目すると、図10Aに示したように、通常、1枚のCLT耐力壁1に、せん断金物aを1か所と引張金物b(詳しくは図11C、D参照)を2か所取り付ける必要があった。前記せん断金物aは、建物の階高が高くなるほど最下層(壁−基礎接合部)に加わるせん断力が大きくなるため、必然的に高耐力化する必要がある。
ちなみに、図10と図11は、非特許文献1から抜粋された図である。
特開2017−119436号公報 特開平9−60107号公報 (公財)日本住宅・木材技術センター発行 「X(クロス)マーク表示金物」第2頁、第3頁、及び第5頁
前記CLT耐力壁は1つの建物に多数用いるので、そうすると必然的に、使用する前記せん断金物および前記引張金物(以下、まとめて接合金物という。)の個数、および前記接合金物をCLT耐力壁へ固定するためのタッピンねじ、ビス等の留め付け部材の個数が大量になり、これに伴い取り付け作業も煩雑化する問題があった。
このような部材点数の増加や取り付け作業の煩雑さに関する問題は、建物の規模や階高が増えれば増えるほど益々顕在化し、解決すべき課題となっている。すなわち、仮に、前記1枚のCLT耐力壁に用いる接合金物の個数や種類を減らすことができれば、部材点数および作業量も減って作業効率が向上する等、非常に有益であることは明らかである。
本発明は、上述した背景技術の課題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、前記接合金物の使用個数、種類を減らして前記CLT耐力壁の脚部と基礎とを接合することができる、CLT耐力壁の脚部と基礎との接合構造を提供することにある。
さらにいえば、従来のCLT耐力壁の脚部と基礎との接合手段に用いていた前記せん断金物および前記引張金物の双方の性能を合わせ持つ所謂ハイブリッド型の接合部材を今般新たに開発したことにより、前記接合金物の使用個数、種類を減らして前記CLT耐力壁の脚部と基礎とを接合することができる、経済性、施工性に非常に優れたCLT耐力壁の脚部と基礎との接合構造を提供することにある。
上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係るCLT耐力壁の脚部と基礎との接合構造は、CLT耐力壁の脚部と基礎との接合構造であって、
前記CLT耐力壁の脚部は、その幅方向両端部から挟む形で前記基礎上に設けられる接合部材を介して前記基礎に接合される構成であり、
前記CLT耐力壁の脚部は、その幅方向両端部にそれぞれ、前記幅方向と平行な方向にスリットが設けられ、
前記接合部材は、前記CLT耐力壁の脚部の幅方向両端部の側面に当接する側面プレートと、前記側面プレートの下端部と連設され前記幅方向両端部の底面に当接する底面プレートと、前記側面プレート及び前記底面プレートのいずれにも直角となる方向に設けられ前記スリットに挿入される差込みプレートと、前記底面プレートの下面に設けられ前記基礎と接合されるアンカー接合部とが一体化されてなり、
前記スリットに挿入された前記差込みプレートが前記CLT耐力壁の脚部にドリフトピン及び/又はボルトで固定され、前記アンカー接合部が前記基礎から立ち上がるアンカーボルト等の定着具と接合されることで、前記CLT耐力壁の脚部が、その幅方向両端部から挟む形で前記基礎上に設けられた接合部材を介して前記基礎に接合されてなることを特徴とする。
請求項2に記載した発明に係るCLT耐力壁の脚部と基礎との接合構造は、CLT耐力壁の脚部と基礎との接合構造であって、
前記CLT耐力壁の脚部は、その幅方向両端部から挟む形で前記基礎に埋設される接合部材を介して前記基礎に接合される構成であり、
前記CLT耐力壁の脚部は、その幅方向両端部にそれぞれ、前記幅方向と平行な方向にスリットが設けられ、
前記接合部材は、前記CLT耐力壁の脚部の幅方向両端部の側面に当接する側面プレートと、前記側面プレートの下端部と連設される底面プレートと、前記側面プレート及び前記底面プレートのいずれにも直角となる方向に設けられ前記スリットに挿入される差込みプレートとが一体化されてなり、
前記スリットに挿入された前記差込みプレートが前記CLT耐力壁の脚部にドリフトピン及び/又はボルトで固定されることで、前記CLT耐力壁の脚部が、その幅方向両端部から挟む形で前記基礎に埋設された接合部材を介して前記基礎に接合されてなることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載したCLT耐力壁の脚部と基礎との接合構造において、前記側面プレートと前記底面プレートとは、断面略L字形に形成されていることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載したCLT耐力壁の脚部と基礎との接合構造において、前記差込みプレートは、複数枚で構成されていることを特徴とする。
本発明に係るCLT耐力壁の脚部と基礎との接合構造によれば、以下の効果を奏する。
(1)従来のCLT工法におけるCLT耐力壁の脚部と基礎とを前記せん断金物および前記引張金物で接合していた場合と比し、前記接合金物の使用個数、種類を減らして前記CLT耐力壁の脚部と基礎とを接合することができる。さらにいえば、前記せん断金物および前記引張金物の双方の性能を合わせ持つ所謂ハイブリッド型の接合部材を今般新たに開発したことにより、十分な接合強度を保持しつつ前記接合金物の使用個数、種類を減らして前記CLT耐力壁の脚部と基礎とを接合することができる。
具体的に、従来例として図10に示したCLT耐力壁の脚部と基礎との接合構造によれば、1枚のCLT耐力壁に対し、せん断金物1個と引張金物2個の計2種の金物を計3個必要とするところ、本発明に係るCLT耐力壁の脚部と基礎との接合構造によれば、図2等に示したように単一種の接合部材を一対(2個)用意すれば足りる。しかも、前記一対の接合部材の側面プレート及び底面プレートを前記CLT耐力壁の脚部の左右のコーナー部に単に機械的に当接させるだけで、その後はスムーズにドリフトピンの固定作業に着手できる。
よって、経済性、施工性、合理性に非常に優れていることに加え、低層建物はもとより中高層建物にも適用できるような高耐力化した接合構造を実現できる。
(2)前記した従来のせん断金物および引張金物は、図10に示したように、立ち上がり部がどうしてもCLT耐力壁の表面および裏面から露出してしまい、看者に対し武骨で煩雑な印象を与えるのに対し、本発明に係る前記接合部材によれば、CLT耐力壁の表面および裏面から露出しない構成で実施できるので、看者に対し洗練され、シンプルで非常にすっきりとした印象を与えるので美観性にも優れている。また、表面に不陸を生じないので、ボード材、化粧板等をスムーズに張設できる等、作業性、品質性に優れた仕上げ作業を行うこともできる。
Aは、実施例1にかかるCLT耐力壁の脚部と基礎との接合構造を概略的に示した立面図であり、Bは、AのB−B線矢視図である。なお、CLT耐力壁特有のひき板の向きや積層状態を表すための縦線や横線の表記は、図示の便宜上すべての図面において省略した。 実施例1に係るCLT耐力壁の脚部と基礎との接合構造の要部を示した斜視図である。 実施例1に係るCLT耐力壁の脚部と基礎との接合方法を示した説明図である。 Aは、実施例1に用いる接合部材を示した斜視図であり、Bは、同正面図であり、Cは、同平面図であり、Dは、同底面図であり、Eは、同右側面図である。 実施例1に係るCLT耐力壁の脚部と基礎との接合構造のバリエーションを示した斜視図である。 Aは、実施例2に係るCLT耐力壁の脚部と基礎との接合構造を概略的に示した立面図であり、Bは、AのB−B線矢視図である。 実施例2に係るCLT耐力壁の脚部と基礎との接合構造の要部を示した斜視図である。 Aは、実施例2に用いる接合部材を示した斜視図であり、Bは、同正面図であり、Cは、同平面図であり、Dは、同底面図であり、Eは、同右側面図である。 Aは、CLT工法により構築した建物に水平力が作用した場合の変形状態を示した説明図であり、Bは、在来軸組構法により構築した建物に水平力が作用した場合の変形状態を示した説明図である。 Aは、CLT工法により構築した建物の内壁の接合金物の取り合いを示した正面図であり、Bは、同側面図である。 A、Bはそれぞれ、せん断金物を示した斜視図であり、C、Dはそれぞれ、引張金物を示した斜視図である。
次に、本発明に係るCLT耐力壁の脚部と基礎との接合構造の実施例を図面に基づいて説明する。
図1と図2は、実施例1に係るCLT耐力壁1の脚部と基礎2との接合構造を示している。
前記CLT耐力壁1の脚部は、図2が分かりやすいように、その幅方向両端部から挟む形で前記基礎2上に設けられる(一対の)接合部材3、3を介して前記基礎2に接合される構成である。
前記CLT耐力壁1の脚部は、その幅方向両端部にそれぞれ、前記幅方向と平行な方向にスリット1aが設けられている(図3も参照)。
前記接合部材3は、図4にも示したように、前記CLT耐力壁1の脚部の幅方向両端部の側面1bに当接する側面プレート31と、前記側面プレート31の下端部と連設され前記幅方向両端部の底面1cに当接する底面プレート32と、前記側面プレート31及び前記底面プレート32のいずれにも直角となる方向に設けられ前記スリット1aに挿入される差込みプレート33と、前記底面プレート32の下面に設けられ前記基礎2と接合されるアンカー接合部34とが一体化されてなる。
前記スリット1aに挿入された前記差込みプレート33が前記CLT耐力壁1の脚部にドリフトピン4(及び/又はボルト)で固定され、前記アンカー接合部34が前記基礎2から立ち上がるアンカーボルト5(等の定着具)と接合されることで、前記CLT耐力壁1の脚部が、その幅方向両端部から挟む形で前記基礎2上に設けられた接合部材3を介して前記基礎2に接合されている。
要するに、本実施例1に係るCLT耐力壁1の脚部と基礎2との接合構造は、本出願人が今般新たに開発した前記接合部材3を用いて接合することを主たる特徴とする。よって先ずは前記接合部材3の構成について説明する。
前記接合部材3は金属製であり、前記したとおり、側面プレート31と、底面プレート32と、差込みプレート33と、およびアンカー接合部34とを溶接等の接合手段で一体化して構成されている。
前記差込みプレート33は、平鋼が好適に用いられ、主としてCLT耐力壁1に作用する引張力を負担する役割を果たす。
本実施例では、前記引張力により決定されたドリフトピン4の使用形態(使用本数と径。本実施例では12本、φ20mm)を勘案した結果、ピン通し孔33aを所定ピッチで12個穿設した高さ(H)480mm、長さ(L)150mm、板厚12mmの差込みプレート33を2枚用い、互いに104mmの間隔をあけて平行に配置する構成で実施されている。
なお、前記したドリフトピン4の使用本数や径、差込みプレート33の使用枚数、その他寸法は一例に過ぎず、CLT工法により構築される建物の構造設計上想定される引張力の大きさ等に応じて適宜設計変更される。
前記側面プレート31は、平鋼が好適に用いられ、主としてCLT耐力壁1に作用するせん断力(水平力)を負担する役割を果たす。
本実施例では、前記せん断力に十分に耐えうる強度・剛性に加え、前記差込みプレート33の寸法(サイズバランス)を勘案した結果、高さ(H)480mm、幅寸(W)150mm、板厚12mmの寸法で実施されている。
なお、前記寸法は一例に過ぎず、CLT工法により構築される建物の構造設計上想定されるせん断力(水平力)の大きさ等に応じて適宜設計変更されるが、幅寸(W)は前記CLT耐力壁1の脚部の壁厚(本実施例では210mm)を超えないことが好ましい。
前記底面プレート32は、平鋼が好適に用いられ、主としてCLT耐力壁1を支持する役割を果たす。
本実施例では、前記CLT耐力壁1を十分に支持可能な強度・剛性に加え、前記差込みプレート33、側面プレート31の寸法を勘案した結果、長さ(K)160mm、幅寸(W)150mm、板厚10mmの寸法で実施されている。
なお、前記寸法は一例に過ぎず、CLT耐力壁1を支持できればどのような寸法でもよい。
前記アンカー接合部34は、一例として2つの平鋼を倒立T字状に組み合わせた形状で実施され、主として基礎2から立ち上がるアンカーボルト5を貫通させてナット6を締結する等、本発明に係る接合部材3自体を基礎2に定着させるための作業スペースを確保する役割を果たす。
本実施例では、前記底面プレート32と一体化させた状態で前記CLT耐力壁1に作用する引張力及びせん断力に十分に耐え得る強度・剛性を勘案した結果、高さ(h)100mm、幅寸(W)150mm、板厚12mmの倒立T字形状で実施されている。
なお、前記寸法が一例に過ぎないことは前記差込みプレート33と同様であるが、幅寸(W)は、基礎2の幅(本実施例では300mm)を超えなければよい。
ちなみに図中の符号34aは、基礎2から立ち上がるアンカーボルト5を通すためのボルト通し孔である。このボルト通し孔34aは、位置決め作業を容易ならしめるべく長孔(ルーズ孔)に形成する等の工夫は適宜行われるところである。
かくして、前記側面プレート31と、前記底面プレート32と、前記差込みプレート33と、および前記アンカー接合部34とを溶接等の手段で一体化してなる前記接合部材3は、構造設計上の必要な強度・剛性を備えていることはもとより、縦150mm、横160mm、高さ590mmの直方体の箱に収まるようなコンパクトで合理的かつ機能的な構造を呈する。
なお、本実施例では、前記側面プレート31と前記底面プレート32とは断面略L字状に形成して実施しているが(図4B等参照)、これは前記CLT耐力壁1の脚部のコーナー部の形状に合致させたものであり、前記コーナー部の形状が変われば必然的に変わる。
例えば、前記コーナー部の側面形状が外側に膨らむような湾曲状、屈曲状、又はテーパー状に形成されたり、内側へ抉るように湾曲状、屈曲状、又はテーパー状に形成されたりしている場合、特に前記側面プレート31は、これらの斬新な種々の形状にぴったり当接する形状で実施される。
次に、前記CLT耐力壁1は、本実施例では、壁厚が210mmの縦長の市販品を用い、その脚部の幅方向両端部に、幅方向と平行な方向であって、CLT耐力壁1の側面及び底面に連通するように開口するスリット1aが左右に2箇所ずつ形成されている。
前記スリット1aは、前記2枚の差込みプレート33と対応する部位に、前記差込みプレート33がすっぽり入るような形状(例えば差込みプレート33よりも一回り大きい相似形状)に形成されている。
また、前記CLT耐力壁1は、その脚部の幅方向両端部の側面1bに、前記側面プレート31が当接したとき面一となるように、前記側面プレート31の形状そのものの切欠部1dが形成されている。
さらに、前記CLT耐力壁1は、前記スリット1a、1aに前記差込みプレート33、33が挿入されて、その脚部の幅方向両端部のコーナー部に前記側面プレート31及び前記底面プレート32がぴったり当接したとき、前記差込みプレート33、33に形成したピン通し孔33aと略同形同大で芯が一致する貫通孔1eが前記差込みプレート33、33と直交する方向に形成されている。
なお、前記CLT耐力壁1は矩形状で実施しているが、例えば図5に示したような、脚部の左右両端部に切欠き部を形成したCLT耐力壁1’でも同様に実施できる。
次に、上記構成の接合部材3を用いたCLT耐力壁1の脚部と基礎2との接合工法について説明する。なお、以下に説明する作業手順はあくまでも一例に過ぎないことを念のため特記しておく。
これから説明する工法は、予め前記CLT耐力壁1に前記接合部材3、3を装着して一体化させておき、その後に前記基礎2上に載置して接合する工法である。
先ず、準備段階として、前記CLT耐力壁1と一対の前記接合部材3、3とを合体させておく。その一方、前記基礎2は、コンクリートを打設する等して天端からアンカーボルト5を突き出させた状態で養生を済ませておく。
前記合体の手順は具体的に、前記CLT耐力壁1の脚部の幅方向一端部に形成した平行なスリット1a、1a内に、前記接合部材3の差込みプレート33、33を挿入しつつ、本実施例では略L字状に形成した前記側面プレート31及び前記底面プレート32を前記脚部のコーナー部にぴったり当接するように当てがう。そうすると、前記差込みプレート33、33に形成(穿設)した12個のピン通し孔33aと前記CLT耐力壁1に形成した12個の貫通孔1eとの芯がすべて一致する構造設計となっているので、前記芯が一致したピン通し孔33aと貫通孔1eに前記ドリフトピン4を12本貫通させる作業を行う。
この作業と同様の作業を前記CLT耐力壁1の脚部の幅方向他端部側にも行い、もって、前記CLT耐力壁1の脚部は、その幅方向両端部から挟む形の一対の接合部材3、3と一体化される。これらの一連の作業は、現場に搬入する前に行っておくこともできる。
前記準備が整った段階で、前記接合部材3、3を左右に装着した前記CLT耐力壁1を前記基礎2上に載置する(建て込む)。その際、前記基礎2上に立ち上がるアンカーボルト5を前記接合部材3のアンカー接合部34のボルト通し孔34a内に挿入しナット6で仮締めする要領で前記CLT耐力壁1の位置決め作業を行う。しかる後、前記CLT耐力壁1の位置を確定させた段階で前記ナット6を本締めし、前記接合部材3を用いたCLT耐力壁1の脚部と基礎2との接合工法が終了する。
上記した作業工程をCLT耐力壁1の数量に応じて繰り返し行い、もって、建物の基礎2とCLT耐力壁1との接合工法が完了する。
図6と図7は、実施例2に係るCLT耐力壁1の脚部と基礎2との接合構造を示している。
前記CLT耐力壁1の脚部は、図7が分かりやすいように、その幅方向両端部から(基礎2上部分が)挟む形で前記基礎2に埋設される(一対の)接合部材7、7を介して前記基礎2に接合される構成である。
前記CLT耐力壁1の脚部は、その幅方向両端部にそれぞれ、前記幅方向と平行な方向にスリット1aが設けられている(図3も参照)。
前記接合部材7は、図8にも示したように、前記CLT耐力壁1の脚部の幅方向両端部の側面1bに(基礎2上部分が)当接する側面プレート71と、前記側面プレート71の下端部と連設される底面プレート72と、前記側面プレート71及び前記底面プレート72のいずれにも直角となる方向に設けられ(基礎2上部分が)前記スリット1aに挿入される差込みプレート73とが一体化されてなる。
前記スリット1aに挿入された前記差込みプレート73が前記CLT耐力壁1の脚部にドリフトピン4(及び/又はボルト)で固定されることで、前記CLT耐力壁1の脚部が、その幅方向両端部から挟む形で前記基礎2に埋設された接合部材7を介して前記基礎2に接合されている。
要するに、本実施例2に係るCLT耐力壁1の脚部と基礎2との接合構造は、本出願人が今般新たに開発した前記接合部材7を用いて接合することを主たる特徴とする。よって先ずは前記接合部材7の構成について説明する。
前記接合部材7は金属製であり、前記したとおり、側面プレート71と、底面プレート72と、および差込みプレート73とを溶接等の接合手段で一体化して構成されている。
前記差込みプレート73は、平鋼が好適に用いられ、主としてCLT耐力壁1に作用する引張力を負担する役割を果たす。
本実施例では、前記引張力により決定されたドリフトピン4の使用形態(使用本数と径。本実施例では12本、φ20mm)を勘案した結果、基礎2上部分(略上半部分)にピン通し孔73aを所定ピッチで12個穿設した高さ(H)1240mm、長さ(L)160mm、板厚12mmの差込みプレート73を2枚用い、互いに104mmの間隔をあけて平行に配置する構成で実施されている。
なお、前記したドリフトピン4の使用本数や径、差込みプレート73の使用枚数、その他寸法は一例に過ぎず、CLT工法により構築される建物の構造設計上想定される引張力の大きさ等に応じて適宜設計変更される。
前記側面プレート71は、平鋼が好適に用いられ、主としてCLT耐力壁1に作用するせん断力(水平力)を負担する役割を果たす。
本実施例では、前記せん断力に十分に耐えうる強度・剛性に加え、前記差込みプレート73の寸法(サイズバランス)を勘案した結果、高さ(H)1240mm、幅寸(W)150mm、板厚12mmの寸法で実施されている。
なお、前記寸法は一例に過ぎず、CLT工法により構築される建物の構造設計上想定されるせん断力(水平力)の大きさ等に応じて適宜設計変更されるが、幅寸(W)は前記CLT耐力壁1の脚部の壁厚(本実施例では210mm)を超えないことが好ましい。
前記底面プレート72は、平鋼が好適に用いられ、主としてCLT耐力壁1を支持する役割を果たす。
本実施例では、基礎2に対する前記CLT耐力壁1の定着性等を含む構造設計を十分に勘案した結果、長さ(K)450mm、幅寸(W)150mm、板厚12mmの寸法で実施されている。
なお、前記寸法は一例に過ぎず、CLT耐力壁1を支持できればどのような寸法でもよい。
かくして、前記側面プレート71と、前記底面プレート72と、および前記差込みプレート73とを溶接等の手段で一体化してなる前記接合部材7は、構造設計上の必要な強度・剛性を備えているとはもとより、コンパクトで合理的かつ機能的な構造を呈する。
なお、本実施例では、前記側面プレート71と前記底面プレート72とは断面略L字状に形成して実施しているが(図8B等参照)、これは前記CLT耐力壁1の脚部のコーナー部の形状に合致させたものであり、前記コーナー部の形状が変われば必然的に変わることは、上記実施例1と同様の技術的思想とする(前記段落[0022]参照)。
次に、前記CLT耐力壁1は、上記実施例1と同様に、壁厚が210mmの縦長の市販品を用い、その脚部の幅方向両端部に、幅方向と平行な方向であって、CLT耐力壁1の側面及び底面に連通するように開口するスリット1aが左右に2箇所ずつ形成されている。
前記スリット1aは、前記2枚の差込みプレート73の基礎2上部分と対応する部位に、前記差込みプレート73の基礎2上部分がすっぽり入るような形状(例えば前記基礎2上部分よりも一回り大きい相似形状)に形成されている。
また、前記CLT耐力壁1は、その脚部の幅方向両端部の側面に、前記側面プレート71の基礎2上部分が当接したとき面一となるように、前記側面プレート71の形状そのものの切欠部1d(図3を援用して参照)が形成されている。
さらに、前記CLT耐力壁1は、前記スリット1a、1aに前記差込みプレート73、73の基礎2上部分が挿入されて、その脚部の幅方向両端部のコーナー部に前記側面プレート71及び基礎2の上面がぴったり当接したとき、前記差込みプレート73、73に形成したピン通し孔73aと略同形同大で芯が一致する貫通孔1e(図3を援用して参照)が前記差込みプレート73、73と直交する方向に形成されている。
次に、上記構成の接合部材7を用いたCLT耐力壁1の脚部と基礎2との接合工法について説明する。なお、以下に説明する作業手順はあくまでも一例に過ぎないことを念のため特記しておく。
先ず、一対の前記接合部材7を、基礎2を構築する型枠等に、その底面プレート72を内側に向けた相対峙する配置で設置する。そして、基礎2を構築するための所定の配筋作業を行った後にコンクリートを打設して基礎2を構築する。配筋作業に際し、配筋に必要な孔を前記側面プレート71や差込みプレート73に穿設する等の工夫は適宜行われるところである(図示省略)。
次に、コンクリート養生後、前記一対の接合部材7、7の基礎2上部分の差込みプレート73へ前記スリット1aが挿入されるように前記CLT耐力壁1を前記基礎2上に建て込む。そうすると、前記差込みプレート73に形成(穿設)したすべてのピン通し孔73aと前記CLT耐力壁1に形成したすべての貫通孔1eとの芯がすべて一致する構造設計となっているので、前記芯が一致したピン通し孔73aと貫通孔1eに前記ドリフトピン4を貫通させる作業を行い、前記接合部材7を用いたCLT耐力壁1の脚部と基礎2との接合工法が終了する。
上記した作業工程をCLT耐力壁1の数量に応じて繰り返し行い、もって、建物の基礎2とCLT耐力壁1との接合工法が完了する。
以上、実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
例えば、本実施例1では定着具としてアンカーボルト5を用いているがこれに限定されず、定着具(アンカー部材)であれば適宜採択可能である。
また、本実施例1、2ではドリフトピン4を用いているがこれに限定されず、ボルトを、ドリフトピンの代わりに又は併用して実施することもできる。
1 CLT耐力壁
1a スリット
1b 側面
1c 底面
1d 切欠部
1e 貫通孔
1’ CLT耐力壁
2 基礎
3 接合部材
31 側面プレート
32 底面プレート
33 差込みプレート
33a ピン通し孔
34 アンカー接合部
34a ボルト通し孔
4 ドリフトピン
5 アンカーボルト
6 ナット
7 接合部材
71 側面プレート
72 底面プレート
73 差込みプレート
73a ピン通し孔

Claims (4)

  1. CLT耐力壁の脚部と基礎との接合構造であって、
    前記CLT耐力壁の脚部は、その幅方向両端部から挟む形で前記基礎上に設けられる接合部材を介して前記基礎に接合される構成であり、
    前記CLT耐力壁の脚部は、その幅方向両端部にそれぞれ、前記幅方向と平行な方向にスリットが設けられ、
    前記接合部材は、前記CLT耐力壁の脚部の幅方向両端部の側面に当接する側面プレートと、前記側面プレートの下端部と連設され前記幅方向両端部の底面に当接する底面プレートと、前記側面プレート及び前記底面プレートのいずれにも直角となる方向に設けられ前記スリットに挿入される差込みプレートと、前記底面プレートの下面に設けられ前記基礎と接合されるアンカー接合部とが一体化されてなり、
    前記スリットに挿入された前記差込みプレートが前記CLT耐力壁の脚部にドリフトピン及び/又はボルトで固定され、前記アンカー接合部が前記基礎から立ち上がるアンカーボルト等の定着具と接合されることで、前記CLT耐力壁の脚部が、その幅方向両端部から挟む形で前記基礎上に設けられた接合部材を介して前記基礎に接合されてなることを特徴とする、CLT耐力壁の脚部と基礎との接合構造。
  2. CLT耐力壁の脚部と基礎との接合構造であって、
    前記CLT耐力壁の脚部は、その幅方向両端部から挟む形で前記基礎に埋設される接合部材を介して前記基礎に接合される構成であり、
    前記CLT耐力壁の脚部は、その幅方向両端部にそれぞれ、前記幅方向と平行な方向にスリットが設けられ、
    前記接合部材は、前記CLT耐力壁の脚部の幅方向両端部の側面に当接する側面プレートと、前記側面プレートの下端部と連設される底面プレートと、前記側面プレート及び前記底面プレートのいずれにも直角となる方向に設けられ前記スリットに挿入される差込みプレートとが一体化されてなり、
    前記スリットに挿入された前記差込みプレートが前記CLT耐力壁の脚部にドリフトピン及び/又はボルトで固定されることで、前記CLT耐力壁の脚部が、その幅方向両端部から挟む形で前記基礎に埋設された接合部材を介して前記基礎に接合されてなることを特徴とする、CLT耐力壁の脚部と基礎との接合構造。
  3. 前記側面プレートと前記底面プレートとは、断面略L字形に形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載したCLT耐力壁の脚部と基礎との接合構造。
  4. 前記差込みプレートは、1枚又は複数枚で構成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載したCLT耐力壁の脚部と基礎との接合構造。
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