JP2008156971A - 木造建築物の軸組構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、従来の木造建築物に比較して、耐震性、耐風性を更に向上した木造建築物を容易に構築可能な軸組構造を提供することを目的とする。
【解決手段】 木造建造物の、通し柱2a及び管柱2bを含む柱群2を含んで構成される軸組構造10であって、一対の長尺広幅側面20と一対の長尺狭幅側面22とに囲繞された断面矩形の長尺主材14と、長尺広幅側面20より小幅の長尺側面24aを有する長尺副材16とを、長手方向を並行させ且つ長尺広幅側面20に長尺副材16を面接合することによって形成される複合柱材12が、柱群2のうちの少なくとも通し柱2aに適用され、長尺主材14と長尺副材16との接合面18と、木造建造物の間口と奥行きのうち寸法が小のものの方向(X方向)とが平行であることを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】 木造建造物の、通し柱2a及び管柱2bを含む柱群2を含んで構成される軸組構造10であって、一対の長尺広幅側面20と一対の長尺狭幅側面22とに囲繞された断面矩形の長尺主材14と、長尺広幅側面20より小幅の長尺側面24aを有する長尺副材16とを、長手方向を並行させ且つ長尺広幅側面20に長尺副材16を面接合することによって形成される複合柱材12が、柱群2のうちの少なくとも通し柱2aに適用され、長尺主材14と長尺副材16との接合面18と、木造建造物の間口と奥行きのうち寸法が小のものの方向(X方向)とが平行であることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、耐震性、耐風性を向上した木造建築物の軸組構造に関する。
地震国である我が国においては、木造建築物の耐震性が特に重要視されている。木造には軸組壁工法(在来工法)や枠組壁工法(2×4工法)による建築物がある。軸組壁工法による建築物では、筋交いや耐力壁が地震力(水平力)を負担するため、筋交い、耐力壁をバランスよく多数配置することで耐震性が向上される。また、枠組壁工法による建築物では、壁が地震力を負担するため、壁面をバランスよく多数配置することで耐震性が向上される。
また、耐震性の向上の観点から、断面形状をL字型とした構造材、或いはかぎ形集成柱等が開示さている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。これらの構造材を柱材に適用し、建築物に係る土台と柱材との接合面積を大きくすることによって、耐震性の向上が図られている。
特許第3581426号公報(請求項1、図1、図6)
特開2002−266428号公報(請求項1、図1)
しかし、従来の軸組壁工法や枠組壁工法による木造建築では、上述のとおり、耐震性を向上するために筋交いや壁面をバランスよく多数配置する必要があり、建築物内における空間設計の自由度が制限される。
また、特許文献1等に開示された構造材やかぎ形集成柱を単に柱材として適用するのみでは、耐震性、耐風性の向上を十分に図ることができない。建築物には、地震力や風圧力といった水平方向の外力に対向し得る構造が要求される。しかし、上記構造材等のように、断面形状をL字型としただけでは、耐震性や耐風性の向上の観点からは不十分であり、特に、狭小間口の建築物のような間口と奥行きの寸法差が大きい建築物では、これら耐震性、耐風性の更なる向上が求められている。
そこで本発明者は、上記の問題点に鑑み、従来の木造建築物に比較して、耐震性、耐風性を更に向上した木造建築物を容易に構築可能な軸組構造を提供するべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に至ったのである。
即ち、本発明の軸組構造の要旨とするところは、木造建造物の、通し柱及び管柱を含む柱群を含んで構成される軸組構造であって、一対の長尺広幅側面と一対の長尺狭幅側面とに囲繞された断面矩形の長尺主材と、該長尺広幅側面より小幅の長尺側面を有する長尺副材とを、長手方向を並行させ且つ該長尺広幅側面に該長尺副材を面接合することによって形成される複合柱材が、前記柱群のうちの少なくとも通し柱に適用され、前記長尺主材と前記長尺副材との接合面と、前記木造建造物の間口と奥行きのうち寸法が小のものの方向とが平行であることを特徴とする。
かかる木造建築物の軸組構造において、前記複合柱材の断面形状は、L字型、T字型、十字型の何れかをなし得る。
かかる木造建築物の軸組構造において、前記長尺主材及び前記長尺副材の下端には、前記複合柱材を前記木造建築物の土台に接合するために立設した板状金物を挿入可能な凹溝が、前記接合面に対して直角方向にそれぞれ形成され得る。
本発明の木造建築物の軸組構造によると、当該軸組構造に係る少なくとも通し柱に、長尺主材と長尺副材とを面接合することによって形成される複合柱材が適用され、且つこれら長尺主材及び長尺副材の接合面を、当該木造建造物の間口と奥行きのうち寸法が小のものの方向と平行にした状態で、当該複合柱材が木造建築物の土台に立設される。従って、長尺主材に係る長尺広幅側面が、木造建築物の間口と奥行きのうち寸法が小のものの方向と平行をなし、当該方向と長尺主材自体が撓みにくい方向とを揃えているため、木造建築物の間口と奥行きのうち寸法が大のものの方向と平行をなす壁面に作用する風圧力を、断面積、断面2次モーメント及び断面係数が大きく、変形しにくい長尺主材で負担することができ、耐風性の向上を図ることができる。
また、狭小間口の建築物のような間口と奥行きの寸法差が大きい建築物においても、長尺主材が、間口と奥行きのうち寸法が小のものの方向に長尺主材に係る長尺広幅側面を平行にして配置されるため、寸法が大のものの方向に作用する地震力や風圧力といった水平方向の外力を、断面2次モーメント及び断面係数の大きく、長尺主材自体が撓みにくい方向で負担することができる。つまり、本発明の軸組構造によると、従来の木造建築物の軸組構造に比べて、耐震性、耐風性が更に向上された木造建築物を提供することができる。
更に、本発明の軸組構造に係る少なくとも通し柱に複合柱材を適用することによって、従来の角柱のような通し柱に比べて、断面積、断面2次モーメント及び断面係数が増大するため、耐震性の向上も図られる。また、通し柱のみならず管柱にも複合柱材を適用することによって、耐震性、耐風性の向上が一層図られる。
また更に、本発明に係る複合柱材を、当該複合柱材に係る接合面に対して直角方向に立設された板状金物を介して土台に接合することによって、木造建築物の耐震性、耐風性の更なる向上が図られる。
以下、本発明の軸組構造の実施形態について、図面に基づき説明する。なお、以下で「接合」と記した場合には、特に断らない限り、一般に適用されている建築用接合金物や釘、ボルト等を用いた剛接合、更には接着剤を併用した剛接合を意味する。また、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではない。
本実施の形態に係る軸組構造10は、図1及び図2に示すように、木造建築物における通し柱2a及び管柱2bを含む柱群2、土台4、並びに胴差6や桁、梁等の横架材を含んで構成される軸組構造であって、これら種々の構成部材のうち、柱群2に係る少なくとも通し柱2aに、複合柱材12を適用したものである。なお、図1は、横架材を省略した軸組構造10を示す平面図、図2は、図1におけるA方向から見た部分拡大斜視図である。
複合柱材12は、一対の長尺広幅側面20と一対の長尺狭幅側面22とに囲繞された断面矩形の長尺主材14と、長尺広幅側面20より小幅の長尺側面24aを有する長尺副材16とを、長手方向を並行させ、且つ長尺広幅側面20に長尺副材16を面接合することによって形成されており、この複合柱材12の断面形状はL字型をなしている。長尺主材14と長尺副材16との接合方法は特に限定されず、公知のあらゆる接合方法が適用できるが、例えば図2及び図3(a)に示すように、長尺主材14と長尺副材16との接合面18に直交する貫通孔30を、各部材の長手方向に所定の間隔を空けて複数形成し、この貫通孔30に挿通したボルト32にナット34を螺合することによって、長尺主材14と長尺副材16とが接合される。当該接合方法によれば、長尺主材14及び長尺副材16には貫通孔30を形成するのみでよく、加工が容易であると共に、外力の作用による接合面18のズレをボルト32で抑制することができる。
また、長尺主材14と長尺副材16との他の接合方法としては、図4及び図5(a)に示すような接合方法であってもよい。これらの図に示した複合柱材12cに係る接合方法は、長尺主材14と長尺副材16との接合面18に直交する挿入孔36を、各部材の長手方向に所定の間隔を空けて、接合面18側から各部材内部に向かって複数形成し、この挿入孔36にパイプピン42を挿入する。パイプピン42の側壁43には、パイプピン42の長手方向に対して直交方向にドリフトピン44を挿通するための貫通孔45が形成されている。長尺主材14に係る長尺狭幅側面22及び長尺副材16に係る長尺側面24bからパイプピン42の長手方向に対して直交方向にドリフトピン44を挿入し、この挿入されたドリフトピン44を貫通孔45に挿通することによって、長尺主材14と長尺副材16とが接合される。当該接合方法によっても、長尺主材14及び長尺副材16には挿入孔36を形成するのみでよく、加工が容易であると共に、外力の作用によって接合面18に生じる水平方向のズレをパイプピン42で抑制することができる。更には、上述した接合方法に比べて、ドリフトピン44による接合面18を境に長尺主材14と長尺副材16とが離れようとする方向のズレを抑制する効果が高く、また、必要な接合用部品数が少なく、接合作業も非常に容易であるため、作業効率の向上も図られる。
そして、本実施形態の軸組構造10は、上記の複合柱材12や複合柱材12cに係る接合面18と、木造建造物の間口と奥行きのうち寸法が小のものの方向とが平行であることを特徴とする。つまり、図1において、X方向を間口方向、Y方向を奥行き方向とした場合、X方向の間口方向の寸法がY方向の奥行き方向の寸法よりも小であるため、接合面18をX方向の間口方向と平行にして複合柱材12、12cが立設される。
図2及び図4は、図1におけるA方向から見た部分拡大斜視図であって、本実施形態の軸組構造10に係る通し柱2aに複合柱材12又は複合柱材12cを適用した態様を示している。なお、図2及び図4は、複合柱材12、12cに係る長尺主材14と長尺副材16との接合方法のみが異なり、その他の構成は同一であるため、以下では図2に基づき詳述する。図2に示すように、軸組構造10を構成する通し柱2aに複合柱材12を適用し、且つ複合柱材12に係る接合面18と、間口と奥行きのうち寸法が小のものの方向(図2中X方向)とが平行となるようにして複合柱材12が土台4に立設される。
このように、本実施形態の軸組構造10によると、軸組構造10に係る少なくとも通し柱2aに複合柱材12が適用され、且つ複合柱材12を形成する長尺主材14及び長尺副材16の接合面18を、木造建造物の間口と奥行きのうち寸法が小のものの方向(図1中X方向)と平行にした状態で、複合柱材12が土台4に立設される。従って、長尺主材14に係る長尺広幅側面20が、木造建築物の間口と奥行きのうち寸法が小のものの方向(同図中X方向)と平行をなし、このX方向と長尺主材14自体が撓みにくい方向とを揃えているため、木造建築物の間口と奥行きのうち寸法が大のものの方向(同図中Y方向)と平行をなす壁面に作用する風圧力を、断面積、断面2次モーメント及び断面係数が大きく、変形しにくい長尺主材14で負担することができ、耐風性の向上を図ることができる。
また、狭小間口の建築物のような間口と奥行きの寸法差が大きい建築物においても、長尺主材14が、間口と奥行きのうち寸法が小のものの方向(図1中X方向)に長尺主材14に係る長尺広幅側面20を平行にして配置されるため、寸法が大のものの方向(同図中Y方向)に作用する地震力や風圧力といった水平方向の外力を、断面2次モーメント及び断面係数の大きく、長尺主材14自体が撓みにくい方向で負担することができる。つまり、本実施形態の軸組構造10によると、従来の木造建築物の軸組構造に比べて、耐震性、耐風性が更に向上された木造建築物を提供することができる。
本発明に係る複合柱材の態様は、上記の断面形状がL字型をなす複合柱材12に限定されず、図3(b)(c)及び図5(b)(c)に示すように、断面形状がT字型や十字型をなす複合柱材12a、12b、12d、12eのような態様であってもよい。これら複合柱材12a、12b、12d、12eは、各図に示したように、何れも1本の長尺主材14と2本の長尺副材16とを、長手方向を並行させ、且つ長尺主材14に係る一対の長尺広幅側面20にそれぞれ長尺副材16を面接合することによって形成されている。より具体的には、複合柱材12a、12bにおいては、上記の複合柱材12と同様、長尺主材14と長尺副材16との接合面18に直交する貫通孔30を、各部材の長手方向に所定の間隔を空けて複数形成し、この貫通孔30に挿通したボルト32にナット34を螺合することによって、長尺主材14と2本の長尺副材16とが接合されている(図3(b)(c))。また、複合柱材12d、12eにおいては、上記の複合柱材12cと同様、長尺主材14と長尺副材16との接合面18に直交する挿入孔36を、長尺主材14では貫通させ、長尺副材16では接合面18側から長尺副材16の内部に向かって、各部材の長手方向に所定の間隔を空けて複数形成し、この挿入孔36に貫通孔45を備えたパイプピン42を挿入する。そして、長尺主材14に係る長尺狭幅側面22及び長尺副材16に係る長尺側面24bからパイプピン42の長手方向に対して直交方向にドリフトピン44を挿入し、この挿入されたドリフトピン44を貫通孔45に挿通することによって、長尺主材14と長尺副材16とが接合されている(図5(b)(c))。なお、図3(c)、図5(c)に示した複合柱材12b、12eにおいて、長尺副材16を1本のみ使用することによって、複合柱材12a、12cとは異なる態様の断面形状がT字型をなす複合柱材12fを形成することもできる(図6参照)。
そして、これら複合柱材12a〜12fは、複合柱材12と同様、通し柱2aに適用できると共に、図6に示すように管柱2bとしても適用できる。図6に示した本発明の実施形態に係る軸組構造10aでは、通し柱2aに複合柱材12が適用されると共に、管柱2bに複合柱材12a、12b、12fが適用されている。なお、複合柱材12、12a、12bの代わりに、図5に示した複合柱材12c、12d、12eがそれぞれ適用されてもよい。これら複合柱材12(12c)、12a(12d)、12b(12e)、12fの適用に当たっては、上述の通り、各複合柱材12(12c)、12a(12d)、12b(12e)、12fに係るそれぞれの接合面18と、木造建造物の間口と奥行きのうち寸法が小のものの方向とを平行にして各複合柱材12等が立設されている。具体的には、図6において、X方向を間口の方向、Y方向を奥行きの方向とした場合、X方向の寸法がY方向の寸法よりも小であるため、複合柱材12等に係るそれぞれの接合面18をX方向、即ち間口の方向と平行にして複合柱材12等が立設されている。
このように、本実施形態の軸組構造10aに係る通し柱2aに複合柱材12又は複合柱材12c、管柱2bに複合柱材12a〜12fの何れかを適用し、且つ各複合柱材12、12a〜12fに係るそれぞれの接合面18を、木造建造物の間口と奥行きのうち寸法が小のものの方向(図6中X方向)と平行にした状態で各複合柱材12、12a〜12fを立設することによって、耐震性、耐風性が更に向上された木造建築物を提供することができる。
以上、本発明の実施形態に係る軸組構造10、10aについて詳述したが、各複合柱材12、12a〜12fの立設方法は特に限定されず、公知のあらゆる立設方法が適用できる。
図7に、軸組構造10に係る複合柱材12(12c)の立設方法の一例を示す。同図(a)に示したように、土台4上における複合柱材12が立設される位置には、板状金物40及びパイプピン42が立設される。より具体的には、複合柱材12に係る長尺主材14が立設される位置に板状金物40及びパイプピン42が立設され、長尺副材16が立設される位置に板状金物40が立設される。これら板状金物40及びパイプピン42には、ドリフトピン44(図2参照)を挿通するための貫通孔45がそれぞれ設けられている。一方、図7(b)に示すように、複合柱材12に係る長尺主材14の下端には、土台4に立設された板状金物40及びパイプピン42を挿入可能な凹溝46及び挿入口48が形成され、長尺副材16の下端には、板状金物を挿入可能な凹溝46が形成されている。
ここで、長尺主材14及び長尺副材16の下端に形成される凹溝46の形成方向は特に限定されないが、複合柱材12に係る接合面18に対して直角方向に凹溝46が形成されることがより好ましい。つまり、長尺主材14及び長尺副材16の下端に、接合面18に対して直角方向にそれぞれ形成された凹溝46に、この凹溝46の形成方向に合わせて土台4に立設された板状金物40を挿入してドリフトピン44で接合固定することによって、容易に複合柱材12を立設することができる(図2参照)。
更に、凹溝46の形成方向(板状金物40の立設方向)は、木造建造物の間口と奥行きのうち寸法が大のものの方向(図5中Y方向)と平行をなしているため、壁面の大きいY方向に作用する地震力や風圧力といった水平方向の外力を、断面2次モーメント及び断面係数の大きい長尺主材14が主に負担すると共に、板状金物40も当該外力に有効に作用する。つまり、凹溝46の形成方向(板状金物40の立設方向)を複合柱材12に係る接合面18に対して直角方向とすることによって、更なる耐震性、耐風性の向上が図られる。
なお、図3(b)(c)及び図5(b)(c)に示した複合柱材12a、12b、12d、12eにおいても、複合柱材12(12c)と同様、長尺主材14の下端には板状金物40及びパイプピン42を挿入可能な凹溝46及び挿入口48が形成され、2本の長尺副材16の下端にはそれぞれ凹溝46が形成される。そして凹溝46は、複合柱材12a等に係る接合面18に直角方向に形成されることが好ましい。
また、本発明の軸組構造において、立設された複合柱材12等への胴差6等の横架材の接合方法も特に限定されず、公知のあらゆる接合方法を適用できる。当該接合方法の一例を挙げると、図8(a)に示すように、複合柱材12に係る長尺主材14の長尺狭幅側面22及び長尺副材16の長尺側面24aに、それぞれ断面略コ字型の接合金物50をボルトで固定する。一方、複合柱材12に接合される横架材、例えば胴差6、の端部には、この接合金物50が備える2枚の平板部52を挿入可能な凹溝54を形成する。そして、図8(b)に示すように、胴差6に形成された凹溝54に、複合柱材12に固定された接合金物50に係る平板部52を挿入して、胴差6の側面からドリフトピン44を挿入することによって、複合柱材12に胴差6等の横架材を容易に接合することができる。
以上に例示した本発明の実施形態に係る軸組構造は、本発明の技術的思想を実質的に限定するものと解してはならない。例えば、上記の軸組構造10、10aに係る複合柱材12、12a〜12fは、何れも断面矩形の長尺主材14と、少なくとも1本の断面正方形の長尺副材16とを接合したものであるが、長尺副材16の断面形状は正方形に限定されず、長尺主材14と同様の断面矩形の長尺副材16a(不図示)が適用されてもよい。つまり、複合柱材12等に係る長尺副材16の代わりに、長尺副材16に係る長尺側面24aの幅より幅広の長尺側面24bを備えた断面矩形の長尺副材16aを適用することによって、複合柱材の断面積、断面2次モーメント及び断面係数は更に増大し、耐震性、耐風性が益々向上される。
また、木造建築物においては間口と奥行きに寸法差があるのが一般的であるため、上記の軸組構造10、10aについても、間口と奥行きに寸法差のある態様に基づいて詳述したが、本発明の軸組構造は、間口と奥行きの寸法が同じ木造建築物についても適用することが可能である。例えば、図1及び図6におけるX方向の間口方向の寸法と、Y方向の奥行き方向の寸法とが同じであるとした場合には、複合柱材12等に係る接合面18を、X方向の間口方向又はY方向の奥行き方向の何れか一方と平行にして複合柱材12等を立設することによって、本発明の効果と同様の効果を得ることができる。
更に、本発明に係る長尺主材及び長尺副材には無垢材や集成材が適用されてもよいが、薄い単板を積層して接着された単板積層材(LVL=Laminated Veneer Lumber)が適用されてもよい。なお、長尺主材及び長尺副材に当該単板積層材を適用する場合には、長尺主材に係る単板積層材の積層方向と、長尺副材に係る単板積層材の積層方向とが直角をなすようにして接合することがより好ましい。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で、当業者の創意と工夫により、適宜に改良、変更又は追加をしながら実施できる。
10、10a:軸組構造
12、12a〜12f:複合柱材
14:長尺主材
16:長尺副材
18:接合面
20:長尺広幅側面
22:長尺狭幅側面
24a、24b:長尺側面
30、45:貫通孔
36:挿入孔
40:板状金物
42:パイプピン
44:ドリフトピン
46、54:凹溝
48:挿入口
12、12a〜12f:複合柱材
14:長尺主材
16:長尺副材
18:接合面
20:長尺広幅側面
22:長尺狭幅側面
24a、24b:長尺側面
30、45:貫通孔
36:挿入孔
40:板状金物
42:パイプピン
44:ドリフトピン
46、54:凹溝
48:挿入口
Claims (3)
- 木造建造物の、通し柱及び管柱を含む柱群を含んで構成される軸組構造であって、
一対の長尺広幅側面と一対の長尺狭幅側面とに囲繞された断面矩形の長尺主材と、該長尺広幅側面より小幅の長尺側面を有する長尺副材とを、長手方向を並行させ且つ該長尺広幅側面に該長尺副材を面接合することによって形成される複合柱材が、前記柱群のうちの少なくとも通し柱に適用され、
前記長尺主材と前記長尺副材との接合面と、前記木造建造物の間口と奥行きのうち寸法が小のものの方向とが平行であることを特徴とする、木造建築物の軸組構造。 - 前記複合柱材の断面形状がL字型、T字型、十字型の何れかをなす、請求項1に記載の木造建築物の軸組構造。
- 前記長尺主材及び前記長尺副材の下端に、前記複合柱材を前記木造建築物の土台に接合するために立設した板状金物を挿入可能な凹溝が、前記接合面に対して直角方向にそれぞれ形成された、請求項1又は請求項2に記載の木造建築物の軸組構造。
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