JP2019165667A - 豆乳乳酸発酵食品用乳酸菌スターター及び豆乳乳酸発酵食品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
この問題を解決するため、豆乳を乳酸発酵することにより、豆乳の風味を改善することが提案されている。特許文献1では、特定の乳酸生成菌株を含む混合種菌を用いて豆乳を発酵する豆乳の発酵方法が開示されている。特許文献2では、豆乳をStreptococcus sp.KSM−85−4株(FERM P−16574)で発酵させることを特徴とする大豆発酵食品の製造方法が開示されている。特許文献3では、特定の5種類の乳酸菌株を混合してなることを特徴とする、豆乳乳酸発酵食品の製造に使用される乳酸菌スターターが開示されている。特許文献4では、豆乳を、特定の物性を示す曳糸性菌体外多糖生産能を有するラクトコッカス ラクティス サブスピーシーズ クレモリスもしくはストレプトコッカス サーモフィラスを用いて発酵させることを特徴とする曳糸性豆乳発酵物の製法が開示されている。これらの発明により製造される豆乳の乳酸発酵食品は、発酵前の豆乳と比較すると大豆特有の青臭みや苦味、収斂味が軽減されているものの、牛乳を原料として製造されるヨーグルトと比較すると十分に軽減されているとは言えないものであった。
一方で、牛乳を原料として乳酸発酵させたヨーグルトは、pH4.0〜4.5であり、強い酸味を有する食品である。豆乳を原料に用いた乳酸発酵食品の場合でも同様である。このような酸味は、一部の消費者の嗜好性に適合しない場合があった。この問題を解決するために各種検討されており、例えば、特許文献5では微細な繊維状セルロースを含有するpH4.6〜5.1の酸性乳食品が、特許文献6では全遊離アミノ酸に対するロイシン、イソロイシン及びバリンからなる分岐鎖アミノ酸の割合が20%以上である酵母エキスを有効成分とする酸味低減剤が、特許文献7ではアドバンテームを飲食品に対して甘味の閾値以下の量含有することを特徴とする、酸味がマスキングされた飲食品が提案されている。しかしながら、添加するものにより食味や食感に変化が生じるため、必ずしも十分なものではなかった。
[1]豆乳乳酸発酵食品の製造に使用される乳酸菌スターターであって、ラクトバチルス・パラカゼイ・トレランス(Lactobacillus paracasei tolerans)N−5株(受託番号NITE P−02630)、ラクトコッカス・ラクティス・ホールドニアエ(Lactococcus lactis hordniae) Lhana株(受託番号NITE P−02631)及びラクトバチルス・ペントーサス(Lactobacillus pentosus)Lpome−3株(受託番号NITE P−02632)からなる群から選択される1以上の乳酸菌株を混合してなることを特徴とする乳酸菌スターター。
[2]豆乳に請求項1に記載の乳酸菌スターターを加え、発酵させることを特徴とする豆乳乳酸発酵食品の製造方法。
[3]前記乳酸菌スターターを乳酸菌密度が107〜109cell/mlとなるように豆乳に加えることを特徴とする前記[2]に記載の豆乳乳酸発酵食品の製造方法。
[4]前記豆乳が糖を含むことを特徴とする、前記[2]又は[3]に記載の豆乳乳酸発酵食品の製造方法。
また従来のヨーグルトや大豆乳酸発酵食品では、先味(口腔内へ含んだ直後に感じる味)、中味(咀嚼している間に感じる味)、後味(飲み込んだ後に残る味)共に強い酸味があるため、刺激的でカドのある酸味に感じられるところ、本発明の乳酸菌スターターを用いて製造される豆乳乳酸発酵食品は、大豆特有の不快臭及び不快味がなく、中味の酸味が従来のヨーグルトや大豆乳酸発酵食品と同等であるが、先味及び後味の酸味が弱いため、全体的にマイルド且つ清涼感のある酸味と感じられる。
豆乳は、大豆又は大豆粉砕物の何れを原料として調製してもよい。大豆から調製する場合、十分に浸漬させた大豆に4〜6倍容量の水を加えて湿式粉砕し、必要に応じて均質化処理して生呉とし、そのままおからを絞り取って、又は、数分程度焦げないように攪拌しながら煮沸した後におからを絞り取って豆乳とすることができる。大豆粉砕物から調製する場合、大豆粉砕物に5〜8倍容量の水を加え1〜2時間放置してからおからを絞り取って、又は、3〜5分焦げないように攪拌しながら煮沸した後おからを絞り取って豆乳とすることができる。この様にして調製される豆乳は、何れも本発明の原料として使用することができる。
本発明においては豆乳の大豆固形分濃度は特に限定されるものではない。JAS規格では、豆乳は大豆固形分が8%以上、調製豆乳が6%以上、豆乳飲料が4%以上と規定されている。
また、本発明では、生呉又は脱脂大豆粉砕物或いは全脂大豆粉砕物の水懸濁液を加熱処理したものも広義の豆乳として使用することができる。
まずこれらの乳酸菌について説明する。
本発明の乳酸菌スターターに使用する乳酸菌は、植物又は動物由来のものであり、ラクトバチルス・パラカゼイ・トレランスN−5株はサワー種、ラクトコッカス・ラクティス・ホールドニアエLhana株は乳製品、ラクトバチルス・ペントーサス Lpome−3は果実から常法に従い採取されたものであり、以下の菌学的性質を有する。
100質量部の豆乳(キッコーマンソイフーズ社製おいしい無調整豆乳)に、1質量部の乳酸菌スターター(108cells/ml)及び1質量部のグルコースを発酵容器に投入して混合し、30℃で18時間静置して発酵させた。pHを測定した後、得られた豆乳乳酸発酵食品を中心温度が5℃になるまで冷却して保存した。
豆乳乳酸発酵食品を室温静置して常温に戻した後、10名の熟練パネラーにより、下記評価表に従って不快臭、不快味及び酸味について評価した。酸味は、先味の酸味(口腔内へ食品を含んだ直後に感じる酸味)、中味の酸味(食品を咀嚼している間に感じる酸味)、後味の酸味(咀嚼した食品を飲み込んだ後に残る酸味)の3項目に分けて評価した。なお、市販の豆乳乳酸発酵食品(マルサンアイ社製の豆乳グルトプレーン)及び発酵前の豆乳の不快臭及び不快味を各々3点及び1点とした。牛乳を乳酸発酵させた市販のヨーグルト(明治社製ブルガリアヨーグルト)の不快臭、不快味及び酸味を5点とした。
表1記載の乳酸菌、乳酸菌の組み合わせにした以外は製造例1に従って豆乳乳酸発酵食品を製造し、評価例1に従って評価した。結果を表1に示す。なお、乳酸菌を組み合わせたスターターであっても、乳酸菌密度は108cells/mlである。
菌株名
A:Lactobacillus paracasei tolerans N-5(受託番号NITE P−02630)
B:Lactococcus lactis hordniae Lhana(受託番号NITE P−02631)
C:Lactobacillus pentosus Lpome-3(受託番号NITE P−02632)
市販品名
ア:明治社製 ブルガリアヨーグルト
イ:マルサンアイ社製 豆乳グルト(プレーン)
表4記載の発酵温度、表5記載の発酵時間、表6記載の糖添加とした以外は実施例8(使用した乳酸菌株はA:B:C=6:2:2)に従って豆乳乳酸発酵食品を製造し、評価例1に従って評価した。結果を表4、表5及び表6に示す。
Claims (4)
- 豆乳乳酸発酵食品の製造に使用される乳酸菌スターターであって、
ラクトバチルス・パラカゼイ・トレランス(Lactobacillus paracasei tolerans)N−5株(受託番号NITE P−02630)、ラクトコッカス・ラクティス・ホールドニアエ(Lactococcus lactis hordniae) Lhana株(受託番号NITE P−02631)及びラクトバチルス・ペントーサス(Lactobacillus pentosus)Lpome−3株(受託番号NITE P−02632)からなる群から選択される1以上の乳酸菌株を混合してなることを特徴とする乳酸菌スターター。 - 豆乳に請求項1に記載の乳酸菌スターターを加え、発酵させることを特徴とする豆乳乳酸発酵食品の製造方法。
- 前記乳酸菌スターターを乳酸菌密度が107〜109cell/mlとなるように豆乳に加えることを特徴とする請求項2に記載の豆乳乳酸発酵食品の製造方法。
- 前記豆乳が糖を含むことを特徴とする、請求項2又は3に記載の豆乳乳酸発酵食品の製造方法。
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