JP4032950B2 - 酸性豆乳飲料の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は酸性豆乳飲料の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特公昭51−14584号公報
【特許文献2】
特開昭59−34847号公報
【特許文献3】
特開昭59−132855号公報
【特許文献4】
特開平11−46685号公報
【特許文献5】
特開昭50−48162号公報
【0003】
近年、健康志向に対する関心の高まりから植物性蛋白食品が注目されており、特に大豆を原料とする豆乳は良質な蛋白質を含み、ノンコレステロールであるので、健康食品としても注目されている。
しかし豆乳は2−ヘキサナールや数種のサポニンなどの少量成分による青臭み、エグ味などの不快な風味を有することが問題となっている。
そこで豆乳の風味改善のために酸性物質を添加したり、乳酸菌で乳酸発酵し、発酵豆乳を得る方法などが種々提案されている。ちなみに発酵豆乳には最終の製品形態として、発酵後に容器に充填し、ゲルを形成させたデザート風の固形タイプのものと、発酵後に均質化により液状化し、ドリンクタイプにしたものに区別される。後者を一般に「発酵豆乳飲料」と呼んでおり、液状という製品形態においてはスッキリした飲み口であって、かつコク味のある風味が求められている。
【0004】
特許文献1には、豆乳と糖類の混合液を殺菌処理(実施例では98℃、100℃、110℃で15〜20分を例示。)し、特定の乳酸菌を接種して乳酸発酵させ、かつ脱臭することにより、豆臭や渋味等の風味を改善した発酵豆乳飲料を得る方法が記載されている。
【0005】
特許文献2には、豆乳と糖類の混合液を90〜95℃で5〜30分間加熱殺菌し、乳酸発酵して得られた発酵豆乳に糖類、酸味料を加えて一旦濃厚なサワーベースを調製し、これを低温で熟成させた後、風味原料を加えて適当濃度に希釈し、加熱殺菌して発酵豆乳飲料を得ることが記載されている。
【0006】
特許文献3には、豆乳と糖類の混合液を例えば105℃で10分間加熱殺菌し、乳酸菌及びエタノール生産性酵母を接種して発酵させ、アルコール含有乳酸飲料を得ることが記載されている。
【0007】
特許文献4には、豆乳と糖類の混合液を130℃で1〜10秒間程度加熱殺菌し、乳酸菌及び酵母菌により発酵させて得られた発酵豆乳を加熱殺菌・アルコール除去を行い、発酵豆乳飲料を得ることが記載されている。
【0008】
特許文献5には、豆乳にアスコルビン酸を添加し、高温短時間の加熱、最適には140℃で7〜10秒程度加熱を行い、蛋白質が不溶化しない程度に加熱変性を起こさせ、乳酸発酵して豆乳乳酸飲料を得ることが記載されている。そして加熱条件が厳しすぎると加熱した豆乳にすでに蛋白の不溶化が起こり、これから製造した乳酸飲料も凝固、沈殿が妨げないと、高温で長時間の加熱が不適であることが記載されている。
【0009】
しかし上記のいずれの方法を採用しても、依然としてスッキリした飲み口で、青臭味やエグ味がなく、かつ十分なコク味のある発酵豆乳飲料は得られていない。また特許文献3や特許文献4に記載されている発酵豆乳は、アルコール発酵させることで不快臭や大豆臭のマスキングや除去を行うことで風味の改善を行っているが、アルコールを含んでいるため万人向きの飲料として不適であったり、アルコール発酵後のアルコール除去という特殊な工程が必要となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明は、大豆特有の青臭み、エグ味などの不快な風味がなく、飲み口がスッキリとし、且つコク味のある酸性豆乳飲料の製造法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、本発明者らは種々の製造条件について鋭意研究を重ねる中で、豆乳を酸性に調製する前に行われている加熱殺菌に着目して検討していたところ、従来は単なる雑菌の殺菌処理としか考えられていなかった乳酸発酵前における加熱処理の条件が、酸性豆乳飲料の飲み口や風味に大きく影響を与えることが判明した。そこでさらに検討を進めた結果、従来蛋白が不溶化するほどの過度の加熱処理は避けられてきたが、豆乳を酸性に調製する前に、130〜150℃の高温条件下で長時間加熱処理することにより、意外にも大豆特有の青臭み、エグ味などの不快な風味がなく、粘度が低く飲み口がスッキリとし、且つコク味のある酸性豆乳飲料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
即ち、本発明は、
(1)豆乳を130〜150℃で加熱処理した後、酸性にすることを特徴とする酸性豆乳飲料の製造法、
(2)上記加熱処理の加熱時間が15秒以上であって、かつ下記式を満たす範囲である上記(1)記載の酸性豆乳飲料の製造法。ただし、logは常用対数、Xを加熱温度(℃)、Yを加熱時間(秒)とする。
(式)logY≧46−20.94×logX、
(3)酸性豆乳飲料が発酵豆乳飲料である上記(1)又は(2)記載の酸性豆乳飲料の製造法、
(4)加熱処理が間接加熱方式で行われる上記(1)〜(3)にいずれか記載の酸性豆乳飲料の製造法、を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の酸性豆乳飲料の製造法は、酸性の豆乳を得る工程において、豆乳を酸性にする前に、130〜150℃で長時間加熱処理することに特徴を有するものである。以下に本発明の製造法について詳述する。
【0014】
まず本発明に用いる豆乳は、大豆や脱脂大豆から常法により得られる豆乳を用いることができるが、脱皮及び脱胚軸した大豆や酵素失活のために加熱した大豆を用いる方が、青臭味や渋味の少ない風味の良好な豆乳が得られ好ましい。
例えば、丸大豆や脱皮大豆を水浸漬するか、またはせずに含水状態にて磨砕して呉とし、これを濾過等して不溶性画分を除去して得ることができる。好適には、丸大豆、脱皮大豆または脱皮・脱胚軸大豆を50℃〜100℃の温水もしくは熱水に接触させて、温水もしくは熱水に溶出する可溶性成分を除いた後、磨砕し不溶性画分を除去した豆乳が適当である。この豆乳のpHは7〜8とすることが好ましい。
【0015】
上記豆乳を乳酸発酵する場合は、栄養源として乳酸菌資化性の糖原料を添加することが好ましい。例えばグルコース、ショ糖、マルトース、ガラクトース、ラクトース、ラフィノース、トレハロース、大豆オリゴ糖、フラクトオリゴ糖等を用いることができる。これら糖原料は単独や2種類以上の組み合わせてもよい。
【0016】
また、得られた飲料の長期保存性を安定化するために、公知の安定剤、例えばペクチン、アラビヤガム、キサンタンガム、タマリンドガム、プルラン、ローカストビーンガム、水溶性ヘミセルロース、ジェランガム、CMC(カルボキシメチルセルロース)、微結晶セルロース等を用いることができる。その添加量は酸性豆乳飲料中、0.2〜2.0%、好ましくは0.5〜1.0%を添加するのが適当である。なお安定剤の添加時期は使用する種類の特性に応じて、豆乳を酸性にする前〜酸性にした後に添加することができる。すなわち、酸性に調製する前かつ加熱処理前に添加しても良いし、酸性に調製する前かつ加熱処理後、あるいは酸性に調製した後などに添加することが可能である。製造工程上は酸性の豆乳に調製する前であって加熱処理前に添加する方が工程を簡略化できるため好ましい。特に水溶性ヘミセルロースは酸性豆乳飲料の安定化に好ましく、酸性の豆乳とする前の130〜150℃の加熱処理と相乗して粘度を低下させるため、軽い飲み口の酸性豆乳飲料にしたい場合には特に有効である。水溶性ヘミセルロースは大豆由来のものが好ましい。水溶性ヘミセルロースの添加量が少なすぎると粘度が高めになり、飲み口が重くなる傾向になり、さらに保存中に沈澱が生じ易くなる。また添加量が多すぎると水溶性ヘミセルロース自体の風味が感じられるようになり、またそれ以上添加しても粘度の低下効果は変わらない。
【0017】
なお、その他必要に応じて種々の副原料を所望量配合することができる。例えば甘味料としてステビア、アスパルテーム、ソーマチン等の高甘味度甘味料や糖アルコール等を、リンゴやレモン等の果汁を、ポリデキストロース、セルロース等の食物繊維類を、カルシウム塩やマグネシウム塩等のミネラル類、ビタミン類、バニラ系やヨーグルト系の香料等を使用することができる。
【0018】
次に豆乳を酸性に調製する前に加熱処理を行うが、本発明は高温で長時間の加熱処理条件を採用することに特徴を有する。かかる条件下で行うと飲み口がスッキリし、青臭味やエグ味が少なく、かつ十分なコク味が得られる理由は定かではない。しかし、飲み口がスッキリするのは、おそらく豆乳の蛋白質を過度に変性させ、蛋白質間の水素結合を切断させることにより、蛋白質の粘度が低下するためと考えられる。
【0019】
加熱処理の温度としては130〜150℃、より好ましくは133〜147℃、さらに好ましくは137〜143℃が適当である。加熱処理温度が低すぎると、得られる酸性豆乳飲料の粘度が高く飲み口が重くなり、風味に大豆特有の青臭味やエグ味が感じられるようになり、十分なコク味も得られない。また150℃を超えると加熱による加熱臭や風味劣化、得られる酸性豆乳飲料の色調の黄変や褐変が発生しやすくなる。
【0020】
また加熱処理の時間としては、上記温度範囲で15秒以上、より好ましくは15〜60秒、さらに好ましくは20〜50秒、最も好ましくは25〜45秒保持することが適当である。なおかつ、下記数式1、より好ましくは数式2を満たすことが好ましい。ただし、logは常用対数、Xを加熱温度(℃)、Yを加熱時間(秒)とする。
【0021】
【数1】
logY≧46−20.94×logX
【0022】
【数2】
logY≧47.6−21.58×logX
【0023】
加熱処理時間が短すぎると飲み口が重く、風味に大豆特有の青臭味やエグ味が感じやすくなり、十分なコク味が得られ難い。また腐敗等も懸念される。また加熱処理時間が長すぎると加熱による加熱臭や風味劣化、得られる発酵豆乳飲料の色調の黄変や褐変が発生しやすい。
【0024】
加熱処理装置としては間接加熱装置および直接加熱装置をいずれも用いることができる。間接加熱装置としてはプレート式UHT加熱装置、チューブラー型加熱装置等が例示でき、また直接加熱装置としては、インジェクション式加熱装置、インフュージョン式加熱装置等が例示できるが、コク味のある風味が付与された発酵豆乳飲料を得るためには、間接加熱装置を用いることが特に好ましい。
【0025】
次に、必ずしも必須ではないが、要すれば加熱処理された豆乳をホモゲナイザー等により均質化する。例えば高圧ホモゲナイザーを用いる場合は圧力3〜30MPaが適当である。かかる工程を経ると変性した蛋白質の凝集を抑制し、安定性を付与することが可能であり、飲み口もよりスッキリ感がある。
【0026】
次に、加熱処理された豆乳を酸性にする。酸性にする方法は特に限定されないが、たとえば乳酸菌を添加して乳酸発酵させて発酵豆乳とする方法や、酸性物質を添加する方法等が挙げられる。
【0027】
発酵豆乳とする場合は、加熱処理された豆乳に乳酸菌を接種し、常法により乳酸発酵を行えばよい。乳酸発酵に使用する乳酸菌は、通常ヨーグルトに使用されている菌種を用いればよく特に限定されない。例えばラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ラクトバチルス・ブルガリカス、ラクトバチルス・ガッセリ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・サリバリウス・サリバリウス、ラクトバチルス・ガリナラム、ラクトバチルス・アミロボラス、ラクトバチルス・ブレビス・ブレビス、ラクトバチルス・ファーメンタム、ラクトバチルス・マリ、ラクトバチルス・デルブルッキィ等のラクトバチルス属、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ストレプトコッカス・ラクチス等のストレプトコッカス属、ラクトコッカス・ラクチス・ラクチス、ラクトコッカス・ラクチス・クレモリス等のラクトコッカス属、ロイコノストック・メセンテロイデス・クレモリス、ロイコノストック・ラクチス等のロイコノストック属、ビフィドバクテリウム属等の公知の乳酸菌株を用いることができる。これらの乳酸菌は単独や2種類以上の組み合わせでも任意に使用することできる。
【0028】
発酵方法については、バルクスターターを作って添加することも、凍結濃縮菌や凍結乾燥濃縮菌で直接、豆乳に添加することもできる。乳酸菌の添加量は、発酵温度、発酵時間に応じて調整することができる。発酵温度は20〜50℃で、3〜48時間、好ましくは25〜45℃で、4〜24時間が適当である。得られた発酵豆乳飲料のpHは3.5〜5.5、好ましくは4.0〜5.0、さらに好ましくは4.2〜4.7が適当である。発酵によって得られた発酵豆乳はさらに乳酸、クエン酸、リンゴ酸、リン酸などの有機酸によって所望のpHに調整してもよい。
【0029】
酸性物質を添加する場合は、豆乳にレモン、オレンジ、グレープフルーツなどの酸性果汁、トマトなどの酸性野菜、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、乳酸などの有機酸を添加して酸性とすることができる。また、少量であればpH調整のために発酵乳をpH調整剤として使用することもできる。コーヒー抽出物、抹茶抽出物のような酸性を示さない香味料に酸味料を加えて用いることもできるし、発酵豆乳との併用も有効である。酸性豆乳のpHは通常2〜6、好ましくは3〜5、さらに好ましくは3.5〜4.5が適当である。
【0030】
次に、得られた酸性の豆乳がすでに液状化している場合は必須ではないが、通常ホモゲナイザー等により均質化処理を行って完全に液状とすることが好ましい。例えば高圧ホモゲナイザーを用いる場合は圧力3〜30MPaが適当である。均質化処理も酸性豆乳飲料の飲み口に大きく影響し、未処理または均質化圧力が3MPa未満の場合は飲み口がざらつきを感じたり、後口のすっきり感が弱まり易い。
【0031】
以上のようにして得られた酸性豆乳飲料が発酵豆乳飲料の場合は、そのまま生菌タイプとして製品化することもできるし、加熱殺菌により発酵を停止させ、乳酸菌の生物的活性の停止を行い、殺菌発酵豆乳飲料として製品化することもできる。かかる場合の殺菌条件としては、乳酸菌を死滅させる温度と時間で処理すれば足りるが、例えば80〜120℃で2〜60秒行うことが好ましい。加熱温度が低すぎると乳酸菌の生物的活性が停止しない場合があり、加熱温度が高すぎると加熱による風味劣化や物性変化を生じる場合がある。
【0032】
本発明の酸性豆乳飲料は、酸性の豆乳とする前に、特定の温度域・時間で豆乳を加熱処理したことにより、粘度が低く飲み口がスッキリとし、大豆特有の青臭み、エグ味などの不快な風味がなく、かつコク味があるものとなる。
【0033】
【実施例】
以下、この発明の実施例を示すが、本発明がこれらによってその技術的範囲が限定されるものではない。
【0034】
<実施例1>
脱皮脱胚軸大豆1重量部(以下、「部」と記載する。)に水10部を加え、85℃で60分間以上浸漬して十分に吸水した脱皮脱胚軸大豆(水分含量40〜55重量%)1部に対し、熱水(90℃)3部を加えたものをグラインダーで処理し、これに重曹溶液を添加してpHを7.3以上8.0以下に調整した。これをホモゲナイザー(APV社製)に供給し、15MPaで均質化処理した。
均質化した磨砕液は遠心分離機によって3000Gで5分間分離して豆乳とおからを得た。得られた原料豆乳は固形分9.0重量%、蛋白質4.5重量%でpHは7.6であった。
この原料豆乳80部を60℃に加熱し、砂糖5部、水溶性ヘミセルロース「ソヤファイブ」(不二製油(株)製)1部を水14部に溶解あるいは分散して添加混合した後、ホモゲナイザーで10MPaで均質化処理したものを、プレート式UHT加熱装置(間接加熱方式)により140℃で30秒間加熱を行った。
加熱後、ラクトバチルス・ブルガリカス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウム・ロンガムの各種市販乳酸菌(凍結乾燥乳酸菌)の個別培養液をスターターとして各0.1重量%ずつ添加し、41℃、6時間、pH4.5まで発酵を行った。発酵後、50%乳酸を加えてpHを4.3に調整し、ホモゲナイザーで10MPaで均質化処理した後、80℃1分間の加熱処理を行い、発酵を止めると同時に乳酸菌の生物的活性を止めた。得られた殺菌発酵豆乳飲料のpHは4.3であった。
【0035】
<実験例>
実施例1と同様の製造方法で、乳酸発酵前の加熱殺菌温度を表1に示す温度に変えて発酵豆乳飲料を調製した。
【0036】
各々得られた発酵豆乳飲料の粘度、乳酸度、風味(総合評価、青臭味・エグ味、スッキリ感、コク味)について評価した結果を表1、表2に示した。風味の評価は5名の社内パネルによって評価した。
【0037】
【表1】
粘度はB型粘度計(BM型)で10℃で測定した。
【0038】
【表2】
・青臭味・エグ味の評点は3点法で行い、平均点で表した。
3点:まったく感じない、2点:やや感じる、1点:はっきり感じる。
・スッキリ感の評点は3点法で行い、平均点で表わした。
3点:はっきり感じる、2点:やや感じる、1点:まったく感じない。
・コク味の評点は3点法で行い、平均点で表した。
3点:はっきり感じる、2点:やや感じる、1点:まったく感じない。
・総合評価の評点は5点法で行い、平均点で表した。
5点:おいしい、4点:ややおいしい、3点:ふつう、2点:ややまずい、1点:まずい。
【0039】
上記結果より、発酵前の加熱処理の温度が130℃(テスト3)と135℃(テスト4)ではその粘度が大きく異なった。すなわち、130℃を超える温度で加熱処理を行うと粘度が低下することよりスッキリ感があり、飲み口が大きく改善される結果となった。また実施例は比較例に比べて青臭味・エグ味、スッキリ感やコク味においても優れていた。
【0040】
<実施例2>
実施例1と同様の製造方法で、乳酸発酵前の加熱時間を15秒に変えて試験を行った。結果を表2に示す。
【0041】
【表3】
【0042】
製造された発酵豆乳飲料の風味は、総合評価4.8点、青臭味・エグ味2.8点で、スッキリ感1.8点、コク味2.8点で、青臭味・エグ味がなく、粘度が低く
飲み口がスッキリとして、且つコク味があり良好であった。
【0043】
<実施例3>
実施例1と同様の製造方法で、加熱装置をインジェクション式加熱装置に変えて試験を行った。結果を表3に示す。
【0044】
【表4】
【0045】
製造された発酵豆乳飲料の風味は、総合評価4.4点、青臭味・エグ味3.0点、スッキリ感2.8点、コク味1.8点で、青臭味・エグ味がなく、粘度が低く飲み口がスッキリとして全体として良好であった。ただしプレート式UHT加熱装置(間接加熱方式)で殺菌したもの(実施例2)と比較するとコク味が少なかった。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したとおり本願発明は、豆乳を酸性にする前に高温で長時間加熱処理することによって、大豆特有の青臭み、エグ味などの不快な風味がなく、粘度が低く飲み口がスッキリとし、且つコク味のある発酵豆乳飲料を提供することが可能となったものである。かかる効果は豆乳を酸性にする前の加熱処理の条件について何ら重要視されず、過度の加熱処理が避けられていた従来の方法では得られないものである。したがって本願発明は酸性豆乳飲料に関連する分野に大いに貢献しうるものである。
Claims (3)
- 豆乳を130〜150℃において、15〜60秒かつ下記式を満たす時間範囲で加熱処理した後、酸性にすることを特徴とする酸性豆乳飲料の製造法。ただし、logは常用対数、Xを加熱温度(℃)、Yを加熱時間(秒)とする。
(式)logY≧46−20.94×logX - 酸性豆乳飲料が発酵豆乳飲料である請求項1記載の酸性豆乳飲料の製造法。
- 加熱処理が間接加熱方式で行われる請求項1又は請求項2記載の酸性豆乳飲料の製造法。
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