JP3399919B2 - 発酵乳食品 - Google Patents

発酵乳食品

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JP3399919B2
JP3399919B2 JP2000291665A JP2000291665A JP3399919B2 JP 3399919 B2 JP3399919 B2 JP 3399919B2 JP 2000291665 A JP2000291665 A JP 2000291665A JP 2000291665 A JP2000291665 A JP 2000291665A JP 3399919 B2 JP3399919 B2 JP 3399919B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、整腸効果が期待で
きるビフィドバクテリウム属細菌を高菌数で含有し、風
味が良好で、かつ低カロリーな発酵乳食品に関する。
【0002】
【従来技術】ビフィドバクテリウム属細菌は、人や動物
の腸内に棲息する有用菌であり、下痢、便秘症、感染症
等の予防または治療、腸内の有害細菌の増殖抑制等その
有用性が臨床的に明らかにされていることから、優れた
食品素材として、ヨーグルトなど各種発酵食品の製造に
用いられている。
【0003】しかし、ビフィドバクテリウム属細菌は、
通常発酵乳製品の製造に用いられる乳酸菌と異なり、ヘ
テロ発酵により乳酸と共に酢酸を産生するため、最終的
に得られる製品中にビフィドバクテリウム属細菌が高濃
度に含まれる場合には、製品中の酢酸量が多くなり、こ
れに伴う酢酸臭も著しくなる。その結果、この酢酸臭と
発酵により生じる発酵臭があいまった不快臭(以下、単
に「不快臭」という)が発生し、製品の風味を著しく劣
化させるという問題が生じていた。
【0004】このような酢酸臭および発酵臭を抑制する
ため、これまでは主に蔗糖や異性化糖、香料等が添加さ
れていたが、製造直後の製品中にビフィドバクテリウム
属細菌の菌数が多く、含有酢酸量が多い場合などでは、
必ずしも満足し得る効果は得られなかった。
【0005】一方、食生活における健康志向が高まるに
つれ、ダイエット食品として低カロリー食品の市場が定
着してきた。これに伴いカロリー源の主要素の一つであ
る甘味料について様々な検討がなされ、近年では多種の
低カロリー甘味料や高甘味度甘味料が使用されるように
なった。
【0006】発酵乳食品ではカロリーを低減する目的で
アスパルテームやステビア等の高甘味度甘味料あるいは
各種糖アルコールが広く用いられてきた。しかし、アス
パルテームは安定性が悪く、特に蛋白分解酵素を有する
乳酸菌を含む発酵乳食品に使用すると、該酵素の作用に
より分解が促進され、結果的に保存中の甘味が低減する
という問題があった。また、高甘味度の甘味料は、甘味
の質に特有のくせがあり、ビフィドバクテリウム属細菌
を含有する発酵乳食品に適用しても蔗糖のごとく不快臭
を軽減することは困難であった。特に、ステビアは特有
の苦味を有するので、その使用量が制限される問題点を
有していた。
【0007】最近になって、新たな高甘味度甘味料とし
てスクラロースが提案されている。そして、その効果と
して酸味や渋みを有する食品の風味が改善されることが
報告されている(特開平10−243776号公報、特
開平10−262601号公報)。しかしながら、両公
報とも実際には酸味あるいは渋みの改善に関するもので
あり、酸味あるいは渋み自体をなくしたりあるいは大幅
に減少させるものではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような実状におい
て、主としてビフィドバクテリウム属細菌を用いて乳又
は乳製品を発酵させた場合あるいはこの発酵により得ら
れた発酵物を含む発酵乳食品を保存した場合に発現する
酢酸臭、発酵臭等を含む不快臭を抑制し、その風味を改
善することが求められており、本発明はそのような発酵
乳食品を提供することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意研究を行った結果、乳又は乳製品を
ビフィドバクテリウム属細菌により発酵させた発酵物に
スクラロースを添加することによりビフィドバクテリウ
ム属細菌由来の酢酸臭、発酵臭等をマスキングできるこ
と、また、このスクラロースに更に糖アルコールを特定
の比率で加えることにより、より風味の優れた発酵乳食
品が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明は、乳又は乳製品をビフ
ィドバクテリウム属細菌により発酵させることにより得
られた発酵物とスクラロースとを含有する発酵乳食品を
提供するものである。
【0011】また、本発明は、更に、スクラロースに対
して糖アルコールを甘味度比で2:8〜8:2の比率で
含有する上記の発酵乳食品を提供するものである。
【0012】更に、本発明は、糖アルコールがマルチト
ールである上記の発酵乳食品を提供するものである。
【0013】更にまた、本発明は、発酵乳食品製造直後
のビフィドバクテリウム属細菌の生菌数が1×10
fu/ml以上である上記の発酵乳食品を提供するもの
である。
【0014】
【発明の実施の形態】本明細書中において発酵乳食品と
は、乳又は乳製品を原料とし、これを主にビフィドバク
テリウム属細菌により発酵させることにより得られる発
酵物を含む食品を指称し、生菌タイプの乳酸菌飲料や、
発酵乳等を含むものである。この発酵乳食品に含まれる
ビフィドバクテリウム属細菌等は殺菌されずに流通、消
費の過程においても生きているものであり、必ずしもこ
れに制約されるものではないが、発酵物中のビフィドバ
クテリウム属細菌の菌体濃度は製造直後で1×107
fu/ml以上の高菌数を維持しているものであること
が好ましい。この程度の菌数であればビフィドバクテリ
ウム属細菌由来の生理作用も十分に得ることができる。
また本発明においては菌体濃度が1×107cfu/m
l以上の場合に特に酢酸臭や不快臭の抑制効果が高い。
【0015】本発明の発酵乳食品の一方の原料である発
酵物は、主としてビフィドバクテリウム属細菌を用いて
乳又は乳製品を発酵させることにより製造される。すな
わち、ビフィドバクテリウム属細菌を単独で種菌として
使用し発酵させても、また、ビフィドバクテリウム属細
菌種菌の他、少量の乳酸菌を種菌として併用しても良
い。
【0016】乳又は乳製品の発酵に使用されるビフィド
バクテリウム属細菌は特に制限されず、ビフィドバクテ
リウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・ビフィダ
ム、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテ
リウム・アドレスセンティス、ビフィドバクテリウム・
アニマリス、ビフィドバクテリウム・カテヌラータム、
ビフィドバクテリウム・シュードカテヌラータム、ビフ
ィドバクテリウム・インファンティス等のビフィドバク
テリウム属細菌を好的に使用することができる。
【0017】また、上記ビフィドバクテリウム属細菌に
併用することのできる乳酸菌は特に制限されず、ラクト
バチルス・カゼイ、ラクトバチルス・マリ、ラクトバチ
ルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・デルブルッキ
ィ サブスピーシーズ.ブルガリカス、ラクトバチルス
・ヘルベティカス等のラクトバチルス属細菌、ストレプ
トコッカス・サーモフィルス等のストレプトコッカス属
細菌、ラクトコッカス・ラクチス サブスピーシーズ.
ラクチス、ラクトコッカス・ラクチス サブスピーシー
ズ.クレモリス等のラクトコッカス属細菌等のラクトコ
ッカス属細菌、エンテロコッカス・フェカーリス等のエ
ンテロコッカス属細菌等いずれも好適に使用できる。
【0018】上記の発酵は、通常の条件で行えば良く、
特に限定されないが、例えば、ビフィドバクテリウム・
ブレーベであれば、乳又は乳製品を含む培地に該菌を接
種し37℃程度で20〜24時間程度まで培養すればよ
い。培養方法は、静置培養、攪拌培養、振盪培養、通気
培養等用いる微生物の培養に適した方法を適宜選択して
用いればよい。
【0019】また、本発明の発酵乳食品の他方の原料で
あるスクラロースは、ショ糖分子内のフルクトース残基
の1,6位およびグルコース残基の4位の3つの水酸基
を塩素分子で置換した構造をしており、ショ糖の約60
0倍の良質の甘味を有する高甘味度甘味料である(英国
特許1543167号)。このスクラロースは、高甘味
度甘味料であり、糖としての使用量は極めて少なくても
十分な甘味を付与することができるため、本発明の発酵
乳食品を低カロリーのものとすることもできる。
【0020】発酵乳食品に対するスクラロースの添加量
は、特に制限されるものでない。しかし、通常は発酵乳
製品当たり0.0017%〜0.013質量%(以下、単
に「%」と記載する)、特に0.003%〜0.01%配
合することが好ましい。
【0021】更に、本発明の発酵乳食品の製造にあたっ
て、甘味料としてスクラロース単独だけでなく、これと
糖アルコールを組み合わせて使用することができる。
【0022】スクラロースと併用することのできる糖ア
ルコールの例としては、マルチトール、エリスリトー
ル、キシリトール、ソルビトール、還元澱粉糖化物等が
挙げられる。なかでもマルチトールと併用すれば、発酵
臭・酸味の抑制効果が高く、風味良好な製品が得られる
ため好ましい。
【0023】スクラロースと糖アルコールを組合せ、発
酵乳食品に添加する場合の添加量は、特に制限されない
がスクラロースと糖アルコールがそれらの甘味度比で
2:8〜8:2、特に4:6から6:4であれば発酵臭
・酸味の抑制効果が高く、製品の風味も良好となるため
好ましい。
【0024】なお、本明細書中の甘味度比は、発酵乳食
品に含まれる甘味料の甘味度の割合を示すものである。
また、甘味度とは、蔗糖の甘味を1として各甘味料の甘
味を相対的に示す値であり、例えばスクラロースの甘味
度は600、マルチトールは0.8、エリスリトールは
0.75である。従って、甘味度比は例えばスクラロー
ス1gとマルチトール1gでは、600:0.8とな
る。具体的にスクラロースと糖アルコールであるマルチ
トールをそれらの甘味度比で2:8を満たす甘味料を調
整するには、スクラロースとマルチトールを質量比で
1:3000とすればよい。
【0025】本発明の発酵乳食品は、甘味料としてスク
ラロースまたはスクラロースと糖アルコールを前記のよ
うに使用する以外は、常法に従って製造することがで
き、更に必要に応じて各種食品素材、例えば、フレーバ
ー、増粘剤、乳化剤、各種ビタミン剤、ハーブエキス剤
等の任意成分を添加することができる。これら食品素材
の具体例としては、バニラ、ピーチ、白ブドウ、レモ
ン、オレンジ等の各種フレーバー、寒天、ゼラチン、カ
ラギーナン、グラーガム、キサンタンガム、ペクチン、
ローカストビーンガム、ジェランガム等の各種増粘(安
定)剤、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エス
テル、レシチン等の乳化剤、ビタミンA、ビタミンB
類、ビタミンC、ビタミンE等の各種ビタミン類、ミン
ト、シナモン、ジンジャー、ローズマリー等のハーブエ
キスを例示することができる。これらの成分はシロップ
液中に加えたり、あるいは別途添加することも可能であ
る。
【0026】こうして得られる本発明の発酵乳食品は、
プレーンタイプ、フレーバードタイプ、フルーツタイ
プ、甘味タイプ等いずれの種類の製品とすることも可能
であり、また、プレーンタイプ、ソフトタイプ、ドリン
クタイプ、固形(ハード)タイプ、フローズンタイプ等
いずれの形態の製品とすることも可能である。
【0027】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明は何らこれらにより制約されるもので
はない。
【0028】実 施 例 1 各種甘味料を用いた発酵乳の製造:25%の還元脱脂乳
に酵母エキスを0.1%添加してなる培地にビフィドバ
クテリウム属細菌としてビフィドバクテリウム・ブレー
ベ YIT4065株(FERM P−15488)を
1.0%接種したものをpH4.4になるまで培養して培
養液を得た(培養物A1)。同様に、25%の還元脱脂
乳の培地に乳酸菌としてストレプトコッカス・サーモフ
ィラス YIT2001株(FERM P−11891)
を0.5%接種したものをpH4.4になるまで培養して
培養液を得た(培養物B1)。それぞれの培養液の菌数
を確認した後、培養物A1と培養物B1を最終製品でのビ
フィドバクテリウム属細菌菌数が1×108cfu/m
l になるように混合、調整した後、ホモゲナイザーに
より150MPaで均質化処理をした。
【0029】この均質化処理物に、それぞれ甘味料とし
て、蔗糖、スクラロース、アスパルテームおよびエリス
リトールと、安定剤としてハイメトキシルペクチンを最
終製品で0.3%となるようにして使用するシロップを
添加、混合しSNF8.0%のヨーグルトを製造した。
【0030】なお、シロップ中の各甘味料は、最終製品
の甘味度が60(6%蔗糖水溶液の甘味度に相当)とな
るように調製した。
【0031】これらのヨーグルトについて、製造直後お
よび15℃で2週間保存した後の酸度測定および風味評
価を、パネラー15名により下記官能評価基準により評
価した。その結果を使用した甘味料と共に表1に示す。
【0032】< 官能評価基準 > 評 点 : 内 容 +2 : 風味が大変よい。 +1 : 風味が良い。 0 : どちらでもない。 −1 : 風味が悪い。 −2 : 風味が大変悪い。
【0033】
【表1】
【0034】表1に示すとおり、蔗糖を用いた場合に
は、甘味のバランスが良く風味良好であったが、保存時
の酸度上昇が激しく、経時的に風味が劣化した。甘味料
としてエリスリトールを使用した場合には、保存後に発
酵臭や酸味があり、風味も劣化した。また、アスパルテ
ームを使用した場合には、保存後に発酵臭や酸味があ
り、甘味が低下し風味が劣化した。これに対し、スクラ
ロースを使用した場合には、保存後に酢酸の酸味や発酵
臭がマスキングされていて、やや甘味が不自然であった
ものの、風味は良好であった。
【0035】実 施 例 2 ビフィドバクテリウム属細菌含有発酵乳の製造:25%
の還元脱脂乳に酵母エキスを0.1%添加してなる培地
にビフィドバクテリウム属細菌としてビフィドバクテリ
ウム・ブレーベ YIT4065株を1.0%接種したも
のをpH4.4になるまで培養して培養液を得た(培養
物A2)。同様に、25%の還元脱脂乳の培地に乳酸菌
としてストレプトコッカス・サーモフィラス YIT2
001株を0.5%接種したものをpH4.4になるまで
培養して培養液を得た(培養物B2)。それぞれの培養
液の菌数を確認した後、培養物A2と培養物B2を最終製
品でのビフィドバクテリウム属細菌菌数が1×108
fu/ml になるように混合、調整した後、ホモゲナ
イザーにより150MPaで均質化処理をした。
【0036】別途、安定剤としてハイメトキシルペクチ
ンを最終製品で0.3%となる量を含み甘味度比が表2
になるよう、スクラロースとマルチトールの比率を変化
させて混合し、甘味度比が異なるシロップ液を調整し
た。
【0037】前記の均質化処理物に発酵乳飲料の甘味度
が60となる量のシロップ液を添加し、SNF8.0%
のヨーグルトを製造した。
【0038】これらのヨーグルトについて製造直後の風
味を、パネラー15名により下記官能評価基準により評
価した。その結果を甘味料の甘味度の割合と共に表2に
示す。
【0039】 < 官能評価基準 > 評 点 : 内 容 5 : 酢酸臭、酸味、不快臭がかなり強く感じられる。 4 : 酢酸臭がかなり強く感じられる。 3 : 酢酸臭が感じられる。 2 : 酢酸臭が若干感じられる。 1 : 酢酸臭がほとんど感じられない。
【0040】
【表2】
【0041】表2に示すとおり、本発明のビフィドバク
テリウム属細菌含有発酵乳はスクラロース使用量として
は、甘味度の割合として20〜80%までの使用により
風味が良好であることを確認した。特に40〜60%ま
での使用により酸味と甘みのバランスの優れたものとな
った。よって甘味料としてスクラロースを単体で使用す
るよりも、マルチトールと併用することにより更に酸味
が軽減され風味的にも良くなる傾向がみられた。
【0042】実 施 例 3 ビフィドバクテリウム属細菌含有発酵乳の製造:25%
の還元脱脂乳に酵母エキスを0.1%添加してなる培地
にビフィドバクテリウム属細菌としてビフィドバクテリ
ウム・ブレーベ YIT4065株を1.0%接種したも
のをpH4.4になるまで培養して培養液を得た(培養
物A3)。同様に、25%の還元脱脂乳の培地に乳酸菌
としてストレプトコッカス・サーモフィラス YIT2
001株を0.5%接種したものをpH4.4になるまで
培養して培養液を得た(培養物B3)。それぞれの培養
液の菌数を確認した後、培養物A3と培養物B3を混合
し、最終製品でのビフィドバクテリウム属細菌菌数が1
×105〜1×109cfu/mlになる発酵乳をいくつ
か調製し、ホモゲナイザーにより150MPaで均質化
処理をした。
【0043】別途、甘味料としてスクラロースとマルチ
トールを甘味度比で6:4に調整してシロップを得、こ
れを上記の発酵乳に、甘味度が60となるように混合
し、SNF8.0%のヨーグルトを製造した。なお、対
照品としては上記シロップ中のスクラロースをアスパル
テームに代えたものを用いた。
【0044】これらのヨーグルトについて製造直後の風
味および15℃で2週間保存した後の酸度測定および風
味評価を、パネラー15名により実施例2と同様の官能
評価基準により評価した。その結果を製品中のビフィド
バクテリウム属細菌の菌数と共に表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】表3に示すとおり、甘味料としてスクラロ
ースとマルチトールを併用した場合も、アスパルテーム
とマルチトールを併用した場合も製品中のビフィドバク
テリウム属細菌菌数が多いものほど酢酸臭が強く感じら
れた。しかし、スクラロースとマルチトールを併用した
ものの方が、アスパルテームとマルチトールを併用した
場合と比べて酢酸臭が少なく感じられ、保存中の酸味の
変化も少なくなる傾向が認められたた。更に酢酸臭の抑
制効果は製品中のビフィドバクテリウム属細菌菌数が1
×107cfu/ml以上のもので顕著にみられた。
【0047】実 施 例 4 ビフィドバクテリウム属細菌含有発酵乳飲料の製造:2
5%の還元脱脂乳に酵母エキスを0.1%添加してなる
培地にビフィドバクテリウム属細菌としてビフィドバク
テリウム・ブレーベ YIT4065株を1.0%接種し
たものをpH4.4になるまで培養して培養液を得た
(培養液A4)。同様に25%の還元脱脂乳の培地に乳
酸菌としてストレプトコッカス・サーモフィラス YI
T2001株を0.5%接種したものをpH4.4になる
まで培養して培養液を得た(培養液B4)。
【0048】別途スクラロース0.07gおよびマルチ
トール36g(甘味度比は6:4)ならびにハイメトキ
シルペクチン3gを水で溶解し、全量を680gとした
後。90℃で10分間加熱し、更に冷却してシロップを
得た。上記培養液A4およびB4を、最終製品中でのビフ
ィドバクテリウム属細菌数が1×108cfu/mlと
なるように混合した後、これにシロップおよび少量の香
料を混合し、15MPaで均質化処理をして最終的にS
NF8.0%のドリンクタイプのヨーグルトを得た。
【0049】この様にして得られた製品は酢酸臭が抑え
られ良好な風味であり、さらにこれを15℃で2週間保
存し、風味の追跡調査を行ったところ保存期間を通じて
良い風味の評価が得られた。
【0050】実 施 例 5 ビフィドバクテリウム属細菌含有発酵乳の製造:25%
の還元脱脂乳に酵母エキスを0.1%添加してなる培地
にビフィドバクテリウム属細菌としてビフィドバクテリ
ウム・ビフィダム YIT4007株(FERM BP
−791)およびビフィドバクテリウム・ブレーベYI
T4065株をそれぞれ1.0%づつ接種したものをp
H4.4になるまで培養して培養液を得た(培養物
5)。同様に25%の還元脱脂乳の培地に乳酸菌とし
てラクトバチルス・アシドフィルス YIT0070株
(ATCC 4356)を0.5%接種したものをpH
4.4になるまで培養して培養液を得た(培養物B5)。
【0051】別途スクラロース0.07gおよびマルチ
トール36g(甘味度比は6:4)ならびにゼラチンお
よび寒天からなるゲル化剤製剤7gを水で溶解、混合
し、全量を680gとした後、90℃で10分間加熱
し、冷却した。この混合物と、上記培養液を最終製品で
のビフィドバクテリウム属細菌数が1×108cfu/
mlとなるように混合したものおよび少量の香料と混合
し、15MPaで均質化処理をして最終的にSNF8.
0%のハードタイプのヨーグルトを得た。
【0052】この様にして得られたヨーグルトの風味は
酢酸臭が抑えられ良好であり、さらにこれを15℃で2
週間保存し、風味の追跡調査を行ったところ保存期間を
通じて良い風味の評価が得られた。
【0053】
【発明の効果】本発明は乳又は乳製品をビフィドバクテ
リウム属細菌により発酵させることにより得られる発酵
物に甘味料としてスクラロースを含有することで、発酵
時および製品保存時に発現するビフィドバクテリウム属
細菌由来の酢酸臭、発酵臭などを含む不快臭を抑制し、
優れた風味の発酵乳食品の提供を可能としたものであ
る。特に、ビフィドバクテリウム属細菌数が1×107
cfu/ml以上という高菌数の場合であっても有効に
不快臭を抑制するものである。
【0054】したがって、本発明により、高菌数でビフ
ィドバクテリウム属細菌を含みながら風味の改善された
発酵乳食品を提供することが可能となった。また、高甘
味度のスクラロースを使用するため、本発明の発酵乳食
品は低カロリーで、健康維持のためにも好ましいもので
ある。 以 上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−137172(JP,A) 特開 平11−113484(JP,A) 特開 平6−253734(JP,A) 特開 昭53−32160(JP,A) 特開 平8−214774(JP,A) 特開2002−65156(JP,A) 特開2002−65155(JP,A) 国際公開00/24273(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23C 9/127 A23C 9/13 A23L 1/307 食品関連文献情報(食ネット)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳又は乳製品をビフィドバクテリウム属
    細菌により発酵させることにより得られた発酵物とスク
    ラロースとを含有することを特徴とする発酵乳食品。
  2. 【請求項2】 更に、スクラロースに対して糖アルコー
    ルを甘味度比で2:8〜8:2の比率で含有することを
    特徴とする請求項第1項記載の発酵乳食品。
  3. 【請求項3】 糖アルコールがマルチトールであること
    を特徴とする請求項第1項又は第2項記載の発酵乳食
    品。
  4. 【請求項4】 発酵乳食品製造直後のビフィドバクテリ
    ウム属細菌の生菌数が1×107cfu/ml以上であ
    ることを特徴とする請求項第1項ないし第3項の何れか
    の項記載の発酵乳食品。
JP2000291665A 2000-09-26 2000-09-26 発酵乳食品 Expired - Lifetime JP3399919B2 (ja)

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