JP2002065156A - 低カロリー発酵乳食品 - Google Patents

低カロリー発酵乳食品

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JP2002065156A
JP2002065156A JP2000258864A JP2000258864A JP2002065156A JP 2002065156 A JP2002065156 A JP 2002065156A JP 2000258864 A JP2000258864 A JP 2000258864A JP 2000258864 A JP2000258864 A JP 2000258864A JP 2002065156 A JP2002065156 A JP 2002065156A
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low
sweetness
flavor
calorie
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Akihisa Matsui
彰久 松井
Junji Nose
淳史 野瀬
Susumu Mizusawa
進 水澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低カロリーでありながら保存中の甘味の低減
や酸味、発酵臭の発現を抑制し保存安定性に優れた低カ
ロリ−発酵乳食品の提供すること。 【解決手段】 スクラロースと糖アルコールを添加する
ことにより、保存安定性が高く、風味の改善された低カ
ロリー発酵乳食品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は保存安定性が高く、
風味の改善された低カロリー発酵乳食品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から発酵乳、乳製品乳酸菌飲料等の
発酵乳食品は、優れた嗜好性、生理作用を有する食品と
して、広く飲食されてきている。そして、これらに風味
を付与するために蔗糖や異性化糖等の糖質が添加されて
いる。しかし、これらの糖質を添加した場合、製品保存
中にその酸度が増加し、製品の風味が低下することが問
題となっていた。
【0003】一方、食生活における健康志向が高まり、
ダイエット食品として低カロリー食品の市場が定着して
きた。これに伴いカロリー源の主要素の一つである甘味
料について様々な検討がなされており、近年多種の低カ
ロリー甘味料や高甘味度甘味料が使用されるようになっ
た。
【0004】発酵乳食品ではカロリーを低減する目的で
アスパルテームやステビア等の高甘味度甘味料あるいは
各種糖アルコールが用いられてきた。しかし、アスパル
テームは安定性が悪く、特に蛋白分解酵素を有する乳酸
菌を含む発酵乳食品に使用すると、該酵素の作用により
分解が促進され、結果的に保存中の甘味が低減するとい
う問題があった。また、高甘味度の甘味料は、甘味の質
に特有のくせがあり、発酵乳食品に適用しても蔗糖のご
とく優れた風味を付与することは困難であった。特に、
ステビアは特有の苦味を有するため使用量が制限される
問題点を有していた。
【0005】更に、これらの高甘味度甘味料は、使用量
が極わずかであるため、必然的に製品レベルでのボディ
感が低下してしまう。そして、固形分不足によるボディ
感の低下は、固形分の存在によりマスキングされていた
発酵臭や酸味といった不快な臭味を発現させてしまう。
【0006】一方、最近になって、新たな高甘味度甘味
料としてスクラロースが提案されている。そして、その
効果として酸味や渋みを有する食品の風味が改善される
ことを報告している(特開平10−243776号公
報、特開平10−262601号公報)。しかしなが
ら、このスクラロースを用いても発酵乳食品の発酵に伴
い発現する発酵臭や酸味を抑制することは困難であり、
更なる風味の改良が望まれている。
【0007】また、本発明者らが検討したところによる
と、上記発酵臭や酸味は、発酵乳食品中に柑橘系の果汁
が添加されている場合に特に顕著であった。このため、
柑橘系の果汁を含有する場合においても、十分に発酵臭
・酸味を抑制することが望まれる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、製品保存時においても酸度上昇を生ぜず、発酵に伴
う発酵臭、酸味などの不快臭味を抑制された低カロリー
の発酵乳食品を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、低カロリー
発酵乳食品に添加する甘味料について鋭意検討を行って
いたところ、高甘味度甘味料であるスクラロースは、発
酵食品中でも乳酸菌に分解されることなく、保存中に甘
味が低減しないので、低カロリー発酵乳食品用甘味料と
して好適であることを見出した。また、このスクラロー
スを単独で使用すると、人工的な甘味感があるが、これ
に糖アルコールを一定の割合で加えるとこの人工的な甘
味感は消失し、更に発酵乳食品を保存した場合に生じる
酸味や発酵臭の抑制効果が相乗的に得られることを見出
し、本発明を完成した。
【0010】すなわち本発明はスクラロースと糖アルコ
ールを含有することを特徴とする低カロリー発酵乳食品
を提供するものである。
【0011】また、本発明はスクラロースと糖アルコー
ルを、甘味度比で2:8〜8:2の比率で含有すること
を特徴とする低カロリー発酵乳食品を提供するものであ
る。
【0012】更に、本発明は糖アルコールがマルチトー
ルあるいはエリスリトールであることを特徴とする上記
の低カロリー発酵乳食品を提供するものである。
【0013】更にまた、本発明は上記発酵乳食品が柑橘
系果汁を含有する低カロリー発酵乳食品を提供するもの
である。
【0014】また更に、本発明は発酵を、主としてラク
トバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・アシドフィル
ス、ラクトバチルス・ブルガリカス及びストレプトコッ
カス・サーモフィルスから選ばれる乳酸菌の1種または
2種以上を用いて行うことにより得られたものである上
記低カロリー発酵乳食品を提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本明細書中において発酵乳食品と
は、乳又は乳製品を原料とし、これを乳酸菌により発酵
させることにより得られる生菌タイプの乳酸菌飲料、発
酵乳等を指称するものであり、この発酵乳食品に含まれ
る菌は殺菌されずに流通、消費の過程においても生きて
いるものである。
【0016】本発明の低カロリー発酵乳飲食品は、甘味
料としてスクラロースと糖アルコールを使用する以外
は、常法に従って製造することができる。すなわち、乳
または乳製品を殺菌した後、これに乳酸菌の種菌を接種
し、所定の酸度となるまで培養し、甘味料の他必要に応
じてフレーバー、増粘剤等の任意成分を添加することに
より製造することができる。
【0017】本発明の低カロリー発酵乳食品の製造に使
用される乳酸菌は特に制限されず、ラクトバチルス・カ
ゼイ、ラクトバチルス・マリ、ラクトバチルス・アシド
フィルス、ラクトバチルス・デルブルッキィ サブスピ
ーシーズ.ブルガリカス、ラクトバチルス・ヘルベティ
カス等のラクトバチルス属細菌、ストレプトコッカス・
サーモフィルス等のストレプトコッカス属細菌、ラクト
コッカス・ラクチスサブスピーシーズ.ラクチス、ラク
トコッカス・ラクチス サブスピーシーズ.クレモリス
等のラクトコッカス属細菌等のラクトコッカス属細菌、
エンテロコッカス・フェカーリス等のエンテロコッカス
属細菌等いずれも好適に使用できる。中でも、ラクトバ
チルス・カゼイ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラ
クトバチルス・ブルガリカス及びストレプトコッカス・
サーモフィルスを使用すると本発明の低カロリー発酵乳
食品の風味が良好であるため好ましい。
【0018】また、上記乳酸菌に他の微生物、例えば、
ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウ
ム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ロンガム等の
ビフィドバクテリウム属細菌、バチルス属、アセトバク
ター属、グルコノバクター属等の細菌類、サッカロミセ
ス属、キャンディダ属、ロドトルーラ属、ピチア属、シ
ゾサッカロミセス属、トルラ属、チゴサッカロミセス属
等の酵母類、あるいは、アスペルギルス属、ペニシリウ
ム属、ユウロチウム属、モナスカス属、ミコール属、ニ
ュウロスポラ属、リゾープス属等の糸状菌等を併用して
発酵を行っても良い。
【0019】発酵方法は、通常の条件で行えばよく特に
限定されないが、例えば、ラクトバチルス・カゼイであ
れば、乳又は乳製品を含む培地に該菌を接種し35℃程
度で15〜25時間程度まで培養すればよい。培養方法
は、静置培養、攪拌培養、振盪培養、通気培養等用いる
微生物の培養に適した方法を適宜選択して用いればよ
い。
【0020】本発明の低カロリー発酵乳食品の製造にあ
たっては、甘味料としてスクラロースと糖アルコールを
組み合わせて使用し、しかもそれらの量を甘味度比で
2:8から8:2の比率として使用することが好まし
い。
【0021】本発明において甘味度比とは、低カロリー
発酵乳食品に含まれる甘味料の甘味度の割合を示すもの
である。また、甘味度とは、蔗糖の甘味を1として各甘
味料の甘味を相対的に示す値であり、例えばスクラロー
スの甘味度は600、マルチトールは0.8、エリスリ
トールは0.75、ラクチトールは0.4、ソルビトール
は0.6、キシリトールは1.0、パラチニットは0.5
である。従って、甘味度比は例えばスクラロース1gと
マルチトール1gでは、600:0.8となる。
【0022】本発明において使用されるスクラロース
は、ショ糖分子内のフルクトース残基の1,6位および
グルコース残基の4位の3つの水酸基を塩素分子で置換
した構造をしており、上記のようにショ糖の約600倍
の良質の甘味を有する高甘味度甘味料である(英国特許
1543167号)。
【0023】一方、本発明の低カロリー発酵乳食品にお
いてスクラロースと併用される糖アルコールとしては、
マルチトール、エリスリトール、キシリトール、ソルビ
トール、還元澱粉糖化物等が挙げられる。なかでもマル
チトールと併用すれば、発酵臭・酸味の抑制効果が高
く、風味良好な製品が得られるため好ましい。
【0024】これらの甘味料の低カロリー発酵乳食品に
対する添加量は特に制限されないが、スクラロースと糖
アルコールがそれらの甘味度比で2:8〜8:2、特に
3:7〜7:3であれば発酵臭・酸味の抑制効果が高
く、製品の風味も良好となるため好ましい。また、両者
を合わせた添加量としては、最終製品の甘味度が50〜
90、特に60〜80となる量とすることが風味面から
好ましい。具体的にスクラロースと糖アルコールである
マルチトールを用い、それらの甘味度比で8:2(スク
ラロース8、マルチトール2)を満たす甘味料を調整す
るには、スクラロースとマルチトールを質量比で1:3
000とすればよい。
【0025】また、これらの甘味料はレモン果汁、グレ
ープフルーツ果汁、オレンジ果汁、ライム果汁等の柑橘
系果汁を含む発酵乳食品に添加される場合に、特に風味
の改善効果が高い。すなわち、他の高甘味度甘味料を併
用した場合やスクラロースを単独使用した場合では、柑
橘系果汁由来の酸味と発酵由来の酸味とがあいまって生
ずる酸味を抑制することは困難であるが、本発明の甘味
料を用いれば、発酵臭・酸味の抑制され、風味も向上し
た柑橘系果汁入りの低カロリー発酵乳食品を得られるの
である。
【0026】本発明の低カロリー発酵乳食品において添
加される果汁の量は特に制限されず、果汁の固形分換算
でおおむね0.1質量%〜5.0質量%(以下、単に
「%」と記載する)、特に0.2%〜1.0%が好まし
い。
【0027】また、これら甘味料(スクラロースおよび
糖アルコール)や柑橘系果汁の配合時期、配合方法も特
に限定されず、発酵乳製造時の任意段階、すなわち発酵
前、発酵途中、発酵後のいずれかの段階で添加すればよ
い。配合は、これらを直接発酵乳に添加して行ってもよ
いが、別途甘味料、果汁を含むシロップ液として、発酵
後の発酵乳に混合することが好ましい。
【0028】上記のようにして得られた発酵乳食品を製
品とするには、必要に応じて他の食品素材、すなわち、
各種フレーバーや、寒天、ゼラチンカラギーナン、グラ
ーガム、キサンタンガム、ペクチン、ローカストビーン
ガム、ジェランガム等の各種増粘(安定)剤、ショ糖脂
肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、レシチン等
の乳化剤、あるいはビタミンA、ビタミンB類、ビタミ
ンC、ビタミンE等の各種ビタミン類、ハーブエキス等
を添加してもよい。これらの成分はシロップ液中に加え
たり、あるいは別途添加することも可能である。
【0029】こうして得られる製品は、プレーンタイ
プ、フレーバードタイプ、フルーツタイプ、甘味タイプ
等いずれの種類の製品とすることも可能であり、また、
プレーンタイプ、ソフトタイプ、ドリンクタイプ、固形
(ハード)タイプ、フローズンタイプ等いずれの形態の
製品とすることも可能である。
【0030】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明は何らこれらに制約されるものではな
い。
【0031】試 験 例 1 各種甘味料を用いた発酵乳飲料の製造:20%脱脂粉乳
溶液に、ラクトバチルス・カゼイYIT9029株およ
びストレプトコッカス・サーモフィルスYIT2001
株をそれぞれ0.1%接種し、35℃でpH4.3まで培
養し発酵乳を得た。別途、表1に示す甘味料およびハイ
メトキシルペクチン3gを水に溶解し、全量を600g
として120℃で3秒間加熱殺菌しシロップ液とした。
このシロップ液の各甘味料の使用量は最終的に得られる
発酵乳飲料が甘味度60、すなわち蔗糖6%水溶液の甘
味に相当するように調整した。
【0032】得られた発酵乳400gとシロップ液60
0gを混合後、ホモゲナイザーにて15MPaで均質化
して発酵乳飲料とした。
【0033】これらの発酵乳飲料について、製造直後お
よび15℃で2週間保存した後の酸度測定および風味評
価を、パネラー15名により下記官能評価基準により評
価した。その結果を使用した甘味料と共に表1に示す。
【0034】 < 官能評価基準 > 評 点 : 内 容 +2 : 風味がよい。 +1 : 風味がやや良い。 0 : 普通。 −1 : 風味がやや悪い。 −2 : 風味が悪い。
【0035】
【表1】
【0036】表1に示すとおり、蔗糖を使用した場合に
は、発酵臭や酸味が抑制され風味良好であったが、保存
後の酸度上昇が激しく、経時的に風味が劣化した。甘味
料としてエリスリトールを使用した場合には、保存後に
発酵臭や酸味が目立ち、やや風味が劣化した。またアス
パルテームを使用した場合には、保存後の甘味が低下し
風味が劣化した。更に、スクラロースを使用した場合に
は、保存後の甘味および風味の劣化はほとんどなく、良
好なものであった。
【0037】実 施 例 1 低カロリー発酵乳飲料の製造(1):甘味料として表2
に示すものを最終製品の甘味度60、それぞれの甘味料
の添加量は甘味度比で1:1として用いる以外は、試験
例1と同様の製造方法で低カロリー発酵乳飲料を製造し
た。得られた低カロリー発酵乳飲料について、酸度測定
および風味評価を試験例1と同様の評価基準により評価
した。その結果を使用した甘味料と共に表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】表2に示すとおり、甘味料としてスクラロ
ースとマルチトールを併用した場合にのみ、スクラロー
スを単独で使用した場合よりも風味改良効果が高まり、
発酵臭・酸味も抑制された。
【0040】実 施 例 2 低カロリー発酵乳飲料の製造(2):20%脱脂粉乳溶
液に、ラクトバチルス・カゼイYIT9029株(FE
RMBP−1366)およびストレプトコッカス・サー
モフィルスYIT2001株(FERM P 1189
1)をそれぞれ0.1%接種し、35℃でpH4.3まで
培養し発酵乳を得た。別途、表3の甘味料およびハイメ
トキシルペクチン3g及びレモン果汁5.0gを水に溶
解し、全量600gとして120℃で3秒間加熱殺菌し
シロップ液とした。このシロップ液は最終濃度として甘
味度60とした。なお、2種の甘味料を併用する場合に
は、それぞれの甘味料が甘味度比で1:1となるように
添加量を調整した。
【0041】得られた発酵乳400gとシロップ液60
0gを混合後、ホモゲナイザーにて15MPaで均質化
して低カロリー発酵乳飲料とした。
【0042】得られた低カロリー発酵乳飲料について、
酸度測定および風味評価を試験例1と同様の評価基準に
より評価した。その結果を使用した甘味料と共に表3に
示す。
【0043】
【表3】
【0044】表3に示すとおり、果汁を含有する低カロ
リー発酵乳飲料においては甘味料としてスクラロースを
使用した場合には、ボディ感が少なくやや人工的な甘味
であったが、マルチトールまたはエリスリトールと併用
した場合にはボディ感が補われ酸味もまろやかで風味が
良好であった。
【0045】実 施 例 3 低カロリー発酵乳飲料の製造(3):20%脱脂粉乳溶
液に、乳酸菌としてストレプトコッカス・サーモフィル
スYIT2001株を0.5%、ラクトバチルス・ブル
ガリカスYIT0046株(ATCC 11842)を
1.0%接種し、37℃で20時間発酵させて発酵乳を
得た。この発酵乳に甘味料としてスクラロースと糖アル
コールであるマルチトールを、最終的に得られる発酵乳
飲料の甘味度が60となるようにそれぞれの比率を変化
させた水溶液として添加し、甘味度比が異なる低カロリ
ー発酵乳飲料(SNF8.0)を製造した。また対照と
してアスパルテームとマルチトールを併用した低カロリ
ー発酵乳飲料も製造した。
【0046】これらの低カロリー発酵乳飲料を15℃で
2週間保存したものの風味の経時変化を、パネラー15
名により下記官能評価基準および総合評価基準により評
価した。その結果を甘味料の甘味度の割合と共に表4に
示す。
【0047】 < 官能評価基準 > 評 点 : 内 容 5 : 調製時と良く一致している。 4 : 調製時とやや異なる。 3 : 調製時と異なるが嗜好性は良い。 2 : 調製時と異なり嗜好性も劣る。 1 : 調製時と異なり嗜好性もかなり劣る。
【0048】 < 総合評価基準 > 評 価 : 内 容 ○ : 保存期間を通じて風味が良好である。 △ : 保存中の風味変化は比較的少ないが全般的に嗜好性が劣る。 × : 保存中の風味変化が比較的大きく嗜好性が悪くなる。
【0049】
【表4】
【0050】表4に示すとおり、本発明の低カロリー発
酵乳飲料はスクラロース使用量としては、甘味度の割合
として80%までの使用により風味が良好であり、また
20%以上使用することにより保存期間中の酸味、発酵
臭の発現が抑えられていた。よって20%〜80%使用
したものが保存期間を通じて風味が良好であることを確
認した。一方、対照としたアスパルテームを60%とマ
ルチトール40%を含む低カロリー発酵乳飲料は保存期
間において経時的に風味が悪くなった。
【0051】実 施 例 4 低カロリー発酵乳飲料の製造(4):甘味料に使用され
る糖アルコールをエリスリトールとする以外は、実施例
3と同様の製造方法で低カロリー発酵乳飲料を製造し
た。得られた低カロリー発酵乳飲料について、実施例3
と同様の評価基準により評価した。その結果を使用した
甘味料の甘味度の割合と共に表5に示す。
【0052】
【表5】
【0053】表5に示すとおり、本発明の低カロリー発
酵乳飲料はスクラロース使用量としては、甘味度の割合
として70%までの使用により風味が良好であり、また
30%以上使用することにより保存期間中の酸味、発酵
臭の発現が抑えられていた。よって30%〜70%使用
したものが保存期間を通じて風味が良好であることを確
認した。一方、対照としたアスパルテームを60%とマ
ルチトール40%を含む低カロリー発酵乳飲料は保存期
間において経時的に風味が悪くなった。
【0054】実施例3および実施例4より、甘味料とし
てスクラロースと併用する糖アルコールとしてマルチト
ールとエリスリトールとを比較した場合、低カロリー発
酵乳の保存時に生じる酸味や発酵臭の抑制については、
マルチトールの方が高い効果が得られた。
【0055】実 施 例 5 低カロリー発酵乳飲料の製造(5):25%の還元脱脂
乳からなる培地にストレプトコッカス・サーモフィルス
YIT2001株0.5%およびラクトバチルス・ブル
ガリカスYIT0046株1.0%の各菌液を接種し、
37℃でpH4.3となるまで培養して培養液を得た。
【0056】別に、スクラロース0.09gおよびマル
チトール45g(甘味度比6:4)ならびにローメトキ
シルペクチン3gを水で溶解して全量を650gの溶液
を得た。この溶液を90℃で10分間加熱後、冷却した
ものと、少量の香料を添加した上記培養液350gを混
合後、15MPaで均質化処理をして低カロリー発酵乳
飲料を得た。これを15℃で2週間保存した後、風味の
追跡調査を行った。その結果、この低カロリー発酵乳飲
料は保存期間を通じて良い風味評価が得られた。
【0057】実 施 例 6 低カロリー発酵乳の製造:25%の還元脱脂乳からなる
培地に実施例5と同様ストレプトコッカス・サーモフィ
ルスYIT2001株0.5%およびラクトバチルス・
アシドフィルスYIT0070株(ATCC 435
6)1.0%の各菌液を接種し、pH4.3となるまで
培養して培養液を得た。
【0058】別に、スクラロース0.08gおよびエリ
スリトール27.4g(甘味度比7:3)と、ゼラチン
および寒天からなるゲル化剤製剤7gとを水で溶解して
全量を650gの溶液とした。この溶液を90℃で10
分間加熱後、冷却したものと、少量の香料を添加した上
記培養液350gとを混合後、15MPaで均質化処理
をして低カロリー発酵乳(ハードタイプ)を得た。これ
を15℃で2週間保存した後、風味の追跡調査を行っ
た。その結果、この発酵乳は保存期間を通じて良い風味
評価が得られた。
【0059】
【発明の効果】本発明は甘味料としてスクラロースと糖
アルコールを甘味度比で2:8〜8:2の比率で併用す
ることにより、低カロリーでありながら保存中の甘味の
低減や酸味、発酵臭の発現が抑制され、保存安定性が優
れた低カロリ−発酵乳食品の提供を可能としたものであ
る。
【0060】したがって、本発明により保存安定性が高
く、風味の改善された低カロリー発酵乳食品を提供する
ことが可能となった。 以 上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23L 2/44 A23L 2/00 G 2/38 P (72)発明者 水澤 進 東京都港区東新橋1丁目1番19号 株式会 社ヤクルト本社内 Fターム(参考) 4B001 AC02 AC21 AC31 BC14 EC01 EC05 4B017 LC02 LC04 LC10 LG02 LK12 LK21 LL02 LP05 4B018 LB07 LB08 LE04 MD29 MD32 MD52 MD71 MD86 ME01 MF13 4B041 LC01 LC10 LD10 LK11 LK12 LK30 LK37 LK42 LP15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スクラロースと糖アルコールを含有する
    ことを特徴とする低カロリー発酵乳食品。
  2. 【請求項2】 スクラロースと糖アルコールを、甘味度
    比で2:8〜8:2の比率で含有することを特徴とする
    請求項第1項記載の低カロリー発酵乳食品。
  3. 【請求項3】 糖アルコールがマルチトールあるいはエ
    リスリトールである請求項第1項又は第2項記載の低カ
    ロリー発酵乳食品。
  4. 【請求項4】 更に、柑橘系果汁を含有する請求項第1
    項ないし第3項の何れかの項記載の低カロリー発酵乳食
    品。
  5. 【請求項5】 発酵を、主としてラクトバチルス・カゼ
    イ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス
    ・ブルガリカス及びストレプトコッカス・サーモフィル
    スから選ばれる乳酸菌の1種または2種以上を用いて行
    うことにより得られたものである請求項第1項ないし第
    4項の何れかの項記載の低カロリー発酵乳食品。
JP2000258864A 2000-08-29 2000-08-29 低カロリー発酵乳食品 Pending JP2002065156A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008099674A (ja) * 2006-09-22 2008-05-01 Sanei Gen Ffi Inc カットフルーツの風味改良方法
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JPWO2013047486A1 (ja) * 2011-09-27 2015-03-26 株式会社明治 甘味料入り液状発酵乳及びその製造方法
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