JP2019062803A - 新規乳酸菌及び新規乳酸菌を含む組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 クレモリス菌由来の風味を活かしつつ、通常の発酵飲食品と同等程度に曳糸性がほとんどない発酵飲食品を得ることができる新規なクレモリス菌を提供すること。【解決手段】 ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス NITE P−02535(受託番号:NITE P−02535);ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス NITE P−02535(受託番号:NITE P−02535)の乳酸菌を含む、組成物、飲食品組成物、医薬組成物又は発酵飲食品、並びにこれらの製造方法;乳原料を含む殺菌調乳液に、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス NITE P−02535(受託番号:NITE P−02535)の乳酸菌を添加してpH5.0以下になるまで発酵させる発酵飲食品の製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は、新規乳酸菌、新規乳酸菌を含む組成物及び発酵飲食品、並びにこれらの製造方法に関する。
発酵乳製品に用いられる中温性乳酸球菌であるラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)菌を使用することで、独特の強いチーズ様風味と強い粘性及び曳糸性とを有する発酵乳を製造することができることが知られている(例えば、特許文献1)。
近年、このクレモリス菌を使用した発酵乳が、日本において、コーカサス地方に由来し、強い粘性及び曳糸性を有することを特徴とする、いわゆるカスピ海ヨーグルトという名称の発酵物として注目され、さらに粘性や曳糸性の特徴を高める方向で研究開発が進められている。この強い粘性や曳糸性は、当該クレモリス菌の菌体外多糖類が粘性多糖類であることに起因するといわれている(例えば、特許文献2)。
近年、このクレモリス菌を使用した発酵乳が、日本において、コーカサス地方に由来し、強い粘性及び曳糸性を有することを特徴とする、いわゆるカスピ海ヨーグルトという名称の発酵物として注目され、さらに粘性や曳糸性の特徴を高める方向で研究開発が進められている。この強い粘性や曳糸性は、当該クレモリス菌の菌体外多糖類が粘性多糖類であることに起因するといわれている(例えば、特許文献2)。
本発明者は、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)菌(以下、「クレモリス菌」ともいう)に由来する風味(例えば、チーズ香等)に着目した。
しかしながら、クレモリス菌の特徴的な高い曳糸性によって、喫食者にとっては、このクレモリス菌を含む発酵飲食品を食べたときに糸を曳くような口腔内に残存感があり、また糸を曳くので服や口の周り等に発酵飲食品が付着して食べにくいという問題点があった。
しかしながら、クレモリス菌の特徴的な高い曳糸性によって、喫食者にとっては、このクレモリス菌を含む発酵飲食品を食べたときに糸を曳くような口腔内に残存感があり、また糸を曳くので服や口の周り等に発酵飲食品が付着して食べにくいという問題点があった。
特許文献1及び2のように、クレモリス菌特有の高い曳糸性の特徴を活かす方向で食品開発がされているのが現状である。このため、この重要視されている曳糸性を大幅に低減させようとする本発明者の方向性は、全く新しい方向性であり、この新しい方向性を達成するための新たな技術を見出す必要性が生じた。
そこで、本発明者は、従来のクレモリス菌を使用した製造方法等も思案したが、敢えて、特徴とされる曳糸性を大幅に低減しつつ、かつクレモリス菌由来の風味を発酵飲食品に付与することができる新規なクレモリス菌を探索することとした。
そこで、本発明者は、従来のクレモリス菌を使用した製造方法等も思案したが、敢えて、特徴とされる曳糸性を大幅に低減しつつ、かつクレモリス菌由来の風味を発酵飲食品に付与することができる新規なクレモリス菌を探索することとした。
すなわち、本技術は、クレモリス菌由来の風味を活かしつつ、通常の発酵飲食品と同等程度に曳糸性が非常に少ない発酵飲食品を得ることができる新規なクレモリス菌を提供することを主な目的とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、自然界から採取した多数の菌株から、乳発酵性を有し、かつ曳糸性が少なく、チーズ香を有するクレモリス菌を探索した結果、全く偶然にも、新規なクレモリス菌、すなわちラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス NITE P−02535を見出すことに成功した。新たに見出した新規なクレモリス菌が、乳発酵において従来クレモリス菌で特徴とされていた粘性及び曳糸性が非常に少ないという特性を有することは全くの意外であった。これにより、本発明者は、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス NITE P−02535(受託番号:NITE P-02535)。
〔2〕
前記〔1〕に記載の乳酸菌を含む、組成物。
〔3〕
前記組成物が、飲食品組成物である、前記に記載の組成物。
〔4〕
前記飲食品組成物が、発酵乳である、前記に記載の組成物。
〔5〕
前記組成物が、医薬組成物である、前記に記載の組成物。
〔6〕
さらにビフィドバクテリウム属細菌を含む、前記に記載の組成物。
〔7〕
前記ビフィドバクテリウム属細菌が、ビフィドバクテリウム・ブレーベ及びビフィドバクテリウム・ロンガムからなる群から選択される、前記に記載の組成物。
〔8〕
前記〔1〕に記載の乳酸菌を添加する工程を含む、組成物の製造方法。
〔9〕
前記組成物が、飲食品組成物である、前記に記載の組成物の製造方法。
〔10〕
前記組成物が、医薬組成物である、前記に記載の組成物の製造方法。
〔11〕
乳原料を含む殺菌調乳液に、前記〔1〕に記載の乳酸菌を添加してpH5以下になるまで発酵させる発酵飲食品の製造方法。
〔12〕
前記〔1〕に記載の乳酸菌と、乳酸菌スターター及び/又はビフィドバクテリウム属細菌とを添加して発酵させる前記に記載の飲食品の製造方法。
〔13〕
前記発酵飲食品が、発酵乳である、前記に記載の製造方法。
〔14〕
前記ビフィドバクテリウム属細菌が、ビフィドバクテリウム・ブレーベ及びビフィドバクテリウム・ロンガムからなる群から選択される、前記に記載の製造方法。
ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス NITE P−02535(受託番号:NITE P-02535)。
〔2〕
前記〔1〕に記載の乳酸菌を含む、組成物。
〔3〕
前記組成物が、飲食品組成物である、前記に記載の組成物。
〔4〕
前記飲食品組成物が、発酵乳である、前記に記載の組成物。
〔5〕
前記組成物が、医薬組成物である、前記に記載の組成物。
〔6〕
さらにビフィドバクテリウム属細菌を含む、前記に記載の組成物。
〔7〕
前記ビフィドバクテリウム属細菌が、ビフィドバクテリウム・ブレーベ及びビフィドバクテリウム・ロンガムからなる群から選択される、前記に記載の組成物。
〔8〕
前記〔1〕に記載の乳酸菌を添加する工程を含む、組成物の製造方法。
〔9〕
前記組成物が、飲食品組成物である、前記に記載の組成物の製造方法。
〔10〕
前記組成物が、医薬組成物である、前記に記載の組成物の製造方法。
〔11〕
乳原料を含む殺菌調乳液に、前記〔1〕に記載の乳酸菌を添加してpH5以下になるまで発酵させる発酵飲食品の製造方法。
〔12〕
前記〔1〕に記載の乳酸菌と、乳酸菌スターター及び/又はビフィドバクテリウム属細菌とを添加して発酵させる前記に記載の飲食品の製造方法。
〔13〕
前記発酵飲食品が、発酵乳である、前記に記載の製造方法。
〔14〕
前記ビフィドバクテリウム属細菌が、ビフィドバクテリウム・ブレーベ及びビフィドバクテリウム・ロンガムからなる群から選択される、前記に記載の製造方法。
本技術によれば、クレモリス菌由来の風味を活かしつつ、通常の発酵飲食品と同等程度に曳糸性が非常に少ない発酵飲食品を得ることができる新規なクレモリス菌を提供することができる。
さらに、本技術によれば、本技術の新規なクレモリス菌を用いた組成物(例えば飲食品組成物、医薬組成物)及びその製造方法を提供することができる。
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本技術中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
さらに、本技術によれば、本技術の新規なクレモリス菌を用いた組成物(例えば飲食品組成物、医薬組成物)及びその製造方法を提供することができる。
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本技術中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
次に、本発明の好ましい実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の好ましい実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。尚、本明細書において百分率は特に断りのない限り質量による表示である。
本技術は、新規な乳酸菌であって、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス NITE P−02535(受託番号:NITE P-02535)(以下、「本技術のクレモリスNITE P−02535株」ともいう。)である。
本技術の新規なクレモリスNITE P−02535株は、後述のように、クレモリス菌特有の風味(特にチーズ香)があるという特徴、並びに/又は、曳糸性及び/若しくは粘性が少ないという特徴を有する。また、クレモリスNITE P−02535株は、発酵性(特に乳発酵性)に優れた特徴を有し、通常の乳酸菌発酵の温度帯(例えば25℃〜40℃の温度範囲)で発酵性を有する菌であるという特徴を有する。
本技術の新規なクレモリスNITE P−02535株は、後述のように、クレモリス菌特有の風味(特にチーズ香)があるという特徴、並びに/又は、曳糸性及び/若しくは粘性が少ないという特徴を有する。また、クレモリスNITE P−02535株は、発酵性(特に乳発酵性)に優れた特徴を有し、通常の乳酸菌発酵の温度帯(例えば25℃〜40℃の温度範囲)で発酵性を有する菌であるという特徴を有する。
本技術のクレモリスNITE P−02535株は、以下の菌学的性質及び特性から新規菌株として、独立行政法人 製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター(NPMD)(住所:〒292−0818 日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)に、2017年 8月25日に、Lactococcus lactis ssp. Cremoris MCC 1821(受託番号:NITE P-02535)株として寄託した。この菌株は、上記保存機関より一般に入手可能である。
本技術のクレモリスNITE P−02535株は、上記寄託菌株に制限されず、同寄託菌株と実質的に同質の菌株であってもよい。実質的に同等の菌株とは、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスに属する菌株であって、本件寄託菌株と同程度のクレモリス菌由来の風味(特にチーズ香)並びに/又は、曳糸性及び/若しくは粘性が少ない性質を少なくとも有する菌株を意味する。さらに発酵性に優れた特徴を有するもの及び/又は通常の乳酸菌発酵の温度帯で発酵性を有するものが好適である。また、実質的に同等の菌株とは、さらにその16SrRNA遺伝子の塩基配列が、配列番号1の配列と100%一致し、かつ好ましくは上記寄託菌株と同一の菌学的性質を有する。さらに本技術の乳酸菌は、本発明の効果が損なわれない限り、本件寄託菌株又はそれと実質的に同等の菌株から、変異処理、遺伝子組換え、自然変異株の選択等によって育種された菌株であってもよい。
本技術のクレモリスNITE P−02535株は、例えば、同菌株を培養することにより容易に増殖させることができる。
培養する方法は、前記クレモリスNITE P−02535株が増殖できる限り特に限定されず、乳酸菌の培養に通常用いられる方法を必要により適宜修正して用いることができる。例えば、培養温度は25〜50℃でよく、25〜40℃であることが好ましい。また培養は好気条件下、及び嫌気条件下のいずれで行ってもよいが、嫌気条件下で行うことが好ましく、例えば、炭酸ガス等の嫌気ガスを通気しながら培養することができる。また、液体静置培養等の微好気条件下で培養してもよい。
培養する方法は、前記クレモリスNITE P−02535株が増殖できる限り特に限定されず、乳酸菌の培養に通常用いられる方法を必要により適宜修正して用いることができる。例えば、培養温度は25〜50℃でよく、25〜40℃であることが好ましい。また培養は好気条件下、及び嫌気条件下のいずれで行ってもよいが、嫌気条件下で行うことが好ましく、例えば、炭酸ガス等の嫌気ガスを通気しながら培養することができる。また、液体静置培養等の微好気条件下で培養してもよい。
本技術のクレモリスNITE P−02535株を増殖させるために培養する培地としては、特に限定されず、乳酸菌の培養に通常用いられる培地を必要により適宜修正して用いることができる。すなわち、炭素源としては、例えば、ガラクトース、グルコース、フルクトース、マンノース、セロビオース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、デンプン、デンプン加水分解物、廃糖蜜等の糖類を資化性に応じて使用できる。窒素源としては、例えば、アンモニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウムなどのアンモニウム塩類や硝酸塩類を使用できる。また、無機塩類としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化マンガン、硫酸第一鉄等を用いることができる。また、ペプトン、大豆粉、脱脂大豆粕、肉エキス、酵母エキス等の有機成分を用いてもよい。また、調製済みの培地としては、例えばMRS培地を好適に用いることができる。
本技術のクレモリスNITE P−02535株として、培養後、得られた培養物をそのまま用いてもよく、希釈又は濃縮して用いてもよく、培養物から回収した菌体を用いてもよい。また、本発明の効果を損なわない限り、培養後に加熱、及び凍結乾燥等の種々の追加操作を行うことができる。追加の操作は、生菌の生残性が高いものであることが好ましい。
なお、本技術の医薬組成物、飲食品、及び飼料で使用する、クレモリスNITE P−02535株の菌体は、生菌であることが好ましいが、死菌であってもよい。
なお、本技術の医薬組成物、飲食品、及び飼料で使用する、クレモリスNITE P−02535株の菌体は、生菌であることが好ましいが、死菌であってもよい。
本技術はまた、前記クレモリス NITE P−02535株(受託番号:NITE P-02535)を含む、組成物を提供することができる。本技術の組成物は、飲食品組成物、医薬組成物を含む意味である。
本技術の医薬組成物は、前記クレモリスNITE P−02535株を含有する限り特に制限されない。当該医薬組成物は、クレモリスNITE P−02535株を含有する、免疫賦活剤及び/又は整腸剤としても使用できる。
本技術の医薬組成物としては、前記クレモリスNITE P−02535株をそのまま使用してもよく、生理的に許容される液体又は固体の製剤担体を配合し製剤化して使用してもよい。
本技術の医薬組成物としては、前記クレモリスNITE P−02535株をそのまま使用してもよく、生理的に許容される液体又は固体の製剤担体を配合し製剤化して使用してもよい。
本発明の医薬組成物の剤形は特に制限されず、具体的には、錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、坐剤、注射剤、軟膏剤、貼付剤、点眼剤、及び点鼻剤等を例示できる。また、製剤化にあたっては、製剤担体として通常使用される賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤、希釈剤、界面活性剤、又は注射剤用溶剤等の添加剤を使用することができる。
本技術の医薬組成物における前記クレモリスNITE P−02535株の含有量は、剤形、用法、患者の年齢、性別、疾患の種類、疾患の程度、及びその他の条件等により適宜設定されるが、通常、1×106〜1×1012cfu/g又は1×106〜1×1012cfu/mLの範囲内であることが好ましく、1×107〜1×1011cfu/g又は1×107〜1×1011cfu/mLの範囲内であることがより好ましい。前記クレモリスNITE P−02535株が死菌の場合、cfu/g又はcfu/mLは、個細胞/gまたは個細胞/mLと置き換えることができる。
本技術の医薬組成物の投与時期は特に限定されず、対象となる症状又は疾患の治療方法に従って、適宜投与時期を選択することが可能である。また、予防的に投与してもよく、維持療法に用いてもよい。また、投与形態は製剤形態、患者の年齢、性別、その他の条件、患者の症状の程度等に応じて決定されることが好ましい。なお、本技術の医薬組成物は、いずれの場合も1日1回又は複数回に分けて投与することができ、また、数日又は数週間に1回の投与としてもよい。
本技術の飲食品組成物は、前記クレモリスNITE P−02535株を含有する限り特に制限されず、飲食品組成物としては、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果汁飲料、及び乳酸菌飲料等の飲料(これらの飲料の濃縮原液及び調製用粉末を含む);アイスクリーム、シャーベット、かき氷等の氷菓;飴、チューインガム、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、及び焼き菓子等の菓子類;加工乳、乳飲料、発酵乳、ドリンクヨーグルト、及びバター等の乳製品;パン;経腸栄養食、流動食、育児用ミルク、スポーツ飲料;その他機能性食品等が例示される。また、飲食品は、サプリメントであってもよく、例えばタブレット状のサプリメントであってもよい。サプリメントである場合には、一日当りの食事量及び摂取カロリーについて他の食品に影響されることなく、クレモリスNITE P−02535を摂取できる。
本技術の飲食品は、飲食品組成物の原料に前記クレモリスNITE P−02535株を添加することにより製造することができ、前記クレモリスNITE P−02535株を添加すること以外は、通常の飲食品組成物と同様にして製造することができる。
本技術のクレモリスNITE P−02535株の添加は、飲食品組成物の製造工程のいずれの段階で行ってもよい。例えば、一例として、一般的に乳酸菌を添加する工程において添加してもよい。
また、本技術は少なくとも前記クレモリスNITE P−02535株を添加する発酵工程又は当該株を添加してビフィドバクテリウム属細菌との混合工程を経て、飲食品組成物が製造されてもよい。そのような飲食品としては、乳酸菌飲料、及び発酵乳等が挙げられる。食品又は飲料の原料としては、通常の飲料や食品に用いられている原料を使用することができる。製造された飲食品は、経口的に摂取することが可能である。
本技術のクレモリスNITE P−02535株の添加は、飲食品組成物の製造工程のいずれの段階で行ってもよい。例えば、一例として、一般的に乳酸菌を添加する工程において添加してもよい。
また、本技術は少なくとも前記クレモリスNITE P−02535株を添加する発酵工程又は当該株を添加してビフィドバクテリウム属細菌との混合工程を経て、飲食品組成物が製造されてもよい。そのような飲食品としては、乳酸菌飲料、及び発酵乳等が挙げられる。食品又は飲料の原料としては、通常の飲料や食品に用いられている原料を使用することができる。製造された飲食品は、経口的に摂取することが可能である。
本技術の飲食品組成物には、飲食品組成物製造のための原料、及び食品添加物等、飲食品組成物の製造工程又は製造後に飲食品に添加されるものも含まれる。
本技術の飲食品組成物における前記クレモリスNITE P−02535株の含有量は、飲食品組成物の態様によって適宜設定されるが、通常、飲食品中に、1×106〜1×1012cfu/g又は1×106〜1×1012cfu/mLの範囲内であることが好ましく、1×107〜1×1011cfu/g又は1×107〜1×1011cfu/mLの範囲内であることがより好ましい。
本技術の飲食品組成物における前記クレモリスNITE P−02535株の含有量は、飲食品組成物の態様によって適宜設定されるが、通常、飲食品中に、1×106〜1×1012cfu/g又は1×106〜1×1012cfu/mLの範囲内であることが好ましく、1×107〜1×1011cfu/g又は1×107〜1×1011cfu/mLの範囲内であることがより好ましい。
また、本技術のクレモリスNITE P−02535株は、以下のような特徴的性質(例えば、食品物性、風味、ビフィドバクテリウム属細菌の保存生残率向上等)から、飲食品に使用されるような「ビフィドバクテリウム属細菌及び/又は他の乳酸菌」と併用して使用することも可能である。
また、本技術のクレモリスNITE P−02535株は、後記〔実施例〕に示すように、クレモリス菌由来の風味(特にチーズ香)を食品(特に発酵飲食品)に付与でき、かつ発酵飲食品の粘性及び曳糸性が通常のヨーグルトと同程度以下にすることができる。すなわち、本技術のクレモリスNITE P−02535株は、従来のクレモリス菌とは異なる食品物性とともにクレモリス菌由来の風味を発酵飲食品に付与することができる。
なお、通常の発酵飲食品や通常のヨーグルトとは、特許文献1及び2のようなクレモリス菌によって高い粘性や曳糸性を有するカスピ海ヨーグルトではなく、粘性や曳糸性を生じさせるクレモリス菌が含まれていないような市販の発酵飲食品やヨーグルトである。
なお、通常の発酵飲食品や通常のヨーグルトとは、特許文献1及び2のようなクレモリス菌によって高い粘性や曳糸性を有するカスピ海ヨーグルトではなく、粘性や曳糸性を生じさせるクレモリス菌が含まれていないような市販の発酵飲食品やヨーグルトである。
本技術のクレモリスNITE P−02535株の菌体外生産物は不明であるが、通常のクレモリス菌(例えば、特許文献1及び2)の特徴的な粘性及び曳糸性の点で大きく相違するので、この点からも本技術のクレモリスNITE P−02535株は、新規な乳酸菌といえる。
また、本技術のクレモリスNITE P−02535株は、粘性や曳糸性が非常に少ないので、粘性や曳糸性を減らしたい飲食品や求めない飲食品に使用することができ、この飲食品以外にも、粘性や曳糸性がある飲食品であってもその食品物性の特徴を崩すことなく使用することも可能であり、幅広い製品(例えば、飲食品、製剤等)に使用可能である。
また、本技術のクレモリスNITE P−02535株は、粘性や曳糸性が非常に少ないので、粘性や曳糸性を減らしたい飲食品や求めない飲食品に使用することができ、この飲食品以外にも、粘性や曳糸性がある飲食品であってもその食品物性の特徴を崩すことなく使用することも可能であり、幅広い製品(例えば、飲食品、製剤等)に使用可能である。
また、本技術のクレモリスNITE P−02535株は、適度な風味(適度なチーズ香)を生じさせることができ、クレモリス菌由来の風味の増減を調整することも容易である。
本技術のクレモリスNITE P−02535株は、適度なチーズ香を有することから、幅広い製品(例えば、飲食品、医薬品や製剤等)に使用可能である。また、本技術のクレモリスNITE P−02535株は、チーズ香等を付与できるので、好ましくない風味を有する製品の風味改善も可能である。
本技術のクレモリスNITE P−02535株は、適度なチーズ香を有することから、幅広い製品(例えば、飲食品、医薬品や製剤等)に使用可能である。また、本技術のクレモリスNITE P−02535株は、チーズ香等を付与できるので、好ましくない風味を有する製品の風味改善も可能である。
本技術で用いられるラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス菌種は、例えば以下の方法により得ることができる。まず、各種の試料から菌株を分離し、この中から10%(W/W)還元脱脂粉乳培地での発酵性が優れたもの、すなわち、10%(W/W)還元脱脂粉乳培地で、25〜30℃の温度範囲で16時間培養した時に、培地を凝固させることができる発酵性を有するものを選択した。このとき、培地の曳糸性の有無を確認し、曳糸性が非常に少ないものを選択することにより、本技術のクレモリス菌種を得ることができた。
以下、本技術で用いられるラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス菌種の取得について、さらに詳細に説明する。
〔試験例:ラクトコッカス・ラクティス菌株の取得〕
本発明者らは、ラクトコッカス・ラクティスに属する菌株を自然界から取得すべく、日本国内の自然界から採集したサンプルを滅菌した0.85%生理食塩水で希釈し、下記組成のDifcoTM Lactobacilli MRS Agar(Becton Deckinson and Company)に塗布し、30℃で嫌気培養した。
〔DifcoTM Lactobacilli MRS Agar〕 プロテオースペプトンNo.3 10.0g;牛肉エキス 10.0g;酵母エキス 5.0g;デキストロース 20.0g;ポリソルベート80 1.0g;クエン酸アンモニウム 2.0g;酢酸ナトリウム 5.0g;硫酸マグネシウム 0.1g;硫酸マンガン 0.05g;リン酸二カリウム 2.0g;寒天 15.0g;精製水 1000mL;pH6.5±0.2を121℃で15分滅菌後、シャーレに分注して平板とした。
〔試験例:ラクトコッカス・ラクティス菌株の取得〕
本発明者らは、ラクトコッカス・ラクティスに属する菌株を自然界から取得すべく、日本国内の自然界から採集したサンプルを滅菌した0.85%生理食塩水で希釈し、下記組成のDifcoTM Lactobacilli MRS Agar(Becton Deckinson and Company)に塗布し、30℃で嫌気培養した。
〔DifcoTM Lactobacilli MRS Agar〕 プロテオースペプトンNo.3 10.0g;牛肉エキス 10.0g;酵母エキス 5.0g;デキストロース 20.0g;ポリソルベート80 1.0g;クエン酸アンモニウム 2.0g;酢酸ナトリウム 5.0g;硫酸マグネシウム 0.1g;硫酸マンガン 0.05g;リン酸二カリウム 2.0g;寒天 15.0g;精製水 1000mL;pH6.5±0.2を121℃で15分滅菌後、シャーレに分注して平板とした。
そして得られたコロニーの中で、塗布標本の顕微鏡観察によりグラム陽性かつ球菌である菌を釣菌した。これらの菌を、BL寒天培地(栄研化学社)に画線塗布し、前記と同様の方法で嫌気培養を反復し、純粋単離された菌株を得た。
〔BL寒天培地〕 肉エキス 3.0g;肝臓エキス 5.0g;酵母エキス 5.0 g;ペプトン 15.0g;ソイペプトン 3.0g;可溶性デンプン 0.5g;ブドウ糖 10.0g;リン酸二カリウム 1.0g;リン酸一カリウム 1.0g;硫酸マグネシウム 0.2g;塩化ナトリウム 0.01g;硫酸マンガン 0.00674g;L−システイン塩酸塩 0.5g;硫化第一鉄 0.01g;ポリソルベート80 1.0g;寒天 15.0g;精製水 1000mL;pH 7.2±0.2を、121℃で15分滅菌後、50℃に冷却し、5%(V/V)馬無菌脱繊血を加え、シャーレに分注して平板とした。
〔BL寒天培地〕 肉エキス 3.0g;肝臓エキス 5.0g;酵母エキス 5.0 g;ペプトン 15.0g;ソイペプトン 3.0g;可溶性デンプン 0.5g;ブドウ糖 10.0g;リン酸二カリウム 1.0g;リン酸一カリウム 1.0g;硫酸マグネシウム 0.2g;塩化ナトリウム 0.01g;硫酸マンガン 0.00674g;L−システイン塩酸塩 0.5g;硫化第一鉄 0.01g;ポリソルベート80 1.0g;寒天 15.0g;精製水 1000mL;pH 7.2±0.2を、121℃で15分滅菌後、50℃に冷却し、5%(V/V)馬無菌脱繊血を加え、シャーレに分注して平板とした。
これら純粋単離された菌株のうち、曳糸性の非常に少ない菌株を見出し、この菌株をMCC 1821と名付けた。
さらに、このMCC 1821と名付けた菌株(当該菌株のゲノムDNAの塩基配列)から、タカラバイオ社製Bacterial 16sRNA DNA PCR kitを用いて、そのプロトコールに従ってPCRに用いるサンプルDNA液を調製し、このサンプルDNA液を用いてPCRにて当該16SrRNA遺伝子を増幅し、DNA増幅産物を得、これより当該16SrRNA遺伝子配列を決定した。
この塩基配列情報に基づき、NCBI(National Center for Biotechnology Information、国立バイオテクノロジー情報センター)の国際塩基配列データベース(Genbank)上で、BLAST(Basic Local Alignment Search Tool、http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)による16SリボソーマルRNA(SrRNA)遺伝子配列の全長についての相同性検索を行った結果、Lactococcus lactis subsp. cremoris culture-collection IMAU:80692と最も高い相同性(99.0%)を示した。
以上の結果より、MCC 1821菌株を、新規なラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスと同定した。得られた菌株は無芽胞、非運動性のグラム陽性球菌であった。
当該ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス菌株の16SrDNA遺伝子配列は、表1に配列番号1として示す。
さらに、このMCC 1821と名付けた菌株(当該菌株のゲノムDNAの塩基配列)から、タカラバイオ社製Bacterial 16sRNA DNA PCR kitを用いて、そのプロトコールに従ってPCRに用いるサンプルDNA液を調製し、このサンプルDNA液を用いてPCRにて当該16SrRNA遺伝子を増幅し、DNA増幅産物を得、これより当該16SrRNA遺伝子配列を決定した。
この塩基配列情報に基づき、NCBI(National Center for Biotechnology Information、国立バイオテクノロジー情報センター)の国際塩基配列データベース(Genbank)上で、BLAST(Basic Local Alignment Search Tool、http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)による16SリボソーマルRNA(SrRNA)遺伝子配列の全長についての相同性検索を行った結果、Lactococcus lactis subsp. cremoris culture-collection IMAU:80692と最も高い相同性(99.0%)を示した。
以上の結果より、MCC 1821菌株を、新規なラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスと同定した。得られた菌株は無芽胞、非運動性のグラム陽性球菌であった。
当該ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス菌株の16SrDNA遺伝子配列は、表1に配列番号1として示す。
本技術の新規なクレモリスNITE P−02535株は、上述の如く種々の用途に使用することが可能であるが、以下に、一例として、発酵飲食品及びその製造方法を説明するが、これに限定されるものではない。
本技術の発酵飲食品は、上述したクレモリスNITE P−02535株の乳酸菌を含むものである。
本技術の発酵飲食品とは、本技術のクレモリスNITE P−02535株の発酵により製造される飲食品であり、例えば、乳発酵食品、乳酸菌飲料、発酵乳、ヨーグルト、ヨーグルト飲料である。
本技術の発酵飲食品とは、本技術のクレモリスNITE P−02535株の発酵により製造される飲食品であり、例えば、乳発酵食品、乳酸菌飲料、発酵乳、ヨーグルト、ヨーグルト飲料である。
本技術の発酵飲食品は、乳酸菌スターターとして使用される乳酸菌、及び/又は、ビフィドバクテリウム属細菌を含んでもよい。当該乳酸菌スターターは、一般的に使用されている乳酸菌スターターでもよい。
また、本技術の発酵飲食品は、発酵飲食品に使用可能な菌を更に含んでもよく、例えば本技術の他のクレモリス菌、またロイコノストック・クレモリス等の中温性乳酸球菌等を使用してもよい。
また、本技術の発酵飲食品は、発酵飲食品に使用可能な菌を更に含んでもよく、例えば本技術の他のクレモリス菌、またロイコノストック・クレモリス等の中温性乳酸球菌等を使用してもよい。
本技術に使用するビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)細菌としては、特に制限されない。ビフィドバクテリウム属菌は、いずれも市販又は公的な菌の寄託機関から商業的に入手することができる。ビフィドバクテリウム属細菌は、通称、ビフィズス菌とも呼ばれる。
当該ビフィドバクテリウム属細菌として、例えば、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)、ビフィドバクテリウム・アドレセンティス(Bifidobacterium adolescentis)、及び、ビフィドバクテリウム・インファンティス(Bifidobacterium infantis、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに再分類されている)等が挙げられる。これら群から1種又は2種以上を選択して、使用することも可能である。
これらの中では、好ましくはビフィドバクテリウム・ブレーベ、及び/又はビフィドバクテリウム・ロンガムである。このうち、ビフィドバクテリウム・ブレーベがさらに好ましい。
当該ビフィドバクテリウム属細菌として、例えば、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)、ビフィドバクテリウム・アドレセンティス(Bifidobacterium adolescentis)、及び、ビフィドバクテリウム・インファンティス(Bifidobacterium infantis、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに再分類されている)等が挙げられる。これら群から1種又は2種以上を選択して、使用することも可能である。
これらの中では、好ましくはビフィドバクテリウム・ブレーベ、及び/又はビフィドバクテリウム・ロンガムである。このうち、ビフィドバクテリウム・ブレーベがさらに好ましい。
前記ビフィドバクテリウム・ブレーベとして、より具体的には、ビフィドバクテリウム・ブレーベFERM BP−11175株(MCC−1274株)、及び、ビフィドバクテリウム・ブレーベBCCM LMG23729株が挙げられる。
前記ビフィドバクテリウム・ロンガムとして、より具体的には、ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999株が挙げられる。
前記ビフィドバクテリウム・ロンガムとして、より具体的には、ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999株が挙げられる。
本技術に使用するビフィドバクテリウム属細菌として、さらに好適には、ビフィドバクテリウム・ブレーベFERM BP−11175(MCC−1274)株、ビフィドバクテリウム・ブレーベBCCM LMG23729株、及びビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999株からなる群より選択される1種又は2種以上である。
ビフィドバクテリウム・ブレーベFERM BP−11175株は、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(日本国 〒305−8566 茨城県つくば市東1−1−1 中央第6)に、平成21年8月25日より、Bifidobacterium breve MCC-1274(受託番号:FERM BP-11175)株として寄託されている。この菌株は、上記保存機関より一般に入手可能である(特許文献3:WO2011/034166号)。
ビフィドバクテリウム・ブレーベBCCM LMG 23729株は、「BCCM LMG23729」(Bifidobacterium breve BCCM LMG23729)という寄託番号でベルギー微生物保存機関(Belgian Co-ordinated Collections of Micoorganisms:BCCM)に寄託され、ビフィドバクテリウム・ブレーベ M−16V(Bifidobacterium breve M-16V)(http://bccm.belspo.be/catalogues/lmg-strain-details?NUM=23729)ともいう。
ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999株は、「ATCC BAA−999」(Bifidobacterium longum ATCC BAA-999)という寄託番号でアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託され、ビフィドバクテリウム・ロンガム BB536(Bifidobacterium longum BB536)(http://www.atcc.org/products/all/BAA-999.aspx)ともいう。当該同菌株は、例えば、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(住所 12301 Parklawn Drive, Rockville, Maryland 20852, United States of America)から購入することができる。
本技術のクレモリスNITE P−02535株は、後記〔実施例〕に示すように、発酵飲食品を製造した場合、ビフィドバクテリウム属細菌の保存生残性が促進されるという効果を有する。
発酵飲食品の品質保持期限は、一般に、10℃以下の保存条件で2週間程度である。従って、本技術のクレモリスNITE P−02535株と、ビフィドバクテリウム属細菌、発酵飲食品スターターである、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ラクトバチルス・ブルガリクスとともにpH5.0以下まで発酵させた食品を10℃以下に保存した場合に、少なくとも2週間は、ビフィドバクテリウム属細菌が、1.0×106/mL以上とすることができるような保存生残性を維持することができる。
すなわち、本技術のクレモリスNITE P−02535株は、ビフィドバクテリウム属の生残率を、好ましくは、本技術のクレモリスNITE P−02535株種と混合培養しなかった場合の生残率の2倍以上、より好ましくは5倍以上とすることができるような、高いビフィドバクテリウム属の保存生残性向上性を有する乳酸菌として使用することが可能である。
特に、本技術のクレモリスNITE P−02535株は、ビフィドバクテリウム・ブレーベと混合培養した場合に、pHが4.4〜5.0に達した時に急冷して、10℃で2週間保持した場合のビフィドバクテリウム属細菌の生残率が好ましくは2倍以上、より好ましくは5倍以上とすることができる保存生残性向上を有する乳酸菌として使用することが可能である。
発酵飲食品の品質保持期限は、一般に、10℃以下の保存条件で2週間程度である。従って、本技術のクレモリスNITE P−02535株と、ビフィドバクテリウム属細菌、発酵飲食品スターターである、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ラクトバチルス・ブルガリクスとともにpH5.0以下まで発酵させた食品を10℃以下に保存した場合に、少なくとも2週間は、ビフィドバクテリウム属細菌が、1.0×106/mL以上とすることができるような保存生残性を維持することができる。
すなわち、本技術のクレモリスNITE P−02535株は、ビフィドバクテリウム属の生残率を、好ましくは、本技術のクレモリスNITE P−02535株種と混合培養しなかった場合の生残率の2倍以上、より好ましくは5倍以上とすることができるような、高いビフィドバクテリウム属の保存生残性向上性を有する乳酸菌として使用することが可能である。
特に、本技術のクレモリスNITE P−02535株は、ビフィドバクテリウム・ブレーベと混合培養した場合に、pHが4.4〜5.0に達した時に急冷して、10℃で2週間保持した場合のビフィドバクテリウム属細菌の生残率が好ましくは2倍以上、より好ましくは5倍以上とすることができる保存生残性向上を有する乳酸菌として使用することが可能である。
また、本技術は、曳糸性や粘度の非常に少ない発酵飲食品を得ることが可能であり、これにより、通常の発酵飲食品と対比したときに、通常の発酵飲食品の口当たりと同等程度の口当たりであり、通常の発酵飲食品と同等程度以下にねばねば感がない。
本技術のクレモリスNITE P−02535株は、粘性及び曳糸性が非常に少ないため、製品の物性に影響を与えにくい。例えば、強い粘度や曳糸性の発現を目的に使用されている通常のラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(例えば特許文献1及び2等)と併用してもその物性に影響を与えることが少ないので、通常のクレモリス菌と併用することも可能である。例えば、通常のクレモリス菌を使用したカスピ海ヨーグルトにも、本技術のクレモリスNITE P−02535株は使用可能である。
本技術のクレモリスNITE P−02535株は、粘性及び曳糸性が非常に少ないため、製品の物性に影響を与えにくい。例えば、強い粘度や曳糸性の発現を目的に使用されている通常のラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(例えば特許文献1及び2等)と併用してもその物性に影響を与えることが少ないので、通常のクレモリス菌と併用することも可能である。例えば、通常のクレモリス菌を使用したカスピ海ヨーグルトにも、本技術のクレモリスNITE P−02535株は使用可能である。
本技術の発酵飲食品の曳糸性として、糸曳き時間が1秒以下、より好ましくは0.5秒以下とすることができる。この曳糸性の測定方法は、スプーンで発酵飲食品(温度:10℃)をすくう直後に15cmまで上昇させ、発酵飲食品を落下させた場合の時間を確認する。
本技術は、前記クレモリスNITE P−02535株を多く含んでいても、通常の発酵飲食品と同等程度以下の曳糸性の発酵飲食品、すなわち曳糸性が非常に少ない状態の発酵飲食品を提供することが可能である。また、本技術は、クレモリス菌由来の風味(特にチーズ香)を有する発酵飲食品を提供することが可能である。また、ビフィドバクテリウム属細菌と一緒に発酵させた場合であっても、良好なチーズ香を有する発酵飲食品を提供することも可能である。
また、本技術において、発酵飲食品に使用可能な任意成分を本技術の効果を損なわない範囲で使用してもよく、任意成分として、例えば、ペクチン等の増粘剤、果実や果汁、安定剤、還元剤等が挙げられる。
また、本技術の発酵飲食品の状態は、特に限定されず、液状、固形状、半固形状等でもよい。また、発酵飲食品として、例えば、発酵乳、乳酸菌飲料等が挙げられる。
また、本技術の発酵飲食品の状態は、特に限定されず、液状、固形状、半固形状等でもよい。また、発酵飲食品として、例えば、発酵乳、乳酸菌飲料等が挙げられる。
本技術の発酵飲食品の製造方法について、以下に説明するが、これに限定されるものではない。
本技術の発酵飲食品の製造方法は、乳原料を含む殺菌調乳液に、本技術のクレモリスNITE P−02535株の乳酸菌を添加してpH5.0以下になるまで発酵させることが好適である。
さらに好適には、技術の発酵飲食品の製造方法は、乳原料を含む殺菌調乳液に、本技術のクレモリスNITE P−02535株の乳酸菌と、乳酸菌スターター及び/又はビフィドバクテリウム属細菌とを添加して発酵させることが好適である。
本技術の発酵飲食品の製造方法は、乳原料を含む殺菌調乳液に、本技術のクレモリスNITE P−02535株の乳酸菌を添加してpH5.0以下になるまで発酵させることが好適である。
さらに好適には、技術の発酵飲食品の製造方法は、乳原料を含む殺菌調乳液に、本技術のクレモリスNITE P−02535株の乳酸菌と、乳酸菌スターター及び/又はビフィドバクテリウム属細菌とを添加して発酵させることが好適である。
本技術に使用する乳原料(milk raw material)としては、乳由来の原料であって、本技術のクレモリスNITE P−02535株の乳酸菌(より好適には、さらに、ビフィドバクテリウム属細菌、並びに必要に応じて他の乳酸菌(例えば乳酸菌スターター等)を加えて)を用いて発酵させることにより、発酵飲食品を製造することができるものであれば特に制限されず、乳又はその分画物又は加工品(例えば牛乳、脱脂乳、生クリーム、バター、全粉乳、及び脱脂粉乳、又はこれらを水に混合、溶解または懸濁させたもの等)等が挙げられる。乳は、特に動物の由来は限定されないが、ウシ由来のものが好ましい。
乳原料は、必要に応じて蔗糖等の甘味料、ペクチン、果実、フルーツジュース、寒天、ゼラチン、油脂、香料、着色料、安定剤、還元剤等の任意成分を配合してもよい。乳原料は、発酵前に、常法に従って殺菌、均質化、冷却等を施してもよい。
乳原料として、これらから1種又は2種以上選択して使用してもよい。
乳原料は、必要に応じて蔗糖等の甘味料、ペクチン、果実、フルーツジュース、寒天、ゼラチン、油脂、香料、着色料、安定剤、還元剤等の任意成分を配合してもよい。乳原料は、発酵前に、常法に従って殺菌、均質化、冷却等を施してもよい。
乳原料として、これらから1種又は2種以上選択して使用してもよい。
乳原料に、本技術のクレモリスNITE P−02535株に加えて、必要に応じてビフィドバクテリウム属細菌及び/又は他の乳酸菌を加えて発酵を行ってもよい。
本技術のクレモリスNITE P−02535株、必要に応じてビフィドバクテリウム属細菌、及び/又は乳酸菌スターターを、乳原料に接種する順序は特に問わず、全てを同時に投与してもよい。また、これらの細菌のうち任意の細菌を、複数回接種してもよい。
本技術のクレモリスNITE P−02535株、必要に応じてビフィドバクテリウム属細菌、及び/又は乳酸菌スターターを、乳原料に接種する順序は特に問わず、全てを同時に投与してもよい。また、これらの細菌のうち任意の細菌を、複数回接種してもよい。
本技術の乳原料に接種する「ビフィドバクテリウム属細菌」は、単一の菌株であってもよく、複数の菌株の組み合わせであってもよい。
本技術の乳原料に接種するビフィドバクテリウム属細菌は、上述した「本技術に使用するビフィドバクテリウム属((Bifidobacterium)細菌」を使用すればよい。
本技術の乳原料に接種するビフィドバクテリウム属細菌は、上述した「本技術に使用するビフィドバクテリウム属((Bifidobacterium)細菌」を使用すればよい。
また、乳原料に接種する「乳酸菌スターター」は、単一の菌株であってもよく、複数の菌株の組み合わせであってもよい。
本技術における「乳酸菌スターター」としては、飲食品の製造に用いられるものであって、本技術のクレモリスNITE P−02535株、及びビフィドバクテリウム属細菌の生育を阻害しないものであれば特に制限されない。当該「乳酸菌スターター」としては、例えば発酵飲食品がヨーグルトの場合、ラクトバチルス・ブルガリカス、ラクトバチルス・デルブリュッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクス、ストレプトコッカス・サーモフィルス等が挙げられ、これらの乳酸菌は、単一の菌株であってもよく、複数の菌株の組み合わせであってもよい。
本技術における「乳酸菌スターター」としては、飲食品の製造に用いられるものであって、本技術のクレモリスNITE P−02535株、及びビフィドバクテリウム属細菌の生育を阻害しないものであれば特に制限されない。当該「乳酸菌スターター」としては、例えば発酵飲食品がヨーグルトの場合、ラクトバチルス・ブルガリカス、ラクトバチルス・デルブリュッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクス、ストレプトコッカス・サーモフィルス等が挙げられ、これらの乳酸菌は、単一の菌株であってもよく、複数の菌株の組み合わせであってもよい。
本技術のクレモリスNITE P−02535株等の乳酸菌及びビフィドバクテリウム属細菌の乳原料への接種量は特に制限されない。
本技術の乳酸菌及びビフィドバクテリウム属細菌については、好ましくは104〜109CFU/mL乳原料、より好ましくは106〜108CFU/mL乳原料である。
本技術のクレモリスNITE P−02535株については、好ましくは105〜109CFU/mL乳原料、より好ましくは107〜108CFU/mL乳原料である。
前記ビフィドバクテリウム属細菌については、好ましくは105〜109CFU/mL乳原料、より好ましくは107〜108CFU/mL乳原料である。
本技術の乳酸菌及びビフィドバクテリウム属細菌については、好ましくは104〜109CFU/mL乳原料、より好ましくは106〜108CFU/mL乳原料である。
本技術のクレモリスNITE P−02535株については、好ましくは105〜109CFU/mL乳原料、より好ましくは107〜108CFU/mL乳原料である。
前記ビフィドバクテリウム属細菌については、好ましくは105〜109CFU/mL乳原料、より好ましくは107〜108CFU/mL乳原料である。
また、本技術のクレモリスNITE P−02535株及びビフィドバクテリウム属細菌を用いる場合、これらの接種量の比は特に制限されない。好適には、本技術のクレモリスNITE P−02535株:ビフィドバクテリウム属細菌が1000:1〜1:10が好ましく、10:1〜1:1がより好ましい。
「本技術のクレモリスNITE P−02535株及びビフィドバクテリウム属細菌の接種量」と、「上記他の乳酸菌の接種量」の比率は、特に制限されないが、1000:1〜10:1が好ましい。
「本技術のクレモリスNITE P−02535株及びビフィドバクテリウム属細菌の接種量」と、「上記他の乳酸菌の接種量」の比率は、特に制限されないが、1000:1〜10:1が好ましい。
乳原料に接種する本技術のクレモリスNITE P−02535株、並びに、必要に応じて、ビフィドバクテリウム属細菌及び/又は他の乳酸菌は、予め他の培地で種培養又は前培養しておくことが好ましい。
本培養前に使用する培地としては、本技術のクレモリスNITE P−02535株、並びに、必要に応じて、ビフィドバクテリウム属細菌及び/又は他の乳酸菌の培養に適した培地であれば特に制限されないが、例えば、還元脱脂粉乳を含む培地が挙げられる。
この還元脱脂粉乳の濃度は、3%(W/W)以上が好ましく、8%(W/W)以上が特に好ましい。また種培養又は前培養に用いられる培地には、酵母エキス等の生育促進物質や、L−システイン等の還元剤等を添加してもよい。
特にビフィドバクテリウム属細菌を使用する場合は、還元脱脂粉乳を含む培地での増殖性が低いため、生育促進物質、例えば、0.1〜1%(W/W)の酵母エキスを含有する培地を用いることが好ましい。なお、培地の殺菌条件は、前記と同様である。
本培養前に使用する培地としては、本技術のクレモリスNITE P−02535株、並びに、必要に応じて、ビフィドバクテリウム属細菌及び/又は他の乳酸菌の培養に適した培地であれば特に制限されないが、例えば、還元脱脂粉乳を含む培地が挙げられる。
この還元脱脂粉乳の濃度は、3%(W/W)以上が好ましく、8%(W/W)以上が特に好ましい。また種培養又は前培養に用いられる培地には、酵母エキス等の生育促進物質や、L−システイン等の還元剤等を添加してもよい。
特にビフィドバクテリウム属細菌を使用する場合は、還元脱脂粉乳を含む培地での増殖性が低いため、生育促進物質、例えば、0.1〜1%(W/W)の酵母エキスを含有する培地を用いることが好ましい。なお、培地の殺菌条件は、前記と同様である。
本技術のクレモリスNITE P−02535株を用いて、又は当該クレモリスNITE P−02535株及びビフィドバクテリウム属細菌を用いて、乳を発酵させた場合、通常、pHが5付近であり、良好なチーズ香を有しかつ曳糸性がほとんどない発酵乳が得られる。
さらにストレプトコッカス・サーモフィルスやラクトバチルス・デルブルッキー等の乳酸菌を併用して発酵させると、pHが低下し、よりしっかりとした組織を有し、かつ良好なチーズ香を有しかつ曳糸性がほとんどない発酵乳(スプーンで摂取できる発酵乳)を製造することができる。
さらにストレプトコッカス・サーモフィルスやラクトバチルス・デルブルッキー等の乳酸菌を併用して発酵させると、pHが低下し、よりしっかりとした組織を有し、かつ良好なチーズ香を有しかつ曳糸性がほとんどない発酵乳(スプーンで摂取できる発酵乳)を製造することができる。
本技術の発酵飲食品の製造方法における、培養温度、培養時間等の発酵条件は、通常の乳原料からの発酵飲食品の製造と同様の条件を採用することができる。例えば、培養温度は30℃〜42℃が好ましく、36℃〜40℃がより好ましい。培養時間は、製造する発酵飲食品の種類によって適宜設定することができるが、通常、4〜18時間が好ましい。
本技術の発酵飲食品の製造方法で得られた発酵飲食品は、通常の乳原料からの発酵飲食品と同様に適宜加工することができる。例えば、発酵後の発酵飲食品をそのまま食品としてもよいし、均質化して液状に加工してもよい。さらに、蔗糖等の甘味料、ペクチン、果実、フルーツジュース、寒天、ゼラチン、油脂、香料、着色料、安定剤、還元剤等を添加してもよい。また、発酵飲食品は、適宜、容器に充填してもよい。
本技術において、得られた発酵飲食品は、上記のように、クレモリス菌風味を活かしつつ、通常の発酵飲食品と同程度に曳糸性がほとんどない性質を有することができる。また、本技術の発酵飲食品は、従来のクレモリス菌とは異なり粘り気をほとんど感じない一方で、チーズ香の風味が良好であるので、スッキリとした味わいである。
さらにビフィドバクテリウム属細菌も配合して得られた本技術の発酵飲食品は、ビフィドバクテリウム属細菌の含有量低下抑制及び保存生残性に優れるものである。発酵飲食品中のビフィドバクテリウム属細のうち、ビフィドバクテリウム・ブレーベ及び/又はビフィドバクテリウム・ロンガムに対してより優れており、特にビフィドバクテリウム・ブレーベの含有量低下抑制及び保存生残性に優れるものである。
さらにビフィドバクテリウム属細菌も配合して得られた本技術の発酵飲食品は、ビフィドバクテリウム属細菌の含有量低下抑制及び保存生残性に優れるものである。発酵飲食品中のビフィドバクテリウム属細のうち、ビフィドバクテリウム・ブレーベ及び/又はビフィドバクテリウム・ロンガムに対してより優れており、特にビフィドバクテリウム・ブレーベの含有量低下抑制及び保存生残性に優れるものである。
以下に、実施例及び比較例等を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔試験例1〕
〔本技術のクレモリス菌〕
本技術のクレモリス菌は、上述のとおり、新たに発見したクレモリス菌であり、Lactococcus lactis ssp. Cremoris NITE P−02535(受託番号:NITE P-02535)菌株として、独立行政法人 製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター(NPMD)に寄託した、新規なラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスNITE P−02535株である。
〔発酵乳サンプル調整〕
「森永牛乳」(森永乳業社)を90℃で10分間の加熱殺菌を行い、30℃に冷却した。これに、本技術のクレモリス菌のカルチャー(107CFU/mL乳原料)を添加し、30℃で16時間の発酵後(pH4.31)、10℃以下まで冷却して発酵乳(実施例1)を得た。
また、比較品として、市販の「カスピ海ヨーグルト」(フジッコ社)(比較例1)を購入した。また、比較品として、市販の「ビヒダスヨーグルト」(森永乳業社)から単離したストレプトコッカス・サーモフィラス(S.thermophilus)とラクトバシラス・ブルガリクス(L.bulgaricus)(107CFU/mL乳原料)で「森永牛乳」を発酵(38℃、6時間)させて発酵乳(比較例2)を得た。
〔本技術のクレモリス菌〕
本技術のクレモリス菌は、上述のとおり、新たに発見したクレモリス菌であり、Lactococcus lactis ssp. Cremoris NITE P−02535(受託番号:NITE P-02535)菌株として、独立行政法人 製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター(NPMD)に寄託した、新規なラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスNITE P−02535株である。
〔発酵乳サンプル調整〕
「森永牛乳」(森永乳業社)を90℃で10分間の加熱殺菌を行い、30℃に冷却した。これに、本技術のクレモリス菌のカルチャー(107CFU/mL乳原料)を添加し、30℃で16時間の発酵後(pH4.31)、10℃以下まで冷却して発酵乳(実施例1)を得た。
また、比較品として、市販の「カスピ海ヨーグルト」(フジッコ社)(比較例1)を購入した。また、比較品として、市販の「ビヒダスヨーグルト」(森永乳業社)から単離したストレプトコッカス・サーモフィラス(S.thermophilus)とラクトバシラス・ブルガリクス(L.bulgaricus)(107CFU/mL乳原料)で「森永牛乳」を発酵(38℃、6時間)させて発酵乳(比較例2)を得た。
〔物性評価〕
発酵乳をスプーン1杯分(約4g)すくい、スプーンを傾けて発酵乳を落としてから糸曳きが完全に切れるまでの時間を測定した。実施例1、比較例2の各発酵乳はすぐに糸曳きが無くなったが、比較例1の発酵乳は糸曳きが長く残っていた。
市場で手に入るクレモリス菌を使用した発酵乳に比べ、本発明品であるクレモリスNITE P−02535株を使用した発酵乳では、クレモリス菌を使用していない比較例2の発酵乳と同様に糸曳性を示さなかった。
また、実施例1及び比較例1の発酵乳の粘性を、B型粘度計(回転数60rpm、ローターNo.4、測定温度:10℃)で測定した結果、それぞれ1,000mPa・s及び3,220mPa・sであり、クレモリスNITE P−02535株を使用した発酵乳では、粘性が非常に少なくなった。
発酵乳をスプーン1杯分(約4g)すくい、スプーンを傾けて発酵乳を落としてから糸曳きが完全に切れるまでの時間を測定した。実施例1、比較例2の各発酵乳はすぐに糸曳きが無くなったが、比較例1の発酵乳は糸曳きが長く残っていた。
市場で手に入るクレモリス菌を使用した発酵乳に比べ、本発明品であるクレモリスNITE P−02535株を使用した発酵乳では、クレモリス菌を使用していない比較例2の発酵乳と同様に糸曳性を示さなかった。
また、実施例1及び比較例1の発酵乳の粘性を、B型粘度計(回転数60rpm、ローターNo.4、測定温度:10℃)で測定した結果、それぞれ1,000mPa・s及び3,220mPa・sであり、クレモリスNITE P−02535株を使用した発酵乳では、粘性が非常に少なくなった。
〔風味評価〕
実施例1の発酵乳について、比較例1の発酵乳のチーズ風味の強さと比較して、「強い」(5点)、「やや強い」(4点)、「変わらない」(3点)、「やや弱い」(2点)、「弱い」(1点)を訓練されたパネラー9名で評価した。その結果、実施例1の発酵乳のチーズ風味は、平均点3.2点であった。これにより、クレモリスNITE P−02535株を使用した発酵乳と市販されているクレモリス菌の発酵乳では、チーズ風味の強さは変わらなかった。 実施例1の発酵乳について、比較例2のクレモリス菌を使用していない発酵乳のチーズ風味の強さが、「強い」(5点)、「やや強い」(4点)、「変わらない」(3点)、「やや弱い」(2点)、「弱い」(1点)、を訓練されたパネラー9名で評価した。その結果、実施例1の発酵乳のチーズ風味は、平均点3.9点であった。発酵乳の菌株として一般的なストレプトコッカス・サーモフィラス(S.thermophilus)とラクトバシラス・ブルガリクス(L.bulgaricus)で作成した発酵乳に比べて、クレモリスNITE P−02535株の発酵乳はチーズ風味がやや強かった。
実施例1の発酵乳について、比較例1の発酵乳のチーズ風味の強さと比較して、「強い」(5点)、「やや強い」(4点)、「変わらない」(3点)、「やや弱い」(2点)、「弱い」(1点)を訓練されたパネラー9名で評価した。その結果、実施例1の発酵乳のチーズ風味は、平均点3.2点であった。これにより、クレモリスNITE P−02535株を使用した発酵乳と市販されているクレモリス菌の発酵乳では、チーズ風味の強さは変わらなかった。 実施例1の発酵乳について、比較例2のクレモリス菌を使用していない発酵乳のチーズ風味の強さが、「強い」(5点)、「やや強い」(4点)、「変わらない」(3点)、「やや弱い」(2点)、「弱い」(1点)、を訓練されたパネラー9名で評価した。その結果、実施例1の発酵乳のチーズ風味は、平均点3.9点であった。発酵乳の菌株として一般的なストレプトコッカス・サーモフィラス(S.thermophilus)とラクトバシラス・ブルガリクス(L.bulgaricus)で作成した発酵乳に比べて、クレモリスNITE P−02535株の発酵乳はチーズ風味がやや強かった。
本技術のクレモリスNITE P−02535株では、通常のクレモリス菌と異なり、曳糸性及び粘性の少ない食品物性の発酵乳を得ることができる。この性状からも、本発明者が発見したクレモリスNITE P−02535株は、新規なクレモリス菌といえる。
さらに、本技術のクレモリスNITE P−02535株を使用した発酵乳は、クレモリス菌特有風味(特にチーズ香)を有していた。
以上のことから、新規なクレモリスNITE P−02535株を使用することで、クレモリス菌由来の風味を活かしつつ、通常の発酵乳と同等程度に曳糸性が非常に少ない発酵乳を得ることができた。
さらに、本技術のクレモリスNITE P−02535株を使用した発酵乳は、クレモリス菌特有風味(特にチーズ香)を有していた。
以上のことから、新規なクレモリスNITE P−02535株を使用することで、クレモリス菌由来の風味を活かしつつ、通常の発酵乳と同等程度に曳糸性が非常に少ない発酵乳を得ることができた。
〔試験例2〕
本技術のクレモリスNITE P−02535株、ビフィドバクテリウム属菌、乳酸菌スターターの各菌を用いて、表3に示すような含有量で使用した発酵乳を、実施例2〜4、比較例3〜4として、製造した。
〔サンプル調整〕
ミキサーを用いて脱脂濃縮乳、クリーム、蔗糖及び常温水を混合し、70℃に加温して溶解した。
次いでホモジナイザーにより15MPaの圧力で均質化した後、90℃で10分間の加熱殺菌を行い、40℃に冷却した。
これに、表1に示すように、市販の乳酸菌スターター(ストレプトコッカス・サーモフィラス(S.thermophilus)とラクトバシラス・ブルガリクス(L.bulgaricus)の混合培養物)、並びにビフィドバクテリウム・ブレーベFERM BP−11175株(受託番号:FERM BP-11175)若しくはビフィドバクテリウム・ブレーベBCCM LMG 23729株(Bifidobacterium breve BCCM LMG23729)、又はビフィドバクテリウム・ロンガムATCT BAA−999株(Bifidobacterium longum ATCC BAA-999)、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスNITE P−02535株の各カルチャーを使用し、紙カップに100gを充填した。38℃で発酵させてカードを形成させた後、10℃以下まで冷却して静置型発酵乳を得た。
なお、実施例2〜4について、本技術のクレモリスNITE P−02535株等の乳酸菌及びビフィドバクテリウム属細菌の接種量は、107CFU/mL乳原料であり、本技術のクレモリスNITE P−02535株の接種量は107CFU/mLであり、ビフィドバクテリウム属細菌の接種量は、107CFU/mL乳原料であった。
本技術のクレモリスNITE P−02535株、ビフィドバクテリウム属菌、乳酸菌スターターの各菌を用いて、表3に示すような含有量で使用した発酵乳を、実施例2〜4、比較例3〜4として、製造した。
〔サンプル調整〕
ミキサーを用いて脱脂濃縮乳、クリーム、蔗糖及び常温水を混合し、70℃に加温して溶解した。
次いでホモジナイザーにより15MPaの圧力で均質化した後、90℃で10分間の加熱殺菌を行い、40℃に冷却した。
これに、表1に示すように、市販の乳酸菌スターター(ストレプトコッカス・サーモフィラス(S.thermophilus)とラクトバシラス・ブルガリクス(L.bulgaricus)の混合培養物)、並びにビフィドバクテリウム・ブレーベFERM BP−11175株(受託番号:FERM BP-11175)若しくはビフィドバクテリウム・ブレーベBCCM LMG 23729株(Bifidobacterium breve BCCM LMG23729)、又はビフィドバクテリウム・ロンガムATCT BAA−999株(Bifidobacterium longum ATCC BAA-999)、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスNITE P−02535株の各カルチャーを使用し、紙カップに100gを充填した。38℃で発酵させてカードを形成させた後、10℃以下まで冷却して静置型発酵乳を得た。
なお、実施例2〜4について、本技術のクレモリスNITE P−02535株等の乳酸菌及びビフィドバクテリウム属細菌の接種量は、107CFU/mL乳原料であり、本技術のクレモリスNITE P−02535株の接種量は107CFU/mLであり、ビフィドバクテリウム属細菌の接種量は、107CFU/mL乳原料であった。
本技術のクレモリスNITE P−02535株を使用した実施例2、3及び4の発酵乳では、本技術のクレモリス菌を使用していない比較例3、4の発酵乳よりも、ビフィドバクテリウム属菌の含有量、保存生残性が向上した。
コーデックス発酵乳規格(CODEX STAN 243−2003)では、微生物名を記載する場合には1.0×106/g以上と定められており、また、全国発酵乳乳酸菌飲料協会が作成したガイドラインでは、ビフィドバクテリウム属細菌を使用してその旨を標榜する製品においては、ビフィドバクテリウム属細菌数が1.0×106/mL以上であることを規格としている。日本の市場で発売されている発酵乳の多くは、賞味期限を約2週間に設定されており、その期間内で、製品特徴として謳う微生物を1.0×106/mL以上維持することは、製品の設計において重要である。
比較例3及び4では、製造直後でのビフィドバクテリウム属細菌数は十分であるが、15日間が経過することで1.0×106/mLを下回っており、ビフィドバクテリウム属細菌の特徴を謳う製品としては不適格であった。一方で、実施例2〜4では、製造後15日間を経過しても充分なビフィドバクテリウム属細菌数を保持することが可能であった。
コーデックス発酵乳規格(CODEX STAN 243−2003)では、微生物名を記載する場合には1.0×106/g以上と定められており、また、全国発酵乳乳酸菌飲料協会が作成したガイドラインでは、ビフィドバクテリウム属細菌を使用してその旨を標榜する製品においては、ビフィドバクテリウム属細菌数が1.0×106/mL以上であることを規格としている。日本の市場で発売されている発酵乳の多くは、賞味期限を約2週間に設定されており、その期間内で、製品特徴として謳う微生物を1.0×106/mL以上維持することは、製品の設計において重要である。
比較例3及び4では、製造直後でのビフィドバクテリウム属細菌数は十分であるが、15日間が経過することで1.0×106/mLを下回っており、ビフィドバクテリウム属細菌の特徴を謳う製品としては不適格であった。一方で、実施例2〜4では、製造後15日間を経過しても充分なビフィドバクテリウム属細菌数を保持することが可能であった。
本技術は、本技術のラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスNITE P−02535株を使用して発酵することで、クレモリス菌を使用しながらも粘性及び曳糸性が低く食べやすい発酵乳を製造することができる。また、クレモリス菌特有の風味(例えばチーズ香)を発酵乳に付与することもでき、ビフィドバクテリウム属細菌を使用していてもクレモリス菌特有の風味を有する発酵乳を得ることもできる。
また、本技術のクレモリスNITE P−02535株は、ビフィドバクテリウム属細菌生残率を高めることができるので、ビフィドバクテリウム属細菌含有組成物にも利用でき、また、本技術のクレモリスNITE P−02535株は、ビフィドバクテリウム属細菌を多く含有する発酵乳を製造することもできる。また、本技術の発酵乳は、生きているビフィドバクテリウム属菌の含有量が、流通過程においても充分に維持されるため、より高い生理効果も望め、健康管理上も有用である。
また、本技術のクレモリスNITE P−02535株は、ビフィドバクテリウム属細菌生残率を高めることができるので、ビフィドバクテリウム属細菌含有組成物にも利用でき、また、本技術のクレモリスNITE P−02535株は、ビフィドバクテリウム属細菌を多く含有する発酵乳を製造することもできる。また、本技術の発酵乳は、生きているビフィドバクテリウム属菌の含有量が、流通過程においても充分に維持されるため、より高い生理効果も望め、健康管理上も有用である。
ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス NITE P−02535(NITE P−02535)菌株(受託日:2017年 8月25日)
受託先:〒292−0818 日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8、独立行政法人 製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター(NPMD)。
受託先:〒292−0818 日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8、独立行政法人 製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター(NPMD)。
Claims (14)
- ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス NITE P−02535(受託番号:NITE P-02535)。
- 請求項1に記載の乳酸菌を含む、組成物。
- 前記組成物が、飲食品組成物である、請求項2に記載の組成物。
- 前記飲食品組成物が、発酵乳である、請求項3に記載の組成物。
- 前記組成物が、医薬組成物である、請求項2に記載の組成物。
- さらにビフィドバクテリウム属細菌を含む、請求項2〜5のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記ビフィドバクテリウム属細菌が、ビフィドバクテリウム・ブレーベ及びビフィドバクテリウム・ロンガムからなる群から選択される、請求項6に記載の組成物。
- 請求項1に記載の乳酸菌を添加する工程を含む、組成物の製造方法。
- 前記組成物が、飲食品組成物である、請求項8に記載の組成物の製造方法。
- 前記組成物が、医薬組成物である、請求項8に記載の組成物の製造方法。
- 乳原料を含む殺菌調乳液に、請求項1に記載の乳酸菌を添加してpH5以下になるまで発酵させる発酵飲食品の製造方法。
- 前記請求項1に記載の乳酸菌と、乳酸菌スターター及び/又はビフィドバクテリウム属細菌とを添加して発酵させる請求項11に記載の発酵飲食品の製造方法。
- 前記発酵飲食品が、発酵乳である、請求項11又は12に記載の発酵飲食品の製造方法。
- 前記ビフィドバクテリウム属細菌が、ビフィドバクテリウム・ブレーベ及びビフィドバクテリウム・ロンガムからなる群から選択される、請求項12又は13に記載の発酵飲食品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017191142A JP2019062803A (ja) | 2017-09-29 | 2017-09-29 | 新規乳酸菌及び新規乳酸菌を含む組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019062803A true JP2019062803A (ja) | 2019-04-25 |
Family
ID=66337088
Family Applications (1)
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JP2017191142A Pending JP2019062803A (ja) | 2017-09-29 | 2017-09-29 | 新規乳酸菌及び新規乳酸菌を含む組成物 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2019062803A (ja) |
-
2017
- 2017-09-29 JP JP2017191142A patent/JP2019062803A/ja active Pending
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