JP2003284520A - 発酵豆乳およびその製造法 - Google Patents

発酵豆乳およびその製造法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 滑らかな食感と後口のすっきり感を有する発
酵豆乳およびその製造法の提供。 【解決手段】 低強度寒天を含有することを特徴とする
発酵豆乳およびその製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発酵豆乳およびそ
の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヨーグルトは古来より世界各地で食され
ている長寿食で、近年ではその健康に対する効果から、
非常に注目されている。ヨーグルトは厳密に表現する
と、厚生労働省の乳等省令において「乳またはこれと同
等以上の無脂乳固形分を含む乳等を乳酸菌または酵母で
発酵させ、糊状または液状にしたもの、またはこれらを
凍結したもの」という規定があり、これに含まれるもの
を「はっ酵乳」、すなわちヨーグルトとしている。ヨー
グルトは製法により、「ハードヨーグルト」と「ソフト
ヨーグルト」の2種類に大きく分類される。「ハードヨ
ーグルト」とは、乳原料を容器内に充填し、そのまま発
酵して固めた(セットさせた)プリン状組織の容器内発
酵のヨーグルトをいう。これは容器内でヨーグルトがき
れいにセットしているもので、プレーンヨーグルトと呼
ばれる製品にこのタイプが多い。一方「ソフトヨーグル
ト」とは、乳原料を一旦タンク等で発酵した後、得られ
たカードを撹拌・均質化し、必要により果肉入りソース
等を混合して容器に充填して得られる容器外発酵のヨー
グルトをいう。これは容器内でヨーグルトがペースト状
になっているか、あるいは緩くセットしているものが多
く、フルーツ果肉等を加えたフルーツヨーグルトと呼ば
れる製品にはこのタイプが多い。
【0003】一方、近年の健康志向の高まりから、植物
性である大豆食品が非常に注目されている。中でも豆乳
は良質な蛋白質源であり、手軽に摂取できることから、
生産量もここ数年伸びている。しかしながら、2−ヘキ
サナールや数種のサポニンなど微量成分による青臭味、
えぐ味などの不快な風味が問題となっている。そこで、
豆乳の風味改善のために乳酸菌で乳酸菌発酵し、発酵豆
乳を得る技術が幾つか報告されている。例えば、果汁入
り豆乳飲料の製造法(特開昭61−141840号公
報)、ケフィール様食品の製造法(特開昭62−205
735号公報)、ヨーグルト風豆乳の製造法(特開昭6
3−7743号公報)、凝固剤を使用しない豆腐の製造
法(特開平2−167044号公報)、豆乳の風味、色
調の改善法(特開平6−276979号公報)、レンネ
ットを使用した豆乳乳酸菌発酵食品の製造法(特開平8
−66161号公報)等が挙げられる。しかしながら、
これらの方法では発酵により豆乳特有の臭いを軽減、除
去することができるものの、乳酸菌発酵によって生じる
凝固物のテクスチャーがなめらかでないという問題があ
ったり、食感が重く後口が良くないという問題がある。
ヨーグルトの場合は食感は硬くても十分滑らかで口溶け
が良く、このような問題は生じず、発酵豆乳はヨーグル
トとは全く異なる特有の問題を有している。これを解決
するため、発酵豆乳の発酵後の組織を一旦均質化等の手
段により破壊し、食感を滑らかにしてソフトヨーグルト
タイプにする試みや、豆乳に凝固剤を添加後、乳酸菌発
酵する技術(特開平12−93083号公報)が知られ
ている。これらの方法により風味や食感の重さ、後口の
悪さはかなり改善されたが、依然として、ヨーグルトに
匹敵する滑らかな食感と後口のすっきり感がより一層求
められている。また、ヨーグルトに関しては、近年の食
の多様化により、繊細でよりソフトな食感が要求されて
おり、そのため保形剤として低強度寒天を使用すること
が記載されている(特開平6−38691号公報)が、
これはハードヨーグルトの物性を維持しつつ、食感をよ
りソフトにするために使用しているものであり、発酵豆
乳の有する食感の重さや後口の悪さの改善については全
く示唆も教示もされていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は滑らかな食感
と後口のすっきり感を有する発酵豆乳およびその製造法
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意研究を重ねた結果、低強度寒天を添
加した豆乳を乳酸菌発酵して均質化することにより、目
的とする滑らかな食感と後口のすっきり感が良好なヨー
グルト様のテクスチャーを有する乳酸菌発酵豆乳が得ら
れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、(1)低強度寒天を
含有することを特徴とする発酵豆乳、(2)低強度寒天
を大豆固形分に対して0.5〜2.2重量%含む上記
(1)記載の発酵豆乳、(3)豆腐用凝固剤をさらに含
有する上記(1)または(2)記載の発酵豆乳、(4)
低強度寒天を添加した豆乳を乳酸菌発酵に付し、均質化
することを特徴とする発酵豆乳の製造法、(5)豆乳に
低強度寒天と、さらに豆腐用凝固剤を添加する上記
(4)記載の発酵豆乳の製造法などを提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、発酵豆乳とは、
豆乳および必要により添加した副原料を調合した発酵前
調製液を乳酸菌で発酵させ、必要により均質化して得ら
れるヨーグルト状の豆乳発酵物であり、豆乳ヨーグルト
とも呼ぶことができる。
【0008】(豆乳)本発明の発酵豆乳の原料として用
いる豆乳は、どのような方法により得たものでもよい
が、大豆や脱脂大豆から常法により得られる豆乳を用い
ることができる。脱皮および脱胚軸した大豆や酵素失活
のために加熱した大豆を用いる方が、風味の良い豆乳が
得られ好ましい。例えば、丸大豆や脱皮大豆を水浸漬す
るか、またはせずに含水状態にて磨砕して「ご」とし、
これを濾過等して不溶性画分を除去して得ることができ
る。好適には、丸大豆、脱皮大豆または脱皮・脱胚軸大
豆を50℃〜100℃の温水または熱水に接触させて、
温水または熱水に溶出する可溶性成分を除いた後、磨砕
し不溶性画分を除去した豆乳が適当である。この豆乳の
pHは7〜8とすることが好ましい。
【0009】(低強度寒天)本発明の発酵豆乳は、低強
度寒天を含有すること、詳しくは豆乳に低強度寒天を必
須成分として添加したものを乳酸菌発酵させ、その後均
質化することに特徴がある。用いる低強度寒天は寒天成
分の分子を短く切断し、ゼリー強度を通常の寒天よりも
弱めたものであり、好ましくはゼリー強度が1.5重量
%寒天濃度で250g/cm以下の範囲に調整された
もののことである(特開平6−38691号公報)。低
強度寒天を発酵豆乳に添加することにより、食感や風味
に影響することなく、ヨーグルトと同等の保形性、離水
防止等の必要な物性を得ることができる。ゼリー強度が
250g/cmを超える寒天を用いた場合、ヨーグル
ト様の滑らかな食感を得難い。ゼリー強度とは、寒天の
性質を示す1つのパラメーターであり、その測定には日
寒水式の方法が広く採用されている。この方法は、「寒
天の1.5%溶液を調製し、20℃で15時間放置凝固
せしめたゲルについて、その表面1cm当たり20秒
間耐え得る最大重量(g数)をもってゼリー強度とす
る」というものである。低強度寒天の豆乳への添加量は
寒天分子の分子量の違いにもよるが、通常は大豆固形分
あたり0.5〜2.2重量%が適当であり、0.9〜
1.8重量%がより好ましい。大豆固形分中の粗蛋白質
含量が50重量%の場合は、この添加量は豆乳の粗蛋白
質含量あたり1.6〜4重量%に相当する。大豆固形分
あたり0.5重量%未満では、乳酸菌発酵し、均質化し
た後の発酵豆乳の粘度が低い場合、液状に近い物性であ
るために充填、配送時の保形性が悪くなり、またフルー
ツプレパレーション等の固形物を含む場合、容器の底に
沈降しやすくなる。一方、4重量%を超えると発酵後の
発酵豆乳の粘度が高めになるために食感がやや重く、後
口のすっきり感が減少していく傾向となる。また、発酵
豆乳のセット後の硬度が高くなるために、ソフトヨーグ
ルトタイプを製造する場合は発酵タンクでセットしてし
まうと発酵豆乳の抜き出しが難しく、作業性が低下す
る。
【0010】(発酵前副原料)本発明の発酵豆乳は、低
強度寒天を必須とする他、発酵前に必要に応じた副原料
を豆乳に調合することができる。例えばヨーグルトに一
般的に使用されている甘味料(砂糖、グルコース、マル
トース、乳糖、トレハロース、パラチノース等の糖類、
エリスリトール、キシリトール、マルチトール、ラクチ
トール、還元水飴、ソルビトール等の糖アルコール、ソ
ーマチン、アスパルテーム、ステビア、スクラロース、
アセスルファムカリウム等の高甘味度甘味料等)、ゼラ
チンや増粘多糖類(寒天、キサンタンガム、グアーガ
ム、タラガム、ペクチン等)等の安定剤、リンゴやレモ
ン等の果汁、ポリデキストロース、セルロース、イヌリ
ン、水溶性大豆多糖類等の食物繊維類、大豆オリゴ糖、
乳果オリゴ糖等のオリゴ糖類、カルシウム塩、マグネシ
ウム塩、鉄等のミネラル類、香料等を使用することがで
きる。
【0011】(乳酸菌発酵)このようにして得られた発
酵前調製液を乳酸菌発酵するときに、乳酸菌資化性糖類
(例えば砂糖やオリゴ糖類等)は必ずしも添加する必要
はないが、添加することにより発酵を促進し風味の優れ
た発酵豆乳を得ることができる。発酵方法については、
バルクスターターを作って添加することも、凍結濃縮菌
や凍結乾燥濃縮菌で直接、豆乳に添加することもでき
る。添加量は、発酵温度、発酵時間に応じて調整するこ
とができる。発酵温度は20〜50℃で、3〜48時
間、好ましくは25〜45℃で、4〜24時間が適当で
ある。得られた発酵豆乳のpHは3.5〜5.0、好ま
しくは4.0〜4.5が適当である。
【0012】(乳酸菌)乳酸菌発酵に使用する乳酸菌
は、通常のヨーグルトに使用されるものであれば特に限
定しない。例えばラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチ
ルス・プランタラム、ラクトバチルス・ヘルベティカ
ス、ラクトバチルス・ブルガリカス、ラクトバチルス・
ガッセリ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバ
チルス・サリバリウス・サリバリウス、ラクトバチルス
・ガリナラム、ラクトバチルス・アミロボラス、ラクト
バチルス・ブレビス・ブレビス、ラクトバチルス・ファ
ーメンタム、ラクトバチルス・マリ、ラクトバチルス・
デルブルッキィ等のラクトバチルス属、ストレプトコッ
カス・サーモフィルス、ストレプトコッカス・ラクチス
等のストレプトコッカス属、ラクトコッカス・ラクチス
・ラクチス、ラクトコッカス・ラクチス・クレモリス等
のラクトコッカス属、ロイコノストック・メセンテロイ
デス・クレモリス、ロイコノストック・ラクチス等のロ
イコノストック属、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、
ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリ
ウム・ロンガム等のビフィドバクテリウム属等の公知の
乳酸菌株を用いることができる。またこれらの乳酸菌は
単独または2種類以上の組み合わせでも任意に使用する
ことできる。
【0013】(発酵後処理)発酵は製品用容器の中で直
接発酵させ、そのままセットさせることを妨げないが、
発酵豆乳はヨーグルトと異なる独特の食感の重さと後口
の悪さがあるため、ヨーグルト様の滑らかな食感と後口
のすっきり感を得るためには、低強度寒天を添加した豆
乳を乳酸菌発酵させて得られた発酵豆乳を均質化するこ
とが好ましい。すなわち、製造用タンク等の製品用容器
外で一旦発酵させ、得られた発酵豆乳を撹拌やホモゲナ
イザー等により均質化を行った後、必要により冷却した
ものを製品用容器(紙容器、合成樹脂容器、酸素バリヤ
ー性の高い容器等)に充填してソフトヨーグルト様の発
酵豆乳とするのが好ましい。また、充填時に必要に応
じ、油脂、各種香料、色素、安定剤、甘味料等を添加し
たり、フルーツプレパレーション等を添加して、各種フ
ルーツタイプの製品を作ることもできる。
【0014】(凝固剤の添加)上記した本発明の発酵豆
乳には、低強度寒天とさらに凝固剤を豆乳に添加し、必
要により加熱処理を行ったものを発酵させると極めてヨ
ーグルト様の軽い食感および後口のすっきり感が促進さ
れ、かつ豆乳由来の青臭味、苦味、渋味の低減効果も認
められ、さらに好ましい。凝固剤の種類としては、例え
ば天然(塩田)ニガリ、水酸化マグネシウム、塩化マグ
ネシウム、硫酸マグネシウム等のマグネシウム塩、水酸
化カルシウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、乳酸
カルシウム、乳清カルシウム等のカルシウム塩等のアル
カリ土類金属の塩もしくは水酸化物、またはグルコノデ
ルタラクトンの単独あるいは混合品を用いることができ
る。上記の凝固剤全てにおいて食感と後口の改善効果と
豆乳の青臭味、苦味、渋味の低減効果が認められるが、
ニガリやマグネシウム塩は豆乳への乳味のようなコク味
の付与効果があり、カルシウム塩よりも効果的である。
また、グルコノデルタラクトンは単独では他のマグネシ
ウム塩やカルシウム塩より風味改善効果が少ないため、
他のマグネシウム塩やカルシウム塩と併用することが好
ましい。さらに、グルコノデルタラクトンの代わりにフ
マル酸等の有機酸を用いることもできる。凝固剤を用い
る場合の添加量は種類により異なるが、塩として通常大
豆固形分あたり1〜2.5重量%(豆乳の粗蛋白質含有
量に対して2〜5重量%)が適当であり、1〜1.8重
量%がより好ましい。大豆固形分に対して1重量%未満
では食感の滑らかさと後口のすっきり感は維持されてい
るものの、若干食感が重くなる傾向にある。また、風味
的には豆乳の青臭味、苦味、渋味の低減効果が弱くな
る。3重量%を超えるとpHが低下し、凝固剤の味が目
立つようになり、調合タンク等において豆乳に添加した
ときの豆乳の凝固が強すぎ、乳酸菌発酵工程の作業性が
低下する。凝固剤の添加時期は、特に限定されないが、
加熱処理を行う場合は加熱前に添加することが好まし
い。但し、豆乳が豆腐状に凝固する程度の凝固剤を添加
する場合は、添加時から均質化までの間は豆乳が凝集物
と上澄みとに分離しないように絶えず撹拌し続けること
により、加熱処理を容易に行うことができる。
【0015】かかる加熱処理の方法は特に限定されず、
直接加熱、間接加熱の何れでも良いが、特に直接高温瞬
間加熱が好ましい。蒸気のインジェクション部において
凝集豆乳と蒸気が混合し、凝集した蛋白質がさらに高
温、高圧による変性を受けることにより粘度の低下と微
粒子化を起こし、さらにフラッシュパンにおける減圧に
よる脱臭効果が再加熱による再凝集の防止と風味の改善
に寄与するためと思われる。直接高温瞬間加熱の温度は
通常120〜150℃、加熱時間は通常1秒〜2分とす
ることができるが、2〜10秒が好ましい。
【0016】加熱処理後に均質化処理を行う場合は公知
のホモゲナイザー等の均質化手段を利用することができ
る。均質化は高圧ホモゲナイザー等により、例えば圧力
が5〜200kg/cmが適当である。均質化処理は
乳酸菌発酵後の発酵豆乳の食感に大きく影響し、未処理
または均質化圧力が5kg/cm未満の場合は食感が
ざらついたり、後口のすっきり感が失われる。
【0017】
【実施例】以下に実施例および試験例を挙げて本発明を
さらに詳しく説明するが、本発明はこれらによって限定
されるものではない。以下の実施例、試験例中、「部」
および「%」とあるは、いずれも重量部および重量%で
ある。 実施例1 脱皮脱胚軸大豆1部に水10部を加え、30〜50℃で
60分間以上浸漬して十分に吸水した脱皮脱胚軸大豆
(水分含量40〜55%)1部に対し、熱水(90℃)
3部を加えたものをグラインダー(増幸産業(株)製)
で処理し、これに重曹溶液を添加してpHを7.4以上
8.0以下に調整した。これをホモゲナイザー(APV
社製)に供給し、150kg/cmで均質化処理し
た。均質化した磨砕液は遠心分離機によって3000G
で5分間分離して豆乳とおからを得た。この原料豆乳は
固形分9.0%、蛋白質4.5%でpHは7.5であっ
た。この原料豆乳を60℃に昇温後、水に溶解あるいは
分散した低強度寒天「ウルトラ寒天UX100」(伊那
食品工業(株)製)および塩田ニガリ(赤穂化成(株)
製)をそれぞれ大豆固形分に対し、1%と1.6%添加
混合し、そのまま60℃で5分間保持した後、142
℃、4秒間の直接高温瞬間加熱方式による滅菌を行った
後、ホモゲナイザーで100kg/cmで均質化処理
したものに、ラクトバチルス・ブルガリカス、ストレプ
トコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウム・
ロンガムの各種市販乳酸菌(凍結乾燥乳酸菌)の個別培
養液をスターターとして各1%ずつ添加し、40℃、7
時間タンク内で発酵を行った。次いで、7℃まで撹拌冷
却して得られたカード状の発酵豆乳を撹拌により均質化
し、製品用容器に充填した。得られた発酵豆乳のpHは
4.3であった。
【0018】試験例1 (低強度寒天の添加量の検討)実施例1と同様にして、
低強度寒天の添加量を大豆固形分に対して0〜2.5%
(豆乳の粗蛋白質含有量に対して約0〜5.0%)に変
化させ、発酵豆乳を調製し、低強度寒天の添加量による
効果を検討した。結果を表1に示す。粘度はB型粘度計
(BM型)で20℃で測定した。食感評価(滑らかさ、
後口のすっきり感)についてパネラー10名による官能
検査で行い、10点を満点とする点数の平均値で評価し
た。物性評価については、製品容器に発酵豆乳を充填す
る際に、果肉入りフルーツプレパレーションを添加し、
1日冷蔵保存後の果肉の沈降の有無を評価した。
【0019】
【表1】 乳酸菌発酵後の粘度および食感
【0020】表中、低強度寒天の添加量は大豆固形分に
対する割合で示す。また、物性評価および総合評価はつ
ぎのとおりである。 物性評価:(−)沈降なし、(+)沈降多少あり、(+
+)沈降多い 総合評価:◎非常に良好、○良好、△やや悪い、×不可 低強度寒天の添加量が大豆固形分に対して0重量%のと
き、食感は良好であるが、粘度が非常に低く、一般のヨ
ーグルトと同等の保形性を有しておらず、またフルーツ
プレパレーションのような固形物を添加した場合は容器
内で沈降する問題が生じ、製品として好ましくなかっ
た。一方、大豆固形分に対して0.8重量%のとき、食
感は滑らかで後口のすっきり感が非常に良好であり、粘
度はソフトヨーグルト状で、固形物も沈降しなかった。
大豆固形分に対して1、1.5重量%のとき、食感は良
好であり、粘度も固形物が沈降しない適切なレベルであ
った。大豆固形分に対して2重量%のとき、食感が若干
重くなる傾向にはあるものの良好であった。大豆固形分
に対して2重量%より多くなると、粘度上は問題のない
レベルではあるが、食感は重くなる傾向となった。これ
らの結果を考慮すると、適正な食感・物性をいずれも満
足するためには、低強度寒天の添加量は0.8〜2重量
%がより良好であり、1.0〜1.5重量%が最も良好
であった。
【0021】試験例2 (凝固剤の添加量の検討)塩田ニガリ(赤穂化成製)を
大豆固形分に対して0、1.5、2、3%それぞれ添加
混合し、その他の操作は試験例1と同様にして発酵豆乳
を得た。大豆固形分に対して0%(無添加)のとき、所
定の粘度と硬度を有しており物性的な問題なく、食感の
滑らかさ、後口のすっきり感とも良好であった。塩田ニ
ガリを添加した場合と比べれば食感が若干重い傾向にあ
った。大豆固形分に対して1.5%のとき、ヨーグルト
様の軽い食感と後口のすっきり感が促進され、非常に良
好に感じられた。大豆固形分に対して2%のとき、食感
は軽く非常に良好であるが、発酵後の粘度が若干低目で
あった。大豆固形分に対して3%のとき、食感は軽く非
常に良好であるが、粘度が非常に低く、一般のヨーグル
トと同等の保形性を有しておらず、またフルーツプレパ
レーションのような固形物を含む場合は容器内で果肉が
沈降する等の問題が生じた。また塩田ニガリの添加量が
多くなると、調合時に豆乳の一部が豆腐状の凝固物にな
ってしまう等の問題も生じた。これらの結果から、粘度
および食感を満足するためには、塩田ニガリの添加量は
1.5〜2%が良好である。
【0022】
【発明の効果】本発明の発酵豆乳は、低強度寒天の使用
により、従来発酵豆乳では得られなかったヨーグルトに
極めて近い食感の滑らかさと後口のすっきり感を維持す
るものである。さらに、凝固剤と低強度寒天を併用する
ことにより、軽い食感と後口のすっきり感が促進された
物性を有し、フルーツの果肉を添加しても沈降せずに安
定であり、豆乳特有の風味も改善されたものである。し
たがって、本発明によれば、通常のヨーグルトに比べて
全く違和感なく食することが可能であり、コレステロー
ル等の血清脂質代謝の改善効果が認められている豆乳の
利用価値をさらに高めることができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4B001 AC03 AC08 AC31 BC03 BC14 DC50 4B020 LB18 LK02 LK05 LK18 LP18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低強度寒天を含有することを特徴とする
    発酵豆乳。
  2. 【請求項2】 低強度寒天を大豆固形分に対して0.5
    〜2.2重量%含む請求項1記載の発酵豆乳。
  3. 【請求項3】 豆腐用凝固剤をさらに含有する請求項1
    または2記載の発酵豆乳。
  4. 【請求項4】 低強度寒天を添加した豆乳を乳酸菌発酵
    に付し、均質化することを特徴とする発酵豆乳の製造
    法。
  5. 【請求項5】 豆乳に低強度寒天と、さらに豆腐用凝固
    剤を添加する請求項4記載の発酵豆乳の製造法。
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